JP3023011B2 - 熱収縮性多層バリアフィルム - Google Patents
熱収縮性多層バリアフィルムInfo
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Description
し、主として各種包装材料の用途(主に家庭用ラップフ
ィルム、バリア性を利用する非収縮包装用フィルム、収
縮包装用フィルム、ラミネ−ト用フィルムその他用途を
限定しない。)に有用な熱収縮性多層フィルムに関する
ものであり、詳しくはエチレン−ビニルアルコ−ル系共
重合体を主体とした重合体を主たるガスバリア(主とし
てO2、CO2 その他ガスのバリア性。以後、単にガス
バリアと略して言う事とする)層として有し、その他の
層として熱可塑性ポリエステルを主体とした特定の重合
体層と、特定の熱可塑性樹脂層を含む熱収縮性多層フィ
ルムに関する。
ムの特性を生かして、例えば、家庭用ラップ包装、オ−
バ−ラップ包装、ひねり包装、袋詰め包装、スキン包
装、収縮包装、ストレッチ包装等、各種の包装方法が採
用されている。中でも収縮包装はその特徴として包装物
の外観が美しく、商品価値を高め、内容物を衛生的に保
ち視覚による品質確認が容易なこと、又異形物でも複数
個の商品でも迅速かつ、タイトに固定及び包装ができる
ことから、食品、雑貨等の包装に多用されているが、一
方で被包装物の変質や腐敗を抑制し、その保存期間を向
上させるためにガスバリア性に優れるフィルムが、食品
分野を中心にして、化学薬品、更にはエレクトロニクス
部品等の包装用として要求されている。又、一般に被包
装物は熱をきらう場合が多く、熱収縮性フィルムの場
合、保管も含めて流通過程で寸法変化を起さない程度の
低温収縮性を有すると同時に実用上十分なヒ−トシ−ル
性を有することも望まれている。
ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン等を主
体として用いたフィルムが知られているが、これらのフ
ィルムはガスバリア性が劣る他、ポリ塩化ビニルを用い
た熱収縮性フィルムにあっては、添加併用される可塑剤
や熱安定剤が衛生上好ましくなかったり、廃棄、焼却処
理に関しては環境保全・衛生上、問題がある。
体として塩化ビニリデン系重合体およびエチレン−ビニ
ルアルコ−ル系共重合体があるが、前者はフィルムの製
造時の押出安定性のため、また、良好な延伸性を与える
ために多量の可塑剤や安定剤を添加するのが通常であ
り、これらのものは衛生上好ましくなかったり、臭いや
変色の問題がある。又、他に多層フィルムにおいては場
合により、これらの添加剤が隣層へ移行し、バリア特性
が経時的に不安定になることがある。更に、前述のポリ
塩化ビニル同様、廃棄、焼却処理に関しては環境保全・
衛生上、問題がある。一方、後者のエチレン−ビニルア
ルコ−ル系共重合体は前者の有する上述の如き環境衛生
上の問題はなく、又、乾燥時のガスバリア性も一般に前
者よりも優れるために各種包装フィルムへの利用が検討
されている。
ル系共重合体はそれ自体、結晶性であることに加えて、
強い水素結合の存在により、延伸加工時にネッキング状
(厚みの極端に厚い所と薄い所を同時に伴なう)延伸を
示し、安定性が悪く破断しやすく、薄膜化が困難である
等、その延伸製膜性は極めて悪く、とりわけ熱収縮性フ
ィルムとして必要な延伸配向を付与することが困難であ
るという問題があった。又、得られたフィルムもシュリ
ンクフィルムとしては収縮性(特に低温収縮性)の悪い
ものであり、実用上、高い収縮性が必要な場合問題があ
った。
1号公報にはエチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物に、
そのエチレン含有率に応じた特定量の水分を含有させる
ことで延伸性を改良する方法が開示されているが、共押
出し成形時の気泡の発生や延伸製膜時のフィルムの破断
等のトラブルを避けるための水分含有率の調整が繁雑で
あり、更に水分を含有させることでガスバリア性の低下
は免れられない。又、延伸前、延伸中に可塑剤となって
いる水分量を全面に均一にコントロ−ルしたり、又チュ
−ブ状延伸の場合には内圧を一定に保ったりすることが
困難であり、均一な延伸がしにくい欠点がある。又、水
分が抜けてしまえば、前述の収縮性に劣ってしまうもの
であった。又、特開平2−251418号公報には、エ
チレン酢酸ビニル共重合体ケン化物を内側表面層として
共押出成形によりチュ−ブ状に押出し、エチレン酢酸ビ
ニル共重合体ケン化物に冷却水を直接接触させて急冷す
ることにより比較的多量(5〜15重量%)の水分を含
ませ、延伸性を改良する方法が開示されているが、エチ
レン酢酸ビニル共重合体ケン化物層が表層にあるため、
外的な影響による品質劣化、特にガスバリア性の低下を
招く危険がある。又、比較的多量の水分を含有させるこ
と自体、ガスバリア性を低下させるが、これをカバ−す
るために比較的高温(140〜160℃)で熱処理を行
うために結晶化の促進と部分的な分子配向の緩和が起こ
るため、実用的な熱収縮フィルムは得られない。又、収
縮フィルムとしての収縮性にも劣るものである。
は、エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物とインフレ−
ション可能な熱可塑性樹脂(例えば、ポリエチレン、ナ
イロン6、アイオノマ−等)とを共押出しした積層フィ
ルムをガス圧により即、直接に円周方向に1.2〜3.
