JP3734381B2 - 熱収縮性ポリスチレン系積層フィルム - Google Patents

熱収縮性ポリスチレン系積層フィルム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、収縮包装、収縮結束包装や収縮ラベル等の用途に好適な特性を有する熱収縮性積層フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】
収縮包装や収縮結束包装、あるいはプラスチック容器の収縮ラベル、ガラス容器の破壊飛散防止包装やキャップシールなどに広く利用される熱収縮性フィルムの材質としては、ポリ塩化ビニル(PVC)が最もよく知られている。これは、PVCから作られた熱収縮性フィルムが、機械強度、剛性、光学特性、収縮特性等の実用特性、およびコスト性も含めて、ユーザーの要求を比較的広く満足するからである。しかしながら、PVCは廃棄物処理の問題等があることから、PVC以外の材料からなる熱収縮性フィルムが要望されていた。
【0003】
このようなPVC以外の材料の一つとして、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBS)を主たる材料とするポリスチレン系熱収縮性フィルムが提案され使用されているが、このポリスチレン系フィルムは、PVCフィルムに比べ、収縮仕上がり性は良好なものの、室温における剛性が乏しく、自然収縮(常温よりやや高い温度、例えば夏場においてフィルムが本来の使用前に少し収縮してしまうこと)率が大きい等の問題を有している。
また、ポリエステル系樹脂を主たる材料としたポリエステル系熱収縮性フィルムも提案され使用されている。このポリエステル系熱収縮性フィルムは室温の剛性、自然収縮率は非常に良好なものの、PVC系やSBS系と比較すると、加熱収縮時に収縮斑やしわが発生しやすいとの問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、ゴム状弾性体分散ポリスチレン系樹脂を中間層とし、スチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素からなるブロック共重合体を主成分とした樹脂を表裏層とした積層フィルムを延伸することによって、単層では解決の困難であった上記の諸問題を解決することを見出した。
しかしながら、中間層樹脂としてゴム状弾性体分散ポリスチレン系樹脂単独でも、十分に熱収縮フィルムとしての機能を兼ね備えることは可能であるが、更に鋭意検討を重ねた結果、中間層のゴム状弾性体分散ポリスチレン系樹脂にスチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素からなるブロック共重合体を混合することによって更に優れた、特に耐破断性に優れたフィルムとなることを見出し本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち本発明の要旨は、表裏層としてスチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素からなるブロック共重合体を主成分とした樹脂を表裏層として、ゴム状弾性体分散ポリスチレン系樹脂にスチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素からなるブロック共重合体混合物を混合した樹脂を中間層として積層し、少なくとも1軸に延伸したフィルムであって、主収縮方向の80℃温水中で10秒間の熱収縮率が15%以上であることを特徴とする熱収縮性ポリスチレン系積層フィルムにある。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
まず本発明フィルムの表裏層の主体となるスチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素とからなるブロック共重合体について説明する。
スチレン系炭化水素により構成されるスチレン系炭化水素ブロックには、例えばスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン等の単独重合体、それらの共重合体及び/又はスチレン系炭化水素以外の共重合可能なモノマーをブロック内に含む共重合体等がある。
共役ジエン系炭化水素により構成される共役ジエン系炭化水素ブロックには、例えばブタジエン、イソプレン、1、3−ペンタジエン等の単独重合体、それらの共重合体及び/又は共役ジエン系炭化水素以外の共重合可能なモノマーをブロック内に含む共重合体がある。
