JP5413795B2 - プレス機械 - Google Patents
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Description
1プレスサイクル中の各時点の指定は、スライドの昇降運動の昇降位置または前記回転運動の回転角によりなされる。前記回転運動の回転角で各時点を指定する場合には、駆動モータの回転シャフトの回転角で前記各時点を指定するか、もしくは、駆動モータとスライドとの間に連結されているクランク軸の回転角で前記各時点を指定する。
前記動作速度の指定は、前記昇降運動の昇降速度または前記回転運動の回転速度によりなされる。前記昇降速度で動作速度を設定する場合には、指定した前記各時点毎にスライドの昇降速度を設定する。前記回転運動の回転角で動作速度を設定する場合には、指定した前記各時点毎に、駆動モータの回転シャフトの回転速度を設定するか、もしくは、クランク軸の回転速度を設定する。
即ち、1プレスサイクル中のある時点では動作速度として前記昇降速度を設定し、別の時点では動作速度として前記回転速度を設定したい場合には、いずれか一方の時点では昇降速度から回転速度への単位変換または逆の単位変換が必要になる。このような単位変換は、プレス機械のユーザにとって大きな負担となっていた。
なお、1プレスサイクル中のある時点を、前記昇降位置で指定し、別の時点を前記回転角で指定したい場合にも、いずれか一方の時点の指定では、前記昇降位置から回転角への単位変換または逆の単位変換が必要になる。このような単位変換も、プレス機械のユーザにとって大きな負担となっていた。
前記上金型を駆動するための駆動モータと、
前記駆動モータによる回転運動を、前記上金型が固定されたスライドの昇降運動に変換する変換機構と、を備えるプレス機械であって、
被加工物を1回プレス成形するための1プレスサイクルにおける前記スライドの動作パターンを記憶する動作パターン記憶装置と、
前記動作パターンに基づいて前記駆動モータを制御するスライド制御装置と、
前記1プレスサイクル内の各時点毎に、前記動作パターンを定めるための動作速度を設定できるように、人が操作可能な入力装置と、を備え、
前記入力装置は、前記各時点毎に、前記回転運動の回転速度と前記昇降運動の昇降速度のいずれかを任意に選択し、該選択した前記回転速度または前記昇降速度を該時点の動作速度として所望の値に設定できるように人が操作可能であり、
前記入力装置により前記各時点毎に設定された前記動作速度に基づいて前記動作パターンを計算する計算装置を、さらに備える、ことを特徴とするプレス機械が提供される。
特に、本発明は次の場合に非常に有効である。上金型および下金型が被加工物に接触してプレス成形を行っているプレス成形期間については、スライドの昇降速度を調整することで被加工物の成形性を調整できるので、プレス成形期間では前記昇降速度を直接設定したい場合がある。一方、スライドが下死点に到達した後は、スライドをできるだけ早く上昇させたいため、前記回転運動の最大回転速度を直接設定したい場合がある。これについて、本発明では、プレス成形期間では前記昇降速度を直接設定することで成形性を調整し、これと同時に、スライドが下死点に到達した以降では回転運動の最大回転速度を直接設定することが可能になり、非常に有効である。
さらに、本発明では、プレス成形中においてスライドの下降速度を変化させる設定も可能である。例えば、プレス成形中の任意の前記昇降位置(例えば下死点)でスライドを停止させる設定も可能であり、この昇降位置から駆動モータを逆回転させてスライドを上昇させる設定も可能である。これにより、被加工物が上金型または下金型に流れ込む量を細かく制御することが可能となり、「割れ」や「しわ」の発生を抑制することが可能となる。よって、本発明により、従来技術より自由度の高い動作設定が実現され、ユーザの設定に対する制約が大幅に緩和される。
また、駆動モータが逆回転する戻り区間においても、この逆回転により一旦上昇したスライドを停止させ、さらに、駆動モータの回転を反転させて正回転に戻すことで、(再度)下死点を通過させるような設定も可能であり、従来技術よりも、動作設定の制約を大幅に緩和させることができる。
前記入力装置は、前記各時点毎に、前記昇降運動の昇降位置と前記回転運動の回転角のいずれでも当該時点を指定できるように人が操作可能である。
前記動作パターンは、次の(A)と(B)の関係、または、次の(C)と(D)の関係である。
(A)経過時間または経過時間に比例して値が進行する変数
