JP3706330B2 - 多段伸縮式アームおよび作業機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロープシーブを介して巻回した引き上げロープによりアームを伸縮させる多段伸縮式アーム作業機に関する。
【0002】
【従来の技術】
油圧ショベル本体をベースとし、ブーム先端に多段伸縮式バケットを備えた作業機(以下、多段伸縮式アーム作業機)が知られている。例えば、ブームに連結されるファーストアーム(アウタアーム)、ファーストアーム内に挿入されるセカンドアーム、セカンドアーム内に挿入されるとともにバケットが連結されるサードアーム(インナアーム)からなる3段の伸縮式アーム作業機は、以下のような2つの方式に大別して構成される。
【0003】
(1)第1の方式
セカンドアームとサードアームを油圧シリンダを介して連結するとともに、セカンドアームの先端部に引き上げロープシーブを装着する。そして、この引き上げロープシーブに引き上げロープを掛け回し、その一端をファーストアームに、他端をセカンドアーム内のサードアームにそれぞれ連結する。さらに、ファーストアーム内のセカンドアームの基端部には押し込みロープシーブを装着し、この押し込みロープシーブに押し込みロープを掛け回し、その一端をファーストアームに、他端をサードアームにそれぞれ連結する。
(2)第2の方式
ファーストアームとセカンドアームを油圧シリンダを介して連結するとともに、ファーストアーム内のセカンドアームの基端部に引き上げロープシーブを装着する。そして、この引き上げロープシーブに引き上げロープを掛け回し、その一端をファーストアームに、他端をサードアームにそれぞれ連結する。さらに、セカンドアームの先端部に押し込みロープシーブを装着し、この押し込みロープシーブに押し込みロープを掛け回し、その一端をファーストアームに、他端をサードアームにそれぞれ連結する。
【0004】
上記第1の方式および第2の方式において油圧シリンダを伸縮させると、それに伴い引き上げロープシーブの位置が移動する。これにより、引き上げロープシーブからファーストアームまでのロープ長さおよび引き上げロープシーブからサードアームまでのロープ長さは、それぞれ一方が増加し、他方が減少して、各アームが相互に伸縮する。このときサードアームとバケットは引き上げロープ介して支持され、引き上げロープに張力が作用する。掘削作業時には、押し込みロープに張力が作用し、掘削反力に抗してバケットが地面に押し付けられる。押し込みロープには掘削作業時以外にほとんど張力が作用しないため、一般に押し込みロープよりも引き上げロープの方がロープ寿命が短い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した第1の方式では、引き上げロープシーブがセカンドアームの先端部に装着され、引き上げロープシーブは外部に露出している。そのため、引き上げロープシーブの径を大きくすると、掘削作業等時に引き上げロープや引き上げロープシーブが障害物に接触し、それらが損傷するおそれがある。また、上述した第2の方式では、引き上げロープシーブが油圧シリンダとともにファーストアーム内に格納されるため、シーブ径を大きくすることが難しい。その結果、引き上げロープシーブに掛け回されるロープの曲率半径が小さくなり、ロープ寿命が低下する。とくに掘削作業においては土砂の掘削、排出の度にアームを伸縮させるため、ロープに繰り返し負荷が作用し、疲労寿命が問題である。
【0006】
本発明の目的は、上述した第2の方式を採用しつつ、引き上げロープの寿命を向上させ得る多段伸縮式アーム作業機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
一実施の形態を示す図面を参照して説明する。
(1)請求項1の発明は、作業機本体2に鉛直面内で回動可能に支持され、少なくとも第1段アーム41、この第1段アーム41内に伸縮可能に挿入された第2段アーム42、および、この第2段アーム42内に伸縮可能に挿入された第3段アーム43からなる伸縮アーム4と、第1段アーム41と第2段アーム42とを相互に伸縮させる伸縮シリンダ45と、第1段アーム41内の第2段アーム42の基端部に回転可能に装着される一対のロープシーブ46と、ロープシーブ46に掛け回されて一端が第1段アーム41(41a)に連結され、他端が第3段アーム43(43b)に連結された引き上げロープ49とを備える多段伸縮式アームに適用される。そして、第2段アーム42を、第1段アーム41内の周方向一部にその伸縮方向に沿って余剰空間Sを形成するように第1段アーム41内に偏心して配置し、ロープシーブ46の回転軸48を、少なくとも伸縮シリンダ45よりも第1段アーム41の断面中心側に寄せて配置し、さらに伸縮シリンダ45を、一対のロープシーブ46の間を貫通して第2段アーム42内に配置することにより上述した目的を達成する。
