JP3717090B2 - 開閉式作業具を有する作業機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧ショベルのブームまたはアームの先端にクラムシェルバケット、グラブバケットまたはホークグラブ等の開閉式作業具を取付けてなる作業機に関する。
【0002】
【従来の技術】
図19(A)は油圧ショベルを示す側面図であり、油圧ショベルは、下部走行体1上に旋回装置2を介して上部旋回体3を設置し、該上部旋回体3に、ブームシリンダ4によりブーム5を起伏自在に取付け、ブーム5の先端にアームシリンダ6によりアーム7を上下回動自在に取付け、アーム7の先端にピン12を中心として回動自在にバックホウバケット8を取付け、バケットシリンダ9によりリンク10を介して該バックホウバケット8を回動させる。
【0003】
このような油圧ショベルは、バックホウバケット8を取外して目的に応じた種々の作業具を取付けることにより、種々の作業機として応用される。図19(B)はその一例であり、バックホウバケット8を取外し、クラムシェルバケット11を、ピン12およびアタッチメント100を介して垂下して取付けてなり、油圧シリンダ101を伸縮させることにより、クラムシェルバケット11が開閉されて掘削、排土が行われる。
【0004】
開閉式作業具としては、バックホウバケット8の代わりに、ホークグラブをその向きがバケットシリンダ9により任意に変えられるようにチルト式に取付けたものがあり、ホークグラブの爪の開閉はホークグラブに設けた油圧シリンダにより行われる。また、他の例としては、アーム7からピン12によりホークグラブを垂下式に取付け、ホークグラブの爪の開閉は油圧シリンダにより行うものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来例においては、いずれも油圧シリンダによりクラムシェルバケット11やホークグラブを開閉するものであるため、油圧ショベルに油圧シリンダ用の油圧配管を設置しなければならず、油圧ショベル本体の改造が必要となる。また、油圧シリンダを使用しているので、高価となる。
【0006】
このような問題点を解決するため、本出願人は、バケットシリンダ9の収縮により作業具を閉じ、ばねの力により作業具を開くように構成したものを開発し、特願平8−153035号として提案した。しかし、この先願に係る開閉式作業具は、ばねの力によって開くものであるため、作業具がクラムシェルバケットである場合において、粘性のある土質の掘削を行う際に、掘削土砂の粘度によってバケットが充分な開度に開かなくなったり、開き速度が遅くなって作業能率が悪くなることがあるという問題点があった。
【0007】
本発明は、上記した問題点に鑑み、油圧ショベルの改造を行わずにクラムシェルバケット、ホークグラブあるいはグラブバケット等の開閉式作業具が取付けられ、油圧ショベルに備えられている油圧シリンダで開閉でき、もって安価に提供できると共に、粘度質の土質を掘削する場合においても、迅速に開くことができる開閉式作業具を有する作業機を提供することを目的とする。
【0008】
本発明の他の目的は、作業具が掘削具である場合に、深い縦穴の掘削を行う場合にアタッチメントが縦穴の壁面に衝突することなく、円滑に掘削が行える開閉式作業具を有する作業機を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、作業現場の状況に応じて、作業具の向きを任意に変更できる開閉式作業具を有する作業機を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、作業具が掘削具である場合に、より深い縦穴の掘削が可能となる開閉式作業具を有する作業機を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の開閉式作業具を有する作業機は、
油圧ショベルのアームにバケットシリンダを取付け、
前記アームの先端にブラケットを着脱自在に取付け、
該ブラケットにピンを介してクラムシェルバケット、グラブバケットまたはホークグラブのうちのいずれかの開閉式作業具を取付け、