(B)前記経過時間または前記変数の各値における前記昇降運動の昇降位置、前記昇降運動の昇降速度、前記回転運動の回転角、もしくは、前記回転運動の回転速度
(C)前記昇降運動の昇降位置または前記回転運動の回転角
(D)前記昇降運動の昇降位置または前記回転運動の回転角の各値における前記昇降運動の昇降速度、もしくは、前記回転運動の回転速度
好ましくは、前記表示装置は、前記動作パターンをグラフで表示する。これにより、動作パターンを視覚的に確認できる。
(a)前記(A)と、前記(B)の前記昇降位置もしくは前記回転角との関係
(b)前記(A)と、前記(B)の前記昇降速度もしくは前記回転速度との関係
このダイクッション装置は
上金型と下金型との間で被加工物がプレス成形されるプレス成形時に、被加工物を上金型との間に挟みながら下降する可動部と、
この可動部にクッション力を付与する駆動装置と、
前記1プレスサイクルにおける前記クッション力のクッションパターンを記憶するクッションパターン記憶装置と、
前記クッションパターンに基づいて前記駆動装置を制御するクッション制御装置と、を備え、
前記入力装置は、前記1プレスサイクル内の各時点毎に、前記クッションパターンを定めるためのクッション力を設定できるように、人が操作可能であり、
前記クッションパターンを定める当該各時点は、前記動作速度の設定に関する前記各時点のいずれか、または、他の任意の時点である。
例えば、表示装置に表示された動作パターンを確認しながら、各時点毎にクッション力を設定でき、ユーザによるクッション力調整負担が大幅に低減される。
また、前記クッションパターンを定める各時点は、前記動作速度が設定された前記各時点以外の任意の時点であってもよいので、前記動作速度が設定された時点以外の時点で、クッション力を設定または変更したい場合でも、このような設定、変更を容易に行うことができ、ユーザによるクッション力の設定・調整負担が大幅に低減される。
前記上金型および下金型毎に、該前記上金型および下金型を示す識別情報と関連付けて前記動作パターンを記憶するデータ管理装置を備え、
前記識別情報をデータ管理装置に入力ことで、該識別情報と関連付けられた前記動作パターンが前記制御装置に使用されるようになっている。
また、スライド9を最も早く上下させるには、クランク軸11を駆動している駆動モータ7またはクランク軸11を最高回転速度で回転させることが望ましい。この場合、クランク角速度を制御できることが望ましい。
そこで、以下で説明する本発明の実施形態では、ユーザがスライド9の昇降速度を指定したい区間については、スライド9の昇降速度を直接設定・制御し、かつ、それ以外の区間は、駆動モータ7またはクランク軸11の回転速度を直接設定・制御できるようにする。
(動作設定装置の構成)
図3は、第1実施形態による、プレス機械10に設けられる動作設定装置20の構成を示す。動作設定装置20は、入力装置33、表示装置35および計算装置37を備える。入力装置33は、人が操作可能なキーボード、マウス、タッチパネルなどであり、この操作により動作パターンを定めることができるものである。動作パターンは、前記1プレスサイクル内の各時点毎に、スライド動作に関する動作速度を定めたものに基づいて求められる。
入力装置33を人が操作することで、前記動作速度を設定するための前記各時点を指定できるようになっている。即ち、入力装置33は、前記各時点を指定できるように人が操作可能である。また、入力装置33による前記各時点の指定は、前記昇降運動の昇降位置と前記回転運動の回転角のいずれでも指定できるようになっている。即ち、入力装置33は、前記各時点毎に、前記昇降運動の昇降位置と前記回転運動の回転角のいずれでも当該時点を指定できるように人が操作可能である。
図4は、表示装置35により表示される入力画面の一例である。図4では、1プレスサイクル中の各時点(6つの時点)が指定されている。入力装置33により指定した時点の数値には、下線が引かれている。具体的には、時点1を、クランク軸11の回転運動の回転角θで0.0deg(即ち、スライド9の初期位置)と指定し、時点2を、スライド9の昇降位置yで450.00mmと指定し、時点3を、スライド9の昇降位置yで300.00mmと指定し、時点4を、クランク軸11の回転運動の回転角θで160.0degと指定し、時点5を、クランク軸11の回転運動の回転角θで180.0deg(即ち、スライド9の下死点)と指定し、時点6を、クランク軸11の回転運動の回転角θで360.0deg(即ち、スライド9の初期位置)と指定している。
