JP3818730B2 - サーボプレスのモーション制御装置とその制御方法 - Google Patents

サーボプレスのモーション制御装置とその制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、スライドが電動サーボモータにより直動駆動されるサーボプレスの加工において、サイクルタイムの短縮を可能とするモーション制御装置とその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
エレクトロニクス製品に代表されるように近年のハイテク化は目ざましく、それに伴ってその構成部品に対して高精度の品質が要求されている。プレス加工においても、このような要求に対応するためには様々な技術的な改善がなされており、例えば従来の油圧プレスではできないような高精度の加工が、サーボモータによって駆動されるサーボプレスによって行なわれている。
例えば、特開平2−224898号公報では、サーボモータにより駆動されるスライドが設定された制御パターンでストローク制御されるプレス機械に係わる技術が開示されている。図8に示すように、このプレス機械はフレーム10に上下動するスライド15を備えている。スライド15はボールねじ14(本発明においては、動力変換装置と表示),減速機12(同、回転伝達部材)を介してサーボモータ11と接続され、このサーボモータ11によって駆動される。前記サーボモータ11はサーボアンプ29(同、サーボモータ指令出力手段)を介してコントローラ20(同、サーボ制御装置)に接続されている。サーボモータ11により駆動されるスライド15は、前記コントローラに入力された制御パターン又は入力された加工条件に基づいて自動設定された制御パターンに基づいてモーション制御される。この制御パターンの一例として、図9に示すようなパンチ加工の例が挙げられている。この制御において、スライド15は上昇端Z1(本発明においては、上限位置と表示)から下降端Z2(同、下限位置)まで駆動されてパンチ加工が行なわれるが、この上昇端Z1と下降端Z2との間に中間点Z3を定め、この中間点Z3より下降端Z2までは別の速度を設定することによって、より精密な加工を行なうとしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、加工精度を向上し製品品質の向上を図ることは生産技術の進歩として非常に重要なことであるが、また一方、加工時間の短縮を図り生産性を向上することも生産技術の面から非常に重要なことといえる。前記従来技術においては、加工精度の向上のためのスライドの制御パターンが示されているが、加工時間の短縮という観点からみると、この制御パターンを決めるパラメータであるスライドの速度とこの速度切替え位置あるいは加圧時間等の条件を、スライドがより短い軌跡の行程で、かつ、より速い速度で加工を行なうように設定する必要がある。
【0004】
この発明は上記の問題点に鑑みてなされ、加工のサイクルタイムを短縮するためのサーボプレスのモーション制御装置とその制御方法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、上下動するスライド15と、スライド15を上下駆動するサーボモータ11と、スライド15の位置及び速度をそれぞれ検出するスライド位置検出手段17及び速度検出手段11aと、スライド15の位置及び速度条件を設定する設定・表示手段18と、前記設定条件に基づいてサーボモータ11の速度指令値を出力する手段と、この速度指令値を受けてサーボモータ11を制御するサーボモータ指令出力手段29とを備え、この所定の位置及び速度データに基づいてスライド15のモ−ション制御を行ない被加工物の加工を行なうサーボプレスのモーション制御装置において、打抜き加工時に、金型2が被加工物の加圧を始めるときのスライド15の加圧開始位置を特定するための信号を検出する位置特定信号検出器23と、この位置特定信号検出器23により検出された信号の変化率又はレベルの大きさに基づいて前記加圧開始位置を検出し、このときに位置データを前記スライド位置検出手段17から入力する特定位置判定手段25と、この特定位置判定手段25に入力された前記加圧開始位置データに基づいて、この位置より所定距離上方に、スライド15の下降速度が最高速度から加工速度に切替わる加工開始位置を設定する位置設定手段27と、この位置設定手段27によって新たに設定された加工開始位置データ及び前記設定・表示手段18により入力された位置及び速度条件をスライド制御データとして記憶するモーション記憶手段24と、前記モーション記憶手段24からスライド制御データを入力し、次回の打抜き加工時に、ライド15の位置及び速度が、新たな加工開始位置を加味されたモーションとなるように、サーボモータ11の速度指令値を演算して前記サーボモータ指令出力手段29に出力するサーボモータ制御演算手段28とを備えた構成としている。
【0006】