前記ブラケットに前記バケットシリンダにより回動される第1の回動体を取付け、
該開閉式作業具は、前記ブラケットに取付けられるフレームを有し、該フレーム内に、第2の回動体を軸支し、該第2の回動体と前記第1の回動体とを、ワイヤロープまたはチェーンを介して両回動体が連動するように連係し、
前記開閉式作業具のフレーム内に、作業具開閉用の操作部材を上下動自在に内蔵すると共に、
前記第2の回動体の回動に応じて前記操作部材を上下動させる機構を設けてなり、
前記バケットシリンダの伸縮によって前記開閉式作業具が開閉する
ことを特徴とする(請求項1)。
【0012】
また本発明は、請求項1において、
前記ブラケットを、前記アームの長さ方向に長い構造とし、
該ブラケットの長手方向の中間部に前記第1の回動体を回動自在に取付け、
該第1の回動体と前記バケットシリンダとをリンクにより連結すると共に、該連結部をリンクを介してアームまたはブラケットに連結した
ことを特徴とする(請求項2)。
【0013】
また、本発明は、請求項1または2において、
前記開閉式作業具のフレームを、上部フレームと、上部フレームに対して回動自在に取付けた下部フレームとに分割し、前記操作部材と開閉式作業具本体とを、相対回動自在とする連結機構により連結した
ことを特徴とする(請求項3)。
【0014】
また、本発明は、請求項1から3までのいずれかにおいて、
前記開閉式作業具のフレームを、上部フレームと、該上部フレームに対して着脱自在に結合する下部フレームとに分割すると共に、上部フレームと下部フレームとの間に着脱自在に介在させる継ぎ足しフレームを有し、
該継ぎ足しフレームによりフレームを構成する際に、前記操作部材と作業具本体とを接続する継ぎ足し操作部材を備えた
ことを特徴とする(請求項4)。
【0015】
また、本発明は、請求項1から4までのいずれかにおいて、
前記アームの代わりにブームを用い、かつバケットシリンダの代わりにアームシリンダを用いた
ことを特徴とする(請求項5)。
【0016】
【作用】
請求項1においては、アームに取付けたバケットシリンダを収縮または伸長させると、ブラケットに取付けた第1の回動体が回動し、これにより、第1の回動体とワイヤロープやチェーンにより連係された第2の回動体が回動し、これによりフレームに沿って操作部材が上下し開閉式作業具が開閉される。
【0017】
請求項2においては、アームに取付けるブラケットとしてアームの長さ方向に長いブラケットを用い、その中間部に第1の回動体を取付けたので、第1の回動体のブラケットからの突出量を小さくすることができ、縦穴掘削の際に、第1の回動体が掘削の邪魔にならない。
【0018】
請求項3においては、作業具が回動可能であるため、掘削具をして作業具を用い、例えば四角の縦穴を掘削する場合のコーナー掘削の際に、作業具を回動させることにより、油圧ショベル本体を動かすことなく、コーナー部を掘削することが可能となる。
【0019】
請求項4においては、作業具として掘削具を用い、そのフレームを継ぎ足しフレームを用いて長く構成することにより、深い穴を掘ることができる。
【0020】
請求項5においては、アームの代わりにブームに開閉式作業具を取付けて作業を行う。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は本発明による開閉式作業具を有する作業機の一実施例の要部を示す側断面図、図2は該実施例の作業機を示す側面図、図3はその作業具支持部を示す平面図である。
【0022】
図2に示すように、本実施例においては、油圧ショベルのアーム7の先端にブラケット16をピン17、18により着脱自在に取付けている。該ブラケット16の取付け構造は、ピンと共にバンドとねじを用いた構造等、種々の構造が採用できる。
【0023】
該ブラケット16の先端部には、ピン39を介してクラムシェルバケット15を垂下して取付ける。該ブラケット16の上部には、ピン19を中心として回動自在に第1の回動体(ベルクランク)21を回動自在に取付け、バケットシリンダ9のロッドを該第1の回動体21にピン20により連結し、これによりバケットシリンダ9の伸縮を第1の回動体21の回動に変換する機構を構成する。
