JP3784105B2 - 開閉式作業具 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧ショベルのブームまたはアームの先端にクラムシェルバケット、グラブバケットまたはホークグラブ等の開閉式作業具を取付けてなる開閉式作業具を有する油圧ショベルに関する。
【0002】
【従来の技術】
図16(A)は油圧ショベルを示す側面図であり、油圧ショベルは、下部走行体1上に旋回装置2を介して上部旋回体3を設置し、該上部旋回体3に、ブームシリンダ4によりブーム5を起伏自在に取付け、ブーム5の先端にアームシリンダ6によりアーム7を上下回動自在に取付け、アーム7の先端にピン12を中心として回動自在にバックホウバケット8を取付け、バケットシリンダ9によりリンク10を介して該バックホウバケット8を回動させる。
【0003】
このような油圧ショベルは、バックホウバケット8を取外して目的に応じた種々の作業具を取付けることにより、種々の作業機として応用される。図16(B)はその一例であり、バックホウバケット8を取外し、クラムシェルバケット11を、ピン12およびアタッチメント13を介して垂下して取付けてなり、油圧シリンダ14を伸縮させることにより、クラムシェルバケット11が開閉されて掘削、排土が行われる。
【0004】
図17(A)はバックホウバケット8の代わりに、ホークグラブ16をその向きがバケットシリンダ9により任意に変えられるようにチルト式に取付けたものであり、ホークグラブ16の爪の開閉はホークグラブ16に設けた油圧シリンダ15により行われる。図17(B)の例は、ピン12によりホークグラブ16を垂下式に取付けた例であ、この場合はホークグラブ16は常に垂直姿勢であり、ホークグラブ16の爪の開閉は油圧シリンダ15により行われる。
【0005】
また、図18はアーム7に直結してピン12によりホークグラブ16の爪の開閉支点を取付けた例であり、バケットシリンダ9によりリンク17、18を介してホークグラブ16を開閉するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図16(B)、図17(A)、(B)はいずれも油圧シリンダ14、15によりクラムシェルバケット11やホークグラブ16を開閉するものであるため、油圧ショベルに油圧シリンダ14または15用の油圧配管を設置しなければならず、油圧ショベル本体の改造が必要となる。また、油圧シリンダ14、15を使用しているので、高価となる。
【0007】
一方、図18に示したように、アーム7に直結してホークグラ16を取付ける構造においては、例えば、バケットシリンダ9の伸長量によってホークグラブ16の開き度合いが一義的に決定されるため、掴む対象物19の位置によっては作業不可能な場合がある。
【0008】
本発明は、上記した問題点に鑑み、油圧ショベルの改造を行わずにクラムシェルバケット、ホークグラブあるいはグラブバケット等の開閉式作業具が取付けられ、油圧ショベルに備えられている油圧シリンダで開閉でき、しかも油圧ショベルに備えられた油圧シリンダ等のアクチュエータによりワイヤロープを介して開閉式作業具を開閉するに当たり、開閉式作業具を取付けているブームまたはアームの角度が開閉式作業具の向きに影響を与えない開閉式作業具を有する油圧ショベルを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1は、油圧ショベルのアームまたはブームの先端に固定ブラケットを着脱自在に取付け、該固定ブラケットにピンを介してクラムシェルバケット、グラブバケットまたはホークグラブのうちのいずれかの開閉式作業具を前後方向に回動自在に垂下し、前記ピンを中心として回動ブラケットを上下回動自在に取付け、該回動ブラケットの前記ピンより偏心した位置に、前記開閉式作業具支持用のワイヤロープを掛ける支持シーブを取付けると共に、該回動ブラケットの前記ピンを中心として前記支持シーブと反対側に偏心した位置に、ガイドシーブを取付け、前記開閉式作業具は、前記ピンにより垂下されるフレームに沿って移動自在に開閉用の操作部材を内蔵すると共に、該開閉式作業具を開く方向に付勢するばねを備え、前記アームまたはブームに取付けたバケットシリンダまたはアームシリンダのロッド先端に接続したワイヤロープを、前記回動ブラケットに取付けた支持シーブとガイドシーブとの間に通して前記操作部材に連係させてなり、前記バケットシリンダまたはアームシリンダの伸縮によって前記開閉式作業具が開閉すると共に、前記アームまたはブームに対する前記フレームの角度の変化に応じて前記回動ブラケットが前記ピンを中心として回動することを特徴とする。
【0010】
請求項2は、請求項1において、前記フレーム内に、該フレームおよび前記操作部材に対して上下動自在に可動部材を設け、該可動部材と前記操作部材との間に前記ワイヤロープの引き力を吸収する弾性材を介装し、前記ワイヤロープの先端を前記操作部材に接続する代わりに前記可動部材に接続したことを特徴とする。
【0011】
請求項3は、請求項1または2において、前記開閉式作業具のフレームを、前記ピンに対して前後方向に回動自在に取付けた取付けフレームと、該取付けフレームに対して縦向き中心線を中心として回動位置調整可能に取付けられた主フレームとにより構成したことを特徴とする。
【0012】
請求項4は、前記ワイヤロープの代わりにチェーンを用い、かつ前記シーブの代わりにスプロケットまたはローラを用いたものである。また、請求項5は、前記支持シーブ、ガイドシーブの少なくとも一方にローラを用いたものである。請求項6は請求項4のチェーンとしてコイルチェーンを用いたものである。
【0013】
【作用】