請求項1に記載の発明によると、金型が被加工物の加工を始めるときのスライドの加圧開始位置は、位置を特定する信号(例えば、出力トルク、振動加速度等)によって検出することができる。そして、この加圧開始位置より所定距離上方に新たな加工開始位置を設定し、上限位置からこの新たに設定した加工開始位置まで、スライドを最高速度で下降し、またスライドの位置及び速度が新たな加工開始位置を加味されたモーションとなるように制御されて打抜き加工を行なうようにするので、加工サイクルタイムが短縮され、生産性の向上を図ることができる。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1記載のサーボプレスのモーション制御装置において、さらに、前記特定位置判定手段25は、前記位置特定信号検出器23により検出された信号の時間的な変化率又はレベルの大きさに基づいて、ライド15の型タッチ位置を検出し、このときの位置データを前記スライド位置検出手段17から入力すると共に、前記位置設定手段27は、この型タッチ位置データに基づいてこの位置より所定距離上方の位置をたな上限位置として設定し、前記モーション記憶手段24は、新たに設定された加工開始位置データを記憶し、前記サーボモータ制御演算手段28は、次回の打抜き加工時に、スライド15の位置及び速度が、新たな上限位置も加味されたモーションとなるように、サーボモータ11の速度指令値を演算して前記サーボモータ指令出力手段29に出力する構成としている。
【0008】
請求項2に記載の発明によると、スライドが金型に接触する型タッチ位置は、この位置を特定する信号(例えば、出力トルク、振動加速度等)によって検出することができる。そして、この検出された型タッチ位置より所定距離上方に新たな上限位置を設定し、また前記設定された新たな加工開始位置まで、スライドを最高速度で下降して打抜き加工を行なうようにするので、スライドは工程が短縮されると共に、従来よりも加圧開始位置に近い位置まで高速で下降することができる。この結果、加工サイクルタイムが短縮され、生産性の向上を図ることができる。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1記載のサーボプレスのモーション制御装置において、さらに、前記特定位置判定手段25は、前記位置特定信号検出器23により検出された信号の時間的な変化率又はレベルの大きさに基づいて、ライド15の打抜きを検出すると共に、前記サーボモータ制御演算手段28は、この打抜き後直ちにサーボモータ11を逆回転させる指令をサーボモータ指令出力手段29に出力して、スライド15を前記打抜き位置から上昇させる成としている。
【0010】
請求項3に記載の発明によると、スライドが打抜きを完了する打抜き位置は、この位置を特定する信号(例えば、出力トルク、振動加速度等)によって検出することができる。そして、この打抜きが検出されるとスライドを直ちに上昇させるので、スライドはこの打抜き後に下限位置まで到達する工程が短縮される。この結果、加工サイクルタイムが短縮され、生産性の向上を図ることができる。
【0015】
また、請求項に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一つに記載のサーボプレスのモーション制御装置において、前記位置特定信号検出器23が、前記サーボモータ11の負荷電流に基づいて出力トルクを検出するトルク検出手段、前記スライド15の振動を検出する加速度センサ、あるいは、スライド15と金型2間又は金型2と被加工物間の接触時の音圧を検出する音圧センサのいずれかである成としている。
【0016】
請求項に記載の発明によると、少なくとも、前記型タッチ位置、加圧開始位置又は打抜き位置のいずれかは、前記特定信号検出器により、サーボモータの実作業トルクの変化率、スライドの振動加速度レベル又はスライドと金型間又は金型と被加工物間の接触時の音圧レベルの大きさによって検出できる。そして、検出されたこの型タッチ位置の所定距離上方をスライドの上限位置として、加圧開始位置より所定距離上方の位置を加工開始位置として、又は打抜きを検出すると直ちにスライドを上昇工程させて加工を行なうようにする。この結果、スライドは上限位置から型タッチ位置までの工程が短縮され、型タッチから加圧開始までの区間で高速下降の領域が拡大され又は打抜き位置から下限位置までの工程が省かれるので加工サイクルタイムが短縮され、生産性の向上を図ることができる。
【0017】
また、請求項に記載の発明は、サーボモータ11により動されるスライド15の位置及び速度予め設定された、上限位置から高速下降し、加工開始位置で加工速度に減速し、下限位置から上昇に転ずるスライドモーションに基づいて制御し被加工物の打抜き加工を行なうサーボプレスのモーション制御方法において、前記サーボモータ11の実作業トルク、前記スライド15の振動加速度、あるいは、スライド15と金型2間、金型2と被加工物間の接触時又は打抜き時の音圧レベルのいずれかの大きさ又は時間的な変化率に基づいて、少なくとも、スライド15の圧開始位置及び打抜き位置検出し、二回目以降の打抜き加工時には、この検出した圧開始位置の所定距離上方の位置新たな加工開始位置とし、この新たな加工開始位置まで高速で下降した後に工速度に減速するモーションに自動的に修正し、抜き位置が検出された後直ちにスライド15を上昇させサーボプレスのモーション制御方法としている。
【0018】
請求項に記載の発明によると、少なくとも、型が被加工物の加工を始める加圧開始位置及び打抜き位置は、それぞれの位置を特定する信号(例えば、出力トルク、振動加速度等)によって検出することができる。そして、この検出された圧開始位置の所定距離上方の新たに設定された加工開始位置まで、スライドを高速で下降して打抜き加工を行ない、打抜き後は直ちにスライドを上昇させるようにするので、加工サイクルタイムが短縮され、生産性の向上を図ることができる。
