JP3821550B2 - サーボプレスの金型保護装置及びその方法 - Google Patents

サーボプレスの金型保護装置及びその方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3821550B2
JP3821550B2 JP22449697A JP22449697A JP3821550B2 JP 3821550 B2 JP3821550 B2 JP 3821550B2 JP 22449697 A JP22449697 A JP 22449697A JP 22449697 A JP22449697 A JP 22449697A JP 3821550 B2 JP3821550 B2 JP 3821550B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slide
load
mold
servo motor
plate thickness
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP22449697A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1158097A (ja
Inventor
岩重 高橋
隆 広津
昭彦 中野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Komatsu Ltd
Komatsu Industries Corp
Original Assignee
Komatsu Ltd
Komatsu Industries Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Komatsu Ltd, Komatsu Industries Corp filed Critical Komatsu Ltd
Priority to JP22449697A priority Critical patent/JP3821550B2/ja
Publication of JPH1158097A publication Critical patent/JPH1158097A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3821550B2 publication Critical patent/JP3821550B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スライドが電動サーボモータにより直線的に駆動されてプレス加工が行なわれるサーボプレスの金型保護装置及びその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
サーボプレスは、プレス機械の上部に電動サーボモータによって上下駆動されるスライドを有し、前記電動サーボモータをサーボアンプにより速度制御している。そして、前記スライドの下面に取着された上型と、サーボプレスの下部に設けられたボルスタの上面に取着された下型との間でプレス加工を行なうように構成されている。
従来、サーボプレスにおいて、板材等のワークをプレス成形又は切断する加工を行うとき、搬入装置により一つの金型にワークが2個以上搬入されること(以後、ダブルブランクと呼ぶ)があり、このように2個以上のワークをプレス成形又は切断加工を行うと、金型に過荷重がかかり金型を破損する場合がある。したがって、金型破損を防止するために、従来は、金型に搬入されるワークの厚みを測定する厚み測定装置が設けられていた。そして、この測定されたワークの厚みが所定の許容幅内に入ってないときは、ダブルブランクと判定してプレス機械を非常停止させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のような厚み測定装置においては、ダブルブランクを測定するための所定の厚み許容幅データをワークの種別毎に設定する必要があり、この設定作業が作業者にとって大変に面倒で煩わしいものとなっている。また、設定ミス等が発生し易く、設定ミスに気付かずに実プレス作業を行うこともしばしばあり、このためにダブルブランクがあっても検出できずに金型破損を招くことがある。
【0004】
また、従来の機械式プレス等においては、ダブルブランクを検出してプレス機械を非常停止させても、スライドの惰走距離やブレーキ開始時間の遅れ等の影響によって、ダブルブランクの状態でワークを打ってしまう場合があり、このために金型を破損するという問題も生じている。
【0005】
