JP4688750B2 - 熱収縮性積層フィルム、該フィルムを用いた成形品、熱収縮性ラベル及び容器 - Google Patents
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Description
破断性を向上させることは可能である。しかし、その場合、フィルムの剛性が低下するため、フィルムの剛性と耐破断性の両立が問題となる。
すなわち、本発明の目的は、以下の熱収縮性積層フィルム、並びに該積層フィルムを用いた成形品、熱収縮性ラベル及び該成形品又は熱収縮性ラベルを装着した容器により達成される。
(S層):ジカルボン酸残基とジオール残基とから誘導され,ポリエステル系樹脂であり、少なくとも一方が2種以上の残基からなる混合物であるポリエステル系樹脂
(M層):スチレン系樹脂が、スチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素とのブロック共重合体であり、かつ、該スチレン系樹脂を50重量%含む樹脂組成物
(AD層):接着性樹脂
2.前記表面層(S層)のポリエステル系樹脂における、ジカルボン酸残基及び/又はとジオール残基の2種以上の残基のうち、最も多く含まれる残基以外の残基の総含有率が前記ジカルボン酸残基の総量(100モル%)と前記ジオール残基の総量(100モル%)との合計(200モル%)に対して10%以上40モル%以下である上記1に記載の熱収縮性積層フィルム。
3.中間層(M層)のスチレン系樹脂が、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−ブタジエンブロック共重合体(SIBS)、又はこれらの混合物である上記1又は2に記載の熱収縮性積層フィルム。
4.接着層(AD層)の接着性樹脂が、ポリエステル系樹脂とポリスチレン樹脂とを含む上記1乃至3のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルム。
5.接着層(AD層)の接着性樹脂が、表面層(S層)と中間層(M層)に含まれる樹脂の混合物である上記1乃至3のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルム。
6.前記表面層(S層)のポリエステル系樹脂におけるジオール残基が、エチレングリコール残基と、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、及び1,4−シクロヘキサンジメタノールからなる群から選ばれる少なくとも一種から誘導される残基とを有する上記1乃至5のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルム。
7.前記中間層(M層)がリサイクルされた熱収縮性フィルムをフィルム総量に対して40質量%以下含有し、かつ、JIS K7105に準拠して測定されるヘーズ値が10%以下である上記1乃至6のいずれかに記載の熱収縮性フィルム。
8.上記1乃至7のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルムを基材としてなる成形品。
9.上記1乃至7のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルムを基材としてなる熱収縮性ラベル。
10.上記9に記載の熱収縮性ラベルを装着した容器。
本発明のフィルムは、ポリエステル系樹脂を主成分としてなる表面層(S層)と、スチレン系樹脂を主成分としてなる中間層(M層)とを有し、さらに表面層(S層)と中間層(M層)との間に接着層(AD層)を介在させた熱収縮性積層フィルムである。
用途における主収縮方向と垂直方向への収縮を抑制可能なフィルムが得られる。その結果、本発明のフィルムによれば、剛性、耐破断性、低自然収縮性を兼ね備え、かつ収縮仕上がり性を向上させた熱収縮性積層フィルムを提供できる。
<中間層(M層)>
