JP3768145B2 - 熱可塑性樹脂被覆金属板およびそれを用いた缶 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性樹脂被覆金属板、特に被覆した樹脂が低温における耐衝撃性に優れている熱可塑性樹脂被覆金属板、およびそれを成形加工してなる缶に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ポリエステル樹脂を金属板に被覆し、薄肉化絞り加工や薄肉化絞りしごき加工などの厳しい成形加工を施して、側壁部の減厚率を高めた缶が、主として飲料用途の缶で用いられている。このポリエステル樹脂被覆金属板を、薄肉化絞り加工や薄肉化絞りしごき加工などの厳しい成形加工を施して缶に成形する場合、金属板に被覆されたポリエステル樹脂は、成形加工時に樹脂が剥離したり、樹脂に亀裂を生じたりすることがないように、優れた加工性が得られる無配向の状態で被覆する必要がある。
しかしながら、ポリエステル樹脂が無配向の状態の樹脂被覆金属板に薄肉化絞り加工や薄肉化絞りしごき加工を施し、次いで缶外面に塗装印刷を施して、焼き付けのために加熱すると、特に缶上部は加工によって缶の高さ方向に分子配向された状態で熱固定されるため、配向されない缶の周方向の樹脂の延びが極めて小さくなって脆くなり、特に低温において缶同士が衝突したりするだけで樹脂層に亀裂を生じるようになる。また缶底の部分は成形加工を殆ど受けず、塗装印刷後の焼き付けの加熱の際に樹脂結晶が粗大化して脆くなり、やはり特に低温において衝撃を受けた際に亀裂が生じやすくなる。
すなわち、無配向状態のポリエステル樹脂被覆金属板は、缶に成形加工した後の耐衝撃性、特に低温における耐衝撃性に劣っている。
【0003】
この成形加工後の耐衝撃性に劣っていることは、ポリエステル樹脂を金属板に被覆する際に、ポリエステル樹脂と金属板の間に接着プライマーを介在させて被覆することにより改善することができる。しかし、この接着プライマーを介在させる方法は、有機溶剤の揮発による環境への悪影響を及ぼす恐れがあり、また塗布および乾燥の余分な工程を必要とし、コストアップの要因となる。さらに、pHが5以下の酸性の内容物を充填した場合、長期間経時すると加工度の高い缶の上部で下地の金属板が腐食することがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、金属板に被覆した後の樹脂層が無配向状態である熱可塑性樹脂被覆金属板に厳しい成形加工を施した後も、樹脂層が耐衝撃性、特に低温における耐衝撃性に優れ、接着プライマーを介在させずに金属板に被覆し、缶に成形加工した場合でも、酸性の内容物に対する耐食性に優れた熱可塑性樹脂被覆金属板およびそれを用いた缶を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、ポリブチレンテレフタレートと、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリペンテン−1、ポリヘキセン−1、ポリヘプテン−1、ポリオクテン−1、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、或いはメルトフローレート(MFR230℃)が0.4〜30(g/10分)のエチレン−プロピレン共重合エラストマーからなる群より選択された少なくとも1種からなるポリオレフィン成分とをブレンドしてなる熱可塑性樹脂組成物から成る実質上未配向の状態の被覆が金属板の少なくとも片面に形成されてなる熱可塑性樹脂被覆金属板であって、前記熱可塑性樹脂組成物中のポリブチレンテレフタレートの含有量が70〜95重量%及びポリオレフィン成分の含有量が5〜30重量%であり、ポリオレフィン成分を加熱溶融した際の溶融粘度(VPOL)と、ポリブチレンテレフタレートを加熱溶融した際の溶融粘度(VPES)との比:VPOL/VPESが1.2以下であり、被覆層中のポリオレフィン成分が、押し出し方向に1〜10μm、押し出し方向と直角方向に0.1〜2μmの大きさで分散して存在していることを特徴とする熱可塑性樹脂被覆金属板が提供される。
本発明によればまた、ポリブチレンテレフタレート及びエチレンテレフタレート/エチレンイソフタレート共重合体をブレンドしてなるポリエステル樹脂と、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリペンテン−1、ポリヘキセン−1、ポリヘプテン−1、ポリオクテン−1、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、或いはメルトフローレート(MFR230℃)が0.4〜30(g/10分)のエチレン−プロピレン共重合エラストマーからなる群より選択された少なくとも1種からなるポリオレフィン成分とをブレンドしてなる熱可塑性樹脂組成物から成る実質上未配向の状態の被覆が金属板の少なくとも片面に形成されてなる熱可塑性樹脂被覆金属板であって、前記熱可塑性樹脂組成物中の含有量が70〜95重量%及びポリエステル樹脂のポリオレフィン成分の含有量が5〜30重量%であり、ポリオレフィン成分を加熱溶融した際の溶融粘度(VPOL)と、ポリエステル樹脂を加熱溶融した際の溶融粘度(VPES)との比:VPOL/VPESが1.2以下であり、被覆層中のポリオレフィン成分が、押し出し方向に1〜10μm、押し出し方向と直角方向に0.1〜2μmの大きさで分散して存在していることを特徴とする熱可塑性樹脂被覆金属板が提供される。
本発明によれば更にまた、上記熱可塑性樹脂被覆金属板を用いてなる缶が提供される。
【0006】
即ち、本発明において、被覆層を形成する前記熱可塑性樹脂組成物中のポリオレフィン成分としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリペンテン−1、ポリヘキセン−1、ポリヘプテン−1、ポリオクテン−1、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、或いはメルトフローレート(MFR230℃)が0.4〜30(g/10分)のエチレン−プロピレン共重合エラストマーからなる群より選択された、ポリオレフィン樹脂、ポリオレフィンエラストマー、或いはポリオレフィン樹脂とポリオレフィンエラストマーとの組み合わせを使用することができる。
