JP3690792B2 - 機械プレスの制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、機械プレスの制御装置に関するものである。機械プレスは、サーボモータとねじ機構を用いてスライドを昇降させるプレスを意味する。制御装置は、サーボモータをコントロールして所望するスライドの昇降運動を得るための制御装置を意味する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の装置としては、特許2533486、特許2506657及び特開平6ー218600を挙げることができる。
【0003】
これらの公報には、モータとねじ機構により、ラムを昇降させる技術が開示されている。その場合、加圧する加圧点を予め設定し、記憶させておく手法又は、加圧点の手前の位置を設定し、記憶させておいて、加圧点の手前の位置から電流値を極力小さくし、スライドの速度を極力小さくしてスライドに組付けられている上型をワークに当接させてスライドを一時的に停止させ、改めて電流値を増してプレス加工を開始する手法が開示されている。
【0004】
上記前者の手法によれば、ワークの高さが一定の場合は問題ないが、ワークの高さがばらつくときは、予め設定し記憶した加圧点と実際のプレス加工が始まる点とが一致せず安定したプレス加工が期待できない。換言すれば、加圧点を試行錯誤を繰り返して正確に設定し、記憶させるのは煩雑である。
【0005】
前記後者の手法によれば、加圧点手前の点から加圧点までの速度を極力下げ、一時的にスライドを停止させるので、スライド等のイナーシャを完全に除去できるのでプレス加工上は問題無いが、生産性が低下してしまうという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明の目的は、加圧点の手前の点を設定し、記憶する手法を採用し、運転速度を変化させ最短のサイクルタイムで加工する生産性の向上効果を有する制御装置に加えて、ワーク高さのばらつきに対して一定の加圧力を負荷することが出来る制御装置を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願発明の主な手段は、加圧点前の第1手前位置まで高速でスライドを下降させ、加圧点前の第2手前位置から加工速度にする。そして、第1手前位置から第2手前位置の間で高速から加工速度に減速するプログラムとすることによって、スライドを一時停止させない構成とする。
【0008】
更に詳しく言えば、請求項1の発明は、サーボモータを駆動源として、ねじ機構を介してスライドを昇降させ、前記サーボモータの出力軸と前記ねじ機構の間に減速手段を介在させ、前記スライドの位置を検出するリニアスケールの出力をフィードバックさせるフルクローズド方式で制御する制御装置において、ワークを加圧開始する加圧点の前に第1の加圧前の位置と第2の加圧前の位置を設定し記憶する手段と、前記第1第2の加圧前の位置の間において高速からプレス加工速度に前記サーボモータをサーボ制御することによって減速させる手段を設けると共に、前記プレス加工速度でプレス加工を行なう。
【0009】
加えて、前記プレス加工の予め設定された設定加圧力を検出する手段と前記設定加圧力で加圧する時間を計る手段を設け、前記プレス加工の加圧力が設定加圧力に達した時点で又は、予め設定された時間、設定加圧力を負荷させた後に前記スライドを上死点に戻す構成にした。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の発明の構成に加えて、前記設定加圧力に達する以前に前記スライドが、予め設定された加工下死点に達した場合は異常とする。
【0011】
即ち、サーボモータを駆動源として、ねじ機構を介してスライドを昇降させ、前記サーボモータの出力軸と前記ねじ機構の間に減速手段を介在させ、前記スライドの位置を検出するリニアスケールの出力をフィードバックさせるフルクローズド方式で制御し、ワークを加圧開始する加圧点の前に第1の加圧前の位置と第2の加圧前の位置を設定し記憶する手段と、前記第1、第2の加圧前の位置の間において高速からプレス加工速度に前記サーボモータをサーボ制御することによって減速させる手段を設けると共に、前記プレス加工速度でプレス加工を行なう第1の制御と、前記第1の制御において前記プレス加工の予め設定された設定加圧力をモータ駆動電流から検出する手段と前記設定加圧力で加圧する時間を計る手段を設け、前記プレス加工の加圧力が設定加圧力に達した時点で又は、予め設定された時間、設定加圧力を負荷させた後に前記スライドを上死点に戻す第2の制御を、プレス加工の種類によって選択でき、
