JP2581624B2 - 耐衝撃加工性に優れた薄肉化深絞り缶用ポリエステル 樹脂被覆鋼板の製造方法 - Google Patents

耐衝撃加工性に優れた薄肉化深絞り缶用ポリエステル 樹脂被覆鋼板の製造方法

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は薄肉化深絞り缶用ポリエ
ステル樹脂被覆鋼板の製造方法に関するものであり、よ
り詳細には、鋼板の表面粗さと接着用プライマー層の厚
さの関係を規定した、耐衝撃加工性に優れた薄肉化深絞
り缶用ポリエステル樹脂被覆鋼板を製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、飲料缶あるいは食缶には、缶
胴、缶蓋、底蓋の三つの部分からなる3ピース缶と缶胴
と底蓋が一体となった缶体、缶蓋の二つの部分からなる
2ピース缶が用いられている。この3ピース缶の缶胴に
は一回あるいは数回の塗装を施したぶりき、電解クロム
酸処理鋼板(一般にティンフリースチールと呼ばれ、以
下TFSと略す)が使用され、接合にはナイロンによる
接着、抵抗溶接、あるいははんだ付けが使用されてい
る。一回あたりの塗装の塗布重量は、約40〜60mg
/dm(固化後の平均厚さで約4〜6μm)であり、
缶の内面側には通常二回の塗装が施されている。このよ
うに厚膜の塗装を施すことは、焼き付け工程が煩雑であ
るばかりでなく、焼き付けのため長時間の加熱が必要で
ある。また、塗膜が厚いと焼き付け工程で塗料中の多量
の溶剤成分が排出されるため、排出溶剤を処理するため
の特別な設備を必要とした。
【0003】また、2ピース缶には絞り缶、絞り再絞り
缶(Drawn andredrawn can,DR
D缶)、絞りしごき缶(Drawn and iron
ed can,DI缶)があるが、絞り缶、DRD缶の
ような比較的絞り比の小さい缶には上記の3ピース缶用
の材料と同様に塗装を施したぶりきまたはTFSが使用
されている。そのため上記同様に工程および設備が複雑
となる。また、絞り缶,DI缶にはぶりきおよびアルミ
ニウムが使用されているが、DI缶の製造には成形時に
潤滑油を用い、成形加工後、この潤滑油を洗浄で除去
し、乾燥後、缶の内外面に塗装が施される。このDI缶
の製造工程は公害面から潤滑油の処理、塗料焼き付け時
における塗料中から揮散される溶剤成分の処理などが煩
雑である。近年、塗装を施したTFSを絞り加工後、ス
トレッチ加工を施す薄肉化深絞り缶の製造技術が開発さ
れ、その材料として塗装したTFSが検討されてきた。
しかし、塗装したTFSはこのような厳しい加工を施し
た時、塗膜に無数のクラックが入り、いまだに特性の良
好な薄肉化深絞り缶は実用化されていない。
【0004】この薄肉化深絞り缶の製造技術はDI缶の
製造技術に比較し、例えば、製造設備がコンパクトで設
備費が安い、設備設置面積が小さい、運転人員の削減が
可能である、プレコート材の使用が可能であり公害防止
設備が簡略化できる、ぶりきより安価なTFSの使用が
可能であるなど多くの利点を有しているが、塗料をプレ
コートしたTFSを薄肉化深絞り缶へ適用した場合、加
工後の耐食性が不十分なためいまだに広く普及していな
い。一方、塗装に代わる方法として、ポリエステル樹脂
フィルムを接着剤を使用せずに金属板に積層する方法
(特公昭60−47103号)およびエポキシ樹脂とそ
の硬化剤などからなる重合組成物などを予め塗布したポ
リエステル樹脂フィルムを金属板に積層する方法(特公
昭63−13829号、特開平1−249331号)が
開発されている。これらの方法で得られたポリエステル
樹脂被覆鋼板はエポキシ系重合組成物を二軸延伸ポリエ
チレンテレフタレートフィルムに塗布、固化した後、鋼
板表面にラミネートした鋼板であり、鋼板表面の粗さが
大きいとラミネート時にこのエポキシ系重合物と鋼板と
の接触が十分でないためか、薄肉化深絞り缶に加工後の
耐衝撃加工性が十分でない。また、IV値が0.5〜
0.7である熱可塑性ポリエステル樹脂で被覆された耐