(2)請求項2の発明は、請求項1に記載の多段伸縮式アームにおいて、伸縮アーム4の最終段43に装着される作業装置5に駆動圧油を導く油圧ホース50,51と、第1段アーム41内の第2段アーム42の基端部に回転可能に装着されるホースシーブ47とを備え、油圧ホース50,51が、引き上げロープ49とともに余剰空間S内を通過し、ホースシーブ47に掛け回されて作業装置5に導かれるものである。
(3)請求項3の発明は、請求項2に記載の多段伸縮式アームにおいて、ロープシーブ46とホースシーブ47を同一の軸に回転可能48に軸支するものである。
(4)請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の多段伸縮式アームにおいて、第1段アーム41の余剰空間S側基端部に開口部41cを設けるものである。
(5)請求項5の発明は、請求項4に記載の多段伸縮式アームにおいて、開口部41cを作業機本体2側に設けるものである。
(6)請求項6の発明による多段伸縮式アーム作業機は、走行体1と、この走行体1上に旋回する旋回体2と、旋回体2に起伏動するように設置されるブーム3と、このブームの先端に回転可能に設けられる請求項1〜5のいずれか1項に記載の多段伸縮式アーム4とを備えることにより上述した目的を達成する。
【0008】
なお、本発明の構成を説明する上記課題を解決するための手段の項では、本発明を分かり易くするために発明の実施の形態の図を用いたが、これにより本発明が実施の形態に限定されるものではない。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図8を参照して本発明による多段伸縮式アーム作業機の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係わる多段伸縮式アーム作業機を示す側面図である。なお、図1では作業開始前または終了後の点検姿勢を示している。図1に示すように、本実施の形態に係わる多段伸縮アーム作業機は、油圧ショベルをベースマシンとしている。すなわち、アーム作業機は、走行体1と、走行体1上に旋回可能に搭載された旋回体2と、旋回体2に起伏可能に軸支されたブーム3とを有する。ブーム3の先端部には伸縮可能な伸縮アーム4が鉛直面内に回動可能に軸支されている。ブーム3はブームシリンダ3aの伸縮によって起伏し、伸縮アーム4はアームシリンダ4aの伸縮によって回動する。本実施の形態では、図2に示すように、伸縮アーム4の先端(サードアーム43の先端)に開閉バケット5を装着してアーム作業機を作業姿勢にセットし、掘削作業を行う。以下では、図2の作業姿勢を基準にして伸縮アーム4の上下左右方向を定義する。
【0010】
伸縮アーム4の構成について説明する。図3,4は伸縮アームの内部構成を示す側方断面図であり、図5は図3のV-V線断面図、図6は図3の上部拡大図である。なお、図3は伸縮アームの収縮状態を、図4は伸長状態をそれぞれ示す。図3〜6に示すように、伸縮アーム4は、ファーストアーム(アウタアーム)41と、ファーストアーム41内にスライド可能に挿入されたセカンドアーム42と、セカンドアーム42内にスライド可能に挿入されたサードアーム(インナアーム)43とを有する。各アーム41〜43はそれぞれ略矩形状断面を有している。
【0011】
ファーストアーム41の後側面にはブラケット44が設けられ、このブラケット44に図2に示すようにブーム3およびアームシリンダ4aが連結される。図5に示すように、セカンドアーム42はファーストアーム41の前側面、すなわちブラケット44の反対側に偏心して配置されている。これによりセカンドアーム42の上下方向中心線CL2はファーストアーム41の中心線CL1よりも前方にずれ、ファーストアーム41内にはセカンドアーム42の後方に余剰空間Sが形成されている。サードアーム43はセカンドアーム42のほぼ中央に配置され、サードアーム43の上下方向中心線CL3とセカンドアーム42の中心線CL2は一致している。