5倍ブロ−してインフレ−ションフィルムを得る方法が
開示されている。しかしながらこの方法では、高度の配
向を付与するのに難があり、通常一般の1段インフレ−
ション法では、延伸製膜中に分子間の流動が起こり易
く、実用的な熱収縮性を発現させるに必要な分子配向の
付与は困難である。更に、エチレン酢酸ビニル系共重合
体ケン化物よりなるフィルムと他の延伸可能な熱可塑性
フィルム(例えば、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル
樹脂、ポリエステル樹脂、アクリロニトリル共重合体
等)を密着積層した後、二軸延伸を行なう方法(特開昭
51−6267号公報)があるが、延伸性も不充分であ
り、高収縮性フィルムは得られていない。又、未延伸ま
たは1軸延伸されたポリエステルフィルムにエチレン酢
酸ビニル共重合体ケン化物フィルムを複合した後、延伸
を行なう方法(特開昭55−86722号公報)が提案
されているが、いずれも多層を構成する各層とも、高度
に延伸されたフィルムを得るには、各樹脂ごとの最適の
押出条件、延伸条件等が異なるために、延伸製膜時に偏
肉、パンク、層間剥離、白化の発生等、かならずしも延
伸製膜性が満足し得るものでなく、結果として実用的な
熱収縮性フィルムを得ることが困難である。又、その他
の方法として、特開昭62−103140号公報、同6
2−113526号公報、および特開平1−97623
号公報には、ポリエステル/接着性樹脂/エチレン−ビ
ニルアルコ−ル共重合体/接着性樹脂/ポリエステルの
構成を有する多層延伸フィルムの共押出共延伸に関する
技術の開示がなされているが、これらは延伸性や厚み斑
を良好にならしめるために、共押出時における多層の安
定な流れを得るための原反成形条件を規定したものであ
り、これまで述べた方法と同様不充分であり、又、実用
的な熱収縮性フィルム、特に低温収縮性に優れるフィル
ムを得ることは困難である。
発明のフィルムのごとくに充分収縮しないが、又は収縮
しても高収縮時にいずれも各層の収縮特性がアンバラン
スでEVOH層の屈曲による白化(以下、ジグザグ白化
と言う)が生じる欠陥があった。これが発生すると、各
層の分離、シ−ルの破壊、透明性の極端な悪化、バリア
性の劣化など重大な欠点となる。
等、環境衛生上に特に問題がなく、優れた延伸製膜性と
低温・高熱収縮性を有し、実用収縮包装時におけるジグ
ザグ白化現象が発生しにくく、且つ、機械的特性や光学
特性およびヒ−トシ−ル性に優れるガスバリアフィルム
の開発が強く望まれている。
層のエチレン−ビニルアルコ−ル系共重合体を主体とし
た重合体層(A)と、その他の層として、その層を構成
する樹脂のVicat軟化点が該(A)層を構成する上
記主体となる樹脂のガラス転移点以上で且つ同主体樹脂
のVicat軟化点以下の値を有する少なくとも1層の
熱可塑性ポリエステルを主体とした重合体層(B)、お
よびVicat軟化点が130℃以下である上記
(A)、(B)に主体として使用したもの以外の熱可塑
性樹脂で構成される重合体層(C)を含み、100℃に
おける熱収縮率が、タテとヨコの少なくとも1方向にお
いて20%以上であることを特徴とする熱収縮性多層フ
ィルムである。
の重合体層(A)は、主たるガスバリア層としての役割
をもち、外部からの直接的な熱や物理的、化学的作用等
による物性劣化を避け、後述する延伸配向効果を一層有
効ならしめるために、好ましくは、内部に少なくとも1
層配置される。この(A)層を構成する主体となるエチ
レン−ビニルアルコ−ル系共重合体は、エチレン含量が
15〜80モル%のエチレン−酢酸ビニル共重合体をケ
ン化度が80モル%以上となるようにケン化して得られ
る共重合体又は他の共重合体から誘導して−OH基を付
与せしめたものが用いられる。この場合、エチレン含量
が15モル%未満のものは、溶融成形性や延伸製膜性が
劣り、一方80モル%を越える場合はガスバリア性が不
足する。又、フィルムとしてはできるだけ低温収縮性で
ある事が好ましいが、この低温収縮性は多層を構成する
樹脂の特性による影響と多層構成の層構成の組合せ方の
影響、更に製膜時の延伸温度の影響を強く受ける。その
ため、低温収縮性を付与するためにはビカット軟化点の
低いものが良いが、更にガスバリア性も考慮し、エチレ
ン含量が20〜55モル%、酢酸ビニル成分のケン化度
が90%以上、より好ましくは同95%以上のものが好
ましい。又、その他の成分としてバリア性を大巾に阻害
しない範囲内で、少なくとも1種の混合し得る樹脂を5
0wt%を上まわらない範囲内で混合し、このエチレン
−ビニルアルコ−ル系共重合体を主体とした混合樹脂で
内部層(A)を構成してもよい。その量は好ましくは4
0wt%以下、より好ましくは、30wt%以下更に好
ましくは20wt%以下である。
内、主として使用するエチレンビニルアルコ−ル系共重
合体と異なるエチレン含量のもの、例えばエチレン含有
量の多いもの;55〜80モル%等、又は、上述以外の
エチレン含量の多いグル−プのエチレン−ビニルアルコ
−ル共重合体、又、それ等の部分ケン化物、又はそれ等
の変性物、ポリアミド系重合体、ポリエステル系共重合
体、エチレン−ビニルエステル共重合体、エチレン−脂
肪族不飽和脂肪酸共重合体、エチレン−脂肪族不飽和脂
肪酸エステル共重合体、エチレンと脂肪族不飽和脂肪酸
及び同エステルより選ばれる、自由な3元以上の共重合
体(上記2、3元に使用する同エステル中のアルコ−ル
成分の炭素C3 以上の軟化点の低いものも含めることと
する。)、アイオノマ−樹脂、スチレン−共役ジエンブ
ロック共重合体、該ブロック共重合体の少なくとも一部
を水添したもの等、又これ等の重合体をモデファイし
て、例えば極性官能基としてカルボン酸基を有する単量
体をグラフトしたもの、又はエチレンと一酸化炭素、あ
るいは、これらに更にビニルエステル成分を含む共重合
体、又は同樹脂の少なくとも一部を水酸基に変換させた
もの、又は上記同様にモデファイしたものの他、結晶性
1,2ポリブタジエン、上記以外のエチレン系樹脂、プ
ロピレン系樹脂、ポリブテン−1系樹脂等が挙げられ、
これらのうちから少なくとも1種選ばれるものとする。
くは、酸素透過度で200cc〔25.4μ/m2 ・2
4hr・atm(25℃、65%RH)〕以下の値を有
するものであるが、より好ましくは100cc〔25.
4μ/m2 ・24hr・atm〕以下の値である。次
に、重合体層(A)のその他の層として、本発明のフィ
ルムは熱可塑性ポリエステルを主体とした重合体層
(B)を少なくとも1層含むものである。該(B)層を
構成する樹脂のVicat軟化点は(A)層を構成する
主体となる樹脂のガラス転移点以上で且つ、同主体樹脂
のVicat軟化点以下の値を有するものであり、この
要件を満たすことにより初めて本発明の主要課題である
特に優れた延伸製膜性と熱収縮性、特に低温収縮性の両
者を同時に達成すると共にジグザグ白化なく使用でき、
又、機械的特性や光学特性に優れたガスバリアフィルム
を完成するに至ったものである。
なすエチレン−ビニルアルコ−ル系共重合体が、本質的
に結晶性樹脂であり、その延伸は非晶部分の配向と結晶
化が主体をなすと思われるが、ガスバリア−性の観点か
らは分子配向に加えて結晶化するのは好ましい現象であ
るが、過度の結晶化は収縮性を阻害するばかりか、透明
性を著しく悪化させる。これに対して、優れた機械的特
性、光学特性を有し、それ自身優れた延伸性を有する本
発明の特定の熱可塑性ポリエステルを主体とする重合体
層を組み合せることの相乗効果により、延伸性、特に低
温延伸性が著しく向上することにより、同延伸によって
エチレン−ビニルアルコ−ル系共重合体中に分子配向に
よる結晶核が多数生成し、結果として、熱収縮性や透明
性に悪影響を及ぼさない微結晶が多数生成し、ガスバリ
ア性の向上及びタイ分子の増加も伴って、機械的特性、
収縮特性も向上するものと思われる。
層(B)を構成する樹脂のVicat軟化点が、重合体
層(A)を構成する主体となる樹脂のガラス転移点未満
の場合は、延伸製膜性が低下する傾向にあり、ネッキン
グの発生およびフィルムの破断や厚みムラ等を発生し易
