JP3810159B2 - 直動型プレスの行程表示装置及びその表示方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、直動型プレスのスライド作動に伴う加工行程の表示装置及びその表示方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
直動型プレスは、上下方向に直線動作する駆動装置によって、スライドを上下方向に作動させている。この駆動装置としては、従来から、例えば油圧シリンダや直線駆動型電動モータ等が多く使用されている。通常、直動型プレスのスライドは位置制御されており、上限位置から下限位置までを反復動作することによって、成形、穴明け及び切断等の加工作業を行うようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の直動型プレスにおいて、例えば素材搬入、搬出機等の周辺機器と同期しながらプレス作業を行うには、プレス加工行程の所定のタイミング時に外部にインターロック信号を出力し、このインターロック信号によって周辺機器の作動を制御する必要がある。
【0004】
一方、スライドがクランク軸の回転によって駆動される、いわゆる機械式プレスにおいては、上記のインターロック信号として、ロータリカム装置の出力信号を採用している。このロータリカム装置は、予め設定されたクランク軸回転角度の所定範囲内で出力信号をオン又はオフさせる制御を行っている。すなわち、従来の機械式プレスにおいては、加工行程がクランク軸回転角度によって一義的に表されるので、クランク軸回転角度に基づいて周辺機器とのインターロックをとることができる。
【0005】
そして、この加工行程を作業者に分かりやすく表示するために、例えば図8に示すようなクランク軸回転角度の表示装置30を備えている。この表示装置30は複数個の発光素子31を略円形の環状に配設し、クランク軸回転角度の全範囲0°〜360°を所定角度(例えば、10°)毎に複数の区間に分割し、この分割された各区間を上記1個の発光素子31に対応させて、かつ、対応する角度が順次大きくなる方向に配設して表示している。また、上記ロータリカム信号のタイミングは、例えば図9に示すように、各ロータリカム信号のオン角度及びオフ角度の設定によって行われる。さらに、このロータリカム信号のオン角度及びオフ角度の設定時には、上記の表示装置30によって、上記ロータリカム信号がオン又はオフする角度範囲が分かり易く表示されており、対応するオン角度範囲(例えば100°〜250°)内の上記発光素子31を全て点灯している。これによって、作業者は容易にロータリカム信号の出力状態及び加工行程等を確認することができる。
【0006】
ところが、直動型プレスでは、上記のようなクランク軸回転角度に相当する回転角度を検出できない機構になっているので、従来のロータリカム装置をそのまま使用することができない。このために、上記のロータリカム信号と同等の機能を有するタイミング信号を生成する必要があるが、ここで問題になるのは、直動型プレスでの加工行程をどのように表すかということである。言い換えると、加工行程の任意の位置や時点を一義的に表すことができれば、この加工行程の表現に基づいて上記タイミング信号を生成することが可能となる。
【0007】
しかしながら、これまでに、直動型プレスにおいて加工行程を一義的に表現できる方法を開示した従来技術は無く、このために、周辺機器との同期をとりながら加工作業を行うことが非常に困難となっている。
また、直動型プレスにおいて加工行程を表示する方法及び手段がこれまでに開示されていないので、作業者が加工行程を認識することができないという問題がある。よって、作業者にとって分かり易く、かつ、見易い加工行程の表示方法が求められている。
【0008】
本発明は、上記の問題点に着目してなされたものであり、各プレス行程を一義的に表して周辺機器との同期をとるタイミング信号の表示に適した直動型プレスの行程表示装置及びその表示方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、
スライド4が下降行程で上限位置Uから下限位置Lに、また上昇行程で下限位置Lから上限位置Uに上下方向に直線駆動され、下限位置Lで所定時間加圧力を保持する加圧行程と、上限位置Uで次の下降行程開始まで所定時間停止する停止行程とを設けた直動型プレス1の行程表示装置において、
