JP3172137B2 - 熱収縮性ポリスチレン系積層フイルム - Google Patents
熱収縮性ポリスチレン系積層フイルムInfo
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Description
束包装や収縮ラベル等の用途に好適な特性を有する熱収
縮性積層フイルムに関する。
るいはプラスチック容器の収縮ラベル、ガラス容器の破
壊飛散防止包装やキャップシールなどに広く利用される
熱収縮性フイルムの材質としては、ポリ塩化ビニル(P
VC)が最もよく知られている。これは、PVCから作
られた熱収縮性フイルムが、機械強度、剛性、光学特
性、収縮特性等の実用特性、及びコスト性も含めて、ユ
ーザーの要求を比較的広く満足するからである。しかし
ながら、PVCは廃棄物処理の問題等があることから、
PVC以外の材料からなる熱収縮性フイルムが要望され
ていた。
て、スチレンーブタジエンブロック共重合体(SBS)
を主たる材料とするポリスチレン系熱収縮性フイルムが
提案され使用されているが、このポリスチレン系フイル
ムは、PVCフイルムに比べ、収縮仕上がり性は良好な
ものの、室温における剛性が乏しく、自然収縮(常温よ
りやや高い温度、例えば夏場においてフイルムが本来の
使用前に少し収縮してしまうこと)率が大きいことや、
耐破断性に劣る等の問題を有している。また、その重合
方法に起因して、比較的高価な材料となることは避け難
かった。
は、スチレン系モノマーと(メタ)アクリル酸エステル
系モノマーからなる共重合体の連続相中にゴム状弾性体
を分散させたポリスチレン系樹脂に着目し検討を行い、
剛性や耐破断性等の特性、及びコスト性に関しては良好
な結果を得ることができた。
重要な特性である収縮仕上がり性が不十分であり、被収
縮製品のディスプレー効果を著しく低減してしまい、ま
た前記のSBSを主たる材料とするポリスチレン系熱収
縮フイルムと比較して、ボトリング時にラベル同士が融
着する、いわゆる熱融着性に劣るために破れを生じた
り、フイルム透明性が低下してしまうため、熱収縮性フ
イルムとしての要求を満足できないことが分かった。
29838号等で提案したように上記内容のゴム状弾性
体分散ポリスチレン樹脂を用い、押出条件と延伸条件を
制御することにより特定の収縮特性を与えることで、透
明性が良好で収縮仕上がり性も向上し、また滑剤の添加
等によって熱融着性も改良されたフイルムを得ることが
できた。
状弾性体分散ポリスチレン系樹脂でも、ビカット軟化温
度以上での温度領域で急激に弾性率が低下するため、収
縮トンネル内(特に高温熱風下)でのボトル用ラベル等
の収縮工程において、ボトルの肩部等でフイルム端部が
折れる現象、いわゆるフイルムの倒れ込みに起因するシ
ワ入りやアバタ等が発生しやすいという問題があり、さ
らに改良が要望されていた。
外両層がスチレンーブタジエンブロック共重合体及びポ
リスチレンを含有する樹脂層と、中間層がポリスチレン
樹脂層からなる共押出積層体を延伸してなる熱収縮性多
層フイルムが開示されている。しかし、該公報で規定さ
れている方法のみでは、該特許を示す低温収縮性を達成
しないことが分かった。また、中間層として例示されて
いるGPPSでは収縮仕上り性や耐破断性で、HIPS
では収縮仕上り性と透明性で、実用上の問題があった。
を重ねた結果、ビカット軟化温度が特定の範囲のゴム状
弾性体分散ポリスチレン系樹脂を中間層とし、さらにビ
カット軟化温度が特定範囲のスチレン系炭化水素と共役
ジエン系炭化水素からなるブロック共重合体を主成分と
した樹脂を表裏層とした積層フイルムを延伸することに
よって、単層では解決の困難であった上記の諸問題が解
決できることを見出し本発明を完成するに至った。
チレン系モノマーと(メタ)アクリル酸エステル系モノ
マーよりなるスチレン系共重合体の連続相に分散粒子と