本発明では、フィルムの中間層(M層)の主成分を構成するスチレン系樹脂は、スチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素とのブロック共重合が好適に用いられる。スチレン系炭化水素としては、例えば、ポリスチレン、ポリ(p−、m−又はo−メチルスチレン)、ポリ(2,4−、2,5−、3,4−又は3,5−ジメチルスチレン)、ポリ(p−t−ブチルスチレン)等のポリアルキルスチレン;ポリ(o−、m−又はp−クロロスチレン)、ポリ(o−、m−又はp−ブロモスチレン)、ポリ(o−、m−又はp−フルオロスチレン)、ポリ(o−メチル−p−フルオロスチレン)等のポリハロゲン化スチレン;ポリ(o−、m−又はp−クロロメチルスチレン)等のポリハロゲン化置換アルキルスチレン;ポリ(p−、m−又はo−メトキシスチレン)、ポリ(o−、m−又はp−エトキシスチレン)等のポリアルコキシスチレン;ポリ(o−、m−、又はp−カルボキシメチルスチレン)等のポリカルボキシアルキルスチレン;ポリ(p−ビニルベンジルプロピルエーテル)等のポリアルキルエーテルスチレン;ポリ(p−トリメチルシリルスチレン)等のポリアルキルシリルスチレン;さらにはポリビニルベンジルジメトキシホスファイド等が挙げられる。該スチレン系炭化水素ブロックは、これらの単独重合体、共重合体及び/又はスチレン系炭化水素以外の共重合可能なモノマーをブロック内に含んでいてもよい。
10分以上、好ましくは3g/10分以上であり、かつ15g/10分以下、好ましくは10g/10分以下、さらに好ましくは8g/10分以下であることが望ましい。
ことが難しくなってしまう。また、分子量も関してはメルトフローレート(MFR)測定値(測定条件:温度200℃、荷重49N)が2g/10分以上15g/10分以下の範囲で調整される。この剛性を付与するスチレン−ブタジエンブロック共重合体の混合量は、その熱収縮性積層フィルムの特性に応じて適宜調整され、中間層(M層)を構成する樹脂総量の20質量%以上80質量%以下、好ましくは40質量%以上70質量%以下の範囲で調整されることが望ましい。樹脂総量の80質量%以下であれば、フィルムの剛性は大幅に向上でき、かつ耐破断性を低下させることを抑えることができる。一方、樹脂総量の20質量%以上であれば、フィルムに十分な剛性を付与できる。
本発明のフィルムの表面層(S層)の主成分を構成するポリエステル系樹脂は、フィルムに剛性と耐破断性と低温収縮性を付与しつつ、自然収縮を抑えることができる。本発明において好適なポリエステル系樹脂は、ジカルボン酸残基とジオール残基とから誘導され、ジカルボン酸残基とジオール残基の少なくとも一方が、2種以上の残基からなる混合物からなる。
上記ジカルボン酸残基の例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2,5−ジクロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、4,4−スチルベンジカルボン酸、4,4−ビフェニルジカルボン酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ビス安息香酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4−ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−Naスルホイソフタル酸、エチレン−ビス−p−安息香酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸又はそれらのエステル誘導体から誘導される残基が挙げられる。これらのジカルボン酸残基は、1種を単独で、又は2種以上を含有していてもよい。前記ポリエステル系樹脂としては、テレフタル酸とエチレングリコールとからなるポリエステル樹脂が好適に用いられる。
本発明のフィルムは、前記中間層(M層)と前記表面層(S層)との間に接着層(AD層)を形成する。接着層(AD層)の主成分を構成する樹脂としては、表面層(S層)に含まれるポリエステル系樹脂と、中間層(M層)に含まれるスチレン系樹脂との混合物を用いることが好ましい。かかる混合物を接着層の主成分樹脂として用いることにより、表面層(S層)に含まれるポリエステル系樹脂と接着層(AD層)に含まれるポリエステル系樹脂成分との親和性を増すと共に、中間層(M層)に含まれるポリスチレン系樹脂と接着層(AD層)に含まれるスチレン系樹脂成分との親和性を増すことができ、その結果、両層間の接着強度を向上させることができる。接着層(AD層)に含まれるポリエステル系樹脂とスチレン系樹脂との混合率は、隣接する側の層との接着効果を向上させる観点から、質量%比で(20〜80)/(80〜20)、好ましくは(30〜70)/(70〜30)、さらに好ましくは(40〜60)/(60〜40)であることが望ましい。接着層(AD層)中に両樹脂が20質量%以上含有されることにより対応する層との良好な接着効果が得られる。
チレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレ−ブタジエンブロック共重合体のようにブロック単位がいくつも繰り返されてもよい。