クランク軸11の回転角θで指定した各時点1、4〜6については、この回転角θに対応するスライド9の昇降位置yが、計算装置37に自動計算されて図4のように表示される。一方、スライド9の昇降位置yで指定した各時点2、3については、この昇降位置yに対応する回転角θが、計算装置37に自動計算されて図4のように表示される。
前記各時点を指定したら、指定した各時点毎に、入力装置33により動作速度を設定できる。即ち、入力装置33は、前記1プレスサイクル内の各時点毎に、前記動作パターンを定めるための動作速度を設定できるように、人が操作可能である。また、入力装置33により、前記各時点毎に、前記回転運動の回転速度と前記昇降運動の昇降速度のいずれかを任意に選択し、該選択した速度を該時点の動作速度として任意の値に設定できる。即ち、前記入力装置33は、前記各時点毎に、前記回転運動の回転速度と前記昇降運動の昇降速度のいずれかを任意に選択し、該選択した回転速度または昇降速度を該時点の動作速度として設定できるように人が操作可能である。
図4において、入力装置33により設定した動作速度の数値には、下線が引かれている。図4の例では、時点1の動作速度として、クランク軸11の回転速度20.0spm (stroke per minute)を設定し、時点2の動作速度として、クランク軸11の回転速度8.0spmを設定し、時点3の動作速度として、スライド9の昇降速度−500.0mm/secを設定し、時点4の動作速度として、スライド9の昇降速度−500.0mm/secを設定し、時点5の動作速度として、クランク軸11の回転速度20.0spm を設定し、時点6の動作速度として、クランク軸11の回転速度20.0spm を設定している。
クランク軸11の回転速度を設定した各時点1,2、5、6については、設定した回転速度に対応するスライド9の昇降速度が、計算装置37に自動計算されて図4のように表示される。一方、スライド9の回転速度を設定した各時点3、4については、設定した回転速度に対応するクランク軸11の回転速度が、計算装置37に自動計算されて図4のように表示される。
入力装置33による入力データから動作パターンが計算される。即ち、計算装置37は、前記各時点毎に設定された前記動作速度に基づいて前記動作パターンを計算する。計算された動作パターンは、表示装置35により表示される。計算される前記動作パターンは、次の(A)と(B)の関係、または、次の(C)と(D)の関係である。
(A)経過時間または経過時間に比例して値が進行する変数
(B)前記経過時間または前記変数の各値における前記昇降運動の昇降位置、前記昇降運動の昇降速度、前記回転運動の回転角、もしくは、前記回転運動の回転速度
(C)前記昇降運動の昇降位置または前記回転運動の回転角
(D)前記昇降運動の昇降位置または前記回転運動の回転角の各値における前記昇降運動の昇降速度、もしくは、前記回転運動の回転速度
前記表示装置35は、次の(a),(b)を同時に表示してもよい。
(a)前記(A)と、前記(B)の前記昇降位置もしくは前記回転角との関係
(b)前記(A)と、前記(B)の前記昇降速度もしくは前記回転速度との関係
計算装置37は、スライド制御装置21の構成に合う動作パターンを、上述のように計算して動作パターン記憶装置19へ出力し動作パターン記憶装置19に記憶させる。計算装置37が複数の動作パターンを計算する場合には、計算された1または複数の動作パターンのうち、スライド制御装置21の構成に合うものが、計算装置37から動作パターン記憶装置19へ出力され、動作パターン記憶装置19に記憶される。即ち、スライド制御装置21が、1プレスサイクル中の各時点毎に、前記昇降運動の昇降位置を検出し、この検出値に基づいて、駆動モータ7への供給電力を制御する場合には、動作パターン記憶装置19に記憶される動作パターンは、前記経過時間または前記変数と、この経過時間または前記変数の各値における前記昇降運動の昇降位置との関係である。スライド制御装置21が、1プレスサイクル中の各時点毎に、前記昇降運動の昇降速度を検出し、この検出値に基づいて、駆動モータ7への供給電力を制御する場合には、動作パターン記憶装置19に記憶される動作パターンは、前記経過時間または前記変数と、この経過時間または前記変数の各値における前記昇降運動の昇降速度との関係である。スライド制御装置21が、1プレスサイクル中の各時点毎に、前記回転運動の回転角(クランク軸11または駆動モータ7の回転角)を検出し、この検出値に基づいて、駆動モータ7への供給電力を制御する場合には、動作パターン記憶装置19に記憶される動作パターンは、前記経過時間または前記変数と、この経過時間または前記変数の各値における前記回転運動の回転角(クランク軸11または駆動モータ7の回転角)との関係である。スライド制御装置21が、1プレスサイクル中の各時点毎に、前記回転運動の回転速度(クランク軸11または駆動モータ7の回転速度)を検出し、この検出値に基づいて、駆動モータ7への供給電力を制御する場合には、動作パターン記憶装置19に記憶される動作パターンは、前記経過時間または前記変数と、この経過時間または前記変数の各値における前記回転運動の回転速度(クランク軸11または駆動モータ7の回転速度)との関係である。
