JP2004058152A - サーボプレスのスライド位置の設定方法と表示方法、及び外部周辺装置との同期方法、及びその制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】機械式プレスと同様のクランク角度のイメージでスライド位置の設定や表示を可能とし、またスライド位置と外部周辺装置との同期をとりながらの運転を可能とする。
【解決手段】サーボモータ(21)によりスライド(3)を駆動するサーボプレスにおいて、運転のためのデータを設定する際に、スライド位置を仮想クランク角度に換算して設定する。また、設定した仮想クランク角度を表示する。設定した仮想クランク角度と、それに対応するスライド位置とを表示する。前記設定されたモーションカーブによりスライド位置を表示してもよい。さらに、現在のスライド位置を、対応する仮想クランク角度でルーレット表示部に表示する。また、プレス運転時に、予め設定されたスライドモーションの上限位置から下限位置を経て上限位置までの1サイクル間でスライドの現在位置を検出し、検出したスライド位置に対応する仮想回転角度を外部周辺装置に出力する。
【選択図】 図4
【解決手段】サーボモータ(21)によりスライド(3)を駆動するサーボプレスにおいて、運転のためのデータを設定する際に、スライド位置を仮想クランク角度に換算して設定する。また、設定した仮想クランク角度を表示する。設定した仮想クランク角度と、それに対応するスライド位置とを表示する。前記設定されたモーションカーブによりスライド位置を表示してもよい。さらに、現在のスライド位置を、対応する仮想クランク角度でルーレット表示部に表示する。また、プレス運転時に、予め設定されたスライドモーションの上限位置から下限位置を経て上限位置までの1サイクル間でスライドの現在位置を検出し、検出したスライド位置に対応する仮想回転角度を外部周辺装置に出力する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サーボモータで偏心軸を回転駆動し、この偏心軸に連結されたリンク機構を介してスライドを駆動するサーボプレスの制御装置に関し、特にはスライドモーションの設定作業性を改善した制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、プレス加工製品の高精密化(形状、寸法の精度が高い)、及び生産性向上のためのプレス加工の高速化が要求されて来て久しい。これに答えるプレスとして、例えば、サーボモータで上下方向へボールスクリューを直線駆動し、これにより直接スライドの位置及び速度を精度良く制御してスライドを精密に上下駆動する、いわゆる直動型サーボプレスが提案されている。(例えば、特許文献1参照。)
【0003】
【特許文献1】
特開平10−277799号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のようにボールスクリューで直接スライドを上下方向に駆動する構成では、スライドに掛かる負荷がボールスクリューにも掛かってしまうので、ボールスクリューが磨耗し易く、ボールスクリューの耐久性がプレスの性能に大きく影響するという問題がある。
【0005】
このため、従来からある機械式リンクプレスの良さを生かしつつ、サーボモータ駆動によるスライド精密制御性を取り入れた構造の、トグルリンク機構を有するサーボプレスの実現が強く要望されている。このようなサーボプレスの構成として、例えば、図10および図11にそれぞれ側面一部断面図、背面一部断面図を示すようなプレス機械が考えられる。同プレス機械1は、サーボモータ21でエキセン軸などの偏心軸28の回転を駆動し、この偏心軸28の偏心位置に連結されたトグルリンク機構(リンク13,12a,12bで構成される)を介してスライド3を上下駆動するように構成されている。そして、前記サーボモータ21を所定の回転速度で定速回転させると、偏心軸28の偏心長さ、前記リンク機構の各リンク長さ、偏心軸28の回転中心位置とトグルリンクとの関係等により決定される所定のリンクモーションでスライド3が駆動されることになる。なお、モーションは、スライド位置と時間との関係を表したものである。
【0006】
図14はスライドのリンクモーション例を表しており、横軸に時間tを、縦軸にスライド位置をそれぞれとっている。図14に実線で示しているのは、上記構成においてサーボモータ21を所定の回転速度で定速回転させた場合のリンクモーションであり、上述のように機械的な寸法により決定される。一方、上記構成によると、サーボモータ21でスライド3の位置および速度を精密に制御することが可能であるという特徴を有している。従って、これを利用して、上記リンクモーションよりもさらに精密で複雑な、例えば図14に2点鎖線で示すようなモーションを設定でき、このモーションに沿ってスライドを駆動して、より高精密に、かつより高い生産性で成形加工ができるサーボプレスの要望が大きくなっている。このために、所望するスライドモーションを任意に設定可能としたサーボプレスの制御装置が必要となる。
【0007】
ところで、サーボプレスにおけるスライドモーションの設定方法として、例えば、上下方向に移動自在なボールスクリューによりスライドを直接上下駆動する従来の直動型サーボプレスで行われているのと同様に、図14におけるt1〜t2、t2〜t3、t3〜t4などの複数段の定速度区間を設定し、各区間の始点および終点のスライド高さで表したスライド位置(図14のP1,P2.P3等)とスライド速度(各区間のモーション傾き)とを設定する方法が考えられる。しかしながら、この方法では次のような問題が生じる。
【0008】
(1)単にスライド高さで表したスライド位置によってモーション等を設定する際に、スライド位置を一義的に特定するためには、スライドが下降行程か又は上昇行程かの区別をしなければならない。このため、取り扱うデータ数が多くなるので、設定時の操作が煩わしくなるとともに、これらのデータに基づく演算処理が複雑になる。
(2)プレス加工時に用いる周辺機械との同期をとるためのタイミング信号(例えば、ロータリカム信号等)の動作条件を設定する場合、従来からのクランク式プレスやリンクプレス等の機械式プレスにおいて、クランク角度やリンク回転駆動部回転角度等の回転角(0度〜360度)によってタイミング信号を設定していた作業者にとっては、スライド位置からモーション上の位置をイメージするのは慣れていないので困難であり、従ってスライド位置による設定作業が面倒で、操作性が低下する。
【0009】
(3)クランク角度からスライドのクランクモーション上の位置をイメージするのに慣れている作業者にとっては、スライド位置からスライド高さをイメージするのは容易でないため、ダイハイト調整を行う時などに、手動操作での下死点へのスライド移動及び位置決めが簡単にできない。また、本体フレーム等の熱変形によりダイハイトが変化し、機械的な下死点位置が元の下死点位置よりも上方に変化したときには、スライド位置(ボルスタ上面からの高さ)のみの現在位置表示では、元の下死点位置まで戻すことができないので、下死点位置決め制御を完了することが事実上不可能であり、実用上ダイハイト調整が困難となる場合が発生する。
【0010】
またさらに、サーボプレスをトランスファフィーダや材料搬入装置等の外部周辺装置と同期をとって運転する必要がある場合には、スライドと前記外部周辺装置との干渉が発生しないように、スライド位置情報を外部周辺装置に出力してインターロックをとる必要がある。従来のクランク式プレスやリンク式プレス等の機械式プレスでは、スライドと前記外部周辺装置との同期をとるために、クランク軸やリンク回転機構の回転角度(以後、これらをクランク回転角度と呼ぶ)をスライド位置情報として出力している。ところが、上述した通り、前記サーボプレス1において、スライドモーションを任意に設定可能とし、スライドストローク長(スライド上限位置(上死点も含む)〜下限位置(下死点も含む)までのストローク)も任意に設定可能とした場合には、従来のようなクランク回転角度をスライド位置情報として用いることができない。このため、外部周辺装置との同期運転ができないのが実情である。
【0011】
本発明は、上記の問題点に着目してなされたもので、従来の機械式プレスでのクランクモーションと同様のクランク角度のイメージでスライドモーションやタイミング信号等のスライド位置の設定や表示を可能とし、またスライド位置と外部周辺装置との同期をとりながらの運転を可能とした、サーボプレスのスライド位置の設定方法と表示方法、及び外部周辺装置との同期方法、及びその制御装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
上記目的を達成するため、第1発明は、サーボモータにより所定の動力伝達機構を介してスライドを駆動するサーボプレスにおいて、運転のためのデータを設定する際に、スライド位置を仮想クランク角度に換算して設定することを特徴とするサーボプレスのスライド位置の設定方法としている。
【0013】
第1発明によれば、スライドモーションなどのプレス運転のためのデータを設定する際に、スライド位置を仮想クランク角度に換算して設定するから、従来の直動型サーボプレスの制御装置におけるスライド位置の設定方法では、スライド位置(高さ)とその行程との入力によって各スライド位置を特定する必要があったが、仮想クランク角度のみで特定できるので入力データ数が少なくなり、設定作業が楽になるとともに制御装置内での演算処理が簡単になる。また、従来の機械式プレスのクランク角度による設定方法に慣れている作業者にとっても、スライドの位置(下死点との関係)が分かり易くなり、非常に設定し易いので、機械式プレスの採用ユーザが本サーボプレスを採用し易くなる。
【0014】
さらに、仮想クランク角度で設定するので、例えばサーボモータで回転駆動部及びリンク機構を介してスライドを駆動するサーボプレス等において、この設定した仮想クランク角度データに基づいてスライド位置を制御するときに、ダイハイトが変化したとしても下死点位置決め制御を確実に完了することができる。このため、ダイハイト調整時などのスライド制御処理が問題無く実行できる。
【0015】
第2発明は、第1発明において、前記設定した仮想クランク角度を表示するようにした方法としている。
【0016】
第2発明によれば、設定した仮想クランク角度が表示されるので、クランク角度設定に慣れている作業者にとってスライドの位置を直感的に容易に把握し易いし、作業者が設定データを容易に確認できるので、データ設定ミスを防止できる。
【0017】
第3発明は、第2発明において、前記設定した仮想クランク角度と、それに対応するスライド位置とを表示するようにした方法としている。
【0018】
第3発明によれば、仮想クランク角度およびこれに対応するスライド位置を表示するので、設定データの確認が直ぐに容易にできて操作性が良い。また、実際のスライド高さとの対比が容易に可能なため、データ設定ミスを防止できる。
【0019】
また、第4発明は、第2または第3発明のサーボプレスのスライド位置の設定方法により設定されたモーションで運転する際のスライド位置表示方法において、前記設定されたモーションカーブによりスライド位置を表示する方法としている。
【0020】
第4発明によれば、モーションカーブを用いてスライド位置を表示するので、モーションカーブとの関連で現在のスライド位置を把握でき、直感的に分かり易い。
【0021】