【0024】
前記クラムシェルバケット15は、図1に示すように、ブラケット16から垂下される筒状のフレーム27に沿って移動自在に作業具開閉用の筒状をなす操作部材31を内蔵すると共に、フレーム27における操作部材31の上部に、ピン40を中心として回動自在に第2の回動体(ベルクランク)を取付ける。
【0025】
前記第1の回動体21と第2の回動体26には、作業具開き用ワイヤロープ22の両端22a、22bをそれぞれ接続すると共に、作業具閉じ用ワイヤロープ23の両端23a、23bをそれぞれ回動体21、26に、前記開き用ワイヤロープ22a、22bのほぼ反対側において接続する。これにより、第1の回動体21と第2の回動体25とはワイヤロープ22、23により連係され、第1の回動体21の回動に伴い、第2の回動体26が連動する。
【0026】
これらのワイヤロープ22、23は、図1、図3に示すように、フレーム27を垂下したピン39と同軸に取付けたガイド装置14のそれぞれ対をなすシーブ24、24間に通すことにより、これらのワイヤロープ22、23のブラケット16の先端における通過位置がピン39の軸心位置にあるように構成する。これにより、アーム7に対するフレーム27の角度が変化しても、第2の回動体26が回動しないようにする。
【0027】
図1と、それぞれ図1のG−G、H−H拡大断面図である図5(A)、(B)に示すように、第2の回動体26は、操作部材31に対し、リンク28、30およびピン41、43、45により連結され、リンク28、30どうしを連結するピン43には、リンク29の一端が連結され、該リンク29の他端はフレーム27にピン42によって回動自在に連結される。これにより、第2の回動体26の回動を操作部材31の上下動に変換する変換機構が構成される。
【0028】
図1と、それぞれ図1のI−I拡大断面図である図6に示すように、操作部材31の下部には平板部31aを有し、該平板部31aの上下面に、シェル(作業具本体)37に加わる掘削時の衝撃が回動体21、26やワイヤロープ22、23やリンク28〜30等に加わることを防止するためのゴム等のクッション材32、33を当接し、これらのクッション材32、33および平板部31aに頭付きピン34を貫通し、該頭付きピン34の下部にホークエンド35をピン46により結合する。また、図1、図6と、図1のJ−J断面図である図7(A)と、それぞれ図7(A)のK−K、L−L断面図である図7(B)、(C)に示すように、前記ホークエンド35と、左右のシェル37のリンク接続部37aとは、それぞれリンク36およびピン47、48により連結される。また、各シェルの上部の外方に突出したフレーム接続部37bが、それぞれフレーム27の下端の対向する部分にピン49により回動自在に連結される。
【0029】
この構成において、アーム7に取付けられているバケットシリンダ9を図1の矢印aのように伸長させると、第1の回動体21が矢印bのように回動し、これにより閉じ用ワイヤロープ23を介して第2の回動体26の一端が引かれて矢印cのように回動し、これによりリンク28、30を介して操作部材31が矢印dを示すように引き上げられ、シェル37が矢印eのように閉じる。
【0030】
反対に、バケットシリンダ9を図4の矢印fのように収縮させると、第1の回動体21が矢印gのように回動し、これにより開き用ワイヤロープ22を介して第2の回動体26の一端が引かれて矢印hのように回動し、これによりリンク28、30を介して操作部材31が矢印iのように押し下げられ、シェル37が矢印jのように開く。
【0031】
このように、本発明によれば、バケットシリンダ9をクラムシェルバケット15の開閉用アクチュエータとして使用する構成としたため、クラムシェルバケット15に油圧シリンダを備えることなく、バケット15の開閉を行うことができる。このため、油圧ショベル側の油圧配管の改造を行うことなく、廉価にクラムシェルアタッチメントを提供できる。また、クラムシェルバケット15のシェル37を閉じる場合のみならず、開く場合にもバケットシリンダ9の力を利用して開くことを可能としたため、粘度の高い土質の掘削を行う場合であっても、シェル37の開きが悪くなったり遅くなったりすることがなく、能率良く作業を行える。
