JP3789195B2 - サーボプレスのモーション制御装置とその制御方法 - Google Patents

サーボプレスのモーション制御装置とその制御方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、スライドが電動サーボモータにより直動駆動されるサーボプレスの加工中の振動又は騒音を抑制可能なモーション制御装置とその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プレス加工は被加工物の塑性変形や破断の性質を利用した加工方法であり、そのために、工具が被加工物や金型を打撃するときや、被加工物が切断されるとき、あるいはダイクッションが戻るときなどに、大きな騒音や大きな振動が発生する。この騒音や振動に起因する劣悪な作業環境は作業者に精神的、肉体的被害を与えるのみならず労働災害の要因ともなり、特に騒音に関しては労働安全衛生法によって規制されている。こうしたことから、プレス加工時に種々の要因によって発生する騒音を減少させる方法が提案されている。
例えば、特開平3−33439号公報では、サーボモータの回転力をスライドの往復運動に変換する機械プレスにおいて、スライド移動中にその速度を低速に切替えることによって騒音を減少する技術が開示されている。すなわち、図10のモーションカーブに示すように、スライドに取付けられた工具が、被加工物に接近する接近工程では所定の接近速度で移動し、加工工程に移行するときにスライドを前記接近速度よりさらに遅い速度に切替えるように、このスライドの動きをサーボモータの回転によって制御する方法である。この方法によって、スライドが被加工物を加圧し始めるときの速度が遅くなり騒音を小さくしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記以外の要因によっても騒音及び振動が発生しており、そのために騒音及び振動の問題は未だ残されている。例えば、図11に示すように、スライド15が高速下降して金型2を打撃するときや、被加工物Wがスライド15により打抜かれた時のブレークスルー時において、騒音や振動が発生する。また、図12に示す絞り加工においては、絞り加工後のスライド15の上昇工程において、ダイクッション50はスライド15の上昇と共に上昇し、戻り端(図示せず)に当たったときに騒音、振動を発生する。また、さらにスライド15が上昇すると、ノックアウトバー60bは上方へ戻される。このとき、ノックアウトバー60bがノックアウトブラケット60aに当たり、ノックアウトバー60bに固定されているノックアウトピン60cが上型に付着している被加工物Wを押して、被加工物Wが上型から分離される。このときのノックアウトバー60bとノックアウトブラケット60aとの当たりによって騒音が発生する。
このような騒音や振動は、直接係わり合いのある作業者に対して不快感による精神的なダメージや難聴などの肉体的な被害を与えるのみならず、労働災害の要因ともなる。特に騒音に関しては、作業所周辺の住宅地域における法規制の問題があり、作業時間帯が制約される。
【0004】
この発明は上記の問題点に鑑みてなされ、加工時に生じる騒音や振動を抑制するためのサーボプレスのモーション制御装置とその制御方法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、上下動するスライド15と、スライド15を上下駆動するサーボモータ11と、スライド15の位置及び速度をそれぞれ検出するスライド位置検出手段17及び速度検出手段11aと、スライド15の位置及び速度条件を設定する設定・表示手段18と、前記設定条件に基づいてサーボモータ11の制御指令値を出力する手段と、この制御指令値を受けてサーボモータ11を制御するサーボモータ指令出力手段29とを備え、この所定の位置及び速度データに基づいてスライド15のモ−ション制御を行ない被加工物の加工を行なうサーボプレスのモーション制御装置において、
打抜き加工時に、少なくとも、スライド15と金型2がタッチする型タッチ位置、又は金型2が被加工物の加圧を始める加圧開始位置のいずれかを特定するための信号を検出する位置特定信号検出器23と、
この位置特定信号検出器23により検出された信号の変化率又はレベルの大きさに基づいて、前記型タッチ位置又は加圧開始位置のいずれかを検出し、このときに位置データを前記スライド位置検出手段17から入力する特定位置判定手段25と、
この特定位置判定手段25に入力された前記型タッチ位置又は加圧開始位置データのいずれかに基づいて、この位置より所定距離手前の減速開始位置、所定距離後方の減速完了位置、及びこの減速時の速度データを演算し、設定する位置・速度設定手段27と、
記設定・表示手段18により入力された位置及び速度条件をライド制御データとして記憶するとともに、前記位置・速度設定手段27によって新たに設定された位置データ、減速速度データを前記スライド制御データの更新データとして記憶するモーション記憶手段24と、
抜き加工時に、加工中に検出されるスライド15の位置及び速度が前記モーション記憶手段24に記憶されたスライド制御データに基づくモーションとなるように、サーボモータ11の制御指令値を演算しサーボモータ指令出力手段29に出力するサーボモータ制御演算手段28とを備えた構成としている。
【0006】
請求項1に記載の発明によると、スライドが金型にタッチ又は金型が被加工物にタッチする位置はそれぞれの位置を特定する信号(例えば、負荷トルク、振動加速度等)によって検出することができる。そして、検出されたこの特定位置の所定距離手前の減速開始位置で所定速度に減速し、所定距離後方の減速完了位置データ所定の速度に戻して打抜き加工を行なうようにするので、型タッチ位置又は加圧開始位置での騒音、振動が低減される。この結果、打抜き加工時の騒音、振動の作業環境を改善できると共に、金型やプレス機械自体の寿命を向上できる。また、騒音規制をクリアすることによって夜間作業が可能となり、生産能力の向上を図ることができる。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、上下動するスライド15と、スライド15を上下駆動するサーボモータ11と、スライド15の位置及び速度をそれぞれ検出するスライド位置検出手段17及び速度検出手段11aと、スライド15の位置及び速度条件を設定する設定・表示手段18と、前記設定条件に基づいてサーボモータ11の制御指令値を出力する手段と、この制御指令値を受けてサーボモータ11を制御するサーボモータ指令出力手段29とを備え、この所定の位置及び速度データに基づいてスライド15のモ−ション制御を行なって被加工物の加工を行なうサーボプレスのモーション制御装置において、
打抜き加工時に、打抜き位置を特定するための信号を検出する位置特定信号検出器23と、
この位置特定信号検出器23により検出された信号の変化率又はレベルの大きさに基づいて、打抜きを検出する特定位置判定手段25と、
この特定位置判定手段25が打抜きを検出した時直ちにスライド15を高速上昇させるように、サーボモータ11の制御指令値をサーボモータ指令出力手段29に出力するサーボモータ制御演算手段28とを備えた構成としている。
【0008】
請求項2に記載の発明によると、スライドの打抜きはそれを特定する信号(例えば、負荷トルク、振動加速度等)によって検出することができる。そして、この検出された打抜き後直ちにスライド15を高速上昇させるので、上昇切替え時の機械系のバックラッシュによる遊びが短時間で解消され、このバックラッシュ内でのブレークスルーの振動が抑制される。また、突出し量が小さくなる。この結果、打抜き加工時における作業環境を改善できると共に、金型やプレス機械自体の寿命を向上できる。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2記載のサーボプレスのモーション制御装置において、前記特定位置判定手段25は、前記位置特定信号検出器23により検出された信号の時間的な変化率又はレベルの大きさに基づいて、さらに、スライド15のノックアウト位置を検出し、このときの位置データを前記スライド位置検出手段17から入力すると共に、
前記位置・速度設定手段27は、このノックアウト位置の位置データに基づいて、この位置より所定距離手前の減速開始位置、所定距離後方の減速完了位置、及びこの減速時の速度データを演算して設定し、
次回の打抜き加工時に、前記ノックアウト位置の所定距離手前でスライド15を減速させるサーボプレスのモーション制御装置の構成としている。
【0010】
請求項3に記載の発明によると、加圧後にスライドに付着した被加工物がノックアウトピンによって分離されるノックアウト位置は、この位置を特定する信号(例えば、負荷トルク、振動加速度等)によって検出することができる。そして、検出されたこの特定位置の所定距離手前の減速開始位置で所定速度に減速し、所定距離後方の減速完了位置で所定の速度に戻して打抜き加工を行なうようにするので、ノックアウト位置での騒音、振動が低減される。この結果、打抜き加工時の騒音、振動の作業環境を改善できると共に、金型やプレス機械自体の寿命を向上できる。また、騒音規制をクリアすることによって夜間作業が可能となり、生産能力の向上を図ることができる。
【0011】
また、請求項4に記載の発明は、上下動するスライド15と、スライド15を上下駆動するサーボモータ11と、スライド15の位置及び速度をそれぞれ検出するスライド位置検出手段17及び速度検出手段11aと、スライド15の位置及び速度条件を設定する設定・表示手段18と、前記設定条件に基づいてサーボモータ11の制御指令値を出力する手段と、この制御指令値を受けてサーボモータ11を制御するサーボモータ指令出力手段29とを備え、この所定の位置及び速度データに基づいてスライド15のモ−ション制御を行なって被加工物の加工を行なうサーボプレスのモーション制御装置において、
絞り加工時に、少なくとも、スライド15と金型2がタッチする型タッチ位置、又は金型2が被加工物の加圧を始める加圧開始位置のいずれかを特定するための信号を検出する位置特定信号検出器23と、
この位置特定信号検出器23により検出された信号の変化率又はレベルの大きさに基づいて、前記型タッチ位置又は加圧開始位置を検出し、このときに位置データを前記スライド位置検出手段17から入力する特定位置判定手段25と、
この特定位置判定手段25に入力された前記型タッチ位置又は加圧開始位置データに基づいて、この位置より所定距離手前の減速開始位置、所定距離後方の減速完了位置、及びこの減速時の速度データを演算し、設定する位置・速度設定手段27と、
記設定・表示手段18により入力された位置及び速度条件をライド制御データとして記憶するとともに、前記位置・速度設定手段27によって新たに設定された位置データ、減速速度データを前記スライド制御データの更新データとして記憶するモーション記憶手段24と、
り加工時に、加工中に検出されるスライド15の位置及び速度が前記モーション記憶手段24に記憶されたスライド制御データに基づくモーションとなるように、サーボモータ11の制御指令値を演算してサーボモータ指令出力手段29に出力するサーボモータ制御演算手段28とを備えた構成としている。
【0012】
請求項4に記載の発明によると、スライドが金型にタッチ、あるいは金型が被加工物にタッチする位置はそれぞれの位置を特定する信号(例えば、負荷トルク、振動加速度等)によって検出することができる。そして、検出されたこの特定位置の所定距離手前の減速開始位置で所定速度に減速し、所定距離後方の減速完了位置で所定の速度に戻して絞り加工を行なうようにするので、型タッチ位置及び加圧開始位置での騒音、振動が低減される。この結果、絞り加工時の騒音、振動の作業環境を改善できると共に、金型やプレス機械自体の寿命を向上できる。また、騒音規制をクリアすることによって夜間作業が可能となり、生産能力の向上を図ることができる。
【0013】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4記載のサーボプレスのモーション制御装置において、前記特定位置判定手段25は、前記位置特定信号検出器23により検出された信号の時間的な変化率又はレベルの大きさに基づいて、さらにスライド15のダイクッション位置あるいは/及びノックアウト位置を検出し、このときの位置データを前記スライド位置検出手段17から入力すると共に、
前記位置・速度設定手段27は、このダイクッション位置あるいは/及びノックアト位置の位置データに基づいて、このそれぞれの位置より所定距離手前の減速開始位置、所定距離後方の減速完了位置、及びこの減速時の速度データを演算して設定し、
次回の絞り加工時に、前記ダイクッション位置あるいは/及びノックアウト位置のそれぞれの所定距離手前でスライド15を減速させるサーボプレスのモーション制御装置の構成としている。
【0014】
請求項5に記載の発明によると、加圧後にダイクッションが当初位置までもどるダイクッション戻り位置あるいは/及びスライドに付着した被加工物がノックアウトピンによって分離されるノックアウト位置は、このそれぞれの位置を特定する信号(例えば、負荷トルク、振動加速度等)によって検出することができる。そして、検出されたこの特定位置の所定距離手前の減速開始位置で所定速度に減速し、所定距離後方の減速完了位置で所定の速度に戻して絞り加工を行なうようにするので、ダイクッション戻り位置あるいは/及びノックアウト位置での騒音、振動が低減される。この結果、絞り加工時の騒音、振動の作業環境を改善できると共に、金型やプレス機械自体の寿命を向上できる。また、騒音規制をクリアすることによって夜間作業が可能となり、生産能力の向上を図ることができる。
【0015】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載のサーボプレスのモーション制御装置において、前記位置特定信号検出器23が、前記サーボモータ11の負荷電流に基づいて負荷トルクを検出するトルク検出手段、前記スライド15の振動を検出する加速度センサ、あるいは、スライド15と金型2間又は金型2と被加工物間の接触時の音圧を検出する音圧センサのいずれかであるサーボプレスのモーション制御装置の構成としている。
【0016】
請求項6に記載の発明によると、前記型タッチ位置、加圧開始位置、打抜き位置、ダイクッション戻り位置又はノックアウト位置を検出する位置は、前記特定信号検出器により、スライドの加圧力を発生させるために必要なサーボモータの実作業トルクの変化、スライドの振動加速度レベル、あるいは、スライドと金型間又は金型と被加工物間の接触時の音圧の大きさによって検出できる。そして、検出されたこの特定位置の所定距離手前の減速開始位置で所定速度に減速し、所定距離後方の減速完了位置で所定の速度に戻して加工を行なうようにするので、前記特定位置での騒音、振動が低減される。この結果、加工時の騒音、振動の作業環境を改善できると共に、金型やプレス機械自体の寿命を向上できる。また、騒音規制をクリアすることによって夜間作業が可能となり、生産能力の向上を図ることができる。
【0017】
また、請求項7に記載の発明は、サーボモータ11により直動駆動されるスライド15の位置及び速度を予め設定されたスライドモーションに基づいて制御して、被加工物の打抜き加工を行なうサーボプレスのモーション制御方法において、スライド(15)の加圧力を発生させるために必要なサーボモータ11の実作業トルクの時間的な変化率、スライド15の振動加速度、あるいは、スライド15と金型2間又は金型2と被加工物間の接触時の音圧レベルの大きさに基づいて、少なくとも、スライド15の型タッチ位置又は加圧開始位置のいずれかを検出し、次回の打抜き加工時には、この検出した型タッチ位置又は加圧開始位置のいずれかの所定距離手前の減速開始位置でスライド15を所定速度に減速して加工する方法としている。
【0018】
請求項7に記載の発明によると、スライドが金型にタッチ又は金型が被加工物にタッチする位置はそれぞれの位置を特定する信号によって検出することができる。そして、検出されたこの特定位置の所定距離手前の減速開始位置で所定速度に減速し、所定距離後方の減速完了位置で所定の速度に戻して打抜き加工を行なうようにするので、スライドと金型との当たり又は金型と被加工物との当たりが緩やかになり、型タッチ位置又は加圧開始位置での騒音、振動が低減される。この結果、打抜き加工時の騒音、振動の作業環境を改善できると共に、金型やプレス機械自体の寿命を向上できる。また、騒音規制をクリアすることにより夜間作業が可能となり、生産能力の向上を図ることができる。
【0019】
また、請求項8に記載の発明は、サーボモータ11により直動駆動されるスライド15の位置及び速度を予め設定されたスライドモーションに基づいて制御して、被加工物の打抜き加工を行なうサーボプレスのモーション制御方法において、スライド(15)の加圧力を発生させるために必要なサーボモータ11の実作業トルクの時間的な変化率、スライド15の振動加速度、あるいは、被加工物を切断したときの音圧レベルの大きさに基づいてスライド15の打抜きを検出し、この打抜き検出後直ちにスライド15を高速上昇させて加工する方法としている。
【0020】
請求項8に記載の発明によると、スライドの打抜きはその位置を特定する信号(例えば、信号トルク)によって検出することができる。そして、この検出された打抜き後直ちにスライド15を高速上昇させるので、上昇切替え時の機械系のバックラッシュによる遊びが短時間で解消され、このバックラッシュ内でのブレークスルーの振動が抑制される。また、突出し量が小さくなる。この結果、打抜き加工時における振動が低減され、作業環境を改善できると共に、金型やプレス機械自体の寿命を向上できる。
【0021】
また、請求項9に記載の発明は、サーボモータ11により直動駆動されるスライド15の位置及び速度を予め設定されたスライドモーションに基づいて制御して被加工物の絞り加工を行なうサーボプレスのモーション制御方法において、
スライド15の加圧力を発生させるために必要なサーボモータ15の実作業トルクの時間的な変化率、スライド15の振動加速度、あるいは、スライド15と金型2間又は金型2と被加工物間の接触時の音圧レベルの大きさに基づいて、スライド15の型タッチ位置又は加圧開始位置のいずれかを検出し、次回の絞り加工時には、この検出した型タッチ位置又は加圧開始位置のいずれかの所定距離手前の減速開始位置でスライド15を所定速度に減速して加工する方法としている。
【0022】
請求項9に記載の発明によると、スライドが金型にタッチ又は金型が被加工物にタッチする位置はそれぞれの位置を特定する信号によって検出することができる。そして、検出されたこの特定位置の所定距離手前の減速開始位置で所定速度に減速し、所定距離後方の減速完了位置で所定の速度に戻して絞り加工を行なうようにするので、型タッチ位置又は加圧開始位置での騒音、振動が低減される。この結果、絞り加工時の騒音、振動の作業環境を改善できると共に、金型やプレス機械自体の寿命を向上できる。また、騒音規制をクリアすることによって夜間作業が可能となり、生産能力の向上を図ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図面を参照して詳述する。
図1は金型を取付けたサーボプレスの要部側面図を示している。
プレス1にはフレ−ム10が装備してあり、フレ−ム10の下部にはボルスタ16が水平に配設され、ボルスタ16の上面には金型2が取着されている。また、フレ−ム10の上部には、このプレス1の動力源であるサーボモータ11、及びこのサーボモータ11の回転力を往復運動に変換する動力変換装置14が装着されている。このサーボモータ11には、例えばパルスジェネレータなどのような回転速度を検出する速度検出手段11aが設けられており、サーボモータ11の回転速度は、後述のサ−ボ制御装置20により電流が制御されることによって制御される。そして、このサーボモータ11の回転力は例えばベルトのような回転伝達部材12によって動力変換装置14に伝達される。なお、前記サーボモータ11は交流モータ、直流モータのいずれでもよい。
【0024】
さらに、この回転伝達部材12はチェーンや歯車でもよいし、またサーボモータ11の出力軸に直接結合してもよく、伝達手段を特定するものではない。また、動力変換装置14についても本発明ではボールスクリューとしているが、ねじ機構やウォームギヤとウォームホイールとの組合せ、あるいはピニオンギヤとラックとの組合せ等による種々の方法があり、ここではその方法についても特定するものではない。
【0025】
前記動力変換装置14の下端には、ボルスタ16に対向する位置で上下動するスライド15が装着されており、このスライド15が上限位置から下限位置まで下降することによって金型2を加圧して被加工物を加工する。そして、スライド15は下限位置に到達して被加工物の加工を終えると上限位置まで上昇する。
スライド15及びボルスタ16には、リニアセンサなどから構成されるスライド位置検出手段17の構成部材がそれぞれ所定の位置に取付けられている。すなわち、このスライド位置検出手段17は、軸方向がスライド15の上下方向と平行になるようにボルスタ16の後部に取付けられたリニアスケール17aと、このリニアスケール17aと対向した位置にあるようにスライド15の後部に取付けられた検出ヘッド17bとからなっている。スライド15の上下動に伴って、検出ヘッド17bが、ボルスタ16に固定されているリニアスケール17aに対して上下動することによって、検出ヘッド17bの内部に組込まれたセンサから、スライド15の位置がボルスタ16の上面からの高さとして検出される。
【0026】
プレス加工は前記スライド15を所定の作動条件に制御して行なわれるが、そのスライド15の作動制御すなわちモーション制御は品質、作業能率及び騒音、振動など作業環境に大きな影響を及ぼす。このためスライド15の制御条件設定は、プレス加工において非常に重要な作業となっている。
図2は、本発明に係わるプレス機械のハード構成及び制御の概要を示す機能ブロック図を示している。
プレス加工に当たっては、予め制御条件であるスライド15の作動速度、この速度の切替位置、下限位置及び加圧時間などのデータを設定し、設定・表示手段18から後述のサーボ制御装置20に入力する。そして上記設定データは、この設定・表示手段18に表示される。設定・表示手段18は、例えば設定スイッチのような設定値入力部と、入力データを液晶表示画面やCRTなどの手段によって表示する設定値表示部とから構成される。また、設定・表示手段18には、運転や条件設定などの作動モードの選択や、自動運転あるいは手動運転などの操作指示を行なうスイッチなどが設けられている。
【0027】
そして、前記設定・表示手段18から入力された制御データはサーボ制御装置20に取込まれて記憶され、予め組込まれた処理手順に従ってスライド15のモ−ション制御を行なう。このサーボ制御装置20はデータの記憶、演算処理、データの表示及びデータの入出力などの機能を有する一般的なコンピュータなどから構成されており、この発明に係わるモーション制御装置の中心的な役割を担っている。また、このサーボ制御装置20はサーボモータ11の速度検出手段11aやスライド位置検出手段17により検出したスライド15の速度及び位置データ、あるいは、サーボモータ11のトルクデータなどを検出し、前記設定条件でプレス1が運転されるように、前記検出データに基づいてサーボモータ11の制御値を演算してサーボモータ指令出力手段29に出力する。この制御値によりサーボモータ11が制御されることによって、スライド15は前記設定された所定の作動を行ない、金型2により所定の条件で被加工物を加圧して加工する。
【0028】
図3は本発明のモーション制御に係わる前記図2のサーボ制御装置20の詳細を示す機能ブロックである。
位置特定信号検出器23は、例えばサーボモータ11を制御しているサーボモータ指令出力手段29の出力モータ電流から負荷トルクを検出するトルク検出器であり、スライド15のモーション変化をトルクの変化として検出する。そして、このときのトルク変化の検出信号を特定位置判定手段25に入力する。なお、前記位置特定信号検出器23は、プレス加工時の振動、騒音発生位置を特定するための信号を検出するものであればよく、例えばスライド15の振動を検出する加速度センサ、あるいは、スライド15と金型2の接触又は金型2と被加工物の接触時の音圧を検出する音圧センサなどでもよい。
【0029】
特定位置判定手段25は、前記位置特定信号検出器23により出力モータ電流から検出した負荷トルクに基づいて、この負荷トルクからスライド15の加速、減速、等速維持に必要なトルクを除いて実作業トルクを求める。なお、モータ電流値より実作業トルクを演算するには、例えば、以下のような方法により可能となる。
予め、加速又は減速トルクを算出するための負荷イナーシャ定数、定速維持するトルクを算出するための速度抵抗トルク比例定数、摩擦トルク定数、及びモータ出力電流と出力トルクとの関係を表すトルク定数等の各定数データを記憶しておく。そして、加速時又は減速時には、必要な加速度値又は減速度値と上記の各定数データに基づいて必要なモータ出力電流値を求め、電流センサで検出したモータ電流値から前記求めた必要なモータ出力電流値を差引いて、加減速時の実作業トルクを算出する。同様にして、定速時の時も、このとき維持すべき速度値と上記各定数データに基づいて必要なモータ出力電流値を求め、実際のモータ出力電流値から前記求めた必要なモータ出力電流値を差引いて、定速時の実作業トルクを算出できる。
【0030】
そして、この特定位置判定手段25は前記実作業トルクのトルク変化からスライド15のモーション変化を判断する。例えば、スライド15が被加工物を打抜くと、このスライド15の加圧力は急激に減少するので、この加圧力の減少はサーボモータ11の負荷トルクの急減として検出できる。この特定位置判定手段25は、前述のようにして負荷トルクに基づいて実作業トルクを演算し、予めこの被加工物に対する打抜き時のトルク減少率を求めて記憶しておき、加工時に前記位置特定信号検出器23によって検出されたトルクの減少率と比較して、前記記憶したトルク減少率より大きく減少したと判断したときに打抜きと判定する。このトルク減少率は試加工で求めてもよいし、経験値としてあるスライド15の加圧力の減少率から換算して求めてもよい。そして、この特定位置判定手段25は前記打抜き時のスライド15の位置をスライド位置検出手段17から取込んで、位置・速度設定手段27に伝達する。
前記スライドモーションの変化は、スライド15と金型2のタッチ時、金型2と被加工物とのタッチ時、被加工物の打抜き時、ダイクッションの当初位置への戻り時、又は被加工物をスライド15から分離するノックアウト時などに検出される。
【0031】
この位置・速度設定手段27は、スライド15のモーション変化時に、スライド15を低速速度に切替える位置とこの速度を完了する位置とを設定すると共に、このときのスライド15の低速速度値を設定する。そして、この新たに設定された位置及び速度データはモーション記憶手段24にフィードバックされ記憶される。そして、サーボモータ制御演算手段28は、このモ−ション記憶手段24に記憶された当初のモ−ション設定データ及び前記新たに設定された位置及び速度データから、サーボモータ11の速度を制御する速度指令値を演算し、サーボモータ指令出力手段29に出力する。そして、このサーボモータ指令出力手段29は、例えばサーボアンプなど汎用的に用いられている装置からなり、前記速度指令値と、前記速度検出手段11aからの速度フィードバック値との偏差を零にするように、電流値をサーボモータ11に出力することによって、スライド15を所定のモ−ションに制御する。また、スライド15の位置制御は、前記サーボモータ制御演算手段28により、スライド位置検出手段17によって検出した位置とモ−ション記憶手段24に設定のスライド15の位置データとの偏差がゼロとなるように、サーボモータ11の回転数を制御することによって行なう。
【0032】
表示手段30は液晶ディスプレーやCRT表示装置などからなり、スライド15のモ−ション設定時の入力データ、演算データあるいはモ−ション記憶手段24に設定された制御条件あるいは運転中の制御データなどを表示することにより、作業者は容易に制御条件の設定や運転監視を行なうことができる。
【0033】
図4から図9によって、スライド15のモ−ション制御の方法について、第一及び第二の実施形態を説明する。
第一の実施形態は被加工物の剪断を伴う打抜き加工の例であり、第二の実施形態は被加工物の成形が行なわれる絞り加工の例である。
【0034】
まず、図4から図6により第一の実施形態である打抜き加工の場合について説明する。
図4は本発明に係わるモ−ション制御の制御カーブの例である。制御パラメータであるスライドの位置とスライドの速度、及びサーボモータの前記実作業トルク(以後、トルクと表す)を縦軸に、横軸にスライド作動開始後の経過時間を示している。
スライド15は、上限位置Z00から金型に接触する型タッチ位置Z15より所定距離手前の型タッチ開始位置Z10まで、高速下降速度V00で下降する。そして前記型タッチ開始位置Z10において、スライド15は速度が型タッチ速度V10に切替えられて下降し、型タッチ位置Z15において金型に接触(型タッチ)した後、さらに型タッチ完了位置Z20まで下降する。この型タッチ時には、図4に示すようにトルク曲線においてピークTp1が発生する。しかし、スライド15は従来の高速下降速度V00よりはるかに遅い型タッチ速度V10となっているので、このピークのトルク値は従来よりも小さくなり、騒音、振動は従来よりも小さくなる。
【0035】
前記型タッチ完了位置Z20からは、スライド15は前記高速下降速度V00で再び下降し、金型が被加工物の加圧を開始する加圧開始位置Z35より所定距離手前の加圧減速開始位置Z30に到達する。そして、スライド15はこの加圧減速開始位置Z30から前記加圧開始位置Z35より所定距離後方の加圧減速完了位置Z40まで、加工速度V30よりさらに遅い加圧減速速度V20で下降する。この加圧開始位置Z35においても、ピークのトルクが発生するがこのときの加圧減速速度V20は従来の加工速度V30よりもさらに小さくなっており、騒音、振動は従来より小さくなる。
【0036】
さらにスライド15は、前記減速完了位置Z40から打抜き位置Z60の所定距離手前の打抜き開始位置Z50まで、加工速度V30で下降する。この打抜き開始位置Z50からは、スライド15は前記加工速度V30よりさらに遅い打抜き速度V40に切替えられて下降し、打抜き位置Z60において被加工物の打抜きを行なう。この打抜きは、被加工物に対して予め打抜き時のトルク減少率を求めておき、位置特定信号を検出したときのトルクの減少率とを比較して、同じトルク変化と判断されたときに特定される。そして、この打抜きが完了するとスライド15は、直ちにこの打抜き位置Z60から上限位置Z00まで高速上昇速度V00で上昇され加工を完了する。この打抜き時には、スライド15は従来の加工速度V30よりも遅い打抜き速度V40となっており、加圧によってプレスや金型に蓄えられ打抜き時に開放されるエネルギーが小さくなるので騒音、振動は従来より小さくなる。また、打抜き直後スライド15を直ちに高速上昇させるので、上昇切替え時の機械系のバックラッシュによる遊びが短時間で解消され、このバックラッシュ内でのブレークスルーの振動が抑制される。
【0037】
つぎに、図5に示したモ−ション制御の制御条件設定のフローチャートと図6の条件設定時のモ−ション制御カーブによって、モ−ション制御の方法について説明する。
まず図5に示すように、最初のステップS1において初期条件の設定を行なう。この条件データとしては、スライド15の位置データとして上限位置Z00、加工開始位置Z30、及び下限位置Z70を、スライド15の速度データとして高速下降及び上昇速度V00と加工速度V30とを、また、打抜き時のサーボモータ11のトルク減少率(ΔTb/Δtと表す)を設定する。
前記データのうち、加工開始位置Z30は型タッチ位置Z15より下方で、かつ、加圧開始位置Z35の手前の位置を設定し、下限位置Z70は確実に打抜きが行なわれる位置を設定する。また、加工速度V30は経験などから被加工物に適正な速度値に設定する。さらに、被加工物の打抜き時のトルク減少率ΔTb/Δtは予めテストで求めたり、既に求めてあるスライド15の加圧力データをサーボモータ11のトルク値に変換したりして求めておく。前記設定データは設定・表示手段18から入力され、サーボ制御装置20のモ−ション記憶手段24に記憶される。
【0038】
次のステップS2においてプレス1の運転を開始し、図6に示すように、スライド15は高速下降速度V00で上限位置Z00から下降を開始し、下降途中から金型を押しながら加工開始位置Z30に到達する。
この下降工程のステップS21において、スライド15が金型上面に接触する型タッチ位置Z15を検出する。この型タッチ位置Z15においては、スライド15は瞬間的に金型を打撃し、スライド15の加圧力は急に増加する。この加圧力の急増に伴って、前記スライド15を駆動しているサーボモータ11のトルクも急増する。このとき、位置特定信号検出器23はトルクの変化を検出して、この検出信号を特定位置判定手段25に伝達する。特定位置判定手段25は、この信号を受けて型タッチを判定し、このときのスライド15の位置データを型タッチ位置Z15としてスライド位置検出手段17から取込む。そして、この位置データは位置・速度設定手段27に伝達される。
【0039】
そしてステップS22では、位置・速度設定手段27は自己内部に組込まれたアルゴリズムによって、図4に示すように、前記型タッチ位置Z15の所定距離手前に型タッチ開始位置Z10と、前記型タッチ位置Z15の所定距離後方に型タッチ完了位置Z20を設定する。また、この型タッチ時のスライド15の型タッチ速度V10を設定する。
前記型タッチ開始位置Z10は、例えば被加工物の厚さや平面度などの最大誤差αを考慮して算出式「Z10=Z15+α」で求めたり、被加工物の厚さに比例した所定割合の寸法分だけ手前位置を算出したりする。なお、ここでは前記位置の座標は上方向に向かってプラス、下方に向かってマイナスとし、以後同様とする。よって前記位置Z10は位置Z15よりαだけ上方の位置にある。また、型タッチ完了位置Z20も同様に、例えば算式「Z10=Z15−α」で求めてもよいし、型タッチ位置Z15の所定距離後方の位置でもよい。
【0040】
さらに、型タッチ速度V10は加工速度V30よりさらに遅い速度に、例えば加工速度V30の所定割合の低速度にするとか、被加工物の厚さの関数として低速度値を求めるなどのアルゴリズムによって自動設定される。また、前記位置及び速度データの設定において、位置は前記位置検出データに基づいてまた速度は経験値などに基づいて手作業で設定してもよい。
そしてステップS23において、前記位置・速度設定手段27で設定された型タッチ開始及び完了位置Z10,Z20と型タッチ速度V10とが、サーボ制御装置20のモ−ション記憶手段24に入力される。
【0041】
ステップS3の加圧下降工程においては、スライド15は加工開始位置Z30から下限位置Z70に向かって、加工速度V30で下降する。このときステップS31では、加工開始後にスライド15が被加工物の加圧を始める加圧開始位置Z35が検出されて、ステップS32とステップS33が実行される。
すなわちステップS31において、スライド15が被加工物の加圧を開始すると、前記型タッチの場合と同様にして、位置特定信号検出器23によりスライド15の加圧開始を検出し、この検出信号によって特定位置判定手段25は加圧開始位置Z35を検出する。そしてステップS32では、位置・速度設定手段27は、自己内部に組込まれたアルゴリズムによって、この加圧開始位置Z35より所定距離手前に加圧減速開始位置Z30と、加圧開始位置Z35より所定距離後方に加圧減速完了位置Z40とを設定する。
【0042】
この加圧減速開始及び完了位置Z30,Z40は、前記型タッチ開始位置Z10を求める方法と同様に、例えば被加工物の厚さや平面度などの最大誤差βを考慮して、加圧減速開始位置Z30は算式「Z30=Z35+β」で、加圧減速完了位置Z40は算式「Z40=Z35−β」で求める。前記加圧減速開始及び完了位置Z30,Z40は、被加工物の厚さに比例した所定割合の距離分だけ手前及び後方に位置として算出してもよい。
また、前記加圧減速開始及び完了位置間のスライド15の加圧減速速度V20についても、型タッチの場合と同様に、加工速度V30よりさらに遅い速度に、例えば加工速度V30の所定割合の低速速度にするとか、被加工物の厚さの関数として低速の速度値を演算するアルゴリズムによって自動設定される。あるいは、前記位置及び速度データの設定は、型タッチの場合と同様に手作業で求めてもよい。ステップS33では、前記設定された位置及び速度データが、サーボ制御装置20のモ−ション記憶手段24に入力される。そして、加圧減速開始位置Z30は初期設定された加工開始位置と置換えられる。
【0043】
次のステップS4では、スライド15は下限位置Z70の近傍に達すると、被加工物の打抜きを行なう。ステップS41においてこの打抜きが検出され、続いてステップS42とステップS43が実行される。
ステップS41においては、特定位置判定手段25は、位置特定信号検出器23により検出されたトルク減少率と、予め求められている被加工物の打抜き時のトルク減少率とを比較して、検出されたトルク減少率が打抜き時のトルク減少率(ΔTb/Δt)よりも大きくなったときに打抜きと判断する。そして、特定位置判定手段25はこのときのスライド15の位置データを位置・速度設定手段27に伝達する。
【0044】
そしてステップS42では、位置・速度設定手段27は、前記ステップS32と同様に、自己内部に組込まれたアルゴリズムによって、前記打抜き位置Z60の所定距離手前にスライド15の打抜き開始位置Z50と、このときのスライド15の打抜き速度V40を設定する。
この打抜き開始位置Z50を求めるアルゴリズムは、前記型タッチ開始位置Z10や加圧減速開始位置Z30を求める方法と同様に、例えば被加工物の厚さや平面度などの最大誤差γを考慮して算式「Z50=Z60+γ」としたり、被加工物の厚さに比例した所定割合の寸法分だけ手前位置とする。また、このときの打抜き速度V40は、前記型タッチ開始位置Z10や加圧減速開始位置Z30を求める方法と同様にして、加工速度V30より遅い速度に自動設定する。さらに、前記位置及び速度データは手作業で求めてもよい。そしてステップS63で、この打抜き開始位置Z50及び打抜き速度V40は、モ−ション記憶手段24に入力される。
【0045】
そしてステップS5においては、前記打抜きが完了するとサーボモータ制御演算手段28によってサーボモータ11に逆転の指令が出され、スライド15はこの打抜き位置Z60から直ちに上限位置Z00まで高速上昇速度V00で上昇して、打抜きの加工サイクルを完了する。
二回目以降の打抜き加工は、このようにして初回に設定あるいは新たに更新された制御データによって行なう。なお、前記条件設定は別の方法で、例えば各ショット毎に条件を設定し次のショット時にフィードバックしてもよいし、所定回数間隔のショット毎に条件を設定してもよい。前述の加工事例は上型と下型が一体となった金型2をボルスタ16に固定し、スライド15が上型を押して打抜きを行なう方法であるが、上型をスライド15に固定する方法においても同様な方法を適用することができる。この場合には、スライド15の型タッチはなく、位置及び速度条件は設定されない。
【0046】
つぎに、図7から図9により第二の実施形態である絞り加工の場合について説明する。ハード構成及び機能ブロック図は打抜きの場合と同じである。
図7は本発明に係わるモ−ション制御の制御カーブの例である。本図において前記打抜き加工の場合の図4と同一の符号は同一の構成や意味を表しており、以下での説明を省略する。ここで、制御パラメータであるスライドの位置とスライドの速度及びサーボモータの前記実作業トルク(以後、トルクと表す)を縦軸に、横軸にスライド作動開始後の経過時間を示している。
【0047】
スライド15は、加工サイクル開始の上限位置Z00から高速下降速度V00で下降し、型タッチ開始位置Z10から型タッチ完了位置Z20まで型タッチ速度V10に減速され下降する。この型タッチ時には打抜きの場合と同様に、図7に示すようにトルク曲線においてピークが発生する。しかし、スライド15は従来の高速下降速度V00よりさらに遅い型タッチ速度V10となっているので、騒音、振動は従来よりも小さくなる。
前記型タッチ完了位置Z20からは、スライド15は前記高速下降速度V00で再び下降し、加圧開始位置Z35より所定距離手前の加圧減速開始位置Z30に到達する。そして、スライド15は、この加圧減速開始位置Z30から前記加圧開始位置Z35より所定距離後方の加圧減速完了位置Z40まで、加圧減速速度V20で下降する。以上の工程のスライドモーションは打抜きの場合と同様である。
【0048】
そしてスライド15は、前記加圧減速完了位置Z40から所定の下限位置Z60まで、加工速度V30で下降する。下限位置Z60においては、スライド15は加圧力を一定時間t0だけ保持する。
前記加圧保持の後、スライド15は高速上昇速度V00で、下限位置Z60からダイクッション戻り位置Z85より所定距離手前の低速上昇開始位置Z80まで上昇する。そしてスライド15は、この低速上昇開始位置Z80からダイクッション戻り位置Z85より所定距離後方の低速上昇完了位置Z89まで、加工速度V30よりさらに遅い低速上昇速度V50で上昇する。この上昇工程において、ダイクッションは当初位置に復帰するときストッパ(図示せず)に当たり衝撃を受けるが、このときの速度は従来よりも低速に設定されているので、衝撃による騒音、振動は小さくなる。
【0049】
スライド15はこの低速上昇を終えると、再び前記高速上昇速度V00で、ノックアウトバーとノックアウトブラケットとが当たるノックアウト位置Z95より所定距離手前の低速上昇開始位置Z90まで上昇する。そしてこの位置Z90からは、スライド15は加工速度V30よりさらに遅い低速上昇速度V60で、前記ノックアウト位置Z95より所定距離後方の低速上昇完了位置Z99まで上昇する。この上昇工程中に、上型に付着して上昇する被加工物は、ノックアウト位置Z95においてノックアウトバーに取付けられたノックアウトピンに押されて上型から分離される。しかし、スライド15は従来の上昇速度よりも低速で上昇するので、ノックアウトバーとノックアウトブラケットとの衝撃は小さく、騒音が小さくなる。
そしてスライド15は、この低速上昇完了位置Z99から上限位置Z00まで、再度高速上昇速度V00で上昇して、絞り加工のサイクルを完了する。
【0050】
つぎに、図8に示したモ−ション制御の制御条件設定のフローチャートと、図9の条件設定時のモ−ション制御カーブを参照して、モ−ション制御の方法について説明する。各々の図において前記打抜き加工の場合の図と同一の符号は、同一の構成や意味を表しておりここでは説明を省略する。
まず、最初のステップS7においては、初期条件の設定を行なう。この条件データとしては、スライド15の位置データとして上限位置Z00、加工開始位置Z30及び下限位置Z70を、スライド15の速度データとして高速下降及び上昇速度V00と加工速度V30とを、また、下限位置における加圧力保持時間t0を設定する。前記データのうち、加工開始位置Z30は型タッチ位置Z15より下方で、かつ、加圧開始位置Z35より手前の位置を設定し、また、加工速度V30及び加圧力保持時間t0は、経験などにより被加工物に適切な値に設定する。
【0051】
次のステップS2及びステップS3は打抜き加工の場合と同様であり、スライド15は高速下降速度V00で上限位置Z00から下降を開始し、型タッチ位置Z15から金型を押さえながら加工開始位置Z30に到達する。そして、スライド15は、この位置Z30から下限位置Z70へ向かって、加工速度V30で絞り加工を行ないながら下限位置Z70まで下降する。そしてステップS8では、スライド15は下限位置Z70で、その時の加圧力で被加工物を一定時間t0保持する。
【0052】
その後ステップS9においては、スライド15は下限位置Z70から上限位置Z00に向けて、高速上昇速度V00で上昇する。このスライド15の上昇工程において、ステップS91からステップS96で、ダイクッション戻り時とノックアウト時のそれぞれの低速上昇開始及び完了位置と、この開始及び完了位置間におけるスライド15の低速上昇速度を設定する。この位置及び速度条件は打抜きの場合と同様にして設定する。
すなわち、ステップS91で、ダイクッション戻り位置Z85を検出する。そしてステップS92では、このダイクッション戻り位置Z85の所定距離手前に低速上昇開始位置Z80を、所定距離後方に低速上昇完了位置Z89を設定する。また、前記位置間における低速上昇速度V50を設定する。この位置及び速度についても、打抜きの場合と同様なアルゴリズムによって設定する。設定された低速上昇開始位置及び完了位置Z80,Z89及び低速上昇速度V50は、ステップS93でサーボ制御装置20のモ−ション記憶手段24に入力して記憶される。
【0053】
次のステップS94においては、スライド15は低速上昇完了位置Z89からさらに高速下降速度V00で上昇し、ノックアウト位置Z95を検出する。つぎに、ステップS95では、前記ステップS92と同様にして、ノックアウト位置Z95より所定距離手前に低速上昇開始位置Z90を、所定距離後方に低速上昇完了位置Z99を、また、この位置間における低速上昇速度V60を設定する。そしてステップS96で、この設定された位置及び速度データがモ−ション記憶手段24に入力され記憶される。このようにして制御条件の設定を終えると、スライド15は高速下降速度V00で上限位置Z00まで戻り、絞り加工サイクルを完了する。
二回目以降の絞り加工には、前記設定された初回のデータによって行なう。なお、前記条件設定は別の方法で、例えば各ショット毎に条件を設定し次のショット時にフィードバックしてもよいし、所定回数間隔のショット毎に条件を設定してもよい。
【0054】
このようなスライド15のモ−ション制御を行なうことにより、打抜き加工においては型タッチ時、被加工物の加圧開始時又はブレイクスルー時の騒音又は振動を抑制することができる。また絞り加工においては、型タッチ時、被加工物の加圧開始時、ダイクッション戻り時又はノックアウト時の騒音又は振動を抑制することができる。そして、騒音や振動を抑制することによって、作業者に対して作業環境の向上を図ることができる。また、プレスや金型の寿命向上にも寄与できる。さらに、騒音規制をクリアすることによって住宅地周辺での夜間作業が可能となり、生産能力の向上を図ることができる。
【0055】
なお、高速上昇速度及び高速下降速度は複数の加工のステップにおいて同一速度値V00に設定しているが、特定するものではなく、場合によって適宜速度値を変えてもよい。また、前記事例においては、スライド15の特定位置はサーボモータ11のトルク変化により検出したが、モータの電流検出器による電流変化、加速度センサによる加速度レベル、音圧センサによる音圧レベル又は振動センサによる振幅レベルなどによって検出してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるサーボプレスの要部側面図を示す。
【図2】本発明に係わるプレス機械のハード構成及び制御の概要を表す機能ブロック図を示す。
【図3】本発明に係わるサーボ制御装置の機能ブロック図を示す。
【図4】本発明に係わるモ−ション制御の制御カーブを示す。
【図5】本発明に係わるモ−ション制御の制御条件設定のフローチャートを示す。
【図6】本発明に係わる条件設定時のモ−ション制御カーブを示す。
【図7】本発明に係わるモ−ション制御の制御カーブを示す。
【図8】本発明に係わるモ−ション制御の制御条件設定のフローチャートを示す。
【図9】本発明に係わる条件設定時のモ−ション制御カーブを示す。
【図10】スライドモーションの例を示す。
【図11】打抜き加工の例を示す。
【図12】絞り加工の例を示す。
【符号の説明】
1…プレス、2…金型、10…フレーム、11…サーボモータ、11a…速度検出手段、12…回転伝達部材、14…動力変換装置、15…スライド、16…ボルスタ、17…スライド位置検出手段、17a…リニアスケール、17b…検出ヘッド、18…設定・表示手段、20…サーボ制御装置、23…位置特定信号検出器、24…モーション記憶手段、25…特定位置判定手段、27…位置・速度設定手段、28…サーボモータ制御演算手段、29…サーボモータ指令出力手段、30…表示手段。

Claims (9)

  1. 上下動するスライド(15)と、スライド(15)を上下駆動するサーボモータ(11)と、スライド(15)の位置及び速度をそれぞれ検出するスライド位置検出手段(17)及び速度検出手段(11a) と、スライド(15)の位置及び速度条件を設定する設定・表示手段(18)と、前記設定条件に基づいてサーボモータ(11)の制御指令値を出力する手段と、この制御指令値を受けてサーボモータ(11)を制御するサーボモータ指令出力手段(29)とを備え、この所定の位置及び速度データに基づいてスライド(15)のモ−ション制御を行なって被加工物の加工を行なうサーボプレスのモーション制御装置において、
    打抜き加工時に、少なくとも、スライド(15)と金型(2) がタッチする型タッチ位置、又は金型(2) が被加工物の加圧を始める加圧開始位置のいずれかを特定するための信号を検出する位置特定信号検出器(23)と、この位置特定信号検出器(23)により検出された信号の変化率又はレベルの大きさに基づいて、前記型タッチ位置又は加圧開始位置のいずれかを検出し、このときに位置データを前記スライド位置検出手段(17)から入力する特定位置判定手段(25)と、
    この特定位置判定手段(25)に入力された前記型タッチ位置又は加圧開始位置データのいずれかに基づいて、この位置より所定距離手前の減速開始位置、所定距離後方の減速完了位置、及びこの減速時の速度データを演算し、設定する位置・速度設定手段(27)と、
    記設定・表示手段(18)により入力された位置及び速度条件をライド制御データとして記憶するとともに、前記位置・速度設定手段 (27) によって新たに設定された位置データ、減速速度データを前記スライド制御データの更新データとして記憶するモーション記憶手段(24)と、
    抜き加工時に、加工中に検出されるスライド(15)の位置及び速度が前記モーション記憶手段(24)に記憶されたスライド制御データに基づくモーションとなるように、サーボモータ(11)の制御指令値を演算してサーボモータ指令出力手段(29)に出力するサーボモータ制御演算手段(28)とを備え、
    前記型タッチ位置又は加圧開始位置のいずれかの所定距離手前でスライド(15)を減速させることを特徴とするサーボプレスのモーション制御装置。
  2. 上下動するスライド(15)と、スライド(15)を上下駆動するサーボモータ(11)と、スライド(15)の位置及び速度をそれぞれ検出するスライド位置検出手段(17)及び速度検出手段(11a) と、スライド(15)の位置及び速度条件を設定する設定・表示手段(18)と、前記設定条件に基づいてサーボモータ(11)の制御指令値を出力する手段と、この制御指令値を受けてサーボモータ(11)を制御するサーボモータ指令出力手段(29)とを備え、この所定の位置及び速度データに基づいてスライド(15)のモ−ション制御を行なって被加工物の加工を行なうサーボプレスのモーション制御装置において、
    打抜き加工時に、打抜き位置を特定するための信号を検出する位置特定信号検出器(23)と、
    この位置特定信号検出器(23)により検出された信号の変化率又はレベルの大きさに基づいて、打抜きを検出する特定位置判定手段(25)と、
    この特定位置判定手段(25)が打抜きを検出した時直ちにスライド(15)を高速上昇させるように、サーボモータ(11)の制御指令値をサーボモータ指令出力手段(29)に出力するサーボモータ制御演算手段(28)とを備えたことを特徴とするサーボプレスのモーション制御装置。
  3. 請求項1又は2記載のサーボプレスのモーション制御装置において、前記特定位置判定手段(25)は、前記位置特定信号検出器(23)により検出された信号の時間的な変化率又はレベルの大きさに基づいて、さらに、スライド(15)のノックアウト位置を検出し、このときの位置データを前記スライド位置検出手段(17)から入力すると共に、
    前記位置・速度設定手段(27)は、このノックアウト位置の位置データに基づいて、この位置より所定距離手前の減速開始位置、所定距離後方の減速完了位置、及びこの減速時の速度データを演算して設定し、
    次回の打抜き加工時に、前記ノックアウト位置の所定距離手前でスライド(15)を減速させることを特徴とするサーボプレスのモーション制御装置。
  4. 上下動するスライド(15)と、スライド(15)を上下駆動するサーボモータ(11)と、スライド(15)の位置及び速度をそれぞれ検出するスライド位置検出手段(17)及び速度検出手段(11a) と、スライド(15)の位置及び速度条件を設定する設定・表示手段(18)と、前記設定条件に基づいてサーボモータ(11)の制御指令値を出力する手段と、この制御指令値を受けてサーボモータ(11)を制御するサーボモータ指令出力手段(29)とを備え、この所定の位置及び速度データに基づいてスライド(15)のモ−ション制御を行なって被加工物の加工を行なうサーボプレスのモーション制御装置において、
    絞り加工時に、少なくとも、スライド(15)と金型(2) がタッチする型タッチ位置、又は金型(2) が被加工物の加圧を始める加圧開始位置のいずれかを特定するための信号を検出する位置特定信号検出器(23)と、
    この位置特定信号検出器(23)により検出された信号の変化率又はレベルの大きさに基づいて、前記型タッチ位置又は加圧開始位置を検出し、このときに位置データを前記スライド位置検出手段(17)から入力する特定位置判定手段(25)と、
    この特定位置判定手段(25)に入力された前記型タッチ位置又は加圧開始位置データに基づいて、この位置より所定距離手前の減速開始位置、所定距離後方の減速完了位置、及びこの減速時の速度データを演算し、設定する位置・速度設定手段(27)と、
    記設定・表示手段(18)により入力された位置及び速度条件をライド制御データとして記憶するとともに、前記位置・速度設定手段 (27) によって新たに設定された位置データ、減速速度データを前記スライド制御データの更新データとして記憶するモーション記憶手段(24)と、
    り加工時に、加工中に検出されるスライド(15)の位置及び速度が前記モーション記憶手段(24)に記憶されたスライド制御データに基づくモーションとなるように、サーボモータ(11)の制御指令値を演算してサーボモータ指令出力手段(29)に出力するサーボモータ制御演算手段(28)とを備え、
    前記型タッチ位置又は加圧開始位置のいずれかの所定距離手前でスライド(15)を減速させることを特徴とするサーボプレスのモーション制御装置。
  5. 請求項4記載のサーボプレスのモーション制御装置において、前記特定位置判定手段(25)は、前記位置特定信号検出器(23)により検出された信号の時間的な変化率又はレベルの大きさに基づいて、さらにスライド(15)のダイクッション位置あるいは/及びノックアウト位置を検出し、このときの位置データを前記スライド位置検出手段(17)から入力すると共に、
    前記位置・速度置設定手段(27)は、このダイクッション位置あるいは/及びノックアウト位置の位置データに基づいて、このそれぞれの位置より所定距離手前の減速開始位置、所定距離後方の減速完了位置、及びこの減速時の速度データを演算して設定し、
    次回の絞り加工時に、前記ダイクッション位置あるいは/及びノックアウト位置のそれぞれの所定距離手前でスライド(15)を減速させることを特徴とするサーボプレスのモーション制御装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のサーボプレスのモーション制御装置において、前記位置特定信号検出器(23)が、前記サーボモータ(11)の負荷電流に基づいて負荷トルクを検出するトルク検出手段、前記スライド(15)の振動を検出する加速度センサ、あるいは、スライド(15)と金型(2) 間又は金型(2)と被加工物間の接触時の音圧を検出する音圧センサのいずれかであることを特徴とするサーボプレスのモーション制御装置。
  7. サーボモータ(11)により直動駆動されるスライド(15)の位置及び速度を予め設定されたスライドモーションに基づいて制御して被加工物の打抜き加工を行なうサーボプレスのモーション制御方法において、
    スライド(15)の加圧力を発生させるために必要なサーボモータ(11)の実作業トルクの時間的な変化率、スライド(15)の振動加速度、あるいは、スライド(15)と金型(2) 間又は金型(2) と被加工物間の接触時の音圧レベルの大きさに基づいて、少なくとも、スライド(15)の型タッチ位置又は加圧開始位置のいずれかを検出し、次回の打抜き加工時には、この検出した型タッチ位置又は加圧開始位置のいずれかの所定距離手前の減速開始位置でスライド(15)を所定速度に減速して加工することを特徴とするサーボプレスのモーション制御方法。
  8. サーボモータ(11)により直動駆動されるスライド(15)の位置及び速度を予め設定されたスライドモーションに基づいて制御して被加工物の打抜き加工を行なうサーボプレスのモーション制御方法において、
    スライド(15)の加圧力を発生させるために必要なサーボモータ(11)の実作業トルクの時間的な変化率、スライド(15)の振動加速度、あるいは、被加工物を切断したときの音圧レベルの大きさに基づいて、スライド(15)の打抜きを検出し、この打抜き検出後直ちにスライド(15)を高速上昇させて加工することを特徴とするサーボプレスのモーション制御方法。
  9. サーボモータ(11)により直動駆動されるスライド(15)の位置及び速度を予め設定されたスライドモーションに基づいて制御して被加工物の絞り加工を行なうサーボプレスのモーション制御方法において、
    スライド(15)の加圧力を発生させるために必要なサーボモータ(11)の実作業トルクの時間的な変化率、スライド(15)の振動加速度、あるいは、スライド(15)と金型(2) 間又は金型(2) と被加工物間の接触時の音圧レベルの大きさに基づいて、スライド(15)の型タッチ位置又は加圧開始位置のいずれかを検出し、次回の絞り加工時には、この検出した型タッチ位置又は加圧開始位置のいずれかの所定距離手前の減速開始位置でスライド(15)を所定速度に減速して加工することを特徴とするサーボプレスのモーション制御方法。
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