【0012】
前記設定加圧力に達する以前に前記スライドが、予め設定された加工下死点に達した場合は異常とし下降を停止する制御装置。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に第1実施例について説明する。図1において、機械プレス1は、サーボモータ2、ねじ機構によって駆動される。即ち、サーボモータ2は機械プレス1のフレームに固定され、サーボモータ2の出力軸に固定されたプーリ、回転自在に保持されたねじ棒3、ねじ棒3に固定されたプーリ、前記両プーリ掛けられたベルトによって、サーボモータ2が回転するとねじ棒3が回転する。サーボ制御に必要なサーボモータ2の回転量データはサーボモータ2に直結されたエンコーダ2aで検出する。
【0014】
スライド4は、機械プレス1のフレームに案内されて昇降自在である。ねじ棒3の下端部がスライド4にねじ込まれていて、サーボモータ2が回転するとねじ機構によってスライド4は昇降する。サーボモータ2とねじ機構の間にはサーボモータ2のトルクを増すための減速機構が介在している。
【0015】
減速機構は、本実施例の如く、プーリとベルトによるものの他、市販の減速機を使用しても良い。
【0016】
スライド4の下面にはボルスタに固定された下型6に対向させて上型5が固定されている。上型と下型との間に供給されたワークは、スライド4の昇降運動に伴ってプレス加工される。
【0017】
機械プレス1のフレームとスライド4の間にはリニアスケール8が介在する。リニアスケール8は、スライド4の位置を検出するセンサである。
【0018】
サーボモータ2とリニアスケール8は、制御盤7で電気的に連結されている。即ち、リニアスケール8の出力を用いて、スライド4の位置制御が行なわれる。
【0019】
前記減速機は、機械プレスが小型軽量の場合には不要で、サーボモータ2の回転を直接ねじ棒3の回転に変換し、サーボモータの回転量に基づいてスライド4の位置を制御しても良いが、本願発明の場合は比較的大きな機械プレスを対象にしているため、大型のサーボモータを調達することが容易でないことから減速機構は不可欠である。
【0020】
減速機構を使用すると、サーボモータ2の回転が正確にねじ棒3に伝達されない恐れがある。更に、機械プレスが大きくなるとフレームの伸び量が増し、スライド4の位置を、サーボモータ2の回転量に基づいて正確に制御することはできない。このような2つの理由から、本願発明においては、スライド4の位置をリニアスケール8で検出する構成になっている。
【0021】
図2は、スライド4の昇降運動を示す。横軸が時間で縦軸がスライド4の位置、即ちスライド4の高さ方向の位置を示す。Tは上死点で、Bは下死点である。Rは加圧点で、実際にプレス加工が開始される位置である。スライド4が上死点Tから下降して下死点に向かうと加圧点Rでプレス加工が開始され、下死点B若しくはその前でプレス加工が終了する。その後、スライド4は、上昇し、上死点に至る。
【0022】
図2において、A矢印の部分を拡大したのが図6である。前述の加圧点Rの手前に第1の加圧前の位置Pと第2の加圧前の位置Qが示されている。第2の加圧前の位置は、ワークの高さのバラツキを考慮して設定され、記憶される。即ち、第2の加圧前の位置Qは、ワークの高さの最大値(予測値)よりも若干大きい値(高さ方向の位置)が採用される。
【0023】
第1の加圧前の位置Pと第2の加圧前の位置Qとの間で、サーボモータ2をサーボ制御することによって高速から最適の加工速度に滑らかに減速される。当該減速の仕方は、後述の図4に示す如く、減速開始時点は大きく減速し、減速の終端においてはゆっくりとプレス加工速度にする。この減速の仕方によって当初から安定した加工速度が得られる。尚、第1の加圧前の位置Pと第2の加圧前の位置Qの設定は、高さ方向の位置で行なわれるため、減速の仕方で両位置の水平方向の距離、即ち時間は変化することになる。
【0024】