また、第5発明は、第2または第3発明のサーボプレスのスライド位置の設定方法により設定されたモーションで運転する際のスライド位置表示方法において、現在のスライド位置を、対応する仮想クランク角度でルーレット表示部に表示する方法としている。
【0022】
第5発明によれば、仮想クランク角度によるルーレット表示でスライドの位置を表すので、直感的に直ぐにスライド位置を把握でき、操作性や作業性が良い。
【0023】
第6発明は、サーボモータにより所定の動力伝達機構を介してスライドを駆動するサーボプレスにおいて、プレス運転時に、予め設定されたスライドモーションの上限位置から下限位置を経て上限位置までの1サイクル間でスライドの現在位置を検出し、検出したスライド位置に対応する仮想回転角度を求め、この求めた仮想回転角度を外部周辺装置に出力することを特徴とするサーボプレスの外部周辺装置との同期方法としている。
【0024】
第6発明によれば、上限位置(上死点を含む)から下限位置(下死点を含む)を経て上限位置までの1サイクル中のスライド位置を、従来におけるクランク角度に相当する仮想回転角度(0度〜360度)に対応させるようにし、プレス運転時に、スライドの上下動に伴って、スライド位置に対応した前記仮想回転角度信号を出力するので、プレス機械のスライド位置と同期して作動する必要のある外部周辺装置をこの仮想回転角度を介して容易にスライド位置と同期をとることが可能となる。また、従来の同期方式と変わらない、クランク角度相当の仮想回転角度を介して同期制御が可能となるので、ハード及びソフトの大幅な変更なくして、同じ外部周辺装置を使用できる。このため、本サーボプレス機を幅広い分野に適用できる。
【0025】
第7発明は、第6発明において、前記仮想回転角度を介して外部周辺装置の動作とスライドの上下動とのインターロックをとって同期運転する外部周辺装置との同期方法としている。
【0026】
第7発明によれば、仮想回転角度を介して、スライド上下動と外部周辺装置とのインターロックをとるので、任意のスライドモーションに対しても、従来の同期方式と変わらない方式で容易に同期運転ができる。このため、本サーボプレス機を幅広い分野に適用できる。
【0027】
第8発明は、予め設定されたスライドモーションに沿ってスライドが移動するように、サーボモータを制御して、所定の動力伝達機構を介してスライドを駆動するサーボプレスの制御装置において、スライドの現在位置を検出する位置センサと、予め設定されたスライドモーションの上限位置から下限位置を経て上限位置までの1サイクル間でのスライド位置と仮想回転角度との対応関係を作成し、プレス運転時に、前記位置センサから入力したスライドの現在位置に対応して、前記対応関係に基づき求めた仮想回転角度を外部周辺装置に出力する制御器とを備えた構成としている。
【0028】
第8発明によれば、第6発明と同様の作用、効果を発揮する。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
【0030】
まず、本発明が適用されるサーボプレスの構成を図10、図11により説明する。図10及び図11は、それぞれサーボプレスの側面一部断面図及び背面一部断面図である。
プレス機械1はサーボプレスであり(以下、サーボプレス1と呼ぶ)、サーボモータ21によりスライド3を駆動している。サーボプレス1の本体フレーム2の略中央部にはスライド3が上下動自在に支承されており、スライド3に対向する下部には、ベッド4上に取付けられたボルスタ5が配設されている。スライド3の上部に形成された穴内には、ダイハイト調整用のねじ軸7の本体部が抜け止めされた状態で回動自在に挿入されている。ねじ軸7のねじ部7aは上方に向けてスライド3から露出し、ねじ軸7の上方に設けたプランジャ11の下部の雌ねじ部に螺合している。
【0031】
ねじ軸7の本体部外周にはウォームギヤ8のウォームホイール8aが装着されており、このウォームホイール8aに螺合したウォームギヤ8のウォーム8bはスライド3の背面部に取付けたインダクションモータ9の出力軸にギヤ9aを介して連結されている。インダクションモータ9は、軸方向長さを短くしてフラット形状に、コンパクトに構成されている。
【0032】
前記プランジャ11の上部は、第1リンク12aの一端部とピン11aにより回動自在に連結されており、この第1リンク12aの他端部と、本体フレーム2に一端部が回動自在に連結されている第2リンク12bの他端部との間には、三軸リンク13の一側に設けた2つの連結孔がピン14a,14bにより回動自在に連結されている。三軸リンク13の他側の連結孔は、詳細を後述するスライド駆動部20の偏心軸28に回動自在に連結されている。第1リンク12a、第2リンク12bおよび三軸リンク13により、リンク機構を構成している。
【0033】
本体フレーム2の側面部にはスライド駆動用のサーボモータ21が軸心をプレス左右方向に向けて取付けられており、該サーボモータ21の出力軸に取付けた第1プーリ22aと、サーボモータ21の上方に軸心をプレス左右方向に向けて回動自在に設けている中間シャフト24に取付けた第2プーリ22bとの間にはベルト23(通常はタイミングベルトで構成される)が巻装されている。また、中間シャフト24の上方の本体フレーム2には駆動軸27が回動自在に支承されており、駆動軸27の一端側に取付けたギヤ26は中間シャフト24に取付けたギヤ25と噛合している。そして、駆動軸27の軸心方向略中央部には偏心軸28が形成されており、この偏心軸28の外周部の偏心位置に前記三軸リンク13の他側が回動自在に連結されている。
【0034】
また、スライド3内には前記ねじ軸7の下端面部との間に密閉された油室6が形成されており、この油室6はスライド3内に形成されている油路6aを経由して切換弁16に接続されている。切換弁16は、油室6内への操作油の給排を切り換えるものである。切換弁16を通して油室6内に給油された操作油は、プレス加工時には、油室6内に閉塞され、加圧時の押圧力を油室6内の油を介してスライド3に伝達するようにしている。スライド3に過負荷が加わり、油室6内の油圧が所定の値を越えると油が図示しないリリーフ弁からタンクへ戻され、スライド3が所定量クッションし、スライド3および金型が破損しないようになっている。
【0035】
また、スライド3の背面部には、上下2箇所から本体フレーム2の側面部に向けて突出した1対のブラケット31,31が取付けてあり、上下1対のブラケット31,31間に位置検出ロッド32が取付けられている。位置検出用のスケール部が設けられている位置検出ロッド32には、リニアスケール等の位置センサ33の本体部が上下動自在に嵌挿している。位置センサ33は、本体フレーム2の側面部に設けられている補助フレーム34に固定されている。この補助フレーム34は上下方向に縦長に形成されており、下部がボルト35により本体フレーム2の側面部に取付けられ、上部が図示しない上下方向長孔内に挿入されたボルト36により上下方向摺動自在に支持され、側部が前後1対の支持部材37,37により当接、支持されている。
【0036】
補助フレーム34は、上下いずれか一側(本例では下側)のみを本体フレーム2に固定し、他側を上下動自在にして支持する構造としているため、本体フレーム2の温度変化による伸縮の影響を受けないようになっている。これにより、前記位置センサ33は、本体フレーム2の温度変化による伸縮の影響を受けずに、スライド位置及びダイハイトを正確に検出可能としている。
【0037】
図1は本発明の第1実施形態に係る制御装置のハード構成ブロック図であり、図1により制御構成を説明する。
本制御装置は制御器10、メモリ10a、モーション設定手段17、タイミング設定手段18、モニタ表示器19、位置センサ33、サーボアンプ45およびスライド駆動用のサーボモータ21を備えている。
【0038】
モーション設定手段17はスライドモーションを設定するための各種データを入力するものであり、このデータとしては、例えば図4に示すように、段数、基準速度(すなわち、スライドの許容最大速度)、待機角、待機位置、待機時間、各段毎の目標角、目標位置、移動速度、停止時間、等がある。このモーション設定手段17は、これらのモーションデータを入力するためのスイッチ及び/又はテンキーと、これらの入力データや設定完了し登録された設定データ等を表示する表示器とを有している。以下の実施形態では、透明タッチスイッチパネルを液晶表示器やプラズマ表示器等のグラフィック表示器の前面に装着した、いわゆるタッチパネル付きのプログラマブル表示器を用いて構成している。なお、モーション設定手段17は、予め設定されたモーションデータを記憶したICカード等の外部記憶媒体からのデータ入力装置、または、無線や通信回線を介してデータを送受信する通信装置を備えていてもよい。
【0039】
タイミング設定手段18は、プレス機械のスライドの動きにプレス機械およびプレスラインの周辺機器を同期させるためのタイミング信号を設定する入力手段であり、設定されるデータとしては、図7に示すように、信号名と、それに対するON位置の段番号とクランク角度と、OFF位置の段番号とクランク角度とがある。また、段番号は、下降行程または上昇行程中に図6に示すような一時戻しモーションが存在した場合の判別のために設定する。これらのタイミングデータを入力するためのスイッチ及び/又はテンキーと、これらの入力データや設定完了し登録された設定データ等を表示する表示器とを有しており、本実施形態では、前記モーション設定手段17と同様にタッチパネル付きのプログラマブル表示器を用いて構成している。なお、タイミング設定手段18は、予め設定された上記タイミングデータを記憶したICカード等の外部記憶媒体からのデータ入力装置、または、無線や通信回線を介してデータを送受信する通信装置を備えていてもよい。
【0040】
メモリ10aは、上記設定されたモーションデータおよびタイミングデータを記憶すると共に、スライド位置と仮想クランク角度との対応テーブルデータを記憶している。ここに、仮想クランク角度とは、前記サーボプレス1のスライド位置を、従来のクランク軸を有する機械式プレスにおけるクランク軸回転角度に仮想的に対応させたものである。上記スライド位置と仮想クランク角度との対応テーブルデータは、それぞれ次のようにして作成される。
【0041】
まず図2により、スライド位置と仮想クランク角度との対応テーブルの作成手順を説明する。図2はクランク角度の割り付け方法を説明しており、その左図は理想的なクランク軸の回転角度θ(上死点を0度または360度、下死点を180度と定義する)とスライド位置Pとの関係図である。また、その右図は、本実施形態における前記サーボモータ21を所定の一定速で正転させたときのスライド位置の変化を表したモーションである。
【0042】
いま、図2において、上死点Uから下死点Dまでの間のスライド位置を所定長さΔS毎に分割し、それぞれの分割した横線と、理想的なクランク軸の回転を表す円Cとの交点の回転角度を、0度(上死点U)側から360度に向けて順にθ1,θ2,〜θnとする。また、それぞれの分割した横線と、前記サーボモータ21を所定の一定速で正転させたときのスライド位置の変化を表したモーションとの交点のスライド位置を、上死点Uから下死点Dを経て次の上死点Uに向けて順にP1,P2,〜Pnとする。そして、下降行程(上死点Uから下死点Dまで)のそれぞれのスライド位置P1,P2,〜に対して、同一の分割線に対応する下降行程の前記各回転角度θ1,θ2,〜をそれぞれ仮想クランク角度θ1,θ2,〜と呼ぶ。同様に、上昇行程(下死点Dから次の上死点Uまで)のそれぞれのスライド位置Pnに対して、同一の分割線に対応する上昇行程の前記各回転角度θnをそれぞれ仮想クランク角度θnと呼ぶ。ここで、前記スライド位置の分割長さΔSを、近似誤差が無視できるような微小長さに設定している。上記の如く求めた各スライド位置P1,P2,〜Pnと各仮想クランク角度θ1,θ2,〜θnとを対応させてスライド位置/クランク角度対応テーブルを作成し、メモリ10aに記憶する。