【0007】
ブロック共重合体の構造及び各ブロック部分の構造は特に限定されない。ブロック共重合体の構造としては、例えば直線型、星型等がある。また、各ブロック部分の構造としては、例えば完全対称ブロック、非対称ブロック、テトラブロック、テーパードブロック、ランダムブロック等がある。
また、共重合組成比、ブロック共重合の構造および各ブロック部分の構造、分子量、重合方法の異なるブロック共重合体を2種類以上配合されているものでもよい。
上記の表裏層において最も好適に用いられる樹脂の組成は、スチレン系炭化水素はスチレンであり、共役ジエン系炭化水素がブタジエンのいわゆるスチレン−ブタジエン共重合体(SBS)を主体とする混合物である。この理由は、工業的に非常に多くの種類の樹脂(共重合組成比、共重合の構造、ブロック部分の構造、分子量等が様々に異なっている)、つまり屈折率や熱的性質をはじめとする特性が異なった樹脂が生産されているため、要求特性に応じて複数の異なったスチレン−ブタジエン共重合体を組み合わせることによってフィルム特性の制御が容易に行えるからである。
【0008】
また、必要に応じて上記スチレン−ブタジエン共重合体混合物以外にもスチレン系重合体を配合することもできる。本発明において最も好適に用いられるスチレン系重合体はポリスチレン(GPPS)である。収縮仕上がり性を低下させない範囲でポリスチレンを混合することによって表裏層の剛性の向上も期待できる。また、その他樹脂として、例えばスチレン−アクリル酸エステル共重合体やスチレン−アクリロニトリル共重合体、エチレン−スチレン共重合体等も適宜配合することも可能である。
【0009】
本発明のフィルムにおいては、表裏層は中間層を構成する樹脂単層では透明性が出にくいことを改良する機能を担っている。すなわち、中間層を主に構成するゴム状弾性体分散ポリスチレン系樹脂は最適延伸温度以上の温度領域で連続相が軟化して急激に弾性率が低下するため、ゴム状弾性体がフイルム表面に突出しやすく、透明性の低下したフィルムとなってしまうが、前述した樹脂から構成される表裏層を積層し延伸することによりこの現象を防止し、透明性を保持させることができる。
通常、熱収縮フィルムに要求される透明性としては、全ヘーズで10%以下であることが好ましく、より好ましくは7%以下、さらに好ましくは5%以下である。全ヘーズが10%を越えるようなフィルムではクリアーなディスプレー効果が低下して好ましくない。
【0010】
上述した内容の表裏層は本発明の積層フィルムがもつ優れた特性うち、特に良好な収縮仕上がり性、耐熱融着性、透明性を発現させる機能を担っている。
次に、本発明の熱収縮性フィルムの中間層を構成する樹脂の一つであるゴム状弾性体分散ポリスチレン系樹脂は、スチレン系モノマーと(メタ)アクリル酸エステル系モノマーよりなるスチレン系共重合体の連続相に、分散粒子としてゴム状弾性体を1〜20重量%含有するゴム状弾性体分散ポリスチレン系樹脂であることが好ましい。この連続相を共重合体とすることにより分散粒子と屈折率を合わせて透明性を維持するとともに、ゴム状弾性体の効果により耐衝撃性を付与したものである。
【0011】
ここで連続相におけるスチレン系モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレンなどを挙げることができる。
また、メタ(アクリル)酸エステル系モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、とC2 以上のアルキルアクリレート、例えばブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等を用いることができる。ここで上記(メタ)アクリレートとはアクリレート及び/又はメタクリレートを示している。
【0012】
スチレン系モノマーと(メタ)アクリル酸エステル系モノマーの比率は、この連続相の屈折率が選択したゴム状弾性体分散粒子の屈折率に近くなるように選択されるが、通常25〜80/75〜20重量%の範囲で、他の特性も考慮しながら適宜調整される。
【0013】
本発明において最も好適に用いられるスチレン系モノマーはスチレンであり、一方、(メタ)アクリル酸エステル系モノマーはメチルメタクリレート(以下「MMA」と表記する)およびブチルアクリレート(以下「BA」と表記する)である。この理由は、工業的に非常に多く生産されているため原料としてのコスト性に優れ、しかも重合時の反応性が高く原料生産上のコスト性にも優れるばかりか、ランダム性の高い共重合が可能で、三者の組合せによってビカット軟化温度をはじめとする特性の制御が容易なためである。