【0019】
また、請求項に記載の発明は、請求項5に記載のサーボプレスのモーション制御方法において、さらに、スライド15の型タッチ位置を検出し、二回目以降の打抜き加工時には、この検出した型タッチ位置の所定距離上方の位置を新たな上限位置とするスライドのモーションに自動的に修正する構成としている。
【0020】
請求項に記載の発明によると、スライド15の型タッチ位置が検出され、この検出された型タッチ位置の所定距離上方の位置が新たな上限位置とされ、この上限位置から加圧開始位置の所定距離上方の新たに設定された加工開始位置まで、スライドを高速で下降して打抜き加工を行ない、打抜き後は直ちにスライドを上昇させるようにするので、加工サイクルタイムが短縮され、生産性の向上を図ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図面を参照して詳述する。
図1は金型を取付けたサーボプレスの要部側面図を示している。
プレス1にはフレ−ム10が装備してあり、フレ−ム10の下部にはボルスタ16が水平に配設され、ボルスタ16の上面には金型2が取着されている。また、フレ−ム10の上部には、このプレス1の動力源であるサーボモータ11、及びこのサーボモータ11の回転力を往復運動に変換する動力変換装置14が装着されている。このサーボモータ11には、例えばパルスジェネレータなどのような回転速度を検出する速度検出手段11aが設けられており、サーボモータ11の回転速度は、後述のサ−ボ制御装置20により電流が制御されることによって制御される。そして、このサーボモータ11の回転力は例えばベルトのような回転伝達部材12によって動力変換装置14に伝達される。なお、前記サーボモータ11は交流モータ、直流モータのいずれでもよい。
【0022】
この回転伝達部材12はチェーンや歯車でもよいし、またサーボモータ11の出力軸に直接結合してもよく、伝達手段を特定するものではない。また、動力変換装置14についても本発明ではボールスクリューとしているが、ねじ機構やウォームギヤとウォームホイールとの組合せ、あるいはピニオンギヤとラックとの組合せ等による種々の方法があり、ここではその方法については特定するものではない。
前記動力変換装置14の下端にはボルスタ16に対向する位置で上下動するスライド15が装着されており、このスライド15が上限位置から下限位置まで下降することによって金型2を加圧して被加工物を加工する。そして、スライド15は下限位置に到達して被加工物の加工を終えると上限位置まで上昇する。
【0023】
スライド15及びボルスタ16にはリニアセンサなどから構成されるスライド位置検出手段17の構成部材がそれぞれ所定の位置に取付けられている。すなわち、このスライド位置検出手段17は、軸方向がスライド15の上下方向と平行になるようにボルスタ16の後部に取付けられたリニアスケール17aと、このリニアスケール17aと対向した位置にあるようにスライド15の後部に取付けられた検出ヘッド17bとからなっている。スライド15の上下動に伴って、検出ヘッド17bが、固定さているリニアスケール17aに対して上下動することによって、検出ヘッド17bの内部に組込まれたセンサから、スライド15の位置がボルスタ16の上面からの高さとして検出される。
プレス加工は前記スライド15を所定の作動条件に制御して加工を行なうが、そのスライド15の作動制御すなわちモーション制御は品質、作業能率及び騒音、振動など作業環境に大きな影響を及ぼす。このためスライド15の制御条件設定は、プレス加工において非常に重要な作業となっている。
【0024】
図2は本発明に係わるプレス機械のハード構成及び制御の概要を示す機能ブロック図を示す。
プレス加工に当たっては、予め制御条件であるスライド15の作動速度、この速度の切替位置、下限位置及び加圧時間などのデータを設定し、設定・表示手段18から後述のサーボ制御装置20に入力する。そしてデータはこの設定・表示手段18に表示される。設定・表示手段18は、例えば設定スイッチのような設定値入力部と、入力データを液晶表示画面やCRTなどの手段によって表示する設定値表示部とから構成される。また、設定・表示手段18には、運転や条件設定などの作動モードの選択や、自動運転あるいは手動運転などの操作指示を行なうスイッチなどが設けられている。
【0025】
そして、前記設定・表示手段18から入力された制御データはサーボ制御装置20に取込まれて記憶され、予め組込まれた処理手順に従ってスライド15のモ−ション制御を行なう。このサーボ制御装置20はデータの記憶、演算処理、データの表示及びデータ入出力などの機能を有する一般的なコンピュータなどからなる構成となっており、この発明に係わるモーション制御装置の中心的な役割を担っている。そして、このサーボ制御装置20はサーボモータ11の速度検出手段11aやスライド位置検出手段17により検出したスライド15の速度及び位置データに基づいて、前記設定条件でプレス1が運転されるようにサーボモータ11の速度又はトルク指令を演算して出力する。この制御指令によりサーボモータ指令出力手段29を介してサーボモータ11が制御されることによって、スライド15は当初設定された所定の作動を行ない、金型2を加圧して被加工物を所定の条件で加工する。
【0026】
図3は本発明のモーション制御に係わる前記図2のサーボ制御装置20の詳細を示す機能ブロックである。