デンティング性(耐衝撃加工性)に優れた薄肉化深絞り
缶用樹脂被覆金属板(特願平2−418198)があ
る。IV値を上げると、確かにポリエステルフィルムの
加工性は向上し、内容物を充填直後の耐衝撃加工性や、
コーヒーなどの低酸性飲料を対象とした130℃で熱水
処理後の耐衝撃加工性は改善されるが、コーラなどの炭
酸飲料を対象とした10〜50℃の雰囲気下で数カ月の
長期の保存に対しては耐衝撃加工性の向上効果が小さく
なるという問題点がある。したがって、腐食性の強い内
容物を充填することは難しい。耐衝撃加工性は、成缶工
程で成形された薄肉化深絞り缶を高速で連続的に搬送す
る時、缶と缶が衝突し、一方の缶にヘこみを生じる現象
あるいは内容品を充填後の搬送時の缶と缶がぶつかった
場合のへこみに対応している。このへこみを生じた部分
は缶の内面側からみると凸状に変形され、この部分のポ
リエステル樹脂層に無数のクラックが入ることがあり、
内容液によって局部的に腐食されている。すなわち、公
知のポリエステル樹脂被覆金属板は正常な状態で缶に成
形され、正常な状態で搬送されていれば薄肉化深絞り缶
用に使用されるものもあるが、このような異常な製缶作
業や充填作業が起こり得ることを考慮すると、腐食性の
強い内容物には実用性に乏しい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように従来の製缶
技術に比較し、薄肉化深絞り缶の製造技術は多くの利点
をもっているが、このような異常作業まで考慮した薄肉
化深絞り缶に適した材料は開発されていない。特に、炭
酸飲料のように腐食性の強い内容物を長期に保存した後
に異常作業があると、ポリエステルフィルムのIV値を
規定したものは効果が小さい。本発明はこのような異常
作業を考慮した薄肉化深絞り缶用に適した優れた加工
性、および加工耐食性を兼ね備えた、特に、薄肉化深絞
り缶に成形後の缶胴部における耐衝撃加工性に優れた熱
可塑性ポリエステル樹脂被覆鋼板の製造方法を開発する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、種々検討の結
果、鋼板の片面または両面上に水酸基、エステル基、カ
ルボキシル基、アミド基、アミノ基、ウレタン基の1種
以上を分子内に有する接着用プライマーを塗布し、予め
接着用プライマーを固化した後、熱可塑性ポリエステル
樹脂をラミネートすることにより、本発明が解決しよう
とする課題である公害対策が不要であり、厳しい加工性
および加工耐食性、特に薄肉化深絞り缶に成形後の缶胴
部における耐衝撃加工性が要求される薄肉化深絞り缶用
に適した熱可塑性ポリエステル樹脂被覆鋼板の製造方法
を得ることができる。
【0007】以下、本発明の内容について詳細に説明す
る。まず、本発明においては板厚0.1〜0.3mmの
通常の低炭素冷延鋼板が用いられる。鋼板の表面は圧延
ロールの表面粗度により種々調整される。圧延方向に直
角な方向の鋼板表面の中心線平均粗さRa、最大高さR
maxは、通常はRaで0.15〜1μm,Rmaxで
0.5〜4μmの範囲にある。本発明の薄肉化深絞り缶
において成形後の缶胴部における耐衝撃加工性を改善す
るには鋼板表面の粗さと接着用プライマーの厚さの関係
が非常に重要である。圧延方向に直角な方向の鋼板表面
の断面曲線は波長の長い表面うねり成分と波長の短い表
面粗さ成分に分けられ、この内、表面うねりはプライマ
ーの厚さの均一性にはほとんど影響を与えないが、表面
粗さは微視的にみたプライマーの厚さの均一性に影響を
与える。塗装鋼板の鋼板表面の粗さと塗膜の厚さの関係
においても同様のことが言えて、例えば、折り曲げ加工
試験後の金属露出量を評価するエナメルレーターテスト
(ERVテストという)によれば、塗膜厚さが同じ場合
はRaが小さい程良好なERV値が得られる。鋼板の表
面粗さ曲線を見ると、Raの4倍の範囲にほとんどの表
面が含まれ、この範囲をはずれるものは全体の1〜10
%に過ぎない。さらに、鋼板表面と接着用プライマーの
濡れ性は良好であるため、通常,Raの4倍の厚さの接