スライド制御装置21は、前記昇降運動の昇降位置、前記昇降運動の昇降速度、前記回転運動の回転角、もしくは、前記回転運動の回転速度を、動作位置または動作速度として検出するスライド動作用検出器(図示せず)を備える。スライド動作用検出器は、例えば、昇降位置を検出する場合には、リニアエンコーダであり、昇降速度を検出する場合には、リニアエンコーダによる位置検出値を時間微分するものであり、回転角を検出する場合には、ロータリーエンコーダであり、回転速度を検出する場合には、ロータリーエンコーダによる回転角検出値を時間微分するものであってよい。
スライド制御装置21は、1プレスサイクル中における経過時間の各値の時点で、スライド動作用検出器による検出値および動作パターンに基づいて、前記動作位置または動作速度が、動作パターンで定められた当該時点の前記動作位置または動作速度となるように、ドライバ7aを介して駆動モータ7への供給電力を制御する。この制御方式としては、例えば、フィードバック制御や、フィードバック制御とフィードフォワード制御の組み合わせなどがある。
特に、本発明は次の場合に非常に有効である。1対の金型が被加工物1に接触してプレス成形を行っているプレス成形期間については、スライド9の昇降速度を調整することで被加工物1の成形性を調整できるので、プレス成形期間では前記昇降速度を直接設定したい場合がある。一方、スライド9が下死点に到達した後は、スライド9をできるだけ早く上昇させたいため、前記回転運動の最大回転速度を直接設定したい場合がある。これについて、本発明は、プレス成形期間では前記昇降速度を直接設定することで成形性を調整し、これと同時に、スライド9が下死点に到達した以降では回転運動の最大回転速度を直接設定することを可能にし、非常に有効である。
上述の第1実施形態において、プレス成形中の任意の前記昇降位置(例えば下死点)でスライド9を停止させる設定も可能である。この場合、入力装置33を人が操作することで、スライド9を停止させたい区間の開始時点と終了時点とを指定することができる。ただし、入力装置33を人が操作することで、開始時点から終了時点までの経過時間も合わせて設定する。この開始時点と終了時点の各々は、前記昇降運動の昇降位置と前記回転運動の回転角のいずれによっても指定できる。なお、停止しているので、開始時点と終了時点は同じである。また、入力装置33を人が操作することで、この開始時点と終了時点の各々について、前記回転運動の回転速度と前記昇降運動の昇降速度のいずれかを任意に選択し、該選択した前記回転速度または前記昇降速度を該時点の動作速度としてゼロに設定する。この場合における他の点は、上述した内容(即ち、(動作設定装置の構成)〜(動作パターンに基づく制御)までの内容)と、同じであってよい。即ち、前記開始時点と終了時点を上述した各時点と同様に扱うことができる。
また、プレス成形中(スライド9の下死点を含む)の所望の時点から駆動モータ7(サーボモータ)を逆回転させてスライド9を上昇させる設定も可能である。この場合、入力装置33を人が操作することで、駆動モータ7を逆回転させたい区間の開始時点と終了時点とを指定することができる。この開始時点と終了時点の各々は、前記昇降運動の昇降位置と前記回転運動の回転角のいずれによっても指定できる。さらに、入力装置33を人が操作することで、この開始時点と終了時点の各々について、前記回転運動の回転速度と前記昇降運動の昇降速度のいずれかを任意に選択し、該選択した前記回転速度または前記昇降速度を該時点の動作速度として任意の値に設定できる。この場合における他の点は、上述した内容(即ち、(動作設定装置の構成)〜(動作パターンに基づく制御)までの内容)と同じであってよい。即ち、前記開始時点と終了時点を上述の各時点と同様に扱うことができる。なお、前記終了時点以降の時点については、上述した内容と同じである。
また、駆動モータ7の逆回転により、成形中に一旦上金型3を被加工物1から引き離す動作を行うことにより成形性が向上することがある。