く、(A)層に対しても有効な配向を付与することが困
難になり、えられるフィルムも機械的特性に劣る他、熱
収縮が不足する等の問題を生じ易い。一方、該(B)層
を構成する樹脂のVicat軟化点が(A)層を構成す
る主体となる樹脂のVicat軟化点を越えると、延伸
温度が高くなり過ぎ、同時に製膜安定性が悪くなると共
に、(A)層における分子間のすべりが相対的に多くな
って、有効な配向を付与することが困難になる。得られ
るフィルムも両層の収縮性能の低下と相まって低温収縮
性に劣り、又、(A)層の収縮性があまりにも不足する
傾向にあるため、(B)層の熱収縮性とのアンバランス
によって、熱収縮時にジグザク白化現象が発生し易くな
るといった問題を加速するのである。
点は、好ましくは40℃以上で120℃以下、より好ま
しくは60℃以上で110℃以下である。ここでVic
at軟化点は、ASTM D1525−76(Rate
B、荷重1kg)によって測定される値であって、同
一樹脂に対しては通常、ガラス転移点とほぼ同等以上の
値を有する。
法(昇温スピ−ド:10℃/分)により測定される値を
指す。重合体層(B)を構成する主体となる熱可塑性ポ
リエステルとしては、該(B)層が表層に配置する場合
はヒ−トシ−ル性、又、層(A)に隣接して配置する場
合は、層間接着性といった点も考慮し、特に限定するも
のではないが、好ましくは共重合ポリエステル、より好
ましくは、低結晶性・低結晶融点の共重合ポリエステル
更に好ましくは実質的に非晶性の共重合ポリエステルで
ある。又、バリア性のより高い成分(例えば、アルコ−
ル成分として芳香族系のモノマ−を混合共重合等)を共
重合したもの等がある。具体的には、例えば、アルコ−
ルを共重合成分とする場合は、エチレングリコ−ルが一
般的であるが、この他の共重合成分として、プロピレン
グリコ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、1,5−ペンタ
ンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ−ル、ネオペンチル
グリコ−ル、ポリエチレングリコ−ル、ポリテトラメチ
レングリコ−ル、シクロヘキサンジメタノ−ル、キシリ
レングリコ−ル、又はその他公知のものから選ばれる少
なくとも1種のジオ−ルが挙げられ、エチレングリコ−
ルとこれらのジオ−ルの1種との組合せ、又はエチレン
グリコ−ルを含まず、上記ジオ−ルの何れか一つをベ−
スとして他のジオ−ルの一つを含んだものでも良い。
ル酸が一般的であるが、その他にイソフタル酸、フタル
酸、ナフタレンジカルボン酸、その他の芳香族系のも
の、又は、その芳香族環にエステル化反応に寄与しない
置換基を有するジカルボン酸等がある。又、コハク酸、
アジピン酸、セバチン酸、その他の脂肪族ジカルボン酸
類等、又はその他公知のものから選ばれる少なくとも1
種のジカルボン酸を含む場合がある。
一方を利用する場合、又は両方を適時利用する場合があ
る。好ましい組合せの例としては、例えばアルコ−ル成
分としてエチレングリコ−ルを主成分として、1,4−
シクロヘキサンジメタノ−ルを40モル%以下含み、酸
成分としてテレフタル酸を利用し共重合したもの等があ
る。その場合、共重合のより好ましい比率は1,4−シ
クロヘキサンジメタノ−ルが20〜40モル%、更に好
ましくは25〜36モル%程度である。好ましいのは、
これらの内、充分アニ−ルした状態での原料としての結
晶化度(広角X線回折法で測定)が30%以下、より好
ましくは10%以下、更に好ましくは実質的に非晶質の
ものである。又、他の樹脂のブレンドは、(A)層の場
合と同様(量、種類とも、但し(A)層の主体樹脂も加
えて)である。
(A)層と(B)層とが実用上剥離しない事にあり、そ
れは延伸性、フィルムとしての実用性に有利である。更
に、本発明のフィルムはVicat軟化点が130℃以
下である上記(A)、(B)に主体として使用したもの
以外の熱可塑性樹脂で構成される重合体層(C)を含
む。該(C)層は引裂強度等の機械的強度についての内
層の場合又は外層の場合とも補強層として、又表層に配
置した場合には上記に加え、主としてヒ−トシ−ル層又
は添加剤として防曇剤、帯電防止剤、スリップ剤等を内
部添加法によりブリ−ドさせる表層としての役割を果た
すものであり、好ましくは少なくとも表層の1つが該
(C)層である如くに配置される。
樹脂のVicat軟化点は130℃以下である。Vic
at軟化点が130℃以上では、前述の延伸製膜性に悪
影響を与え、延伸温度が高くなって製膜安定性が悪くな
ったり、得られるフィルムも低温収縮性が損なわれ易
い。又、ヒ−トシ−ル層として表層に配置した場合、ヒ
−トシ−ル条件が高温条件となって、シ−ラ−への粘着
およびそれに起因するシ−ル不良が発生し易くなった
り、シ−ル部の完全性を保つために冷却時間を設ける必
要がある場合にはヒ−トシ−ルに要する時間が長くな
り、包装の効率化という点でも問題が生じる。好ましい
Vicat軟化点は120℃以下、より好ましくは11
0℃以下である。同様に、該(C)層を構成する該熱可
塑性樹脂の結晶化度は65%以下であることが添加剤混
合性、ブリ−ド性及び熱収縮特性といった点より好まし
い。
脂としては、ポリプロピレン系重合体、エチレン系重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族
不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カ
ルボン酸エステル共重合体、エチレンと脂肪族不飽和脂
肪酸及び同エステルより選ばれる自由な3元以上の共重
合体(上記2、3元に使用する同エステル中のC3 以上
の軟化点の低いものも含めることとする。)α−オレフ
ィン共重合体よりなる軟質重合体、イオン架橋性共重合
体、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエン誘導体とのブロ
ック共重合体およびその誘導体、結晶性1,2ポリブタ
ジエン、ポリブテン−1等が挙げられ、これらのうち少
なくとも1種用いられるが、その特性を損わない範囲で
他の重合体を混合しても良い。その量は50重量%未
満、好ましくは30重量%以下である。
は、プロピレンと他のα−オレフィン(C2 、C4 〜C
8 のもの)との共重合体である。エチレン系重合体とし
ては通常の低密度ポリエチレンおよび線状低密度ポリエ
チレン、超低密度(VL,ULと呼ばれているもの)ポ
リエチレン等があり、これ等はエチレンとプロピレン、
1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテン等の炭素数が3〜18
のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種類の単量
体との共重合体を含む。エチレン−酢酸ビニル共重合体
としては、酢酸ビニル基含量が5〜26重量%、メルト
インデックス(190℃、2.16kg)0.2〜10
のものが好ましい。
共重合体およびエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エス
テル共重合体としては、エチレン−アクリル酸共重合
体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アク
リル酸エステル(メチル、エチル、プロピル、ブチル等
のC1 〜C8 のアルコール成分より選ばれる)共重合
体、エチレン−メタクリル酸エステル(メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル等のC 1 〜C8 のアルコール成分
より選ばれる)共重合体等が挙げられる。これ等は共重
合する成分が上記の中、又はその他成分から選ばれる少
なくとも2種以上の多元共重合体でも良い。又α−オレ
フィン共重合体よりなる軟質重合体としては、例えばエ
チレンおよび、又はプロピレンと炭素数が4〜12のα
−オレフィンから選ばれる1種又はそれ以上のα−オレ