また、上記熱可塑性樹脂組成物の被覆層の上、或いは該被覆層の下層(金属板の表面)には、実質上未配向の状態で形成されるポリエステル樹脂層を設けることができる。
本発明においては、ポリオレフィン樹脂としてメタロセン触媒により重合されたポリオレフィン樹脂を用いることもできる。
また、ポリオレフィン成分として使用するポリオレフィンエラストマーとしては、メルトフローレート(MFR、230℃)が0.4〜30(g/10分)のインプラントで作成したエチレン−プロピレン共重合エラストマーが好適である。
また、前記熱可塑性樹脂組成物の被覆層の上層或いは下層に形成することができるポリエステル樹脂層におけるポリエステル樹脂としては、エチレンテレフタレート/エチレンイソフタレート共重合体が好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂被覆金属板は、熱可塑性樹脂組成物を加熱溶融し、Tダイから金属板上に直接押し出して被覆するか、或いは熱可塑性樹脂組成物を加熱溶融し、Tダイからキャスティングロール上に押し出し、冷却固化して、フィルムとした後、該フィルムを金属板上に熱圧着することにより製造される。
また、熱可塑性樹脂被覆金属板においては、金属板が電解クロム酸処理鋼板、錫めっき鋼板、アルミニウム合金板のいずれかであることが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は、ポリエステル樹脂とポリオレフィン成分(ポリオレフィン樹脂とポリオレフィンエラストマーとから成る群より選択される少なくとも1種)をブレンドしてなる熱可塑性樹脂組成物の被覆層を金属板の少なくとも片面に有し、更に必要により、この被覆層の上層及び/又は下層にポリエステル樹脂層が形成されている熱可塑性樹脂被覆金属板、およびそれを成形加工してなる缶であり、熱可塑性樹脂被覆を接着プライマーを介在させずに金属板に被覆し、缶に薄肉化絞り加工や薄肉化絞りしごき加工などの厳しい成形加工した場合でも、樹脂層が耐衝撃性、特に低温における耐衝撃性に優れ、酸性の内容物に対する耐食性に優れている。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】
ポリエステル樹脂とポリオレフィン成分とをブレンドしてなる熱可塑性樹脂組成物において、ポリオレフィン成分としては、ポリオレフィン樹脂及びポリオレフィンエラストマーが、それぞれ単独で或いは組み合わせで使用される。
これらのポリオレフィン成分及びポリエステル樹脂においては、それぞれの樹脂ペレットを溶融させた場合の溶融粘度の比が一定の範囲にあることが好ましい。即ち、ポリオレフィン成分(ポリオレフィン樹脂、ポリオレフィンエラストマー或いは両者の組み合わせ)を加熱溶融した際の溶融粘度をVPOL、ポリエステル樹脂を加熱溶融した際の溶融粘度をVPESとした場合、VPOL/VPESが1.2以下であることが好ましい。その理由について、以下に説明する。
【0009】
上記の熱可塑性樹脂組成物の被覆層(以下、単に熱可塑性樹脂フィルムと呼ぶことがある)は、樹脂ペレットを加熱溶融してブレンドした樹脂を押出機のTダイから直接アンコイラーから解き戻された長尺帯状の金属板上に押し出すか、または別途ポリエステル樹脂ペレットを加熱溶融した樹脂と前記の加熱溶融しブレンドした樹脂をそれぞれ別の押出機で加熱溶解したのち、複数のダイノズルを有するTダイから直接アンコイラーから解き戻された長尺帯状の金属板上に共押し出し、圧着ロールで金属板に押しつけることにより形成される。または上記と同様にして加熱溶融した樹脂を押出機のTダイからキャスティングロール上に押し出し、冷却固化してフィルムとした後、公知のラミネーターを用い、アンコイラーから解き戻され、加熱された長尺帯状の金属板に当接し1対のラミネートロールで挟み付けて圧着することにより形成される。いずれの作成方法においても、加熱溶融したブレンド樹脂をTダイから金属板上またはキャスティングロール上に押し出す際に、溶融樹脂は重力で下方、すなわち長手方向に延伸されるため、わずかではあるが樹脂皮膜に異方性が生じる。VPOL/VPESが1.2を超えると、ブレンド樹脂の皮膜の異方性が大きくなり、長手方向に比べて幅方向の皮膜の剛性が低くなり、金属板に被覆された後、衝撃を加えられると幅方向に亀裂を生じやすくなる。以上の観点から、VPOL/VPESは1.2以下であることが好ましい。
【0010】
ポリオレフィン成分として使用されるポリオレフィン樹脂としては、炭素数が2〜8個の1−アルケン共重合樹脂の1種または2種以上からなる樹脂を挙げることができる。炭素数が2〜8個の1−アルケン共重合樹脂としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリペンテン−1、ポリヘキセン−1、ポリヘプテン−1、ポリオクテン−1、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体などを挙げることができ、中でもインプラントで作製したエチレン−プロピレン共重合体が好ましい。また、これらのポリオレフィン樹脂として、メタロセン触媒によるポリオレフィン樹脂を用いた場合は内容物のフレーバーに影響を与えるオリゴマーの生成が少なく、好ましい。
【0011】
また上記のポリオレフィン樹脂、例えばポリエチレンやポリプロピレンを、無水マレイン酸、アクリル酸、アクリル酸エステル、アクリル酸アイオノマー、メタクリル酸ジグルシジルなどのいずれかで変性した変性ポリオレフィン樹脂を用いることもでき、このような変性ポリオレフィン樹脂が、未変性のポリオレフィン樹脂に対して1〜100重量%の比率でブレンドしたものをポリオレフィン成分として用いることにより、ポリエステル樹脂中にポリオレフィン成分が微細に分散するようになるので好ましい。
【0012】