してゴム状弾性体を1〜20重量%含有した樹脂を主成分
とするビカット軟化点が50〜85℃の範囲にある樹脂を中
間層とし、スチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素
とからなるブロック共重合体にスチレン系重合体を配合
してなる混合重合体、あるいは異なった種類の上記ブロ
ック共重合体を2種類以上配合してなる混合重合体樹脂
からなるビカット軟化温度が70〜95℃の範囲である樹脂
を表裏層としてなる積層フィルムであって、表裏層のビ
カット軟化温度が中間層のビカット軟化温度よりも5℃
以上高く、また上記積層フィルムは少なくとも1軸に延
伸したフィルムであって、100℃ × 1分の熱収縮率が
少なくとも一方向において40%以上であることを特徴と
する熱収縮性ポリスチレン系積層フィルムにある。
本発明の熱収縮性フイルムの中間層を構成する樹脂は、
スチレン系モノマーと(メタ)アクリル酸エステル系モ
ノマーよりなるスチレン系共重合体の連続相に、分散粒
子としてゴム状弾性体を1〜20重量%含有し、ビカッ
ト軟化温度が50〜85℃の範囲にあるゴム状弾性体分
散ポリスチレン系樹脂であり、連続相を共重合体とする
ことにより分散粒子と屈折率を合わせ透明性を維持する
とともに、ゴム状弾性体の効果により耐衝撃性を付与し
たものである。
α−メチルスチレン、p−メチルスチレンなどを挙げる
ことができる。また、メタ(アクリル)酸エステル系モ
ノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、ブチル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリ
ル(メタ)アクリレート等を用いることができる。ここ
で上記(メタ)アクリレートとはアクリレート及び/又
はメタクリレートを示している。
エステル系モノマーの比率は、この連続相の屈折率が選
択したゴム状弾性体分散粒子の屈折率に近くなるように
選択されるが、通常30〜90/70〜10重量%の範
囲で、他の特性も考慮しながら適宜調整される。
レン系モノマーはスチレンであり、一方、(メタ)アク
リル酸エステル系モノマーはメチルメタクリレート(以
下「MMA」と表記する)及びブチルアクリルレート
(以下「BA」と表記する)である。この理由は、工業
的に非常に多く生産されているため原料としてのコスト
性に優れ、しかも重合時の反応性が高く原料生産上のコ
スト性にも優れるばかりか、ランダム性の高い共重合が
可能で、三者の組合せによってビカット軟化温度をはじ
めとする特性の制御が容易なためである。
BA=30〜90/10〜70/10〜20重量%の範
囲で調整される。MMAの共重合比はより好ましくは2
0〜60重量%の範囲であるが、この範囲外では、連続
相の屈折率をゴム状弾性体分散粒子の屈折率に近くなる
ように設定することが困難になり透明性が低下し、熱収
縮性フイルムとしてのクリアーなディスプレー効果が低
下して、好ましくない。本発明の熱収縮性フイルムにお
いては、上記組成からなる中間層のビカット軟化温度が
50〜85℃、より好ましくは55〜80℃の範囲にあ
ることが重要である。
られた熱収縮フイルムの自然収縮率が非常に大きくなて
しまう。自然収縮率はより小さいほうが好ましいが、一
般的に1%未満、より好ましくは0.5%未満であれば
実用上問題を生じない。また、85℃を越えると収縮率
不足となり、収縮仕上がり性が低下してしまい好ましく
ない。
成に依存する。スチレン/MMA/BAの系でいうと、
剛直なMMA成分はビカット軟化温度を高め、柔軟なB
A成分はビカット軟化温度を下げるのでこれらの成分比
でビカット軟化温度を調整することができる。このスチ
レン系共重合体からなる連続相中には、分散粒子として
ゴム状弾性体を含有している。ここでいうゴム状弾性体