本発明は、上記の問題点に着目してなされたものであり、ダブルブランク検出のためのデータ設定が容易であり、かつ、ダブルブランクを確実に検出して金型破損を防止できるサーボプレスの金型保護装置及びその方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、上下動自在に配設されたスライド13と、スライド13と対向する位置に配設されたボルスタ12と、スライド13及びボルスタ12の互いに対向する面に取着された金型と、スライド13を上下動させる電動サーボモータ19と、入力した速度指令に基づいてこの電動サーボモータ19を制御してスライド13を上昇あるいは加圧下降等に切り換えるサーボモータ指令出力手段29とを備え、前記金型にワークが複数個搬入されたことを検出し、加工を中止して金型を保護するサーボプレスの金型保護装置において、ボルスタ12からのスライド13の位置を検出するスライド位置検出手段16と、スライド13にかかる荷重を表す信号を検出する荷重検出手段19aと、この検出された荷重信号に基づいて、スライド13にかかる荷重を算出する荷重演算手段21と、予め実プレス作業前に、前記金型に設置した1個のワークをスライド13を下降させて加圧し、荷重演算手段21から入力した前記荷重値が急激に立ち上がるときのスライド位置をスライド位置検出手段16から入力し、この入力したスライド位置を基準板厚位置H1 として記憶する基準板厚ティーチング手段22と、この記憶された基準板厚位置H1 に基づいて、ワークのダブルブランクを判定するための板厚許容範囲を設定し、記憶する許容値設定手段23と、実プレス作業の加圧下降時に、荷重演算手段21から入力した実負荷の荷重値が急激に立ち上がるときのスライド位置をスライド位置検出手段16から入力し、この入力したスライド位置が前記板厚許容範囲以外にあるときにダブルブランク発生信号を出力するダブルブランク判定手段24と、このダブルブランク発生信号を入力したとき、スライド13を加圧加工時と反対方向に駆動するための電動サーボモータ19の速度指令をサーボモータ指令出力手段29に出力するサーボモータ指令演算手段27とを備えた構成としている。
【0007】
請求項1に記載の発明によると、加圧加工時に、スライドにかかる荷重を検出するとともに、この荷重が急激に立ち上がるスライド位置を検出する。このスライド位置はスライドが金型に搬入されたワークの上面と当接するときのスライド位置を表しており、ワークの厚さを示しているので、このスライド位置によってワークが正常な個数だけ搬入されたか否かを判定できる。すなわち、予め実ワークでのプレス作業の前に、1個の実ワークで試打ちしたときの前記荷重値が急激に立ち上がるスライド位置を基準板厚位置H1 とし、この基準板厚位置H1 に基づいて、ワークの板厚のばらつきを考慮して板厚許容範囲を設定し、記憶する。そして、実プレス作業時に、前記検出したスライド位置がこの板厚許容範囲以内に入っているかを判定し、板厚許容範囲以外にあるときはダブルブランクとみなしてスライドを加圧加工時と反対方向に移動させる。また、ダブルブランク発生時には、加圧と反対方向にスライドが移動するように電動サーボモータを制御するので、電動サーボモータの最大制動トルクがスライドにかかって惰走距離が短くなると共に、スライドは応答性良く直ちに逆方向へ駆動される。これによって、ダブルブランクを確実に検出できるとともに、ダブルブランク発生時に金型に過荷重をかけて金型を破損することを防止できる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、前記ダブルブランク判定手段24が出力した前記ダブルブランク発生信号を受け、前記ワークを前記金型に搬入する搬入装置に搬入停止指令を出力する搬入指令出力手段48を付設した請求項1記載のサーボプレスの金型保護装置の構成としている。
【0009】
請求項2に記載の発明によると、ダブルブランク発生を検出したとき、搬入装置の搬入動作を停止させるので、搬入装置との連動運転時に搬入装置に対して起動又は停止の制御が確実にでき、よって連動運転が容易に可能である。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2記載のサーボプレスの金型保護装置において、
前記荷重検出手段19aは、前記電動サーボモータ19の駆動電流値を検出する電流検出センサからなり、
前記荷重演算手段21は、この検出された駆動電流値から加圧加工に要するトルクとして求められる実作業トルクに基づいて、スライド13にかかる荷重値を算出する構成としている。
【0011】