【0012】
図3、4に示すように、サードアーム43の下端部には作業用アタッチメント装着用のブラケット43aが設けられ、このブラケット43aに図2に示すバケット5が装着されている。バケット5はバケットシリンダ5aの駆動により開閉する。ファーストアーム41の上部内側面には伸縮シリンダ45のロッド側上端部45aが固定され、セカンドアーム42の上端部には伸縮シリンダ45のチューブ側上端部45bが固定されている。伸縮シリンダ45はセカンドアーム42およびサードアーム43の上端面を貫通してこれらアーム42,43内のほぼ中央に延設されている。すなわち油圧シリンダ45の軸線は中心線CL2,CL3上にある。
【0013】
セカンドアーム42の上端部にはファーストアーム41の上端面に向かってブラケット42aが突設され、このブラケット42aにシーブ用回転軸48が支持されている。図5に示すように、回転軸48には一対の引き上げシーブ46が回転可能に支持されるとともに、その内側面に隣接して一対のホースシーブ47が回転可能に支持されている。すなわち、引き上げシーブ46とホースシーブ47は回転軸48を介して一体化されている。図5に示すように回転軸48はファーストアーム41の中心線CL1上にあり、シーブ46,47はファーストアーム41内の余剰空間Sに突出している。伸縮シリンダ45は一対のホースシーブ47の間を貫通している。
【0014】
引き上げシーブ46には引き上げロープ49が掛け回されている。引き上げロープ49の一端はファーストアーム41内の余剰空間S内を通過し、ファーストアーム41の後側面下部に形成された支持部41aに接続されている。引き上げロープ49の他端は、図6に示すようにセカンドアーム42の上端面を貫通し、セカンドアーム42内の伸縮シリンダ45の前方を通過して、サードアーム43の上端部43bに接続されている。
【0015】
一方、ホースシーブ47には旋回体2からバケットシリンダ5aに圧油を供給する油圧ホース50が掛け回されている。油圧ホース50の一端は引き上げロープ49と並んで余剰空間S内を通過し、ファーストアーム41の後側面の支持部41aに固定されている。油圧ホース50の他端は、セカンドアーム42の上端面を貫通し、同じくサードアーム43の上端部43bに固定されている。この油圧ホース50の他端にはサードアーム上端部43bで油圧ホース51の一端が接続され、油圧ホース51の他端はサードアーム43の上端面を貫通し、サードアーム43内の伸縮シリンダ45の前方を通過して、バケットシリンダ5aに接続されている。なお、支持部41aには旋回体2からの油圧ホース(不図示)がブーム3に沿って導かれ、この油圧ホースにホース50の一端が接続される。これにより旋回体2からの圧油が油圧ホース50,51を介してバケットシリンダ5aに導かれる。
【0016】
図3,4に示すように、セカンドアーム42の後側面下端部にはブラケット42bが固設され、このブラケット42bに引き上げシーブ46よりも小径の一対の押し込みシーブ52が回転可能に支持されている。押し込みシーブ52には押し込みロープ53が掛け回され、押し込みロープ53の一端はファーストアーム41の後側面下端部に形成された支持部41bに接続されている。押し込みロープ53の他端は、サードアーム43内の伸縮シリンダ45の後方を通過して、サードアーム43の上端部43cに接続されている。
【0017】
図7は伸縮アーム4の要部外観図(図2のVII部拡大図)であり、図8は図7のVIII-VIII線断面図である。図7,8に示すように、ファーストアーム41の後部には、その上端面から下方にかけてファーストアーム41を前後方向に二等分するように断面略コの字状の開口部41cが設けられている。開口部41cには着脱可能なカバー54(図5参照)が設けられ、カバー54の開放により後述する点検作業やロープ交換作業などを行う。
【0018】
このように構成された多段伸縮式アーム作業機の動作について説明する。
掘削作業を行う場合には、まず、図1の状態にある作業機を図2の状態に姿勢変化させる。この場合、ブームシリンダ駆動用操作レバーおよびアームシリンダ駆動用操作レバー(ともに不図示)の操作によりブームシリンダ3aおよびアームシリンダ4aを駆動し、図2に示すように、伸縮アーム4が地面に対して垂直に立設するようにブーム3を起伏、伸縮アーム4を回動させる。