としては、常温でゴム的性質を示すものであればよく、
例えばポリブタジエン類、スチレン−ブタジエン共重合
体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体類、イソプ
レン共重合体類が好適に用いられる。
(連続相+分散粒子)の1〜20重量%、より好ましく
は3〜15重量%の範囲とすればよく、1重量%未満で
は得られる熱収縮性フイルムの耐衝撃性(耐破断性)が
低くなり、20重量%を越えると、熱収縮性フイルムの
剛性が低下し、例えば収縮ラベルとしてボトルなどに被
覆する工程で所定の位置に被覆ができない等の不具合を
生じる。
は、0.1〜1.5μmの範囲が好ましく、分散粒子径
が0.1μm未満のものでは、熱収縮性フイルムの耐衝
撃性の効果が十分発現しない。一方、分散粒子半径が
1.5μmを越えるものでは、耐衝撃性は十分付与され
るが、透明性が低下してしまう。なお粒子径は、原料ペ
レットから超薄切片法により調整した試料を透過型電子
顕微鏡を用いて撮影した写真から求めた数平均粒子径で
ある。
性体分散ポリスチレン系樹脂の製造は、連続相形成用の
原料溶液中にゴム状弾性体を溶解し、攪拌しながら重合
する方法によることができる。ゴム状弾性体粒子は、フ
イルム製膜までのいかなる工程でも添加することが可能
であるが、重合時に重合槽中のモノマー及び重合溶液に
添加し分散することが最も効果的である。モノマー及び
重合溶液は粘度が低く分散が容易であり、また重合時に
ゴム状弾性体の粒子表面にモノマーがグラフト重合し、
連続相重合体への親和性が著しく高まり、透明性と耐衝
撃性向上効果が最も発現しやすい。分散粒子の粒子径は
ゴム状弾性体の種類や分子量にも依存するが、重合槽の
攪拌羽根の回転数にも大きく依存する。本発明では、こ
の回転数を調整し、分散粒子径を制御することが望まし
い。
である上記内容のゴム状弾性体分散ポリスチレン系樹脂
の他に、他の樹脂をブレンドすることも可能である。た
だし、上記記載のように連続相と分散相の屈折率を合わ
せて透明性を維持しているため、その屈折率が出来るだ
け近い樹脂(主にポリスチレン系樹脂)を選択すること
が好ましい。上述した内容の中間層は本発明のフイルム
が持つ優れた特性のうち、特に剛性、低自然収縮性、実
用収縮率、低コスト性を発現させる機能を担っている。
る樹脂は、スチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素
とからなるブロック共重合体を主成分とし、ビカット軟
化温度が70〜95℃の範囲のものである。このビカッ
ト軟化温度が上記範囲未満のものでは、収縮トンネル内
でのペットボトル用ラベル等の収縮工程においてフイル
ムの倒れ込み等が発生し、良好な収縮仕上がり性を得ら
れなくなり、耐熱融着性も発現し難くなり好ましくな
い。また、上記範囲以上では良好な収縮仕上がり性が得
られないという問題がある。
化温度は中間層樹脂のビガット軟化温度よりも5℃、よ
り好ましくは10℃以上高い方が好ましい。このビカッ
ト軟化温度が中間層と表裏層で異なることによって、よ
り収縮仕上がりが良好となる。また、耐熱融着性を発現
させるためにも表裏層が高い方が好ましい。
レン系炭化水素ブロックには、例えばスチレン、o−メ
チルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレ
ン等の単独重合体、それらの共重合体及び/又はスチレ
ン系炭化水素以外の共重合可能なモノマーをブロック内
に含む共重合体等がある。
役ジエン系炭化水素ブロックには、例えばブタジエン、
イソプレン、1,3−ペンタジエン等の単独重合体、そ
れらの共重合体及び/又は共役ジエン系炭化水素以外の
共重合可能なモノマーをブロック内に含む共重合体があ
る。
分の構造は特に限定されない。ブロック共重合体の構造
としては、例えば直線型、星型等がある。また、各ブロ