請求項3に記載の発明によると、スライドを駆動している電動サーボモータの駆動電流値を電流検出センサにより検出しており、この駆動電流値より算出されるモータ出力トルクから加減速トルクや定速トルクを差し引いて実作業トルクとしてスライドの荷重を求めることができる。よって、軽微な荷重も電流検出センサにより精度よく求めることができるので、ワークが薄くともダブルブランクを確実に検出できる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、上下動自在に配設され、かつ、電動サーボモータ19により駆動されるスライド13、及び、スライド13と対向する位置に配設されたボルスタ12の互いに対向する面にそれぞれ金型を取着し、電動サーボモータ19を制御してスライド13を上昇あるいは加圧下降等に切り換えてワークを加工し、前記金型にワークが複数個搬入されたことを検出し、加工を中止して金型を保護するサーボプレスの金型保護方法において、予め実プレス作業前に、前記金型に設置した1個のワークをスライド13を加圧下降させながら加工し、スライド13にかかる荷重が急激に立ち上がるときのスライド位置を基準板厚位置H1 として検出し、この検出した基準板厚位置H1 に基づいて板厚許容範囲を設定して記憶した後、実プレス作業での加圧下降時に、スライド13にかかる荷重が急激に立ち上がるときのスライド位置と前記記憶された板厚許容範囲とを比較し、このスライド位置が板厚許容範囲以外のときにはダブルブランク発生と判定してスライド13を加圧加工時と反対方向に電動サーボモータ(19)により移動させる方法としている。
【0013】
請求項4に記載の発明によると、加圧加工時に、スライドにかかる荷重を検出するとともに、この荷重が急激に立ち上がるスライド位置を検出する。このスライド位置はスライドが金型に搬入されたワークの上面と当接するときのスライド位置を表しており、ワークの厚さを示しているので、このスライド位置によってワークが正常な個数だけ搬入されたか否かを判定可能である。すなわち、予め実ワークでのプレス作業の前に、1個の実ワークで試打ちしたときの前記荷重値が急激に立ち上がるスライド位置を基準板厚位置H1 とし、この基準板厚位置H1 に基づいて、ワークの板厚のばらつきを考慮して板厚許容範囲を設定し、記憶する。そして、実プレス作業時に、前記検出したスライド位置がこの板厚許容範囲以内に入っているかを判定し、板厚許容範囲以外にあるときはダブルブランクとみなしてスライドを加圧加工時と反対方向に移動させる。また、ダブルブランク発生時には、加圧と反対方向にスライドが移動するように電動サーボモータを制御するので、電動サーボモータの最大制動トルクがスライドにかかって惰走距離が短くなると共に、スライドは応答性良く直ちに逆方向へ駆動される。これによって、ダブルブランクを確実に検出できるとともに、ダブルブランク発生時に金型に過荷重をかけて金型を破損することを防止できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係わるサーボプレスの金型保護装置の実施形態を説明する。
図1は、本発明に係わるサーボプレスの側面断面図を示している。同図において、サーボプレス1には側面視して略C字形状のフレーム10が設けられており、フレーム10の下部にはベッド11が取付けられている。このベッド11の上部にはボルスタ12が略水平に配設されており、ボルスタ12の上面には下型(図示せず)が取着されている。
前記フレーム10の前記C字形状の開口部近傍には、この開口部と類似な形状をした補助フレーム14が装着されている。この補助フレーム14は、上下方向に変位自在となるように、その下側がピン15によりフレーム10の側面に取付けられている。
【0015】
また、フレーム10の上部には、このサーボプレス1の動力源である電動サーボモータ19、及び動力変換装置17が装着されている。この動力変換装置17は、ボールスクリューなどにより電動サーボモータ19の回転力を往復運動に変換している。電動サーボモータ19には、例えばパルスジェネレータなどのような、回転速度を検出する速度検出手段19bが設けられている。この電動サーボモータ19と前記動力変換装置17とは、例えばベルトのような回転伝達部材18によって回転自在に連結されている。
なお、この回転伝達部材18はチェーンや歯車でもよいし、また回転伝達部材18を使用せずに電動サーボモータ19と動力変換装置17とのそれぞれの軸を直接結合してもよい。また、電動サーボモータ19は交流モータ、直流モータのいずれでもよい。動力変換装置17についても、ウォームギヤとウォームホイール、あるいはピニオンギヤとラックとにより回転運動を往復運動に変換してもよく、ここではその手段について限定するものではない。
【0016】
前記動力変換装置17の下端には、ボルスタ12に対向する位置で上下動自在なスライド13が装着されており、スライド13には上型(図示せず)が取付けられている。
前記スライド13の後部側と前記補助フレーム14の上端側の間には、リニアセンサなどから構成されるスライド位置検出手段16が設けられている。このスライド位置検出手段16は、軸方向がスライド13の上下動方向と平行になるようにスライド13の後部に取付けられたセンサロッド16aと、このセンサロッド16aが挿入され、かつ、補助フレーム14に取付けられた検出ヘッド16bとから構成されている。スライド13の上下動に伴って、このセンサロッド16aが、固定されている検出ヘッド16bに対して上下動することによって、検出ヘッド16bの内部に組込まれたセンサにより、スライド13の位置がボルスタ12の上面からの高さとして検出される。