【0019】
次いで、伸縮シリンダ駆動用操作レバー(不図示)を操作し、伸縮シリンダ25を伸長させる。シリンダ45が伸長するとファーストアーム41に対してセカンドアーム42が伸長するとともに、この伸長動に伴い引き上げシーブ46とロープ支持部41a間の距離が短くなり、引き上げロープ49が弛む。これにより、サードアーム43が自重によって落下し、ロープ49の一端がサードアーム43により引っ張られ、引き上げシーブ46に沿ってロープ49が移動する。その結果、図4に示すようにシーブ49からロープ支持部41aまでのロープ長さが短くなるとともに、その分だけシーブ49からロープ支持部43bまでのロープ長さが長くなる。このようにして伸縮シリンダ45の伸長量に応じ、セカンドアーム42に対してサードアーム43が伸長する。なお、このときホースシーブ47は引き上げシーブ46と一体となって下方に移動するため、引き上げロープ46と同様、油圧ホース50はホースシーブ47に沿って移動する。また、押し込みシーブ42と押し込みロープ53の支持部41b,43cとの距離も図示のように変化する。
【0020】
バケット5が掘削面に達すると、バケットシリンダ駆動用操作レバー(不図示)を操作してバケットシリンダ5aを駆動し、バケット5を開閉して、バケット5内に土砂等をすくい取る。この場合、作業性を向上させるためにはバケット5を応答性よく開閉させる必要があり、そのためには油圧ホース50,51の径を太くすることが有効である。本実施の形態では、余剰空間Sに油圧ホース50を配置しているため、ホース径を太くすることができ、作業性が向上する。
【0021】
掘削作業時には、バケット5には地面からの掘削反力が作用し、サードアーム43は上方に押される。このとき、サードアーム43の上方移動は押し込みロープ53によって規制されるため、サードアーム43の上方移動は阻止される。これにより地面からの掘削反力に抗して大きな掘削力を得ることができる。この場合、押し込みロープ53には掘削反力が作用するだけであり、引き込みロープ49に比べてロープ寿命が問題とならない。そのため、押し込みシーブ52を引き込みシーブ49に比べて小径とすることができる。その結果、掘削アーム先端部の重量の増加を抑えることができ、作業機の安定性が良好である。また、押し込みシーブ52を旋回体2側に設けたので、作業員は運転室からシーブ52を目視することができ、押し込みシーブ52と他の障害物との接触を避けることができる。
【0022】
バケット5内に土砂等を収容すると、レバー操作により伸縮シリンダ45を縮退させる。これによりファーストアーム41内にセカンドアーム42が縮退するとともに、これに伴い引き上げシーブ46が上方に移動する。この移動によって引き上げロープ49を介してサードアーム43が上方に引き上げられ、シリンダ45の縮退量に応じてサードアーム43がセカンドアーム42内に縮退する。この場合、引き上げシーブ46を余剰空間Sに突出して設けたので、シーブ径が大きくなり、シーブ46を通過する際のロープ49の曲率が大きくなる。その結果、引き上げロープ49に作用する曲げ力が小さくなり、ロープ寿命を延ばすことができる。なお、引き上げロープ49には、サードアーム43、バケット5および土砂の総重量に相当する張力が作用する。
【0023】
油圧ホース50についても同様である。すなわち、ホースシーブ47を通過する際のホース50の曲率が大きいため、ホース寿命を延ばすことができる。また、ファーストアーム41の上部に旋回体2に面して開口部41cを設けたので、カバー54を外しておけば、引き上げシーブ46、ホースシーブ47、引き上げロープ49、油圧ホース50等の状態を作業中に目視することができ、これらの異常を早期に発見することができる。
【0024】
伸縮アーム4を縮退してバケット5を上方に移動すると、バケット5を所定の排土位置に移動し、バケット5内の土砂を排出する。そして、伸縮アーム4を再び図4の状態にセットし、同様な作業を繰り返す。伸縮アームのメンテナンス作業、すなわちシーブ46,47,52の点検やロープ交換等を行う場合には、図1に示すように伸縮アーム4を横設する。この場合、開口部41はアーム4の上面に位置することとなり、作業員は開口部41cを介してファーストアーム41内の部品を着脱することができ、メンテナンス作業が容易である。すなわち、例えばロープ交換を行う場合、開口部41cがないと伸縮アーム4を分解する必要があり、多大な作業時間を要するが、本実施の形態では伸縮アーム4を分解する必要がなく、短時間で交換作業を行うことができる。