さらに、成形完了後に駆動モータ7を逆回転させることで、下死点にあるスライド9を上昇させ、下金型5を切り替えて、穴あけや切り落としなどの追加工を行うことが可能となる。
本発明の第2実施形態による動作設定装置20は、第1実施形態の構成と以下で説明する構成とを有する。
図7は、表示装置35により表示される入力画面である。図7の「クッションパターン設定」において、下線が引いてある数値が、入力装置33により設定した値である。図7の例では、第1実施形態の図4で指定された時点毎に、クッション力を設定している。具体的には、時点3のクッション力に200tonを設定し、時点4のクッション力に200tonを設定している。
時点1、2はプレス成形中ではないので、時点1、2のクッション力は自動的に0tonに設定されている。代わりに、時点1、2のクッション位置(即ち、ブランクホルダ25aの待機高さ)を、人が入力装置33を操作して設定可能である。この例では、時点1、2のクッション位置を300.00mmに設定している。また、図7には、図4の時点5、6が示されていないが、時点5、6もプレス成形中ではないので、時点5、6のクッション力も自動的に0tonに設定されている。なお、プレス成形中以外の各時点においても、人が入力装置33を操作してクッション力を設定してもよい。また、プレス成形中(例えば時点3、4)は、スライド9と可動部25が一体となって下降するので、クッション位置は、スライド9の昇降位置に等しい。
図8の下側のグラフから分かるように、この例では、各時点は、クッション力が不連続的に切り替わる時点となっている。このように、各時点に設定されたクッション力は、当該時点から当該時点の直後に指定された時点まで維持されるようになっている。
図9は、新たな時点を指定した場合の入力画面である。図9では、第1実施形態の図4で指定された時点1〜6以外に、時点3と時点4の間に新たな時点αを指定している。新たな時点の指定方法は、第1実施形態と同じであり、入力装置33を人が操作することで行われる。図9では、新たな時点αを、「クッションパターン設定」のクッション位置(即ち、スライド9の昇降位置)で指定している。また、図9の「スライドパターン設定」において、時点αでは、計算装置37により計算された前記動作パターンに基づいて各値が表示されている。
この新たな時点αにもクッション力を設定することができる。この設定も、上述と同様に入力装置33を人が操作することで行われる。図9の「クッションパターン設定」において、下線が引いてある数値が、入力装置33により設定した値である。具体的には、図9の例では、時点3のクッション力を200tonに設定し、時点αのクッション力を150tonに設定し、時点4のクッション力を150tonに設定し、時点5のクッション力を0tonに設定し、図示しない他の時点1、2、6のクッション力も0tonに設定している。
図10の下側のグラフから分かるように、この例では、各時点は、クッション力が不連続的に切り替わる時点となっている。従って、各時点に設定されたクッション力は、当該時点から当該時点の直後に指定された時点まで維持されるようになっている。
クッション制御装置31は、クッション力を検出するクッション用検出器を備える。クッション制御装置31は、1プレスサイクル中における経過時間の各値の時点で、クッション用検出器によるクッション力の検出値およびクッションパターンに基づいて、クッション力が、クッションパターンで定められた当該時点のクッション力となるように、駆動装置27の制御対象部27aを制御する。この制御方式としては、例えば、フィードバック制御や、フィードバック制御とフィードフォワード制御の組み合わせなどがある。
図1の例のように駆動装置27が油圧シリンダによるものである場合、制御対象部27aは、サーボ弁であり、クッション用検出器は、例えば、シリンダの上室の油圧と下室の油圧を検出し、これら検出値からクッション力を検出する。
例えば、表示装置35に表示されたスライドの前記動作パターンを確認しながら、各時点毎にクッション力を設定でき、ユーザによるクッション力調整負担が大幅に低減される。
本発明の第3実施形態による動作設定装置20は、第1実施形態または第2実施形態の構成と以下で説明する構成とを有する。