ック部分の構造としては、例えば完全対称ブロック、非
対称ブロック、テトラブロック、テーパードブロック、
ランダムブロック等がある。また、共重合組成比、ブロ
ック共重合の構造及び各ブロック部分の構造、分子量、
重合方法の異なるブロック共重合体を2種類以上配合さ
れているものでもよい。
る樹脂の組成は、スチレン系炭化水素はスチレンであ
り、共役ジエン系炭化水素がブタジエンのいわゆるスチ
レン−ブタジエン共重合体(SBS)を主体とする混合
物である。この理由は、工業的に非常に多くの種類の樹
脂(共重合組成比、共重合の構造、ブロック部分の構
造、分子量等が異なっている)、つまり屈折率や熱的性
質をはじめとする特性が異なった樹脂が生産されている
ため、要求特性に応じて複数の異なったスチレン−ブタ
ジエン共重合体を組合せることによってフイルム特性の
制御が容易に行えるからである。
エン共重合体混合物以外にもスチレン系重合体を配合す
ることもできる。本発明において最も好適に用いられる
スチレン系重合体はポリスチレン(GPPS)である。
本発明積層フィルは主に中間層を構成する樹脂によって
剛性を付与しているが、収縮仕上がり性を低下させない
範囲でポリスチレンを混合することによって表裏層の剛
性の向上も期待できる。
間層を構成する樹脂単層では透明性が発現し難いことを
改良する機能を担っている。すなわち、中間層を構成す
る樹脂はビカット軟化温度以上の温度領域で連続相が軟
化して急激に弾性率が低下するため、単層では延伸加工
時に分散しているゴム状弾性体がフイルム表面に突出し
やすく、透明性の低下したフイルムとなってしまうが、
前述した樹脂から構成される表裏層を積層し延伸するこ
とによりこの現象を防止し、透明性を保持させることが
できる。
としては、全ヘーズで10%以下であることが好まし
く、より好ましくは7%以下、さらに好ましくは5%以
下である。全ヘーズが10%を越えるようなフイルムで
はクリアーなディスプレー効果が低下して好ましくな
い。上述した内容の表裏層は本発明の積層フイルムがも
つ優れた特性うち、特に良好な収縮仕上がり性、耐熱融
着性、透明性を発現させる機能を担っている。
ムでの厚み比は、(表層+裏層)/中間層=1/1〜1
/5であることが好ましく、1/2〜1/4がより好ま
しい。中間層の厚みが(表層+裏層)/中間層=1/5
を越えると、表裏層によって主に付与される収縮仕上が
り性が低下してしまい、(表層+裏層)/中間層=1/
1未満となると剛性、耐自然収縮性が低下してしまう。
また、コスト面の観点からは上記範囲内でできるだけ中
間層を厚くすることが好ましい。なお、本発明のフイル
ムの表裏層の厚み比及び構成成分は、収縮特性やカール
防止等の点から同一厚み、同一組成に調整することが好
ましいが、必ずしも同じにする必要はない。
収縮開始温度を低下させる目的で可塑剤及び/又は粘着
付与樹脂を1〜10重量部、さらに好ましくは2〜8重
量部添加することが可能である。可塑剤及び/又は粘着
付与樹脂の量が1重量部未満であると、可塑化が十分達
成されず、低温収縮性が得られにくい。一方可塑剤及び
/又は粘着付与樹脂の量が10重量部を越えるものでは
溶融粘度の低下、耐熱融着性の低下を招き、自然収縮を
起こしてしまうという問題が生じ易い。添加量は中間
層、表裏層において同量もしくは異なった量でもよい。
本発明に用いられる可塑剤としては以下のものを例示す
ることができる。
ジペート、ジイソノニルアジペート、ジイソデシルアジ
ペート等の脂肪族エステル系可塑剤、 :ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオク
チルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジシクロヘ
キシルフタレート等の芳香族エステル系可塑剤、 :ポリ(1,4−エチレンアジペート)、ポリ(1,