前記下降行程のスライド4の任意の位置を識別可能に表示すると共に、スライド4の前記上限位置Uを上端部に、前記下限位置Lを下端部に、また、前記上限位置Uと前記下限位置L間の位置をこの位置と前記上限位置U又は前記下限位置Lとの相対距離に対応した位置に表示する第1表示器11と、
前記上昇行程のスライド4の任意の位置を識別可能に表示すると共に、スライド4の前記上限位置Uを上端部に、前記下限位置Lを下端部に、また、前記上限位置Uと前記下限位置L間の位置をこの位置と前記上限位置U又は前記下限位置Lとの相対距離に対応した位置に表示する第3表示器13と、
前記加圧行程の加圧時間を表す時間軸の任意の時点を識別可能に表示すると共に、前記加圧行程の開始時点を前記第1表示器11側の端部に、前記加圧行程の終了時点を前記第3表示器13側の端部に、また、前記加圧行程の開始時点と前記加圧行程の終了時点間の時点をこの時点の前記加圧行程の開始時点からの経過時間に対応した位置に表示する第2表示器12と、
前記停止行程の停止時間を表す時間軸の任意の時点を識別可能に表示すると共に、前記停止行程の終了時点を前記第1表示器11側の端部に、前記停止行程の開始時点を前記第3表示器13側の端部に、また、前記停止行程の開始時点と前記停止行程の終了時点間の時点をこの時点の前記停止行程の開始時点からの経過時間に対応した位置に表示する第4表示器14とを備え、
前記第1表示器11と前記第3表示器とを互いに略平行で、かつ、略縦方向に配設し、前記第2表示器12と前記第4表示器14とを互いに略平行で、かつ、略横方向に配設し、前記第1表示器11、第2表示器12、第3表示器13および第4表示器14を順に環状に設けた構成としている。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、
スライド4が下降行程で上限位置Uから下限位置Lに、また上昇行程で下限位置Lから上限位置Uに上下方向に直線駆動され、下限位置Lで所定時間加圧力を保持する加圧行程と、上限位置Uで次の下降行程開始まで所定時間停止する停止行程とを設けた直動型プレス1の行程表示方法において、
略縦方向に配設された第1表示器11に、前記下降行程のスライド4の任意の位置を識別可能に表示すると共に、スライド4の前記上限位置Uを上端部に、前記下限位置Lを下端部に、また、前記上限位置Uと前記下限位置L間の位置をこの位置と前記上限位置U又は前記下限位置Lとの相対距離に対応した位置に表示し、
前記第1表示器11に略平行に配設された第3表示器13に、前記上昇行程のスライド4の任意の位置を識別可能に表示すると共に、スライド4の前記上限位置Uを上端部に、前記下限位置Lを下端部に、また、前記上限位置Uと前記下限位置L間の位置をこの位置と前記上限位置U又は前記下限位置Lとの相対距離に対応した位置に表示し、
略横方向に配設された第2表示器12に、前記加圧行程の開始時点を前記第1表示器11側の端部に、前記加圧行程の終了時点を前記第3表示器13側の端部に、また、前記加圧行程の開始時点と前記加圧行程の終了時点間の時点を前記加圧行程の開始時点からの経過時間に対応した位置に表示し、
前記第2表示器12に略平行に配設された第4表示器14に、前記停止行程の終了時点を前記第1表示器11側の端部に、前記停止行程の開始時点を前記第3表示器13側の端部に、また、前記停止行程の開始時点と前記停止行程の終了時点間の時点を前記停止行程の開始時点からの経過時間に対応した位置に表示し、
前記第1表示器11、第2表示器12、第3表示器13および第4表示器14を順に環状に設けて表示する方法としている。
【0011】
請求項1及び請求項3に記載の発明によると、下降行程、加圧行程、上昇行程及び停止行程にそれぞれ対応して各表示器を順に環状に配設しているので、各行程でのスライド位置又は経過時間を一義的に対応させて表現できるので、行程の確認が間違いなくできる。また、下降行程及び上昇行程でのスライド位置は、スライドの上下方向の移動に対応させて略縦方向に、かつ、上限位置又は下限位置との相対距離に対応した位置に表示しているので、直観的で分かり易い。また、加圧行程又は停止行程での経過時間は、それぞれ、下降行程の終了位置から上昇行程の開始位置まで、又は上昇行程の終了位置から下降行程の開始位置まで、略横方向に、かつ、経過時間に対応した位置に表示しているので、感覚的に分かり易い。したがって、作業者が各行程を間違いなく確認することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の直動型プレスの行程表示装置において、