データ管理装置39は、前記動作パターン記憶装置19とクッションパターン記憶装置29とから構成されていてもよいし、図11のように動作パターン記憶装置19およびクッションパターン記憶装置29とは別の装置であってもよい。データ管理装置39が、動作パターン記憶装置19およびクッションパターン記憶装置29とは別の装置である場合には、プレス機械10に取り付けている第1の上金型3および下金型5をクッションパターンを以前に求めた第2の上金型3および下金型5に変更する際には、第2の上金型3および下金型5を示す前記識別情報がデータ管理装置39に入力されることで、該識別情報と関連付けられた前記動作パターンが、自動的に動作パターン記憶装置19へ出力され動作パターン記憶装置19に記憶され、該識別情報と関連付けられた前記クッションパターンが、自動的にクッションパターン記憶装置29へ出力されクッションパターン記憶装置29に記憶される。
Claims (6)
- 被加工物を挟んでプレス成形する上金型および下金型と、
前記上金型を駆動するための駆動モータと、
前記駆動モータによる回転運動を、前記上金型が固定されたスライドの昇降運動に変換する変換機構と、を備えるプレス機械であって、
前記回転運動の回転速度が一定である場合には、前記昇降運動の昇降速度が一定ではなくなり、前記昇降速度が一定の場合には、前記回転速度が一定ではなくなり、
被加工物を1回プレス成形するための1プレスサイクルにおける前記スライドの動作パターンを記憶する動作パターン記憶装置と、
前記動作パターンに基づいて前記駆動モータを制御するスライド制御装置と、
前記1プレスサイクル内の各時点毎に、前記動作パターンを定めるための動作速度を設定できるように、人が操作可能な入力装置と、を備え、
前記入力装置は、前記各時点毎に、前記回転運動の回転速度と前記昇降運動の昇降速度のいずれかを任意に選択し、該選択した前記回転速度または前記昇降速度を該時点の動作速度として所望の値に設定できるように人が操作可能であり、
前記入力装置により前記各時点毎に設定された前記動作速度に基づいて前記動作パターンを計算する計算装置を、さらに備える、ことを特徴とするプレス機械。 - 前記入力装置は、前記各時点を指定できるように人が操作可能であり、
前記入力装置は、前記各時点毎に、前記昇降運動の昇降位置と前記回転運動の回転角のいずれでも当該時点を指定できるように人が操作可能である、ことを特徴とする請求項1に記載のプレス機械。 - 前記計算装置により計算された前記動作パターンを表示する表示装置を備え、
前記動作パターンは、次の(A)と(B)の関係、または、次の(C)と(D)の関係である、ことを特徴とする請求項1または2に記載のプレス機械。
(A)経過時間または経過時間に比例して値が進行する変数
(B)前記経過時間または前記変数の各値における前記昇降運動の昇降位置、前記昇降運動の昇降速度、前記回転運動の回転角、もしくは、前記回転運動の回転速度
(C)前記昇降運動の昇降位置または前記回転運動の回転角
(D)前記昇降運動の昇降位置または前記回転運動の回転角の各値における前記昇降運動の昇降速度、もしくは、前記回転運動の回転速度 - 前記表示装置は、次の(a),(b)を同時に表示する、ことを特徴とする請求項3に記載のプレス機械。
(a)前記(A)と、前記(B)の前記昇降位置もしくは前記回転角との関係
(b)前記(A)と、前記(B)の前記昇降速度もしくは前記回転速度との関係 - ダイクッション装置を備え、
このダイクッション装置は
上金型と下金型との間で被加工物がプレス成形されるプレス成形時に、被加工物を上金型との間に挟みながら下降する可動部と、
この可動部にクッション力を付与する駆動装置と、
前記1プレスサイクルにおける前記クッション力のクッションパターンを記憶するクッションパターン記憶装置と、
前記クッションパターンに基づいて前記駆動装置を制御するクッション制御装置と、を備え、
前記入力装置は、前記1プレスサイクル内の各時点毎に、前記クッションパターンを定めるためのクッション力を設定できるように、人が操作可能であり、
前記クッションパターンを定める当該各時点は、前記動作速度の設定に関する前記各時点のいずれか、または、他の任意の時点である、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のプレス機械。 - 前記プレス機械に取り付けられている上金型および下金型を別の上金型および下金型に変更可能であり、
前記上金型および下金型毎に、該前記上金型および下金型を示す識別情報と関連付けて前記動作パターンを記憶するデータ管理装置を備え、
前記識別情報をデータ管理装置に入力ことで、該識別情報と関連付けられた前記動作パターンが前記制御装置に使用されるようになっている、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のプレス機械。
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