4−エチレンサクシネート)等の脂肪族ポリエステル系
可塑剤、 :トリクレジルホスフェート、トリフエニルホスフェ
ート等のリン酸エステル系可塑剤。
例示することができる。 :ロジン、変成ロジン、重合ロジン、ロジングリセリ
ンエステル等のロジン系、:αピネン重合体、βピネ
ン重合体、ジペンテン重合体、テルペン−フェノール重
合体、αピネン−フェノール共重合体等のポリテルペン
系樹脂、 :シクロペンタジエン−イソプレン−(1,3−ペン
タジエン)−(1−ペンテン)の共重合体、(2−ペン
テン)−ジシクロペンタジエンの共重合体、1,3−ペ
ンタジエン主体の樹脂等のC5 系石油樹脂、 :インデン−スチレン−メチルインデン−αメチルス
チレン共重合体等のC8〜C10系のタール系石油樹脂、 :ジシクロペンタジエン主体の樹脂等のDCPD系石
油樹脂、及びa)〜e)の部分水添品や完全水添品。
脂では2種以上混合して用いてもよい。特に透明性と低
温収縮性等の収縮特性の改良効果とのバランスから可塑
剤としては、フタル酸系、ポリエステル系の可塑剤が、
粘着付与樹脂としては、重合度200以下の水添テルペ
ン樹脂、及び同じくC5 系水添石油樹脂が好適に使用さ
れる。
示した可塑剤もしくは粘着付与樹脂以外にも目的に応じ
て各種の添加剤、例えば、紫外線吸収剤、光安定剤、酸
化防止剤、安定剤、着色剤、帯電防止剤、滑剤、無機フ
ィラー等を各用途に応じて、中間層及び/又は表裏層に
適宜添加できる。
的に説明するが、下記製造方法に限定されない。中間層
用、表裏層用に各々上記内容で配合されたポリスチレン
系樹脂を別々の押出機によって溶融させ、得られた溶融
体をダイ内で合流させて押出す製造方法が一般的であ
る。押出に際しては、Tダイ法、チューブラ法などの既
存のどの方法を採用してもよい。溶融押出された積層樹
脂は、冷却ロール、空気、水等で冷却された後、熱風、
温水、赤外線、マイクロウエーブ等の適当な方法で再加
熱され、ロール法、テンター法、チューブラ法等によ
り、1軸または2軸に延伸される。
脂の軟化温度や熱収縮性フイルムに要求される用途によ
って変える必要があるが、概ね60〜130℃、好まし
くは80〜120℃の範囲で制御される。延伸倍率は、
フイルム構成組成、延伸手段、延伸温度、目的の製品形
態に応じて1.5〜6倍の範囲で適宜決定される。ま
た、1軸延伸にするか2軸延伸にするかは目的の製品の
用途によって決定される。
和しない時間内に速やかに、当フイルムの冷却を行うこ
とも、収縮性を付与して保持する上で重要な技術であ
る。延伸後の本発明フイルムは100℃×1分の熱収縮
率が少なくとも一方向において40%以上である必要が
ある。収縮率が40%未満の場合、収縮フイルムとして
実用的な機能を発揮し得ない。
は何ら制限を受けるものではない。なお、実施例に示す
測定値及び評価は次のように行った。ここで、フイルム
の引き取り(流れ)方向をMD、その直交方向をTDと
記載する。
に切り取り、100℃の温水バスに1分間浸漬し収縮量
を測定した。熱収縮率は、収縮前の原寸に対する収縮量
の比率を%値で表示した。
mm×TD298mmの大きさに切り取り、TDの両端
を10mm重ねて溶剤等で接着し円筒状にした。この円
筒状フイルムを、容量1.5リットルの円筒型ペットボ
トルに装着し、蒸気加熱方式の長さ3mの収縮トンネル
中を回転させずに、10秒間で通過させた。吹き出し蒸
気温度は99℃、トンネル内雰囲気温度は90〜94℃
であった。
歪みの大きさ及び個数を総合的に評価した。評価基準
は、シワ、アバタ、格子目の歪みがなく密着性が良好な
もの…(◎) シワ、アバタ、格子目の歪みがほとんどなく密着性も実
用上問題のないもの…(○) シワ、アバタ、格子目の歪みが若干あるか、収縮不足が
若干目立つもの…(△) シワ、アバタ、格子目の歪みがあるか、収縮不足が目立