ポリオレフィンエラストマーとしては、メルトフローレート(MFR、230℃)が0.4〜30(g/10分)、特に0.8〜25g/10分のエチレン−プロピレン共重合エラストマーを用いることが好ましい。MFRが上記範囲よりも小さい場合は、樹脂を加熱溶融した際にポリエステル樹脂の溶融粘度よりも高くなりすぎて、ポリエステル樹脂中に分散するポリオレフィン樹脂の粒子が粗大化し、耐衝撃性に乏しくなる。一方、上記範囲を超えるとポリオレフィンエラストマー自体の耐衝撃性が乏しく、ポリエステル樹脂とブレンドした樹脂も耐衝撃性に乏しいものになる。また、上記のエチレン−プロピレン共重合エラストマーは、インプラントで作製されたものであることが好ましい。
【0013】
上記のポリオレフィン成分の熱可塑性樹脂組成物に対するブレンド率(熱可塑性組成物中のポリオレフィン成分含量)は1〜30重量%であることが好ましい。ポリオレフィン成分量が少ないと、金属板に被覆した後の熱可塑性樹脂組成物が耐衝撃性に乏しく、ポリオレフィン成分量が必要以上に多いと、熱可塑性樹脂組成物の透明度が減少し異方性が大きくなり、また硬度も減少するので樹脂表面が傷付きやすくなる傾向がある。
【0014】
上述したポリオレフィン成分とブレンドして熱可塑性樹脂組成物を形成するポリエステル樹脂としては、例えば、エチレンテレフタレート、エチレンイソフタレート、エチレンナフタレート、エチレンアジペート、ブチレンテレフタレート、ブチレンイソフタレート、ブチレンナフタレート、ブチレンアジペートの少なくとも1種以上のエステル反復単位からなるものを、単独で或いは2種以上をブレンドして使用することができる。また、上記以外のもので、エステル単位の酸成分として、セバシン酸、トリメリット酸、アゼライン酸などを用いたものや、エステル単位のアルコール成分として、炭素数が3以上のもの、例えばプロピレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ペンタエリスリトールなどを用いたものを使用することもできる。
本発明においては、上記のポリエステル樹脂として、好適には、エチレンテレフタレート/エチレンイソフタレート共重合体やポリブチレンテレフタレートが使用される。特に、エチレンイソフタレート:5〜15モル%とエチレンテレフタレート:85〜95モル%からなるポリエステル樹脂は加工性に優れており、前述したポリオレフィン成分とブレンドして金属板に積層した後、薄肉化絞り加工のような厳しい成形加工を施しても樹脂層にクラックを生じたりすることがなく、金属板との接着性も優れている。さらに、缶に充填される内容物と接してもその内容物の香りや風味を損なうことがなく、良好なフレーバー性を示す。
また、ポリブチレンテレフタレートは、ポリオレフィン成分(特にポリオレフィン樹脂)と混合しやすく、例えばポリオレフィン樹脂とブレンドした場合に、ブレンド樹脂中においてポリオレフィン樹脂がより細かく分散し、耐衝撃性や加工性の向上に有効である。更に、ポリブチレンテレフタレートは、結晶化速度が大きく、熱可塑性樹脂組成物の被覆層を有する被覆金属板を缶に成形加工し、その後、外面塗装などで缶を加熱する際に、脆い粗大な結晶の成長を抑制するという特性を有している。したがって、ポリブチレンテレフタレートの使用は、本発明の目的とする低温における耐衝撃性の改善に極めて有効である。加えるに、ポリブチレンテレフタレートがブレンドされている熱可塑性樹脂組成物は耐水劣化性(耐加水分解性)に優れており、この熱可塑性樹脂組成物からなる被覆層を有する缶は、水系の内容物を充填し長時間経時させても樹脂の分子量低下が少なく、そのため長期にわたって安定した良好な耐衝撃性を維持することができる。
【0015】
本発明において、上述したポリエステル樹脂とポリオレフィン成分とをブレンドしてなる熱可塑性樹脂組成物は、薄肉化絞り加工や薄肉化絞りしごき加工のような厳しい加工を樹脂のクラック、割れ、削れ、および剥離等を生じることなく実施可能とするため、成形加工形性に優れた無配向の状態で使用することを前提とするために、樹脂の固有粘度を高め、樹脂を強化させる必要がある。このため、上記のポリエステル樹脂の固有粘度を、0.5〜1.5の範囲とすることが好ましく、0.8〜1.2の範囲とすることがより好ましい。固有粘度が0.5未満のポリエステル樹脂を用いた場合は樹脂の強度が極端に低下し、本発明の目的とする、薄肉化絞り加工缶や薄肉化絞りしごき加工缶の用途に適用することが困難となる。また、内容のフレーバー性も劣る傾向がある。一方、樹脂の固有粘度が1.5を超えると樹脂を加熱溶融させた際の溶融粘度が極端に高くなり、熱可塑性樹脂組成物を金属板に被覆する作業が極めて困難になる。
【0016】
上記のポリエステル樹脂の熱可塑性樹脂組成物に対するブレンド率(熱可塑性組成物中のポリエステル樹脂含量)は70〜95重量%であることが好ましい。ポリエステル樹脂量が少ないと、熱可塑性樹脂組成物の透明度が減少し異方性が大きくなり、また硬度も減少するので、樹脂表面が傷付きやすくなる。また、ポリエステル樹脂量が必要以上に多いと、熱可塑性樹脂組成物の透明度が減少し異方性が大きくなり、また硬度も減少するので樹脂表面が傷付きやすくなる傾向がある。
特に、ポリエステル樹脂として、前述したエチレンテレフタレート/エチレンイソフタレート共重合体を用いた場合には、そのブレンド率が70重量%未満であると、金属板に被覆した後の熱可塑性樹脂組成物の加工性が乏しく、そのブレンド率が95重量%を超えると、該樹脂組成物中のポリオレフィン成分の分散粒子が粗大化し、耐衝撃性及び加工性が低下してしまうおそれがある。また、ポリエステル樹脂として、前述したポリブチレンテレフタレートを用いた場合には、そのブレンド率が70重量%未満であると、該樹脂組成物中のポリオレフィン成分の分散粒子が粗大化し、十分な耐衝撃性を得ることが困難となり、そのブレンド率が95重量%を超えると、樹脂被覆金属板を缶に成形加工した後の外面塗装などの缶の加熱により、樹脂層が白濁化し、見栄えが悪くなってしまう。したがって、本発明においては、これらのエチレンテレフタレート/エチレンイソフタレート共重合体とポリブチレンテレフタレートとを、その合計量が上記のブレンド率の範囲内となる量で併用することが最も好適である。
【0017】
本発明において、上述した熱可塑性樹脂組成物からなる被覆層の上層及び/又は下層には、ポリエステル樹脂層を形成することができ、全体として2層或いは3層構成の被覆を金属板の少なくとも片面に形成することができる。