【0032】
図8は本発明における第1、第2の回動体の他の例であり、本例においては、前記ピン19、40にそれぞれドラム状の第1、第2の回動体81、82を回動自在に取付け、これらの回動体81、82に開き用のワイヤロープ22と閉じ用のワイヤロープ23の両端をそれぞれ巻付け、これらのワイヤロープ22、23を図3と同様にそれぞれ対をなすシーブ24、すなわちピン39の軸心位置に通してガイドさせ、回動体81、82に取付けたアーム81a、82aにそれぞれバケットシリンダ9のロッド、前記リンク28をピン20、41により連結したものである。この構成によってもバケットシリンダ9の伸縮によって回動体81、82を連動させて前記バケット15のシェル37を開閉することができる。なお、ワイヤロープは図示のように22、23からなる2本とするのではなく、1本としてもよい。
【0033】
図9は本発明における第1、第2の回動体の他の例であり、本例においては、前記ピン19、40にそれぞれドラム状の第1の回動体83、84を回動自在に取付け、これらの回動体83、84にスプロケット83a、84aをそれぞれ2個ずつ取付け、開き用のチェーン22−1と閉じ用のチェーン23−1の両端をそれぞれスプロケット83a、84aに固定して噛合させ、これらのチェーン22−1、23−1をガイド装置14に設けた対をなすローラまたはスプロケット24A間に通してガイドさせ、回動体83、84に取付けたアーム83b、84bにそれぞれバケットシリンダ9のロッド、前記リンク28をピン20、41により連結したものである。この構成によってもバケットシリンダ9の伸縮によって回動体81、82を連動させて前記バケット15のシェル37を開閉することができる。このようにチェーン22−1、23−1を用いれば、小型で大きな開閉力に耐えることができ、取付けも容易になるという利点がある。
【0034】
図10(A)は本発明の他の実施例を示す側面図、図10(B)、(C)は(A)のQ−Q拡大断面図、R−R拡大断面図であり、本実施例は、前記ブラケット16を、前記アーム7の長さ方向に長い構造として該ブラケット16をアーム7にピン17、18により着脱自在に取付け、該ブラケット16の長手方向の中間部に前記第1の回動体21をピン19により回動自在に取付け、該第1の回動体21と前記バケットシリンダ9とをリンク51およびピン52、54により連結すると共に、ピン52による連結部をリンク50を介してブラケット16にピン53により回動自在に連結したものである。第1の回動体21と第2の回動体26とはワイヤロープ22、23により連係される。また、図8、図9のような第1の回動体81、82あるいは83、84の連動機構を用いることもできる。また、リンク50はピン17または18の位置においてアーム7に取付けてもよい。
【0035】
図1ないし図7の実施例のように、ブラケット16に対して第1の回動体21をアーム7の上部に取付ければ、図11(A)に示すように、縦穴55を掘削する場合、バケット15の中心から第1の回動体21の頂部までの突出量Y1が大となり、縦穴55の壁面55aまでの間隔X1が小さくなるが、本実施例のように、ブラケット16を長くしてその中間部に第1の回動体21をピン19により取付ける構造とすれば、前記突出量Y2は小さくなり、壁面55aまでの間隔X2を大きくとれ、縦穴掘削作業が容易となる。
【0036】
図12(A)は本発明の他の実施例を示す側断面図、図13は図12(A)のS−S断面図であり、本実施例は、開閉式作業具のフレーム27を、上部フレーム27aと、上部フレーム27bに対して回動自在に取付けた下部フレーム27bとに分割し、前記操作部材31と開閉式作業具本体であるシェル37とを、相対回動自在とする頭付きピン34からなる連結機構により連結したものである。すなわち、上部フレーム27aの下端と下部フレーム27bの上端にはそれぞれフランジ27a−1、27b−1を設け、半円状の2個の押さえリング60と上部フレーム27aのフランジ27a−1との間で下部フレーム27bのフランジ27b−1を微小隙間を介して挟み、フランジ27a−1とリング60とをボルト61、ナット62で結合し、また、頭付きピン34は、フレーム27の中心63に設け、該ピン34をクッション材32、33や操作部材31の平板部31aの貫通部において回動自在に貫挿することにより、下部フレーム27bを上部フレーム27aに対して回動自在としたものである。