周辺機器との連動の同期をとるタイミング信号の設定されたオン又はオフ範囲を、前記下降行程、上昇行程、加圧行程及び停止行程の各表示器11、13、12、14でのスライド位置及び/又は時間軸の対応する範囲に色分けして、あるいは、点灯又は非点灯の区別によって識別可能に表示している。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の直動型プレスの行程表示方法において、
周辺機器との連動の同期をとるタイミング信号の設定されたオン又はオフ範囲を、前記下降行程、上昇行程、加圧行程及び停止行程の各表示器11、13、12、14でのスライド位置及び/又は時間軸の対応する範囲に色分けして、あるいは、点灯又は非点灯の区別によって識別可能に表示する方法としている。
【0014】
請求項2及び請求項4に記載の発明によると、タイミング信号がオンする行程範囲を設定したとき、このオン又はオフする行程範囲を、下降行程、上昇行程、加圧行程及び停止行程の各表示器11、13、12、14でのスライド位置及び/又は時間軸の対応する範囲に識別可能に表示している。この識別表示は、色分け表示、あるいは、点灯又は非点灯の区別によって可能である。この結果、タイミング信号の設定範囲が分かり易く、作業者が設定し易くなるので、設定ミスが無くなる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して実施形態を詳細に説明する。
図1〜図6に基づいて、第1実施形態を説明する。
図1は直動型プレスの一例である油圧プレス装置の要部側面図を示している。直動型プレス1の本体後部の左右にはCフレーム7が配設されており、Cフレーム7の下部にはベッド9が設けられ、ベッド9の上部にボルスタ3が設置されている。また、Cフレーム7の上部には油圧シリンダ等のスライド駆動手段2が取着されており、さらに、Cフレーム7の上部で、かつ、スライド駆動手段2の下方にはボルスタ3と対向した位置にスライド4が上下動自在に配設されている。スライド4はスライド駆動手段2によって上下駆動されるようになっており、このスライド4の上下駆動に伴って、前記ボルスタ3の上面に設けられた下型(図示せず)と、前記スライド4の下面に設けられた上型(図示せず)との間でプレス加工が行われる。
【0016】
また、上記Cフレーム7の開口部近傍に、この開口部と略同様の形状を成す補助フレーム5が配設されている。この補助フレーム5の下端側はピン6によってCフレーム7の側面に回動自在に取着されている。さらに、補助フレーム5の上端側とスライド4の後部側との間に、リニアセンサよりなるスライド位置検出手段8が配設されている。
【0017】
このスライド位置検出手段8は、軸心方向がスライド4の移動方向と平行で、かつ、スライド4の後部に支持されたセンサロッド8aと、このセンサロッド8aに嵌挿され、かつ、上記補助フレーム5の上端側に取着されたセンサヘッド8bとからなっている。そして、スライド4の上下動に伴ってセンサロッド8aがセンサヘッド8bに対して上下動し、これによって、センサヘッド8bの内部の位置検出素子(図示せず)によりスライド4の位置がボルスタ3の上面からの高さとして検出されるようになっている。このスライド位置検出手段8が検出したスライド4の位置信号は図示しない制御装置に入力され、この制御装置は上記位置信号に基づいて前記スライド駆動手段2を駆動してスライド4の位置を所定のモーションカーブに沿うように制御する。
【0018】
上記モーションカーブは、例えば図2に示されるように、縦軸をスライド4の位置で表し、また、横軸をスライド4の上限位置Uで起動してからの経過時間tで表している。いま、ここで、直動型プレス1はスライド4を上限位置Uと下限位置L間で反復作動させるものとし、この上限位置Uと下限位置L間の距離をストローク長Sで表す。このとき、直動型プレス1によるプレス加工行程は、スライド4が上限位置Uから下限位置Lまで移動する下降行程と、下限位置Lでスライド4の位置及び加圧力を保持する加圧行程と、下限位置Lから上限位置Uまで移動する上昇行程とによって表すことができる。