【0017】
図2はスライドのモーションカーブの一例を示しており、後述するモーション設定手段及びサーボ制御装置によってモーションカーブを規定する各データが予め設定され、記憶される。同図のモーションカーブにおいて、まず、スライド13は上限位置U(図示で点A)から加工開始位置Bまで所定の高速下降速度で下降し、次に、下限位置L(図示で点C)まで所定の低速下降速度で前記金型(上型と下型)に設置された被ワークを加圧しながら下降する。そして、下限位置Lで所定時間(図示で点Dまで、時間0も含む)位置及び加圧力を保持した後、下限位置Lから所定の位置(図示で点E)まで所定の低速上昇速度で上昇し、さらに上限位置U(図示で点F)まで所定の高速上昇速度で上昇して停止し、所定時間(時間0も含む)だけ停止して一サイクルを終了する。実プレス作業時には、このサイクルが繰り返し行われる。
【0018】
図3は、本発明に係わる金型保護装置のハード構成ブロック図を示している。
荷重検出手段19aは、スライド13の荷重を表す信号を検出しており、本実施形態では、例えばシャント抵抗等により電動サーボモータ19の駆動電流値を検出する電流検出センサからなっている。また、スライド位置検出手段16は前述のようにスライド13の高さ方向の位置を検出している。そして、これらの検出手段の検出信号はサーボ制御装置20に入力されている。
【0019】
さらに、サーボ制御装置20には、モーション設定手段9及び操作モード選択スイッチ36が付設されている。モーション設定手段9は、スライド13の所定のモーションカーブを設定でき、例えば、加圧力を設定したり、金型を上昇又は下降するための前記高速上昇速度、高速下降速度、低速上昇速度、又は、低速下降速度等の移動速度を設定したり、あるいは、モーションカーブ上の目標位置(例えば、加圧開始位置B、下限位置L、上限位置U等)を設定できる各設定スイッチにより構成されている。そして、これらの設定値は、各モーションカーブに対応したモーションデータとしてサーボ制御装置20内の所定のメモリエリアに記憶される。また、操作モード選択スイッチ36はプレス操作モードを選択でき、少なくとも、ダブルブランクを検出するためのスライド位置を教示して記憶できる教示モードを選択可能となっている。そして、選択されたモード信号は、サーボ制御装置20に入力される。
【0020】
サーボ制御装置20は、例えばマイクロコンピュータを主体にした一般的なコンピュータ制御装置で構成されている。サーボ制御装置20は、前記各検出手段の検出信号、及び各スイッチからの信号を入力して後述する所定の演算及び判定処理を行い、この処理結果に基づいてサーボモータ指令出力手段29への速度指令及び搬入信号出力回路38への制御指令を出力する。これによって、サーボ制御装置20は、スライド13が所定のモーションカーブに沿って作動するように制御すると共に、ダブルブランクと判定されたときは、金型を保護する方向(本実施形態では、上昇方向)にスライド13を駆動する。
サーボモータ指令出力手段29は、この速度指令と、速度検出手段19bからの速度フィードバック信号とを入力し、この速度指令と速度フィードバック信号との速度偏差が小さくなるように、電動サーボモータ19の駆動電流値を制御する。また、搬入信号出力回路38は、サーボ制御装置20からの上記制御指令に基づいて、ワークを金型に搬入する搬入装置(図示せず)へ指令信号を出力する。
【0021】
次に、図4に示した機能構成ブロック図に基づいて、本発明に係わるサーボプレスの金型保護装置の機能構成を説明する。
荷重検出手段19aは、前述のごとくスライド13にかかる荷重を表す信号として、電動サーボモータ19の駆動電流値を出力している。
荷重演算手段21は、荷重検出手段19aから出力された駆動電流値に基づいて、電動サーボモータ19の出力トルクを演算し、この演算した出力トルクに基づいてスライド13の荷重を求める。このように、電動サーボモータ19の駆動電流値に基づいて荷重を求めるには、例えば、以下のような方法で行なう。
【0022】
予め、加速又は減速トルクを算出するための負荷イナーシャ定数、定速維持するトルクを算出するための速度抵抗トルク比例定数、摩擦トルク定数、及び駆動電流と出力トルクとの関係を表すトルク定数等の各定数データを記憶しておく。そして、加速時又は減速時には、必要な加速度値又は減速度値と上記各定数データに基づいて必要な駆動電流値を求め、電流検出センサで検出した駆動電流値から前記求めた必要な駆動電流値を差引いて、加減速時の実作業トルクを算出する。定速時も同様にして、このとき維持すべき速度値と上記各定数データに基づいて必要な駆動電流値を求め、検出した駆動電流値から前記求めた必要な駆動電流値を差引いて、定速時の実作業トルクを算出する。そして、このようにして求められた電動サーボモータ19の実作業トルクと、スライド13の荷重との関係を予め求めて荷重演算手段21に記憶しておく。この荷重演算手段21は、打抜き時に検出された駆動電流値に基づいて実作業トルクを求め、この実作業トルクに基づいて荷重を演算する。