【0037】
本実施例によれば、四角の広い縦穴のコーナー部を掘削する際、シェル37を穴や溝の壁面等に当てて旋回装置2を作動させて上部旋回体3以上の部分を旋回させることにより、シェル37の角度を変更することができ、下部走行体1を作動させて油圧ショベルの位置や向きを変更することなく、シェル37の向きを迅速かつ容易に変えることができ、掘削作業を能率良く行うことができる。なお、図12(B)に示すように、上部フレーム27aと下部フレーム27bとを球軸受64によって結合しても良い。
【0038】
図14、図15は本発明の他の実施例を示す側断面図であり、本実施例は、図14に示すように、前記開閉式作業具のフレーム27を、上部フレーム27cと、該上部フレーム27cのフランジ27c−1に対して上端のフランジ27d−1を合わせてボルト70、ナット71により着脱自在に結合する下部フレーム27dとに分割すると共に、ホークエンド35を上部部材35aと下部部材35bとに分割してそれぞれのフランジ35a−1、35b−1をボルト74とナット75とにより着脱自在したものであり、また、図15に示すように、上部フレーム27cと下部フレーム27dとの間に着脱自在に介在させる継ぎ足しフレーム72を有すると共に、該継ぎ足しフレーム72によりフレームを構成する際に、ホークエンド35の上部部材35aと下部部材35bとの間に継ぎ足し操作部材(ロッドまたはリンク)73を介在させたものである。
【0039】
すなわち、継ぎ足しフレーム72の上下端には、前記フランジ27c−1、27d−1に合致し、かつ対応位置にボルト穴を設けたフランジ72a、72bを設け、これらのフランジ72a、72bをそれぞれ前記上部フレーム27cのフランジ27c−1、27d−1に合わせてそれぞれボルト70、ナット71により着脱自在に結合し、継ぎ足し操作部材73の上下端には、前記フランジ35a−1、35b−1に合致し、かつ対応位置にボルト穴を設けたフランジ73a、73bを設け、これらのフランジ73a、73bをそれぞれ前記上部部材35a、下部部材35bのフランジ35a−1、35b−1に合わせてそれぞれボルト74、ナット75により着脱自在に結合したものである。
【0040】
本実施例によれば、図15に示すようにフレーム27を長くして作業を行うことができ、これにより、深い縦穴を掘削することが可能となり、また、深い縦穴を掘削する必要がない場合には、図14に示すようにフレーム27を短くして作業を行うことができ、作業現場に応じてフレーム27の長さを変えることができる。
【0041】
図16は本発明の他の実施例を示す正面断面図、図17はそのT−T拡大断面図であり、本実施例は、前記バケットシリンダ9により回動させる第1の回動体であるドラム81(図8参照)にワイヤロープ76を巻き、該ワイヤロープ76を前記ガイド装置14の対をなすシーブ24、24間に通し、フレーム27の中央部に設けたシーブ取付部27fにピン77により設けた第2の回動体であるシーブ78に前記ワイヤロープ76を掛け、該ワイヤロープ76をロッド79により操作部材31に結合し、前記シーブ取付部27fにはロッド79を上下動自在に嵌める縦溝27gを設けたものである。
【0042】
本実施例によれば、前記バケットシリンダ9の伸縮によってドラム81を回動することにより、ワイヤロープ76の一方の部分jが繰り出されると、他方の部分kが巻き取られることにより、シーブ78が矢印mで示すように回動し、操作部材31がロッド79を介して押し込まれてシェル37が開かれ、反対に、一方の部分jが巻取られ、他方の部分kが繰り出されると、シーブ78が反m方向に回動し、操作部材31はロッド79を介して引き上げられてシェル37が閉じる。
【0043】