位置特定信号検出器23は、型タッチ位置や加圧開始位置等のスライド速度切替え位置を特定するためのものであり、例えばサーボモータ11を制御しているサーボモータ指令出力手段29の電流から出力トルクを検出するトルク検出器で構成されており、スライド15のモーション変化をサーボモータ11のトルクの変化として検出する。そして、このときのトルク変化の検出信号を特定位置判定手段25に入力する。なお、前記位置特定信号検出器23は、スライド15の振動を検出する加速度センサ、あるいは、スライド15と金型2の接触又は金型2と被加工物の接触時の音圧を検出する音圧センサなどでもよい。
【0027】
特定位置判定手段25は、前記位置特定信号検出器23により出力モータ電流から検出した出力トルクに基づいて、この出力トルクからスライド15の加速、減速、等速維持に必要なトルクを除いて実作業トルクを求める。なお、モータ電流値より実作業トルクを演算するには、例えば、以下のような方法により可能となる。
予め、加速又は減速トルクを算出するための負荷イナーシャ定数、定速維持するトルクを算出するための速度抵抗トルク比例定数、摩擦トルク定数、及びモータ出力電流と出力トルクとの関係を表すトルク定数等の各定数データを記憶しておく。そして、加速時又は減速時には、必要な加速度値又は減速度値と上記の各定数データに基づいて必要なモータ出力電流値を求め、電流センサで検出したモータ電流値から前記求めた必要なモータ出力電流値を差引いて、加減速時の実作業トルクを算出する。同様にして、定速時の時も、このとき維持すべき速度値と上記各定数データに基づいて必要なモータ出力電流値を求め、実際のモータ出力電流値から前記求めた必要なモータ出力電流値を差引いて、定速時の実作業トルクを算出できる。
【0028】
そして、前記特定位置判定手段25は、前記実作業トルクの大きさ又は変化率に基づいて、スライド15のモーション変化を判断する。このモーション変化をサーボモータ11の実作業トルクにより検出する場合には、例えば、スライド15が被加工物を打抜くと、このスライド15の加圧力は急激に減少するので、この加圧力の減少はサーボモータ11の実作業トルクの急減として検出される。この特定位置判定手段25は、予めこの被加工物に対する打抜き時の実作業トルク減少率(以後、トルク減少率と表わす)を記憶しておき、加工時に前記位置特定信号検出器23によって検出された出力トルクから求めたトルク減少率がこの記憶したトルク減少率より大きく減少したときに打抜きと判定する。そして、特定位置判定手段25は打抜きと判断した時のスライド15の位置をスライド位置検出手段17から取込んで、位置設定手段27に伝達する。この打抜きと同じようなスライドモーションの変化は、スライド15と金型2のタッチ時、金型2と被加工物とのタッチ時又は被加工物の打抜き時などに検出される。
【0029】
この位置設定手段27は、前記特定された位置に基づいて、速度切替え位置を新たに設定する。すなわち、特定された型タッチ位置又は加圧開始位置より所定距離上方の位置を、新たな速度切替え位置(例えば、高速下降速度から低速下降速度へ、低速下降速度から加工速度への切替え位置)として設定する。そして、この新たに設定された位置データは前記モーション記憶手段24にフィードバックされ記憶される。また、速度指令演算手段26は、モーション記憶手段24に記憶されている位置及び速度データに基づいて、スライド15が上限位置から下降開始後に最高速度に達するまでは最大トルクで加速され、最高速度に達した後、下限位置上方の所定の位置からは最大トルクで減速されるように加減速の指令を出す。さらに、この速度指令演算手段26は、スライド15が下限位置から上昇開始後に最高速度に達するまでは最大トルクで加速され、最高速度に達した後、上限位置下方の所定の位置からは最大トルクで減速されるように加減速の指令を出す。
【0030】
そして、サーボモータ制御演算手段28は、加工中に検出されるスライド15の位置及び速度が前記モ−ション記憶手段24に記憶されたモ−ション設定データとなるように、サーボモータ11の速度指令値を演算して出力すると共に、前記速度指令演算手段26からの加速指令又は減速指令を受けて、サーボモータ11の最大加速指令又は最大減速指令をサーボモータ指令出力手段29に出力する。このサーボモータ指令出力手段29は、例えばサーボアンプなど汎用的に用いられている装置からなり、入力した速度指令値と速度検出手段11aにより検出された速度フィードバック信号との偏差が小さくなるようにモータ駆動電流を制御することによって、スライド15を所定のモ−ションに制御する。また、前記サーボモータ指令出力手段29は、最大加速指令又は最大減速指令が入力されたときは、最大モータ電流を流して加速又は減速するように電流を制御する。
表示手段30は液晶ディスプレーやCRT表示装置などからなり、スライド15のモ−ション設定時の入力や演算データ、モ−ション記憶手段24に設定された制御条件あるいは運転中の制御データなどを表示することにより、作業者は容易に制御条件の設定や運転監視を行なうことができる。
【0031】
図4から図7によって、スライド15のモ−ション制御の方法について、第一及び第二の実施形態を説明する。
第一の実施形態は被加工物の剪断を伴う打抜き加工の例であり、第二の実施形態は被加工物に刻印をほどこすなどのコイニング加工の例である。
【0032】