【0043】
モニタ表示器19は、制御器10からの表示指令を入力し、表示指令に基づきスライド現在位置(高さ)、これに対応する仮想クランク角度現在値、および当該サーボプレスの各種信号、制御状態の内部情報等を表示しており、各種情報のモニタを可能としている。
また、前記位置センサ33は、検出したスライド位置を制御器10に出力している。
【0044】
制御器10はコンピュータ装置やPLC(プログラマブルロジックコントローラ、所謂プログラマブルシーケンサである)等の高速演算装置から構成されている。この制御器10は、前記メモリ10aに記憶したスライド位置/クランク角度対応テーブルを参照して、前記モーション設定手段17により設定されたモーションデータに基づいて、制御用のスライドモーションを作成し、スライドがこの作成されたモーションに沿って移動するように、詳細は後述する演算処理を行い、サーボモータ21の速度指令を求めてサーボアンプ45に出力する。また、制御器10は、前記スライド位置/クランク角度対応テーブルを参照して、前記タイミング設定手段18により設定されたタイミングデータに基づいて、スライド移動に同期して所定のタイミング信号を出力する。そして、さらに、現在のスライド位置、これに対応する現在の仮想クランク角度、モーションカーブ中の現在位置、及び現在のタイミング信号状態などの各種情報を監視し、モニタ表示器19に表示指令を出力する。
【0045】
サーボアンプ45には、図示しないサーボモータ回転角度センサからのモータ回転角度がフィードバックされている。サーボアンプ45は、制御器10からの速度指令とこのモータ回転角度から求まる速度フィードバック信号との偏差値を演算し、求めた偏差値に基づき、該偏差値を小さくするようにサーボモータ21を制御する。これにより、スライドの位置および速度が精度良く制御される。
【0046】
次に、図3に示す制御機能ブロック図に基づき、図4〜図9を参照しつつ制御装置の各制御機能を説明する。
【0047】
まず、モーション設定手段17では、例えば図4に示すような設定画面により各種のモーションデータが設定される。以下に、図4〜図6を参照して、モーション設定方法について詳細に説明する。図4はモーション設定画面例であり、図5はモーション設定例で、図6は設定モーションのモニタ表示例である。
【0048】
モーションデータは、個々の金型に応じて設定されるため、該金型に対応した型番号50を付与するようにしている。そして、様々な金型に柔軟に対応するために、任意のモーションが設定できるように、段数51、待機角52、待機位置53、基準速度54、待機時間55、そして各段毎の目標角56、目標位置57、移動速度58および停止時間59がそれぞれ設定可能となっている。例えば図5に示すようなモーションを設定する場合について説明する。段数51は設定すべき速度制御区間の1サイクル中の数(最後の区間は目標位置及び目標速度が自動的に決まるので設定の必要がないため、実際の段数より1つ少ない)を表し、ここでは4と設定している。待機位置53および待機角52は、それぞれ、上昇行程の最後にスライドが停止(次サイクル開始まで待機)する場合のスライド停止位置、およびそれに対応する仮想クランク角度で表す停止角度θnであり、そのいずれか一方にデータを入力すると、それに対応する他方のデータが自動的に演算され、表示されるようになっている。図4及び図5に示す例では、待機位置P0,待機角θ0である。また、待機時間55はその待機中の時間であり、ここではT0である。そして、基準速度54は、当該モーションでのサーボモータ21の許容最大速度を表しており、本例では予め決められたサーボモータ最大速度に対する%割合で設定するようにしている。
【0049】
また、各段毎の目標位置57および目標角56は、それぞれ、各段の最後スライド位置(これは、後段の開始位置に相当する)、およびこれに対応する仮想クランク角度θnであり、そのいずれか一方にデータ入力すると、それに対応する他方のデータが自動的に演算され、表示されるようになっている。本例では、仮想クランク角度の0度〜360度の範囲を1度毎に区切り、各区切られた範囲に対応するスライド位置の各範囲のテーブルを有し、これにより上記演算を行っている。図4,図5に示す例では、n段目が目標位置Pn,目標角θnである。このとき、目標位置57および目標角56のいずれか一方の入力データを訂正することもでき、この訂正した一方のデータに基づき他方のデータを訂正し、表示するようにしている。そして、各段毎の移動速度58および停止時間59は、それぞれ、各区間のスライド移動速度、および最終目標位置Pn(目標角θn)における移動停止時間であり、図5に示す例で言うと、2段目の移動速度58はP1からP2までのモーション傾き(=(P1−P2)/Ta)に相当し、その停止時間59はT2(0sec) である。なお、各段の移動速度58は、前記設定した当該モーションの基準速度54でのスライド最大速度に対する%割合で設定するようにしている。また、上記の設定が完了したら、設定データに基づいてサイクルタイムが自動的に演算され、その演算結果がサイクルタイム表示部68に表示される。
【0050】
次に、モーション作成部41は、モーション設定手段17で入力されたモーションデータに基づき、スライド位置/クランク角度対応テーブル43の関係データを参照して、図5に示すような、時間軸に対応するスライド位置のモーションカーブを作成する。なお、この作成されたモーションカーブは、作業者が確認できるように、モーション設定手段17の表示器に例えば図6に示すようにグラフ表示される。なお、図6のモーションカーブ66は、図5で説明したモーションカーブと異なる例で図示してある。スライド下限時のスライド位置67aと、これに対応する仮想クランク角度67bとが、上記モーションカーブ66と共に表示される。
【0051】
この後、指令演算部42は、前記作成されたモーションカーブに基づいて、所定のサーボ演算周期時間毎のスライド位置目標値を演算すると共に、このスライド位置目標値と、位置センサ33からのスライド位置のフィードバック信号との偏差値を求める。そして、この求めた偏差値に基づいて、偏差値を小さくするようにサーボアンプ45へのモータ速度指令値を演算して、出力する。
【0052】
モニタ情報表示部44は、プレス運転モード、現在のスライド位置、これに対応する仮想クランク角度、生産個数カウンタ値などの、当該サーボプレスの各種モニタ情報を監視して、前記モニタ表示器19に表示させる。このモニタ情報は、例えば図8、図9に示すような画面により表示される。なお、図8、図9では、前記モニタ表示器19にタッチパネル付きのプログラマブル表示器を用いた例で示している。
【0053】
図8において、運転状態表示部70には、運転準備完了、運転中、非常停止中などの運転状態が表示される。運転モード表示部71には、単動、寸動、安全一行程、連続などの運転モードの内、現在選択されているモードが表示される。また、仮想クランク角度表示部72には、現在のスライド位置に対応する仮想クランク角度が表示され、同図では、数値(0度から359度)で表示する角度表示部72bと、環状に配置した点表示(LEDや、グラフィック表示器によるポイント表示など)を角度に対応付けて回転点灯させるルーレット角度表示部72aとを有している。ルーレット角度表示部72aでは、一周360度を所定角度(例えば5度)ずつ分割して当該分割範囲を1個の点表示にて代表させて表示させるものである。さらに、スライド位置74には、位置センサ33により検出した現在のスライド位置(高さ)が表示される。また、サイクル数表示部73には、連続運転中の1分間当りのサイクル数が表示され、ストッピングタイム表示部75には、1サイクル中の合計待機時間が表示される。
【0054】
また、生産個数の積算値を表示するトータルカウンタ表示部76b、この生産個数の積算機能を選択する選択スイッチ部76a、自動運転開始から終了までの生産個数の積算機能を選択する選択スイッチ部77a、この積算値を表示するロットカウンタ表示部77b、同一ロットでの生産積算目標値を表示するロットカウンタ設定表示部77cをそれぞれ備えている。また、金型メンテナンスを行う時期までの生産個数積算機能を選択する選択スイッチ部78a、その積算値を表示する型メンテナンスカウンタ表示部78b、その設定目標積算値を表示する型メンテナンスカウンタ設定表示部78cが設けられている。そして、現在のダイハイトを表示するダイハイト表示部79、及びスライド荷重表示部80が設けられている。なお、スライド荷重表示部80に表示される荷重値は、図示しない荷重計により検出されたものである。
【0055】
また図9は、プレス運転中の現在のスライド位置をその移動に合わせて前記設定モーションカーブ上に表示する例を示しており、位置センサ33からのスライド位置、及び運転実行中の1サイクル内での行程位置(段数)に応じた位置を、モーションカーブ上の点81として点灯表示するようにする。
【0056】
次に、タイミング設定手段18では、例えば図7に示すような設定画面により各種のタイミングデータが設定される。図7を参照して、各タイミングデータを詳細に説明する。
タイミングデータも、各金型に対応した型番号60が設定されるようにしている。エジェクタと呼ばれるタイミング出力信号はスライド位置または仮想クランク角度に同期してオン/オフ出力される信号であり、その信号名61、各信号毎のオンするタイミングの段数62と仮想クランク角度63、および各信号毎のオフするタイミングの段数64と仮想クランク角度65を設定するようにしている。信号名61は、当該制御装置に備えてあるタイミング出力信号の各名称が表示されており、使用可能な信号の数だけ表示されるようになっている。オンするタイミングの段数62と仮想クランク角度63、およびオフするタイミングの段数64と仮想クランク角度65はそれぞれの対応する信号名の欄にデータ入力されるようになっており、前記設定されたモーション上の段数と仮想クランク角度によってそれぞれ設定される。
【0057】
タイミング制御テーブル作成部46は、タイミング設定手段18で入力されたタイミングデータに基づき、仮想クランク角度に対する各タイミング信号の制御テーブルを作成する。
そして、つぎに、タイミング出力指令演算部47では、プレス運転中に、位置センサ33からのスライド位置を監視し、スライド位置/クランク角度対応テーブル43を参照して前記現在のスライド位置を仮想クランク角度に変換し、この仮想クランク角度が前記制御テーブルの各信号毎の出力オン/オフの仮想クランク角度に達したら、当該タイミング出力信号の対応するオン/オフ出力指令をタイミング信号出力部48に出力する。
タイミング信号出力部48は、この各タイミング出力信号毎のオン/オフ出力指令に基づき、タイミング信号の出力を制御する。
【0058】
つぎに、本実施形態による効果を説明する。
スライドモーションやタイミング信号などの設定の際に、スライド位置で設定する代わりに仮想クランク角度によって設定し、その設定データを仮想クランク角度によって表示することを可能とした。このため、従来の直動型サーボプレスの制御装置ではスライド位置とそのときの下降工程または上昇行程の区別とのデータ入力によって目標位置を特定する必要があったが、本発明によると仮想クランク角度のみで特定できるので入力データ数が少なくなり、設定作業が楽になるとともに制御装置内での演算処理が簡単になる。また、従来から機械式プレスを使用している作業者にとって、従来と同様に仮想クランク角度でスライド位置を把握するので、イメージ的に容易に設定モーションカーブやスライド位置が分かり易くなり、各種設定作業が容易にできるので、従来からの機械式プレスの採用ユーザが本サーボプレスの採用に移行し易くなる。
