JP3041153B2 - 薄肉化深絞り缶用樹脂被覆金属板 - Google Patents

薄肉化深絞り缶用樹脂被覆金属板

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JP3041153B2
JP3041153B2 JP4178893A JP4178893A JP3041153B2 JP 3041153 B2 JP3041153 B2 JP 3041153B2 JP 4178893 A JP4178893 A JP 4178893A JP 4178893 A JP4178893 A JP 4178893A JP 3041153 B2 JP3041153 B2 JP 3041153B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄肉化深絞り缶用樹脂
被覆金属板に関するものであり、より詳細には充填され
る内容物の味、香りを変化させずかつ低温領域までの耐
衝撃加工性に優れた表層、下層の二層からなる二軸配向
フィルムにより被覆された薄肉化深絞り缶用樹脂被覆金
属板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、飲料缶あるいは食缶には、缶
胴、缶蓋、底蓋の三つの部分からなる3ピース缶と缶胴
と底蓋が一体となった缶体、缶蓋の二つの部分からなる
2ピース缶が用いられている。この3ピース缶の缶胴に
は一回あるいは数回の塗装を施したぶりき、電解クロム
酸処理鋼板(一般にはティンフリースチールと呼ばれ、
以下TFSと略す)が使用され、接合にはナイロンによ
る接着、抵抗溶接、ある ページ(2) いははんだ付けが使用されている。塗装一回当りの塗布
重量は、約40〜60mg/dm2(固化後の平均厚さ
で約4〜6μm)であり、缶の内面側には通常二回の塗
装が施されている。このように厚膜の塗装を施すこと
は、焼付け工程が煩雑であるばかりでなく、焼付けのた
めに長時間の加熱が必要である。また、塗膜が厚いと焼
付け工程で塗料中の多量の溶剤成分が排出されるため、
排出溶剤を処理するための特別な設備を必要とした。
【0003】また、2ピース缶には絞り缶、絞り再絞り
缶(Drawn and redrawn can、D
RD缶)、絞りしごき缶(Drawn and Iro
ned can、DI缶)があるが、絞り缶、DRD缶
のような比較的絞り比の小さい缶には上記の3ピース缶
用の材料と同様に塗装を施したぶりきまたはTFSが使
用されている。そのため上記同様に工程および設備が複
雑となる。また、絞り缶、DI缶にはぶりきおよびアル
ミニウムが使用されているが、DI缶の製造には成形時
に潤滑油を用い、成形加工後、この潤滑油を洗浄で除去
し、乾燥後、缶の内外面に塗装が施される。このDI缶
の製造工程は公害面から潤滑油の処理、塗装焼付け時に
おける塗料中から揮散される溶剤成分の処理などが煩雑
である。近年、塗装を施したTFSを絞り加工後、スト
レッチを施す薄肉化深絞り缶の製造技術が検討されてき
た。しかし、塗装したTFSはこのようなきびしい加工
を施したとき、塗膜に無数のクラックが入り、いまだに
特性の良好な薄肉化深絞り缶は実用化されていない。
【0004】この薄肉化深絞り缶の製造技術はDI缶の
製造技術に比較し、例えば、製造設備がコンパクトで設
備費が安い、設備設置面積が小さい、運転人員の削減が
可能である、プレコート材の使用が可能であり、公害対
策が不要であり、ぶりきより安価なTFSの使用が可能
であるなど多くの利点を持っているが、塗料をプレコー
トしたTFSを薄肉化深絞り缶へ適用した場合、加工後
の耐食性が不十分であるため、いまだに広く普及してい
ない。一方、塗料に代わる方法として、二種類の異なる
ポリエステル樹脂の積層により金属板を被覆する方法
(特公昭58−23219号、特公昭62−61427
号、特願平2−418199号、公表特許 ページ(3) 平2−501638号)が開示されている。特公昭58
−23219号の方法によれば、各種の内容物を缶に充
填した場合、保存期間中に内容物中の成分(オクタナー
ル、d−リモネン、P−シメン、テルピネン、ピネン
等)が被覆材であるポリエステル樹脂に吸着され、内容