まず、図4及び図5により第一の実施形態である打抜き加工の場合について説明する。
図4は本発明に係わるモ−ション制御の制御カーブの例である。制御パラメータであるスライドの位置とスライドの速度及びサーボモータの出力トルクを縦軸に、横軸にスライド作動開始後の経過時間を示している。
スライド15は、金型に接触する型タッチ位置Z10より所定距離上方の上限位置Z00から、加圧開始位置Z30より所定距離上方の加工開始位置Z20まで、最高速度V00で下降する。このときの上限位置Z00は、前記型タッチ位置に基づいて自動設定されており、手作業のために安全距離を考慮して初期設定された上限位置Z99よりも型タッチ位置Z10に近い位置に設定される。この結果、スライド15の下降時間は短縮される。
そしてスライド15は、さらに前記加工開始位置Z20から所定の加工速度V10で下降して打抜きを行なう。このときに打抜き位置Z40が検出される。前記加工開始位置Z20は、前記型タッチの場合と同様に、前記加圧開始位置Z30より所定距離上方に自動設定されており、安全距離を考慮して初期設定された加工開始位置Z29よりも加圧開始位置Z30に近い位置に設定される。この結果、前記加工開始位置Z20と初期設定時の加工開始位置Z29との差の距離分だけスライド15の高速下降領域が拡大し、下降時間は短縮される。
【0033】
前記打抜きが検出されると、スライド15はこの打抜き位置Z40から直ちに上限位置Z00まで、最高速度V00で上昇して加工サイクルを完了する。この打抜きは、被加工物に対して予め求められている打抜き時のトルク減少率の判定基準値と、検出されたサーボモータのトルク減少率とを比較して、この検出された減少率が前記判定基準値より大きく減少したときに特定される。
打抜き後、従来の方法では、スライド15は制御条件として設定された下限位置まで到達して上昇する。しかし、本発明に係わる制御方法ではスライド15は打抜き後直ちに上昇するので、下限位置に到達するまでの工程が省かれ、この距離分の加工時間が短縮される。また、前記のように上限位置Z00は初期設定時の上限位置Z99よりも下方となっており、スライド15の上昇時間についても短縮される。
このように高速下降、加圧下降及び高速上昇の各工程における速度切替え位置が自動設定されて、スライド15の工程が短縮又は削減されあるいは高速工程が拡大されることによって、加工サイクルタイムは従来のt99からt00に短縮される。
【0034】
つぎに、図5に示したモ−ション制御の制御条件設定のフローチャートによって、また、図4を参照しながらモ−ション制御の方法について説明する。
まず図5に示すように、最初のステップS1において初期条件の設定を行なう。この条件データとしては、スライド15の位置データとして上限位置Z99、加工開始位置Z29、及び下限位置Z50を、スライド15の速度データとして最高速度V00及び加工速度V10を、また、打抜き時のサーボモータ11のトルク減少率(ΔTb/Δtと表す)を設定する。
前記データのうち、スライド15の上限位置Z99は金型に接触しない上方の安全な位置に、また加工開始位置Z29は型タッチ位置Z10より下方で、かつ、加圧開始位置Z30の上方位置に設定し、下限位置Z50は確実に打抜きが行なわれる位置とする。また、加工速度V10は経験などから被加工物に適切な値に設定しておく。さらに、被加工物の打抜き時のトルク減少率ΔTb/Δtは予めテストで求めたり、既に求めてあるスライド15の加圧力データをサーボモータ11の実作業トルク値に変換したりして求める。そして、これらの設定データは設定・表示手段18から入力し、サーボ制御装置20のモ−ション記憶手段24に記憶される。
【0035】
次のステップS2においてプレス1の運転を開始し、スライド15は、初期の上限位置Z99から加工開始位置Z29まで、最高速度V00で下降する。この下降工程のステップS21において、スライド15が金型上面に接触する型タッチ位置Z10を検出する。この型タッチ位置Z10において、スライド15は瞬間的に金型を打撃し、スライド15の加圧力は急に増加する。この型タッチによってスライド15を駆動しているサーボモータ11の実作業トルクも急増する。このとき、位置特定信号検出器23はトルク変化を検出し、このときのトルク値を特定位置判定手段25に伝達する。特定位置判定手段25は、このトルク値からトルク変化率を演算してこの変化率の大きさから型タッチを判定し、このときのスライド15の型タッチ位置Z10をスライド位置検出手段17から取込んで位置設定手段27に伝達する。
【0036】
そしてステップS22では、図4に示すように、位置設定手段27は、自己内部に組込まれたアルゴリズムによって、前記型タッチ位置Z10の所定の微小距離上方にスライド15の新たな上限位置Z00を設定する。この上限位置Z00は、例えば被加工物の厚さや平面度などの最大誤差αを考慮して算出式「Z00=Z10+α」で求めたり、あるいは、被加工物の厚さに比例した所定割合の寸法分だけ上方の位置を演算して設定する。ここで、前記位置の座標は上方に向かってプラス、下方に向かってマイナスとし、以後同様とする。よって、前記上限位置Z00は型タッチ位置Z10よりαだけ上方の位置となる。つぎのステップS23では、前記位置設定手段27で求められた上限位置Z00は、サーボ制御装置20のモ−ション記憶手段24に入力され、初期設定値として記憶されている上限位置Z99に置替えられる。