【0019】
さらに下降行程は、上限位置U(モーションカーブ上のA点に相当)から加圧開始手前の所定位置(モーションカーブ上のB点に相当)まで高速で下降する下降領域と、上記加圧開始手前の所定位置から下限位置L(モーションカーブ上のC点に相当)まで低速(加圧速度に対応)で下降する加圧成形領域とによって表される。加圧行程(モーションカーブ上のC点〜D点に相当)においては、下限位置Lに到達してから予め設定された加圧保持時間t0 が経過するまで、スライド4の位置及び加圧力を保持する。また、上昇行程は、上記加圧行程終了時点(モーションカーブ上のD点に相当)から所定位置(モーションカーブ上のE点に相当)まで低速で上昇する低速上昇領域と、上記所定位置(モーションカーブ上のE点)から上限位置U(モーションカーブ上のF点に相当)まで高速で上昇する高速上昇領域とによって表される。そして、高速上昇領域の終了時点(モーションカーブ上のF点に相当)から、次に下降行程の開始時点(次回のモーションカーブ上のA点に相当)までの時間は、停止行程となる。
【0020】
図3は、本発明に係わる直動型プレスの行程表示装置の一例を示している。表示装置10は、下降行程を表す第1表示器11と、加圧行程を表す第2表示器12と、上昇行程を表す第3表示器13と、上限位置Uでの停止行程を表す第4表示器14とからなっている(以下、単に、「表示器11」「表示器12」「表示器13」「表示器14」と表記する。)。表示器11と表示器13は、互いに略平行で、かつ、略縦方向に配設され、また表示器12と表示器14は、互いに略平行で、かつ、略横方向に配設され、これらの表示器は、表示器11、表示器12、表示器13そして表示器14の順に全体として環状に配設されている。また、各表示器は長手方向に所定間隔で配列された複数の表示素子を備えている。各表示素子は例えば発光ダイオード、液晶表示素子等によって構成してもよいし、あるいは、表示装置10をEL表示器、液晶表示器、プラズマ表示器又はCRT表示器などのグラフィック表示器によって構成し、上記各表示器11、12、13、14をグラフィック表示させてもよい。
【0021】
ここで、表示器11の長手方向の上端は上限位置U及び下降開始位置Aを、下端は下限位置Lを、そして長手方向の表示長さは、上限位置Uと下限位置L間の距離の前記ストローク長Sを表している。表示器12の長手方向の表示器11側の端部(図で右端)は加圧行程の開始時点Cを、表示器13側の端部(図で左端)は加圧行程の終了時点Dを、そして長手方向の表示長さは前記加圧保持時間t0 を表している。また、表示器13の長手方向の下端は下限位置Lを、上端は上限位置U及び高速上昇終了位置Fを、そして長手方向の表示長さは表示器11と同様に前記ストローク長Sを表している。また、表示器14の長手方向の表示器13側の端部(図で左端)は停止行程の開始時点(Fに相当)を、表示器11側の端部(図で右端)は停止行程の終了時点(Aに相当)を、そして長手方向の表示長さは前記停止時間tr を表している。
【0022】
上記のように表された各行程における任意のタイミングを一義的に表現するため、以下に説明するように各行程に適した方法で表している。すなわち、下降行程及び上昇行程では、この行程の種類と、スライド4の位置とによって上記タイミングを表現している。上記表示装置10では、例えば、下降行程での加圧成形領域の開始位置Bは、開始位置Bと下限位置L(又は上限位置U)間の相対距離のストローク長Sに対する比率に基づいて、表示器11の対応する位置に表示される。また、同様にして、上昇行程での高速上昇開始位置Eは、高速上昇開始位置Eと下限位置L(又は上限位置U)間の相対距離のストローク長Sに対する比率に基づいて、表示器13の対応する位置に表示される。また、加圧行程では、開始時点Cからの経過時間ts によってタイミングを表現している。このような表現によって、各行程での任意のタイミング、つまり位置又は時点を一義的に表現できるので、従来のロータリカム信号に対応するタイミング信号を生成することが容易に可能となる。また、実稼働時に、現在実行中の行程に対応した位置又は時点を表示装置10に表示することによって、作業者が行程の実行状態を容易にモニタできる。
【0023】