フィン又は自由な組合せの軟質の共重合体が挙げられ、
そのX線法による結晶化度が一般に30%以下のもので
あり、前述のエチレン系共重合体とは異なるものであ
る。好ましくは、エチレンとプロピレン、又はエチレ
ン、プロピレンのいずれかにα−オレフィンとしては、
1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテン、等より選ばれる2元
又は3元以上の共重合体、その他であり、更に又その他
の第3成分として、非共役ジエン誘導体類を少量重合し
たものであっても良い。
−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル
酸エステル共重合体その他適当な共重合体の少なくとも
一部を、又は上記のエステル誘導体の少なくとも一部を
ケン化した内の少なくとも一部を、イオン結合したアイ
オノマー樹脂、又は上記カルボン酸との共重合体の少な
くとも一部をイオン結合化したもの、又は上述の多元共
重合体のカルボン酸部分を少なくとも一部、アイオノマ
ー化せしめたもの等である。
ン誘導体とのブロック共重合体およびその誘導体とは、
スチレンを代表とするビニル芳香族炭化水素が主体より
なるブロックと、ブタジエン、イソプレン等の共役ジエ
ンを主体とするブロックとからなるブロック共重合体、
又はこれらの共重合体を酸変性したもの、二重結合の少
なくとも一部を水素添加処理したもの等が挙げられる。
IR法(モレロ法)による1,2結合量が85%以上で
結晶化度が10ないし40%のものが好ましく、更にポ
リブテン−1系重合体としては、ブテン−1含量93モ
ル%以上の結晶性で他(炭素数C2 ,C3 ,C5 〜C8
のアルケン系)のモノマーとの共重合体をも含む高分子
量のものであり、液状及びワックス状の低分子量のもの
とは異なり、メルトインデックス(190℃、2.16
kg)が0.2〜10のものが好ましい。該(C)層を
構成する該熱可塑性樹脂は上記の樹脂から少なくとも、
1種、又は適時ブレンド組成物として選ばれるのが良
い。
ける熱収縮率が、タテとヨコの少なくとも1方向におい
て20%以上、好ましくは25%以上、より好ましく
は、30%以上の値を有する。熱収縮率が20%未満で
は、収縮後のフィット性が不十分になり、包装後のシワ
やタルミが発生する原因となる。又、フィルムは保管も
含めて流通過程において、極力、寸法変化を起こさせな
い安定性が必要であり、フィルムの収縮発現温度は45
℃以上、好ましくは55℃以上であることが望ましい。
ただし、フィルムの収縮発現温度とは熱収縮率が5%に
なる時の温度をいう。
(C)は、それぞれの本来の特性を損なわない範囲で、
可塑剤、酸化防止剤、界面活性剤、着色剤、紫外線吸収
剤、滑剤、無機フィラー等を含んでも良く、又、本発明
のフィルムの表面の片面あるいは両面が防曇性、帯電防
止剤、密着性、滑性等を付与するために、グループ
(1)としてコロナ処理、プラズマ処理等の表面改質、
あるいはグループ(2)として界面活性剤、防曇剤、帯
電防止剤等でコーティング処理又は、樹脂に添加しブリ
ードさせたものでも良く、又、グループ(3)として公
知の密着剤、粘着剤を同処理しても良い。例えばグルー
プ(2)としては、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセ
リン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルな
どの多価アルコール部分脂肪酸エステル、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル
フェニルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エス
テル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルなどのエ
チレンオキサイド付加物、アルキルアミン、アルキルア
ミド、アルキルエタノールアミン、アルキルエタノール
アミドなどのアミン、アミド類、ポリアルキレングリコ
ール、グラニジン誘導体、含リン酸陰イオン活性剤、ス
ルホン酸塩誘導体、第四アンモニウム塩、ピリジニウム
塩、イミダゾリン誘導体の他、ポリビニルアルコール、
アクリル酸系の親水性ポリマー、ピロリジウム環を主鎖
に有するポリマー、更にはシリカゾル、アルミナゾル等
が挙げられ、又、グループ(3)としては、ミネラルオ
イル、液状ポリブテン、前者に含まれない油脂類、他に
粘性液体(500センチポイズ以上)等があり、これら
は単独又は適宜併用される。又、上記の各処理、又は、
各グループの添加剤等を自由に組合せても良い。
(B)および(C)の少なくともそれぞれ各1層からな
る少なくとも3層から構成されるが、層の配置として
は、 (i)3層の場合 A/B/C、B/A/C、A/C/B (ii)4層の場合 B/A/B/C、C/A/C/B、C/A/B/C、B
/C/A/B、A/C/B/C、A/B/C/B、A/
B/A/C、A/C/A/B (iii)5層の場合、 B/A/C/A/B、B/A/B/C/B、B/C/A
/C/B、C/B/A/B/C、C/A/B/A/C、
C/B/C/A/C、B/A/C/A/C、B/A/B
/A/C、B/C/A/B/C、B/C/B/A/C、
A/B/C/B/C、A/B/A/B/C、A/C/A
/B/C、A/C/B/A/C、A/C/B/C/B、
A/B/C/A/B、A/B/A/C/B、A/C/A
/C/B (iv)7層の場合 C/A/B/A/B/A/C、C/B/C/A/C/B
/C、C/A/C/B/C/A/C、C/B/A/B/
A/B/C、C/B/A/C/A/B/C、C/A/B
/C/B/A/C、C/B/A/C/B/A/C、B/
A/C/B/C/A/B、B/C/A/B/A/C/
B、B/A/B/C/B/A/B、B/C/B/A/B
/C/B、B/C/A/C/A/C/B、B/A/C/
A/C/A/B、B/A/B/A/B/C/B、C/A
/B/A/B/C/B、C/B/A/B/A/C/B、
C/B/A/C/B/A/B、C/A/B/A/B/A
/B、C/B/A/B/A/B/A、C/A/C/B/
A/B/A、C/B/C/A/C/B/A、C/B/A
/C/A/B/A……他等が挙げられるが、これに限定
されないものとする。他に6層、8層………それ以上の
場合も含むものとする。又、(A)層の少なくとも1層
が内部層に位置し、これに(B)層の少なくとも1層が
隣接し、かつ、少なくとも表層の1つが(C)層である
層配置が好ましい。
それぞれ2層以上有する場合、それらの層を構成する樹
脂は、それぞれ同一であっても、又異なっていても良
い。又、(B)層はそれぞれ異なる熱可塑性ポリエステ
ルを主体とした重合体の多層、例えば(B1 )/
(B2 )等であっても良く、(A)層についても同様で
ある。又、更に使用条件により必要によっては、各層間
の接着力を改良するために、場合により、別の公知の接
着性樹脂よりなる接着層を設けても良い。かかる接着層
に用いられる樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、エ
チレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体、又
はエチレンと上記の共重合する各単量体の自由な組合せ
の少なくとも2種からなる多元共重合体、又は、他のエ
チレン−酢酸ビニル共重合体の部分ケン化物、エチレン
−一酸化炭素−酢酸ビニル共重合体、熱可塑性ポリウレ
タン、公知の酸変性ポリオレフィン等が用いられる。
厚みが5〜100ミクロン、より好ましくは7〜80ミ
クロンである。5ミクロン未満では、フィルムの腰が不
足する傾向にあると共に引き裂け易くなる等、包装時の
作業性に問題が生じると共に、主たるガスバリア層とし
ての内部層(A)のとりうる厚みも薄くなり、実用上支
障をきたす。又、100ミクロンを越えるとフィルムの
腰が強くなり過ぎ、フィット性、シール性が悪くなる等
の問題点を有するようになる。又、収縮の応答性が悪く
なったり、全体の収縮力が強くなり過ぎたりして、仕上