請求項1においては、アームまたはブームに取付けたバケットシリンダまたはアームシリンダを収縮または伸長させると、開閉式作業具に備えたばねに抗して操作部材が引き上げられて開閉式作業具が閉じ、バケットシリンダまたはアームシリンダを伸長または収縮させると、前記ばねの力により開閉式作業具が開く。開閉式作業具の引き上げ、引き下げに伴い、前記アームまたはブームに対する前記フレームの角度が変化すると、前記回動ブラケットが前記ピンを中心として回動するので、支持シーブとガイドシーブの間のワイヤロープの繰出し位置から操作部材接続点までのワイヤロープの長さがほぼ一定となり、アームまたはブームの角度の変化による操作部材の上下動が抑制され、前記角度の変化によって開閉式作業具が開閉されることが防止される。
【0014】
請求項2においては、操作部材と可動部材との間に介在させた弾性材によりワイヤロープの引き力を吸収させておき、支持シーブとガイドシーブとの間のワイヤロープの繰出し部と可動部材との距離の変化に応じて、弾性材を伸縮させて変位を吸収することにより、バケットの開閉をより完全に防止できる。
【0015】
請求項3においては、開閉式作業具の取付けフレームに対する主フレームの向きを変えることにより、現場の地形等に応じてアーム等に対する開閉式作業具の向きを変えることができ、作業性が向上する。請求項4〜6のように、ワイヤロープの代わりにチェーンを用い、シーブの代わりにスプロケットやローラを用いても同様の作用をなす。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1(A)は油圧ショベルにクラムシェルバケットを取付けた本発明の一実施例を示す側面図、図1(B)は図1(A)のE−E拡大断面図、図1(C)は図1(A)のF拡大矢視図である。また、図2は図1(A)の要部拡大図、図3は図2のG−G拡大断面図、図4(A)は図2のH−H拡大断面図、図4(B)、(C)はそれぞれ図4(A)のI−I断面図、J−J断面図、図5(A)は図2のK−K断面図、図5(B)、(C)はそれぞれ図5(A)のL−L断面図、M−M断面図、図6は本実施例の開閉式作業具が開いた状態を示す一部断面側面図である。
【0017】
図1(A)に示すように、本発明は油圧ショベルをベースマシンとしており、本実施例においては、油圧ショベルのアーム7の先端に固定ブラケット20を着脱自在に取付けている。該固定ブラケット20の取付けは、図1(B)、図2(A)に示すように、バックホウバケットの取付け孔に固定ブラケット20をピン21により固定すると共に、アーム7の外周に上方から被せたバンド22にねじロッド23を設け、該ねじロッド23を固定ブラケット20の基端側に設けた孔20aに通し、ねじロッド23にナット24を螺合して締め付けることにより行われる。
【0018】
該固定ブラケット20には、ピン25を介してクラムシェルバケット26を垂下して取付ける。図2、図3に示すように、該クラムシェルバケット26は、固定ブラケット20から垂下される筒状のフレーム27に沿って移動自在に開閉用のロッド状をなす操作部材28を内蔵すると共に、該操作部材28に設けたばね受け29と、フレーム27の内部に設けたばね受け30との間に、バケット26を開く方向に付勢するばね31を介装する。
【0019】
本発明の比較例である図7、図8の側面図に示すように、操作部材28とバケット開閉用のワイヤロープ37とは直接接続する(41は接続点を示す)ことにより連係させてもよいが、本実施例においては、可動部材51を介して操作部材28にワイヤロープ37を接続することにより連係させている。可動部材51は該操作部材28およびフレーム27に対して昇降自在に取付け、可動部材51のばね受け52と操作部材28のばね受け29との間に、可動部材51を押し下げる方向に付勢するばね53を介装する。
【0020】
図2、図3、図4に示すように、左右のシェル32の上部にはロッド54を固定し、該ロッド54にそれぞれ内外のアーム55、56を溶接し、外側のアーム56を、フレーム27の外側にピン57により連結し、一方、操作部材28の下部にピン59によりリンク60を連結し、該リンク60の下端にピン61により内側のアーム55を連結している。従って操作部材28がフレーム27に対して上下することにより、シェル32がピン57を中心として回動し、バケットが開閉される。このバケット26の開閉構造は本例に限定されないことはいうまでもなく、前記図7、図8に示すように、操作部材28の下端に、シェル32の上部の内側をピン30により連結し、シェル32の外側をフレーム27に対してリンク34とピン35、36により連結する構造等も採用できる。
【0021】
バケット開閉用のワイヤロープ37の始端は、図1(C)、図2に示すように、リンク10とバケットシリンダ9のロッドとを連結するピン38に取付けた接続具39に接続し、中間部は、前記固定ブラケット20に取付けた回動ブラケット62に取付けた支持シーブ63とガイドシーブ64に通す。該回動ブラケット62は、図2〜図4に示すように、前記ピン25を中心として回動ブラケット62を上下回動自在に取付け、該回動ブラケット62の前記ピン25よりアーム7側に偏心した位置に、前記支持シーブ63を取付けると共に、該回動ブラケット62の前記ピン25を中心として前記支持シーブ63と反対側に偏心した位置に、前記ガイドシーブ64を取付ける。
【0022】
この構成において、図2の状態からバケットシリンダ9を伸長させると、ばね31により操作部材28が押し下げられて図6に示すようにバケット26が開き、バケットシリンダ9を収縮させると、前記ばね31、53の力に抗してバケット26が閉じる。
【0023】
