JP3785746B2 - 電子黒板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、可搬性を向上させた電子黒板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電子黒板は、会議室などにおいて広く利用されている。そして、電子黒板の記録シートに議事内容などを筆記して、参加者に見やすく掲示するだけでなく、参加者自身がメモを取らなくとも、筆記内容を用紙に印字して、参加者などに配布できるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の電子黒板は、一般に、床面から立設される支持枠に固着されるものや、会議室などの垂直な壁面に固定された状態で使用されるものである。しかしながら、このような構成では、使用者が、別の場所や会議室のテーブル上などに、電子黒板を移動して使用することができない。
【0004】
また、特殊な電子黒板として、箱形のケースと、このケースに対して一端部が引き出し可能に支持された記録シートとを備えるものが提案されている。このものは、概ね大型のスキャナと大型のプリンタを併合したようなものである。そして、使用者が、この種の電子黒板のケースを運搬すれば、電子黒板を移動して使用することも不可能ではない。
【0005】
しかしながら、従来のこの種の電子黒板では、移動することを前提にして構成されておらず、使用者が手軽に移動させて使用できるとは、言い難いものであった。
【0006】
そこで本発明は、電子黒板の本来の機能を損なわず、かつ手軽に移動して所望の場所で使用できる電子黒板を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の電子黒板は、上記問題点を解決するために、筐体と、前記筐体内において取り付けられたローラと、前記ローラに巻き取り可能に取り付けられた筆記シートと、前記筆記シート上に書かれた情報を読み取る読取手段と、前記ローラを回転させることによって
前記読取手段の読み取り部分に前記筆記シートの弛みが無くなる程度の量を一旦巻き取った後、前記筐体内に前記筆記シートを巻き取る巻取制御手段と、前記筐体内にあって前記巻取制御手段によって巻き取られる印字媒体を搬送しつつ、前記読取手段によって読み取られた情報を印字媒体に印字する印字手段と、前記筆記シートの巻き取り完了を検知する検知手段と、前記検知手段によって前記筆記シートの巻き取り完了が検知されると、前記読取手段及び前記印字手段とを停止させる駆動手段とを有し、前記駆動手段は、前記印字手段の印字終了後、印字媒体が所定量送られるまで待って、印字媒体の搬送を停止させるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
請求項1記載の電子黒板は、筐体と、前記筐体内において取り付けられたローラと、前記ローラに巻き取り可能に取り付けられた筆記シートと、前記筆記シートに書かれた情報を読み取る読取手段と、前記ローラを回転させることによって前記読取手段の読み取り部分に前記筆記シートの弛みが無くなる程度の量を一旦巻き取った後、前記筐体内に前記筆記シートを巻き取る巻取制御手段と、前記筐体内にあって前記巻取制御手段によって巻き取られる印字媒体を搬送しつつ、前記読取手段によって読み取られた情報を印字媒体に印字する印字手段と、前記筆記シートの巻き取り完了を検知する検知手段と、前記検知手段によって前記筆記シートの巻き取り完了が検知されると、前記読取手段及び前記印字手段とを停止させる駆動手段とを有し、前記駆動手段は、前記印字手段の印字終了後、印字媒体が所定量送られるまで待って、印字媒体の搬送を停止させるものである。
【0009】
この構成により、収納・運搬時にはシートを巻き取って非常にコンパクトにできるとともに、簡単な打ち合わせの場合にはシートの一部のみを引き出して打ち合わせ内容をメモし、その場でコピーすることができる。
【0010】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。ここで図1は本発明の一実施の形態における電子黒板の斜視図である。図1において、1は、内部が空洞の横長箱状に形成されたケースである。2は、ケース1から巻き取り方向Yの反対方向に引き出し可能に支持される記録シートである。ここで、巻き取り方向Yは長手方向Xに直交する。そして、記録シート2の一端部には、使用者がつかみやすいように、把手3が半固定されている。
【0011】
4、5は、ケース1の前面左側に設けられ、図3の破線で示すように、開閉自在に取り付けられたプリンタ部扉である。プリンタ部扉4、5を開くと後述するプリンタ部20が露呈し、感熱紙21等を補充できるようになっている。また、プリンタ部扉4の下端縁とケース1との間には、狭いスリット6があいており、スリット6から印字済みの感熱紙21が排出され、プリンタ部扉4の下端縁(鋭角になっている)で、排出された感熱紙21をカットできるようになっている。
【0012】
また、ケース1の前面の右側には、コピーボタン7、巻き取りボタン8、電源表示ランプ9が配置され、ケース1の右側面には、外部のプリンタなどの情報処理装置にデータを転送するため、インターフェース(以下、I/F)10が設けられている。
【0013】