りが損なわれることがある。好ましい態様としての内部
層(A)の厚みは、合計で0.5〜20ミクロン、好ま
しくは、1.0〜15ミクロンである。0.5ミクロン
未満では、ゲル等の異物によるピンホールの発生の確率
の増大や厚みムラの影響によるガスバリア性の品質低下
を招く場合がある。又、20ミクロン以上では、高価格
レジンの使用によるコストアップ、又は性能上過剰であ
る。又、延伸性に問題が生じたりする。
性多層フィルムの種々の構成に応じて適宜選ばれるが、
一般に1〜60μ、好ましくは2〜40μ、より好まし
くは3〜30μである。1μ未満では、延伸改良効果に
乏しかったり、実用上の収縮特性が得られ難い。又60
μを越えると腰や収縮力が強くなり過ぎることによるト
ラブルが発生し易くなる。
の総厚みの比率は、0.3〜20、好ましくは0.5〜
20、より好ましくは0.7〜20、更に好ましくは
1.0〜20であり、その下限は延伸改良性(安定性、
延伸条件範囲の拡大性)から制限され、上限は延伸改良
効果と収縮性能の発現効果の飽和および過剰性能を避け
る上で制限される。
の特性に応じてフィルム全体厚みの5〜90%の範囲で
好適に使用され、2〜50ミクロン、好ましくは3〜4
0ミクロンである。(但し、前述の接着層を用いる場合
には、その使用厚みは(C)層の総厚みに含むものとす
る。)又、(C)層を表層に用いる場合、1つの表層を
形成する(C)層の厚みは1ミクロン以上、好ましくは
1.5ミクロン以上である。(C)層の総厚みの下限
は、引裂強度等の機械的強度の発現効果やシール性を確
保する上で必要であり、上限は延伸製膜性や収縮性への
実質的な悪影響や過剰性能を避けるために制限される。
一例について述べるが、これに限定されるものではな
い。まず、本発明の多層フィルムの各層((A)、
(B)、(C)層および必要に応じて接着層)を構成す
る重合体をそれぞれの押出機で溶融して多層ダイで共押
出し急冷して、少なくとも(B)層が実質的に非晶状態
を保つように冷却固化して多層フィルム原反を得る。
層を実質的に非晶状態に保つのは、後の延伸製膜を容易
ならしめるためのものであり、有効な分子配向の付与と
厚みの均一性等を達成する上で重要である。(B)層が
混合樹脂で構成される場合は、少なくとも主体をなす熱
可塑性ポリエステルが非晶状態に保たれる。又、押出法
は、特に制限されるものではなく、多層のTダイ法、多
層のサーキュラー法等を用いることができ、好ましくは
後者が良い。
加熱して、(B)層を構成する樹脂のVicat軟化点
より20℃低い温度以上、(A)層を構成する主体とな
る樹脂の融点以下の延伸温度で、延伸を行なう。ここ
で、延伸温度とは、延伸開始から延伸終了までに至る流
れ方向でのフィルムの表面温度の平均値(延伸開始点、
延伸終了点、および延伸開始点と延伸終了点の中間点で
のフィルム表面温度の平均値。)で表わす。
樹脂の融点を越えると、破断が生じ易くなる他、有効な
配向を付与することが困難になり、得られるフィルムも
機械的特性が低下したり、熱収縮性も損なわれる。一
方、延伸温度が(B)層を構成する樹脂のVicat軟
化点より20℃低い温度未満の場合は、延伸応力が高く
なりすぎて破断が生じ易くなったり、厚みムラや白化現
象を発生し易くなる。好ましい延伸温度は(B)層を構
成する樹脂のVicat軟化点より15℃低い温度以
上、(A)層を構成する主体となる樹脂のVicat軟
化点以下の範囲である。
率で5〜50倍、好ましくは8〜36倍で延伸し、用途
により必要な熱収縮率に応じて適宜選択される。延伸方
法としては、ロール延伸法、テンター法、バブル法等、
特に制限はないが、同時二軸延伸で製膜される方法が好
ましい。又、必要に応じ、後処理、例えばヒートセッ
ト、他種フィルム等とのラミネーションが行なわれても
よく、更に、延伸前、後に自由に電子線、紫外線等のエ
ネルギー線により改質処理が施されても良い。
特に収縮包装に適しているが、特にその優れたガスバリ
ア性を生かして、家庭用、業務用ラップフィルムとして
も利用可能なフィルムである。以下、本発明を実施例に
て更に詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるも
のではない。
評価方法を記す。 (1)結晶化度 原料樹脂を充分アニーリング処理し、平衡状態としたも
のを広角X線回析法により求めた。X線装置は理学電機
社製ロータフレックスRV−200B(グラファイト・
モノクロメーター使用)を用い、加速電圧:50KV、
管球電流:160mA(ターゲット:Cu)、2θ:5
〜36°で行った。また、簡易的にはあらかじめ広角X
線回析法で結晶化度を固定した試料を密度法(JIS
K7112−D法準拠)、またはDSC法(JIS K
7122準拠)で測定して検量線を求めておき、未知試
料を密度法、DSC法で求めても良い。 (2)Vicat軟化点 原料樹脂を充分に加熱溶融した後急冷して、少なくとも
原料樹脂が熱可塑性ポリエステルの場合には無定形状態
にして、厚み3±0.2mmの試料を作製し、ASTM
D1525−76(Bate:B、荷重1Kg)によ
って測定した。 (3)ガラス転移点 上記(2)と同様にして得た試料(約10mg)を用
い、DSC法により窒素気流下にて10℃/分の昇温速
度で測定した。 (4)融点 DSCにより、上記(3)の条件で一旦、290℃まで
昇温した後、20℃/分の降温速度で室温以下に冷却
し、再度10℃/分で昇温して測定を行ない、その時の
主吸熱ピーク温度を融点とした。 (5)フィルム表面温度 鉄−コンスタンタン型熱電対を用いた接触式の表面温度
計を用い、フィルム表面に熱電対先端を接触させ、20
秒後の指示値をフィルム表面温度とした。 (6)製膜安定性 所定の方法において加熱延伸を行った際の、フィルムの
連続安定性(延伸バブルの連続安定性)、出来上がった
フィルムの厚み斑について評価した。
変動ず、連続安定性が良好。 ○:フィルム厚み斑が±15%以内。 △:延伸開始位置がやや不安定。厚み斑±15%を越
え、±25%以内。 ×:フィルム切れ、バブルのパンクが多発。
変動が大きく、厚み斑が±25%を越える。 (7)加熱収縮率 100mm角のフィルム試料を100℃に設定したエア
オーブン式恒温槽に入れ、自由に収縮する状態で10分
間処理した後、フィルムの収縮量を求め、元の寸法で割
った値の百分比で表した。1軸延伸の場合は延伸方向、
好ましい態様である2軸延伸の場合には、縦、横方向の
平均とした。 (8)HAZE ASTM−D−1003−52に準じて測定した。 (9)引張弾性率 ASTM−D−882−67に準じて行い、2%伸び時
の応力を100%に換算した値で表した。 (10)O2 TR(酸素透過度)単位:cc/m2 ・2
4hr・atm ASTM D3985の方法により測定した。 (11)引裂強度 ASTM−D−1922に準じて測定した。 (12)ヒートシール強度 延伸フィルムのヒートシール層同志が面するようにフィ
ルム片を重ね、インパルスシーラーにてシールしたもの
を15mm幅の試験片として、引張試験機でその剥離強
度を測定した。 (13)ジグザグ白化 100mm角のフィルム試料を加熱されたシリコーンオ
イルバス中で自由に収縮する状態で、タテとヨコの少な
くとも一方を40%以上加熱収縮させ、付着オイルを拭
きとったものについて、目視による白化の有無と白化し
た場合はその程度、および光学顕微鏡による断面観察を
行って評価した。(なお、最高熱収縮率が40%に充た
ない場合は、最高熱収縮条件下の試料を用いて評価し
た。) ◎:(A)層の屈曲および白化がほとんど止められな
い。
白化はほとんど無いか、微かに認む程度で実用上の支障
はない。 △:(A)層の屈曲が明らかに認められ、やや白化を生
じ、実用上問題となる場合がある。 ×:(A)層の屈曲が激しく、白化により透明性が著し
く低下。
に記す。 a1 ;エチレン−ビニルアルコール共重合体(エチレン
含量:44モル%、ケン化度:99%以上、MFR(2
10℃、2160g):3.5、ガラス転移点:55
℃、Vicat軟化点:150℃、融点:165℃) a2 ;同上(エチレン含量:38モル%、ケン化度:9