比較例を示す図7においては、前記固定ブラケット20に支持シーブ40を取付け、該支持シーブ40にワイヤロープ37を掛けて操作部材28に接続しており、この比較例によれば、図示のようにアーム7とクラムシェルバケット26とのなす角度θ1が小さい場合と、図8に示すようにその角度がθ2に示すように大きくなった場合とでは、シーブ40に掛け回す部分のロープ長が異なるため、図7の状態から図8の状態にアーム7を下げていくと、ばね31の力によってバケット26が開くという不具合が生じる。
【0024】
図9はこのことを説明する図であり、cは図7のようにアーム7に対するクラムシェルバケットの角度θ1が小さい場合のバケット26の中心軸線、dは図8のようにアーム7に対するクラムシェルバケットの角度θ2が大きい場合のバケット26の中心軸線、Δθは(θ2−θ1)の角度差、rはシーブ40の半径であり、θ3は図7の場合のワイヤロープ37のシーブ40に対する接触角度から、図8の状態に変化した場合に減少する接触角度を示す。図9に示すように、図7の状態から図8の状態に変化することにより、ピン25からワイヤロープ37の操作部材28の接続点41までの距離がL1からL2と長くなり、バケットシリンダ9が伸縮しないにも拘らず、バケット26が開くことになる。
【0025】
一方、本実施例によれば、図7に対応して描いた図10(A)と、図8に対応して描いた図10(B)に示すように、アーム7に対するクラムシェルバケット26の向きがcからdに変化し、これにより両者のなす角度がΔθだけ増加した場合、ワイヤロープ37が支持シーブ63とガイドシーブ64との間に通っているため、この角度の変化に対応して、回動ブラケット62が回動する。ここで、ワイヤロープ37は、ピン25の中心近くを通過しているため、前述のようにアーム7に対するクラムシェルバケット26の角度が変化しても、ピン25からワイヤロープ37の可動部材51の接続点までの距離L3(前記角度がθ1のように小さい場合)、L4(前記角度がθ2のように大きい場合)とがほぼ同じとなるため、アーム7とクラムシェルバケット26とのなす角度の変化によるバケット26の開閉を防止することができる。
【0026】
さらに本実施例においては、ワイヤロープ37を操作部材28に直接接続するのではなく、ばね53で付勢された可動部材51を介して接続しているので、前記L3とL4との間の小さな差によるバケット26のわずかな開閉もなくすることができる。すなわち、支持シーブ63の半径とワイヤロープ37の半径等の関係から、完全にL3=L4とすることは構造的に無理であるが、操作部材28と可動部材51との間に介在させたばね53によりワイヤロープ37の引き力を吸収させておき、支持シーブ63とガイドシーブ64との間のワイヤロープ37の繰出し部と可動部材51との距離の変化に応じて、ばね53を伸縮させて変位を吸収することにより、バケット26の開閉をより完全に防止できる。
【0027】
本実施例においては、図2、図3および図11(A)、(B)に示すように、バケット26のフレーム27を、前記ピン25に対して前後方向に回動自在に取付けた取付けフレーム27aと、該取付けフレーム27aに対してフランジ27b、27cとボルト65、ナット66によって着脱自在に結合する主フレーム27dとにより構成し、主フレーム27dに前記操作部材28を収容すると共にシェル32を取付け、主フレーム27dを縦向き中心線Oを中心として回動位置調整可能に取付けることにより、図11(B)に示すように、現場の状況に応じ、バケット26の向きをアーム7の中心軸線xに対して任意に設定でき、作業性が向上する。
【0028】
上記実施例においては、バケット26を開くためのばね31をフレーム27の内部に取付けたが、図12に示すように、シェル32に設けられているアーム56を外側に延長してばね受部56aを設け、該ばね受部56aとフレーム27の外側に設けたばね受部27eとの間に引張ばね67を設けることにより、バケット26が開き方向に付勢されるようにしてもよい。また、図13に示すように、シェル32の左右のロッド54の間に押しばね58を介装してバケット26が開き方向に付勢されるようにしてもよい。これら図12、図13のようにフレーム27の外部にばね67、68を取付けるようにすれば、フレーム27は短く、かつ小型化することができる。
【0029】
以上の実施例は、開閉式作業具がクラムシェルバケットである場合について示したが、本発明はホークグラブやグラブバケットにも適用できる。また、図14(A)に示すように、固定ブラケット20とフレーム27との間に、アーム7に対する開閉式作業具の角度を調整する油圧シリンダ70を取付けた構造、または図14(B)に示すように、固定ブラケット20とフレーム27との間をリンク71で接続する構造としてもよい。図14(A)のような角度調整用のシリンダ70を設けた場合、図示のように開閉式作業具としてホークグラブ16を設ければ、作業現場に応じた角度でホークグラブ16の向きを設定できる。また、図14(B)に示すように、リンク71を設けた場合も、アーム7と開閉式作業具16との角度を任意の角度に固定できると同時に、開閉式作業具16の振れを防止でき、作業性が向上する。また、開閉式作業具をアーム7から垂下するのではなく、ブーム5から垂下し、開閉式作業具の開閉はアームシリンダ6によって行うようにしてもよい。
【0030】
また、開閉用のワイヤロープ37の代わりに、図15(A)に示すようにローラチェーンやブロックチェーン等のように、スプロケットに咬みあわせるチェーン74を用い、シーブ63、64の代わりにスプロケット72、73を用いてもよく、図15(B)に示すように、シーブ63、64の双方はたは図示のように一方にローラ75を用いてもよく、さらに図15(C)に示すように、コイルチェーン76を用い、シーブ63、64の代わりにローラ77、78を用いてもよい。コイルチェーン76を用いれば、バケットシリンダ9や操作部材28との連結が容易であり、かつ大きな荷重に耐え得るという利点がある。また、開閉式作業具を開くためのばね31および可動部材51を押圧する弾性材として、ばね53の代わりにゴムを用いてもよい。