【0059】
また、上記各種動作データを仮想クランク角度およびスライド位置(高さ)のいずれか一方で設定可能なようにしたので、作業者の設定し易い方を選択してデータを入力でき、入力作業性が非常に良い。また、従来の機械式プレスのユーザだけでなく広範囲のユーザにとって使用し易いサーボプレスを構成できる。
このとき、仮想クランク角度およびスライド位置(高さ)のいずれか一方のデータを入力すると、他方のデータを自動的に演算して表示するようにしたので、設定値の確認が直ぐに容易にできる。
【0060】
また、上記設定されたモーションがグラフ的に表示されるので、視覚により直感的に、容易にモーションカーブの確認ができる。そして、そのモーションカーブ表示と共に、下限位置や待機位置に相当する仮想クランク角度及びこれに対応するスライド位置(高さ)のデータも表示するので、モーションカーブを容易に把握できる。さらに、そのグラフ的なモーションカーブ上に、現在のスライド位置を表示し、併せてその仮想クランク角度及びスライド位置データも表示するようにしたので、これにより現在位置が把握し易い。
【0061】
また、モニタ表示器には、スライドの位置として、対応する仮想クランク角度を直接数値で(0度以上360度未満)、または仮想クランク軸の回転に合わせたルーレットで表示するようにしたので、どのような運転モードのときでも作業者が仮想クランク角度を容易に確認でき、各種の作業性及び操作性が非常に良い。
【0062】
次に、図12、図13に基づき、第2実施形態を説明する。尚、前出までの図面に示した構成と同一の構成要素には同一符号を付し、ここでの説明を省く。
まず図12に示す機能ブロック図により、第2実施形態の各機能を説明する。
モーション/仮想回転角度対応テーブル91は、モーション設定手段17で設定されたスライドモーションに対応した仮想回転角度のテーブルを作成し、記憶する。このテーブルは、後述の図13にて説明するような手順により作成される。なお、スライド位置に対する仮想回転角度の精度は、外部周辺装置がこの仮想回転角度に同期して動作した時、干渉等が生じない程度に、例えば1度/100単位となるように演算されるものとする。
【0063】
そして、仮想回転角度演算部92は、プレス運転時、スライド3の上下動に伴って位置センサ33で検出したスライド位置信号と、上記モーション/仮想回転角度対応テーブル91に記憶した仮想回転角度テーブルとに基づき、現在のスライド位置信号に対応する仮想回転角度信号を演算する。
仮想回転角度出力部93は、この演算した仮想回転角度信号を受けて、本プレス機械のスライド動作と同期運転されるトランスファフィーダ装置等の外部周辺装置に出力する。
【0064】
ここで、図13により、モーション設定手段17での設定スライドモーションに対応した仮想回転角度テーブルの作成手順を説明する。図13は仮想回転角度の割り付け方法を説明しており、その左図は理想的なクランク軸の回転角度θ(上死点を0度または360度、下死点を180度と定義する)とスライド位置Pとの関係図である。また、その右図は、本実施形態に係る、スライド上死点と下死点との間に設定された所定の上限位置U1に対応する前記偏心軸28の第1角度と、下死点より手前の所定の下限位置D1に対応する前記偏心軸28の第2角度との間で、前記サーボモータ21を所定の速度で往復動させたときのスライド位置の変化を表したモーションである。すなわち、本例でのスライドモーションは、前記サーボモータ21を所定回転角度の範囲で正逆回転させるものである。
【0065】
いま、図13において、上限位置U1を理想的なクランク軸の回転角度θの0度(360度)に、また下限位置D1を該回転角度θの180度にそれぞれ対応させる。そして、理想的なクランク軸の回転を表す円Cと、その回転中心から1度/100毎に引いた半径の線との交点の回転角度を、0度(上限位置U1)側から360度に向けて順にα1,α2,〜αnとする。また、これらの回転角度α1,α2,〜αnから横軸に平行に引いた横線と、前記サーボモータ21を所定速度で往復動させたときのスライドモーションとの交点のスライド位置を、上限位置U1から下限位置D1を経て再度上限位置U1に向けて順にP1,P2,〜Pnとする。このとき、下降行程(上限位置U1から下限位置D1まで)のそれぞれのスライド位置P1,P2,〜に対応する下降行程の前記各回転角度θ1,θ2,〜をそれぞれ仮想回転角度α1,α2,〜と呼ぶ。同様に、上昇行程(下限位置D1から上限位置U1まで)のそれぞれのスライド位置Pnに対応する上昇行程の前記各回転角度αnをそれぞれ仮想回転角度αnと呼ぶ。上記の如く求めた設定モーション上の各スライド位置P1,P2,〜Pnと各仮想回転角度α1,α2,〜αn(1度/100毎)とを対応させてモーション/仮想回転角度対応テーブルを作成し、メモリ10aに記憶する。
【0066】
次に、第2実施形態による作用を説明する。
(1)先ず予め、モーション設定手段17でスライドモーションが設定される。このとき、第1実施形態で説明した仮想クランク角度及びスライド位置のいずれか一方によってモーションデータが設定可能となっている。
(2)この設定モーションに基づき、モーション/仮想回転角度対応テーブル91が作成される。
(3)プレス運転時、スライド3の上下動に伴い、位置センサ33で検出したスライド位置に対応した仮想回転角度を外部周辺装置に出力する。外部周辺装置(トランスファフィーダ装置等)は、入力した仮想回転角度に基づき、プレスのスライド上下動と同期運転される。また、同様にして、タイミング設定手段18によって設定されたタイミング信号(ロータリカム信号等)と、現在のスライド位置とに基づいて、所定のタイミング信号のオン/オフ出力が制御される。
【0067】
第2実施形態によると、第1実施形態による効果に加えて、さらに以下の効果が得られる。
実稼動時に、スライドモーションの上限位置(上死点も含む)から下限位置(下死点も含む)を経由して上限位置に到る1サイクルのスライド位置に対応して、クランク回転角度に相当する仮想回転角度を出力しているので、外部周辺機器との同期運転が容易に可能となる。すなわち、本電動サーボプレス1のスライドモーションを、偏心軸28の一方向回転(正転、逆転等)による上死点と下死点との間の移動のリンクモーションや、偏心軸28の所定角度の上限位置と下限位置との間の往復動のモーション等に任意に設定しても、該モーションに沿って移動するスライド3の位置を、従来より周辺装置との同期制御に使用されていたクランク回転角度に相当する仮想回転角度として出力できる。このため、周辺装置とスライドとで干渉も無く同期運転ができ、また従来から使用している周辺装置と同様のものを改造なしで使用できる。
【0068】
周辺装置との運転同期をとるための信号が従来のクランク角度に相当する仮想回転角度であるから、従来からクランク角度信号による周辺装置との同期運転制御に慣れているオペレータにとって同期運転のタイミングや作動状態を非常に理解し易いので、操作性が良く、また誤操作や勘違い等を少なくできる。
【0069】
以上説明したように、本発明によると以下の効果が得られる。
スライドモーションやタイミング信号等の設定を行う際に、スライド位置を仮想クランク角度に換算して設定し、表示するようにしたので、従来のように行程とスライド位置とで設定するのに比べてデータ設定が簡単で、操作性が良く、従来の機械式プレスに慣れた作業者にとってスライドの位置(高さ)が分かり易いので、使い易いサーボプレスを構成できる。
また、上記回転角度またはスライド位置を選択して設定できるようにしたので、作業者が分かり易い、設定し易いほうで設定でき、操作性が良い。このとき、設定した方のデータに対応する他方のデータを自動的に表示するようにしたため、設定データの確認が直ぐに容易にできる。
【0070】
また、現在のスライド位置を、仮想クランク角度で表し、数値やルーレット表示で表示するので、作業者が分かりやすく、作業性が良い。さらに、設定したモーションと共に、そのモーションカーブ上にスライド位置を表示するので、スライドの位置を直感的で把握し易い。
【0071】
また、プレス運転時には、1サイクルのスライドモーション上のスライド位置情報として、該スライド位置に対応した仮想回転角度(0度〜360度)を出力するようにしたので、スライド位置と外部周辺装置との同期運転が可能となる。さらに、本サーボプレスの任意のスライドモーション上のスライド位置に対して仮想回転角度を対応させることができるので、外部周辺装置との同期運転が確実にできる。またさらに、従来のクランク角度に相当する仮想回転角度を介して同期運転するので、従来の同期方式と変わらない方式で同期運転可能となり、本サーボプレス機を幅広い分野に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るハード構成ブロック図である。
【図2】第1実施形態に係るクランク角度の割り付けの説明図である。
【図3】第1実施形態に係る機能ブロック図である。
【図4】モーション設定画面例である。
【図5】モーション設定例である。
【図6】設定モーションのモニタ表示例である。
【図7】タイミング設定画面例である。
【図8】モニタ情報表示例である。
【図9】モーションのスライド位置表示例である。
【図10】本発明が適用されるサーボプレスの側面一部断面図である。
【図11】本発明が適用されるサーボプレスの背面一部断面図である。
【図12】第2実施形態に係る機能ブロック図である。
【図13】第2実施形態に係る仮想回転角度の割り付けの説明図である。
【図14】スライドのリンクモーション例である。
【符号の説明】
1…サーボプレス、3…スライド、4…ベッド、5…ボルスタ、6…油室、7…ねじ軸、9…インダクションモータ、10…制御器、11…プランジャ、12a…第1リンク、12b…第2リンク、13…三軸リンク、16…切換弁、17…モーション設定手段、18…タイミング設定手段、19…偏心軸角度センサ、20…スライド駆動部、21…サーボモータ、22a…第1プーリ、22b…第2プーリ、23…ベルト、27…駆動軸、28…偏心軸、33…位置センサ、34…補助フレーム、41…モーション作成部、42…指令演算部、43…スライド位置/クランク角度対応テーブル、44…モニタ情報表示部、45…サーボアンプ、46…タイミング制御テーブル作成部、47…タイミング出力指令演算部、48…タイミング信号出力部、91…モーション/仮想回転角度対応テーブル、92…仮想回転角度演算部、93…仮想回転角度出力部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、サーボモータで偏心軸を回転駆動し、この偏心軸に連結されたリンク機構を介してスライドを駆動するサーボプレスの制御装置に関し、特にはスライドモーションの設定作業性を改善した制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、プレス加工製品の高精密化(形状、寸法の精度が高い)、及び生産性向上のためのプレス加工の高速化が要求されて来て久しい。これに答えるプレスとして、例えば、サーボモータで上下方向へボールスクリューを直線駆動し、これにより直接スライドの位置及び速度を精度良く制御してスライドを精密に上下駆動する、いわゆる直動型サーボプレスが提案されている。(例えば、特許文献1参照。)