このように荷重検出手段19aとして電流検出センサを使用することにより、荷重を精度よく求めることができる。
【0023】
なお、上記のスライド13にかかる荷重の検出は、上記駆動電流値による方法に限定されずに、例えばプレス本体のフレーム10の歪みを歪みゲージセンサによって検出し、この歪みの大きさに基づいて荷重値を算出することも可能である。
【0024】
また、基準板厚ティーチング手段22は、操作モードが教示モードのとき、実際にワークを加圧加工しながら、前記スライド位置検出手段16からの位置データ、及び荷重演算手段21が算出した荷重値を入力し、スライド13に荷重がかかり始めた時のスライド位置を基準板厚位置H1 として記憶する。そして、許容値設定手段23は、この基準板厚位置H1 に対して当該ワークの板厚のばらつき等を考慮して、所定の許容幅を設けた板厚許容範囲を設定し、記憶する。
【0025】
ここで、この基準板厚位置H1 を図5及び図6に基づいて詳細に説明する。図5は、前記設定されたモーションカーブの下限位置L近傍でのスライド位置の時間的な変化を表している。このとき、金型51の上面がスライド位置H0 に対応しているとする。いま、スライド13が低速下降して来たとき、金型51の上面にワーク52が1枚のみ挿入されている(正常時)と仮定すると、1枚目のワーク52aの上面とスライド位置H1 で時間t1 のとき当接し、また金型51の上面にワーク52が2枚挿入されている(異常時)と仮定すると、2枚目のワーク52bの上面とスライド位置H2 で時間t2 のとき当接する。図6はスライド13とワーク52との当接時の荷重変化を示しており、正常なワーク枚数の場合は時間t1 のとき、すなわち、スライド位置H1 で荷重が急激に立ち上がり、また異常なワーク枚数の場合は時間t2 のとき、すなわち、スライド位置H2 で荷重が急激に立ち上がる。このことから、荷重が急激に立ち上がるときのスライド位置に基づいてダブルブランクを検出することが可能となる。よって、基準板厚ティーチング手段22は、ダブルブランクでない正常な板厚のワーク52aの上面にスライド13が当接したときのスライド位置H1 を基準板厚位置H1 として記憶しており、この基準板厚位置H1 がダブルブランク判定の基準となっている。
【0026】
なお、上記の基準板厚位置H1 はn回(nは2以上の自然数とする)の実ワークでの試行を行い、n個の当接位置データの平均値によって設定するようにしてもよい。また、このときの当接位置の最大値及び最小値から、あるいは、偏差値から上記板厚許容範囲の許容幅を設定してもよい。
【0027】
ダブルブランク判定手段24は、操作モードが例えば連続行程モードのように実負荷での成形や切断のプレス加工を行う生産モードのとき、加工中に荷重演算手段21によって演算された前記荷重値を監視し、この荷重値が急激に増加したときのスライド位置を取り込む。そして、このスライド位置と、許容値設定手段23により記憶された前記板厚許容範囲とを比較し、前記スライド位置が板厚許容範囲より高くなったときはダブルブランク異常と判定し、ダブルブランク発生信号を出力する。
【0028】
また、サーボモータ指令演算手段27は、ダブルブランク判定手段24からのダブルブランク発生信号を入力したときは、スライド13がどこの位置にあっても、スライド13を所定距離だけ所定上昇速度で上昇させるための速度指令をサーボモータ指令出力手段29に出力する。さらに、サーボモータ指令出力手段29は、上記速度指令を受けて電動サーボモータ19に駆動電流値を出力し、スライド13を所定速度で上昇させる。
また、搬入指令出力手段48は、ダブルブランク判定手段24からのダブルブランク発生信号を入力したときは、搬入信号出力回路38を介して搬入装置(図示せず)に搬入停止指令を出力する。
【0029】
次に、図7に示す制御フローチャート例に基づいて、本発明に係わるサーボプレスの金型保護装置の制御方法の一例を説明する。なお、各処理のステップ番号はSを付して表している。
S1で、作業者は操作モード選択スイッチ36を切り換えて教示モードを選択する。このとき、サーボ制御装置20は(基準板厚ティーチング手段22)教示モード信号を入力する。次に、S2で、作業者は金型に1個のワークを設置し、実負荷でのプレス加工を開始する。このとき、サーボ制御装置20は(基準板厚ティーチング手段22)スライド位置検出手段16からの位置信号を入力し、スライド位置の上限位置Uから下降方向への変化によって加工開始したかを判断し、加工開始するまでS2で待つ。加工開始したときは、S3で(基準板厚ティーチング手段22)、荷重値が急激に増加するスライド位置H1 を検出する。この後、S4で(許容値設定手段23)、前記検出されたスライド位置H1 に対して板厚許容範囲を設定して記憶する。以上で、実ワークでのプレス加工による板厚許容範囲の教示が終了し、S5へ処理を移行する。