ち実用上問題のあるもの…(×)とした。
に切り取り30℃の雰囲気の恒温槽に30日間放置し、
TD方向の収縮量を原寸に対する収縮量の比率を%値で
表示した。
取り、キャスティングロールに接した面同士を2枚重ね
て、10mm幅のヒートシールバーを有するヒートシー
ル機に、バーの長手方向にフイルムのMDを合わせセッ
トした後、所定の温度で片側より加熱し、1.5kgf
/cm2 の圧力で60秒間ヒートシールした。その後、
5分間放置してシール部を剥離し、破れずに剥離できる
最高温度を調査した。
定した。
体7重量%を分散粒子とし、スチレン47重量%、メチ
ルメタクリレート38重量%、ブチルアクリルレート8
重量%からなる共重合体が連続相となった樹脂(ビカッ
ト軟化温度温度:73℃)を中間層原料とし、スチレン
80重量%とブタジエン20重量%とからなるブロック
共重合体60重量%、スチレン71重量%とブタジエン
29重量%とからなるブロック共重合体30重量%、ポ
リスチレン10重量%の混合樹脂(ビカット軟化温度:
86℃)を表裏層原料とし、それぞれの原料を別々の押
出機で溶融押出しし、ダイ内で合流させて、表層/中間
層/裏層の3層構造からなる溶融体をキャストロールで
冷却し総厚み225μmの未延伸フイルムを得た。この
未延伸フイルムを105℃の温度の雰囲気のテンター延
伸設備内でTD方向に4.5倍延伸して、約50μm
(表層/中間層/表層=1/5/1)の熱収縮性積層フ
イルムを得た。得られたフイルムの特性評価結果を表1
に示した。
な樹脂を中間層原料とし、スチレン80重量%とブタジ
エン20重量%とからなるブロック共重合体85重量
%、ポリスチレン15重量%の混合樹脂(ビカット軟化
温度:91℃)を表裏層原料とする以外は実施例1と同
様な方法で熱収縮性積層フイルムを得た。
体10重量%を分散粒子とし、スチレン46重量%、メ
チルメタクリレート33重量%、ブチルアクリレート1
1重量%からなる共重合体が連続相となった樹脂(ビカ
ット軟化温度:67℃)を中間層原料とし延伸温度を9
8℃とする以外は実施例1と同様な方法で熱収縮性積層
フイルムを得た。
クチルフタレート(DOP)を3部添加した樹脂(ビカ
ット軟化温度:67℃)を中間層樹脂とし、延伸温度を
98℃とする以外は実施例1と同様な方法で熱収縮性積
層フイルムを得た。
な樹脂を中間層とし、スチレン80重量%とブタジエン
20重量%とからなるブロック共重合体80重量%、ス
チレン71重量%とブタジエン29重量%とからなるブ
ロック共重合体20重量%の混合樹脂(ビカット軟化温
度:83℃)を表裏層原料とする以外は実施例1と同様
な方法で熱収縮性積層フイルムを得た。
体7重量%を分散粒子とし、スチレン47重量%、メチ
ルメタクリレート46重量%からなる共重合体が連続相
となった樹脂(ビカット軟化温度:96℃)を中間層原
料とし、延伸温度を115℃とする以外は実施例1と同
様な方法で熱収縮性積層フイルムを得た。このフイルム
は良好な収縮仕上がり性を得ることは出来なかった。
体7重量%を分散粒子とし、スチレン51重量%、メチ
ルメタクリレート15重量%、ブチルアクリレート27
重量%からなる共重合体が連続相となった樹脂(ビカッ
ト軟化温度:48℃)を中間層原料とし、延伸温度を9
5℃とする以外は実施例1と同様な方法で熱収縮性積層
フイルムを得た。このフイルムは自然収縮率が2.41
%と実用上問題を生じた。
軟化温度:101℃)を中間層原料とし延伸温度を12
0℃とした以外は実施例1と同様な方法で熱収縮性積層
フイルムを得た。このフイルムは収縮不足となり良好な
収縮仕上がり性を得ることは出来なかった。また、手感
触での耐破断性も不良であった。
(HIPS:ビカット軟化温度:98℃)を中間層原料
とし延伸温度を120℃とした以外は実施例1と同様な
方法で熱収縮性積層フイルムを得た。このフイルムは全