9%以上、MFR(210℃、2160g):3.2、
ガラス転移点:58℃、Vicat軟化点:154℃、
融点:176℃) a3 :同上(エチレン含量:29モル%、ケン化度:9
9%以上、MFR(210℃、2160g):3.2、
ガラス転移点:62℃、Vicst軟化点:175℃、
融点:190℃) a4 ;同上(エチレン含量:49モル%、ケン化度:9
9%以上、MFR(210℃、2160g):5.4、
ガラス転移点:48℃、Vicst軟化点:138℃、
融点:153℃) b1 ;酸成分としてテレフタル酸を主体とし、ジオール
成分が1,4−シクロヘキサンジメタノールを30モル
%とエチレングリコール70モル%よりなる共重合ポリ
エステル(Vicat軟化点:82℃、結晶化度:0%
(非晶質)) b2 ;酸成分としてテレフタル酸85モル%、イソフタ
ル酸15モル%、ジオール成分がエチレングリコール9
8モル%、ジエチレングリコール2モル%よりなる共重
合ポリエステル(Vicat軟化点:75℃、結晶化
度:20%、融点230℃) b3 ;酸成分としてテレフタル酸85モル%、イソフタ
ル酸10モル%、アジピン酸5モル%、ジオール成分が
エチレングリコール98モル%、ジエチレングリコール
2モル%よりなる共重合ポリエステル(Vicat軟化
点:67℃、結晶化度:10%、融点180℃) b4 ;酸成分としてテレフタル酸80モル%、イソフタ
ル酸20モル%、ジオール成分がテトラメチレングリコ
ール97モル%、エチレングリコール3モル%よりなる
共重合ポリエステル(Vicat軟化点:40℃、結晶
化度:15%、融点193℃) b5 ;慣用のフィルム形成性ポリエチレンテレフタレー
ト(Vicat軟化点:71℃、結晶化度:45%、融
点263℃) b6 ;酸成分としてテレフタル酸85モル%、イソフタ
ル酸15モル%、ジオール成分がエチレングリコールよ
りなる共重合ポリエステル(Vicat軟化点:70
℃、結晶化度:17%、融点220℃) c1 ;エチレン−酢酸ビニル共重合体(VAc10重量
%、Vicat軟化点:74℃、MFR(190℃、
2160g);3) c2 ;同上(VAc15重量%、Vicat軟化点:6
7℃、MFR(190℃、2160g);2) c3 ;低密度ポリエチレン(密度:0.92g/c
m3 、融点:106℃、Vicat軟化点:92℃、M
FR(190℃、2160g);2) c4 ;直鎖状低密度ポリエチレン(コモノマー:1−ヘ
キセン、密度:0.912g/cm3 、融点:117
℃、Vicat軟化点:87℃、MFR(190℃、2
160g);2.0) c5 ;超低密度ポリエチレン(コモノマー:1−ブテ
ン、密度:0.900g/cm3 、融点:115℃、V
icat軟化点:67℃、MFR(190℃、2160
g);2.0) c6 ;ポリプロピレン(密度:0.90g/cm3 、融
点:162℃、Vicat軟化点:153℃、MFR
(230℃、2160g);3.3) d1 ;無水マレイン酸変性エチレン−酢酸ビニル共重合
体(酢酸ビニル含量;28重量%、Vicat軟化点:
52℃、MFR(190℃、2160g);3)
1 (エチレン含量;44モル%、ケン化度;99%以
上、MFR(210℃、2160g);3.5、ガラス
転移点;55℃、Vicat軟化点:150℃、融点:
165℃)を(A)層、酸成分としてテレフタル酸を主
体とし、ジオール成分が1,4−シクロヘキサンジメタ
ノールを30モル%とエチレングリコール70モル%よ
りなる共重合ポリエステル;b1 (Vicat軟化点:
82℃、結晶化度;0%(非晶質))を(B)層、直鎖
状低密度ポリエチレン;C4 (コモノマー;1−ヘキセ
ン、密度;0.912g/cm3 、融点;117℃、V
icat軟化点:87℃、MFR(190℃、2160
g);2.0)にオレイン酸モノグリセライドとジグリ
セリンモノラウレートが重量比で1:1の添加剤を2.
0重量%含めたものを(C)層、更に接着層として、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体;C2 (VAc15重量
%、Vicat軟化点:67℃、MFR(190℃、2
160g);2)を用い、層配置が(C)/(接着層)
/(B)/(A)/(B)/(接着層)/(C)の7層
になるように環状多層ダイを用いて押出した後、冷媒に
て急冷固化して折巾200mm、厚み320μの各々各
層とも均一な厚み精度のチューブ状原反を作製した。各
層の厚みはチューブの外側から順に64μ/32μ/4
8μ/32μ/48μ/32μ/64μであった。つい
で、この原反を2対の差動ニップロール間に通し、加熱
ゾーンで115℃に加熱し、同雰囲気下の延伸ゾーン
(多段フード下)で延伸倍率、縦4.0倍、横4.0倍
に同時二軸延伸し、冷却ゾーンで20℃のエアーで冷却
してバブル延伸を行った。この時の延伸温度は103℃
であった。得られたフィルムの耳部(両端)をスリット
し、2枚のフィルムとして巻取機でロール状に巻取っ
た。
順に4μ/2μ/3μ/2μ/3μ/2μ/4μで合計
20μのフィルムであった。(Run−1)次に同じ原
反を用いて、延伸温度および延伸倍率を変え、上記と同
様に延伸を行ったが、どの場合もパンクによる破断は殆
ど発生せず、製膜安定性は良好であった。(Run−2
〜4)得られたフィルムの層構成、延伸条件、物性評価
結果を表1に示す。Run−1〜4のフィルムはジグザ
グ白化現象に関しての評価はいずれも◎で優れていた。
定性が極めて良好であり、実用上十分なヒートシール性
を有し、加熱収縮時のジグザグ白化が発生しにくく、ガ
スバリア性、光学特性、低温収縮生、機械的特性等に優
れるものであった。又、セロハンテープを使用して、
(A)層と(B)層間で剥離を試みたが極めて困難であ
った。
1と同様の層構成を有するチューブ状原反を用いて延伸
温度をそれぞれ165℃および76℃で延伸を行った
が、いずれもパンクが頻発し、安定して製膜を行うこと
が困難であった。
成のフィルムを得た。(なお、表層を形成する各(C)
層にはいずれも実施例1と同様に処理した添加剤が各表
層に対し1〜3重量%含む。)延伸条件、物性評価結果
を合わせて表2に示す。延伸製膜性は良好であり、得ら
れたフィルムもジグザグ白化に関しては良好であり(R
un比−3を除いていずれも○〜◎)、ガスバリア性、
低温収縮性等に優れるものであった。
厚み構成比で、表層の樹脂をポリプロピレン;C6 (密
度;0.90g/cm3 、融点;162℃、Vicat
軟化点;153℃、MFR(230℃、2160g);
3.3)に変更して作製した原反を用いて、延伸温度を
80℃〜170℃まで変更して延伸製膜を試みたもので
あるが、いずれもパンクが多発し、かろうじて延伸倍率
が縦3倍、横2.5倍の条件でスポット的にフィルムが
得られたが厚み斑も大きく(±25%)、一部ヒートシ
ールを試みたがシール条件としてはかなり高温で条件範
囲も極めて狭く、又シール部も含めて、その周辺の収縮
性が悪く、本発明が目的とするヒートシール性を有する
収縮性バリアフィルムとしては不適当なものであった。
ド物である。 c24;(c2 :40重量%+c4 :60重量%)
使用して表3に示す層構成のフィルムを得た。(各表層
には、いずれも実施例1と同様に処理した添加剤が各表
層に対し1〜3重量%含む。)製膜安定性は良好であ
り、いずれもジグザグ白化はほとんど生じなかった。
(◎)延伸条件、物性評価結果を同様に表3に示す。
(なお、表3中のc24は実施例2のRun−7で用いた
ものと同一のブレンド物である。)
4に示す層構成のフィルムを得た。(各フィルムの表層
はいずれも実施例3と同様な処理により、同様な添加剤
を含む。)延伸条件、物性評価結果を合わせて表4、表
5に示す。ジグザグ白化の評価はいずれも○〜◎と良好
であり、いずれも低温収縮性等に優れるものであった。
表4、表5における以下の記号はブレンド物を表わす。
ブタジエンブロックを水素添加したものを酸モデファイ
(無水マレイン酸2wt%)したもの。スチレン含量約
40重量%、MFR(230℃、2.16Kg)1.