【0003】
【特許文献1】
特開平10−277799号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のようにボールスクリューで直接スライドを上下方向に駆動する構成では、スライドに掛かる負荷がボールスクリューにも掛かってしまうので、ボールスクリューが磨耗し易く、ボールスクリューの耐久性がプレスの性能に大きく影響するという問題がある。
【0005】
このため、従来からある機械式リンクプレスの良さを生かしつつ、サーボモータ駆動によるスライド精密制御性を取り入れた構造の、トグルリンク機構を有するサーボプレスの実現が強く要望されている。このようなサーボプレスの構成として、例えば、図10および図11にそれぞれ側面一部断面図、背面一部断面図を示すようなプレス機械が考えられる。同プレス機械1は、サーボモータ21でエキセン軸などの偏心軸28の回転を駆動し、この偏心軸28の偏心位置に連結されたトグルリンク機構(リンク13,12a,12bで構成される)を介してスライド3を上下駆動するように構成されている。そして、前記サーボモータ21を所定の回転速度で定速回転させると、偏心軸28の偏心長さ、前記リンク機構の各リンク長さ、偏心軸28の回転中心位置とトグルリンクとの関係等により決定される所定のリンクモーションでスライド3が駆動されることになる。なお、モーションは、スライド位置と時間との関係を表したものである。
【0006】
図14はスライドのリンクモーション例を表しており、横軸に時間tを、縦軸にスライド位置をそれぞれとっている。図14に実線で示しているのは、上記構成においてサーボモータ21を所定の回転速度で定速回転させた場合のリンクモーションであり、上述のように機械的な寸法により決定される。一方、上記構成によると、サーボモータ21でスライド3の位置および速度を精密に制御することが可能であるという特徴を有している。従って、これを利用して、上記リンクモーションよりもさらに精密で複雑な、例えば図14に2点鎖線で示すようなモーションを設定でき、このモーションに沿ってスライドを駆動して、より高精密に、かつより高い生産性で成形加工ができるサーボプレスの要望が大きくなっている。このために、所望するスライドモーションを任意に設定可能としたサーボプレスの制御装置が必要となる。
【0007】
ところで、サーボプレスにおけるスライドモーションの設定方法として、例えば、上下方向に移動自在なボールスクリューによりスライドを直接上下駆動する従来の直動型サーボプレスで行われているのと同様に、図14におけるt1〜t2、t2〜t3、t3〜t4などの複数段の定速度区間を設定し、各区間の始点および終点のスライド高さで表したスライド位置(図14のP1,P2.P3等)とスライド速度(各区間のモーション傾き)とを設定する方法が考えられる。しかしながら、この方法では次のような問題が生じる。
【0008】
(1)単にスライド高さで表したスライド位置によってモーション等を設定する際に、スライド位置を一義的に特定するためには、スライドが下降行程か又は上昇行程かの区別をしなければならない。このため、取り扱うデータ数が多くなるので、設定時の操作が煩わしくなるとともに、これらのデータに基づく演算処理が複雑になる。
(2)プレス加工時に用いる周辺機械との同期をとるためのタイミング信号(例えば、ロータリカム信号等)の動作条件を設定する場合、従来からのクランク式プレスやリンクプレス等の機械式プレスにおいて、クランク角度やリンク回転駆動部回転角度等の回転角(0度〜360度)によってタイミング信号を設定していた作業者にとっては、スライド位置からモーション上の位置をイメージするのは慣れていないので困難であり、従ってスライド位置による設定作業が面倒で、操作性が低下する。
【0009】
(3)クランク角度からスライドのクランクモーション上の位置をイメージするのに慣れている作業者にとっては、スライド位置からスライド高さをイメージするのは容易でないため、ダイハイト調整を行う時などに、手動操作での下死点へのスライド移動及び位置決めが簡単にできない。また、本体フレーム等の熱変形によりダイハイトが変化し、機械的な下死点位置が元の下死点位置よりも上方に変化したときには、スライド位置(ボルスタ上面からの高さ)のみの現在位置表示では、元の下死点位置まで戻すことができないので、下死点位置決め制御を完了することが事実上不可能であり、実用上ダイハイト調整が困難となる場合が発生する。
【0010】
またさらに、サーボプレスをトランスファフィーダや材料搬入装置等の外部周辺装置と同期をとって運転する必要がある場合には、スライドと前記外部周辺装置との干渉が発生しないように、スライド位置情報を外部周辺装置に出力してインターロックをとる必要がある。従来のクランク式プレスやリンク式プレス等の機械式プレスでは、スライドと前記外部周辺装置との同期をとるために、クランク軸やリンク回転機構の回転角度(以後、これらをクランク回転角度と呼ぶ)をスライド位置情報として出力している。ところが、上述した通り、前記サーボプレス1において、スライドモーションを任意に設定可能とし、スライドストローク長(スライド上限位置(上死点も含む)〜下限位置(下死点も含む)までのストローク)も任意に設定可能とした場合には、従来のようなクランク回転角度をスライド位置情報として用いることができない。このため、外部周辺装置との同期運転ができないのが実情である。
【0011】
本発明は、上記の問題点に着目してなされたもので、従来の機械式プレスでのクランクモーションと同様のクランク角度のイメージでスライドモーションやタイミング信号等のスライド位置の設定や表示を可能とし、またスライド位置と外部周辺装置との同期をとりながらの運転を可能とした、サーボプレスのスライド位置の設定方法と表示方法、及び外部周辺装置との同期方法、及びその制御装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
上記目的を達成するため、第1発明は、サーボモータにより所定の動力伝達機構を介してスライドを駆動するサーボプレスにおいて、運転のためのデータを設定する際に、スライド位置を仮想クランク角度に換算して設定することを特徴とするサーボプレスのスライド位置の設定方法としている。
【0013】
第1発明によれば、スライドモーションなどのプレス運転のためのデータを設定する際に、スライド位置を仮想クランク角度に換算して設定するから、従来の直動型サーボプレスの制御装置におけるスライド位置の設定方法では、スライド位置(高さ)とその行程との入力によって各スライド位置を特定する必要があったが、仮想クランク角度のみで特定できるので入力データ数が少なくなり、設定作業が楽になるとともに制御装置内での演算処理が簡単になる。また、従来の機械式プレスのクランク角度による設定方法に慣れている作業者にとっても、スライドの位置(下死点との関係)が分かり易くなり、非常に設定し易いので、機械式プレスの採用ユーザが本サーボプレスを採用し易くなる。
【0014】
さらに、仮想クランク角度で設定するので、例えばサーボモータで回転駆動部及びリンク機構を介してスライドを駆動するサーボプレス等において、この設定した仮想クランク角度データに基づいてスライド位置を制御するときに、ダイハイトが変化したとしても下死点位置決め制御を確実に完了することができる。このため、ダイハイト調整時などのスライド制御処理が問題無く実行できる。
【0015】
第2発明は、第1発明において、前記設定した仮想クランク角度を表示するようにした方法としている。
【0016】
第2発明によれば、設定した仮想クランク角度が表示されるので、クランク角度設定に慣れている作業者にとってスライドの位置を直感的に容易に把握し易いし、作業者が設定データを容易に確認できるので、データ設定ミスを防止できる。
【0017】
第3発明は、第2発明において、前記設定した仮想クランク角度と、それに対応するスライド位置とを表示するようにした方法としている。
【0018】
第3発明によれば、仮想クランク角度およびこれに対応するスライド位置を表示するので、設定データの確認が直ぐに容易にできて操作性が良い。また、実際のスライド高さとの対比が容易に可能なため、データ設定ミスを防止できる。
【0019】
また、第4発明は、第2または第3発明のサーボプレスのスライド位置の設定方法により設定されたモーションで運転する際のスライド位置表示方法において、前記設定されたモーションカーブによりスライド位置を表示する方法としている。
【0020】
第4発明によれば、モーションカーブを用いてスライド位置を表示するので、モーションカーブとの関連で現在のスライド位置を把握でき、直感的に分かり易い。
【0021】
また、第5発明は、第2または第3発明のサーボプレスのスライド位置の設定方法により設定されたモーションで運転する際のスライド位置表示方法において、現在のスライド位置を、対応する仮想クランク角度でルーレット表示部に表示する方法としている。
【0022】
第5発明によれば、仮想クランク角度によるルーレット表示でスライドの位置を表すので、直感的に直ぐにスライド位置を把握でき、操作性や作業性が良い。
【0023】
第6発明は、サーボモータにより所定の動力伝達機構を介してスライドを駆動するサーボプレスにおいて、プレス運転時に、予め設定されたスライドモーションの上限位置から下限位置を経て上限位置までの1サイクル間でスライドの現在位置を検出し、検出したスライド位置に対応する仮想回転角度を求め、この求めた仮想回転角度を外部周辺装置に出力することを特徴とするサーボプレスの外部周辺装置との同期方法としている。
【0024】
第6発明によれば、上限位置(上死点を含む)から下限位置(下死点を含む)を経て上限位置までの1サイクル中のスライド位置を、従来におけるクランク角度に相当する仮想回転角度(0度〜360度)に対応させるようにし、プレス運転時に、スライドの上下動に伴って、スライド位置に対応した前記仮想回転角度信号を出力するので、プレス機械のスライド位置と同期して作動する必要のある外部周辺装置をこの仮想回転角度を介して容易にスライド位置と同期をとることが可能となる。また、従来の同期方式と変わらない、クランク角度相当の仮想回転角度を介して同期制御が可能となるので、ハード及びソフトの大幅な変更なくして、同じ外部周辺装置を使用できる。このため、本サーボプレス機を幅広い分野に適用できる。
【0025】
第7発明は、第6発明において、前記仮想回転角度を介して外部周辺装置の動作とスライドの上下動とのインターロックをとって同期運転する外部周辺装置との同期方法としている。
【0026】
第7発明によれば、仮想回転角度を介して、スライド上下動と外部周辺装置とのインターロックをとるので、任意のスライドモーションに対しても、従来の同期方式と変わらない方式で容易に同期運転ができる。このため、本サーボプレス機を幅広い分野に適用できる。
【0027】
第8発明は、予め設定されたスライドモーションに沿ってスライドが移動するように、サーボモータを制御して、所定の動力伝達機構を介してスライドを駆動するサーボプレスの制御装置において、スライドの現在位置を検出する位置センサと、予め設定されたスライドモーションの上限位置から下限位置を経て上限位置までの1サイクル間でのスライド位置と仮想回転角度との対応関係を作成し、プレス運転時に、前記位置センサから入力したスライドの現在位置に対応して、前記対応関係に基づき求めた仮想回転角度を外部周辺装置に出力する制御器とを備えた構成としている。