【0031】
【発明の効果】
請求項1、4、5によれば、油圧シリンダのバケットシリンダあるいはアームシリンダを用いて開閉式作業具の開閉を行うようにしたので、油圧ショベルの改造を行わずに開閉式作業具が取付けられ、油圧ショベルに備えられているバケットシリンダやアームシリンダで開閉式作業具を開閉できるから、油圧ショベルの油圧配管の改造を行う必要がなく、バックホウバケットの交換アタッチメントを安価に提供できる。
【0032】
また、アームに対する開閉式作業具の向きが変化しても、支持シーブとガイドシーブとを取付けた回動ブラケットの回動により、前記両シーブ間のワイヤロープ繰出し部から開閉式作業具までの距離がほとんど変化せず、作業において、アームに対する開閉式作業具の向きの変更を考慮する必要がない。
【0033】
請求項2によれば、ワイヤロープを操作部材に直接接続するのではなく、弾性材により開き方向に付勢された可動部材に接続したので、ワイヤロープの引き力を弾性材に吸収させておくことができ、アームやブームに対する開閉式作業具フレームの角度の変化による開閉式作業具の開閉を完全に防止することができる。
【0034】
請求項3によれば、現場の状況に応じて開閉式作業具の向きを変えることができ、作業性が向上する。
【0035】
請求項6によれば、シリンダや操作部材との連結が容易であり、かつ大きな荷重に耐え得るという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は油圧ショベルにクラムシェルバケットを取付けた本発明の一実施例を示す側面図、(B)は(A)のE−E拡大断面図、(C)は(A)のF拡大矢視図である。
【図2】図1(A)の要部拡大図である。
【図3】図2のG−G拡大断面図である。
【図4】(A)は図2のH−H拡大断面図、(B)、(C)はそれぞれ(A)のI−I断面図、J−J断面図である。
【図5】(A)は図2のK−K断面図、(B)、(C)はそれぞれ(A)のL−L断面図、M−M断面図である。
【図6】本実施例の開閉式作業具が開いた状態を示す一部断面側面図である。
【図7】本発明に対する比較例をアームと開閉式作業具との角度が小さい場合について示す側面図である。
【図8】図7の比較例をアームと開閉式作業具との角度が大きい場合について示す側面図である。
【図9】図7、図8の比較例の作用説明図である。
【図10】(A)、(B)はそれぞれ前記実施例の作用説明図である。
【図11】(A)は図2のP−P拡大断面図、(B)は実施例の開閉式作業具の取付け構造の作用説明図である。
【図12】本発明の他の実施例を示す断面図である。
【図13】本発明の他の実施例を示す断面図である。
【図14】(A)、(B)は本発明の他の実施例を示す断面図である。
【図15】(A)〜(C)は本発明における回動ブラケットの他の構成例を示す図である。
【図16】(A)は油圧ショベルの側面図、(B)は油圧ショベルをベースマシンとして構成された従来のクラムシェルの側面図である。
【図17】(A)、(B)はそれぞれホークグラブの油圧ショベルに対する従来の取付け構造の例を示す側面図である。
【図18】ホークグラブの油圧ショベルに対する従来の取付け構造の例を作業状態で示す側面図である。
【符号の説明】
1:下部走行体、2:旋回装置、3:上部旋回体、4:ブームシリンダ、5:ブーム、6:アームシリンダ、7:アーム、8:バックホウバケット、9:バケットシリンダ、10:リンク、20:固定ブラケット、21:ピン、22:バンド、23:ねじロッド、24:ナット、25:ピン、26:クラムシェルバケット、27:フレーム、27a:取付けフレーム、27d:主フレーム、28:操作部材、31:ばね、32:シェル、34:リンク、37:ワイヤロープ、39:ブラケット、40:シーブ、41:接続点、51:可動部材、53:補助ばね、62:回動ブラケット、63:支持シーブ、64:ガイドシーブ、67:引張ばね、68:押しばね、72、73:スプロケット、74:スプロケット用チェーン、75:ローラ、76:コイルチェーン、77、78:ローラ
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧ショベルのブームまたはアームの先端にクラムシェルバケット、グラブバケットまたはホークグラブ等の開閉式作業具を取付けてなる開閉式作業具を有する油圧ショベルに関する。
【0002】
【従来の技術】
図16(A)は油圧ショベルを示す側面図であり、油圧ショベルは、下部走行体1上に旋回装置2を介して上部旋回体3を設置し、該上部旋回体3に、ブームシリンダ4によりブーム5を起伏自在に取付け、ブーム5の先端にアームシリンダ6によりアーム7を上下回動自在に取付け、アーム7の先端にピン12を中心として回動自在にバックホウバケット8を取付け、バケットシリンダ9によりリンク10を介して該バックホウバケット8を回動させる。
【0003】
このような油圧ショベルは、バックホウバケット8を取外して目的に応じた種々の作業具を取付けることにより、種々の作業機として応用される。図16(B)はその一例であり、バックホウバケット8を取外し、クラムシェルバケット11を、ピン12およびアタッチメント13を介して垂下して取付けてなり、油圧シリンダ14を伸縮させることにより、クラムシェルバケット11が開閉されて掘削、排土が行われる。
【0004】