ヘーズが25%と実用上問題を生じ、さらに収縮不足と
なり良好な収縮仕上がり性も得ることが出来なかった。
脂を中間層とし、表裏層も中間層と同様な樹脂とし延伸
温度を100℃とした以外は実施例1と同様な方法で熱
収縮性積層フイルムを得た。このフイルムは全ヘーズが
8.7%、耐熱融着温度が87℃と実用上問題を生じ
た。
脂を表裏層とし、中間層も表裏層と同様な樹脂としたこ
と以外は実施例1と同様な方法で熱収縮性積層フイルム
を得た。このフイルムは収縮仕上がりは良好なものの、
自然収縮率が1.97%と実用上問題を生じた。
間層、表裏層とも本件記述の原料組成に即し、ビカット
軟化温度が規定範囲にある場合は、熱収縮性フイルムと
して優れた低自然収縮率(自然収縮率0.5%以下)、
耐熱融着性(熱融着温度95℃以上)、透明性、収縮仕
上がり性を発現することが分かる。一方、比較例1〜4
のように中間層及び表裏層のいずれかが本発明の規定範
囲外になるか、もしくは比較例5、6のように各単層フ
イルムでは、収縮率、自然収縮率、耐融着性、透明性、
収縮仕上がり性のいずれかが不良となり、優れた熱収縮
性フイルムを得ることは難しいことが分かる。
る積層フイルムであって、各層が特定の熱的性質の範囲
をもつ特定のポリスチレン系樹脂からなり単層では困難
であった自然収縮率が低く、耐熱融着性、透明性、収縮
仕上がり性のいずれの特性に優れた熱収縮性ポリスチレ
ン系積層フイルムが得られる。
Claims (4)
- 【請求項1】スチレン系モノマーと(メタ)アクリル酸
エステル系モノマーよりなるスチレン系共重合体の連続
相に分散粒子としてゴム状弾性体を1〜20重量%含有し
た樹脂を主成分とするビカット軟化点が50〜85℃の範囲
にある樹脂を中間層とし、スチレン系炭化水素と共役ジ
エン系炭化水素とからなるブロック共重合体にスチレン
系重合体を配合してなる混合重合体、あるいは異なった
種類の上記ブロック共重合体を2種類以上配合してなる
混合重合体樹脂からなるビカット軟化温度が70〜95℃の
範囲である樹脂を表裏層としてなる積層フィルムであっ
て、表裏層のビカット軟化温度が中間層のビカット軟化
温度よりも5℃以上高く、また上記積層フィルムは少な
くとも1軸に延伸したフィルムであって、100℃× 1分
の熱収縮率が少なくとも一方向において40%以上である
ことを特徴とする熱収縮性ポリスチレン系積層フィル
ム。 - 【請求項2】 中間層の連続相中に含まれるスチレン系
モノマーがスチレンであり、(メタ)アクリル酸エステ
ル系モノマーが、メチルメタクリレートおよびブチル
(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項1
記載の熱収縮性ポリスチレン系積層フイルム。 - 【請求項3】 表裏層のスチレン系炭化水素がスチレン
であり、共役ジエン系炭化水素がブタジエンであること
を特徴とする請求項1記載の熱収縮性ポリスチレン系積
層フイルム。 - 【請求項4】中間層、表裏層の各樹脂に、可塑剤及び/
又は粘着付与樹脂を1〜10重量部の範囲で添加したこ
とを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の
熱収縮性ポリスチレン系積層フィルム。
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JP10302798A JP3172137B2 (ja) | 1998-04-14 | 1998-04-14 | 熱収縮性ポリスチレン系積層フイルム |
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JPH11291413A JPH11291413A (ja) | 1999-10-26 |
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