物の味、香りが変化してしまうという問題点を持ってい
る。また、特公昭62−61427号、特公平4−22
4936号、公表特許平2−501638号の方法によ
れば、コーラ等の炭酸飲料を対象とした低温での耐衝撃
加工性及び10〜50℃の雰囲気下で数カ月の長期保存
後の耐衝撃加工性が劣るという問題点があり、腐食性の
強い内容物を充填することは難しい。耐衝撃加工性は、
内容物を充填時または充填後の搬送時に缶と設備または
缶同士がぶつかった場合の変形に対応しており、この変
形を生じた部分は缶の内面側からみると凸状に変形さ
れ、この部分のポリエステル樹脂層に無数のクラックが
入ることがあり、内容物によって局部的に腐食されてい
る。すなわち、公知のポリエステル樹脂被覆金属板は正
常な状態で缶に成形され、正常な状態で搬送されれば薄
肉化深絞り缶用に使用可能なものもあるが、このような
異常な充填作業や搬送作業が起こり得ることを考慮する
と、腐食性の強い内容物に対しては実用性に乏しい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように薄肉化深絞
り缶の製造技術は従来の製缶技術に比較し、多くの利点
を持っているが、長期保存後の耐内容物吸着性に優れか
つこのような異常作業まで考慮した薄肉化深絞り缶に適
した材料は開発されていない。本発明は内容物を充填後
に内容物成分のポリエステル樹脂への吸着を抑制すると
同時に、異常作業を考慮した場合の耐衝撃加工性に優れ
た薄肉化深絞り缶用のポリエステル樹脂被覆金属板を開
発することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、種々検討の結
果、表層:ジカルボン酸成分としてテレフタル酸80〜
98モル%からなるTgが65℃以上のポリエチレンテ
レフタレート系樹脂の層と、下層:テレフタル酸80〜
100モル%からなるポリエチレンテレフタレ ページ(4) ート系樹脂40〜80重量%とテレフタル酸70〜10
0モル%からなるポリブチレンテレフタレート系樹脂2
0〜60重量%がブレンドされたTgが30〜65℃の
樹脂の層が積層された二軸配向フィルムにより金属板の
片面あるいは両面を被覆して、耐内容物吸着性及び耐衝
撃加工性に優れた薄肉化深絞り缶用のポリエステル樹脂
被覆金属板を得るものである。
【0007】以下、本発明の内容について詳細に説明す
る。本発明は、耐内容物吸着性及び耐衝撃加工性を共に
満足させるために組成および特性の異なる表層と下層の
二層からなる二軸配向ポリエステル樹脂フィルムにより
金属板を被覆しているのが特徴である。まず、ポリエス
テル樹脂の組成および特性において、耐内容物吸着性は
表層に規定するポリエステル樹脂のTgが65℃以上で
は優れているが、65℃未満になると著しく低下する。
一方、耐衝撃加工性は下層に規定するポリエステル樹脂
のTgが65℃未満では優れているがTgが65℃以上
になると著しく低下することを見いだした。このよう
に、耐内容物吸着性と耐衝撃加工性は相反する特性であ
るため、耐内容物吸着性に優れる表層と耐衝撃加工性に
優れる下層を積層することにより両特性が共に優れた薄
肉化深絞り缶用のポリエステル樹脂被覆金属板を発明す
るに至った。本発明に用いられるポリエステル樹脂フィ
ルムの構成としては、缶の内容物が接する表層は耐内容
物吸着性に優れたジカルボン酸成分としてテレフタル酸
80〜98モル%のTgが65℃以上のポリエチレンテ
レフタレート系樹脂であり、ジカルボン酸成分としては
規定されたテレフタル酸以外に、イソフタル酸、コハク
酸、セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸等の一種ま
たは二種以上、ジオール成分としてエチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、
1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール等
の一種または二種以上を共重合成分として用いることが
できる。このポリエチレンテレフタレート系樹脂の具体
例としてはポリエチレンテレフタレート・イソフタレー
ト(PET/IA)、ポリエチレンテレフタレート・セ
バケート(PET/SA)、ポリエチレンテレフタレー
ト・アジペート(PET/AA)などがある。次に、金
属板との接着層である下層は金属との密着性に優れかつ
耐衝撃加工性に優れた層であり、その組成はテ ページ(5) テレフタル酸80〜100モル%からなるポリエチレン
テレフタレート系樹脂40〜80重量%とテレフタル酸
70〜100モル%からなるポリブチレンテレフタレー
ト系樹脂20〜60重量%がブレンドされたTg:30
〜65℃の樹脂の層であり、ジカルボン酸成分としては
規定されたテレフタル酸以外に、イソフタル酸、コハク
酸、セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸等の一種ま
たは二種以上、ジオール成分として規定された1,4−
ブタンジオール以外にエチレングリコール、ジエチレン
グリコール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタ
ンジオール等の一種または二種以上を共重合成分として
用いることができる。このポリエチレンテレフタレート
系樹脂の具体例としてはポリエチレンテレフタレート・
イソフタレート(PET/IA)、ポリエチレンテレフ
タレート・セバケート(PET/SA)、ポリエチレン
テレフタレート・アジペート(PET/AA)、ポリブ
チレンテレフタレート系樹脂の具体例としてはポリブチ
レンテレフタレート・イソフタレート(PBT/I
A)、ポリブチレンテレフタレート・セバケート(PB
T/SA)、ポリブチレンテレフタレート・アジペート
(PBT/AA)などがある。ここで、下層の成分が共
重合成分だけでなく、ポリエステル系樹脂とポリブチレ
ンテレフタレート系樹脂をブレンドするのは、適性Tg
範囲に対して組成の自由度が広くとれるため、他の缶特
性に対する組成での調整が容易になるためである。これ
らのフィルムは公知の押出機によりフィルム成形後、縦
横二軸方向に延伸し、熱固定により製造されるが、Tg
が30℃未満のポリエステル樹脂は、製膜性の点で縦横
二軸に延伸することが困難である。また、フィルム成形
後延伸操作を施さない未延伸フィルムは製缶工具との摩
擦係数が高くなり、極端に製缶性が低下すると共に、内
容物に対するバリアー性も劣ってくるため、本発明にお
いて二軸配向されていることが必須である。本発明で示
したTgは、溶融後急冷したポリエステル樹脂をセイコ
ー電子工業(株)製の示差走査熱量計(DSC−20)
を用いて、サンプル量:20mg、昇温速度:20℃/
分で常温から測定し、最初の吸熱ピークの最大傾斜とベ
ースラインの交点をTgとした。さらに、製膜された上
記組成のポリエステル樹脂フィルムを金属板に熱圧着し
て樹脂被覆金属板ができあがるが、熱圧着時にフィルム
表層側の面配向係数を0. ページ(6) 01〜0.11の範囲に制御する必要がある。この理由
は、フィルム表層側の面配向係数が0.11以上になる
と成形加工性が著しく低下し、0.01以下の場合、耐
内容物吸着性が著しく低下することによる。この面配向
係数は、ポリエステル樹脂フィルム被服金属板の表面側
の縦方向、横方向および厚さ方向の屈折率をアッベの屈
折率計で測定し、次式により求める。 面配向係数:Ns=(A+B)/2−C A:縦方向のポリエステル樹脂層の屈折率 B:横方向のポリエステル樹脂層の屈折率 C:厚さ方向のポリエステル樹脂層の屈折率
【0008】また、本発明において使用されるポリエス
テル樹脂フィルムの表層と下層の膜厚比は非常に重要で
あり、表層と下層の膜厚比は表層/下層が0.1未満の
場合、耐内容物吸着性が極端に低下し、表層/下層が
5.0以上の場合、耐衝撃加工性が極端に低下するた
め、耐内容物吸着性と耐衝撃加工性を共に満足するため
には、表層と下層の膜厚比(表層/下層)は0.1から
5.0の範囲が適切である。総厚みは特に限定するもの
ではないが、一般に5〜50μmの範囲にあることが望
ましい。厚みが5μm以下の場合はラミネート作業性が
著しく低下するとともに、ピンホールが発生し易く十分
な加工耐食性が得られない。一方、50μm以上になる
と製缶分野で広く用いられている塗料と比較して経済的
でない。また、表層と下層には必要に応じて酸化防止
剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、粘度調整剤、可塑剤、核
剤、無機粒子、有機滑剤などの添加剤を配合してもよ
い。
【0009】次に、本発明において用いられる金属板と
しては、シート状および帯状の鋼板およびアルミニウム
板の表層にクロム水和酸化物皮膜を有することが積層さ
れるポリエステル樹脂フィルムとの優れた密着性を確保
するために有用である。特に下層が金属クロム、上層が
クロム水和酸化物の二層構造をもつTFSが好ましく、
さらに鋼板表面に錫、ニッケル、亜鉛、アルミニウムな
どの一種または二種以上の複層メッキ、合金メッキを施
し、その上層に上記の二層構造をもつTFS皮膜あるい
はクロム水和酸化物皮膜を形成させたもの、あるいはア
ルミニウムに電 ページ(7) 解クロム酸処理、浸漬クロム酸処理を施し、表層にクロ
ム水和酸化物皮膜を形成させたものなどが用いられる。
表層のクロム水和酸化物皮膜の量がクロムとして3mg
/m2以下あるいは50mg/m2以上であると、積層さ
れたポリエステル樹脂層との密着性、特に加工後の密着
性が低下する。したがって、クロム水和酸化物皮膜の量
はクロムとして3〜50mg/m2の範囲が好ましく、
より好ましくは7〜25mg/m2である。金属クロム
量は特に限定する必要はないが、加工後の耐食性、ポリ
エステル樹脂層の密着性の観点より、100〜200m
g/m2の範囲にあることがより好ましい。
【0010】ラミネートに必要な加熱方法はヒーターロ
ール伝熱方式、誘導加熱方式、抵抗加熱方式、熱風伝達
方式などがあげられ、特に、設備費および設備の簡素化
を考慮した場合、ヒーターロール伝熱方式が好ましい。
また、幅方向の温度分布は、できるだけ均一な方が好ま
しい。
【0011】ラミネート後の冷却方法は特に限定するも
のではないが、冷却までの間のポリエステル樹脂フィル
ムの物性変化を防ぐためにラミネート後、5秒以内に1
00℃以下に冷却することが好ましい。
【0012】
【実施例】
実施例1 板厚0.17mm、テンパー度DR−10のTFS(金
属クロム量110mg/m2 、クロム水和酸化物皮膜中
のクロム量14mg/m2 )の両面に、表層:イソフタ
ル酸12モル%、テレフタル酸88モル%、エチレング
リコール100モル%、Tgが73℃のポリエチレンテ
レフタレート系樹脂、下層:イソフタル酸6モル%、テ
レフタル酸94モル%、エチレングリコール100モル
%からなるポリエチレンテレフタレート系樹脂:45重
量%と、テレフタル酸100モル%、1,4−ブタンジ
オール100モル%からなるポリブチレンテレフタレー
ト系樹脂:55重量%をブレンドしたTgが50℃の樹
脂からなる二層の二軸配向フィルム(表層膜厚5μm、
下層膜厚20μm、表層側の面配向係数0.141 ページ(8) )を230℃の温度で熱圧着して、表層の面配向係数
0.082のポリエステル樹脂フィルム被覆鋼板を得
た。さらに、下記に示す加工条件により薄肉化深絞り缶
に成形後、常法の手段により、ドーミング、ネッキン
グ、フランジ加工を施した。 (成形条件) A.絞り工程 ブランク径:187mm 絞り比:1.50 B.再絞り工程 第1次再絞り比:1.29 第2次再絞り比:1.24 第3次再絞り比:1.20 再絞り工程のダイスのコーナー部の曲率半径:0.4m
m 再絞り工程のしわ押え荷重:6000kg C.缶胴部の平均薄肉化率 成形前のポリエステル樹脂フィルム被覆鋼板の厚さに対
し−20%
【0013】実施例2 実施例1に示したTFSの片面に、表層:アジピン酸
5、イソフタル酸4モル%、テレフタル酸91モル%、
エチレングリコール100モル%、Tg:67℃のポリ
エチレンテレフタレート系樹脂、下層:イソフタル酸6
モル%、テレフタル酸94モル%、エチレングリコール
100モル%からなるポリエチレンテレフタレート系樹
脂:45重量%と、テレフタル酸100モル%、1,4
−ブタンジオール100モル%からなるポリブチレンテ
レフタレート系樹脂:55重量%をブレンドしたTg:
50℃の樹脂からなる二層の二軸配向フィルム(表層膜
厚5μm、下層膜厚20μm、表層側の面配向係数0.
151)、他の片面に酸化チタン12重量%を含むイソ
フタル酸12モル%、テレフタル酸88モル%、エチレ
ングリコール100モル%からなる白色共重合ポリエス
テル樹脂フィルムを同 ページ(9) 時に235℃の温度で熱圧着して、二層フィルム側の表
層の面配向係数0.074のポリエステル樹脂フィルム
被覆鋼板を得た後、白色共重合ポリエステル樹脂フィル
ム側が缶外面となるように、実施例1と同様な条件で成
形加工を施した。
【0014】実施例3 実施例1に示したTFSの片面に、表層:イソフタル酸
12モル%、テレフタル酸88モル%、エチレングリコ
ール100モル%、Tg:73℃のポリエチレンテレフ
タレート系樹脂、下層:イソフタル酸6モル%、テレフ
タル酸94モル%、エチレングリコール100モル%か
らなるポリエチレンテレフタレート系樹脂:70重量%
と、テレフタル酸100モル%、1,4−ブタンジオー
ル90モル%、エチレングリコール10モル%からなる
ポリブチレンテレフタレート系樹脂:30重量%をブレ
ンドしたTg:48℃の樹脂からなる二層の二軸配向フ
ィルム(表層膜厚5μm、下層膜厚20μm、表層側の
面配向係数0.138)、他の片面に実施例2で用いた
白色共重合ポリエステル樹脂フィルムを同時に235℃
の温度で熱圧着して、二層フィルム側の表層の面配向係
数0.078のポリエステル樹脂フィルム被覆鋼板を得
た後、白色共重合ポリエステル樹脂フィルム側が缶外面
となるように、実施例1と同様な条件で成形加工を施し
た。
【0015】実施例4 実施例1に示したTFSの片面に、表層:イソフタル酸
12モル%、テレフタル酸88モル%、エチレングリコ
ール100モル%、Tg:73℃のポリエチレンテレフ
タレート系樹脂、下層:イソフタル酸6モル%、テレフ
タル酸94モル%、エチレングリコール100モル%か
らなるポリエチレンテレフタレート系樹脂:45重量%
と、テレフタル酸100モル%、1,4−ブタンジオー
ル100モル%からなるポリブチレンテレフタレート系
樹脂:55重量%をブレンドしたTg:50℃の樹脂か
らなる二層の二軸配向フィルム(表層膜厚13μm、下
層膜厚12μm、表層側の面配向係数0.136)、他
の片面に実施例2で用いた白色共重合ポリエステル樹脂
フィルムを同時に235℃の温度で熱圧着して、二層フ
ィルム側の表層の面配向係数が0.046のポリエステ
ル樹脂フィルム被覆 ページ(10) 鋼板を得た後、白色共重合ポリエステル樹脂フィルム側
が缶外面となるように、実施例1と同様な条件で成形加
工を施した。
【0016】実施例5 実施例1に示したTFSの片面に、表層:イソフタル酸
12モル%、テレフタル酸88モル%、エチレングリコ
ール100モル%、Tg:73℃のポリエチレンテレフ
タレート系樹脂、下層:セバシン酸6モル%、テレフタ
ル酸94モル%エチレングリコール100モル%からな
るポリエチレンテレフタレート系樹脂:45重量%と、
テレフタル酸100モル%、1,4−ブタンジオール1
00モル%からなるポリブチレンテレフタレート系樹
脂:55重量%をブレンドしたTg:32℃の樹脂から
なる二層の二軸配向フィルム(表層膜厚13μm、下層
膜厚12μm、表層側の面配向係数0.141)、他の
片面に実施例2で用いた白色共重合ポリエステル樹脂フ
ィルムを同時に235℃の温度で熱圧着して、二層フィ
ルム側の表層の面配向係数0.043のポリエステル樹
脂フィルム被覆鋼板を得た後、白色共重合ポリエステル
樹脂フィルム側が缶外面となるように、実施例1と同様
な条件で成形加工を施した。
【0017】比較例1 実施例1に示したTFSの片面に、表層:セバシン酸1