図17(A)はバックホウバケット8の代わりに、ホークグラブ16をその向きがバケットシリンダ9により任意に変えられるようにチルト式に取付けたものであり、ホークグラブ16の爪の開閉はホークグラブ16に設けた油圧シリンダ15により行われる。図17(B)の例は、ピン12によりホークグラブ16を垂下式に取付けた例であ、この場合はホークグラブ16は常に垂直姿勢であり、ホークグラブ16の爪の開閉は油圧シリンダ15により行われる。
【0005】
また、図18はアーム7に直結してピン12によりホークグラブ16の爪の開閉支点を取付けた例であり、バケットシリンダ9によりリンク17、18を介してホークグラブ16を開閉するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図16(B)、図17(A)、(B)はいずれも油圧シリンダ14、15によりクラムシェルバケット11やホークグラブ16を開閉するものであるため、油圧ショベルに油圧シリンダ14または15用の油圧配管を設置しなければならず、油圧ショベル本体の改造が必要となる。また、油圧シリンダ14、15を使用しているので、高価となる。
【0007】
一方、図18に示したように、アーム7に直結してホークグラ16を取付ける構造においては、例えば、バケットシリンダ9の伸長量によってホークグラブ16の開き度合いが一義的に決定されるため、掴む対象物19の位置によっては作業不可能な場合がある。
【0008】
本発明は、上記した問題点に鑑み、油圧ショベルの改造を行わずにクラムシェルバケット、ホークグラブあるいはグラブバケット等の開閉式作業具が取付けられ、油圧ショベルに備えられている油圧シリンダで開閉でき、しかも油圧ショベルに備えられた油圧シリンダ等のアクチュエータによりワイヤロープを介して開閉式作業具を開閉するに当たり、開閉式作業具を取付けているブームまたはアームの角度が開閉式作業具の向きに影響を与えない開閉式作業具を有する油圧ショベルを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1は、油圧ショベルのアームまたはブームの先端に固定ブラケットを着脱自在に取付け、該固定ブラケットにピンを介してクラムシェルバケット、グラブバケットまたはホークグラブのうちのいずれかの開閉式作業具を前後方向に回動自在に垂下し、前記ピンを中心として回動ブラケットを上下回動自在に取付け、該回動ブラケットの前記ピンより偏心した位置に、前記開閉式作業具支持用のワイヤロープを掛ける支持シーブを取付けると共に、該回動ブラケットの前記ピンを中心として前記支持シーブと反対側に偏心した位置に、ガイドシーブを取付け、前記開閉式作業具は、前記ピンにより垂下されるフレームに沿って移動自在に開閉用の操作部材を内蔵すると共に、該開閉式作業具を開く方向に付勢するばねを備え、前記アームまたはブームに取付けたバケットシリンダまたはアームシリンダのロッド先端に接続したワイヤロープを、前記回動ブラケットに取付けた支持シーブとガイドシーブとの間に通して前記操作部材に連係させてなり、前記バケットシリンダまたはアームシリンダの伸縮によって前記開閉式作業具が開閉すると共に、前記アームまたはブームに対する前記フレームの角度の変化に応じて前記回動ブラケットが前記ピンを中心として回動することを特徴とする。
【0010】
請求項2は、請求項1において、前記フレーム内に、該フレームおよび前記操作部材に対して上下動自在に可動部材を設け、該可動部材と前記操作部材との間に前記ワイヤロープの引き力を吸収する弾性材を介装し、前記ワイヤロープの先端を前記操作部材に接続する代わりに前記可動部材に接続したことを特徴とする。
【0011】
請求項3は、請求項1または2において、前記開閉式作業具のフレームを、前記ピンに対して前後方向に回動自在に取付けた取付けフレームと、該取付けフレームに対して縦向き中心線を中心として回動位置調整可能に取付けられた主フレームとにより構成したことを特徴とする。
【0012】
請求項4は、前記ワイヤロープの代わりにチェーンを用い、かつ前記シーブの代わりにスプロケットまたはローラを用いたものである。また、請求項5は、前記支持シーブ、ガイドシーブの少なくとも一方にローラを用いたものである。請求項6は請求項4のチェーンとしてコイルチェーンを用いたものである。
【0013】
【作用】
請求項1においては、アームまたはブームに取付けたバケットシリンダまたはアームシリンダを収縮または伸長させると、開閉式作業具に備えたばねに抗して操作部材が引き上げられて開閉式作業具が閉じ、バケットシリンダまたはアームシリンダを伸長または収縮させると、前記ばねの力により開閉式作業具が開く。開閉式作業具の引き上げ、引き下げに伴い、前記アームまたはブームに対する前記フレームの角度が変化すると、前記回動ブラケットが前記ピンを中心として回動するので、支持シーブとガイドシーブの間のワイヤロープの繰出し位置から操作部材接続点までのワイヤロープの長さがほぼ一定となり、アームまたはブームの角度の変化による操作部材の上下動が抑制され、前記角度の変化によって開閉式作業具が開閉されることが防止される。
【0014】
請求項2においては、操作部材と可動部材との間に介在させた弾性材によりワイヤロープの引き力を吸収させておき、支持シーブとガイドシーブとの間のワイヤロープの繰出し部と可動部材との距離の変化に応じて、弾性材を伸縮させて変位を吸収することにより、バケットの開閉をより完全に防止できる。
【0015】