このような上層或いは下層を形成するポリエステル樹脂としては、熱可塑性樹脂組成物の形成に使用するポリエステル樹脂と同様のものを使用することができ、既に述べた通り、内容物に対するフレーバー性や成形加工性に優れ、また金属板に対する接着性にも優れていることから、エチレンテレフタレート/エチレンイソフタレート共重合体が好適である。また、このような共重合体において、上層としては、エチレンイソフタレート:3〜15モル%と、エチレンテレフタレート:85〜97モル%とからなる共重合体が好ましく、下層としては、エチレンイソフタレート:10〜25モル%と、エチレンテレフタレート:75〜90モル%とからなる共重合体が好ましい。
【0018】
また、上記で述べたとおり、本発明の熱可塑性樹脂被覆金属板における樹脂被覆は、少なくともポリエステル樹脂とポリオレフィン成分とからなる熱可塑性樹脂組成物の被覆層を有するものであり、該被覆層単層構成の場合、該被覆層の上層或いは下層のいずれか一方に前記ポリエステル樹脂層が形成されている2層構成の場合、及び該被覆層の上層及び下層に前記ポリエステル樹脂層が形成されている3層構成の場合がある。熱可塑性樹脂組成物の被覆層のみからなる単層構成の場合には、その厚みは5〜50μmの範囲にあることが好ましく、該被覆層とポリエステル樹脂層との2層構成の場合には、上層の厚みが3〜15μm、下層の厚みが2〜47μmの範囲にあることが好ましく、さらに全体の厚みが5〜50μmの範囲にあるのがよく、該被覆層とポリエステル樹脂層との3層構成の場合には、上層のポリエステル樹脂層の厚みが2〜10μm、中間層である被覆層の厚みが5〜30μm、下層のポリエステル樹脂層の厚みが3〜10μmの範囲にあることが好ましい。
【0019】
上記の樹脂被覆を構成する熱可塑性樹脂フィルムは、ブレンドする樹脂ペレットを、使用する樹脂の中で最も高い融点を有するポリエステル樹脂の融点よりも20〜40℃高い温度(約200〜300℃)で加熱溶融しブレンドした樹脂を押出機のTダイから直接アンコイラーから解き戻された長尺帯状の金属板上に押し出すか、または別途ポリエステル樹脂ペレットを融点より20〜40℃高い温度で加熱溶融した樹脂と前記の加熱溶融しブレンドした樹脂をそれぞれ別の押出機で加熱溶解したのち、複数のダイノズルを有するTダイから直接アンコイラーから解き戻された長尺帯状の金属板上に共押し出し、圧着ロールで金属板に押しつけた後、直ちに水中に急冷して熱可塑性樹脂フィルム被覆金属板を作成してもよいし、上記と同様にして加熱溶融した樹脂を押出機のTダイからキャスティングロール上に押し出し、冷却固化してフィルムとした後、公知のラミネーターを用い、アンコイラーから解き戻され、ポリエステル樹脂の融点より20〜40℃高い温度に加熱された長尺帯状の金属板に当接し1対のラミネートロールで挟み付けて圧着し、直ちに水中に急冷して熱可塑性樹脂フィルム被覆金属板を作成してもよい。さらに、本発明のように厳しい成形加工を施さない用途に適用する場合は、加熱溶融した樹脂を押出機のTダイからキャスティングロール上に押し出した後、1軸方向(長手方向)または2軸方向(長手方向と幅方向)に延伸した後ヒートセットして結晶分子を配向させたフィルムとし、これを金属板に積層してもよい。
【0020】
上記のようにしてポリエステル樹脂とポリオレフィン成分とが加熱溶融した熱可塑性樹脂組成物(ブレンド樹脂)においては、ポリエステル樹脂のマトリックス中にポリオレフィン樹脂やポリオレフィン成分が微細に分散した状態となっている。この状態の加熱溶融したブレンド樹脂をTダイから金属板上またはキャスティングロール上に押し出す際に、わずかではあるが溶融樹脂は重力で下方に延伸される。この時にポリエステル樹脂のマトリックス中に微細に分散したポリオレフィン成分(ポリオレフィン樹脂やポリオレフィンエラストマー)は重力方向に延伸され、ブレンド樹脂が金属板上、またはキャスティングロール上で冷却固化した後は、繊維状に分散した状態でポリエステル樹脂のマトリックス中に分散するようになる。この分散状態は樹脂被覆金属板を薄肉化絞り加工や薄肉化絞りしごき加工して缶に成形すると、分散した繊維状のブレンド樹脂が肉眼で見えるようになることがある。この繊維状のブレンド樹脂はTダイから押し出した際の押し出し方向で10μm以下、押し出し方向と直角方向で2μm以下であると肉眼で視認できなくなる。したがって本発明においては、樹脂ペレットを押出機で加熱溶融してブレンドする際の混練時間などの条件をコントロールすることによって、熱可塑性樹脂被覆金属板とした後の熱可塑性樹脂組成物の被覆層において、該組成物中のオレフィン成分が、樹脂の押し出し方向(フィルム方向の長さ)に1〜10μm、樹脂の押し出し方向と直角方向(フィルムの幅方向の長さ)に0.1〜2μmの大きさで分散して存在していることが好ましい。
【0021】
本発明の熱可塑性樹脂被覆金属板の基板としては、通常の缶用素材として広汎に使用されている電解クロム酸処理鋼板(ティンフリースチール、以下TFSで示す)や錫めっき鋼板(ぶりき、以下ぶりきで示す)などの各種表面処理鋼板、およびアルミニウム合金板を使用することができる、表面処理鋼板としては10〜200mg/m2の皮膜量の金属クロムからなる下層と、クロム換算で1〜30mg/m2の皮膜量のクロム水和酸化物からなる上層とからなる2層皮膜を鋼板上に形成させたTFSが好ましく、本発明の熱可塑性樹脂フィルムとの十分な密着性を有し、さらに耐食性も兼ね備えている。ぶりきとしては、鋼板表面に錫を0.1〜11.2g/m2のめっき量でめっきし、その上にクロム換算で1〜30mg/m2の皮膜量の金属クロムとクロム水和酸化物からなる2層皮膜を形成させたもの、またはクロム水和酸化物のみからなる単層皮膜を形成させたものが好ましい。いずれの場合も基板となる鋼板は、缶用素材として一般的に使用されている低炭素冷延鋼板であることが好ましい。鋼板の板厚は0.1〜0.32mmであることが好ましい。アルミニウム合金板に関しては、JISの3000系、または5000系のものが好ましく、表面に電解クロム酸処理を施して、0〜200mg/m2の皮膜量の金属クロムからなる下層と、クロム換算で1〜30mg/m2の皮膜量のクロム水和酸化物からなる上層とからなる2層皮膜を形成させたものか、またはリン酸クロメート処理を施してクロム換算で1〜30mg/m2のクロム成分と、リン換算で0〜30mg/m2のリン成分が付着しているものが好ましい。アルミニウム合金板の板厚は0.15〜0.4mmであることが好ましい。
【0022】
【実施例】
以下、本発明を実施例にてさらに詳細に説明する。
実験例1:
(試料番号1〜6、11〜17、26〜32)
長尺帯状の電解クロム酸処理鋼板(以下、TFSという)を150m/分の速度でアンコイラーから巻き戻して加熱し、その缶内面となる片側(表中内面側で表す。以下同様)に、表1に示すポリエステル樹脂(表中PESで表す。以下同様)とポリオレフィン樹脂(表中POLで表す。以下同様)でおよび/またはポリオレフィンエラストマー(表中PELで表す。以下同様)、もしくはポリエステル樹脂のみのペレットを、押出機を用いてポリエステル樹脂の融点より30℃前後高い温度で混練時間を種々変えて加熱溶融してブレンド樹脂とした後、Tダイに送り込み、ダイノズルからTFSの片面上に押し出した。同時に加熱したTFSの缶外面となる片側(表中外面側で表す。以下同様)に、表1に示す白色の二酸化チタンを20重量%含有させたポリエステル樹脂のペレットを、押出機を用いてポリエステル樹脂の融解温度より30℃前後高い温度で加熱溶融した後、Tダイに送り込み、ダイノズルからTFS上の他の片面上に押し出した。次いで1対の圧着ロールを用いて、両面に樹脂層を押し出したTFSを挟み付けた後、直ちに水中に急冷し、表2と3の試料番号1〜6、11〜17、26〜32の熱可塑性樹脂被覆金属板を作成した。
【0023】
(試料番号18、19)
長尺帯状のぶりき板を150m/分の速度でアンコイラーから巻き戻して加熱し、その缶内面となる片側に、表1に示すポリエステル樹脂とポリオレフィン樹脂のペレットを、押出機を用いてポリエステル樹脂の融点より30℃前後高い温度で混練時間を種々変えて加熱溶融してブレンド゛樹脂とし、別の押出機を用いて表1に示すポリエステル樹脂をポリエステル樹脂の融点より30℃前後高い温度で加熱溶融した後、2つのダイノズルを有するTダイに送り込み、ダイノズルからぶりき板の片面上にポリオレフィン樹脂を含むブレンド樹脂層がぶりき板と接するようにして共押し出した。同時に加熱したぶりき板の缶外面となる片側に、表1に示す白色の二酸化チタンを20重量%含有させたポリエステル樹脂のペレットを、押出機を用いてポリエステル樹脂の融点より30℃前後高い温度で加熱溶融した後、Tダイに送り込み、ダイノズルからぶりき板上の他の片面上に押し出した。次いで1対の圧着ロールを用いて、両面に樹脂層を押し出したぶりき板を挟み付けた後、直ちに水中に急冷し、表3の試料番号18および19の熱可塑性樹脂被覆金属板を作成した。
【0024】
(試料番号7〜10、20〜23)
表1に示すポリエステル樹脂とポリオレフィン樹脂またはポリオレフィンエラストマーのペレットを、押出機を用いてポリエステル樹脂の融点より30℃前後高い温度で混練時間を種々変えて加熱溶融しブレンド樹脂とした後、Tダイに送り込み、ダイノズルから押し出した後トリミングし、無配向フィルムとしてコイラーに巻き取った。また、表1に示す白色の二酸化チタンを20重量%含有させたポリエステル樹脂のペレットを、押出機を用いてポリエステル樹脂の融点より30℃前後高い温度で加熱溶融した後、Tダイに送り込み、ダイノズルから押し出した後トリミングし、無配向フィルムとしてコイラーに巻き取った。次いで長尺帯状のアルミニウム合金板を150m/分の速度でアンコイラーから巻き戻して加熱し、その缶内面となる片側に、コイラーからブレンド樹脂フィルイムを巻き戻しながら当接し、同時に缶外面となる他の片側に、コイラーから白色ポリエステルフィルムを巻き戻しながら当接し、次いで1対の圧着ロールを用いて、両面に樹脂層を押し出したアルミニウム合金板を挟み付けた後、直ちに水中に急冷し、表2と3の試料番号7〜10、20〜23の熱可塑性樹脂被覆金属板を作成した。
【0025】
(試料番号24、25)
表1に示すポリエステル樹脂とポリオレフィン樹脂のペレットを、押出機を用いてポリエステル樹脂の融点より30℃前後高い温度で混練時間を種々変えて加熱溶融してブレンド樹脂とし、別の押出機を用いて表1に示すポリエステル樹脂をポリエステル樹脂の融点より30℃前後高い温度で加熱溶融した後、2つのダイノズルを有するTダイに送り込み、ダイノズルから共押し出した後トリミングし、2層の無配向フィルムとしてコイラーに巻き取った。また、表2と3に示す白色の二酸化チタンを20重量%含有させたポリエステル樹脂のペレットを、押出機を用いてポリエステル樹脂の融解温度より30℃前後高い温度で加熱溶融した後、Tダイに送り込み、ダイノズルから押し出した後トリミングし、無配向フィルムとしてコイラーに巻き取った。次いで長尺帯状のぶりき板を150m/分の速度でアンコイラーから巻き戻して加熱し、その缶内面となる片側に、コイラーから2層樹脂フィルムを巻き戻しながら、ポリオレフィン樹脂を含むブレンド樹脂層がぶりき板と接するようにして当接し、同時に缶外面となる他の片側に、コイラーから白色ポリエステルフィルムを巻き戻しながら当接し、次いで1対の圧着ロールを用いて、両面に樹脂層を押し出したぶりき板を挟み付けた後、直ちに水中に急冷し、表3の試料番号24および25の熱可塑性樹脂被覆金属板を作成した。
【0026】
上記の3種類の金属板として、下記に示す表面処理を施した金属板を用いた。
1)電解クロム酸処理鋼板(表中TFSで表示)
板厚:0.18mm
金属クロム量:160mg/m2
クロム水和酸化物量:(クロムとして)19mg/m2
加熱温度:ポリエステル樹脂の融点より約30℃高い温度
2)ぶりき(表中ETで表示)
板厚:0.18mm
錫めっき量:0.2g/m2
クロム水和酸化物量:(クロムとして)9mg/m2
加熱温度:200℃
3)アルミニウム合金板(JIS 5052 H39)(表中ALで表示)
板厚:0.26mm
皮膜量:(リンとして)11mg/m2
(クロムとして)7mg/m2
加熱温度:ポリエステル樹脂の融点より約30℃高い温度
【0027】
なお、上記の各種ポリオレフィン樹脂として、いずれもメタロセン触媒によるポリオレフィン樹脂を用いた。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】
上記のようにして得られた熱可塑性樹脂被覆金属板を、下記のように薄肉化絞りしごき加工法を用いて有底円筒状の缶に成形加工した。
熱可塑性樹脂被覆金属板を直径:160mmのブランクに打ち抜いた後、白色ポリエステル樹脂被覆面が缶の外面となるようにして、缶底径:100mmの絞り缶とした。次いで再絞り加工により、缶底径:80mmの再絞り缶とした。さらにこの再絞り缶を複合加工により、ストレッチ加工と同時にしごき加工を行い、缶底径:65mmの絞りしごき缶とした。この複合加工は、缶の上端部となる再絞り加工部としごき加工部の間隔は20mm、再絞りダイスの肩アールは板厚の
1.5倍、再絞りダイスとポンチのクリアランスは板厚の 1.0倍、しごき加工部のクリアランスは元板厚の50%となる条件で実施した。次いで公知の方法で缶上部をトリミングし、ネックイン加工、フランジ加工を施した。
【0032】
次に、熱可塑性樹脂、および熱可塑性樹脂被覆金属板の評価方法を説明する。(ポリエステル樹脂中に分散したポリオレフィン樹脂の大きさ)
熱可塑性樹脂被覆金属板のブレンド樹脂層を走査型電子顕微鏡で観察し、繊維状の樹脂の大きさを測定した。測定値は金属板に被覆開始またはフィルム製膜開始5分後、被覆中またはフィルム製膜中、被覆終了またはフィルム製膜終了5分前の3つの時点で、樹脂被覆金属板の幅方向において、両端から5cm、および中心部の3箇所で測定した平均値を示す。なお、表2と3では、「樹脂の押し出し方向の長さ」(μm)×「樹脂の押し出し方向と直角方向の長さ」(μm)で表した。
【0033】
(缶内面の外観)
薄肉化絞りしごき加工法を用いて成形加工した缶内面側を肉眼観察し、樹脂層中のポリオレフィン樹脂の繊維状のムラの有無および樹脂層の透明性を下記の基準で評価した。
○:繊維状ムラは認められず、十分な透明性を有する。
△:繊維状ムラがわずかに認められる。または樹脂層のかすかな白濁が認められる。
×:繊維状ムラが認めらる。または樹脂層の白濁が認められる。
【0034】
(ポリオレフィンエラストマーのメルトフローレート)
定法により、メルトフローレート(230℃)を測定した。
【0035】
(樹脂フィルムの厚さ)
熱可塑性樹脂被覆金属板をエポキシ系包埋樹脂に埋め込み、5μmの厚さにスライスし、断面を顕微鏡観察して測定した。
【0036】
(固有粘度(IV値))
ポリエステル樹脂をフェノール/テトラクロロエタンの1:1混合溶液に溶解させた後、30℃の恒温浴槽中でウベローデ粘度計により比粘度を測定し、固有粘度を求めた。
【0037】
(溶融粘度)
JIS K 7199に準じて、キャピラリーレオメータにより、溶融粘度を求めた。
【0038】
(成形性)
薄肉化絞りしごき加工法を用いて成形加工した缶を肉眼観察し、下記の基準で成形性を評価した。
◎:微小クラックやフィルム割れは認められない。
○:実用上問題とならない程度のわずかな微小クラックが認められる。
△:実用上問題となる程度のクラックおよびフィルム割れが認められる。
×:成形加工時に破胴する。
【0039】
(耐低温衝撃性)
薄肉化絞りしごき加工法を用いて成形加工し、缶上部をトリミングし、ネックイン加工、フランジ加工を施した後、pH2.6の酸性飲料(商品名アセロラドリンク:株式会社ニチレイ製)を充填し、37℃で1ヶ月間経時させた後開封し、缶の上端から30mmの幅で円周方向に切り出し試料とした。この試料を氷水中に5分間浸漬した後取り出し、約5℃の温度の試料の缶外面側に、円周方向で15mm間隔で先端に直径が1/2インチの鋼球を付設した鋼棒(重さ:1kg)を40mmの高さから落下させ、発生した缶内面側の凸部に3%食塩水を含浸させたスポンジを当接し、試料に6.3Vの直流電流を印加し、流れる電流値を測定し、測定された電流値の大小から、下記の基準で耐低温衝撃性を評価した。
◎ : 0.05mA未満
○ : 0.05mA以上でかつ0.1mA未満
△ : 0.1mA以上でかつ0.3mA未満
× : 0.3mA以上
【0040】
(耐食性)
薄肉化絞りしごき加工法を用いて成形加工し、缶上部をトリミングし、ネックイン加工、フランジ加工を施した後、pH2.6の酸性飲料(商品名アセロラドリンク:株式会社ニチレイ製)を充填した後、耐低温衝撃性の評価において実施したのと同様にして缶外部から缶側壁部に低温で衝撃を与えて凹部を形成させ、次いで37℃で1ヶ月間経時させた後開封し、溶出した金属濃度を原子吸光法を用いて測定し、その多少から、下記の基準で耐食性を評価した。
◎ : 0.3ppm未満
○ : 0.3ppm以上でかつ0.5ppm未満
△ : 0.5ppm以上でかつ1.0ppm未満
× : 1.0ppm以上
これらの評価結果を表4および5に示す。
【0041】
【表4】
【0042】
【表5】
【0043】
表4及び表5に示すように、本発明の熱可塑性樹脂被覆金属板は、いずれも成形加工性に優れ、かつ良好な耐低温衝撃性と耐食性を示すことがわかる。
【0044】
実験例2:
(試料番号33〜38、43〜53)
長尺帯状の電解クロム酸処理鋼板(TFS)を150m/分の速度でアンコイラーから巻き戻して加熱し、その缶内面となる片側(内面側)に、表6に示すポリエステル樹脂(PES)とポリオレフィン樹脂(POL)および/またはポリオレフィンエラストマー(PEL)、もしくはポリエステル樹脂のみのペレットを、押出機を用いてポリエステル樹脂の融点より30℃前後高い温度で混練時間を種々変えて加熱溶融してブレンド樹脂とした後、Tダイに送り込み、ダイノズルからTFSの片面上に押し出した。同時に加熱したTFSの缶外面となる片側(外面側)に、表7,8に示す白色の二酸化チタンを20重量%含有させたポリエステル樹脂のペレットを、押出機を用いてポリエステル樹脂の融解温度より30℃前後高い温度で加熱溶融した後、Tダイに送り込み、ダイノズルからTFS上の他の片面上に押し出した。次いで1対の圧着ロールを用いて、両面に樹脂層を押し出したTFSを挟み付けた後、直ちに水中に急冷し、表7と表8の試料番号33〜38、43〜53の熱可塑性樹脂被覆金属板を作成した。
【0045】
(試料番号39〜42)
長尺帯状のぶりき板(ET)を150m/分の速度でアンコイラーから巻き戻して加熱し、その缶内面となる片側に、表6に示すポリエステル樹脂とポリオレフィン樹脂のペレットを、押出機を用いてポリエステル樹脂の融点より30℃前後高い温度で混練時間を種々変えて加熱溶融してブレンド゛樹脂とし、別の押出機を用いて表6に示すポリエステル樹脂を、ポリエステル樹脂の融点より30℃前後高い温度で加熱溶融した後、2つのダイノズルを有するTダイに送り込み、ダイノズルからぶりき板の片面上にポリオレフィン樹脂を含むブレンド樹脂層がぶりき板と接するようにして共押し出した。同時に加熱したぶりき板の缶外面となる片側に、表7に示す白色の二酸化チタンを20重量%含有させたポリエステル樹脂のペレットを、押出機を用いてポリエステル樹脂の融点より30℃前後高い温度で加熱溶融した後、Tダイに送り込み、ダイノズルからぶりき板上の他の片面上に押し出した。次いで1対の圧着ロールを用いて、両面に樹脂層を押し出したぶりき板を挟み付けた後、直ちに水中に急冷し、表7の試料番号39〜42の熱可塑性樹脂被覆金属板を作成した。
【0046】
(試料番号54〜58)
表6に示すポリエステル樹脂とポリオレフィン樹脂またはポリオレフィンエラストマーのペレットを、押出機を用いてポリエステル樹脂の融点より30℃前後高い温度で混練時間を種々変えて加熱溶融してブレンド樹脂とした後、Tダイに送り込み、ダイノズルから押し出した後トリミングし、無配向フィルムとしてコイラーに巻き取った。また表8に示す白色の二酸化チタンを20重量%含有させたポリエステル樹脂のペレットを押出機を用いてポリエステル樹脂の融点より30℃前後高い温度で加熱溶融した後、Tダイに送り込み、ダイノズルから押し出した後トリミングし、無配向フィルムとしてアンコイラーに巻き取った。次いで長尺帯状のアルミニウム合金板(AL)を150m/分の速度でアンコイラーから巻き戻して加熱し、その缶内面となる片側に、コイラーからブレンド樹脂フィルムを巻き戻しながら当接し、同時に缶外面となる他の片側に、コイラーから白色ポリエステルフィルムを巻き戻しながら当接し、次いで1対の圧着ロールを用いて、両面に樹脂層を押し出したアルミニウム合金板を挟み付けた後、直ちに水中に急冷し、表8の試料番号54〜58の熱可塑性樹脂被覆金属板を作成した。
【0047】
(試料番号59〜61)
表9に示すポリエステル樹脂とポリオレフィン樹脂及び/またはポリオレフィンエラストマーのペレットを、押出機を用いてポリエステル樹脂の融点より30℃前後高い温度で混練時間を種々変えて加熱溶融してブレンド樹脂とし、表6のポリエステル樹脂(PES4)のペレットを、それぞれ別の押出機を用いて、それぞれのポリエステル樹脂の融点より30℃前後高い温度で加熱溶融した後、2つノズルを有するダイスに送り込み、上層がPES4、下層がブレンド樹脂となるようにしてダイノズルから共押し出した後トリミングし、2層の無配向フィルムとしてコイラーに巻き取った。また、表9に示す白色の二酸化チタンを20重量%含有させたポリエステル樹脂のペレットを、押出機を用いてポリエステル樹脂の融点より30℃前後高い温度で加熱溶融した後、Tダイに送り込み、ダイノズルから押し出した後トリミングし、無配向フィルムとしてコイラーに巻き取った。次いで長尺帯状のTFSを150m/分の速度でアンコイラーから巻き戻して加熱し、その缶内面となる片側に、コイラーから2層樹脂フィルムを巻き戻しながら当接し、同時に缶外面となる他の片側に、コイラーから白色ポリエステルフィルムを巻き戻しながら当接し、次いで1対の圧着ロールを用いて、両面に樹脂層を押し出したTFSを挟み付けた後、直ちに水中に急冷し、表9の試料番号59〜61の熱可塑性樹脂被覆金属板を作成した。
【0048】
(試料番号62〜64)
表10に示すポリエステル樹脂とポリオレフィン樹脂及び/またはポリオレフィンエラストマーのペレットを、押出機を用いてポリエステル樹脂の融点より30℃前後高い温度で混練時間を種々変えて加熱溶融してブレンド樹脂とし、表6のポリエステル樹脂PES4及びPES6のペレットを、それぞれ別の押出機を用いて、それぞれのポリエステル樹脂の融点より30℃前後高い温度で加熱溶融した後、3つのノズルを有するダイスに送り込み、上層がPES4、中間層がブレンド樹脂、下層がPES6となるようにしてダイノズルから共押し出した後トリミングし、3層の無配向フィルムとしてコイラーに巻き取った。また、表9に示す白色の二酸化チタンを20重量%含有させたポリエステル樹脂のペレットを、押出機を用いてポリエステル樹脂の融解温度より30℃前後高い温度で加熱溶融した後、Tダイに送り込み、ダイノズルから押し出した後トリミングし、無配向フィルムとしてコイラーに巻き取った。次いで長尺帯状のTFSを150m/分の速度でアンコイラーから巻き戻して加熱し、その缶内面となる片側に、コイラーから3層樹脂フィルムを巻き戻しながら当接し、同時に缶外面となる他の片側に、コイラーから白色ポリエステルフィルムを巻き戻しながら当接し、次いで1対の圧着ロールを用いて、両面に樹脂層を押し出したTFSを挟み付けた後、直ちに水中に急冷し、表10の試料番号62〜64の熱可塑性樹脂被覆金属板を作成した。
【0049】
なお、表7〜10において、外面側樹脂層は、白色顔料としてTiO2を20重量%含有している。
また、上記の3種類の金属板は、実験例1で用いたものと同じであり、また、ポリオレフィン樹脂としては、いずれもメタロセン触媒により合成されたものを用いた。
【0050】
以上で得られた熱可塑性樹脂被覆金属板を用いて、実験例1と同様に、有底円筒状の缶を成形加工し、実験例1と同様に、熱可塑性樹脂被覆、及び熱可塑性樹脂被覆金属板の評価を行い、その結果を表11及び表12に示した。
【0051】
【表6】
【0052】
【表7】
【0053】
【表8】
【0054】
【表9】
【0055】
【表10】
【0056】
【表11】
【0057】
【表12】
【0058】
表11及び表12に示すように、本発明の熱可塑性樹脂被覆金属板は、いずれも成形加工性に優れ、かつ良好な耐低温衝撃性と耐食性を示すことがわかる。表
【0059】
【発明の効果】
本発明は、ポリエステル樹脂と、ポリオレフィン樹脂及びポリオレフィンエラストマーからなる群より選択された少なくとも1種のポリオレフィン成分とをブレンドしてなる熱可塑性樹脂組成物の被覆層を、金属板の少なくとも一方の表面に形成させた熱可塑性樹脂被覆金属板、およびそれを成形加工してなる缶であり、このような熱可塑性樹脂被覆金属板は加工性に優れており、薄肉化絞り加工や薄肉化絞りしごき加工のような厳しい成形加工を施しても樹脂層に割れ剥離を生じず、優れた加工性を示す。また低温で衝撃を加えても樹脂層にクラックが発生しにくく、優れた耐低温衝撃性を示し、さらに、成形した缶に酸性内容物を充填し長期間経時しても金属溶出が少なく、優れた耐食性を示す。
Claims (13)
- ポリブチレンテレフタレートと、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリペンテン−1、ポリヘキセン−1、ポリヘプテン−1、ポリオクテン−1、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、或いはメルトフローレート(MFR230℃)が0.4〜30(g/10分)のエチレン−プロピレン共重合エラストマーから成る群より選択された少なくとも1種からなるポリオレフィン成分とをブレンドしてなる熱可塑性樹脂組成物から成る実質上未配向の状態の被覆が金属板の少なくとも片面に形成されてなる熱可塑性樹脂被覆金属板であって、
前記熱可塑性樹脂組成物中のポリブチレンテレフタレートの含有量が70〜95重量%及びポリオレフィン成分の含有量が5〜30重量%であり、ポリオレフィン成分を加熱溶融した際の溶融粘度(VPOL)と、ポリブチレンテレフタレートを加熱溶融した際の溶融粘度(VPES)との比:VPOL/VPESが1.2以下であり、被覆層中のポリオレフィン成分が、押し出し方向に1〜10μm、押し出し方向と直角方向に0.1〜2μmの大きさで分散して存在していることを特徴とする熱可塑性樹脂被覆金属板。 - ポリブチレンテレフタレート及びエチレンテレフタレート/エチレンイソフタレート共重合体をブレンドしてなるポリエステル樹脂と、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリペンテン−1、ポリヘキセン−1、ポリヘプテン−1、ポリオクテン−1、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、或いはメルトフローレート(MFR230℃)が0.4〜30(g/10分)のエチレン−プロピレン共重合エラストマーからなる群より選択された少なくとも1種からなるポリオレフィン成分とをブレンドしてなる熱可塑性樹脂組成物から成る実質上未配向の状態の被覆が金属板の少なくとも片面に形成されてなる熱可塑性樹脂被覆金属板であって、
前記熱可塑性樹脂組成物中のポリエステル樹脂の含有量が70〜95重量%及びポリオレフィン成分の含有量が5〜30重量%であり、ポリオレフィン成分を加熱溶融した際の溶融粘度(VPOL)と、ポリエステル樹脂を加熱溶融した際の溶融粘度(VPES)との比:VPOL/VPESが1.2以下であり、被覆層中のポリオレフィン成分が、押し出し方向に1〜10μm、押し出し方向と直角方向に0.1〜2μmの大きさで分散して存在していることを特徴とする熱可塑性樹脂被覆金属板。 - 前記ポリオレフィン成分として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリペンテン−1、ポリヘキセン−1、ポリヘプテン−1、ポリオクテン−1、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体からなる群より選択された少なくとも1種のポリオレフィン樹脂のみが使用されている請求項1又は2記載の熱可塑性樹脂被覆金属板。
- 前記ポリオレフィン成分として、メルトフローレート(MFR230℃)が0.4〜30(g/10分)のエチレン−プロピレン共重合エラストマーのみが使用されている請求項1又は2記載の熱可塑性樹脂被覆金属板。
- 前記ポリオレフィン成分として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリペンテン−1、ポリヘキセン−1、ポリヘプテン−1、ポリオクテン−1、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体からなる群より選択された少なくとも1種のポリオレフィン樹脂及びメルトフローレート(MFR230℃)が0.4〜30(g/10分)のエチレン−プロピレン共重合エラストマーの両方が使用されている請求項1又は2記載の熱可塑性樹脂被覆金属板。
- 前記熱可塑性樹脂組成物の被覆層上に、ポリエステル樹脂を実質上未配向の状態で被覆したポリエステル樹脂層が形成されている請求項1乃至5の何れかに記載の熱可塑性樹脂被覆金属板。
- 前記金属板表面に、ポリエステル樹脂を実質上未配向の状態で被覆したポリエステル樹脂層が形成されており、このポリエステル樹脂層上に前記熱可塑性樹脂組成物の被覆層が形成されている請求項1乃至6の何れかに記載の熱可塑性樹脂被覆金属板。
- 前記ポリオレフィン成分が、メタロセン触媒により重合されたポリオレフィン樹脂である請求項1〜3,5〜7の何れかに記載の熱可塑性樹脂被覆金属板。
- 前記熱可塑性樹脂組成物の被覆層の上層或いは下層のポリエステル樹脂層におけるポリエステル樹脂が、エチレンテレフタレート/エチレンイソフタレート共重合体である請求項6又は7に記載の熱可塑性樹脂被覆金属板。
- 前記熱可塑性樹脂組成物を加熱溶融し、Tダイから金属板上に直接押し出して被覆してなる請求項1乃至9の何れかに記載の熱可塑性樹脂被覆金属板。
- 前記熱可塑性樹脂組成物を加熱溶融し、Tダイからキャスティングロール上に押し出し、冷却固化して、フィルムとした後、該フィルムを金属板上に熱圧着してなる請求項1乃至9の何れかに記載の熱可塑性樹脂被覆金属板。
- 金属板が電解クロム酸処理鋼板、錫めっき鋼板、アルミニウム合金板のいずれかである請求項1乃至11の何れかに記載の熱可塑性樹脂被覆金属板。
- 請求項1乃至12の何れかに記載の熱可塑性樹脂被覆金属板を用いてなる缶。
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