【0014】
これらの共重合比は、スチレン/MMA/BA=25〜80/10〜70/3〜20重量%の範囲で調整される。MMAの共重合比はより好ましくは20〜60重量%の範囲であるが、この範囲外では、連続相の屈折率をゴム状弾性体分散粒子の屈折率に近くなるように設定することが困難になり透明性が低下し易く好ましくない。
このスチレン系共重合体からなる連続相中には、分散粒子としてゴム状弾性体を含有している。ここでいうゴム状弾性体としては、常温でゴム的性質を示すものであればよく、例えばポリブタジエン類、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体類、イソプレン共重合体類が好適に用いられる。
【0015】
ゴム状弾性体の含有量は1〜20重量%、より好ましくは3〜15重量%の範囲とすればよく、1重量%未満では得られる熱収縮性フィルムの耐衝撃性(耐破断性)が低くなり、20重量%を越えると、熱収縮性フィルムの剛性が低下し、例えば収縮ラベルとしてボトル等に被覆する工程で所定の位置に被覆ができない等の不具合を生じる。
ゴム状弾性体が形成する分散粒子の粒子径は、0.1〜1.5μmの範囲が好ましく、分散粒子径が0.1μm未満のものでは、熱収縮性フィルムの耐衝撃性の効果が十分発現しない。一方、分散粒子半径が1.5μmを越えるものでは、耐衝撃性は十分付与されるが、透明性が低下してしまう。なお粒子径は、原料ペレットから超薄切片法により調整した試料を透過型電子顕微鏡を用いて撮影し、写真から求めた数平均粒子径である。
【0016】
この中間層の主体原料となる上記ゴム状弾性体分散ポリスチレン系樹脂の製造は、連続相形成用の原料溶液中にゴム状弾性体を溶解し、攪拌しながら重合する方法によることができる。ゴム状弾性体粒子は、フイルム製膜までのいかなる工程でも添加することが可能であるが、重合時に重合槽中のモノマー及び重合溶液に添加し分散することが最も効果的である。モノマー及び重合溶液は粘度が低く分散が容易であり、また重合時にゴム状弾性体の粒子表面にモノマーがグラフト重合し、連続相重合体への親和性が著しく高まり、透明性と耐衝撃性向上効果が最も発現しやすい。分散粒子の粒子径はゴム状弾性体の種類や分子量ににも依存するが、重合槽の攪拌羽根の回転数にも大きく依存する。本発明では、この回転数を調整し、分散粒子径を制御することが望ましい。
【0017】
また、本発明フィルムの中間層を構成するもう一つの樹脂であるスチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素からなるブロック共重合体について説明する。スチレン系炭化水素により構成されるスチレン系炭化水素ブロックには、例えばスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン等の単独重合体、それらの共重合体及び/又はスチレン系炭化水素以外の共重合可能なモノマーをブロック内に含む共重合体等がある。
共役ジエン系炭化水素により構成される共役ジエン系炭化水素ブロックには、例えばブタジエン、イソプレン、1、3−ペンタジエン等の単独重合体、それらの共重合体及び/又は共役ジエン系炭化水素以外の共重合可能なモノマーをブロック内に含む共重合体がある。
【0018】
ブロック共重合体の構造及び各ブロック部分の構造は特に限定されない。ブロック共重合体の構造としては、例えば直線型、星型等がある。また、各ブロック部分の構造としては、例えば完全対称ブロック、非対称ブロック、テトラブロック、テーパードブロック、ランダムブロック等がある。
上記の表裏層において最も好適に用いられる樹脂の組成は、スチレン系炭化水素はスチレンであり、共役ジエン系炭化水素がブタジエンのいわゆるスチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBS)である。
また、共重合組成比、ブロック共重合の構造および各ブロック部分の構造、分子量、重合方法の異なるブロック共重合体を2種類以上配合されているものでもよい。
【0019】
中間層にスチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素からなるブロック共重合体を添加する主な目的は本積層フィルムの耐破断性を更に改良することであり、更にゴム状弾性体分散ポリスチレン樹脂との相溶性が良く屈折率が近いスチレン−ブタジエンブロック共重合体が最も望ましい。このスチレン−ブタジエンブロック共重合体の組成に関しては、スチレン含有量が90重量%以下が好ましく、85重量%以下がより好ましい。90重量%以上では添加しても破断性改良効果が発現しにくいからである。