請求項3においては、開閉式作業具の取付けフレームに対する主フレームの向きを変えることにより、現場の地形等に応じてアーム等に対する開閉式作業具の向きを変えることができ、作業性が向上する。請求項4〜6のように、ワイヤロープの代わりにチェーンを用い、シーブの代わりにスプロケットやローラを用いても同様の作用をなす。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1(A)は油圧ショベルにクラムシェルバケットを取付けた本発明の一実施例を示す側面図、図1(B)は図1(A)のE−E拡大断面図、図1(C)は図1(A)のF拡大矢視図である。また、図2は図1(A)の要部拡大図、図3は図2のG−G拡大断面図、図4(A)は図2のH−H拡大断面図、図4(B)、(C)はそれぞれ図4(A)のI−I断面図、J−J断面図、図5(A)は図2のK−K断面図、図5(B)、(C)はそれぞれ図5(A)のL−L断面図、M−M断面図、図6は本実施例の開閉式作業具が開いた状態を示す一部断面側面図である。
【0017】
図1(A)に示すように、本発明は油圧ショベルをベースマシンとしており、本実施例においては、油圧ショベルのアーム7の先端に固定ブラケット20を着脱自在に取付けている。該固定ブラケット20の取付けは、図1(B)、図2(A)に示すように、バックホウバケットの取付け孔に固定ブラケット20をピン21により固定すると共に、アーム7の外周に上方から被せたバンド22にねじロッド23を設け、該ねじロッド23を固定ブラケット20の基端側に設けた孔20aに通し、ねじロッド23にナット24を螺合して締め付けることにより行われる。
【0018】
該固定ブラケット20には、ピン25を介してクラムシェルバケット26を垂下して取付ける。図2、図3に示すように、該クラムシェルバケット26は、固定ブラケット20から垂下される筒状のフレーム27に沿って移動自在に開閉用のロッド状をなす操作部材28を内蔵すると共に、該操作部材28に設けたばね受け29と、フレーム27の内部に設けたばね受け30との間に、バケット26を開く方向に付勢するばね31を介装する。
【0019】
本発明の比較例である図7、図8の側面図に示すように、操作部材28とバケット開閉用のワイヤロープ37とは直接接続する(41は接続点を示す)ことにより連係させてもよいが、本実施例においては、可動部材51を介して操作部材28にワイヤロープ37を接続することにより連係させている。可動部材51は該操作部材28およびフレーム27に対して昇降自在に取付け、可動部材51のばね受け52と操作部材28のばね受け29との間に、可動部材51を押し下げる方向に付勢するばね53を介装する。
【0020】
図2、図3、図4に示すように、左右のシェル32の上部にはロッド54を固定し、該ロッド54にそれぞれ内外のアーム55、56を溶接し、外側のアーム56を、フレーム27の外側にピン57により連結し、一方、操作部材28の下部にピン59によりリンク60を連結し、該リンク60の下端にピン61により内側のアーム55を連結している。従って操作部材28がフレーム27に対して上下することにより、シェル32がピン57を中心として回動し、バケットが開閉される。このバケット26の開閉構造は本例に限定されないことはいうまでもなく、前記図7、図8に示すように、操作部材28の下端に、シェル32の上部の内側をピン30により連結し、シェル32の外側をフレーム27に対してリンク34とピン35、36により連結する構造等も採用できる。
【0021】
バケット開閉用のワイヤロープ37の始端は、図1(C)、図2に示すように、リンク10とバケットシリンダ9のロッドとを連結するピン38に取付けた接続具39に接続し、中間部は、前記固定ブラケット20に取付けた回動ブラケット62に取付けた支持シーブ63とガイドシーブ64に通す。該回動ブラケット62は、図2〜図4に示すように、前記ピン25を中心として回動ブラケット62を上下回動自在に取付け、該回動ブラケット62の前記ピン25よりアーム7側に偏心した位置に、前記支持シーブ63を取付けると共に、該回動ブラケット62の前記ピン25を中心として前記支持シーブ63と反対側に偏心した位置に、前記ガイドシーブ64を取付ける。
【0022】
この構成において、図2の状態からバケットシリンダ9を伸長させると、ばね31により操作部材28が押し下げられて図6に示すようにバケット26が開き、バケットシリンダ9を収縮させると、前記ばね31、53の力に抗してバケット26が閉じる。
【0023】
比較例を示す図7においては、前記固定ブラケット20に支持シーブ40を取付け、該支持シーブ40にワイヤロープ37を掛けて操作部材28に接続しており、この比較例によれば、図示のようにアーム7とクラムシェルバケット26とのなす角度θ1が小さい場合と、図8に示すようにその角度がθ2に示すように大きくなった場合とでは、シーブ40に掛け回す部分のロープ長が異なるため、図7の状態から図8の状態にアーム7を下げていくと、ばね31の力によってバケット26が開くという不具合が生じる。
【0024】
図9はこのことを説明する図であり、cは図7のようにアーム7に対するクラムシェルバケットの角度θ1が小さい場合のバケット26の中心軸線、dは図8のようにアーム7に対するクラムシェルバケットの角度θ2が大きい場合のバケット26の中心軸線、Δθは(θ2−θ1)の角度差、rはシーブ40の半径であり、θ3は図7の場合のワイヤロープ37のシーブ40に対する接触角度から、図8の状態に変化した場合に減少する接触角度を示す。図9に示すように、図7の状態から図8の状態に変化することにより、ピン25からワイヤロープ37の操作部材28の接続点41までの距離がL1からL2と長くなり、バケットシリンダ9が伸縮しないにも拘らず、バケット26が開くことになる。
【0025】