2モル%、テレフタル酸88モル%、エチレングリコー
ル100モル%、Tg:53℃のポリエチレンテレフタ
レート系樹脂、下層:イソフタル酸6モル%、テレフタ
ル酸94モル%、エチレングリコール100モル%から
なるポリエチレンテレフタレート系樹脂:45重量%
と、テレフタル酸100モル%、1,4−ブタンジオー
ル100モル%からなるポリブチレンテレフタレート系
樹脂:55重量%をブレンドしたTg:50℃の樹脂か
らなる二層の二軸配向フィルム(表層膜厚5μm、下層
膜厚20μm、表層側の面配向係数0.144)、他の
片面には実施例2で用いた白色共重合ポリエステル樹脂
フィルムを同時に230℃の温度で熱圧着して、表層の
面配向係数0.078のポリエステル樹脂フィルム被覆
鋼板を得た後、実施例2と同様な条件で成形加工を施し
た。 ページ(11)
【0018】比較例2 実施例1に示したTFSの片面に、表層:イソフタル酸
12モル%、テレフタル酸88モル%、エチレングリコ
ール100モル%、Tg:73℃のポリエチレンテレフ
タレート系樹脂、下層:イソフタル酸12モル%、テレ
フタル酸88モル%、エチレングリコール100モル%
からなるポリエチレンテレフタレート系樹脂:95重量
%と、テレフタル酸100モル%、1,4−ブタンジオ
ール100モル%からなるポリブチレンテレフタレート
系樹脂:5重量%をブレンドしたTg:71℃の樹脂か
らなる二層の二軸配向フィルム(表層膜厚5μm、下層
膜厚20μm、表層側の面配向係数0.138)、他の
片面には実施例2で用いた白色共重合ポリエステル樹脂
フィルムを同時に235℃の温度で熱圧着して二層フィ
ルム側の表層の面配向係数が0.076のポリエステル
樹脂フィルム被覆鋼板を得た。さらに、実施例2と同様
な条件で成形加工を施した。
【0019】比較例3 実施例1に示したTFSの片面に、表層:イソフタル酸
12モル%、テレフタル酸88モル%、エチレングリコ
ール100モル%、Tg:73℃のポリエチレンテレフ
タレート系樹脂、下層:イソフタル酸6モル%、テレフ
タル酸94モル%、エチレングリコール100モル%か
らなるポリエチレンテレフタレート系樹脂:45重量%
と、テレフタル酸100モル%、1,4−ブタンジオー
ル100モル%からなるポリブチレンテレフタレート系
樹脂:55重量%をブレンドしたTg:50℃の樹脂か
らなる二層の二軸配向フィルム(表層膜厚1μm、下層
膜厚24μm、表層側の面配向係数0.133)、他の
片面に実施例2で用いた白色共重合ポリエステル樹脂フ
ィルムを同時に230℃の温度で熱圧着して、二層フィ
ルム側の表層の面配向係数0.064のポリエステル樹
脂フィルム被覆鋼板を得た後、実施例2と同様な条件で
成形加工を施した。
【0020】比較例4 実施例1に示したTFSの片面に、表層:イソフタル酸
12モル%、テレフタ ページ(12) ル酸88モル%、エチレングリコール100モル%、T
g:73℃のポリエチレンテレフタレート系樹脂、下
層:セバシン酸6モル%、テレフタル酸94モル%、エ
チレングリコール100モル%からなるポリエチレンテ
レフタレート系樹脂:45重量%と、テレフタル酸10
0モル%、1,4−ブタンジオール100モル%からな
るポリブチレンテレフタレート系樹脂:55重量%をブ
レンドしたTg:32℃の樹脂からなる二層の二軸配向
フィルム(表層膜厚22μm、下層膜厚3μm、表層側
の面配向係数0.142)、他の片面に実施例2で用い
た白色共重合ポリエステル樹脂フィルムを同時に230
℃の温度で熱圧着して、二層フィルム側の表層の面配向
係数0.076のポリエステル樹脂フィルム被覆鋼板を
得た後、実施例2と同様な条件で成形加工を施した。
【0021】比較例5 実施例1に示したTFSの両面に、実施例1に示したポ
リエステル樹脂フィルムを220℃の温度で熱圧着し
て、二層フィルム側の表層の面配向係数0.126のポ
リエステル樹脂フィルム被覆鋼板を得た後、実施例2と
同様な条件で成形加工を施したが、第3次絞り工程で缶
内面のフィルムが剥離した。
【0022】実施例1〜5および比較例1〜4で得られ
た薄肉化深絞り缶の特性を次に示す方法で評価した。そ
の結果を表1、表2、表3および表4に示した。 (1)耐内容物吸着性 得られた薄肉化深絞り缶に炭酸飲料(商品名:コカコー
ラ)を低温で充填し、常法により蓋を巻締めて、37℃
で1ヶ月保存した。さらに、この経時した缶のコカコー
ラとパック前のコカコーラを5人が同時に試飲して味の
比較を実施した。評価は、5点:ほとんど味の変化がな
いもの〜1点:味の変化が大のものとした。 (2)缶内面の耐衝撃加工性 得られた薄肉化深絞り缶に炭酸飲料(商品名:コカコー
ラ)を低温で充填し、常法により蓋を巻締めた直後の缶
と37℃で1ヶ月経時した後の缶を5℃の状態で、缶胴
部(底部より缶の高さ方向に10mmの位置)と缶底張
り出し成形部の ページ(13) それぞれ円周方向4カ所の位置に缶外面より直径1/2
インチの鋼球を荷重1kgで高さ40mmより落下さ
せ、開缶後内面の凸部に3%の食塩水を含浸させたスポ
ンジをあて、缶体に6.3mVの直流電圧を印加し、流
れる電流の平均値で積層されたポリエステル樹脂フィル
ムの耐衝撃加工性を評価した。 ページ(14)
【0023】
【表1】 ページ(15)
【0024】
【表2】 ページ(16)
【0025】
【表3】 ページ(17)
【0026】
【表4】 ページ(18)
【0027】
【発明の効果】本発明の薄肉化深絞り缶用のポリエステ
ル樹脂フィルム被覆金属板は、耐内容物吸着性及び耐衝
撃加工性に優れた材料であり、従来の缶体に比較して、
種々の利点を持つ薄肉化深絞り缶に用いられるだけでな
く、絞り缶、缶蓋、イージーオープン可能な缶蓋、王
冠、キャップ類など容器用材料としても、広く適用でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 15/08 B32B 27/36

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表層:ジカルボン酸成分としてテレフタ
    ル酸80〜98モル%でガラス転移温度(以下Tgと略
    す)が65℃以上のポリエステル樹脂の層と、下層:テ
    レフタル酸80〜100モル%からなるポリエステル系
    樹脂40〜80重量%とテレフタル酸70〜100モル
    %からなるポリブチレンテレフタレート系樹脂20〜6
    0重量%がブレンドされたTgが30〜65℃の樹脂の
    層が積層された二軸配向フィルムにより被覆された金属
    板であることを特徴とする薄肉化深絞り缶用樹脂被覆金
    属板。
  2. 【請求項2】 被覆後のポリエステル樹脂層の面配向係
    数が0.01から0.11の範囲であることを特徴とす
    る請求項1記載の薄肉化深絞り缶用樹脂被覆金属板。
  3. 【請求項3】 表層と下層の層厚比(表層/下層)が
    0.1から5.0の範囲であることを特徴とする請求項
    1記載の薄肉化深絞り缶用樹脂被覆金属板。
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