JP3828942B2 - キーレス形アクセス監視装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、自動車に対するキーレス形アクセス監視装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
この種の装置は自動車内部の送信ユニット及び受信ユニットと携帯可能なトランシーバを有している。このシステムでは送信ユニットと、トランシーバと、受信ユニットとの間の双方向性の対話ダイアログによって解錠ユニット（例えば集中ドアロック装置）が制御され得る。
【０００３】
そのようなアクセス監視装置は例えばヨーロッパ特許第０１３８０９０号明細書から公知である。この装置では携帯型トランシーバと、自動車内に固定的に配設された送受信ユニットにおいて、自動車所有者の照合と正当な所有者である場合の自動車の解錠のために、問合せ−応答−対話ダイアログが用いられている。この対話ダイアログの盗聴防止能力は、送信及び受信される信号の種々異なる到達範囲によって保証される。
【０００４】
しかしながらこのような装置では巧妙な手口によって出し抜かれる可能性も有している。その手口の１つは図１に詳細に示されている。図１では正当な所有者が、真の所有者であることを証明する手段（ここではトランシーバとして示されている）を携帯して施錠された自動車のそばから離れた所にいる。ここにおいて第１の不法者Ａがまず自動車に近づき、これに対して第２の不法者Ｂは正当な所有者のそばに近づく。この二人組の不法者Ａ，Ｂはそれぞれ携帯式の送受信ユニットＡＥ，ＢＥを携帯しており、この２つの送受信ユニットはそれぞれ信号を受信して、その受信信号をそれぞれもう一方の装置を介して自動車に送信したり、あるいはトランシーバ（正当な所有者の携帯している）に送信したりすることが可能である。
【０００５】
この状況の下で第１の不法者Ａが解放手段（ドアの取っ手）を操作すると、自動車とトランシーバとの間の双方向性の問合せ−応答−対話ダイアログが２つの送受信ユニットＡＥ，ＢＥを介した巧妙な迂回経路を介して開始される。通常の場合は周知のように自動車からトランシーバが離れ過ぎているためにトランシーバの信号は自動車には届かない。しかしながらこの手口の場合には不法者Ａは自動車内に侵入してこれを始動させることが可能となる。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、前記したような従来装置の欠点に鑑み、不法侵入者に対するさらに高い安全性を保証することのできるキーレス形アクセス監視装置を提供することである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば上記課題は、自動車内に配設された送信ユニットと、使用者に携帯されるトランシーバと、自動車内に配設された受信ユニットと、間隔距離測定装置と、トランシーバ内に設けられた受信機とトランシーバ内に設けられた送信機とを有し、前記送信ユニットは、解放手段を操作した場合に問合せコード信号を送信し、前記受信ユニットは、トランシーバから受信した応答コード信号と目標コード信号が一致した際に解錠信号を解錠ユニットに供給し、前記間隔距離測定装置は、トランシーバと自動車との間の間隔距離を測定し、前記トランシーバ内に設けられた受信機は、問合せコード信号を受信し、前記トランシーバ内に設けられた送信機は、自動車がトランシーバの直ぐ近くに位置する場合にのみ応答コード信号を送信するように構成されて解決される。
【０００８】
この構成の下では、解放手段の操作の際に自動車内に配設された送信ユニットによって問合せコード信号が送信され、送信機と受信機を備えた携帯可能なトランシーバはそれに続いて活性化され、そして自動車がトランシーバの直ぐそばにある場合にのみ応答コード信号を送信する。このことは間隔距離測定装置によって確認される。この間隔距離測定装置はトランシーバによってか又は自動車内に配設された制御装置によって起動される。
【０００９】
自動車内の受信ユニットは応答コード信号と目標コード信号に一致が見られた場合に解錠信号を解錠ユニットに送信する。
【００１０】
本発明の別の有利な構成例は従属請求項に記載される。
【００１１】