【0030】
つぎに、S5で、作業者は操作モード選択スイッチ36を切り換えて生産モード(例えば、連続モードや安全一行程モード等の生産するためのモード)を選択する。このとき、サーボ制御装置20は(ダブルブランク判定手段24)対応するモード信号を入力する。次に、S6で、作業者は実負荷でのプレス加工生産を開始し、サーボ制御装置20は(ダブルブランク判定手段24)スライド位置信号を入力して加工開始したかを判断し、加工開始するまでS6で待つ。加工開始したときは、S7で(ダブルブランク判定手段24)荷重値が急激に増加するスライド位置を検出する。この後、S8で(ダブルブランク判定手段24)、検出した上記スライド位置が、前記記憶している板厚許容範囲以内か否かを判定し、板厚許容範囲以内のときはS9に移行する。
【0031】
そして、S9で(ダブルブランク判定手段24)加工継続か否かを判定し、加工継続のときは、S6に戻って次のワークに対して以上のダブルブランク防止処理を行い、加工継続でないときは本フローチャート処理を終了する。ここで、加工継続の判定は、例えば、操作モード選択スイッチ36が切り換えられたか、あるいは、スライド13がモーションカーブで設定された所定時間、例えば上限位置での停止時間以上移動停止となったか等によって行うことができる。
【0032】
また、前記S8で、検出した前記スライド位置が前記板厚許容範囲以内でないときは、S10でダブルブランク発生信号を出力する。これによって、(サーボモータ指令演算手段27)サーボモータ指令出力手段29のスライド上昇方向への速度指令値を演算して出力し、スライド13が上昇して金型を保護する。これと共に、(搬入指令出力手段48)搬入装置へ搬入停止指令を出力する。この後、本制御フローを終了する。
【0033】
上記のように、実際のワークでプレス加工し、スライド13が1枚のみのワークの上面に当接するスライド位置H1 を基準板厚位置H1 として教示し、この基準板厚位置H1 及び当該ワークの板厚のばらつきに基づいて板厚許容範囲を設定している。これによって、作業者の設定ミスが無くなり確実にダブルブランクを検出でき、また、設定作業が容易となる。さらに、ダブルブランク発生時には、加圧と反対方向にスライド13が移動するように電動サーボモータ19を制御するので、電動サーボモータ19の最大制動トルクがスライド13にかかって惰走距離が短くなると共に、スライド13は応答性良く直ちに逆方向へ駆動される。これによって、ダブルブランクを確実に検出できるとともに、ダブルブランク発生時に金型に過荷重をかけて金型を破損することを防止できる。また、ダブルブランク発生時に搬入装置の搬入動作を停止させるので、搬入装置との連動運転時の起動及び停止が確実に制御できる。
【0034】
なお、電流検出センサにより荷重値を演算する場合には、電動サーボモータ19の駆動電流値を検出し、この駆動電流値より算出されるモータ出力トルクから加減速トルクや定速トルクを差し引いて実作業トルクとしてスライド13の荷重を求めることができる。よって、軽微な荷重も電流検出センサにより精度よく求めることができるので、ワークが薄く小さな荷重を受ける場合にもダブルブランクを確実に検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるサーボプレスの要部側面図を示す。
【図2】本発明に係わるモーションカーブの説明図を示す。
【図3】本発明に係わる金型保護装置のハードブロック図を示す。
【図4】本発明に係わる金型保護装置の機能構成ブロック図を示す。
【図5】本発明に係わるダブルブランク検出方法の説明のためのスライド位置の時間的な変化図を示す。
【図6】本発明に係わるダブルブランク検出方法の説明のための荷重値の時間的な変化図を示す。
【図7】本発明に係わる金型保護装置のフローチャート例を示す。
【符号の説明】
1 サーボプレス
9 モーション設定手段
10 フレーム
11 ベッド
12 ボルスタ
13 スライド
14 補助フレーム
15 ピン
16 スライド位置検出手段
16a センサロッド
16b 検出ヘッド
17 動力変換装置
18 回転伝達部材
19 電動サーボモータ
19a 荷重検出手段
19b 速度検出手段
20 サーボ制御装置
21 荷重演算手段
22 基準板厚ティーチング手段
23 許容値設定手段
24 ダブルブランク判定手段
27 サーボモータ指令演算手段
29 サーボモータ指令出力手段
36 操作モード選択スイッチ
38 搬入信号出力回路
48 搬入指令出力手段
51 金型
52,52a,52b ワーク