この層構成を採用することにより、本発明の目的であるフィルムの剛性、収縮仕上がり性、耐破断性に優れ、層間剥離が抑制された、収縮包装、収縮結束包装や収縮ラベル等の用途に適した熱収縮性積層フィルムを生産性、経済性よく得ることができる。
5倍以下の厚さであれば透明性が大幅に低下することもない。
本発明のフィルムは、70℃温水中に10秒間浸漬したときの熱収縮率が少なくとも一方向において10%以上、30%未満、好ましくは10%以上25%以下、さらに好ましくは10%以上20%以下の範囲である。また、本発明のフィルムは、80℃温水中に10秒間浸漬したときの熱収縮率が少なくとも一方向において30%以上、好ましくは35%以上、さらに好ましくは40%以上であり、かつ70%以下、好ましくは60%以下、さらに好ましくは50%以下である。
なお、本明細書において「少なくとも一方向」とは、主収縮方向と主収縮方向と直交する方向のいずれか又は両方向を意味し、通常は主収縮方向を指す。ここで、「主収縮方向」とは、縦方向と横方向のうち延伸方向の大きい方向を意味し、例えば、ボトルに装着する場合にはその外周方向に相当する方向である。
いても、ペットボトルなどの容器に製袋したフィルムをラベリングマシン等で被せる際に、斜めに被ったり、フィルムの腰折れなどで歩留まりが低下したりしやすいなどの問題点が発生し難く好ましい。上記引張弾性率は、JIS K7127に準じて、23℃の条件で測定することができる。また、フィルム主収縮方向の引張弾性率はフィルムの腰強さが出れば特に制限はないが、1,500MPa以上、好ましくは2,000MPa以上、さらに好ましくは2,500MPa以上であり、上限は6,000MPa以下、好ましくは4,500MPa以下、さらに好ましくは3,500MPa以下であることが好ましい。フィルム主収縮方向の引張弾性率を上記範囲にすることにより、双方向においてフィルムの腰の強さを高めることができるため好ましい。
本発明のフィルムは、スチレン系樹脂を主成分としてなる中間層(M層)と、該中間層(M層)の両面側に配設されるポリエステル系樹脂を主成分としてなる表面層(S層)と、表面層(S層)と中間層(M層)との間に形成される接着層(AD層)を同時又は逐次的に積層して積層フィルムを作製し、次いで該積層フィルムを加熱し、少なくとも1軸方向に延伸して得られる。
本発明のフィルムは、成形し、又は必要に応じて印刷層、蒸着層その他機能層を形成することにより、容器等の被覆フィルム、結束バンド、外装用フィルムなどの様々な成形品として用いることができる。特に本発明のフィルムを食品容器(例えば清涼飲料水用又は食品用のPETボトル、ガラス瓶、好ましくはPETボトル)用の熱収縮性ラベルとして用いる場合、複雑な形状(例えば、中心がくびれた円柱、角のある四角柱、五角柱、六角柱など)であっても該形状に密着可能であり、シワやアバタ等のない美麗なラベルが装着された容器が得られる。
なお、実施例に示す測定値及び評価は次のように行った。実施例では、積層フィルムの引き取り(流れ)方向を「MD」、それと直交する方向を「TD」と記載する。
(1)熱収縮率
本発明のフィルムをMD100mm、TD100mmの大きさに切り取り、TDの収縮量を70℃又は80℃の温水バスに10秒間浸漬し、測定した。熱収縮率は、収縮前の原寸に対する収縮量の比率を%値で表示した。
(2)自然収縮率
フィルム製作後、23℃50%RHで5時間放置後、MD50mm、TD1000mmの大きさに切り取り、30℃の恒温槽に30日間放置後、TDの収縮率を測定した。結果を表1に示す。
(3)引張破断伸び率
MD50mm、TD15mmで試験片を切り取り、その試験片をチャック間40mmで恒温槽付引張試験機にセットし、これを0℃、100mm/minの試験速度で引張り、下記の計算式より引張破断伸び率を求めた。
引張破断伸び率(%)={(破断したときのチャック間の長さ−40(mm))/
40(mm) }×100
(4)透明性(全ヘ−ズ)
JIS K7105に準拠して厚み50μmのフィルムのヘーズ値を測定した。
(5)引張弾性率
MDについては23℃50%RH、幅3mmのフィルム試験片をチャック間80mmとして引張速度5mm/分で引張試験を行った。また、TDについては23℃50%RH、幅5mmのフィルム試験片をチャック間300mmとして引張速度5mm/分で引張試験を行った。MD及びTDにおける引張応力−歪み曲線の始めの直線部分を用いて、次式によって計算した。
E=σ/ε
但し、上記式において、Eは引張弾性率を表し、σ は直線上の2点間の単位面積(引張試験前のサンプルの平均断面積)当たりの応力の差を表す。
(6)層間剥離強度