【0037】
ステップS3の加圧下降工程においては、スライド15は加工開始位置Z20から下限位置Z50に向かって、加工速度V10で下降する。このときステップS31では、加圧下降時にスライド15が被加工物の加圧を始める加圧開始位置Z30が検出され、続いてステップS32とステップS33が実行される。
すなわちステップS31において、スライド15が被加工物の加圧を開始するときに、前記型タッチの場合と同様にして、位置特定信号検出器23はスライド15の加圧開始を検出し、この検出信号によって特定位置判定手段25は加圧開始位置Z30を取込む。そしてステップS32では、位置設定手段27は、自己内部に組込まれたアルゴリズムによって、この加圧開始位置Z30より所定の微小距離上方に加工開始位置Z20を設定する。
【0038】
この加工開始位置Z20は、前記型タッチ開始位置Z10を求める方法と同様に、例えば被加工物の厚さや平面度などの最大誤差βを考慮して、算式「Z20=Z30+β」で求められる。また、この加工開始位置Z20は、被加工物の厚さに比例した所定割合の距離分だけ上方の位置としてもよい。つぎのステップS33では、前記設定された加工開始位置Z20は、サーボ制御装置20のモ−ション記憶手段24に入力され、初期設定値として記憶されている加工開始位置Z29に置替えられる。
【0039】
次のステップS4では、スライド15は下限位置Z50の近くに達すると、被加工物の打抜きを行なう。このとき特定位置判定手段25は、位置特定信号検出器23により検出されたトルク減少率と、予め設定されているトルク減少率の基準値とを比較して、この検出されたトルク減少率が前記基準値より大きく減少したときに打抜きと判断する。そしてステップS5において、前記打抜きが完了するとサーボモータ制御演算手段28によってサーボモータ11の逆転指令が出され、スライド15は直ちにこの打抜き位置Z40から上限位置Z00まで最高速度V00で上昇して、打抜き加工のサイクルを完了する。
二回目以降の打抜き加工は、このようにして初回に更新した位置制御データによって行なわれる。また、前記条件設定は別の方法で、例えば加工ショット毎に条件を設定し次の加工時にフィードバックしてもよいし、所定の回数間隔のショット毎に条件を設定してもよい。
【0040】
つぎに、図6及び図7により第二の実施形態であるコイニング加工の場合について説明する。ハード構成及び機能ブロック図は打抜きの場合と同じである。
図6は本発明に係わるモ−ション制御の制御カーブの例である。本図において前記打抜き加工の場合の図4と同一の符号は同一の構成や意味を表しており、以下での説明を省略する。ここで、制御パラメータであるスライドの位置とスライドの速度及びサーボモータの出力トルクを縦軸に、横軸にスライド作動開始後の経過時間を示している。
【0041】
スライド15は、金型に接触する型タッチ位置Z15より所定の微小距離上方の上限位置Z00から下限位置Z50まで最高速度V00で下降する。このとき、最高速度V00に達するまでは、速度指令演算手段によりスライド15を最大トルクで加速する指令が出力され、この指令を受けてサーボモータ制御演算手段はサーボモータを最大加速する指令をサーボモータ指令出力手段に出力する。そして、サーボモータ指令出力手段によりサーボモータの電流値を最大加速電流とする指令が出され、スライド15は最大の加速度で下降する。スライド15は最高速度V00に達すると、この速度を維持して下降する。
【0042】
そして、下限位置Z50より上方の所定の位置において、速度指令演算手段からスライド15を最大トルクで減速する指令が出され、スライド15は最大の減速度で下降ながら、下限位置Z50に到達する。この最大減速指令が出されるスライド15の位置は、前記速度指令演算手段により最大トルクで減速されるときに必要となる減速距離を演算することによって求められる。そして、前記加速時の場合と同様にスライド15は制御される。
この下降工程において、スライド15は前記打抜きの場合と同様に、上限位置Z00は型タッチ位置より所定距離上方に自動設定され、安全距離を考慮して初期設定された上限位置Z99よりも型タッチ位置Z10に近い位置に再設定される。この結果、スライド15の下降距離が短縮されると共に、加速及び減速の高速化により下降時間が短縮されるので、加工サイクルタイムが短縮される。
【0043】
スライド15は下限位置Z50に到達すると、加圧力を所定時間t50保持する。スライド15は、この加圧保持を終えると、前記高速下降時の場合と同様に最大限加速されながら上昇する。そして、スライド15は最高速度V00に達するとこの速度を維持して上昇し、スライド15は上限位置Z00より下方の所定の位置において、前記高速下降時の場合と同様に、最大トルクで減速されながら上限位置Z00に到達する。この上昇工程におけるスライド15の制御は、高速下降時の場合と同様な手順及び方法で行なわれる。このようして、コイニングの加工サイクルは完了する。
このようにスライド15の加工サイクルの距離を短縮すると共に、最高速度V00の領域を拡大することによって、加工サイクルタイムは初期条件のもとでの時間t19から新たな条件のもとでの時間t10に短縮される。また、従来のモーションカ−ブに基づく加工サイクルタイムと比較すると、スライド15は加圧時に低速に切替えられないので、加工サイクルタイムは従来のt29からt10にさらに短縮される。
【0044】