【0020】
また、スチレン−ブタジエンブロック共重合体としては、スチレン−ブタジエンブロック共重合体系エラストマー(スチレン含有量が50重量%以下の熱可塑性エラストマー)や水素添加スチレン−ブタジエン共重合体(飽和型熱可塑性エラストマー)、または表裏層を構成するブロック共重合体が最も望ましい。
この中間層に添加するスチレン−ブタジエンブロック共重合体は単独でも複数のポリマーの混合体でも構わないが、添加量としては共重合体もしくは混合体の組成比にもよるが25重量%以下が好ましい。添加量が増すとフィルムの剛性が低下し、自然収縮が大きくなってしまうからである。
【0021】
上述した内容の中間層は本発明のフィルムが持つ優れた特性のうち、特に剛性、低自然収縮性、実用収縮率を発現させる機能を担っている。
更に本発明の最も重要な構成要件として前述した、フィルムに関する内容に加えて、本発明のフイルムは80℃温水中10秒の熱収縮率が主収縮方向において15%以上であることが重要である。それ以下では収縮不足などを生じてしまう。
なお、上述した内容の熱収縮性積層フィルムでの厚み比は、積層フィルムの総厚みによっても異なるが、ほぼ表裏層厚みが総厚みの10%〜70%であることが好ましく、20%〜40%がより好ましい。表裏層の厚みが10%未満では、表裏層によって主に付与される収縮仕上がり性が低下してしまい、70%を越えると剛性、耐自然収縮性が低下する。なお、本発明フィルムの表裏層の厚み比および構成成分は、収縮特性やカール防止等の点から同一厚み、同一組成に調整することが好ましいが、必ずしも同じにする必要はない。
【0022】
本発明の積層フィルムは製品用途に応じて収縮開始温度を低下させる目的で可塑剤及び/又は粘着付与樹脂を1〜10重量部、さらに好ましくは2〜8重量部添加することが可能である。可塑剤及び/又は粘着付与樹脂の量が10重量部を越えるものでは溶融粘度の低下、耐熱融着性の低下を招き、自然収縮を起こしてしまうという問題が生じ易い。添加量は中間層、表裏層において同量もしくは異なった量でもよい。
また、本発明の積層フィルムでは、上記に示した可塑剤もしくは粘着付与樹脂以外にも目的に応じて各種の添加剤、例えば、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、安定剤、着色剤、帯電防止剤、滑剤、無機フィラー等を各用途に応じて、中間層及び/又は表裏層に適宜添加できる。
【0023】
つぎに本発明積層フィルムの製造方法を具体的に説明するが下記製造方法には限定されない。中間層用、表裏層用に各々上記内容で配合されたポリスチレン系樹脂を別々の押出機によって溶融させ、得られた溶融体をダイ内で合流させて押出す製造方法が一般的である。押出に際しては、Tダイ法、チューブラ法等の既存の方法を採用してもよい。溶融押出された積層樹脂は、冷却ロール、空気、水等で冷却された後、熱風、温水、赤外線、マイクロウエーブ等の適当な方法で再加熱され、ロール法、テンター法、チューブラ法等により、1軸または2軸に延伸される。
延伸温度は積層フィルムを構成している樹脂の軟化温度や熱収縮性フィルムに要求される用途によって変える必要があるが、概ね60〜130℃、好ましくは80〜120℃の範囲で制御される。
延伸倍率は、フィルム構成組成、延伸手段、延伸温度、目的の製品形態に応じて1.5〜6倍の範囲で適宜決定される。また、1軸延伸にするか2軸延伸にするかは目的の製品の用途によって決定される。
また、延伸した後フィルムの分子配向が緩和しない時間内に速やかに、フィルムの冷却を行うことも、収縮性を付与して保持する上で重要な技術である。
【0024】
【実施例】
以下に実施例を示すが、これらにより本発明は何ら制限を受けるものではない。なお、実施例に示す測定値および評価は次のように行った。ここで、フィルムの引取り(流れ)方向をMD、その直交方向をTDと記載する。
1)熱収縮率
フィルムを、MD100mm、TD100mmの大きさに切り取り、80℃の温水バスに10秒間浸漬し収縮量を測定した。熱収縮率は、収縮前の原寸(TD方向)に対する収縮量の比率を%値で表示した。
2)全ヘ−ズ
JISK7105に準拠し、フィルム厚み50μmで測定した。
3)引張破断伸度(耐破断性評価)
JISK7127−1に準拠し、引張速度200mm/分で、雰囲気温度23℃におけるフィルムのMD方向の引張破断伸度を測定した。
