JP2002103537A - 熱収縮性ポリスチレン系積層フィルム - Google Patents

熱収縮性ポリスチレン系積層フィルム

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JP2002103537A
JP2002103537A JP2000305273A JP2000305273A JP2002103537A JP 2002103537 A JP2002103537 A JP 2002103537A JP 2000305273 A JP2000305273 A JP 2000305273A JP 2000305273 A JP2000305273 A JP 2000305273A JP 2002103537 A JP2002103537 A JP 2002103537A
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heat
resin
rubber
laminated film
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JP2000305273A
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Tomoki Yanari
朋樹 屋成
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Mitsubishi Plastics Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性、収縮仕上がり性、層間剥離性のいず
れの特性に優れた熱収縮性ポリスチレン系積層フィルム
を提供する。 【解決手段】 スチレン系モノマーと(メタ)アクリル
酸エステル系モノマーからなる共重合体の連続相中に、
分散粒子としてゴム状弾性体を1〜20重量%含有した
ゴム状弾性体分散ポリスチレン系樹脂からなる中間層
に、スチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素とから
なるブロック共重合体またはこのブロック共重合体にス
チレン系重合体を配合してなる混合重合体または異なっ
た種類のブロック共重合体を2種類以上配合してなる混
合重合体樹脂と、上記中間層のゴム状弾性体分散ポリス
チレン系樹脂を混合してなる樹脂を表裏層として積層し
延伸してなる熱収縮性ポリスチレン系積層フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、収縮包装、収縮結
束包装、収縮ラベル等の用途に好適な特性を有する熱収
縮性積層フィルムに係り、特に層間の接着強度に優れた
熱収縮性積層フィルム関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】収縮包装や収縮結束包装、
あるいはプラスチック容器の収縮ラベル、ガラス容器の
破壊飛散防止包装やキヤップシールなどに広く利用され
る熱収縮性フィルムの材質としては、ポリ塩化ビニル
(PVC)が最もよく知られている。これは、PVCか
ら作られた熱収縮性フィルムが、機械強度、剛性、光学
特性、収縮特性等の実用特性、およびコスト性も含め
て、ユーザーの要求を比較的広く満足するからである。
【0003】しかしながら、PVCは廃棄物処理に伴う
問題等があることから、PVC以外の材料からなる熱収
縮性フィルムが要望されていた。このようなPVC以外
の材料の一つとして、スチレン−ブタジエンブロック共
重合体(SBS)を主たる材料とするポリスチレン系熱
収縮性フィルムが提案され使用されているが、このポリ
スチレン系熱収縮性フィルムは、PVCフィルムに比
べ、収縮仕上がり性は良好なものの、室温における剛性
が乏しく、自然収縮(常温よりやや高い温度、例えば夏
場においてフィルムが本来の使用前に少し収縮してしま
うこと)率が大きいことや、耐破断性に劣る等の問題を
有している。また、その重合方法に起因して、比較的高