図4に、複数のタイミング信号の出力オン位置及び出力オフ位置を設定する方法を示している。ここでは、これらのタイミングを設定するための表示をグラフィック画面による場合を説明しており、図4はその設定画面の一例を示している。なお、以下の説明で、設定に必要な数値等の入力や行程選択入力は図示しない入力手段(例えば、テンキー、選択スイッチ、又はこれと同等機能を有するもの)によって行われるものとする。
【0024】
同図において、1番目のタイミング信号が、例えば下降行程で、かつ、スライド位置が200mmのとき出力をオンし、そして上昇行程で、かつ、スライド位置が300mmのとき出力をオフするように設定されたとする。この場合、設定された1番目のタイミング信号のオンする行程を表示装置10に表示することによって、上記設定データを確認できるようにしてあり、上記の設定例では図5のように表示される。同図では、タイミング信号がオンしている行程の範囲を表示器11等の各表示素子の点灯によって表示する例を示し、斜線で図示された範囲が点灯している。すなわち、下降行程で、かつ、スライド位置が200mmに対応する表示器11の表示素子の位置21から、表示器12を経由し、上昇行程で、かつ、スライド位置が300mmに対応する表示器13の表示素子の位置22までの区間の全表示素子が点灯している。
【0025】
また、他の例を説明すると、2番目のタイミング信号が、例えば加圧行程の加圧開始時点Cからの経過時間が2秒のとき出力をオンし、そして上昇行程で、かつ、スライド位置が210mmのとき出力をオフするように設定されたとする。この場合、2番目のタイミング信号がオンする行程は表示装置10によって図6のように表示される。前記同様に、タイミング信号がオンしている行程の範囲を各表示素子の点灯によって表示すると、斜線で図示された範囲が点灯し、加圧行程の加圧開始時点Cからの経過時間が2秒の時点に対応する表示器12の表示素子の位置23から、上昇行程で、かつ、スライド位置が210mmに対応する表示器13の表示素子の位置24までの区間の全表示素子が点灯している。
【0026】
上記のように設定された各タイミング信号は、直動型プレス1をモーションカーブに沿って実稼働する際、図示しない前記制御装置によって、設定された所定のタイミングで出力のオン又はオフ制御が行われる。すなわち、制御装置はモーションカーブに沿ってスライド4を駆動しながらスライド位置検出手段8からのスライド位置信号を監視し、上記1番目のタイミング信号に対して、下降行程で、かつ、スライド位置が200mmに到達したとき、その出力をオンし、この後、上昇行程で、かつ、スライド位置が300mmに到達したとき、その出力をオフする。同様にして、上記2番目のタイミング信号に対しては、加圧行程の加圧開始時点Cからの経過時間が2秒の時点に到達したとき、その出力をオンし、この後、上昇行程で、かつ、スライド位置が210mmに到達したとき、その出力をオフする。このようにして、各タイミング信号は、設定された任意の行程の任意の位置又は時点から、他の任意の行程の任意の位置又は時点まで、出力のオン又はオフが制御される。そして、周辺機器は、これらのタイミング信号を入力することにより、直動型プレス1と同期して作業を行うことが可能となる。
【0027】
なお、図4で示された設定画面においては、各タイミング信号に対応する状態モニタ表示部が設けられており、稼働中に各タイミング信号の現在のオン/オフ状態をモニタ表示可能となっている。この状態モニタ表示部では、例えばオン時に点灯し、オフ時に消灯するようにしている。
【0028】
このように構成したので、各行程の任意の位置又は時点を一義的に表現でき、行程の識別が可能となる。したがって、直動型プレス1においても、周辺機器との同期運転ができるので、周辺機器との連動によるプレス作業の自動化が可能となる。また、各行程の位置又は時点の表示が、これに対応した行程での作動状態を直観的に表しているので、作業者にとって非常に分かり易く、また行程の確認が容易となる。さらに、タイミング信号のオン又はオフする範囲や、稼働中の現在のオン/オフ状態を、各行程に対応させてモニタ表示しているので、作業者にとって非常に分かり易く、動作の確認やトラブルシュートが容易となる。
【0029】
なお、本実施形態においては、表示装置10の各表示器は、表示器11、表示器12、表示器13そして表示器14の順に時計回りに環状に配設されているが、本発明はこれに限定しなくてもよく、例えば反時計回りに配設するようにしてもよい。
【0030】