着用プライマーを塗布するとほぼ完全に鋼板表面を覆う
ことができる。この時、接着用プライマーを染料で染め
て被覆状態を顕微鏡で観察すると完全に鋼板の表面が覆
われていることがわかる。したがって、接着用プライマ
ーの厚さをDとすると、D/Ra>4の時は接着用プラ
イマーの衝撃緩衝作用によるためか、薄肉化深絞り缶に
成形後の缶胴部の耐衝撃加工性を改善することができ
る。一方、Rmaxに関しても同様のことが言える。一
般に、D/Rmax>0.5の時は鋼板表面が完全に接
着用プライマーで被覆されている。接着用プライマーが
厚い程、耐衝撃加工性は良好となるが、経済的観点から
上限はD/Rmax<5と規定した。実施例に示すよう
に,D/Ra>4の関係と,0.5<D/Rmax<5
の関係を同時に満足するものは、平板部の耐衝撃加工性
だけでなく薄肉化深絞り缶に成形後の缶胴部の耐衝撃加
工性に著しく優れている。
【0008】表面処理には公知のすずめっき、薄すずめ
っき、クロムめっき、亜鉛めっき、ニッケルめっき、電
解クロム酸処理、クロム酸処理等の1種または2種以上
行ったものを用いることができる。通常、これらの鋼板
は、耐食性や塗料密着性を付与するために最表層にクロ
メート処理層を形成させるが、このクロメート処理層は
接着用プライマーとの優れた密着性を確保するために有
用である。表層のクロメート皮膜の量はクロムとして3
〜50mg/mの範囲が好ましい。これらの表面処理
によって、鋼板表面の粗さは変化しない。
【0009】これらの表面処理鋼板と熱可塑性ポリエス
テル樹脂の間に介在する接着用プライマーは鋼板表面に
塗布後、加熱固化する必要がある。フィルムの表面粗度
は鋼板の表面粗度より小さいので、予め接着用プライマ
ーを鋼板に塗布することにより鋼板表面の粗度を小さく
でき、フィルムとの接触も十分になる。接着用プライマ
ーとしては、水酸基、エステル基、カルボキシル基、ア
ミド基、アミノ基、ウレタン基の1種以上を分子内に有
するエポキシ系接着剤、フェノール系接着剤、アミド系
接着剤、ウレタン系接着剤、酸変性オレフィン樹脂系接
着剤、コポリアミド系接着剤、コポリエステル系接着
剤、これらのブレンド物などをあげることができる。接
着用プライマーの塗布量は鋼板表面の粗度との関係を満
たす必要があるが、概ね、0.5〜5μmが実用的であ
る。
【0010】つぎに、熱可塑性ポリエステル樹脂には、
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、エチレンテレフタレ
ート/イソフタレート共重合体等のポリエステルがあげ
られる。IV値は、特に規定する必要はない。これらの
ポリエステルは2軸延伸または未延伸のフィルムの形
で、接着用プライマーを塗布した鋼板上にラミネートさ
れる。熱可塑性樹脂フィルムの厚みは、一般に、3〜5
0μmの範囲にあることが望ましい。厚みが3μm以下
の場合はラミネート作業性が著しく低下するとともに、
ピンホールが発生し易く十分な加工耐食性が得られな
い。一方、50μm以上となった場合は、製缶分野で広
く用いられている塗料と比較して経済的でない。
【0011】ラミネートに必要な加熱方法はヒーターロ
ール伝熱方式、誘導加熱方式、抵抗加熱方式、熱風伝達
方式などがあげられ、特に、設備費、設備の簡素化を考
慮した場合、ヒーターロール伝熱方式が好ましい。幅方
向の温度分布は、できるだけ均一な方が良い。
【0012】ラミネート後の冷却方法は特に限定するも
のではないが、冷却までの間の熱可塑性樹脂フィルムの
物性の変化を防ぐためにラミネート後、5秒以内に10
0℃以下に冷却することが好ましい。
【0013】
【実施例】
実施例1 板厚0.26mm、テンパー度DR−10(金属クロム
量110mg/m、クロム水和酸化物皮膜中のクロム
量10mg/m)、表面の中心線平均粗さ(Ra)
0.14μm、最大高さ(Rmax)0.94μmのT
FSの両面に、エポキシ・フェノール系塗料をプライマ
ーとして乾燥時の厚さが0.70μmになるように塗布