価な材料となることは避け難かった。このような問題を
解消するべく、本発明者らは、スチレン系モノマーと
(メタ)アクリル酸エステル系モノマーからなる共重合
体の連続相中にゴム状弾性体を分散させたゴム状弾性体
分散ポリスチレン系樹脂に着目し検討を行い、剛性や耐
破断性等の特性、およびコスト性に関し良好な結果を得
ることができた。
【0004】しかし、熱収縮性フィルムにおいて極めて
重要な特性である収縮仕上がり性が不十分であり、被収
縮製品のディスプレー効果を著しく低減してしまい、ま
た前記のSBSを主たる材料とするポリスチレン系熱収
縮性フィルムと比較して、ボトリング時にラベル同士が
融着する、いわゆる熱融着性に劣るために破れを生じた
り、フィルム透明性が低下してしまうため、熱収縮性フ
ィルムとしての要求を満足できないことが分かった。
【0005】そこで、単層では解決が困難であった上記
の諸問題を解決するためにゴム状弾性体分散ポリスチレ
ン系樹脂を中間層とし、さらにスチレン系炭化水素と共
役ジエン系炭化水素からなるブロック共重合体を主成分
とした樹脂を表裏層とした積層フィルムを使用すること
が提案されている(例えば、特開平11−77916
号)。しかしながら、このような積層フィルムにおいて
は、上記問題点は解消できるが、層間で剥離し易いとい
う問題があり、さらに改良が要望されていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討を
重ねた結果、特定の樹脂組成からなる層構成とすること
により上記の諸問題を解決できることを見出だし本発明
を完成するに至った。すなわち本発明の要旨は、スチレ
ン系モノマーと(メタ)アクリル酸エステル系モノマー
からなる共重合体の連続相中に、分散粒子としてゴム状
弾性体を1〜20重量%含有したゴム状弾性体分散ポリ
スチレン系樹脂からなる中間層に、スチレン系炭化水素
と共役ジエン系炭化水素とからなるブロック共重合体ま
たはこのブロック共重合体にスチレン系重合体を配合し
てなる混合重合体または異なった種類のブロック共重合
体を2種類以上配合してなる混合重合体樹脂と、上記中
間層のゴム状弾性体分散ポリスチレン系樹脂を混合して
なる樹脂を表裏層として積層し延伸した熱収縮性ポリス
チレン系積層フィルムにある。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の熱収縮性フィルムの中間層を構成する樹脂は、
スチレン系モノマーと(メタ)アクリル酸エステル系モ
ノマーよりなるスチレン系共重合体の連続相に、分散粒
子としてゴム状弾性体を1〜20重量%含有するゴム状
弾性体分散ポリスチレン系樹脂であり、連続相を共重合
体とすることにより分散粒子と屈折率を合わせ透明性を
維持するとともに、ゴム状弾性体の効果により耐衝撃性
を付与したものである。
【0008】ここで連続相におけるスチレン系モノマー
としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチル
スチレン等を挙げることができる。また、(メタ)アク
リル酸エステル系モノマーとしては、メチル(メタ)ア
クリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチル
ヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アク
リレート、ステアリル(メタ)アクリレート等を用いる
ことができる。ここで、上記(メタ)アクリレートと
は、アクリレート及び/又はメタクリレートを示してい
る。
【0009】スチレン系モノマーと(メタ)アクリル酸
エステル系モノマーの比率は、この連続相の屈折率が選
択したゴム状弾性体分散粒子の屈折率に近くなるように
選択されるが、通常30〜90/70〜10重量%の範
囲で、他の特性も考慮しながら適宜調整される。本発明
において最も好適に用いられるスチレン系モノマーはス
チレンであり、一方、(メタ)アクリル酸エステル系モ
ノマーはメチルメタクリレート(以下「MMA」と表記