【0025】
このように本実施の形態では、ファーストアーム41内にセカンドアーム42を偏心して配設し、ファーストアーム41内に伸縮方向に沿って余剰空間Sを形成するようにした。これによって、セカンドアーム42の上端部に、伸縮シリンダ45と干渉することなく、ファーストアーム41内の全体にわたって引き上げシーブ46を配置することができる。その結果、引き上げシーブ46の径を大きくすることができ、引き上げロープ49の寿命を向上させることができる。
【0026】
また、セカンドアーム42の上端部にホースシーブ47を設け、余剰空間Sに油圧ホース50を配置するようにした。これにより、ホース径を太くすることができ、バケット5の開閉動作の応答性を向上させることができるとともに、ホースリールが不要であり、コスト、重量を低減することができる。また、油圧ホース50,51はアーム4内に格納されているので、掘削作業時のホース50,51の損傷を防ぐことができるとともに、美観もよい。さらに、引き上げシーブ46とホースシーブ47を同一の回転軸48上に一体に設けるようにしたので、ファーストアーム41内にこれらをコンパクトに収容することができる。
【0027】
さらにまた、ファーストアーム41の上部に開口部41cを設けるようにしたので、この開口部41cを介してロープ交換等を行うことができ、メンテナンス作業が容易である。また、この開口部41cを旋回体2に面して設けるようにしたので、掘削作業時にファーストアーム41内の様子を目視することができ、異常状態を早期に発見することができる。
【0028】
なお、上記実施の形態では、アーム41〜43をそれぞれ略矩形断面としたが、セカンドアーム42をファーストアーム41内に偏心して配置し、ファーストアーム41内の全体にわたって引き上げシーブを46を配置するのであれば、他の形状(例えば5角形、6角形や円形等)でもよい。また、3段の伸縮アーム4を用いるようにしたが、それ以上の段数があってもよい。さらに、シーブ46,47の回転軸48をファーストアーム41の中心線CL1に一致させるようにしたが、少なくとも油圧シリンダ45の軸線よりも中心線CL1に近く、シーブ46,47が余剰空間Sに突出して設けられるのであれば、回転軸48を中心線CL1に一致させなくてもよい。そして、この要件が満たされるのであれば、セカンドアーム42の中心線CL2とサードアーム43の中心線CL3と油圧シリンダ45の軸線をそれぞれ一致させなくてもよい。
【0029】
引き上げシーブ46とホースシーブ47を一体化するようにしたが、別体としてもよい。開口部41cに着脱可能なカバー54を設けるようにしたが、なくてもよい。また必ずしも開口部41cを設ける必要はない。余剰空間Sを旋回体2に面して設けるようにしたが、旋回体2に面する必要はない。以上では掘削作業を行う場合について説明したが、掘削以外の他の作業を行うようにしてもよい。
また、上記実施の形態は、油圧ショベルをベースマシンとして用いたが、他の作業機(例えばホイールショベルやクレーン)をベースマシーンとして用いることもできる。さらに、伸縮アーム4をブーム3を介して支持するようにしたが、ブーム3を介さずに支持してもよい。
【0030】
以上の実施の形態と請求項との対応において、旋回体2が作業機本体を、ファーストアーム41が第1段アームを、セカンドアーム42が第2段アームを、サードアーム43が第3段アームを、引き上げシーブ46がロープシーブを、バケット5が作業装置を、それぞれ構成する。
【0031】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば次のような効果を奏する。
(1)請求項1の発明によれば、第1段アーム内の周方向一部に伸縮方向に沿って余剰空間を形成するように第2段アームを偏心して設け、第2段アームの基端部に設けたロープシーブの回転軸を少なくとも第1段アームと第2段アームを連結する油圧シリンダよりも第1段アームの断面中心側に寄せて配置するようにしたので、ロープシーブの径を大きくすることができ、引き上げロープの寿命を向上させることができる。