このような構成によっても、シェル37の開閉が可能である。なお、ワイヤロープ76の代わりにチェーンを用いてもよく、その場合には、第1の回動体や第2の回動体としてスプロケットを用いてもよい。
【0044】
上記実施例においては、ブラケット16から垂下するものがクラムシェルバケットである場合について示したが、前記操作部材31やフレーム27等に作業具本体としてホークグラブを取付ける場合にも適用でき、さらにグラブバケットにも適用できる。
【0045】
また、以上の実施例はいずれもアーム7にブラケット16を取付け、該ブラケット16にクラムシェルバケット15を取付けた例を示したが、図18の側面図に示すように、ブーム5にピン18およびバンド90等によりブラケット16を着脱自在に取付けてもよい。また、開閉式作業具をアームやブームから垂下するのではなく、開閉式作業具とアーム7やブームとの間に、相対角度を調整する装置を介して作業具を取付けてもよい。
【0046】
【発明の効果】
請求項1によれば、油圧シリンダのバケットシリンダを用いて開閉式作業具の開閉を行うようにしたので、油圧ショベルの改造を行わずに開閉式作業具が取付けられ、油圧ショベルに備えられているバケットシリンダで開閉式作業具を開閉できるから、油圧ショベルの油圧配管の改造を行う必要がなく、バックホウバケットの交換アタッチメントを安価に提供できる。また、作業具を閉じる場合のみならず、開く場合にもバケットシリンダの力を利用して開くことを可能としたため、粘度の高い土質の掘削を行う場合であっても、作業具の開きが悪くなったり遅くなったりすることがなく、能率良く作業を行える。
【0047】
請求項2によれば、アームに取付けるブラケットとしてアームの長さ方向に長いブラケットを用い、その中間部に第1の回動体を取付けたので、第1の回動体のブラケットからの突出量を小さくすることができ、縦穴掘削の際に、第1の回動体が掘削の邪魔にならず、縦穴掘削を容易に行うことができる。
【0048】
請求項3によれば、作業具が回動可能であるため、作業具をして掘削具を用いる場合、例えば四角の縦穴や溝を掘削する場合のコーナー掘削の際に、作業具を回動させることにより、油圧ショベル本体を動かすことなく、コーナー部を掘削することが可能となり、穴や溝の掘削が容易かつ能率良く行える。
【0049】
請求項4によれば、作業具として掘削具を用い、継ぎ足しフレームを用いてフレームを長く構成することにより、深い穴を掘ることができる等、作業現場に応じてフレームの長さを変えることができ、適応範囲が広がる。
【0050】
請求項5によれば、アームの代わりにブームにブラケットおよび前記第1の回動体、第2の回動体の連動機構を介して開閉式作業具を取付けて作業を行うため、アームシリンダの伸縮により、請求項1と同様の効果をあげることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による開閉式作業具を有する作業機の一実施例の要部を示す側断面図である。
【図2】図1の開閉式作業具を備えた本発明による作業機の一実施例を示す側面図である。
【図3】図1、図2の実施例の作業具の支持部を示す平面図である。
【図4】図1の開閉式作業具を開いた状態で示す側断面図である。
【図5】(A)、(B)はそれぞれは図1のG−G、H−H拡大断面図である。
【図6】図1のI−I拡大断面図である。
【図7】(A)は図1のJ−J拡大断面図、(B)、(C)はそれぞれ(A)のK−K、L−L断面図である。
【図8】本発明の回動体の連動機構の他の例を示す図であって、(A)は部分平面図、(B)は側面図である。
【図9】本発明の回動体の連動機構の他の例を示す図であって、(A)は部分平面図、(B)は側面図である。
【図10】(A)は本発明の他の実施例を示す側面図、(B)、(C)はそれぞれ(A)のQ−Q、R−R拡大断面図である。
【図11】(A)は図1〜図7の実施例による縦穴の掘削状況を示す側面図、(B)は図10の実施例による縦穴の掘削状況を示す側面図である。
【図12】(A)は本発明の他の実施例を示す側断面図、(B)はその変形例を示す断面図である。
【図13】図12のS−S断面図である。