【0025】
4)自然収縮率
フィルムをMD100mm×TD1000mmの大きさに切り取り30℃の雰囲気の恒温槽に30日間放置し、TD方向の収縮量を原寸に対する収縮量の比率を%値で表示した。
5)収縮仕上がり性
10mm間隔の格子目を印刷したフィルムをMD105mm×TD370mmの大きさに切り取り、TDの両端を10mm重ねて溶剤等で接着し円筒状にした。この円筒状フィルムを、容量2.0リットルの角型ペットボトルに装着し、蒸気加熱方式の長さ3mの収縮トンネル中を回転させずに、10秒間で通過させた。吹き出し蒸気温度は99℃、トンネル内雰囲気温度は90〜94℃であった。フイルム被覆後、発生したシワ、アバタ、歪みの大きさおよび個数を総合的に評価した。評価基準は、シワ、アバタ、格子目の歪みがなく密着性が良好なものを(◎)、シワ、アバタ、格子目の歪みがほとんどなく密着性も実用上問題のないものを(○)、シワ、アバタ、格子目の歪みが若干あるか、収縮不足が若干目立つものを(△)、シワ、アバタ、格子目の歪みがあるか、収縮不足が目立ち実用上問題のあるものを(×)とした。
【0026】
[実施例1]
スチレン−ブタジエン共重合体7重量%を分散粒子とし、スチレン47重量%、メチルメタクリレート38重量%、ブチルアクリルレート8重量%からなる共重合体が連続相となったゴム状弾性体分散ポリスチレン樹脂95重量%とスチレン−ブタジエンブロック共重合体エラストマー(スチレン含有量40重量%)5重量%の混合物を中間層原料とし、スチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂(スチレン含有量80重量%)15重量%とスチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂(スチレン含有量75重量%)40重量%とスチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂(スチレン含有量82重量%)35重量%とポリスチレン10重量%の混合樹脂を表裏層原料とし、それぞれの原料を別々の押出機で溶融押出し、ダイ内で合流させて、表層/中間層/裏層の3層構造からなる溶融体をキャストロールで冷却し未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムをまず、ロール延伸機(85℃)によりMD方向へ1.25倍延伸した後に、105℃の温度雰囲気のテンター延伸設備内でTD方向に4.8倍延伸して、約50μm(表層/中間層/表層=1/6/1)の熱収縮性積層フィルムを得た。得られたフィルムの特性評価結果を表1に示した。
【0027】
[実施例2]
スチレン−ブタジエン共重合体8重量%を分散粒子とし、スチレン56重量%、メチルメタクリレート26重量%、ブチルアクリルレート10重量%からなる共重合体が連続相となったゴム状弾性体分散ポリスチレン樹脂95重量%とスチレン−ブタジエンブロック共重合体エラストマー(スチレン含有量40重量%)5重量%の混合物を中間層原料とする以外は実施例1と同様な方法で熱収縮性積層フィルムを得た。
【0028】
[実施例3]
表裏層樹脂を実施例1で使用した表裏層と同様な樹脂とし、スチレン−ブタジエン共重合体7重量%を分散粒子とし、スチレン47重量%、メチルメタクリレート38重量%、ブチルアクリルレート8重量%からなる共重合体が連続相となったゴム状弾性体分散ポリスチレン樹脂93重量%に表裏層を構成するスチレン−ブタジエンブロック共重合混合物を7重量%添加した混合物を中間層原料とする以外は実施例1と同様な方法で熱収縮性積層フィルムを得た。
【0029】
[実施例4]
スチレン−ブタジエン共重合体7重量%を分散粒子とし、スチレン47重量%、メチルメタクリレート38重量%、ブチルアクリルレート8重量%からなる共重合体が連続相となったゴム状弾性体分散ポリスチレン樹脂100重量部に、ポリエステル系可塑剤(ポリサイザーW2610:大日本インキ化学工業(株)製)を3重量部添加した樹脂95重量%とスチレン−ブタジエンブロック共重合体エラストマー(スチレン含有量40重量%)5重量%の混合物を中間層原料とし、TD方向の延伸温度を98℃とした以外は実施例1と同様な方法で熱収縮性積層フィルムを得た。
【0030】
[実施例5]