し、150℃で乾燥後、イソフタル酸12モル%、テレ
フタル酸88モル%の酸成分とエチレングリコール10
0モル%のアルコール成分からなる二軸延伸ポリエステ
ル樹脂フィルム(厚さ25μm)を240℃で積層し
た。得られたポリエステル樹脂被覆鋼板を、下記に示す
加工条件で薄肉化深絞り缶に加工後、220℃×2分の
熱処理を施し、さらに、公知の方法により、ドーミン
グ、ネッキング、フランジング加工を施した。 [成形条件] A.絞り工程 ブランク径:187mm 絞り比 :1.50 B.再絞り工程 第1再絞り比:1.29 第2再絞り比:1.24 第3再絞り比:1.20 再絞り工程のダイスのコーナー部の曲率半径:0.4m
m 再絞り工程のしわ抑え荷重:6000kg C.缶胴部の平均薄肉化率 成形前のポリエステル樹脂被覆鋼板の厚さに対して−2
0%
【0014】比較例1 実施例1に示したTFSの両面に、イソフタル酸12モ
ル%、テレフタル酸88モル%の酸成分とエチレングリ
コール100モル%のアルコール成分からなる二軸延伸
ポリエステル樹脂フィルム(厚さ25μm)を240℃
で積層した。得られたポリエステル樹脂被覆鋼板に、実
施例1と同様の条件で成形加工を施した。
【0015】比較例2 実施例1に示したTFSの両面に、エポキシ・フェノー
ル系塗料をプライマーとして乾燥時の厚さが0.32μ
mになるように塗布し、150℃で乾燥後、イソフタル
酸12モル%、テレフタル酸88モル%の酸成分とエチ
レングリコール100モル%のアルコール成分からなる
二軸延伸ポリエステル樹脂フィルム(厚さ25μm)を
240℃で積層した。得られたポリエステル樹脂被覆鋼
板に、実施例1と同様の条件で成形加工を施した。
【0016】実施例2 板厚0.26mm、テンパー度DR−10(金属クロム
量80mg/m、クロム水和酸化物皮膜中のクロム量
15mg/m)、表面の中心線平均粗さ(Ra)0.
21μm、最大高さ(Rmax)1.57μmのTFS
の両面に、エポキシ・フェノール系塗料をプライマーと
して乾燥時の厚さが1.47μmになるように塗布し、
150℃で乾燥後、イソフタル酸12モル%、テレフタ
ル酸88モル%の酸成分とエチレングリコール100モ
ル%のアルコール成分からなる未延伸ポリエステル樹脂
フィルム(厚さ25μm)を220℃で積層した。得ら
れたポリエステル樹脂被覆鋼板に、実施例1と同様の条
件で成形加工を施した。
【0017】比較例3 実施例2に示したTFSの両面に、エポキシ・フェノー
ル系塗料をプライマーとして乾燥時の厚さが0.82μ
mになるように塗布し、150℃で乾燥後、イソフタル
酸12モル%、テレフタル酸88モル%の酸成分とエチ
レングリコール100モル%のアルコール成分からなる
未延伸ポリエステル樹脂フィルム(厚さ25μm)を2
20℃で積層した。得られたポリエステル樹脂被覆鋼板
に、実施例1と同様の条件で成形加工を施した。
【0018】実施例3 板厚0.21mm、テンパー度DR−10(金属クロム
量110mg/m、クロム水和酸化物皮膜中のクロム
量10mg/m)、表面の中心線平均粗さ(Ra)
0.43μm、最大高さ(Rmax)3.66μmのT
FSの片面に、エポキシ・ユリア系塗料をプライマーと
して乾燥時の厚さが2.36μmになるように塗布し、
150℃で乾燥後、イソフタル酸12モル%、テレフタ
ル酸88モル%の酸成分と1,4ブタンジオール100
モル%のアルコール成分からなる二軸延伸ポリエステル
樹脂フィルム(厚さ20μm)を240℃で積層した。
得られたポリエステル樹脂被覆鋼板を、プライマー塗布
面が缶内面側となるように、実施例1と同様の条件で成
形加工を施した。
【0019】比較例4 実施例3に示したTFSの片面に、エポキシ・ユリア系
塗料をプライマーとして乾燥時の厚さが1.73μmに
なるように塗布し、150℃で乾燥後、イソフタル酸1
2モル%、テレフタル酸88モル%の酸成分と1,4ブ
タンジオール100モル%のアルコール成分からなる二
軸延伸ポリエステル樹脂フィルム(厚さ20μm)を2