間隔距離の測定に対してはトランシーバは有利には、例えば超音波信号又はＵＨＦ信号を送信してその反射信号をトランシーバにより受信する間隔距離測定装置を有する。この信号の伝搬時間から間隔距離が算出可能である。またこのトランシーバは所属の振動回路を備えた誘導型受信機を有することも可能である。この誘導型受信機は金属探知器のように自動車の存在を探知する。間隔距離測定装置は、トランシーバ内か及び／又は制御装置内に配設可能である。
【００１２】
【実施例】
次に本発明の実施例を図面に基づき詳細に説明する。
【００１３】
ここでは遠隔制御可能なキーレス形アクセス監視装置が例えば自動車に用いた例で以下に詳細に説明される。
【００１４】
図２には、送信ユニットと受信ユニットを備えた制御装置２が自動車１内に配設されている。この制御装置２は、携帯可能なトランシーバ３（このトランシーバは自動車１からある間隔距離をおいて所有者の上着のポケット内にある）と問合せ−応答−対話ダイアログを用いて無線方式で接続可能である。その際にトランシーバ３の使用者４が自動車１を解錠又は施錠することのできる正当な所有者であるか否かが照合される。
【００１５】
制御装置２は解放手段（例えばドアの取っ手５）と接続されている。この解放手段の操作によって、制御装置２とトランシーバ３との双方向性の無線での問合せ−応答−対話ダイアログの開始がトリガされる。
【００１６】
次に自動車１の解錠又は施錠のための問合せ−応答−対話ダイアログを図３に基づいて詳細に説明する。
【００１７】
ここでは解放手段としてドアの取っ手５が使用される。このドアの取っ手５の操作の後で制御装置２の送信ユニット８は問合せコード信号６を送信する（この送信は無線での伝送であるので図３のフローチャートでは稲妻形の矢印で示されている）。問合せコード信号６はトランシーバ３によって受信される。
【００１８】
さらにトランシーバ３は間隔距離測定装置を用いて自動車１がその直ぐ近くに存在しているか否かの確認を行う。自動車１がトランシーバ３から十分に近い位置に存在する場合には、トランシーバ３は応答コード信号７を送信する。それ以外では当該の問合せ−応答−対話ダイアログが中断される。自動車１までの間隔距離が大き過ぎる場合には自動車への接近を促す警報信号を送信することも可能である。
【００１９】
応答コード信号７は制御装置２の受信ユニット９によって受信され、所期の目標コード信号と比較される。トランシーバ３の使用者が正当な所有者である場合には、すなわち応答コード信号７が目標コード信号と一致している場合には解錠信号がトリガされる。これによって自動車１は解錠される。
【００２０】
問合せ−応答−対話ダイアログの盗聴防止能力を高めるために、問合せコード信号６と応答コード信号７を所定のアルゴリズムに従って常時変更することも可能である。これについては、本発明の本質はコード信号の生成にはなく、またそれ自体十分に公知なものなのでここでの詳細な説明は省く。
【００２１】
送信ユニット８は１つ又は複数の送信アンテナと接続されている。この送信アンテナは２つのドアミラー及び／又はバックミラーあるいは自動車１のドアに配設されている。受信アンテナは、全ての方向から信号をキャッチできるように配設される。そのため送信アンテナは車両の後部にも配設可能である。またラジオアンテナも同様に受信ユニット９の受信アンテナとして用いることが可能である。
【００２２】
受信ユニット９によっては解錠ユニットとして例えば集中ドアロック装置が制御される。この解錠ユニットも制御装置２内に設けられている。制御装置２は自動車１の任意の位置に存在し得る。制御装置２は受信ユニット９、送信ユニット８、集中ドアロック装置及び場合によって距離間隔測定装置の少なくとも一部と共に車両バッテリによってエネルギを供給される。
【００２３】
携帯可能なトランシーバ３は受信機と送信機を有している。これらはボタン型のバッテリによってエネルギを供給される。この送信機と受信機は同時にトランシーバ３と自動車１との間の間隔距離を測定するのにも用いることができる。つまりこの送信機と受信機は同時に間隔距離測定装置でもあり得る。しかしながら間隔距離を測定する付加的な送信機と受信機が設けられていてもよい。
【００２４】
トランシーバ３と自動車１との間の間隔距離の測定に対して間隔距離測定装置はＵＨＦ信号か又は超音波信号を送信し得る。この場合自動車１によって再び信号がトランシーバ３に反射されるか又は制御装置２によって受信され、増幅されて再び送信される。測定された全ての伝搬時間からトランシーバと自動車との間の間隔距離が検出され得る。