【0028】
第8発明によれば、第6発明と同様の作用、効果を発揮する。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
【0030】
まず、本発明が適用されるサーボプレスの構成を図10、図11により説明する。図10及び図11は、それぞれサーボプレスの側面一部断面図及び背面一部断面図である。
プレス機械1はサーボプレスであり(以下、サーボプレス1と呼ぶ)、サーボモータ21によりスライド3を駆動している。サーボプレス1の本体フレーム2の略中央部にはスライド3が上下動自在に支承されており、スライド3に対向する下部には、ベッド4上に取付けられたボルスタ5が配設されている。スライド3の上部に形成された穴内には、ダイハイト調整用のねじ軸7の本体部が抜け止めされた状態で回動自在に挿入されている。ねじ軸7のねじ部7aは上方に向けてスライド3から露出し、ねじ軸7の上方に設けたプランジャ11の下部の雌ねじ部に螺合している。
【0031】
ねじ軸7の本体部外周にはウォームギヤ8のウォームホイール8aが装着されており、このウォームホイール8aに螺合したウォームギヤ8のウォーム8bはスライド3の背面部に取付けたインダクションモータ9の出力軸にギヤ9aを介して連結されている。インダクションモータ9は、軸方向長さを短くしてフラット形状に、コンパクトに構成されている。
【0032】
前記プランジャ11の上部は、第1リンク12aの一端部とピン11aにより回動自在に連結されており、この第1リンク12aの他端部と、本体フレーム2に一端部が回動自在に連結されている第2リンク12bの他端部との間には、三軸リンク13の一側に設けた2つの連結孔がピン14a,14bにより回動自在に連結されている。三軸リンク13の他側の連結孔は、詳細を後述するスライド駆動部20の偏心軸28に回動自在に連結されている。第1リンク12a、第2リンク12bおよび三軸リンク13により、リンク機構を構成している。
【0033】
本体フレーム2の側面部にはスライド駆動用のサーボモータ21が軸心をプレス左右方向に向けて取付けられており、該サーボモータ21の出力軸に取付けた第1プーリ22aと、サーボモータ21の上方に軸心をプレス左右方向に向けて回動自在に設けている中間シャフト24に取付けた第2プーリ22bとの間にはベルト23(通常はタイミングベルトで構成される)が巻装されている。また、中間シャフト24の上方の本体フレーム2には駆動軸27が回動自在に支承されており、駆動軸27の一端側に取付けたギヤ26は中間シャフト24に取付けたギヤ25と噛合している。そして、駆動軸27の軸心方向略中央部には偏心軸28が形成されており、この偏心軸28の外周部の偏心位置に前記三軸リンク13の他側が回動自在に連結されている。
【0034】
また、スライド3内には前記ねじ軸7の下端面部との間に密閉された油室6が形成されており、この油室6はスライド3内に形成されている油路6aを経由して切換弁16に接続されている。切換弁16は、油室6内への操作油の給排を切り換えるものである。切換弁16を通して油室6内に給油された操作油は、プレス加工時には、油室6内に閉塞され、加圧時の押圧力を油室6内の油を介してスライド3に伝達するようにしている。スライド3に過負荷が加わり、油室6内の油圧が所定の値を越えると油が図示しないリリーフ弁からタンクへ戻され、スライド3が所定量クッションし、スライド3および金型が破損しないようになっている。
【0035】
また、スライド3の背面部には、上下2箇所から本体フレーム2の側面部に向けて突出した1対のブラケット31,31が取付けてあり、上下1対のブラケット31,31間に位置検出ロッド32が取付けられている。位置検出用のスケール部が設けられている位置検出ロッド32には、リニアスケール等の位置センサ33の本体部が上下動自在に嵌挿している。位置センサ33は、本体フレーム2の側面部に設けられている補助フレーム34に固定されている。この補助フレーム34は上下方向に縦長に形成されており、下部がボルト35により本体フレーム2の側面部に取付けられ、上部が図示しない上下方向長孔内に挿入されたボルト36により上下方向摺動自在に支持され、側部が前後1対の支持部材37,37により当接、支持されている。
【0036】
補助フレーム34は、上下いずれか一側(本例では下側)のみを本体フレーム2に固定し、他側を上下動自在にして支持する構造としているため、本体フレーム2の温度変化による伸縮の影響を受けないようになっている。これにより、前記位置センサ33は、本体フレーム2の温度変化による伸縮の影響を受けずに、スライド位置及びダイハイトを正確に検出可能としている。
【0037】
図1は本発明の第1実施形態に係る制御装置のハード構成ブロック図であり、図1により制御構成を説明する。
本制御装置は制御器10、メモリ10a、モーション設定手段17、タイミング設定手段18、モニタ表示器19、位置センサ33、サーボアンプ45およびスライド駆動用のサーボモータ21を備えている。
【0038】
モーション設定手段17はスライドモーションを設定するための各種データを入力するものであり、このデータとしては、例えば図4に示すように、段数、基準速度(すなわち、スライドの許容最大速度)、待機角、待機位置、待機時間、各段毎の目標角、目標位置、移動速度、停止時間、等がある。このモーション設定手段17は、これらのモーションデータを入力するためのスイッチ及び/又はテンキーと、これらの入力データや設定完了し登録された設定データ等を表示する表示器とを有している。以下の実施形態では、透明タッチスイッチパネルを液晶表示器やプラズマ表示器等のグラフィック表示器の前面に装着した、いわゆるタッチパネル付きのプログラマブル表示器を用いて構成している。なお、モーション設定手段17は、予め設定されたモーションデータを記憶したICカード等の外部記憶媒体からのデータ入力装置、または、無線や通信回線を介してデータを送受信する通信装置を備えていてもよい。
【0039】
タイミング設定手段18は、プレス機械のスライドの動きにプレス機械およびプレスラインの周辺機器を同期させるためのタイミング信号を設定する入力手段であり、設定されるデータとしては、図7に示すように、信号名と、それに対するON位置の段番号とクランク角度と、OFF位置の段番号とクランク角度とがある。また、段番号は、下降行程または上昇行程中に図6に示すような一時戻しモーションが存在した場合の判別のために設定する。これらのタイミングデータを入力するためのスイッチ及び/又はテンキーと、これらの入力データや設定完了し登録された設定データ等を表示する表示器とを有しており、本実施形態では、前記モーション設定手段17と同様にタッチパネル付きのプログラマブル表示器を用いて構成している。なお、タイミング設定手段18は、予め設定された上記タイミングデータを記憶したICカード等の外部記憶媒体からのデータ入力装置、または、無線や通信回線を介してデータを送受信する通信装置を備えていてもよい。
【0040】
メモリ10aは、上記設定されたモーションデータおよびタイミングデータを記憶すると共に、スライド位置と仮想クランク角度との対応テーブルデータを記憶している。ここに、仮想クランク角度とは、前記サーボプレス1のスライド位置を、従来のクランク軸を有する機械式プレスにおけるクランク軸回転角度に仮想的に対応させたものである。上記スライド位置と仮想クランク角度との対応テーブルデータは、それぞれ次のようにして作成される。
【0041】
まず図2により、スライド位置と仮想クランク角度との対応テーブルの作成手順を説明する。図2はクランク角度の割り付け方法を説明しており、その左図は理想的なクランク軸の回転角度θ(上死点を0度または360度、下死点を180度と定義する)とスライド位置Pとの関係図である。また、その右図は、本実施形態における前記サーボモータ21を所定の一定速で正転させたときのスライド位置の変化を表したモーションである。
【0042】
いま、図2において、上死点Uから下死点Dまでの間のスライド位置を所定長さΔS毎に分割し、それぞれの分割した横線と、理想的なクランク軸の回転を表す円Cとの交点の回転角度を、0度(上死点U)側から360度に向けて順にθ1,θ2,〜θnとする。また、それぞれの分割した横線と、前記サーボモータ21を所定の一定速で正転させたときのスライド位置の変化を表したモーションとの交点のスライド位置を、上死点Uから下死点Dを経て次の上死点Uに向けて順にP1,P2,〜Pnとする。そして、下降行程(上死点Uから下死点Dまで)のそれぞれのスライド位置P1,P2,〜に対して、同一の分割線に対応する下降行程の前記各回転角度θ1,θ2,〜をそれぞれ仮想クランク角度θ1,θ2,〜と呼ぶ。同様に、上昇行程(下死点Dから次の上死点Uまで)のそれぞれのスライド位置Pnに対して、同一の分割線に対応する上昇行程の前記各回転角度θnをそれぞれ仮想クランク角度θnと呼ぶ。ここで、前記スライド位置の分割長さΔSを、近似誤差が無視できるような微小長さに設定している。上記の如く求めた各スライド位置P1,P2,〜Pnと各仮想クランク角度θ1,θ2,〜θnとを対応させてスライド位置/クランク角度対応テーブルを作成し、メモリ10aに記憶する。
【0043】
モニタ表示器19は、制御器10からの表示指令を入力し、表示指令に基づきスライド現在位置(高さ)、これに対応する仮想クランク角度現在値、および当該サーボプレスの各種信号、制御状態の内部情報等を表示しており、各種情報のモニタを可能としている。
また、前記位置センサ33は、検出したスライド位置を制御器10に出力している。
【0044】
制御器10はコンピュータ装置やPLC(プログラマブルロジックコントローラ、所謂プログラマブルシーケンサである)等の高速演算装置から構成されている。この制御器10は、前記メモリ10aに記憶したスライド位置/クランク角度対応テーブルを参照して、前記モーション設定手段17により設定されたモーションデータに基づいて、制御用のスライドモーションを作成し、スライドがこの作成されたモーションに沿って移動するように、詳細は後述する演算処理を行い、サーボモータ21の速度指令を求めてサーボアンプ45に出力する。また、制御器10は、前記スライド位置/クランク角度対応テーブルを参照して、前記タイミング設定手段18により設定されたタイミングデータに基づいて、スライド移動に同期して所定のタイミング信号を出力する。そして、さらに、現在のスライド位置、これに対応する現在の仮想クランク角度、モーションカーブ中の現在位置、及び現在のタイミング信号状態などの各種情報を監視し、モニタ表示器19に表示指令を出力する。
【0045】
サーボアンプ45には、図示しないサーボモータ回転角度センサからのモータ回転角度がフィードバックされている。サーボアンプ45は、制御器10からの速度指令とこのモータ回転角度から求まる速度フィードバック信号との偏差値を演算し、求めた偏差値に基づき、該偏差値を小さくするようにサーボモータ21を制御する。これにより、スライドの位置および速度が精度良く制御される。
【0046】
次に、図3に示す制御機能ブロック図に基づき、図4〜図9を参照しつつ制御装置の各制御機能を説明する。
【0047】
まず、モーション設定手段17では、例えば図4に示すような設定画面により各種のモーションデータが設定される。以下に、図4〜図6を参照して、モーション設定方法について詳細に説明する。図4はモーション設定画面例であり、図5はモーション設定例で、図6は設定モーションのモニタ表示例である。