ケース1の内部は、図2(本発明の一実施の形態における電子黒板の正面図)のようになっている。即ち、ケース1の内部空間は、下側から順に、長手方向Xと平行な第1の空間S1と第2の空間S2とに分けられている。そして、下側の第1の空間S1には、そのほぼ全長にわたって記録シート2が収納されている。また、記録シート2の両端部には、ギアキャップ11、12が装着されており、そのうちの、ギアキャップ11には、歯車列14を介してパルスモータからなる巻き取りモータ15の駆動力が伝達されている。
【0014】
即ち、巻き取りモータ15を駆動すると、記録シート2を巻き取り方向Yに送ることができる。そして、図2に示すように、ケース1の下端部には、リミットスイッチLSが配置され、リミットスイッチLSが把手3に当接してオンになると、巻き取りモータ15の駆動が停止されるようになっている。また、ケース1の下端縁のすぐ上部には、巻き取られる記録シート2に記載された画像を読み取る光学ユニット13が、記録シート2の幅いっぱいに配置されている。
【0015】
さらに、第1の空間S1の上部に設定される第2の空間S2には、左右方向の重量バランスが最良になるように、左側にプリンタ部20が配置され、右側に基板部30が配置されている。また図3に示すように、プリンタ部20のうち、21はロール状の感熱紙であって、左右には、フランジキャップ22が装着されて位置ずれが防止されている。この感熱紙21は、プラテン23とサーマルヘッド24に挟持され、紙送りモータ25で駆動されるプラテン23の回転により矢印N1方向へ搬送されるとともに、サーマルヘッド24によって印字が行われ、スリット6を介してケース1の外部へ排出される。
【0016】
また、第1の空間S1において、記録シート2は、ケース1の長手方向に軸方向を有し、かつケース1に対して回転自在に軸支されているシートローラ40に、筆記面Wが内側になるように巻き付けられる。そして、記録シート2は、位置決め部材18に当接すると共にガイドローラ19に周接することにより、一定の位置を通過して巻き取られるようになっている。そして、光学ユニット13は、位置決め部材18に当接する箇所において、記録シート2に光源16からライン状の光を照射し、その反射光をイメージセンサ17で読み取るものである。
【0017】
また、上述したように、第2の空間S2の右側には、基板部30が配置されている。そして、図4に示すように、基板部30では、プリンタ部20と巻き取りモータ15、紙送りモータ25及び光学ユニット13を制御するコントロール基板32がケース1の前面側に配置され、プリンタ部20と巻き取りモータ15、紙送りモータ25及び光学ユニット13に電力を供給する電源基板31がケース1の背面側に設置されている。このうち、電源基板31は、大型の部品が実装され、角チップ等の小型軽量の部品が実装されるコントロール基板32よりも重い。このため、このような配置を取ることにより、ケース1の背面側を重くして、ケース1の背面を水平面に設置したときの重量バランスを良好に保持することができる。
【0018】
次に、図5を用いて処理ブロックを説明する。図5に示すように、イメージセンサ17が出力するアナログの画像信号は、A/D変換器42でデジタル画像信号に変換され、シェーディング補正回路43で画素毎のばらつきが補正された上で、縮小回路44により感熱ヘッド24による印字の画素数に応じて縮小処理される。そして、2値化回路45で2値化された後、サーマルヘッド24にて出力される。CPU47は、以上のような画像処理系のほか、装置全体を制御する。
【0019】
バックアップメモリ48には、予め標準的な白基準データが保存され、その値は適時更新される。また、白基準メモリ49にはシェーディング補正回路43でシェーディング補正処理を行うための白基準データが一時格納される。
【0020】
尚、モータドライバ50は巻き取りモータ15を、又、モータドライバ61は紙送りモータ25を駆動するものであって、CPU47の制御の下に巻き取りモータ15、紙送りモータ25の回転量、回転方向、回転速度を任意に調節するものである。
【0021】
次に、記録シート2がケース1から任意の長さだけ引き出された状態でコピーボタン7が押し下げられた際の動作について、図6、図7を用いて説明する。
【0022】
先ず、コピーボタン7が押し下げられると、CPU47は、光源16を点灯させ(ステップ1)、紙送りモータ25(プラテン23)を逆転させて、サーマルヘッド24からスリット6までの部分だけ感熱紙21を巻き戻す(ステップ2)。次に、記録シート2を所定量(記録シート2にテンションを与えて、読取部分に弛みが無くなる程度の量)巻き取った後(ステップ3、4)、イメージセンサ17により記録シート2の表面を読み取り、白基準データを得る(ステップ5)。このように、白基準データを読み取る前に記録シート2にテンションを与えるため、記録シート2の弛みによる悪影響を受けずに、正確な白基準データを取得でき、その結果、精度の高いシェーディング補正を行うことができるので、印字品質を向上できる。
【0023】
そして、CPU47は、読み取った白基準データの値が適正であるか否かを判定し(ステップ6)、適正であれば白基準メモリ49に読み取った白基準データを格納するとともに、その値によってバックアップメモリ48に格納された標準値を更新する(ステップ7)。一方、適正でなければ、バックアップメモリ48に記憶されている標準値を白基準データとして白基準メモリ49に書き込む(ステップ8)。
【0024】