Claims (4)

  1. 上下動自在に配設されたスライド(13)と、スライド(13)と対向する位置に配設されたボルスタ(12)と、スライド(13)及びボルスタ(12)の互いに対向する面に取着された金型と、スライド(13)を上下動させる電動サーボモータ(19)と、入力した速度指令に基づいてこの電動サーボモータ(19)を制御してスライド(13)を上昇あるいは加圧下降等に切り換えるサーボモータ指令出力手段(29)とを備え、前記金型にワークが複数個搬入されたことを検出し、加工を中止して金型を保護するサーボプレスの金型保護装置において、
    ボルスタ(12)からのスライド(13)の位置を検出するスライド位置検出手段(16)と、
    スライド(13)にかかる荷重を表す信号を検出する荷重検出手段(19a) と、
    この検出された荷重信号に基づいて、スライド(13)にかかる荷重値を算出する荷重演算手段(21)と、
    予め実プレス作業前に、前記金型に設置した1個のワークをスライド(13)を下降させて加圧し、荷重演算手段(21)から入力した前記荷重値が急激に立ち上がるときのスライド位置をスライド位置検出手段(16)から入力し、この入力したスライド位置を基準板厚位置H1 として記憶する基準板厚ティーチング手段(22)と、
    この記憶された基準板厚位置H1 に基づいて、ワークのダブルブランクを判定するための板厚許容範囲を設定し、記憶する許容値設定手段(23)と、
    実プレス作業の加圧下降時に、荷重演算手段(21)から入力した実負荷の荷重値が急激に立ち上がるときのスライド位置をスライド位置検出手段(16)から入力し、この入力したスライド位置が前記板厚許容範囲以外にあるときにダブルブランク発生信号を出力するダブルブランク判定手段(24)と、
    このダブルブランク発生信号を入力したとき、スライド(13)を加圧加工時と反対方向に駆動するための電動サーボモータ(19)の速度指令をサーボモータ指令出力手段(29)に出力するサーボモータ指令演算手段(27)とを備えたことを特徴とするサーボプレスの金型保護装置。
  2. 前記ダブルブランク判定手段(24)が出力した前記ダブルブランク発生信号を受け、前記ワークを前記金型に搬入する搬入装置に搬入停止指令を出力する搬入指令出力手段(48)を付設したことを特徴とする請求項1記載のサーボプレスの金型保護装置。
  3. 請求項1又は2記載のサーボプレスの金型保護装置において、
    前記荷重検出手段(19a) は、前記電動サーボモータ(19)の駆動電流値を検出する電流検出センサからなり、
    前記荷重演算手段(21)は、この検出された駆動電流値から加圧加工に要するトルクとして求められる実作業トルクに基づいて、スライド(13)にかかる荷重値を算出することを特徴とするサーボプレスの金型保護装置。
  4. 上下動自在に配設され、かつ、電動サーボモータ(19)により駆動されるスライド(13)、及び、スライド(13)と対向する位置に配設されたボルスタ(12)の互いに対向する面にそれぞれ金型を取着し、電動サーボモータ(19)を制御してスライド(13)を上昇あるいは加圧下降等に切り換えてワークを加工し、前記金型にワークが複数個搬入されたことを検出し、加工を中止して金型を保護するサーボプレスの金型保護方法において、
    予め実プレス作業前に、前記金型に設置した1個のワークをスライド(13)を加圧下降させながら加工し、スライド(13)にかかる荷重が急激に立ち上がるときのスライド位置を基準板厚位置H1 として検出し、この検出した基準板厚位置H1 に基づいて板厚許容範囲を設定して記憶した後、実プレス作業での加圧下降時に、スライド(13)にかかる荷重が急激に立ち上がるときのスライド位置と前記記憶された板厚許容範囲とを比較し、このスライド位置が板厚許容範囲以外のときにはダブルブランク発生と判定してスライド(13)を加圧加工時と反対方向に電動サーボモータ(19)により移動させることを特徴とするサーボプレスの金型保護方法。
JP22449697A 1997-08-07 1997-08-07 サーボプレスの金型保護装置及びその方法 Expired - Fee Related JP3821550B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22449697A JP3821550B2 (ja) 1997-08-07 1997-08-07 サーボプレスの金型保護装置及びその方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22449697A JP3821550B2 (ja) 1997-08-07 1997-08-07 サーボプレスの金型保護装置及びその方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1158097A JPH1158097A (ja) 1999-03-02
JP3821550B2 true JP3821550B2 (ja) 2006-09-13