する)およびブチルアクリレート(以下「BA」と表記
する)である。この理由は、工業的に非常に多く生産さ
れているため原料としてのコスト性に優れ、しかも重合
時の反応性が高く原料生産上のコスト性にも優れるばか
りか、ランダム性の高い共重合が可能で、三者の組合せ
によって粘弾性特性等の制御が容易なためである。
【0010】これらの共重合比は、スチレン/MMA/
BA=30〜90/10〜70/3〜25重量%の範囲
で調整される。MMAの共重合比はより好ましくは20
〜60重量%の範囲であるが、この範囲外では、連続相
の屈折率をゴム状弾性体分散粒子の屈折率に近くなるよ
うに設定することが困難になり透明性が低下し、熱収縮
性フィルムとしてのクリアーなディスプレー効果が低下
して、一般的に好ましくない。またBAの共重合比はよ
り好ましくは5〜20重量%の範囲である。本発明の熱
収縮性フィルムにおいては、上記組成からなる中間層の
損失弾性率(E”)のピーク温度を50〜85℃の範囲
にすることが好ましい。損失弾性率(E”)のピーク温
度が50℃未満であると得られる熱収縮フィルムの自然
収縮率が非常に大きくなってしまう。自然収縮率はより
小さいほうが好ましいが、一般的に1%未満、より好ま
しくは0.5%未満であれば実用上問題を生じない。ま
た、85℃を越えると収縮率不足となり、収縮仕上がり
が低下してしまうという問題がある。
【0011】この損失弾性率(E”)のピーク温度は、
主に連続相の組成に依存する。スチレン/MMA/BA
の系でいうと、剛直なMMA成分はピーク温度を高め、
柔軟なBA成分はピーク温度を下げるのでこれらの成分
比でピーク温度を調整することができる。このスチレン
系共重合体からなる連続相中には、分散粒子としてゴム
状弾性体を含有している。ここでいうゴム状弾性体とし
ては、常温でゴム的性質を示すものであればよく、例え
ばポリブタジエン類、スチレン−ブタジエン共重合体、
スチレン−ブタジエンブロック共重合体類、イソプレン
共重合体類が好適に用いられる。ゴム状弾性体の含有量
は、中間層での樹脂全体(連続相+分散粒子)の1〜2
0重量%、より好ましくは3〜15重量%の範囲とすれ
ばよく、1重量%未満では得られる熱収縮性フィルムの
耐衝撃性(耐破断性)が低くなり、20重量%を越える
と、熱収縮性フィルムの剛性が低下し、例えば収縮ラベ
ルとして瓶などに被覆する工程で所定の位置に被覆がで
きない等の不具合を生じる。
【0012】ゴム状弾性体が形成する分散粒子の粒子径
は、0.1〜1.5μmの範囲が好ましく、分散粒子径
が0.1μm未満のものでは、熱収縮性フィルムの耐衝
撃性の効果が十分発現しない。一方、分散粒子径が1.
5μmを越えるものでは、耐衝撃性は十分付与される
が、透明性が低下してしまう。なお粒子径は、原料ペレ
ットから超薄切片法により調整した試料を透過型電子顕
微鏡を用いて撮影した写真から求めた数平均粒子径であ
る。この中間層の主体原料となる、上記ゴム状弾性体分
散ポリスチレン系樹脂の製造は、連続相形成用の原料溶
液中にゴム状弾性体を溶解し、攪拌しながら重合する方
法によることができる。ゴム状弾性体粒子は、フィルム
製膜までのいかなる工程でも添加することが可能である
が、重合時に重合槽中のモノマーおよび重合溶液に添加
し分散することが最も効果的である。モノマーおよび重
合溶液は粘度が低く分散が容易であり、また重合時にゴ
ム状弾性体の粒子表面にモノマーがグラフト重合し、連
続相重合体への親和性が著しく高まり、透明性と耐衝撃
性向上効果が最も発現しやすい。分散粒子の粒子径は、
ゴム状弾性体の種類や分子量ににも依存するが、重合槽
の攪拌羽根の回転数にも大きく依存する。本発明では、
この回転数を調整し、分散粒子径を制御することが望ま
しい。
【0013】また、本発明フィルムの中間層は、主成分
である上記内容のゴム状弾性体分散ポリスチレン系樹脂
の他に、他の樹脂をブレンドすることも可能である。た
だし、上記記載のように連続相と分散相の屈折率を合わ
せて透明性を維持しているため、その屈折率が出来るだ