次に、第2実施形態に係わる直動型プレスの行程表示装置を図7に基づいて説明する。同図において、図3と同一の構成には同じ符号を付しており、ここでの説明を省く。
図7において、表示装置10は、下降行程を表す表示器11と、加圧行程を表す表示器12と、上昇行程を表す表示器13と、上限位置Uでの停止行程を表す表示器14とからなっている。そして、表示器11と表示器13は、互いに略平行で、かつ、図示の上下方向に対して所定角度αだけ傾斜しているが略縦方向に配設されている。また、表示器12と表示器14は、互いに略平行で、かつ、図示の左右方向に対して所定角度βだけ傾斜しているが略横方向に配設されている。これらの表示器11、12、13、14は順に時計回りに環状に配設されているが、反時計回りに配設されてもよい。また、上記各表示器は、前実施形態と同様に、長手方向に所定間隔で配列された複数の表示素子を備えており、各表示素子の構成も前実施形態と同様である。
【0031】
本実施形態においても、表示器11の長手方向の上端は上限位置U及び下降開始位置Aを、下端は下限位置Lを、そして長手方向の表示長さは、上限位置Uと下限位置L間の距離の前記ストローク長Sを表している。表示器12の長手方向の表示器11側の端部(図で右端)は加圧行程の開始時点Cを、表示器13側の端部(図で左端)は加圧行程の終了時点Dを、そして長手方向の表示長さは前記加圧保持時間t0 を表している。また、表示器13の長手方向の下端は下限位置Lを、上端は上限位置U及び高速上昇終了位置Fを、そして長手方向の表示長さは表示器11と同様に前記ストローク長Sを表している。また、表示器14の長手方向の表示器13側の端部(図で左端)は停止行程の開始時点(Fに相当)を、表示器11側の端部(図で右端)は停止行程の終了時点(Aに相当)を、そして長手方向の表示長さは前記休止時間tr を表している。
【0032】
このような構成の表示装置において、各行程の位置及び時点の表現方法は前実施形態と同様としている。よって、任意の行程の任意の位置又は時点を一義的に表現できるので、前記タイミング信号の生成が可能となり、直動型プレスでの周辺機器との同期運転が可能となる。したがって、容易に周辺機器と連動させた自動化が可能となる。また、各行程の位置又は時点の表示が、これに対応した行程での作動状態を直観的に表しているので、作業者にとって非常に分かり易く、また行程の確認が容易となる。さらに、タイミング信号のオン又はオフする範囲や、稼働中の現在のオン/オフ状態を、各行程に対応させてモニタ表示しているので、作業者にとって非常に分かり易く、動作の確認やトラブルシュートが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる直動型プレスの一例の油圧プレス装置の要部側面図を示す。
【図2】直動型プレスのモーションカーブの一例を示す。
【図3】本発明に係わる第1実施形態の行程表示装置の一例を示す。
【図4】本発明に係わるタイミング信号の出力オン/オフ設定方法を示す。
【図5】本発明に係わる行程表示装置でのタイミング信号の出力オン/オフ設定時の表示例を示す。
【図6】本発明に係わる行程表示装置でのタイミング信号の出力オン/オフ設定時の表示例を示す。
【図7】本発明に係わる第2実施形態の行程表示装置の一例を示す。
【図8】従来技術に係わる機械式プレスのクランク軸回転角度の表示装置を示す。
【図9】従来技術に係わるロータリカム信号の出力タイミングの設定方法を示す。
【符号の説明】
1…直動型プレス、2…スライド駆動手段、3…ボルスタ、4…スライド、5…補助フレーム、6…ピン、7…Cフレーム、8…スライド位置検出手段、8a…センサロッド、8b…センサヘッド、9…ベッド、10…表示装置、11、12、13、14…表示器、30…装置装置、31…発光素子、U…上限位置、L…下限位置、S…ストローク長、tr …停止時間、t0 …加圧保持時間、ts …開始時点Cからの経過時間。
Claims (4)
- スライド4が下降行程で上限位置Uから下限位置Lに、また上昇行程で下限位置Lから上限位置Uに上下方向に直線駆動され、下限位置Lで所定時間加圧力を保持する加圧行程と、上限位置Uで次の下降行程開始まで所定時間停止する停止行程とを設けた直動型プレス1の行程表示装置において、