【００２５】
ＵＨＦ信号が間隔距離の測定のために用いられるならば、約１０ｎｓの僅かな伝搬時間が故にＭＨｚ領域か又はＧＨｚ領域の非常に高い周波数が使用されるべきである。送信機と受信機はレーダー方式に類似して動作する。
【００２６】
また自動車１に近接している状態が、金属探知器のように機能する所属の振動回路を備えたコイルによって検出されてもよい。この場合は自動車１自体の大きな金属体の存在が検知される。
【００２７】
トランシーバと自動車との間の最大許容距離は、一方では問合せコード信号６ないし応答コード信号７の比較的小さな到達距離によって決定され、また他方では自動車１からトランシーバ３までの許容距離をどの程度まで許容させるかについての経験的な値によって決定される。この最大許容距離までは使用者はまだ正当な所有者として自動車にアクセスすることができる。この最大許容距離は約１ｍ〜２ｍである。
【００２８】
同じように自動車１内の制御装置２は間隔距離測定装置の少なくとも一部を備えてトランシーバ３によって受信される超音波信号か又はＵＨＦ信号を送信することも可能である。トランシーバ３は応答信号で前記信号に対する応答を行う。その後制御装置２は測定された伝搬時間からトランシーバと自動車との間の間隔距離を算出し、この伝搬時間に基づいて、問合せ−応答−対話ダイアログの続行か中断を判断する。
【００２９】
トランシーバ３は有利にはチップカードとして構成される。このトランシーバ３は、送信機、受信機、電源及び間隔距離測定装置の少なくとも一部がその中に配設された従来のキーの形式で構成されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図１】不法侵入されている場合の自動車を示した図である。
【図２】本発明によるキーレス形アクセス監視装置を備えた自動車を示した図である。
【図３】トランシーバと制御装置との間の問合せ−応答−対話ダイアログのフローチャートを示した図である。
【符号の説明】
１ 自動車
２ 制御装置
３ トランシーバ
４ 使用者
５ ドア取っ手
６ 問合せコード信号
７ 応答コード信号
８ 送信ユニット
９ 受信ユニット

Claims (7)

1. 自動車(１)に対するキーレス形アクセス監視装置において、
   自動車内に配設された送信ユニット（８）と、
   使用者（４）に携帯されるトランシーバ（３）と、
   自動車内に配設された受信ユニット（９）と、
   間隔距離測定装置と、
   トランシーバ（３）内に設けられた受信機と
   トランシーバ（３）内に設けられた送信機とを有し、
   前記送信ユニット（８）は、解放手段（５）を操作した場合に問合せコード信号（６）を送信し、
   前記受信ユニット（９）は、トランシーバ（３）から受信した応答コード信号（７）と目標コード信号が一致した際に解錠信号を解錠ユニットに供給し、
   前記間隔距離測定装置は、トランシーバ（３）と自動車（１）との間の間隔距離を測定し、
   前記トランシーバ（３）内に設けられた受信機は、問合せコード信号を受信し、
   前記トランシーバ（３）内に設けられた送信機は、自動車（１）がトランシーバ（３）の間近に位置する場合にのみ応答コード信号（７）を送信するように構成されており、
   さらに前記解放手段（５）は、送信ユニットと電気的に接続されているドアの取っ手であることを特徴とする、キーレス形アクセス監視装置。
2. 前記間隔距離測定装置は、超音波送信機と超音波受信機を有している、請求項１記載のキーレス形アクセス監視装置。
3. 前記間隔距離測定装置は、ＵＨＦ−送信機とＵＨＦ−受信機を有している、請求項１記載のキーレス形アクセス監視装置。
4. 前記間隔距離測定装置は、所属の振動回路を備えた誘導式受信機を有している、請求項２記載のキーレス形アクセス監視装置。
5. 前記間隔距離測定装置は、トランシーバ（３）内に配設されている、請求項１記載のキーレス形アクセス監視装置。
6. 前記間隔距離測定装置は自動車（１）内の制御装置（２）に配設されている、請求項１記載のキーレス形アクセス監視装置。
7. 前記間隔距離測定装置の一部は自動車内の制御装置（２）に配設され、別の一部は携帯可能なトランシーバ（３）内に配設されている、請求項１記載のキーレス形アクセス監視装置。

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