記録シート2が全部引き出された状態からコピーボタン7が押されると、ステップ5における白基準データの読み取りは、記録シート2の内、ケース1から引き出され得ないシートローラ40の近傍部分で行われるため、得られた白基準データは図8に示すように適正な値となる。しかし、記録シート2を途中までしか引き出さずにコピーボタン7が押されると、白基準データを読み取る部分には何らかの文字や線などが書き込まれている可能性があり、その場合には、得られた白基準データは図9に示すように白基準としては適正ではない値となる。従って、本実施の形態では、ステップ6、ステップ7、ステップ8の処理を行い、常に正確な白基準データでシェーディング補正を行うこととしている。
【0025】
この後、記録シート2の所定量(記録シート2の引き出されていた部分のうち、把手3の反対側の端部が読取部分に達する量)の巻き取りを行い(ステップ9)、モータドライバ61により紙送りモータ25を駆動して感熱紙21の搬送を開始するとともに(ステップ10)、イメージセンサ17から読み取りを行いつつサーマルヘッド24によって感熱紙21に印字を行う(ステップ11)。そして、リミットスイッチLSがオンになるまで読み取り・印字が行われ、リミットスイッチLSがオンになると(ステップ12)、イメージセンサ17による読み取り及びサーマルヘッド24の駆動を停止して(ステップ13)、記録シート2の巻き取りを停止し(ステップ14)、光源16を消灯する(ステップ15)。CPU47は、ステップ13における印字停止後、感熱紙21の送り量を監視し、その送り量が所定量になるまで、即ち、感熱紙21の印字済の部分がプリンタ部扉4の下端縁のスリット6から外側に繰り出されるまで、感熱紙21を空送りし(ステップ16、17)、一連の処理を終了する。このように、印字終了後に感熱紙21の搬送を停止するため、記録シートを任意量引き出してコピーを行う場合には、感熱紙21の使用量を必要最小限とすることができる。
【0026】
尚、本実施の形態では、読み取った白基準データが適正な値ではない場合に、バックアップメモリ48に記憶されている標準値を白基準データとすることとしているが、読み取ったデータのうち、適正ではない部分のみを標準値を用いて補正して白基準データとしてもよい。又、感熱紙21の切断はオートカッターなどにより自動としてもよい。
【0027】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、携帯性に優れた電子黒板を得ることができる。また、コピーの際に使用する用紙の量を必要最小限とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における電子黒板の斜視図
【図2】本発明の一実施の形態における電子黒板の正面図
【図3】図2におけるA−A断面図
【図4】図2におけるB−B断面図
【図5】本発明の実施の形態における電子黒板のブロック図
【図6】同電子黒板の処理フローチャート
【図7】同電子黒板の処理フローチャート
【図8】同電子黒板における適正な白基準データの説明図
【図9】同電子黒板における不適正な白基準データの説明図
【符号の説明】
1 ケース
2 記録シート
13 光学ユニット
15 巻き上げモータ
20 プリンタ部
30 基板部
31 電源基板
32 コントロール基板
S1 第1の空間
S2 第2の空間
Claims (2)
- 筐体と、前記筐体内において取り付けられたローラと、前記ローラに巻き取り可能に取り付けられた筆記シートと、前記筆記シートに書かれた情報を読み取る読取手段と、前記ローラを回転させることによって前記読取手段の読み取り部分に前記筆記シートの弛みが無くなる程度の量を一旦巻き取った後、前記筐体内に前記筆記シートを巻き取る巻取制御手段と、前記筐体内にあって前記巻取制御手段によって巻き取られる印字媒体を搬送しつつ、前記読取手段によって読み取られた情報を印字媒体に印字する印字手段と、前記筆記シートの巻き取り完了を検知する検知手段と、前記検知手段によって前記筆記シートの巻き取り完了が検知されると、前記読取手段及び前記印字手段とを停止させる駆動手段とを有し、前記駆動手段は、前記印字手段の印字終了後、印字媒体が所定量送られるまで待って、印字媒体の搬送を停止させることを特徴とする電子黒板。
- 筐体と、前記筐体内において取り付けられたローラと、前記ローラに巻き取り可能に取り付けられた筆記シートと、前記筆記シートの情報を読み取る読取手段と、前記ローラを回転させることによって前記読取手段の読み取り部分に前記筆記シートの弛みが無くなる程度の量を一旦巻き取った後、前記筐体内に前記筆記シートを巻き取る巻取制御手段と、印字媒体を所定量だけ巻き戻した後、搬送を開始し印字媒体を搬送しつつ、前記読取手段によって読み取られた情報を印字媒体に印字する印字手段と、前記筆記シートの巻き取り完了を検知する検知手段と、前記検知手段によって前記筆記シートの巻き取り完了が検知されると、前記読取手段及び前記印字手段を停止させる駆動手段とを有し、前記駆動手段は、前記印字手段の印字終了後、印字媒体が所定量送られるまで待って、印字媒体の搬送を停止させることを特徴とする電子黒板。
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JP16083997A Expired - Fee Related JP3785746B2 (ja) | 1997-06-18 | 1997-06-18 | 電子黒板 |
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1997
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