け近い樹脂(主にポリスチレン系樹脂)を選択すること
が好ましい。上述した内容の中間層は本発明のフィルム
が持つ優れた特性のうち、特に剛性、低自然収縮性、実
用収縮率、低コスト性を発現させる機能を担っている。
【0014】つぎに、本発明フィルムの表裏層の主体と
なる樹脂は、スチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水
素とからなるブロック共重合体と、上記中間層のゴム状
弾性体分散ポリスチレン系樹脂を混合した組成である。
スチレン系炭化水素により構成されるスチレン系炭化水
素ブロックには、例えばスチレン、o−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン等の単独
重合体、それらの共重合体及び/又はスチレン系炭化水
素以外の共重合可能なモノマーをブロック内に含む共重
合体等がある。
【0015】共役ジエン系炭化水素により構成される共
役ジエン系炭化水素ブロックには、例えばブタジエン、
イソプレン、1,3−ペンタジエン等の単独重合体、そ
れらの共重合体及び/又は共役ジエン系炭化水素以外の
共重合可能なモノマーをブロック内に含む共重合体があ
る。ブロック共重合体の構造および各ブロック部分の構
造は特に限定されない。ブロック共重合体の構造として
は、例えば直線型、星型等がある。また、各ブロック部
分の構造としては、例えば完全対称ブロック、非対称ブ
ロック、テトラブロック、テーパードブロック、ランダ
ムブロック等がある。また、共重合組成比、ブロック共
重合の構造および各ブロック部分の構造、分子量、重合
方法の異なるブロック共重合体を2種類以上配合されて
いるものでもよい。
【0016】上記の表裏層において最も好適に用いられ
る樹脂の組成は、スチレン系炭化水素がスチレンであ
り、共役ジエン系炭化水素がブタジエンのいわゆるスチ
レン−ブタジエンブロック共重合体(SBS)を主体と
する混合物である。この理由は、工業的に非常に多くの
種類の樹脂(共重合組成比、共重合の構造、ブロック部
分の構造、分子量等が様々に異なっている)、つまり屈
折率や熱的性質をはじめとする特性が異なった樹脂が生
産されているため、要求特性に応じて複数の異なったス
チレン−ブタジエンブロック共重合体を組み合わせるこ
とによってフィルム特性の制御が容易に行えるからであ
る。
【0017】本発明の表裏層では、上記スチレン−ブタ
ジエン共重合体混合物以外に中間層に使用するゴム状弾
性体分散ポリスチレン系樹脂を混合する必要があり、層
間の接着性を改良できる。ゴム状弾性体分散ポリスチレ
ン系樹脂は1〜15重量%の範囲で混合することが好ま
しい。1重量%未満では層間の接着性改良効果が発現し
難い傾向があり、15重量%を越すものでは透明性を阻
害し易い傾向がある。表裏層にはスチレン系重合体を配
合することもでき、好適に用いられるスチレン系重合体
はポリスチレン(GPPS)である。本発明積層フィル
ムは主に中間層を構成する樹脂によって剛性を付与して
いるが、収縮仕上がり性を低下させない範囲(3〜15
重量%程度)でポリスチレンを混合することによって表
裏層の剛性の向上も期待できる。
【0018】本発明の積層フィルムにおいて、表裏層は
中間層を構成する樹脂単層では透明性が出にくいことを
改良する機能を担っている。すなわち、中間層を構成す
る樹脂は損失弾性率(E”)のピーク温度以上の温度領
域で連続相が軟化して急激に貯蔵弾性率(E’)が低下
するため、単層では延伸加工時に分散しているゴム状弾
性体がフィルム表面に突出しやすく、透明性の低下した
フィルムとなってしまうが、前述した樹脂から構成され
る表裏層を積層し延伸することによりこの現象を防止
し、透明性を保持させることができる。通常、熱収縮フ
ィルムに要求される透明性としては、全ヘーズで10%
以下であることが好ましく、より好ましくは7%以下、
さらに好ましくは5%以下である。全ヘーズが10%を
越えるようなフィルムではクリアーなディスプレー効果
が低下して好ましくない。
【0019】上述した内容の表裏層は本発明の積層フィ
ルムがもつ優れた特性のうち、特に良好な収縮仕上がり
性、耐熱融着性、透明性を発現させる機能を担ってい
る。なお、上述した内容の熱収縮性積層フィルムでの各
層の厚み比は、(表層+裏層)/中間層=1/1〜1/
5であることが好ましく、1/2〜1/4がより好まし
い。中間層の厚みが(表層+裏層)/中間層=1/5を
越えると、表裏層によって主に付与される収縮仕上がり
性が低下してしまい、(表層+裏層)/中間層=1/1
未満となると剛性、自然収縮性の改良効果が低下してし
まう。また、コスト面の観点からは上記範囲内でできる
だけ中間層を厚くすることが好ましい。なお、本発明の
積層フィルムの表裏層の厚み比および構成成分は、収縮
特性やカール防止等の点から同一厚み、同一組成に調整
することが好ましいが、必ずしも同一内容とする必要は
ない。
【0020】本発明の積層フィルムは製品用途に応じて
収縮開始温度を低下させる目的で可塑剤及び/又は粘着
付与樹脂を1〜10重量部、さらに好ましくは2〜8重
量部添加することが可能である。可塑剤及び/又は粘着
付与樹脂の量が1重量部未満であると、可塑化が十分達
成されず、低温収縮性が得られにくい。一方可塑剤及び
/又は粘着付与樹脂の量が10重量部を越えるものでは
溶融粘度の低下、耐熱融着性の低下を招き、自然収縮を
起こしてしまうという問題が生じ易い。添加量は中間
層、表裏層において同量もしくは異なった量でもよい。
また、上記の可塑剤及び/又は粘着付与樹脂では2種以
上混合して用いてもよい。特に透明性と低温収縮性等の
収縮特性の改良効果とのバランスから可塑剤としては、
フタル酸系、ポリエステル系の可塑剤が、粘着付与樹脂
としては、重合度200以下の水添テルペン樹脂、およ
び同じくC5 系水添石油樹脂が好適に使用される。本発
明の積層フィルムでは、上記の可塑剤もしくは粘着付与
樹脂以外にも目的に応じて各種の添加剤、例えば、紫外
線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、安定剤、着色剤、帯
電防止剤、滑剤、無機フィラー等を各用途に応じて、中
間層及び/又は表裏層に適宜添加できる。
【0021】つぎに本発明積層フィルムの製造方法を具
体的に説明するが、下記製造方法には限定されない。中
間層用、表裏層用に各々上記内容で配合されたポリスチ
レン系樹脂を別々の押出機によって溶融させ、得られた
溶融体をダイ内で合流させて押出す製造方法が一般的で
ある。押出に際しては、Tダイ法、チューブラ法などの
既存のどの方法を採用してもよい。溶融押出された積層
樹脂は、冷却ロール、空気、水等で冷却された後、熱
風、温水、赤外線、マイクロウエーブ等の適当な方法で
再加熱され、ロール法、テンター法、チューブラ法等に
より、1軸または2軸に延伸される。延伸温度は積層フ
ィルムを構成している樹脂の軟化温度や熱収縮性フィル
ムに要求される用途によって変える必要があるが、概ね
60〜130℃、好ましくは80〜120℃の範囲で制
御される。
【0022】延伸倍率は、フィルム構成組成、延伸手
段、延伸温度、目的の製品形態に応じて1.5〜8倍の
範囲で適宜決定される。また、1軸延伸にするか2軸延
伸にするかは目的の製品の用途によって決定される。ま
た、延伸した後フィルムの分子配向が緩和しない時間内
に速やかに、当フィルムの冷却を行うことも、収縮性を
付与して保持する上で重要な技術である。延伸後の本発
明積層フィルムは100℃×1分の熱収縮率が少なくと
も一方向において40%以上であることが好ましく、収
縮率が40%未満の場合、収縮フィルムとして実用的な
機能を発揮し難い。
【0023】
【実施例】以下に実施例を示すが、これらにより本発明
は何ら制限を受けるものではない。なお、実施例に示す
測定値および評価は次のように行った。ここで、フィル
ムの引取り(流れ)方向をMD、その直交方向をTDと
記載する。 1)収縮仕上がり性 10mm間隔の格子目を印刷したフィルムをMD110
mm×TD280mmの大きさに切り取り、TDの両端