層間剥離強度をシール強度として測定した。フィルムのTDの両端より10mmの位置で、THF90質量%、n−ヘキサン10質量%からなる混合溶剤を用いて接着し、筒状ラベルを製造した。シール部分を円周と直角方向に5mm幅に切り取り、それを恒温槽付引張試験機((株)インテスコ製「201X」)を使用し、剥離試験を行った。表裏層と中間層とのシール強度を以下の数値で評価した。
◎:シール強度が4N/15mm幅以上
○:シール強度が2N/15mm幅以上4N/15mm幅未満
×:シール強度が2N/15mm幅未満
(7)収縮仕上がり性
10mm間隔の格子目を印刷したフィルムをMD100mm、TD298mmの大きさに切り取り、TDの両端を10mm重ねて溶剤で接着し、円筒状にした。この円筒状フィルムを、容量500mLのペットボトルに装着し、蒸気加熱方式の長さ3.2m(3ゾーン)の収縮トンネル中を回転させずに、約4秒間で通過させた。各ゾーンでのトンネル内雰囲気温度は蒸気量を蒸気バルブにて調整し、80〜90℃の範囲とした。下記基準にてフィルムを目視評価した。
◎:収縮が十分でシワ、アバタ、格子目の歪みがなく密着性が良好である。
○:収縮は十分だがシワ、アバタ、格子目の歪みが僅かにあるか、もしくは縦方向の収縮率が僅かに目立つが、実用上問題なし。
×:TDの収縮不足又はMDの収縮が目立ち、実用上問題となる。
(8)粘弾性測定(貯蔵弾性率、損失弾性率)
粘弾性スペクトロメーターDVA−200(アイティー計測制御株式会社製)を用い、振動周波数10Hz、昇温速度3℃/分、測定温度−120℃から130℃の範囲で測定した。損失弾性率のピーク温度は、損失弾性率の温度依存曲線の傾きがゼロ(一次微分がゼロ)となる温度として求めた。なお、測定フィルムは構成する樹脂を0.2〜1.0mm程度の厚み範囲で作製し、ほぼ無配向の方向を測定した。
(9)リターン後のフィルムのヘーズ値
得られた熱収縮性積層フィルムを粉砕器を用いて粉砕し、再生ペレット化した後、フィルム総量に対して30質量%に相当する量を中間層(M層)にリターンして、各実施例と同様、再生添加フィルムを得た。得られた厚み50μmのフィルムを用いて、JIS K7105に準拠してヘーズ値を測定した。また、下記の基準で評価した結果も併記した。
◎:ヘーズ値が7%未満
○:ヘーズ値が7%以上10%未満
×:ヘーズ値が10%以上
表1 に示すように、50質量%のスチレン系樹脂A(スチレン/ブタジエン=90/10(質量%)、貯蔵弾性率E’:3.15×109Pa、損失弾性率E”のピーク温度:55℃、以下「SBS−A」という。)と50質量%のスチレン系樹脂B(スチレン/ブタジエン/イソプレン=71/14/15(質量%)、貯蔵弾性率E’(0℃):4.03×108Pa、損失弾性率E”のピーク温度:−32℃、以下「SBS−B」という。)との混合樹脂を中間層(M層)として、ポリエステル系樹脂(ジカルボン酸成分がテレフタル酸100モル%、グリコール成分がエチレングリコール70モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノール30モル%よりなる共重合ポリエステル、商品名PETG6763、イーストマンケミカル社製、以下「PETG」という。)を表面層(S層)として、表面層(S層)樹脂50質量%と中間層(M層)樹脂50質量%の混合樹脂を接着層(AD層)として、押出量を中間層(M層):接着層(AD層):表面層(S層)=3:1:1の割合で、210℃〜230℃の範囲で設定された押出機で溶融し、口金で合流させ、3種5層(押出量比=1:1:6:1:1)で押出し、キャストロールで冷却し、厚さ300μmの未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムを流れ方向(MD)に80℃で1.3倍延伸後、その直角方向(TD)に94℃で4.05倍延伸し、厚さ50μmの熱収縮性積層フィルムを製作した。得られたフィルムの評価結果を表2に示す。
表1に示すように、中間層(M層)としてスチレン系樹脂C(スチレン/ブタジエン=76/24(質量%)、貯蔵弾性率E’(0℃):6.89×108Pa、損失弾性率E”のピーク温度:−74℃、MFR:6.8、商品名DK−11、シェブロンフィリップス社製、以下「SBS−C」という。)を用い、未延伸フィルムを流れ方向(MD)に75℃で1.3倍延伸後、直角方向(TD)に92℃で4.0倍延伸したことを除き、実施例1と同様の方法により積層フィルムを作製した。得られたフィルムの評価結果を表2に示す。