【0048】
モーションデータは、個々の金型に応じて設定されるため、該金型に対応した型番号50を付与するようにしている。そして、様々な金型に柔軟に対応するために、任意のモーションが設定できるように、段数51、待機角52、待機位置53、基準速度54、待機時間55、そして各段毎の目標角56、目標位置57、移動速度58および停止時間59がそれぞれ設定可能となっている。例えば図5に示すようなモーションを設定する場合について説明する。段数51は設定すべき速度制御区間の1サイクル中の数(最後の区間は目標位置及び目標速度が自動的に決まるので設定の必要がないため、実際の段数より1つ少ない)を表し、ここでは4と設定している。待機位置53および待機角52は、それぞれ、上昇行程の最後にスライドが停止(次サイクル開始まで待機)する場合のスライド停止位置、およびそれに対応する仮想クランク角度で表す停止角度θnであり、そのいずれか一方にデータを入力すると、それに対応する他方のデータが自動的に演算され、表示されるようになっている。図4及び図5に示す例では、待機位置P0,待機角θ0である。また、待機時間55はその待機中の時間であり、ここではT0である。そして、基準速度54は、当該モーションでのサーボモータ21の許容最大速度を表しており、本例では予め決められたサーボモータ最大速度に対する%割合で設定するようにしている。
【0049】
また、各段毎の目標位置57および目標角56は、それぞれ、各段の最後スライド位置(これは、後段の開始位置に相当する)、およびこれに対応する仮想クランク角度θnであり、そのいずれか一方にデータ入力すると、それに対応する他方のデータが自動的に演算され、表示されるようになっている。本例では、仮想クランク角度の0度〜360度の範囲を1度毎に区切り、各区切られた範囲に対応するスライド位置の各範囲のテーブルを有し、これにより上記演算を行っている。図4,図5に示す例では、n段目が目標位置Pn,目標角θnである。このとき、目標位置57および目標角56のいずれか一方の入力データを訂正することもでき、この訂正した一方のデータに基づき他方のデータを訂正し、表示するようにしている。そして、各段毎の移動速度58および停止時間59は、それぞれ、各区間のスライド移動速度、および最終目標位置Pn(目標角θn)における移動停止時間であり、図5に示す例で言うと、2段目の移動速度58はP1からP2までのモーション傾き(=(P1−P2)/Ta)に相当し、その停止時間59はT2(0sec) である。なお、各段の移動速度58は、前記設定した当該モーションの基準速度54でのスライド最大速度に対する%割合で設定するようにしている。また、上記の設定が完了したら、設定データに基づいてサイクルタイムが自動的に演算され、その演算結果がサイクルタイム表示部68に表示される。
【0050】
次に、モーション作成部41は、モーション設定手段17で入力されたモーションデータに基づき、スライド位置/クランク角度対応テーブル43の関係データを参照して、図5に示すような、時間軸に対応するスライド位置のモーションカーブを作成する。なお、この作成されたモーションカーブは、作業者が確認できるように、モーション設定手段17の表示器に例えば図6に示すようにグラフ表示される。なお、図6のモーションカーブ66は、図5で説明したモーションカーブと異なる例で図示してある。スライド下限時のスライド位置67aと、これに対応する仮想クランク角度67bとが、上記モーションカーブ66と共に表示される。
【0051】
この後、指令演算部42は、前記作成されたモーションカーブに基づいて、所定のサーボ演算周期時間毎のスライド位置目標値を演算すると共に、このスライド位置目標値と、位置センサ33からのスライド位置のフィードバック信号との偏差値を求める。そして、この求めた偏差値に基づいて、偏差値を小さくするようにサーボアンプ45へのモータ速度指令値を演算して、出力する。
【0052】
モニタ情報表示部44は、プレス運転モード、現在のスライド位置、これに対応する仮想クランク角度、生産個数カウンタ値などの、当該サーボプレスの各種モニタ情報を監視して、前記モニタ表示器19に表示させる。このモニタ情報は、例えば図8、図9に示すような画面により表示される。なお、図8、図9では、前記モニタ表示器19にタッチパネル付きのプログラマブル表示器を用いた例で示している。
【0053】
図8において、運転状態表示部70には、運転準備完了、運転中、非常停止中などの運転状態が表示される。運転モード表示部71には、単動、寸動、安全一行程、連続などの運転モードの内、現在選択されているモードが表示される。また、仮想クランク角度表示部72には、現在のスライド位置に対応する仮想クランク角度が表示され、同図では、数値(0度から359度)で表示する角度表示部72bと、環状に配置した点表示(LEDや、グラフィック表示器によるポイント表示など)を角度に対応付けて回転点灯させるルーレット角度表示部72aとを有している。ルーレット角度表示部72aでは、一周360度を所定角度(例えば5度)ずつ分割して当該分割範囲を1個の点表示にて代表させて表示させるものである。さらに、スライド位置74には、位置センサ33により検出した現在のスライド位置(高さ)が表示される。また、サイクル数表示部73には、連続運転中の1分間当りのサイクル数が表示され、ストッピングタイム表示部75には、1サイクル中の合計待機時間が表示される。
【0054】
また、生産個数の積算値を表示するトータルカウンタ表示部76b、この生産個数の積算機能を選択する選択スイッチ部76a、自動運転開始から終了までの生産個数の積算機能を選択する選択スイッチ部77a、この積算値を表示するロットカウンタ表示部77b、同一ロットでの生産積算目標値を表示するロットカウンタ設定表示部77cをそれぞれ備えている。また、金型メンテナンスを行う時期までの生産個数積算機能を選択する選択スイッチ部78a、その積算値を表示する型メンテナンスカウンタ表示部78b、その設定目標積算値を表示する型メンテナンスカウンタ設定表示部78cが設けられている。そして、現在のダイハイトを表示するダイハイト表示部79、及びスライド荷重表示部80が設けられている。なお、スライド荷重表示部80に表示される荷重値は、図示しない荷重計により検出されたものである。
【0055】
また図9は、プレス運転中の現在のスライド位置をその移動に合わせて前記設定モーションカーブ上に表示する例を示しており、位置センサ33からのスライド位置、及び運転実行中の1サイクル内での行程位置(段数)に応じた位置を、モーションカーブ上の点81として点灯表示するようにする。
【0056】
次に、タイミング設定手段18では、例えば図7に示すような設定画面により各種のタイミングデータが設定される。図7を参照して、各タイミングデータを詳細に説明する。
タイミングデータも、各金型に対応した型番号60が設定されるようにしている。エジェクタと呼ばれるタイミング出力信号はスライド位置または仮想クランク角度に同期してオン/オフ出力される信号であり、その信号名61、各信号毎のオンするタイミングの段数62と仮想クランク角度63、および各信号毎のオフするタイミングの段数64と仮想クランク角度65を設定するようにしている。信号名61は、当該制御装置に備えてあるタイミング出力信号の各名称が表示されており、使用可能な信号の数だけ表示されるようになっている。オンするタイミングの段数62と仮想クランク角度63、およびオフするタイミングの段数64と仮想クランク角度65はそれぞれの対応する信号名の欄にデータ入力されるようになっており、前記設定されたモーション上の段数と仮想クランク角度によってそれぞれ設定される。
【0057】
タイミング制御テーブル作成部46は、タイミング設定手段18で入力されたタイミングデータに基づき、仮想クランク角度に対する各タイミング信号の制御テーブルを作成する。
そして、つぎに、タイミング出力指令演算部47では、プレス運転中に、位置センサ33からのスライド位置を監視し、スライド位置/クランク角度対応テーブル43を参照して前記現在のスライド位置を仮想クランク角度に変換し、この仮想クランク角度が前記制御テーブルの各信号毎の出力オン/オフの仮想クランク角度に達したら、当該タイミング出力信号の対応するオン/オフ出力指令をタイミング信号出力部48に出力する。
タイミング信号出力部48は、この各タイミング出力信号毎のオン/オフ出力指令に基づき、タイミング信号の出力を制御する。
【0058】
つぎに、本実施形態による効果を説明する。
スライドモーションやタイミング信号などの設定の際に、スライド位置で設定する代わりに仮想クランク角度によって設定し、その設定データを仮想クランク角度によって表示することを可能とした。このため、従来の直動型サーボプレスの制御装置ではスライド位置とそのときの下降工程または上昇行程の区別とのデータ入力によって目標位置を特定する必要があったが、本発明によると仮想クランク角度のみで特定できるので入力データ数が少なくなり、設定作業が楽になるとともに制御装置内での演算処理が簡単になる。また、従来から機械式プレスを使用している作業者にとって、従来と同様に仮想クランク角度でスライド位置を把握するので、イメージ的に容易に設定モーションカーブやスライド位置が分かり易くなり、各種設定作業が容易にできるので、従来からの機械式プレスの採用ユーザが本サーボプレスの採用に移行し易くなる。
【0059】
また、上記各種動作データを仮想クランク角度およびスライド位置(高さ)のいずれか一方で設定可能なようにしたので、作業者の設定し易い方を選択してデータを入力でき、入力作業性が非常に良い。また、従来の機械式プレスのユーザだけでなく広範囲のユーザにとって使用し易いサーボプレスを構成できる。
このとき、仮想クランク角度およびスライド位置(高さ)のいずれか一方のデータを入力すると、他方のデータを自動的に演算して表示するようにしたので、設定値の確認が直ぐに容易にできる。
【0060】
また、上記設定されたモーションがグラフ的に表示されるので、視覚により直感的に、容易にモーションカーブの確認ができる。そして、そのモーションカーブ表示と共に、下限位置や待機位置に相当する仮想クランク角度及びこれに対応するスライド位置(高さ)のデータも表示するので、モーションカーブを容易に把握できる。さらに、そのグラフ的なモーションカーブ上に、現在のスライド位置を表示し、併せてその仮想クランク角度及びスライド位置データも表示するようにしたので、これにより現在位置が把握し易い。
【0061】
また、モニタ表示器には、スライドの位置として、対応する仮想クランク角度を直接数値で(0度以上360度未満)、または仮想クランク軸の回転に合わせたルーレットで表示するようにしたので、どのような運転モードのときでも作業者が仮想クランク角度を容易に確認でき、各種の作業性及び操作性が非常に良い。
【0062】
次に、図12、図13に基づき、第2実施形態を説明する。尚、前出までの図面に示した構成と同一の構成要素には同一符号を付し、ここでの説明を省く。
まず図12に示す機能ブロック図により、第2実施形態の各機能を説明する。
モーション/仮想回転角度対応テーブル91は、モーション設定手段17で設定されたスライドモーションに対応した仮想回転角度のテーブルを作成し、記憶する。このテーブルは、後述の図13にて説明するような手順により作成される。なお、スライド位置に対する仮想回転角度の精度は、外部周辺装置がこの仮想回転角度に同期して動作した時、干渉等が生じない程度に、例えば1度/100単位となるように演算されるものとする。