を10mm重ねてヒートシールし円筒状にした。この円
筒状フィルムを、容量300mlの胴部が俵型のガラス
瓶にかぶせ、蒸気加熱方式の長さ1mの収縮トンネル中
を10cm/秒のコンベア駆動で、ガラス瓶を回転させ
ずに通過させた。吹き出し蒸気温度は99℃、トンネル
内雰囲気温度は94℃、サーモラベルを用いて調べたフ
ィルムの温度は、収縮部で80〜92℃であった。フィ
ルム被覆後、発生したシワ入り、アバタ、歪みの大きさ
および個数を総合的に評価した。評価基準は、シワ入
り、アバタ、格子目の歪みがなく密着性が良好なものを
(◎)、シワ入り、アバタ、格子目の歪みがほとんどな
く密着性も実用上問題のないものを(○)、シワ入り、
アバタ、格子目の歪みが若干あるか、収縮不足が若干目
立つものを(△)、シワ入り、アバタ、格子目の歪みが
あるか、収縮不足が目立ち実用上問題のあるものを
(×)とした。
【0024】2)全ヘーズ JISK7105に準拠し、フイルム厚み50μmで測
定した。 3)層間剥離強度 フィルムを溶剤(シクロヘキサン30重量%、酢酸エチ
ル70重量%)にてセンターシールした後、センターシ
ール部分を中心としてMD15mm×TD100mmの
大きさに切り取り、24時間自然乾燥後フィルムの両端
を指で挟持して引張り剥離試験を行なった。容易に剥が
れず剥離強度が極めて良好なものを(◎)、良好なもの
を(○)、実用上限界のものを(△)、剥離強度が弱く
実用性のないものを(×)とした。
【0025】[実施例1]ブタジエン5重量%とスチレ
ン5重量%とからなるスチレン−ブタジエン共重合体を
分散粒子とし、スチレン45重量%、メチルメタクリレ
ート35重量%、ブチルアクリルレート10重量%から
なる共重合体が連続相となった、ゴム状弾性体分散ポリ
スチレン系樹脂を中間層原料とし、スチレン75重量%
とブタジエン25重量%とからなるブロック共重合体9
8重量%と、上記ゴム状弾性体分散ポリスチレン系樹脂
2重量%の混合樹脂を表裏層原料とし、それぞれの原料
を別々の押出機で溶融押出しし、ダイ内で合流させて、
表層/中間層/裏層の3層構造からなる溶融体をキャス
トロールで冷却し総厚み200μmの未延伸フィルムを
得た。この未延伸フィルムを105℃の温度の雰囲気の
テンター延伸設備内でTD方向に4.0倍延伸して、約
50μm(表層/中間層/表層=1/5/1)の熱収縮
性積層フィルムを得た。 得られたフィ
ルムを用いて特性を評価した結果を表1に示した。
【0026】[実施例2]スチレン75重量%とブタジ
エン25重量%とからなるブロック共重合体92重量%
と、実施例1記載のゴム状弾性体分散ポリスチレン系樹
脂8重量%の混合樹脂を表裏層原料とした以外は実施例
1と同様の内容にて熱収縮性積層フィルムを得た。
【0027】[実施例3]スチレン75重量%とブタジ
エン25重量%とからなるブロック共重合体87重量%
と、実施例1記載のゴム状弾性体分散ポリスチレン系樹
脂13重量%の混合樹脂を表裏層原料とした以外は実施
例1と同様の内容にて熱収縮性積層フィルムを得た。
【0028】[比較例1]スチレン75重量%とブタジ
エン25重量%とからなるブロック共重合体83重量%
と、実施例1記載のゴム状弾性体分散ポリスチレン系樹
脂17重量%の混合樹脂を表裏層原料とした以外は実施
例1と同様の内容にて熱収縮性積層フィルムを得た。
【0029】[比較例2]スチレン75重量%とブタジ
エン25重量%とからなるブロック共重合体を表裏層原
料とした以外は実施例1と同様の内容にて熱収縮性積層
フィルムを得た。
【0030】
【表1】
【0031】表1から実施例1〜3は、いずれも特性が
優れていることが分かる。一方、比較例1〜2のように
中間層および表裏層のいずれかが本発明の規定範囲外の
積層フィルムでは、剥離強度、透明性のいずれかが不良
となり、優れた熱収縮性フィルムを得ることは難しいこ
とが分かる。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、中間層と表裏層からな