一方、本実施例によれば、図7に対応して描いた図10(A)と、図8に対応して描いた図10(B)に示すように、アーム7に対するクラムシェルバケット26の向きがcからdに変化し、これにより両者のなす角度がΔθだけ増加した場合、ワイヤロープ37が支持シーブ63とガイドシーブ64との間に通っているため、この角度の変化に対応して、回動ブラケット62が回動する。ここで、ワイヤロープ37は、ピン25の中心近くを通過しているため、前述のようにアーム7に対するクラムシェルバケット26の角度が変化しても、ピン25からワイヤロープ37の可動部材51の接続点までの距離L3(前記角度がθ1のように小さい場合)、L4(前記角度がθ2のように大きい場合)とがほぼ同じとなるため、アーム7とクラムシェルバケット26とのなす角度の変化によるバケット26の開閉を防止することができる。
【0026】
さらに本実施例においては、ワイヤロープ37を操作部材28に直接接続するのではなく、ばね53で付勢された可動部材51を介して接続しているので、前記L3とL4との間の小さな差によるバケット26のわずかな開閉もなくすることができる。すなわち、支持シーブ63の半径とワイヤロープ37の半径等の関係から、完全にL3=L4とすることは構造的に無理であるが、操作部材28と可動部材51との間に介在させたばね53によりワイヤロープ37の引き力を吸収させておき、支持シーブ63とガイドシーブ64との間のワイヤロープ37の繰出し部と可動部材51との距離の変化に応じて、ばね53を伸縮させて変位を吸収することにより、バケット26の開閉をより完全に防止できる。
【0027】
本実施例においては、図2、図3および図11(A)、(B)に示すように、バケット26のフレーム27を、前記ピン25に対して前後方向に回動自在に取付けた取付けフレーム27aと、該取付けフレーム27aに対してフランジ27b、27cとボルト65、ナット66によって着脱自在に結合する主フレーム27dとにより構成し、主フレーム27dに前記操作部材28を収容すると共にシェル32を取付け、主フレーム27dを縦向き中心線Oを中心として回動位置調整可能に取付けることにより、図11(B)に示すように、現場の状況に応じ、バケット26の向きをアーム7の中心軸線xに対して任意に設定でき、作業性が向上する。
【0028】
上記実施例においては、バケット26を開くためのばね31をフレーム27の内部に取付けたが、図12に示すように、シェル32に設けられているアーム56を外側に延長してばね受部56aを設け、該ばね受部56aとフレーム27の外側に設けたばね受部27eとの間に引張ばね67を設けることにより、バケット26が開き方向に付勢されるようにしてもよい。また、図13に示すように、シェル32の左右のロッド54の間に押しばね58を介装してバケット26が開き方向に付勢されるようにしてもよい。これら図12、図13のようにフレーム27の外部にばね67、68を取付けるようにすれば、フレーム27は短く、かつ小型化することができる。
【0029】
以上の実施例は、開閉式作業具がクラムシェルバケットである場合について示したが、本発明はホークグラブやグラブバケットにも適用できる。また、図14(A)に示すように、固定ブラケット20とフレーム27との間に、アーム7に対する開閉式作業具の角度を調整する油圧シリンダ70を取付けた構造、または図14(B)に示すように、固定ブラケット20とフレーム27との間をリンク71で接続する構造としてもよい。図14(A)のような角度調整用のシリンダ70を設けた場合、図示のように開閉式作業具としてホークグラブ16を設ければ、作業現場に応じた角度でホークグラブ16の向きを設定できる。また、図14(B)に示すように、リンク71を設けた場合も、アーム7と開閉式作業具16との角度を任意の角度に固定できると同時に、開閉式作業具16の振れを防止でき、作業性が向上する。また、開閉式作業具をアーム7から垂下するのではなく、ブーム5から垂下し、開閉式作業具の開閉はアームシリンダ6によって行うようにしてもよい。
【0030】
また、開閉用のワイヤロープ37の代わりに、図15(A)に示すようにローラチェーンやブロックチェーン等のように、スプロケットに咬みあわせるチェーン74を用い、シーブ63、64の代わりにスプロケット72、73を用いてもよく、図15(B)に示すように、シーブ63、64の双方はたは図示のように一方にローラ75を用いてもよく、さらに図15(C)に示すように、コイルチェーン76を用い、シーブ63、64の代わりにローラ77、78を用いてもよい。コイルチェーン76を用いれば、バケットシリンダ9や操作部材28との連結が容易であり、かつ大きな荷重に耐え得るという利点がある。また、開閉式作業具を開くためのばね31および可動部材51を押圧する弾性材として、ばね53の代わりにゴムを用いてもよい。
【0031】
【発明の効果】
請求項1、4、5によれば、油圧シリンダのバケットシリンダあるいはアームシリンダを用いて開閉式作業具の開閉を行うようにしたので、油圧ショベルの改造を行わずに開閉式作業具が取付けられ、油圧ショベルに備えられているバケットシリンダやアームシリンダで開閉式作業具を開閉できるから、油圧ショベルの油圧配管の改造を行う必要がなく、バックホウバケットの交換アタッチメントを安価に提供できる。
【0032】
また、アームに対する開閉式作業具の向きが変化しても、支持シーブとガイドシーブとを取付けた回動ブラケットの回動により、前記両シーブ間のワイヤロープ繰出し部から開閉式作業具までの距離がほとんど変化せず、作業において、アームに対する開閉式作業具の向きの変更を考慮する必要がない。
【0033】