スライド4は、上死点Tから第1の加圧前の位置P迄は、許容される最大の速度で下降し、第1の加圧前の位置Pと第2の加圧前の位置Qとの間で高速からプレス加工に最適の速度に減速される。続いて、スライド4は、プレス加工に最適な速度で下死点Bまで加工し、下死点Bから高速で上昇し、上死点Tに戻る。
【0025】
スライド4は、第2の加圧前の位置Qからプレス加工に最適な速度で下降し、途中でプレス加工が開始される。
【0026】
プレス加工に最適な速度は、プレス加工の種類と生産性とを考慮して設定、記憶される。プレス加工は、加圧点Rから開始されるが、曲げ加工、絞り加工及びサイジング加工のような加工は下死点Bまで続けられるが、せん断加工のような加工は、下死点より若干手前で加工を終了する。
【0027】
スライド4は、上死点Tから下死点Bを経て再び上死点Tに戻る迄に、途中自動的に速度が変化するが、プレス加工開始時点で停止することはない。
【0028】
次に、第2実施例について説明する。第2実施例は、曲げ加工、コイニング加工及び据え込み加工のように、加工終了時の加工荷重が最大になる加工に適用されるものである。特に、加工終了時に一定時間加圧を継続させ、製品の形状、寸法の精度を出す場合に適用される。
【0029】
図8は、知りたいプレス機械(改訂版)(株式会社 ジャパンマシニスト社 2001年10月1日発行)の第22頁、図1ー5の写しである。ここには、各種加工の圧力(加圧力)の経験値が示されている。せん断加工、冷間押出し加工及び深絞り加工の場合は、加工開始時点と加工終了時点の間に最大の加圧力が発生する。これに対して、コイニング、曲げ加工(自由曲げ)及びすえ込み加工の場合は、加工終了時点に最大荷重が発生する。コイニング、曲げ加工(自由曲げ)及びすえ込み加工の場合は、前述の如く加工精度を向上させるために決め押し(加工終了時に一定時間加圧を継続する)が行なわれることは良く知られている。
【0030】
図1に示された全体の構成は、制御手法の違いを除けば、第2実施例にも適用できる。そこで、第2実施例においては、第1図に関する部分の説明は重複を避けるために省略する。
【0031】
図5は、スライド4の昇降運動を示すもので、第1実施例の図2に相当する。図5のA部を拡大して示すのが図6である。図6に示された加圧点R、その手前の第1の加圧前の位置P及び第2の加圧前の位置Qは、第1の実施例のものと同じである。即ち、実際の加圧は加圧点Rから開始される。第2の加圧前の位置Qは、前述の如くワークの最大高さ(推測)より若干大きく設定、記憶される。
【0032】
第1の加圧前の位置Pは、第2の加圧前の位置Qの手前に設定、記憶され、第1の加圧前の位置Pと第2の加圧前の位置Qとの間で高速から最適のプレス加工速度に自動的に減速される。最適のプレス加工速度は、プレス加工の種類と生産性を考慮して設定、記憶される。
【0033】
プレス加工が進み、設定加圧力検出装置によって予め設定、記憶されている設定加圧力に達すると当該加圧力で一定時間保持する。即ち、一定時間設定加圧力を負荷した状態にする。設定加圧力は、サーボモータ2の電流値で決められ、一定時間はタイマーで決められる。当該一定時間は、ゼロに設定できる。この場合は、決め押しは行なわれないことになる。図5において、点Cから水平に描かれた矢印が上記一定時間加圧する事を示している。
【0034】
この後、スライド4は高速で上昇し、上死点に戻る。図5に示されている加工下死点位置B’は、異常を検出するための位置(高さ方向の位置)で、設定加圧力に達する以前に、スライド4がこの位置に達した場合は異常とされる。
【0035】
図7は、上記第2の実施例におけるフローチャートである。スタートでスライド4が上死点Tから高速で下降を開始する。第1の加圧前の位置Pと第2の加圧前の位置Qを経てプレス加工が進められる。最大加圧力に達すると設定された時間加圧を継続した後、スライド4は上死点に戻る。以下この動作が繰り返される。尚、図5において、点Cから右下に伸びて点B’に向かう点線の矢印が、図7の「加工下死点位置までの未移動分キャンセル」の対象を示している。
【0036】
次に、第3の実施例について説明する。図8には各種プレス加工が示されている。このようなプレス加工を同じ機械プレスで行なう場合、例えばせん断加工と曲げ加工を同じ機械で取り扱う場合には、前記第1の実施例と第2の実施例に示した制御が必要になる。この場合は、両制御をその都度選択して実行することになる。
【0037】