る積層フィルムであって、各層が特定の樹脂組成のポリ
スチレン系樹脂からなり、透明性、収縮仕上がり性、層
間剥離性のいずれの特性に優れた熱収縮性ポリスチレン
系積層フィルムが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 51/04 C08L 51/04 53/02 53/02 // B29K 9:00 B29K 9:00 9:06 9:06 25:00 25:00 33:04 33:04 105:02 105:02 B29L 9:00 B29L 9:00 Fターム(参考) 4F100 AK12A AK12B AK12C AK25A AK25B AK25C AK28B AK28C AK29B AK29C AL01A AL01B AL01C AL02B AL02C AN02A AN02B AN02C BA03 BA06 BA10B BA10C BA16 DE01 EH17 EJ37 GB15 GB90 JA03 JK06 JK07A JK07B JK07C JL11 JN01 YY00A YY00B YY00C 4F210 AA13E AA21E AA45 AA46F AE01 AG03 QA02 QC03 QG01 QG15 QG18 RA03 RG09 4J002 BN16Y BP01W BP01X GF00 GG02 4J026 AC11 AC32 BA05 BA27 BB03 DB24 GA08 GA09

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン系モノマーと(メタ)アクリル
    酸エステル系モノマーからなる共重合体の連続相中に、
    分散粒子としてゴム状弾性体を1〜20重量%含有した
    ゴム状弾性体分散ポリスチレン系樹脂からなる中間層
    に、スチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素とから
    なるブロック共重合体またはこのブロック共重合体にス
    チレン系重合体を配合してなる混合重合体または異なっ
    た種類のブロック共重合体を2種類以上配合してなる混
    合重合体樹脂と、上記中間層のゴム状弾性体分散ポリス
    チレン系樹脂を混合してなる樹脂を表裏層として積層し
    延伸してなる熱収縮性ポリスチレン系積層フィルム。
  2. 【請求項2】 表裏層中のゴム状弾性体分散ポリスチレ
    ン系樹脂が1〜15重量%の範囲で混合されたことを特
    徴とする請求項1記載の熱収縮性ポリスチレン系積層フ
    ィルム。
  3. 【請求項3】 ゴム状弾性体分散ポリスチレン系樹脂の
    連続相中に含まれるスチレン系モノマーがスチレンであ
    り、(メタ)アクリル酸エステル系モノマーが、メチル
    メタクリレートおよびブチル(メタ)アクリレートであ
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の熱収縮性ポリ
    スチレン系積層フィルム。
  4. 【請求項4】 ゴム状弾性体分散ポリスチレン系樹脂の
    連続相中に含まれるスチレン/メチルメタクリレート/
    ブチル(メタ)アクリレートの共重合比が30〜90/
    10〜70/3〜25重量%の範囲で調整されることを
    特徴とする請求項3記載の熱収縮性ポリスチレン系積層
    フィルム。
  5. 【請求項5】 表裏層のスチレン系炭化水素がスチレン
    であり、共役ジエン系炭化水素がブタジエンであること
    を特徴とする請求項1乃至4記載の熱収縮性ポリスチレ
    ン系積層フィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003246025A (ja) * 2001-12-21 2003-09-02 Denki Kagaku Kogyo Kk シート及びその成形品

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