表裏層樹脂を実施例1で使用した表裏層と同様な樹脂とし、スチレン−ブタジエン共重合体7重量%を分散粒子とし、スチレン47重量%、メチルメタクリレート38重量%、ブチルアクリルレート8重量%からなる共重合体が連続相となったゴム状弾性体分散ポリスチレン樹脂100重量部に、ポリエステル系可塑剤(ポリサイザーW2610:大日本インキ化学工業(株)製)を3重量部添加した樹脂91重量%とスチレン−ブタジエンブロック共重合体エラストマー(スチレン含有量40重量%)3重量%と、表裏層を構成するスチレン−ブタジエンブロック共重合混合物を6重量%添加した混合物を中間層原料としTD方向の延伸温度を98℃とした以外は実施例1と同様な方法で熱収縮性積層フィルムを得た。
【0031】
[比較例1]
スチレン−ブタジエン共重合体7重量%を分散粒子とし、スチレン47重量%、メチルメタクリレート38重量%、ブチルアクリルレート8重量%からなる共重合体が連続相となった樹脂を中間層原料とした以外は実施例1と同様な方法で熱収縮性積層フィルムを得た。
【0032】
[比較例2]
スチレン−ブタジエン共重合体8重量%を分散粒子とし、スチレン56重量%、メチルメタクリレート26重量%、ブチルアクリルレート10重量%からなる共重合体が連続相となったとなった樹脂を中間層原料とする以外は実施例1と同様な方法で熱収縮性積層フィルムを得た。
【0033】
[比較例3]
スチレン−ブタジエン共重合体7重量%を分散粒子とし、スチレン47重量%、メチルメタクリレート38重量%、ブチルアクリルレート8重量%からなる共重合体が連続相となった樹脂を中間層、表裏層の両層にて用いた以外は実施例1と同様な方法で熱収縮性積層フィルムを得た。
【0034】
[比較例4]
スチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂(スチレン含有量80重量%)15重量%とスチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂(スチレン含有量75重量%)40重量%とスチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂(スチレン含有量82重量%)35重量%とポリスチレン10重量%の混合樹脂を中間層、表裏層の両層にて用いた以外は実施例1と同様な方法で熱収縮性積層フィルムを得た。
【0035】
【表1】
Figure 0003734381
【0036】
表1から実施例1〜5についてみると、中間層にゴム状弾性体分散ポリスチレン系樹脂以外にスチレン−ブタジエンブロック共重合体を添加することによって、この共重合体を添加していない比較例1、2(比較例1、2でも熱収縮性フィルムとして十分な機能を有している)と比較して耐破断性が優れていることが分かる。一方、比較例3、4のように各単層フィルムでは、自然収縮率、耐熱融着性、透明性、収縮仕上がり性のいずれかが不良となり、優れた特性を有する熱収縮性フィルムを得ることは難しいことが分かる。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、中間層と表裏層からなる積層フィルムであって、各層が特定の原料組成をもつポリスチレン系樹脂からなり、単層では困難であった自然収縮率が低く、耐熱融着性、透明性、収縮仕上がり性のいずれの特性に優れた熱収縮性ポリスチレン系積層フィルムが得られる。

Claims (3)

  1. スチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素からなるブロック共重合体を主成分とした樹脂を表裏層として、ゴム状弾性体分散ポリスチレン系樹脂にスチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素からなるブロック共重合体を混合した樹脂を中間層として積層し、少なくとも1軸に延伸したフィルムであって、主収縮方向の80℃温水中で10秒間の熱収縮率が15%以上であることを特徴とする熱収縮性ポリスチレン系積層フィルム。
  2. 中間層のゴム状弾性体分散ポリスチレン系樹脂がスチレン系モノマーと(メタ)アクリル酸エステル系モノマーよりなるスチレン系共重合体の連続相に分散粒子が存在する樹脂であることを特徴とする請求項1記載の熱収縮性ポリスチレン系積層フィルム。
  3. 中間層のスチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素からなるブロック共重合体がスチレン−ブタジエンブロック共重合体であることを特徴とする請求項1記載の熱収縮性ポリスチレン系積層フィルム。
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