図3、図4は上記各実施例における制御ブロック図とサーボ制御概略説明図である。図3において、操作部は、各種制御モード(運転モード)を指定したり、プレス起動、停止等プレス動作をさせるスイッチ、そして各種制御状況を表示する表示器が配備されている。運転モードは、切り、寸動、安全一行程、連続等を意味する。更に、非常停止ボタンも配備されている。
【0038】
操作部でデータ設定モードを指定すると設定部が有効になり、設定部表示器に表示されている各種設定データを設定部のスイッチを利用して設定することができる。作業者は、液晶画面を見ながら、上死点、下死点、第1の加圧前の位置P、第2の加圧前の位置Q等の位置を設定する。更に、最大下降速度、加工速度、上昇速度、生産個数等を設定する。その他、パラメータ、サーボゲイン等も設定可能である。表示器には、設定データ、パラメータ、運転状況、アラーム等が表示される。第2実施例の決め押しの時間は、タイマーで設定される。
【0039】
設定データは、設定データ記憶部に記憶される。
【0040】
前述の図7に示された制御フロー図の動作は、動作制御部で制御される。制御手順は、制御記憶部に記憶されている。
【0041】
スライド4を昇降運動させるサーボモータ2には、サーボモータ2の回転量を検出するエンコーダ2aが付設されていて、サーボアンプ部によって駆動される。
【0042】
サーボモータ2の駆動トルクは、電流検出器によって検出されトルクフィードバック部でトルク換算され、トルクフィードバック制御をサーボアンプ部で行なっている。
【0043】
更に、動作制御部のデータとして、トルクデータをデジタル値に変換する為、A/D変換部を経由してトルクデータを制御部へ送っている。
【0044】
サーボモータ2に方向と回転量及び加減速を含んだ回転速度は、動作制御部からサーボコントロール部に送られる。その他にスタートや緊急停止信号も送出される。サーボコントロール部から動作制御部へは、動作状況の信号が送られる。
【0045】
サーボモータ2が回転すると、回転方向及び回転量がエンコーダ2aからエンコーダ2a信号処理部に送られサーボコントロール部にフィードバック制御される。
【0046】
図4は、サーボ制御の概要、特に加減速の制御を摸式的に示したものである。図中、加減速自動演算部は、底に穴が明いたバケツをイメージしている。当該バケツに移動データ(水をイメージ)を図のように加減速なしで投入する。図9にこの部分の構成が示されていて、排出される水の量は、バケツに溜まった水の高さhに比例し、加減速時間はバケツの底の面積と、開いている穴の大きさに反比例し、時間が経過すると、水の最大排出量は蛇口からの投入量に等しくなる。そのため、底から排出する指令速度データは、時々刻々と増加し、移動データが最大速度から加工速度に一気に変化しても指令速度は滑らかに変化して加工速度に到達する。全ての移動データがバケツに投入されると、残ったバケツのデータは時々刻々排出量を減らし、最後の一滴を排出して終了する。
【0047】
投入された水の総量と加減速速度との関係は、図10に示されている。そして投入された水(移動データ)の取扱は図11に示されている。図11の加減速カウンタのデータの重みは、パラメータによって▲1▼から▲6▼に切り替えられる。▲1▼から▲6▼に相当する加速は図12に示されている。
【0048】
以下に図4、図11に基づいて、機械プレスのスライドが、投入された移動データによって、加減速される状況を説明する。移動データが指令されると、加減速回路で実際の指令速度に変換される。最初加速状態の移動パルスが位置誤差カウンタに送られる。モータは回転するまでの応答性(位置ゲイン)があるため位置誤差カウンタにパルスが溜る。実際に回転した量だけ位置誤差カウンタに溜まったパルスを減算する。このようにして、その溜まった量(指令パルスー実際移動したパルス=指令誤差)を現在のモータ回転速度として指令を出す。
【0049】
加速時に機械的負荷が一時的に重かったとして、加速指令速度が維持できなかった場合、モータ回転量が減るため、より多く位置誤差カウンタにパルスが溜まる。しかし負荷が軽くなったとき、指令速度より高い速度でモータ回転指令をここで出し、遅れを取り戻す。このように指令速度のパルス信号がペースメーカとして目標が立てられ、遅れた場合必ずその遅れを取り戻すように働く。
【0050】