【図14】本発明の他の実施例を示す側断面図である。
【図15】図14の実施例において、継ぎ足しフレームを取付けた状態を示す側断面図である。
【図16】本発明の他の実施例を示す正面断面図である。
【図17】図16のT−T拡大断面図である。
【図18】本発明の他の実施例を示す側面図である。
【図19】(A)は従来の油圧ショベルの側面図、(B)は油圧ショベルのバケットの代わりにクラムシェルバケットを取付けた従来例を示す側面図である。
【符号の説明】
1:下部走行体、2:旋回装置、3:上部旋回体、4:ブームシリンダ、5:ブーム、6:アームシリンダ、7:アーム、8:バックホウバケット、9:バケットシリンダ、14:ガイド装置、15:クラムシェルバケット、16:ブラケット、17〜20:ピン、21:第1の回動体、22、23:ワイヤロープ、22−1、23−1:チェーン、24:シーブ、25:フレーム、26:第2の回動体、27:フレーム、27a、27c:上部フレーム、27b、27d:下部フレーム、27a−1、27b−1、27c−1、27d−1:フランジ、27f:シーブ取付部、27g:溝、29、30:リンク、31:操作部材、32、33:クッション材、34:頭付きピン、36:リンク、39〜49:ピン、50:リンク、52〜54:ピン、60:押さえリング、61、70、74:ボルト、71、72、75:ナット、72:継ぎ足し操作部材、73:継ぎ足しフレーム、78:シーブ、81、83:第1の回動体、82、84:第2の回動体、83a、84a:スプロケット

Claims (5)

  1. 油圧ショベルのアームにバケットシリンダを取付け、
    前記アームの先端にブラケットを着脱自在に取付け、
    該ブラケットにピンを介してクラムシェルバケット、グラブバケットまたはホークグラブのうちのいずれかの開閉式作業具を取付け、
    前記ブラケットに前記バケットシリンダにより回動される第1の回動体を取付け、
    該開閉式作業具は、前記ブラケットに取付けられるフレームを有し、該フレーム内に、第2の回動体を軸支し、該第2の回動体と前記第1の回動体とを、ワイヤロープまたはチェーンを介して両回動体が連動するように連係し、
    前記開閉式作業具のフレーム内に、作業具開閉用の操作部材を上下動自在に内蔵すると共に、
    前記第2の回動体の回動に応じて前記操作部材を上下動させる機構を設けてなり、
    前記バケットシリンダの伸縮によって前記開閉式作業具が開閉する
    ことを特徴とする開閉式作業具を有する作業機。
  2. 請求項1において、
    前記ブラケットを、前記アームの長さ方向に長い構造とし、
    該ブラケットの長手方向の中間部に前記第1の回動体を回動自在に取付け、
    該第1の回動体と前記バケットシリンダとをリンクにより連結すると共に、該連結部をリンクを介してアームまたはブラケットに連結した
    ことを特徴とする開閉式作業具を有する作業機。
  3. 請求項1または2において、
    前記開閉式作業具のフレームを、上部フレームと、上部フレームに対して回動自在に取付けた下部フレームとに分割し、前記操作部材と開閉式作業具本体とを、相対回動自在とする連結機構により連結した
    ことを特徴とする開閉式作業具を有する作業機。
  4. 請求項1から3までのいずれかにおいて、
    前記開閉式作業具のフレームを、上部フレームと、該上部フレームに対して着脱自在に結合する下部フレームとに分割すると共に、上部フレームと下部フレームとの間に着脱自在に介在させる継ぎ足しフレームを有し、
    該継ぎ足しフレームによりフレームを構成する際に、前記操作部材と作業具本体とを接続する継ぎ足し操作部材を備えた
    ことを特徴とする開閉式作業具を有する作業機。
  5. 請求項1から4までのいずれかにおいて、
    前記アームの代わりにブームを用い、かつバケットシリンダの代わりにアームシリンダを用いた
    ことを特徴とする開閉式作業具を有する作業機。
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