0) a14;(a1 :80重量%+EVOH注):20重量
%) 注EVOH;(エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物。
エチレン含量約89モル%、ケン化度99%以上、MF
R(090℃、2.16Kg)5) a15;(a1 :80重量%+EVC:20重量%) EVC;(エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合
体。MFR(190℃、216Kg)3.5、融点66
℃) a16;(a1 :85重量%+Ny6:15重量%) Ny6;(ナイロン6。98%硫酸液中(25℃)で測
定した相対粘度2.8) a17;(a1 :85重量%+Ny6/66:15重量
%) Ny6/66;(共重合ナイロン6/66。ナイロン6
6含量;15重量%、95%硫酸液中(25℃)で測定
した相対粘度3.0) a18;(a1 :85重量%+IR:15重量%) IR;(エチレン−メタアクリル酸メチルエステル共重
合体(メタアクリル酸メチル含量20重量%)の部分ケ
ン化物(ケン化度40%)をMgイオンで、30%中和
したもの。MFR(190℃、2.16Kg)1.5) a19;(a1 :70重量%+IR:15重量%+Ny6
/66:15重量%) IRおよびNy6/66は上記のもの(RunNo.2
0、21で使用したもの)に同じ。
量%)(Vicat軟化点;87℃) c24;(c2 :40重量%+c4 :60重量%)
1 (エチレン含量;44モル%、ケン化度;99%以
上、MFR(210℃、2160g);3.5、ガラス
転移点;55℃、Vicat軟化点;150℃、融点;
165℃)を(A)層、酸成分としてテレフタル酸80
モル%、イソフタル酸20モル%、ジオール成分がテト
ラメチレングリコール97モル%、エチレングリコール
3モル%よりなる共重合ポリエステル;b4 (Vica
t軟化点;40℃、結晶化度;15%、融点;193
℃)を(B)層、直鎖状低密度ポリエチレン;c4 (コ
モノマー;1−ヘキセン、密度;0.912g/c
m3 、融点;117℃、Vicat軟化点;87℃、M
FR(190℃、2160g);2.0)にオレイン酸
モノグリセライドとジグリセリンモノラウレートが重量
比で1:1の添加剤を2.0重量%含めたものを(C)
層、更に接着層として、エチレン−酢酸ビニル共重合
体;c2 (VAc15重量%、Vicat軟化点;67
℃、MFR(190℃、2160g);2)を用い、実
施例1と同様な方法で層配置が(C)/(接着層)/
(B)/(A)/(B)/(接着層)/(C)の7層チ
ューブ状原反を作製した。各層の厚みが実施例1と同じ
であり、以下同様の条件で延伸製膜を行ったが、延伸開
始位置が変動し、パンクも頻発したため、延伸倍率を落
として、縦3.2倍、横2.4倍でかろうじてフィルム
を得たが、フィルム厚みの斑が大きく(±28%)、熱
収縮率も約17%で不均一なシワやうねりの発生が認め
られた。
2 (エチレン含量;38モル%、ケン化度;99%以
上、MFR(210℃、2160g);3.2、ガラス
転移点;58℃、Vicat軟化点:154℃、融点;
176℃を(A)層、慣用のフィルム形成性ポリエチレ
ンテレフタレート;b5 (Vicat軟化点:71℃、
結晶化度;45%、融点;263℃)を(B)層、接着
層として無水マレイン酸変性エチレン−酢酸ビニル共重
合体:d1(酢酸ビニル含量;28重量%、Vicat
軟化点:52℃、MFR(190℃、2160g);
3)を用い、層配置が(B)/(接着層)/(A)/
(接着層)/(B)の5層になるようにダイ内で溶融複
合して、60℃に温調された冷却ロールで厚み234μ
の各々各層とも均一な厚み精度のシート状原反を作製し
た。各層の厚みは上記の層配置の順に64μ/32μ/
42μ/32μ/64μであった。ついで、この原反を
条件として、85℃でタテ3倍、ヨコ3倍に逐次二軸
延伸を行った。また、条件として、まず95℃でタテ
3倍、引きつづき130℃でヨコ3倍に逐次二軸延伸を
行ったが、条件では、タテ方向の延伸は比較的スムー
ズであったが、ヨコ方向の延伸時フィルムの裂けが多発
したため、延伸速度を遅くしてかろうじて所定の延伸倍
率のフィルムを得た。しかしながら得られたフィルムに
は局部的な白化が認められ、その熱収縮率も約11%と
低いものであった。これは、延伸製膜に必要な原反の加
熱から延伸を含めた熱履歴が長いために結晶化が進行
し、熱収縮性が低下したためと思われる。
ヨコ共、比較的スムーズに延伸はできたが、得られたフ
ィルムの熱収縮率は8%と同様に低く、また、両者のフ
ィルムを少なくとも150℃以上で熱処理したものの熱
収縮率は2%以下であり、熱収縮性フィルムとしては不
適当であった。以上、公知の先行技術では、本発明の目
的とする優れた熱収縮性を有するフィルムを得ることは
困難であった。
ポリエチレン;c4 )/(エチレン−酢酸ビニル共重合
体;c2 )/(共重合ポリエステル;b1 )/(エチレ
ン−ビニルアルコール共重合体;a1 )/(b1 )/
(c2 )/(c4 )である7層チューブ状原反を用い、
これに加速電圧が750kVの電子線照射装置(日新ハ
イボルテージ社製)を用いて、電子線を5メガラッド
(Mrad)照射した。ASTM D2765に準拠し
て測定した各表層のゲル分率は、いずれも約6%と同等
であった。この原反を用いて、同様な方法で延伸製膜を
行ない、延伸温度101℃で延伸倍率が縦、横各4.0
倍の条件で厚み20μのフィルムを得た。製膜安定性
は、良好であり、得られたフィルムの熱収縮率は55
%、O2 TRは22cc/m2 ・24hr・atm、ヒ
ートシール強度は0.83kg/15mmと特に熱収縮
性とヒートシール性に優れ、ジグザグ白化も全くない
(◎)フィルムであった。(Run−33)
酸モノグリセライド、ジグリセリンラウレート、ミネラ
ルオイル、及び水添石油樹脂(水添シクロペンタジエン
樹脂)が重量比で1:1:1:0.5の添加剤を3.0
重量%含ませたものを(C)層として用い、その他の層
は実施例1と同じ樹脂を用いて、実施例1と同様な方法
で層構成が(c4 )/(c2 )/(b1 )/(a1 )/
(b1 )/(c2 )/(c4 )で厚み160μの7層チ
ューブ状原反を得た。各層の厚みはチューブの内側から
順に24μ/16μ/32μ/16μ/32μ/16μ
/24μであった。この原反に、加速電圧が500kV
の電子線照射装置(日新ハイボルテージ社製)を用い
て、電子線照射処理(8Mrad)を行った。ASTM
D2765に準拠して測定した各表層のゲル分率は、
チューブの内側の表層が9.0%、同外側の表層が8.