請求項2によれば、ワイヤロープを操作部材に直接接続するのではなく、弾性材により開き方向に付勢された可動部材に接続したので、ワイヤロープの引き力を弾性材に吸収させておくことができ、アームやブームに対する開閉式作業具フレームの角度の変化による開閉式作業具の開閉を完全に防止することができる。
【0034】
請求項3によれば、現場の状況に応じて開閉式作業具の向きを変えることができ、作業性が向上する。
【0035】
請求項6によれば、シリンダや操作部材との連結が容易であり、かつ大きな荷重に耐え得るという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は油圧ショベルにクラムシェルバケットを取付けた本発明の一実施例を示す側面図、(B)は(A)のE−E拡大断面図、(C)は(A)のF拡大矢視図である。
【図2】図1(A)の要部拡大図である。
【図3】図2のG−G拡大断面図である。
【図4】(A)は図2のH−H拡大断面図、(B)、(C)はそれぞれ(A)のI−I断面図、J−J断面図である。
【図5】(A)は図2のK−K断面図、(B)、(C)はそれぞれ(A)のL−L断面図、M−M断面図である。
【図6】本実施例の開閉式作業具が開いた状態を示す一部断面側面図である。
【図7】本発明に対する比較例をアームと開閉式作業具との角度が小さい場合について示す側面図である。
【図8】図7の比較例をアームと開閉式作業具との角度が大きい場合について示す側面図である。
【図9】図7、図8の比較例の作用説明図である。
【図10】(A)、(B)はそれぞれ前記実施例の作用説明図である。
【図11】(A)は図2のP−P拡大断面図、(B)は実施例の開閉式作業具の取付け構造の作用説明図である。
【図12】本発明の他の実施例を示す断面図である。
【図13】本発明の他の実施例を示す断面図である。
【図14】(A)、(B)は本発明の他の実施例を示す断面図である。
【図15】(A)〜(C)は本発明における回動ブラケットの他の構成例を示す図である。
【図16】(A)は油圧ショベルの側面図、(B)は油圧ショベルをベースマシンとして構成された従来のクラムシェルの側面図である。
【図17】(A)、(B)はそれぞれホークグラブの油圧ショベルに対する従来の取付け構造の例を示す側面図である。
【図18】ホークグラブの油圧ショベルに対する従来の取付け構造の例を作業状態で示す側面図である。
【符号の説明】
1:下部走行体、2:旋回装置、3:上部旋回体、4:ブームシリンダ、5:ブーム、6:アームシリンダ、7:アーム、8:バックホウバケット、9:バケットシリンダ、10:リンク、20:固定ブラケット、21:ピン、22:バンド、23:ねじロッド、24:ナット、25:ピン、26:クラムシェルバケット、27:フレーム、27a:取付けフレーム、27d:主フレーム、28:操作部材、31:ばね、32:シェル、34:リンク、37:ワイヤロープ、39:ブラケット、40:シーブ、41:接続点、51:可動部材、53:補助ばね、62:回動ブラケット、63:支持シーブ、64:ガイドシーブ、67:引張ばね、68:押しばね、72、73:スプロケット、74:スプロケット用チェーン、75:ローラ、76:コイルチェーン、77、78:ローラ
Claims (6)
- 油圧ショベルのアームまたはブームの先端に固定ブラケットを着脱自在に取付け、
該固定ブラケットにピンを介してクラムシェルバケット、グラブバケットまたはホークグラブのうちのいずれかの開閉式作業具を前後方向に回動自在に垂下し、
前記ピンを中心として回動ブラケットを上下回動自在に取付け、
該回動ブラケットの前記ピンより偏心した位置に、前記開閉式作業具支持用のワイヤロープを掛ける支持シーブを取付けると共に、該回動ブラケットの前記ピンを中心として前記支持シーブと反対側に偏心した位置に、ガイドシーブを取付け、
前記開閉式作業具は、前記ピンにより垂下されるフレームに沿って移動自在に開閉用の操作部材を内蔵すると共に、該開閉式作業具を開く方向に付勢するばねを備え、
前記アームまたはブームに取付けたバケットシリンダまたはアームシリンダのロッド先端に接続したワイヤロープを、前記回動ブラケットに取付けた支持シーブとガイドシーブとの間に通して前記操作部材に連係させてなり、
前記バケットシリンダまたはアームシリンダの伸縮によって前記開閉式作業具が開閉すると共に、前記アームまたはブームに対する前記フレームの角度の変化に応じて前記回動ブラケットが前記ピンを中心として回動する
ことを特徴とする開閉式作業具を有する油圧ショベル。 - 請求項1において、
前記フレーム内に、該フレームおよび前記操作部材に対して上下動自在に可動部材を設け、該可動部材と前記操作部材との間に前記ワイヤロープの引き力を吸収する弾性材を介装し、
前記ワイヤロープの先端を前記可動部材に接続した
ことを特徴とする開閉式作業具を有する油圧ショベル。 - 請求項1または2において、
前記開閉式作業具のフレームを、前記ピンに対して前後方向に回動自在に取付けた取付けフレームと、該取付けフレームに対して縦向き中心線を中心として回動位置調整可能に取付けられた主フレームとにより構成した
ことを特徴とする開閉式作業具を有する油圧ショベル。 - 請求項1から3までのいずれかにおいて、
前記ワイヤロープの代わりにチェーンを用い、かつ前記シーブの代わりにスプロケットまたはローラを用いた
ことを特徴とする開閉式作業具を有する油圧ショベル。 - 請求項1から3までのいずれかにおいて、
前記支持シーブ、ガイドシーブの少なくとも一方にローラを用いた
ことを特徴とする開閉式作業具を有する油圧ショベル。 - 請求項4において、
前記チェーンとしてコイルチェーンを用いた
ことを特徴とする開閉式作業具を有する油圧ショベル。
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