つぎに、図7に示したモ−ション制御の制御条件設定のフローチャートを参照して、モ−ション制御の方法について説明する。各々の図において前記打抜き加工の場合の図と同一の符号は、同一の構成や意味を表しておりここでは説明を省略する。
まず、最初のステップS10において初期条件の設定を行なう。この条件データとしては、スライド15の位置データとして上限位置Z99及び下限位置Z50を、スライド15の速度データとして最高速度V00を、また、下限位置Z50における加圧力保持時間t0を設定する。
【0045】
そして加工サイクルを開始し、ステップS11では、速度指令演算手段26によりスライド15の最大加速の指令が出力され、スライド15はサーボモータ11の最大トルクによって加速されながら下降する。つぎのステップS12で、スライド15は最高速度V00に到達すると、速度を維持しながらさらに下降する。スライド15が最高速度V00で下降中に、つぎのステップS2が実行される。このステップS2及びこれに続くステップS21からS23までは前記打抜きの場合と同様である。すなわち、型タッチ位置Z10が検出されて、この位置Z10より所定の微小距離上方にスライド15の新たな上限位置Z00が設定され、この上限位置Z00はモーション記憶手段24に初期設定値として記憶されている上限位置Z99と置替えられる。
【0046】
そしてステップS13において、スライド15は下限位置Z50より所定距離上方の減速開始位置に達すると、速度指令演算手段26により最大減速の指令が出力される。この指令に基づいて、スライド15は、サーボモータ11の最大トルクによって減速されながら下降する。そしてスライド15は下限位置Z50に到達すると、ステップS14で、被加工物を所定時間t50加圧して、つぎの上昇工程に入る。
ステップS15では、スライド15は前記加速下降の場合と同様に加速されながら上昇する。つぎのステップS16において、スライド15は最高速度V00に達すると、さらにステップS17において、この速度V00を維持しながら上昇を続ける。そしてステップS17で、スライド15が速度指令演算手段26により上限位置Z00より所定距離下方の減速開始位置に達すると、減速下降の場合と同様に減速指令が出力され、スライド15は最大トルクで減速されながら上限位置Z00に到達する。
二回目以降のコイニング加工は、このようにして初回に更新した上限位置データによって行なわれる。また、前記条件設定は別の方法で、例えば加工ショット毎に条件を設定し次の加工時にフィードバックしてもよいし、所定の回数間隔のショット毎に条件を設定してもよい。
【0047】
以上説明したようなスライド15のモ−ション制御を行なうことにより、型タッチ位置の上方の近傍に上限位置を再設定し、又は、加圧開始位置の上方の近傍に加工開始位置を再設定し、この新たな設定された上限位置と加工開始位置とを最高速度で下降するようにしている。また、打抜き発生後直ちにスライドを上昇させるようにしている。さらに、スライドが最高速度に達するまでは最大加速するように、また、最大加速から停止するまでは最大減速するようにしている。前記スライドを最大加速あるいは最大減速する制御方法について、本発明の事例ではコイニング加工の場合としているが、打抜き加工時の高速速度の制御においても行なうことができる。したがって、打抜き加工及びコイニング加工において加工サイクルタイムが短縮され、生産性の向上を図ることができる。なお、このような制御は打抜き加工及びコイニング加工のみならず、切断、曲げ又は絞りなど種々のプレス加工に対して適用できる。
また、スライド15の最高速度V00は必要とされる加工条件によっては、使用するサーボプレスの最高速度に特定するものではなく、場合によって適宜速度値を変えてもよい。また、前記事例においては、スライド15の特定位置はサーボモータ11のトルク変化により検出したが、加速度センサによる加速度レベル、音圧センサによる音圧レベルあるいは振動センサによる振幅レベルなどによって検出してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるサーボプレスの要部側面図を示す。
【図2】本発明に係わるプレス機械のハード構成及び制御の概要を示す機能ブロック図を示す。
【図3】本発明に係わるサーボ制御装置の機能ブロック図を示す。
【図4】本発明に係わるモ−ション制御の制御カーブを示す。
【図5】本発明に係わるモ−ション制御の制御条件設定のフローチャートを示す。
【図6】本発明に係わるモ−ション制御の制御カーブを示す。
【図7】本発明に係わるモ−ション制御の制御方法のフローチャートを示す。
【図8】プレス機械の概要図を示す。
【図9】プレスのスライドモーションの例を示す。
【符号の説明】
1 プレス
2 金型
10 フレーム
11 サーボモータ
11a 速度検出手段
12 回転伝達部材
14 動力変換装置
15 スライド
16 ボルスタ
17 スライド位置検出手段
17a リニアスケール
17b 検出ヘッド
18 設定・表示手段
20 サーボ制御装置
23 位置特定信号検出器
24 モーション記憶手段
25 特定位置判定手段
26 速度指令演算手段
27 位置設定手段
28 サーボモータ制御演算手段
29 サーボモータ指令出力手段
30 表示手段

Claims (6)