5%とほとんど同じであった。この原反を用いて、同様
な方法で延伸温度112℃、延伸倍率が縦、横各4.0
倍の条件で延伸製膜を行ない、厚み10μのフィルムを
安定して得た。(Run−34)得られたフィルムの熱
収縮率は27%であり、ジグザグ白化もほとんど認めら
れなかった。(評価:◎)又、このフィルムについて、
ラップフィルムとしての適性を評価したところ、本発明
のフィルムは腰があり、カット性が良く、フィルム同志
のまとわりつきも少ないために作業性が容易であった。
また自己粘着性も良好であり、電子レンジでの加熱処理
に対してもフィルムのめくれ、溶融による穴あきや白化
現象がなく、電子レンジ適性も良好であった。
ー(旭化成工業(株)製サランラップR 用箱)で切断し
て見ると、切断途中から異方向への裂けがなく、ほぼ鋸
歯に沿って無駄なくスムーズにカットできるものを良好
とした。 粘着性:200mm×200mmのフィルムで瀬戸
物湯飲み(口径約60mm)をくるみ、24hr後の密
着状態で目視判定を行った。 電子レンジ適性:豚バラ肉約40gをフィルムで包
み、定格高周波出力600Wの電子レンジを用いて3分
間処理し、フィルムの変化を目視判定した。
表6に示す層構成のフィルムを得た。延伸条件、物性評
価結果を合わせて表6に示す。RunNo.37および
38の延伸製膜後の各熱可塑性ポリエステル層の結晶化
度は、それぞれ7%と11%であった。(測定は得られ
たフィルムをメタノール中に室温以下で10hr以上浸
漬した後、熱可塑性ポリエステル層を剥離したものを風
乾燥後、密度勾配管にて密度を測定し、あらかじめ広角
X線回析法で結晶化度を固定した試料を同様に密度法に
て測定して作成した検量線より求めた。)これらのフィ
ルムのジグザグ白化の評価は、いずれも○〜◎であっ
た。
ノオレート約150mg/m2 の塗布量になるように全
面ほぼ均一にコーティング処理を行い、実施例6と同様
にラップフィルムとしての適性を評価したところ、同様
にカット性、自己粘着性等が良好であり、電子レンジ適
性も満足なものであった。
レイン酸モノグリセライドとジグリセリンモノラウレー
トが重量比で1:1の添加剤を1.5重量%含めたもの
を(C)層として用い、層構成が(共重合ポリエステ
ル;b1 )/(エチレン−ビニルアルコール共重合体;
a4 )/(c1 )で厚み126μの3層チューブ状原反
を実施例1と同様な方法で得た。各層の厚みはb1 層が
36μ、a4 層18μ、c1 層72μであった。以下実
施例1と同様な方法で延伸温度が98℃、延伸倍率が
縦、横各3倍の条件で延伸製膜を行い、厚みが14μの
均一なフィルムを得た。得られたフィルムの熱収縮率は
39%、O2 TRは49cc/m2 ・24hr・at
m、c1 層をヒートシール層としたヒートシール強度は
0.61kg/15mmであり、実用上十分なヒートシ
ール性を有し、ジグザグ白化も実用上問題のない(評
価:○)、熱収縮性に優れるフィルムであった。(Ru
n−39)
1 を(a)層、共重合ポリエステル;b1 を(B)層お
よびエチレン−酢酸ビニル共重合体;c1 を(C)層と
して用い、実施例1と同様な方法で4層チューブ状原反
を得た後、同様に加熱延伸製膜を行い表7に示す層構成
のフィルムを得た。いずれも製膜安定性は良好であっ
た。延伸条件、物性評価結果を同様に表6に示す。又、
ジグザグ白化はRun−41で若干認められたものの
(評価:△〜○)、Run−40および42のフィルム
は良好であり(評価:○)収縮性等に優れたフィルムで
あった。
レン−酢酸ビニル共重合体:c1 には実施例8で使用し
た同様の添加剤(1.5重量%)が含有されており、R
un−42ではチューブ状原反を作製する際、チューブ
内部にミネラルオイルとジグリセリン・モノオレートの
混液(重量比で50:50)を封入してニップロールで
しごくことにより内面コーティング処理を施した。
うち、共重合ポリエステル;b1 で構成される(B)層
を除いた層構成で実施例1と同様な方法で5層のチュー
ブ状原反を得た。厚み構成比は(c4 :74μ)/(c
2 :37μ)/(a2 :49μ)/(c2 :37μ)/
(c4 :74μ)で原反厚みはRun−8とほぼ同じ2
71μであった。これを同様な方法で延伸温度がおよそ
70℃から170℃の範囲で条件を種々変更して延伸製
膜を試みたが、バブルは不安定でかつ、パンクが多発
し、延伸製膜は極めて困難であった。
加速電圧が750kVの電子線照射装置(日新ハイボル
テージ社製)を用いて、電子線を12Mrad照射した
後、再度同様な方法により延伸製膜を試み、延伸温度1
34℃、延伸倍率縦、横共各3.5倍の条件でほぼ安定
して厚み22μのフィルムを得た。しかし、このフィル
ムの100℃での熱収縮率は19%と低く、低温収縮性
に劣る他、明瞭なジグザグ現象が発生し、透明性が劣化
する(評価:×)等の問題が発生した。
ルムは、環境衛生面でも十分な適応性を有するエチレン
−ビニルアルコール系共重合体を主体とした重合体層を
主たるガスバリア層として有し、該重合体層を構成する
主体となるエチレン−ビニルアルコール系共重合体との
関係において、熱可塑性ポリエステルを主体とした特定
のVicat軟化点を有する重合体層を組み合わせるこ
とで、優れた延伸製膜性と熱収縮性、特に低温収縮性を
同時に達成し、加えて従来問題であった熱収縮時におけ
る上記ガスバリア層のジグザグ白化現象が発生しにくい
といった実用上極めて有効な付随効果を発現する他、更
に延伸性を阻害しない特定の熱可塑性樹脂層を配するこ
とで、ガスバリア性は勿論のこと、ヒートシール性、機
械的特性や光学特性に優れ、主として各種包装材料の用
途に極めて有用である。
Claims (3)
- 【請求項1】 少なくとも1層のエチレン−ビニルアル
コ−ル系共重合体を主体とした重合体層(A)と、その
他の層として、その層を構成する樹脂のVicat軟化
点が該(A)層を構成する上記主体となる樹脂のガラス
転移点以上で且つ同主体樹脂のVicat軟化点以下の
値を有する少なくとも1層の熱可塑性ポリエステルを主
体とした重合体層(B)、およびVicat軟化点が1
30℃以下である上記(A)、(B)に主体として使用
したもの以外の熱可塑性樹脂で構成される重合体層
(C)を含み、100℃における熱収縮率が、タテとヨ
コの少なくとも1方向において20%以上であることを
特徴とする熱収縮性多層フィルム。 - 【請求項2】 重合体層(C)を構成する熱可塑性樹脂
がポリプロピレン系重合体、エチレン系重合体、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カル
ボン酸共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エ
ステル共重合体、α−オレフィン共重合体よりなる軟質
重合体、イオン架橋性共重合体、ビニル芳香族炭化水素
と共役ジエン誘導体とのブロック共重合体およびその誘
導体、結晶性1,2ポリブタジエン、ポリブテン−1系
重合体の群から選ばれた少なくとも1種の重合体である
特許請求の範囲第1項記載の熱収縮性多層フィルム。 - 【請求項3】 重合体層(A)の少なくとも1層が内部
層に位置し、重合体層(B)の少なくとも1層がこれに
隣接し、かつ、少なくとも表層の1つが重合体層(C)
である特許請求の範囲第1項又は第2項に記載の熱収縮
性多層フィルム。
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