位置の誤差によって、速度指定が行なわれても、ここでも回転するまでの遅れがあるため、少し遅れてモータは回転動作をする。従って、その時の回転の指令とその時の旋回速度の差をモータの回転トルク量として指定する。このトルク量は、モータの駆動電流と比例関係にあるため、モータの駆動電流を検出し、トルク量に変換し、指定トルクと一致させるように制御する。又そのトルクデータは、主制御部である動作制御部へデジタルデータに変換して送出される。そしてそのデータは、トルク監視を行なうために使用される。モータが回転している速度が速くなるのに比例して、位置誤差カウンタにパルスがより多く溜まる。
【0051】
次に、加減速を制御する加減速カウンタは、投入パルスと排出パルスが一致状態に入り、等速状態でモータは回転する。移動データが全て処理されると、加減速カウンタへの投入パルスは無くなり、加減速カウンタは排出だけとなり、数値が減って速度指令が減速状態となる。このときは加速時とは逆に、指令速度よりその時の回転速度の方が速い状態となり、位置誤差カウンタに溜まっているパルスも減少し、モータ回転速度を減少させる指定が出される。しかし、ここでも、指令速度と比べその時のモータ回転速度が速いため、この時はモータに減速指令を出し、モータのエネルギを回生し、抵抗や電源に回生してブレーキをかける。そして加減速カウンタは0になって、指令を止める。その時、リニアスケールによって監視している位置のデータが最終比較され、熱変位や機械的バックラッシュによって発生した誤差を修正するパルスを排出して機械は停止する。
【0052】
停止後に外部から力がかかってモータが回転した場合、その移動データは位置誤差カウンタに入るため、即、移動指令が位置誤差カウンタから自動的に送出され、モータは移動させられた向きとは逆方向へ回転し元の位置に戻る。
【0053】
【発明の効果】
本願発明は以上の構成であるので、請求項1の発明は、煩雑な加圧点の設定が不要であり、且つスライド4を一時停止させないので生産性が損なわれない。その他、リニアスケールを用いたフルクローズド制御のため、スライドの位置制御を高精度に行なうことができる、サーボモータの出力軸とねじ機構の間に減速手段を介在させるので、スライドによる加圧力を大きくできる、などの効果があり、
【0054】
必要に応じて所謂決め押し(精度出し)ができる。
【0055】
請求項2の発明は、請求項1の発明の効果に加えて、加工不良を検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】機械プレスの構成を示す説明図
【図2】第1実施例におけるスライドの昇降運動を示す線図
【図3】制御ブロック図
【図4】サーボ制御概略説明図
【図5】第2実施例におけるスライドの昇降運動を示す線図
【図6】図5のA部詳細図
【図7】制御フロー図
【図8】各種加工の圧力の説明図
【図9】投入データと排出データの関係を示す図
【図10】投入データと加減速の関係を示す図
【図11】加減速カウンタの説明図
【図12】加速を示す説明図
【符号の説明】
1は機械プレス、2はサーボモータ、2aはエンコーダ,3はねじ棒、4はスライド、5は上型、6は下型、7は制御盤、8はリニアスケールである。
Claims (2)
- サーボモータを駆動源として、ねじ機構を介してスライドを昇降させ、前記サーボモータの出力軸と前記ねじ機構の間に減速手段を有し、前記スライドの位置を検出するリニアスケールと加圧力をモータ駆動電流から検出する手段と前記加圧力で加圧する時間を計る手段を設けた制御装置において、ワークを加圧開始する加圧点の前に第1の加圧前の位置と第2の加圧前の位置を設定し記憶させ、前記第1、第2の加圧前の位置の間に高速からプレス加工速度に停止させずに減速させ、前記プレス加工速度で加工中のモータからモータ駆動電流値を検出し、前記モータ駆動電流値から算出する前記プレス加工の加圧力が設定加圧力に達した時点で又は、予め設定された時間、設定加圧力を負荷させた後に前記スライドを上死点に戻す制御部を備えた機械プレスの制御装置。
- 前記設定加圧力に達する前にリニアスケールで検出する前記スライドが、予め設定された加工下死点に達した場合は異常とし下降を停止することを特徴とする請求項1記載の機械プレスの制御装置。
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