40℃で積層した。得られたポリエステル樹脂被覆鋼板
を、プライマー塗布面が缶内面側となるように、実施例
1と同様の条件で成形加工を施した。
【0020】実施例4 板厚0.16mm、テンパー度DR−10(金属クロム
量110mg/m、クロム水和酸化物皮膜中のクロム
量10mg/m)、表面の中心線平均粗さ(Ra)
0.20μm、最大高さ(Rmax)1.83μmのT
FSの両面に、ウレタン系塗料をプライマーとして乾燥
時の厚さが2.53μmになるように塗布し、150℃
で乾燥後、イソフタル酸12モル%、テレフタル酸88
モル%の酸成分とエチレングリコール100%のアルコ
ール成分からなる二軸延伸ポリエステル樹脂フィルム
(厚さ15μm)を240℃で積層した。得られたポリ
エステル樹脂被覆鋼板に、実施例1と同様の条件で成形
加工を施した。
【0021】実施例5 板厚0.26mm、テンパー度DR−10、表面の中心
線平均粗さ(Ra)0.18μm、最大高さ(Rma
x)1.41μmの、クロメート処理したニッケルメッ
キ鋼板(Niメッキ厚み1.2μm、クロム水和酸化物
皮膜中のクロム量5mg/m)の両面に、エポキシ・
フェノール系塗料をプライマーとして乾燥時の厚さが
4.24μmになるように塗布し、150℃で乾燥後、
イソフタル酸12モル%、テレフタル酸88モル%の酸
成分と1,4ブタンジオール100モル%のアルコール
成分からなる未延伸ポリエステル樹脂フィルム(厚さ2
0μm)を240℃で積層した。得られたポリエステル
樹脂被覆鋼板に、実施例1と同様の条件で成形加工を施
した。
【0022】実施例1〜5及び比較例1〜4で用いた鋼
板の表面粗度及び実施例1〜5及び比較例1〜4で得ら
れた薄肉深絞り缶の特性を次に示す方法で評価した。 (1)表面粗度 (株)小坂研究所製 微細形状測定器 Surfcor
derET−30HKを用い、JIS B0601の表
面粗さ測定方法に準じて、中心線平均粗さ(Ra)及び
最大高さ(Rmax)の測定を行った。 測定条件: 測定長さ 2.5mm 送り速さ 100μm/sec カットオフ値 800μm (2)缶内面の耐衝撃加工性 得られた薄肉深絞り缶を50℃のクエン酸2%水溶液中
に30日間浸漬後、缶胴部の底部より缶の高さ方向に1
0mmの位置及びネッキング加工部より缶底方向に10
mmの位置に、それぞれ円周方向に4カ所缶外面より直
径1/2インチ、1kgの鋼球を高さ50mmより落下
させた後、缶内面の変形した凸部に3%食塩水を含浸さ
せたスポンジをあて、缶体に6.5Vの直流電圧を印加
し、流れる電流値で積層されたポリエステル樹脂の耐衝
撃加工性(缶内面金属露出程度)を評価した。
【0023】
【表1】
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の薄肉化深
絞り缶用ポリエステル樹脂被覆鋼板は加工性および加工
耐食性、特に缶胴部の耐衝撃加工性に優れた材料であ
り、従来の缶体に比較し種々の利点を持つ容器用材料と
して広く適用できる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板の片面または両面に水酸基、エステ
    ル基、カルボキシル基、アミド基、アミノ基、ウレタン
    基の1種以上を分子内に有する接着用プライマーを塗布
    する工程、接着用プライマーを固化する工程及び熱可塑
    性ポリエステル樹脂をラミネートする工程において、基
    材である鋼板表面の中心線平均粗さをRa(μm),最
    大高さをRmax(μm)とし、鋼板上に塗布した接着
    用プライマー層の固化後の平均厚さをD(μm)とした
    時、 D/Ra > 4 0.5 < D/Rmax < 5 の関係を同時に満足するように接着用プライマーで鋼板
    表面を完全に覆うことを特徴とする耐衝撃加工性に優れ
    た薄肉化深絞り缶用ポリエステル樹脂被覆鋼板の製造方
    法。
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