【0063】
そして、仮想回転角度演算部92は、プレス運転時、スライド3の上下動に伴って位置センサ33で検出したスライド位置信号と、上記モーション/仮想回転角度対応テーブル91に記憶した仮想回転角度テーブルとに基づき、現在のスライド位置信号に対応する仮想回転角度信号を演算する。
仮想回転角度出力部93は、この演算した仮想回転角度信号を受けて、本プレス機械のスライド動作と同期運転されるトランスファフィーダ装置等の外部周辺装置に出力する。
【0064】
ここで、図13により、モーション設定手段17での設定スライドモーションに対応した仮想回転角度テーブルの作成手順を説明する。図13は仮想回転角度の割り付け方法を説明しており、その左図は理想的なクランク軸の回転角度θ(上死点を0度または360度、下死点を180度と定義する)とスライド位置Pとの関係図である。また、その右図は、本実施形態に係る、スライド上死点と下死点との間に設定された所定の上限位置U1に対応する前記偏心軸28の第1角度と、下死点より手前の所定の下限位置D1に対応する前記偏心軸28の第2角度との間で、前記サーボモータ21を所定の速度で往復動させたときのスライド位置の変化を表したモーションである。すなわち、本例でのスライドモーションは、前記サーボモータ21を所定回転角度の範囲で正逆回転させるものである。
【0065】
いま、図13において、上限位置U1を理想的なクランク軸の回転角度θの0度(360度)に、また下限位置D1を該回転角度θの180度にそれぞれ対応させる。そして、理想的なクランク軸の回転を表す円Cと、その回転中心から1度/100毎に引いた半径の線との交点の回転角度を、0度(上限位置U1)側から360度に向けて順にα1,α2,〜αnとする。また、これらの回転角度α1,α2,〜αnから横軸に平行に引いた横線と、前記サーボモータ21を所定速度で往復動させたときのスライドモーションとの交点のスライド位置を、上限位置U1から下限位置D1を経て再度上限位置U1に向けて順にP1,P2,〜Pnとする。このとき、下降行程(上限位置U1から下限位置D1まで)のそれぞれのスライド位置P1,P2,〜に対応する下降行程の前記各回転角度θ1,θ2,〜をそれぞれ仮想回転角度α1,α2,〜と呼ぶ。同様に、上昇行程(下限位置D1から上限位置U1まで)のそれぞれのスライド位置Pnに対応する上昇行程の前記各回転角度αnをそれぞれ仮想回転角度αnと呼ぶ。上記の如く求めた設定モーション上の各スライド位置P1,P2,〜Pnと各仮想回転角度α1,α2,〜αn(1度/100毎)とを対応させてモーション/仮想回転角度対応テーブルを作成し、メモリ10aに記憶する。
【0066】
次に、第2実施形態による作用を説明する。
(1)先ず予め、モーション設定手段17でスライドモーションが設定される。このとき、第1実施形態で説明した仮想クランク角度及びスライド位置のいずれか一方によってモーションデータが設定可能となっている。
(2)この設定モーションに基づき、モーション/仮想回転角度対応テーブル91が作成される。
(3)プレス運転時、スライド3の上下動に伴い、位置センサ33で検出したスライド位置に対応した仮想回転角度を外部周辺装置に出力する。外部周辺装置(トランスファフィーダ装置等)は、入力した仮想回転角度に基づき、プレスのスライド上下動と同期運転される。また、同様にして、タイミング設定手段18によって設定されたタイミング信号(ロータリカム信号等)と、現在のスライド位置とに基づいて、所定のタイミング信号のオン/オフ出力が制御される。
【0067】
第2実施形態によると、第1実施形態による効果に加えて、さらに以下の効果が得られる。
実稼動時に、スライドモーションの上限位置(上死点も含む)から下限位置(下死点も含む)を経由して上限位置に到る1サイクルのスライド位置に対応して、クランク回転角度に相当する仮想回転角度を出力しているので、外部周辺機器との同期運転が容易に可能となる。すなわち、本電動サーボプレス1のスライドモーションを、偏心軸28の一方向回転(正転、逆転等)による上死点と下死点との間の移動のリンクモーションや、偏心軸28の所定角度の上限位置と下限位置との間の往復動のモーション等に任意に設定しても、該モーションに沿って移動するスライド3の位置を、従来より周辺装置との同期制御に使用されていたクランク回転角度に相当する仮想回転角度として出力できる。このため、周辺装置とスライドとで干渉も無く同期運転ができ、また従来から使用している周辺装置と同様のものを改造なしで使用できる。
【0068】
周辺装置との運転同期をとるための信号が従来のクランク角度に相当する仮想回転角度であるから、従来からクランク角度信号による周辺装置との同期運転制御に慣れているオペレータにとって同期運転のタイミングや作動状態を非常に理解し易いので、操作性が良く、また誤操作や勘違い等を少なくできる。
【0069】
以上説明したように、本発明によると以下の効果が得られる。
スライドモーションやタイミング信号等の設定を行う際に、スライド位置を仮想クランク角度に換算して設定し、表示するようにしたので、従来のように行程とスライド位置とで設定するのに比べてデータ設定が簡単で、操作性が良く、従来の機械式プレスに慣れた作業者にとってスライドの位置(高さ)が分かり易いので、使い易いサーボプレスを構成できる。
また、上記回転角度またはスライド位置を選択して設定できるようにしたので、作業者が分かり易い、設定し易いほうで設定でき、操作性が良い。このとき、設定した方のデータに対応する他方のデータを自動的に表示するようにしたため、設定データの確認が直ぐに容易にできる。
【0070】
また、現在のスライド位置を、仮想クランク角度で表し、数値やルーレット表示で表示するので、作業者が分かりやすく、作業性が良い。さらに、設定したモーションと共に、そのモーションカーブ上にスライド位置を表示するので、スライドの位置を直感的で把握し易い。
【0071】
また、プレス運転時には、1サイクルのスライドモーション上のスライド位置情報として、該スライド位置に対応した仮想回転角度(0度〜360度)を出力するようにしたので、スライド位置と外部周辺装置との同期運転が可能となる。さらに、本サーボプレスの任意のスライドモーション上のスライド位置に対して仮想回転角度を対応させることができるので、外部周辺装置との同期運転が確実にできる。またさらに、従来のクランク角度に相当する仮想回転角度を介して同期運転するので、従来の同期方式と変わらない方式で同期運転可能となり、本サーボプレス機を幅広い分野に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るハード構成ブロック図である。
【図2】第1実施形態に係るクランク角度の割り付けの説明図である。
【図3】第1実施形態に係る機能ブロック図である。
【図4】モーション設定画面例である。
【図5】モーション設定例である。
【図6】設定モーションのモニタ表示例である。
【図7】タイミング設定画面例である。
【図8】モニタ情報表示例である。
【図9】モーションのスライド位置表示例である。
【図10】本発明が適用されるサーボプレスの側面一部断面図である。
【図11】本発明が適用されるサーボプレスの背面一部断面図である。
【図12】第2実施形態に係る機能ブロック図である。
【図13】第2実施形態に係る仮想回転角度の割り付けの説明図である。
【図14】スライドのリンクモーション例である。
【符号の説明】
1…サーボプレス、3…スライド、4…ベッド、5…ボルスタ、6…油室、7…ねじ軸、9…インダクションモータ、10…制御器、11…プランジャ、12a…第1リンク、12b…第2リンク、13…三軸リンク、16…切換弁、17…モーション設定手段、18…タイミング設定手段、19…偏心軸角度センサ、20…スライド駆動部、21…サーボモータ、22a…第1プーリ、22b…第2プーリ、23…ベルト、27…駆動軸、28…偏心軸、33…位置センサ、34…補助フレーム、41…モーション作成部、42…指令演算部、43…スライド位置/クランク角度対応テーブル、44…モニタ情報表示部、45…サーボアンプ、46…タイミング制御テーブル作成部、47…タイミング出力指令演算部、48…タイミング信号出力部、91…モーション/仮想回転角度対応テーブル、92…仮想回転角度演算部、93…仮想回転角度出力部。
Claims (8)
- サーボモータ(21)により所定の動力伝達機構を介してスライド(3)を駆動するサーボプレスにおいて、
運転のためのデータを設定する際に、スライド位置を仮想クランク角度に換算して設定する
ことを特徴とするサーボプレスのスライド位置の設定方法。 - 請求項1記載のサーボプレスのスライド位置の設定方法において、
前記設定した仮想クランク角度を表示するようにした
ことを特徴とするサーボプレスのスライド位置の設定方法。 - 請求項2記載のサーボプレスのスライド位置の設定方法において、
前記設定した仮想クランク角度と、それに対応するスライド位置とを表示するようにした
ことを特徴とするサーボプレスのスライド位置の設定方法。 - 請求項2または3記載のサーボプレスのスライド位置の設定方法により設定されたモーションで運転する際のスライド位置表示方法において、
前記設定されたモーションカーブによりスライド位置を表示する
ことを特徴とするサーボプレスのスライド位置の表示方法。 - 請求項2または3記載のサーボプレスのスライド位置の設定方法により設定されたモーションで運転する際のスライド位置表示方法において、
現在のスライド位置を、対応する仮想クランク角度でルーレット表示部に表示する
ことを特徴とするサーボプレスのスライド位置の表示方法。 - サーボモータ(21)により所定の動力伝達機構を介してスライド(3)を駆動するサーボプレスにおいて、
プレス運転時に、予め設定されたスライドモーションの上限位置から下限位置を経て上限位置までの1サイクル間でスライド(3)の現在位置を検出し、
検出したスライド位置に対応する仮想回転角度を求め、
この求めた仮想回転角度を外部周辺装置に出力する
ことを特徴とするサーボプレスの外部周辺装置との同期方法。 - 請求項6記載のサーボプレスの外部周辺装置との同期方法において、
前記仮想回転角度を介して外部周辺装置の動作とスライド(3)の上下動とのインターロックをとって同期運転する
ことを特徴とするサーボプレスの外部周辺装置との同期方法。 - 予め設定されたスライドモーションに沿ってスライド(3)が移動するように、サーボモータ(21)を制御して、所定の動力伝達機構を介してスライド(3)を駆動するサーボプレスの制御装置において、
スライド(3)の現在位置を検出する位置センサ(33)と、
予め設定されたスライドモーションの上限位置から下限位置を経て上限位置までの1サイクル間でのスライド位置と仮想回転角度との対応関係を作成し、プレス運転時に、前記位置センサ(33)から入力したスライド(3)の現在位置に対応して、前記対応関係に基づき求めた仮想回転角度を外部周辺装置に出力する制御器(10)とを
備えたことを特徴とするサーボプレスの制御装置。
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JP2002346732A JP2004058152A (ja) | 2002-06-05 | 2002-11-29 | サーボプレスのスライド位置の設定方法と表示方法、及び外部周辺装置との同期方法、及びその制御装置 |
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