表1に示すように、接着層(AD層)として変性スチレン系熱可塑性エラストマー樹脂(商品名タフテックM1943、旭化成ケミカルズ、以下「AD」という。)を用い、未延伸フィルムを流れ方向(MD)に75℃で1.3倍延伸後、その直角方向(TD)に92℃で4.0倍延伸したことを除き、実施例1と同様の方法により積層フィルムを作製した。得られたフィルムの評価結果を表2に示す。
表1に示すように、50質量%のSBS−Aと50質量%のSBS−Bとの混合樹脂を中間層(M層)として、PETGを表面層(S層)として、押出量を中間層:表面層=3:1の割合で、210〜230℃の範囲で設定された押出機で溶融し、口金で合流させ、2種3層(押出量比=1:6:1)で押出し、キャストロールで冷却して厚さ300μmの未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムを流れ方向(MD)に80℃で1.3倍延伸後、その直角方向(TD)に97℃で4.4倍延伸し、厚さ50μmの積層フィルムを作製した。得られたフィルムの評価結果を表2に示す。
Claims (10)
- 表面層(S層)/接着層(AD層)/中間層(M層)/接着層(AD層)/表面層(S層)の5層を有する共押出しによる積層フィルムであり、各層が下記成分を主成分とする樹脂からなり、温度23℃、相対湿度50%の環境下で引張速度200mm/分で剥離したときのシール強度が3N/15mm幅以上20N/15mm幅以下であり、JIS K7105に準拠して測定される厚み50μmでのヘーズ値が10%以下であり、かつ、70℃温水中に10秒間浸漬したときの熱収縮率が少なくとも一方において10%以上30%未満であり、かつ80℃温水中に10秒間浸漬したときの熱収縮率が少なくとも一方において30%以上70%以下であることを特徴とする熱収縮性積層フィルム。
(S層):ジカルボン酸残基とジオール残基とから誘導され,ポリエステル系樹脂であり、少なくとも一方が2種以上の残基からなる混合物であるポリエステル系樹脂
(M層):スチレン系樹脂が、スチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素とのブロック共重合体であり、かつ、該スチレン系樹脂を50重量%含む樹脂組成物
(AD層):接着性樹脂 - 前記表面層(S層)のポリエステル系樹脂における、ジカルボン酸残基及び/又はとジオール残基の2種以上の残基のうち、最も多く含まれる残基以外の残基の総含有率が前記ジカルボン酸残基の総量(100モル%)と前記ジオール残基の総量(100モル%)との合計(200モル%)に対して10%以上40モル%以下である請求項1に記載の熱収縮性積層フィルム。
- 中間層(M層)のスチレン系樹脂が、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−ブタジエンブロック共重合体(SIBS)、又はこれらの混合物である1又は2に記載の熱収縮性積層フィルム。
- 接着層(AD層)の接着性樹脂が、ポリエステル系樹脂とポリスチレン樹脂とを含む請求項1乃至3のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルム。
- 接着層(AD層)が、表面層(S層)と中間層(M層)に含まれる樹脂の混合物である請求項1乃至3のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルム。
- 表面層(S層)のポリエステル系樹脂におけるジオール残基が、エチレングリコール残基と、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、及び1,4−シクロヘキサンジメタノールからなる群から選ばれる少なくとも一種から誘導される残基とを有する請求項1乃至5のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルム。
- 前記中間層(M層)がリサイクルされた熱収縮性フィルムをフィルム総量に対して40質量%以下含有し、かつ、JIS K7105に準拠して測定されるヘーズ値が10%以下である請求項1乃至6のいずれかに熱収縮性フィルム。
- 請求項1乃至7のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルムを基材としてなる成形品。
- 請求項1乃至7のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルムを基材としてなる熱収縮性ラベル。
- 請求項9に記載の熱収縮性ラベルを装着した容器。
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