(2)請求項2の発明によれば、第2段アームの基端部にホースシーブを設け、油圧ホースを引き上げロープとともに余剰空間内に配置するようにしたので、ホース径を太くすることができ、作業装置を応答性よく動作させることができる。
(3)請求項3の発明によれば、ロープシーブとホースシーブを同一の軸に回転可能に軸支するようにしたので、第1段アーム内にコンパクトに収容することができるとともに、コストおよび重量が低減する。
(4)請求項4の発明によれば、第1段アームの余剰空間側基端部に開口部を設けるようにしたので、この開口部を介してメンテナンス作業を容易に行うことができる。
(5)請求項5の発明によれば、開口部を作業機本体側に設けるようにしたので、作業時にファーストアーム内の様子を目視することができ、早期の異常状態の発見が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る多段式伸縮アーム作業機を示す側面図。
【図2】本発明の実施の形態に係る多段式伸縮アーム作業機による掘削作業を示す側面図。
【図3】本発明の実施の形態に係る多段式伸縮アーム作業機の内部構成を示す側方断面図(アームが縮退した状態を示す図)。
【図4】本発明の実施の形態に係る多段式伸縮アーム作業機の内部構成を示す側方断面図(アームが伸長した状態を示す図)。
【図5】図3のV-V線断面図。
【図6】図3の上部拡大図
【図7】図2のVII部拡大図。
【図8】図7のVIII-VIII線断面図。
【符号の説明】
1 走行体 2 旋回体
3 ブーム 4 伸縮アーム
5 バケット 41 ファーストアーム
42 セカンドアーム 43 サードアーム
45 伸縮シリンダ 46 引き上げシーブ
47 ホースシーブ 49 引き上げロープ
50,51 油圧ホース 52 押し込みシーブ
53 押し込みロープ 41c 開口部
54 カバー S 余剰空間

Claims (6)

  1. 作業機本体に鉛直面内で回動可能に支持され、少なくとも第1段アーム、この第1段アーム内に伸縮可能に挿入された第2段アーム、および、この第2段アーム内に伸縮可能に挿入された第3段アームからなる伸縮アームと、
    前記第1段アームと前記第2段アームとを相互に伸縮させる伸縮シリンダと、
    前記第1段アーム内の前記第2段アームの基端部に回転可能に装着される一対のロープシーブと、
    前記ロープシーブに掛け回されて一端が前記第1段アームに連結され、他端が前記第3段アームに連結された引き上げロープとを備える多段伸縮式アームにおいて、
    前記第2段アームは、前記第1段アーム内の周方向一部にその伸縮方向に沿って余剰空間を形成するように前記第1段アーム内に偏心して配置され、前記一対のロープシーブの回転軸は、少なくとも前記伸縮シリンダよりも前記第1段アームの断面中心側に寄せて配置され、さらに前記伸縮シリンダは、前記一対のロープシーブの間を貫通して前記第2段アーム内に配置されることを特徴とする多段伸縮式アーム。
  2. 請求項1に記載の多段伸縮式アームにおいて、
    前記伸縮アームの最終段に装着される作業装置に駆動圧油を導く油圧ホースと、
    前記第1段アーム内の前記第2段アームの基端部に回転可能に装着されるホースシーブとを備え、
    前記油圧ホースは、前記引き上げロープとともに前記余剰空間内を通過し、前記ホースシーブに掛け回されて前記作業装置に導かれることを特徴とする多段伸縮式アーム。
  3. 請求項2に記載の多段伸縮式アームにおいて、
    前記ロープシーブと前記ホースシーブを同一の軸に回転可能に軸支することを特徴とする多段伸縮式アーム。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の多段伸縮式アームにおいて、
    前記第1段アームの前記余剰空間側基端部に開口部を設けることを特徴とする多段伸縮式アーム。
  5. 請求項4に記載の多段伸縮式アームにおいて、
    前記開口部を前記作業機本体側に設けることを特徴とする多段伸縮式アーム。
  6. 走行体と、
    この走行体上に旋回する旋回体と、
    前記旋回体に起伏動するように設置されるブームと、
    このブームの先端に回転可能に設けられる請求項1〜5のいずれか1項に記載の多段伸縮式アームとを備えることを特徴とする多段伸縮式アーム作業機。
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