  1. 上下動するスライド(15)と、スライド(15)を上下駆動するサーボモータ(11)と、スライド(15)の位置及び速度をそれぞれ検出するスライド位置検出手段(17)及び速度検出手段(11a) と、スライド(15)の位置及び速度条件を設定する設定・表示手段(18)と、前記設定条件に基づいてサーボモータ(11)の速度指令値を出力する手段と、この速度指令値を受けてサーボモータ(11)を制御するサーボモータ指令出力手段(29)とを備え、この所定の位置及び速度データに基づいてスライド(15)のモ−ション制御を行なって被加工物の加工を行なうサーボプレスのモーション制御装置において、
    打抜き加工時に、金型(2) が被加工物の加圧を始めるときのスライド(15)の加圧開始位置を特定するための信号を検出する位置特定信号検出器(23)と、
    この位置特定信号検出器(23)により検出された信号の変化率又はレベルの大きさに基づいて前記加圧開始位置を検出し、このときに位置データを前記スライド位置検出手段(17)から入力する特定位置判定手段(25)と、
    この特定位置判定手段(25)に入力された前記加圧開始位置データに基づいて、この位置より所定距離上方に、スライド(15)の下降速度が最高速度から加工速度に切替わる加工開始位置を設定する位置設定手段(27)と、
    この位置設定手段(27)によって新たに設定された加工開始位置データ及び前記設定・表示手段(18)により入力された位置及び速度条件をスライド制御データとして記憶するモーション記憶手段(24)と、
    前記モーション記憶手段 (24) からスライド制御データを入力し、次回の打抜き加工時に、ライド(15)の位置及び速度が、新たな加工開始位置を加味されたモーションとなるように、サーボモータ(11)の速度指令値を演算して前記サーボモータ指令出力手段(29)に出力するサーボモータ制御演算手段(28)とを備えたことを特徴とするサーボプレスのモーション制御装置。
  2. 請求項1記載のサーボプレスのモーション制御装置において、
    さらに、前記特定位置判定手段(25)は、前記位置特定信号検出器(23)により検出された信号の時間的な変化率又はレベルの大きさに基づいて、ライド(15)の型タッチ位置を検出し、このときの位置データを前記スライド位置検出手段(17)から入力
    前記位置設定手段(27)は、この型タッチ位置データに基づいてこの位置より所定距離上方の位置をたな上限位置として設定し、
    前記モーション記憶手段 (24) は、新たに設定された加工開始位置データを記憶し、
    前記サーボモータ制御演算手段 (28) は、次回の打抜き加工時に、スライド (15) の位置及び速度が、新たな上限位置も加味されたモーションとなるように、サーボモータ (11) の速度指令値を演算して前記サーボモータ指令出力手段 (29) に出力することを特徴とするサーボプレスのモーション制御装置。
  3. 請求項1記載のサーボプレスのモーション制御装置において、
    さらに、前記特定位置判定手段(25)は、前記位置特定信号検出器(23)により検出された信号の時間的な変化率又はレベルの大きさに基づいて、ライド(15)の打抜きを検出すると共に、
    前記サーボモータ制御演算手段(28)は、この打抜き後直ちにサーボモータ(11)を逆回転させる指令をサーボモータ指令出力手段(29)に出力して、スライド(15)を前記打抜き位置から上昇させることを特徴とするサーボプレスのモーション制御装置。
  4. 請求項1〜のいずれか一つに記載のサーボプレスのモーション制御装置において、
    前記位置特定信号検出器(23)が、前記サーボモータ(11)の負荷電流に基づいて出力トルクを検出するトルク検出手段、前記スライド(15)の振動を検出する加速度センサ、あるいは、スライド(15)と金型(2) 間又は金型(2) と被加工物間の接触時の音圧を検出する音圧センサのいずれかであることを特徴とするサーボプレスのモーション制御装置。
  5. サーボモータ(11)により動されるスライド(15)の位置及び速度予め設定された、上限位置から高速下降し、加工開始位置で加工速度に減速し、下限位置か ら上昇に転ずるスライドモーションに基づいて制御して被加工物の打抜き加工を行なうサーボプレスのモーション制御方法において、
    前記サーボモータ(11)の実作業トルク、前記スライド(15)の振動加速度、あるいは、スライド(15)と金型(2) 間、金型(2) と被加工物間の接触時又は打抜き時の音圧レベルのいずれかの大きさ又は時間的な変化率に基づいて、少なくとも、スライド(15)の圧開始位置及び打抜き位置検出し、
    二回目以降の打抜き加工時には、この検出した圧開始位置の所定距離上方の位置新たな加工開始位置とし、この新たな加工開始位置まで高速で下降した後に工速度に減速するモーションに自動的に修正し、抜き位置が検出された後直ちにスライド(15)を上昇させことを特徴とするサーボプレスのモーション制御方法。
  6. 請求項5に記載のサーボプレスのモーション制御方法において、
    さらに、スライド (15) の型タッチ位置を検出し、
    二回目以降の打抜き加工時には、この検出した型タッチ位置の所定距離上方の位置を新たな上限位置とするスライドのモーションに自動的に修正することを特徴とするサーボプレスのモーション制御方法。
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