前記下降行程のスライド4の任意の位置を識別可能に表示すると共に、スライド4の前記上限位置Uを上端部に、前記下限位置Lを下端部に、また、前記上限位置Uと前記下限位置L間の位置をこの位置と前記上限位置U又は前記下限位置Lとの相対距離に対応した位置に表示する第1表示器11と、
前記上昇行程のスライド4の任意の位置を識別可能に表示すると共に、スライド4の前記上限位置Uを上端部に、前記下限位置Lを下端部に、また、前記上限位置Uと前記下限位置L間の位置をこの位置と前記上限位置U又は前記下限位置Lとの相対距離に対応した位置に表示する第3表示器13と、
前記加圧行程の加圧時間を表す時間軸の任意の時点を識別可能に表示すると共に、前記加圧行程の開始時点を前記第1表示器11側の端部に、前記加圧行程の終了時点を前記第3表示器13側の端部に、また、前記加圧行程の開始時点と前記加圧行程の終了時点間の時点をこの時点の前記加圧行程の開始時点からの経過時間に対応した位置に表示する第2表示器12と、
前記停止行程の停止時間を表す時間軸の任意の時点を識別可能に表示すると共に、前記停止行程の終了時点を前記第1表示器11側の端部に、前記停止行程の開始時点を前記第3表示器13側の端部に、また、前記停止行程の開始時点と前記停止行程の終了時点間の時点をこの時点の前記停止行程の開始時点からの経過時間に対応した位置に表示する第4表示器14とを備え、
前記第1表示器11と前記第3表示器とを互いに略平行で、かつ、略縦方向に配設し、前記第2表示器12と前記第4表示器14とを互いに略平行で、かつ、略横方向に配設し、前記第1表示器11、第2表示器12、第3表示器13および第4表示器14を順に環状に設けたことを特徴とする直動型プレスの行程表示装置。 - 請求項1に記載の直動型プレスの行程表示装置において、
周辺機器との連動の同期をとるタイミング信号の設定されたオン又はオフ範囲を、前記下降行程、上昇行程、加圧行程及び停止行程の各表示器11、13、12、14でのスライド位置及び/又は時間軸の対応する範囲に色分けして、あるいは、点灯又は非点灯の区別によって識別可能に表示したことを特徴とする直動型プレスの行程表示装置。 - スライド4が下降行程で上限位置Uから下限位置Lに、また上昇行程で下限位置Lから上限位置Uに上下方向に直線駆動され、下限位置Lで所定時間加圧力を保持する加圧行程と、上限位置Uで次の下降行程開始まで所定時間停止する停止行程とを設けた直動型プレス1の行程表示方法において、
略縦方向に配設された第1表示器11に、前記下降行程のスライド4の任意の位置を識別可能に表示すると共に、スライド4の前記上限位置Uを上端部に、前記下限位置Lを下端部に、また、前記上限位置Uと前記下限位置L間の位置をこの位置と前記上限位置U又は前記下限位置Lとの相対距離に対応した位置に表示し、
前記第1表示器11に略平行に配設された第3表示器13に、前記上昇行程のスライド4の任意の位置を識別可能に表示すると共に、スライド4の前記上限位置Uを上端部に、前記下限位置Lを下端部に、また、前記上限位置Uと前記下限位置L間の位置をこの位置と前記上限位置U又は前記下限位置Lとの相対距離に対応した位置に表示し、
略横方向に配設された第2表示器12に、前記加圧行程の開始時点を前記第1表示器11側の端部に、前記加圧行程の終了時点を前記第3表示器13側の端部に、また、前記加圧行程の開始時点と前記加圧行程の終了時点間の時点を前記加圧行程の開始時点からの経過時間に対応した位置に表示し、
前記第2表示器12に略平行に配設された第4表示器14に、前記停止行程の終了時点を前記第1表示器11側の端部に、前記停止行程の開始時点を前記第3表示器13側の端 部に、また、前記停止行程の開始時点と前記停止行程の終了時点間の時点を前記停止行程の開始時点からの経過時間に対応した位置に表示し、
前記第1表示器11、第2表示器12、第3表示器13および第4表示器14を順に環状に設けて表示することを特徴とする直動型プレスの行程表示方法。 - 請求項3に記載の直動型プレスの行程表示方法において、
周辺機器との連動の同期をとるタイミング信号の設定されたオン又はオフ範囲を、前記下降行程、上昇行程、加圧行程及び停止行程の各表示器11、13、12、14でのスライド位置及び/又は時間軸の対応する範囲に色分けして、あるいは、点灯又は非点灯の区別によって識別可能に表示することを特徴とする直動型プレスの行程表示方法。
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