Family

ID=16814715

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22449697A Expired - Fee Related JP3821550B2 (ja) 1997-08-07 1997-08-07 サーボプレスの金型保護装置及びその方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3821550B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100450762C (zh) * 2006-03-28 2009-01-14 江苏亚威机床股份有限公司 脱模错误自动检测的数控转塔冲床
JP2019206014A (ja) * 2018-05-28 2019-12-05 アイダエンジニアリング株式会社 プレス機械のダブルブランク検出装置及びプレス機械の金型保護装置
CN114814338B (zh) * 2022-07-01 2022-09-06 江苏融知达信息科技有限公司 一种基于物联网技术的高精度高电流密度电流采集器的保护结构

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1158097A (ja) 1999-03-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2006122944A (ja) ダイクッション制御装置
JP3821549B2 (ja) サーボプレスの金型保護装置及びその方法
US20170217116A1 (en) Control system, press machine, and control method for press machine
JPH1158100A (ja) サーボプレスの金型保護装置及びその方法
JP4136949B2 (ja) 電動サーボプレスの暴走監視装置
JP3891325B2 (ja) 成形機の型開閉装置
JP3821550B2 (ja) サーボプレスの金型保護装置及びその方法
EP1685914A2 (en) Die cushion control device
JP2019048332A (ja) しわ発生検出装置、ダイクッション装置及び金型保護装置、並びにしわ発生検出方法、ダイクッション力自動設定方法及び金型保護方法
JPH0661808B2 (ja) 電動式直圧型締機構における金型タッチ位置検出方法
JP3690792B2 (ja) 機械プレスの制御装置
JPH1133799A (ja) 電動プレスの制御方法及び制御装置
JP3775899B2 (ja) サーボプレスのブレークスルーの抑制制御装置及びその制御方法
JP4439348B2 (ja) 電気サーボ式板金加工機械
JP4046598B2 (ja) 電動サーボプレスの加圧方法
JP3720099B2 (ja) 曲げ加工機における板厚検出方法およびその装置並びに曲げ加工方法および曲げ加工機
JP3775900B2 (ja) サーボプレスの下限位置制御装置及びその制御方法
JPH10193199A (ja) 直動型プレスの金型保護装置及びその方法
JP2001071196A (ja) 加圧装置
JP3992600B2 (ja) 電動サーボプレスの機械保護方法
JP3775765B2 (ja) サーボプレスの成形条件設定装置及びその設定方法
JP4010707B2 (ja) Acサーボ駆動式鍛圧機械のラム制御装置
JP3815861B2 (ja) サーボプレスの周辺機器制御装置及びその方法
JP2860935B2 (ja) プレスのダイハイト補正装置
JP3789211B2 (ja) サーボプレスの上限位置設定装置及びその方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060320

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060328

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060525

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060620

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060620

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090630

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100630

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100630

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110630

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120630

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130630

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees