JP2001342333A - 金属板ラミネート用樹脂フィルムおよびラミネート金属板並びにその製造方法 - Google Patents
金属板ラミネート用樹脂フィルムおよびラミネート金属板並びにその製造方法Info
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Abstract
用樹脂フィルムおよびラミネート金属板並びにその製造
方法を提供する。 【解決手段】 エチレンテレフタレート及び/またはエ
チレンイソフタレートを基本骨格としたポリエステル樹
脂に、ガラス転移点が3℃以下で平均粒子径が0.01
〜5μmの粒状樹脂を分散させた混合樹脂からなり、該
混合樹脂中に該粒状樹脂が体積比率で3〜50vol%
の範囲で混合されている金属板ラミネート用樹脂フィル
ム。ガラス転移点が3℃以下の樹脂がポリオレフィンで
あることが好ましく、ポリオレフィンがポリプロピレン
であることがより好ましい。金属板の少なくとも一方の
表面に、膜厚が10〜50μmの範囲である前記樹脂フ
ィルムを被覆する。
Description
に優れ、過酷な成形加工に耐え得る金属板ラミネート用
樹脂フィルムおよびラミネート金属板並びにその製造方
法に関するものである。
を強いられる金属缶用材料としては、成形性、耐衝撃
性、食品衛生性、耐食性、フレーバー性等の観点から、
主としてポリエチレンテレフタレート系樹脂を被覆した
金属板が用いられている(特開昭59−232852号
公報など)。ポリエチレンテレフタレート系樹脂フィル
ムが元来有する、食品衛生性や耐フレーバー性に加え
て、フィルムの結晶配向を、ラミネート技術等で制御す
ることにり、諸性能が缶の要求性能を満たし得る領域へ
設計される(特開平5−269920号公報、特開平6
−320669号公報)。この技術は、現状の加工レベ
ルにおいては、適応可能である。
のゲージダウンが進行しており、この傾向は今後も続く
と思われる。これは、今後、さらに厳しい加工度が要求
されるということに他ならない。然るに、前記した現行
のポリエチレンテレフタレート系樹脂では、より厳しい
加工に供した場合、加工性と耐衝撃性を両立させること
が困難である。具体的には、加工性と耐衝撃性は、樹脂
層の結晶配向度(面配向)に大きく依存するファクター
であるからである。すなわち、樹脂層中に結晶配向成分
が増えると、結晶部で塑性変形が阻害され、加工度が劣
る。この為、加工性の観点からは、結晶配向量は少ない
ほど良い。一方、衝撃を受けた場合、この結晶部分は、
割れの進行を食い止める部位として働く。したがって、
耐衝撃性の観点からは結晶配向量は多いほど良い。この
為、加工性と耐衝撃性は、両特性の許容領域となるよう
結晶配向を調節し、設計される。両特性の両立域は、今
後の加工度の上昇に対して、余裕を持っていない状況で
ある。
高加工度に耐え得るラミネート金属板の開発が切に望ま
れている。本発明は、その解決手段を提供するものであ
り、加工性、耐衝撃性に優れた金属板ラミネート用樹脂
フィルムおよびラミネート金属板並びにその製造方法を
提供するものである。
テル樹脂(ポリエチレンテレフタレート系樹脂)の元来
持つ加工性の良さを失わずに、より厳しい加工に耐え得
る樹脂層の構造を検討した。その結果、ガラス転移点が
実用温度域下限(4℃)よりも低い樹脂をポリエステル
樹脂中に混合することで、結晶配向に頼ることなく、耐
衝撃性向上が可能であることを見出した。結晶配向で耐
衝撃性を担わなくて良い分、必要以上に結晶配向を高め
る必要性が無く、高加工性を実現できる。また、加工後
密着性、耐食性、フレーバー性等の必要特性も十分ある
ことが確認された。
である。飲料缶、食料缶などの金属缶は、流通過程で冷
蔵されるケースがある。そのような環境下で缶が落下な
どにより衝撃を受けた場合、樹脂層が損傷を受け、下地
が露出することが具体的な問題点となる。衝撃を受けた
ポリエステル樹脂フィルムラミネート金属板の樹脂層の
破壊断面は、脆性破壊の様相を呈している。これは、ポ
リエステル樹脂のガラス転移点が冷蔵温度に比較して高
い温度域にあるためであり、いわゆる割れるのである。
衝撃による急激な変形に伴うエネルギーを吸収する部位
がフィルム中に存在すれば、耐衝撃性は、著しく改善さ
れるはずである。
な樹脂を混合させ、試験を繰り返した。その結果、単純
に割れの伝播を食い止め得る堅い物質(例えば粒状シリ
カ)を混合した系では、割れのエネルギーを吸収しきれ
ない為、粒界を割れが伝播し、結果として耐衝撃性の向
上は認められなかった。
脂を混在させた系では、耐衝撃性の向上が顕著に認めら
れた。これは、ガラス転移点が冷蔵温度以下の樹脂は、
割れのエネルギーを弾性変形によって、ある程度吸収す
る為であると考えられる。そのため、多くの部位で割れ
が止まり、結果として、破壊断面は、さながら延性破壊
の様相を呈していた。
転移点が3℃以下の樹脂層をフィルムラミネートや共押
出し等により積み重ねたものは、層間剥離や加工性など
の点で支障をきたす。したがって、ガラス転移点が3℃
以下の樹脂は、ポリエステル樹脂中に分散している必要
ある。
されたものであり、その要旨は以下の通りである。
はエチレンイソフタレートを基本骨格としたポリエステ
ル樹脂に、ガラス転移点が3℃以下で平均粒子径が0.
01〜5μmの粒状樹脂を分散させた混合樹脂からな
り、該混合樹脂中に該粒状樹脂が体積比率で3〜50v
ol%の範囲で混合されていることを特徴とする金属板
ラミネート用樹脂フィルム(第1発明)。
ポリオレフィンであることを特徴とする前記(1)に記
載の金属板ラミネート用樹脂フィルム(第2発明)。
であることを特徴とする前記(2)に記載の金属板ラミ
ネート用樹脂フィルム(第3発明)。
前記(1)〜(3)のいずれかに記載され、かつ膜厚が
10〜50μmの範囲である樹脂フィルムを被覆したこ
とを特徴とするラミネート金属板(第4発明)。
t%含有することを特徴とする前記(4)に記載のラミ
ネート金属板(第5発明)。
ト法により金属板の表面に被覆されたものであることを
特徴とする前記(4)または(5)に記載のラミネート
金属板(第6発明)。
方向の面配向係数が0.01未満であることを特徴とす
る前記(4)〜(6)のいずれかに記載のラミネート金
属板(第7発明)。
0mg/m2の金属クロム層と、金属クロム換算の付着
量が3〜30mg/m2のクロム酸化物層を有する電解
クロメート処理鋼板であることを特徴とする前記(4)
〜(7)のいずれかに記載のラミネート金属板(第8発
明)。
れかに記載のラミネート金属板を製造するにあたり、樹
脂フィルム中のポリエステル樹脂の融点−70℃〜融点
+30℃の範囲に加熱した金属板に、樹脂フィルムをラ
ミネートすることを特徴とするラミネート金属板の製造
方法(第9発明)。
属板を製造するにあたり、前記(1)〜(3)のいずれ
かに記載の混合樹脂を、該混合樹脂の融点+10℃〜融
点+40℃の範囲に加熱し、溶融させた後、金属板の表
面に押し出しラミネートすることを特徴とするラミネー
ト金属板の製造方法(第10発明)。
00mg/m2の金属クロム層と、金属クロム換算の付
着量が3〜30mg/m2のクロム酸化物層を有する電
解クロメート処理鋼板であることを特徴とする前記
(9)または(10)に記載のラミネート金属板の製造
方法(第11発明)。
フタレート及び/またはエチレンイソフタレートを基本
骨格としたポリエステル樹脂とは、前記基本骨格部分が
ポリエステル樹脂中、60mol%以上を占めており、
その他の部位で、酸成分が、各種の芳香族ジカルボン
酸、脂肪族ジカルボン酸を任意に共重合しても良い。具
体的には、例えば、2,6−ナフタリンジカルボン酸、
4,4′−ビフェニルジカルボン酸、アジピン酸、シュ
ウ酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スペリン
酸、アゼライン酸、セパシン酸、ドデカジオン酸、tr
ans−1,4−シクロヘキ酸ジカルボン酸などであ
る。また、グリコール成分も、各種の脂肪族ジオール、
芳香族ジオールを共重合しても良い。具体的には、例え
ば、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコー
ル、ペンタメチレングリコール、trans−1,4−
シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、p−
キシレングリコール、cis−1,4−シクロヘキサン
ジメチル、プロピレングリコール、ブチレングリコール
などである。
が3℃以下の樹脂は、耐衝撃性向上の観点、その他の諸
特性に悪影響を与えないという観点から、平均粒子径が
0.01〜5μmφ、混合樹脂中の体積比率が3〜50
vol%の範囲にあることが必要である。また、さらに
望ましくは、平均粒子径0.05〜0.5μmφ、体積
比率が5〜20vol%の範囲が良い。平均粒子径、体
積比率の下限値は、耐衝撃性の向上に有効に寄与すると
いう観点から規定され、上限値は、加工性に悪影響を与
えないという観点から規定される。また、ガラス転移点
が3℃以下であるのは、流通過程での金属缶の冷蔵温度
が4℃である為、ガラス転移点が冷蔵温度より低い3℃
以下の樹脂を混在させることによって耐衝撃性を向上で
きるためである。
は、特に限定されるものではないが、例えば、低密度ポ
リエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリ
ル酸エチル、ポリアクリル酸n−プロピル、ポリアクリ
ル酸イソブチル、ポリアクリル酸n−ブチル、ポリクロ
ロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ
ブタジエン、ポリアセタールなどである。また、ガラス
転移点が3℃以下の樹脂は、1種でも良いし、2種以上
混合しても良い。
樹脂に相溶化剤、滑剤、可塑剤、帯電防止剤、耐侯剤を
添加しても良い。それぞれの添加剤を加えることによ
り、それぞれの公知の効果が得られ、用途に応じて、よ
り好ましいものを提供できる。
下の樹脂をポリオレフィンと規定したのは、加工性の観
点から、より好ましい樹脂種であるからであり、さらに
第3発明で、ポリオレフィンをポリプロピレンと規定し
たのは、もっとも好ましい樹脂種であるからである。
の範囲に規定される理由は、上限値は経済的な観点、下
限値は、耐衝撃性、加工性の観点からである。すなわ
ち、膜厚が10μm以上になると耐衝撃性、加工性がよ
り優れるが、膜厚が50μmを超えると樹脂フィルムの
コストが上昇し、また耐衝撃性、加工性の向上効果が飽
和するためである。
に規定したのは、5wt%未満では所望の色調を得るこ
とができず、40wt%を超えると加工性が低下するた
めである。
が、本発明の効果を妨げない限り、炭酸カルシウム、炭
酸バリウム、エアロジル、二酸化チタン、亜鉛華、グロ
スホワイト、アルミナホワイト、炭酸マグネシウム、カ
ーボンブラック、マグネタイト、コバルトブルー、ベン
ガラ等を適宜使用し、金属ラミネート板あるいは、金属
缶を好ましい色調に仕上げることが可能となる。
ラミネート法により被覆されたものにに限定される理由
は、ラミネート時の気泡巻き込みを防止する観点で、押
出しラミネート法が優れるからである。一般的なフィル
ムラミネート方式では、特にラミネート速度が上昇する
にしたがって、気泡が巻き込まれやすくなる。巻き込ま
れた気泡は、単に下地金属板との密着力低下を引き起こ
すだけでなく、耐衝撃性にも悪影響を与える。本発明者
らは、衝撃に対して、気泡の際部に応力集中が起こるた
め、この部分が脆くフィルム破壊の起点となっているこ
とを突き止めている。さらに、樹脂をフィルム成形して
ラミネートする工程と、樹脂を直接押出してラミネート
する工程との差より生じる製造コストの差も押出し法の
利点である。
ム面と平行な方向の面配向係数を0.01未満と規定し
たのは、この範囲のものは特に加工性が優れるためであ
る。面配向係数の上昇に伴い加工度は劣ってくる。これ
は、先述したように配向結晶が塑性変形を妨げる為であ
るが、本発明の面配向係数の範囲であれば、実質的に加
工性に悪影響を与えないレベルである。
従来技術に比較して、充分優れる耐衝撃性を有するが、
要求される加工性と耐衝撃性を考慮して、意図的に面配
向係数を0.01超えに上げ、さらに優れた耐衝撃性を
得ることも可能である。
形性の点で鉄やアルミニウムなどを素材とする金属板が
好ましい。鉄を素材とする金属板の場合、その表面に接
着性や耐腐食性を改良する為、無機酸化物被膜層、例え
ばクロム酸処理、リン酸処理、クロム酸/リン酸処理、
電解クロム酸処理、クロメート処理、クロムクロメート
処理などで代表される化成処理被覆層を設けてもよい。
また、展延性金属メッキ層、例えばニッケル、スズ、亜
鉛、アルミニウム、砲金、真ちゅうなどのメッキ層を設
けてもよい。スズメッキの場合0.5〜15mg/
m2、ニッケルまたはアルミニウムの場合1.8〜20
g/m2のメッキ量を有するものが好ましい。
1発明に規定する電解クロメート処理鋼板が、フィルム
との密着性、耐食性、製造コストの観点から特に好まし
い。第8、第11発明において、金属クロム層の金属ク
ロム量の下限を50mg/m 2と規定したのは、50m
g/m2以上になると耐食性、加工後密着性がより優れ
るからであり、上限を200mg/m2に規定したの
は、200mg/m2超えでは耐食性、加工後密着性の
向上効果が飽和し、逆に製造コスト上昇するからであ
る。クロム酸化物中のクロム量の金属クロム換算量の下
限を3mg/m2と規定したのは、3mg/m2未満にな
ると密着性がより優れるからであり、上限を30mg/
m2に規定したのは30mg/m2を超えると色調が悪化
するからである。
限をポリエステル樹脂の融点−70℃と設定したのは、
下限値未満では、金属板との密着力が十分でないためで
あり、上限値をポリエステル樹脂の融点+30℃と設定
したのは、上限値を超えるとフィルム層がラミネートロ
ールに融着してしまうためである。
を混合樹脂の融点(Tm)に対して、Tm+10℃以
上、Tm+40℃以下と規定したのは、Tm+10℃未
満では、樹脂の粘度が著しく劣る為、品質安定性、生産
性に劣る為であり、Tm+40℃を超えると、ラミネー
トロールへの密着、気泡の混入、樹脂の劣化などが問題
となる為である。
を妨げない限り、プライマー層を金属板との密着層とし
て設けても良い。本発明のラミネート金属板は、樹脂層
と金属板の一次密着性、加工後密着性とも優れたもので
あるが、より厳しい腐食環境、あるいはより優れた密着
性が要求される環境下では、プライマー層を設けて、要
求に応じた特性を付与できる。例えば、金属缶として使
用する場合、より腐食性の強い内容物を充填すると、樹
脂層を通して、内容物が金属板との界面に侵入し、金属
板を腐食させ、フィルムとの密着性が劣化する可能性が
ある。このような場合、適切なプライマー層を設けるこ
とにより樹脂層の剥離を防ぐことが可能となる。
はないが、公知のプライマー層を用いることにより、公
知の効果が発現される。また、プライマー層の形成方法
は特に限定されるものではないが、金属板にプライマー
塗料を塗布−乾燥、あるいは、本発明のフィルムにプラ
イマー塗料を塗布−乾燥してもよく、あるいは金属板に
プライマーフィルムをラミネートしても良いし、さらに
は、本発明のフィルムとプライマー層を貼り合わせたフ
ィルムをラミネートしても良い。
は、絞り成形やしごき成形によって製造されるツーピー
ス金属缶の内面被覆用途に好適に使用することができ
る。また、本発明の前記フィルムは、ツーピース缶の蓋
部分、あるいはスリーピース缶の胴、蓋、底の被覆用と
しても良好な金属接着性、成形性を有するため、この用
途にも好ましく使用することができる。
は、加工性、耐衝撃性に優れるので、材料のゲージダウ
ンが進み、特に過酷な成形を強いられる薄肉深絞り缶用
途へ使用する材料として好適である。
S(厚さ0.18mm、テンパー度DR9、金属クロム
層80mg/m2、クロム酸化物層15mg/m2(金属
クロム換算))の両面に、膜厚8〜45μmの樹脂フィ
ルムを熱圧着した後、水中急冷する熱接着法でラミネー
ト金属板を得た。供試フィルムを表1、ラミネート条件
を表2に示す。
を調査した。また、前記で得たラミネート金属板を、製
缶加工し、歪み取り熱処理を施して供試缶を作製し、製
缶した缶体のフィルムの加工性、耐衝撃性を調査した。
を行い薄肉化深絞り缶を得た。 ・第一段絞り ブランク径…150〜160mm 1段絞り …絞り比1.65 ・再絞り 第1次再絞り…絞り比:1.25 第2次再絞り…絞り比:1.25 再絞り工程のダイスコーナー部の曲率半径:0.4mm 再絞り時のしわ押さえ加重…4000kg ・缶胴部の平均薄肉化率 成形前のラミネート金属板の厚さに対し40〜55%
融点−15℃の熱環境下で30秒間加熱保持した後に急
冷した。
って、下記のごとく評点をつけた。 限界加工度(薄肉化率) 評点 薄肉化率40%の成形不可 : 1 (劣) 薄肉化率40%まで成形可 : 2 ↑ 薄肉化率45%まで成形可 : 3 薄肉化率50%まで成形可 : 4 ↓ 薄肉化率55%まで成形可 : 5 (優)
加工を施し、缶体中に、水を充填して蓋を取りつけ巻き
締めた後、缶底に、ポンチで衝撃を与えた。次に蓋をあ
け、缶内部に、被衝撃部が浸るように、3%食塩水を充
填し、2分浸漬後、液中に浸した白金電極と缶金属部に
6Vの負荷をかけ、さらに5分後の電流値を読みとり、
以下のように評価した。 試験結果 :評価 電流値が10mA以上 :× 電流値が1mA以上〜10mA未満:○ 電流値が1mA未満 :◎
はヨウ化メチレン、温度は25℃の条件で屈折率を測定
して、フイルム面の金属板長手方向のの屈折率Nx、フ
ィルム面の金属板幅方向の屈折率Ny、フィルムの厚み
方向の屈折率Nzを求め、下式から面配向係数Nsを算
出した。 面配向係数(Ns)=(Nx+Ny)/2−Nz
熱量計(パーキン・エルマー社製DSC−2型)によ
り、10℃/minの昇温速度でポリエステル樹脂の融
点を測定した。
〜4は、エチレンテレフタレートとエチレンイソフタレ
ートの共重合比を変えたフィルムであり、これを本発明
のラミネート条件でラミネートした発明例20〜23
は、成形性、耐衝撃性とも極めて良好である。
をラミネート条件を本発明の範囲内で振ったものであ
り、成形性、耐衝撃性とも極めて良好である。一方、比
較例27は、発明例4のフィルムを本発明のラミネート
温度範囲の下限を下回る条件でラミネートしたものであ
り、フィルムが鋼板に密着しなかったため、評価不能で
あった。また、比較例28は、発明例4のフィルムを本
発明のラミネート温度範囲の上限を超える条件でラミネ
ートしたため、ラミネートロールに融着して、評価不能
であった。
3℃以下の樹脂の粒径を、本発明の範囲内で振ったもの
である。これを本発明のラミネート条件でラミネートし
た発明例28〜30は、良好な加工性、耐衝撃性を示し
た。発明例5は、混合する樹脂の粒径が下限に近いため
に耐衝撃性向上に対する寄与度が低いため、これをラミ
ネートした発明例28は、耐衝撃性の評価が○となって
いる。また、発明例6、7は、本発明の範囲の粒径であ
るが、特に望ましい範囲を外れるので、これをラミネー
トした発明例29、30は、加工性の評点が4となって
いる。
脂の粒径が本発明の下限を下回る為、これをラミネート
した比較例18は、耐衝撃性に劣る。また、比較例6
は、本発明の粒径の範囲の上限を超えているので、これ
をラミネートした比較例19は、加工性に劣る。
の範囲で振ったものである。これを、本発明のラミネー
ト方法でラミネートした発明例31、32は、いずれも
良好な性能を示す。発明例9は、フィルムの膜厚が本発
明の下限に近い為、これをラミネートした発明例32
は、発明例31に比べて、加工性、耐衝撃性とも、若干
劣る。
し、膜厚が本発明範囲を下回る比較例20は加工性、耐
衝撃性とも劣る。
点が3℃以下の樹脂の体積比率を、発明の範囲内で振っ
たものである。これを本発明のラミネート条件でラミネ
ートした発明例33、34は、良好な加工性、耐衝撃性
を示した。発明例10は、混合する樹脂の体積比率が下
限に近いために耐衝撃性向上に対する寄与度が低く、こ
れをラミネートした発明例33は、耐衝撃性の評価が○
となっている。また、発明例11は、本発明の範囲の体
積比率であるが、特に望ましい範囲を外れるので、これ
をラミネートした発明例34は、成形性の評点が4とな
っている。
脂の体積比率が本発明の下限を下回る為、これをラミネ
ートした比較例21は、耐衝撃性に劣る。また、比較例
9は、本発明の体積比率の範囲の上限を超えているの
で、これをラミネートした比較例22は、加工性に劣
る。
明のフィルムで有り、これをラミネートした発明例3
5、36は、いずれも良好な性能を示す。発明例35
は、面配向係数が0.015であり、加工性が若干劣
る。しかしながら、本実施例の評価法より厳しい耐衝撃
性試験を行った結果、面配向係数が低いものと比較して
耐衝撃性が若干上回ることが確認された。発明例36
は、第7発明の範囲の面配向係数を持つものであり、加
工性、耐衝撃性とも極めて良好である。
リプロピレン以外のポリオレフィンであり、これをラミ
ネートした発明例37、38、43は、混合樹脂がポリ
プロピレンのフィルムをラミネートした発明例23と比
較すると加工性が若干劣るものの、充分良好な加工性、
耐衝撃性を有する。また、発明例15〜18、20は、
混合樹脂がポリオレフィン以外で、ガラス転移点が3℃
以下の本発明の範囲にある樹脂を用いた例である。これ
らのフィルムをラミネートした発明例39〜42、44
は、加工性は若干劣るものの、良好な加工性、耐衝撃性
を有する。
ス転移点が、本発明の範囲を外れる為、これをラミネー
トした比較例23〜26は、耐衝撃性が劣る。
レートとエチレンイソフタレートの共重合比を変えたフ
ィルム単身で、本発明の樹脂を混合しない例である。こ
れらのフィルムをラミネートした比較例14〜17は、
加工性は優れるものの、耐衝撃性が劣る。
テンパー度DR9、金属クロム層80mg/m2、クロ
ム酸化物層15mg/m2(金属クロム換算))の片面
に、通常の押出し法で膜厚が、9〜44μmになるよう
に押出し、直後水中急冷し、ラミネート金属板を得た。
供試樹脂の種類、押出しラミネート時の樹脂溶融温度を
表3および表4に示す。樹脂溶融温度は表5にも示し
た。
し、歪み取り熱処理を施して供試缶を作製し、製缶した
缶体のフィルムの加工性、耐衝撃性を調査した。
を施した。
加工を施し、缶体中に、水を充填して蓋を取りつけ巻き
締めた後、缶底にポンチで衝撃を与えた。次に蓋をあ
け、缶内部に、被衝撃部が浸るように、3%食塩水を充
填し、2分浸漬後、液中に浸した白金電極と缶金属部に
6Vの負荷をかけ、さらに5分後の電流値を読み取り、
実施例1と同様にして耐衝撃性を評価した。
コープM−11D)にて、フィルム膜厚を測定した。
た。
と同様にして混合樹脂の融点(ポリエステル樹脂の融
点)を測定した。
厚は表3および表4に示した。樹脂融点は表3と表4に
も示した。
〜4は、エチレンテレフタレートとエチレンイソフタレ
ートの共重合比を変えた樹脂を用いたもので、これらの
フィルムをラミネートした20〜23は、成形性、耐衝
撃性とも極めて良好である。
樹脂の粒径を、発明の範囲内で振ったものである。これ
らのフィルムをラミネートした発明例28〜30は、良
好な加工性、耐衝撃性を示した。発明例5は、樹脂の粒
径が下限に近いために耐衝撃性向上に対する寄与度が低
く、これをラミネートした発明例28は耐衝撃性の評価
が○となっている。また、発明例6、7は、本発明の範
囲の粒径であるが、特に望ましい範囲には無いので、こ
れをラミネートした発明例29、30は、加工性の評点
が4となっている。
下限を下回る為、これをラミネートした比較例18は耐
衝撃性に劣る。また、比較例6は、本発明の粒径の範囲
の上限を超えているので、これをラミネートした19
は、加工性に劣る。
ったものである。これをラミネートした発明例31、3
2は、いずれも良好な性能を示す。発明例9は、樹脂層
の膜厚が本発明の下限に近い為、これをラミネートした
発明例32は、発明例31に比べて、加工性、耐衝撃性
とも、若干劣る。一方、比較例7のフィルムをラミネー
トし、膜厚が本発明範囲を下回る比較例20は、加工
性、耐衝撃性とも劣る。
以下の樹脂の体積比率を、本発明の範囲内で振ったもの
である。これをラミネートした発明例33、34は、良
好な加工性、耐衝撃性を示した。発明例10は、体積比
率が本発明の範囲の下限に近いために耐衝撃性向上に対
する寄与度が低く、これをラミネートした発明例33
は、耐衝撃性の評価が○となっている。また、発明例1
1は、本発明の範囲の体積比率であるが、特に望ましい
範囲には無いので、これをラミネートした発明例34
は、成形性の評点が4となっている。
本発明の下限を下回る為、これをラミネートした比較例
21は、耐衝撃性に劣る。また、比較例9は、本発明の
体積比率の範囲の上限を超えているので、これをラミネ
ートした比較例22は、加工性に劣る。
リプロピレン以外のポリオレフィンであり、これをラミ
ネートした発明例35、36、41は、混合樹脂として
ポリプロピレンを使用した樹脂をラミネートした発明例
23と比較すると加工性が若干劣るものの、充分良好な
加工性、耐衝撃性を有する。また、発明例14〜17、
19は、混合樹脂として、ポリオレフィン以外で、ガラ
ス転移点が3℃以下の本発明の範囲にある樹脂を用いた
例である。これらの樹脂を本発明の法の条件でラミネー
トした発明例37〜40、42は、混合樹脂にポリオレ
フィンを用いた場合に比べて、加工性は、若干劣るもの
の、良好な加工性、耐衝撃性を有する。
ス転移点が、本発明の範囲を外れる為、これらの樹脂を
ラミネートした比較例23〜26は、耐衝撃性が劣る。
レートとエチレンイソフタレートの共重合比を変えたフ
ィルム単身で、本発明の樹脂を混合しないものである。
そのため、これらの樹脂をラミネートした比較例14〜
17は、加工性は優れるものの、耐衝撃性が劣る。
れた金属板ラミネート用樹脂フィルムおよびラミネート
金属板並びにその製造方法が得られる。
しごき成形によって製造されるツーピース金属缶用途に
好適に使用することができる。また、ツーピース缶の蓋
部分、あるいはスリーピース缶の胴、蓋、底用鋼板と好
ましく使用することができる。
のゲージダウンが進み、特に過酷な成形を強いられる薄
肉深絞り缶用途へ使用する材料としても好適である。
Claims (11)
- 【請求項1】 エチレンテレフタレート及び/またはエ
チレンイソフタレートを基本骨格としたポリエステル樹
脂に、ガラス転移点が3℃以下で平均粒子径が0.01
〜5μmの粒状樹脂を分散させた混合樹脂からなり、該
混合樹脂中に該粒状樹脂が体積比率で3〜50vol%
の範囲で混合されていることを特徴とする金属板ラミネ
ート用樹脂フィルム。 - 【請求項2】 ガラス転移点が3℃以下の樹脂が、ポリ
オレフィンであることを特徴とする請求項1に記載の金
属板ラミネート用樹脂フィルム。 - 【請求項3】 ポリオレフィンが、ポリプロピレンであ
ることを特徴とする請求項2に記載の金属板ラミネート
用樹脂フィルム。 - 【請求項4】 金属板の少なくとも一方の表面に、請求
項1〜3のいずれかに記載され、かつ膜厚が10〜50
μmの範囲である樹脂フィルムを被覆したことを特徴と
するラミネート金属板。 - 【請求項5】 樹脂フィルムが、顔料を5〜40wt%
含有することを特徴とする請求項4に記載のラミネート
金属板。 - 【請求項6】 樹脂フィルムが、押し出しラミネート法
により金属板の表面に被覆されたものであることを特徴
とする請求項4または5に記載のラミネート金属板。 - 【請求項7】 樹脂フィルムのフィルム面と平行な方向
の面配向係数が0.01未満であることを特徴とする請
求項4〜6のいずれかに記載のラミネート金属板。 - 【請求項8】 金属板が、表面に付着量50〜200m
g/m2の金属クロム層と、金属クロム換算の付着量が
3〜30mg/m2のクロム酸化物層を有する電解クロ
メート処理鋼板であることを特徴とする請求項4〜7の
いずれかに記載のラミネート金属板。 - 【請求項9】 請求項4、5、7のいずれかに記載のラ
ミネート金属板を製造するにあたり、樹脂フィルム中の
ポリエステル樹脂の融点−70℃〜融点+30℃の範囲
に加熱した金属板に、樹脂フィルムをラミネートするこ
とを特徴とするラミネート金属板の製造方法。 - 【請求項10】 請求項6に記載のラミネート金属板を
製造するにあたり、請求項1〜3のいずれかに記載の混
合樹脂を、該混合樹脂の融点+10℃〜融点+40℃の
範囲に加熱し、溶融させた後、金属板の表面に押し出し
ラミネートすることを特徴とするラミネート金属板の製
造方法。 - 【請求項11】 金属板が、表面に付着量50〜200
mg/m2の金属クロム層と、金属クロム換算の付着量
が3〜30mg/m2のクロム酸化物層を有する電解ク
ロメート処理鋼板であることを特徴とする請求項9また
は10に記載のラミネート金属板の製造方法。
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