JPH11349704A - 熱収縮性ポリスチレン系フィルム - Google Patents

熱収縮性ポリスチレン系フィルム

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JPH11349704A
JPH11349704A JP16460398A JP16460398A JPH11349704A JP H11349704 A JPH11349704 A JP H11349704A JP 16460398 A JP16460398 A JP 16460398A JP 16460398 A JP16460398 A JP 16460398A JP H11349704 A JPH11349704 A JP H11349704A
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JP
Japan
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film
heat
weight
styrene
resin
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JP16460398A
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Takashi Hiruma
隆 比留間
Jun Takagi
潤 高木
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Mitsubishi Plastics Inc
Original Assignee
Mitsubishi Plastics Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた収縮仕上がり性を有し、かつフィルム
剛性、自然収縮性が優れているポリスチレン系熱収縮性
フィルムを提供する。 【解決手段】 ビニル芳香族炭化水素と共役ジエン系炭
化水素とからなる1種または2種類以上のブロック共重
合体と、ビニル芳香族炭化水素と脂肪族不飽和カルボン
酸エステルとの共重合体を主成分として配合してなる混
合樹脂において、該混合樹脂の損失弾性率(E”)を測
定すると、−50℃から70℃の温度範囲内に少なくと
も1つのピークが存在するとともに、該混合樹脂を延伸
してなるフイルムにおいて、80℃×10秒での熱収縮
率が少なくとも一方向において10%以上であることを
特徴とする熱収縮性ポリスチレン系フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、収縮包装、収縮結
束包装や収縮ラベル等の用途に好適な特性を有する熱収
縮性フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】収縮包装や収縮結束包装、あ
るいはプラスチック容器の収縮ラベル、ガラス容器の破
壊飛散防止包装やキャップシールなどに広く利用される
熱収縮性フィルムの材質としては、ポリ塩化ビニル(P
VC)が最もよく知られている。これは、PVCから製
造された熱収縮性フィルムが、機械強度、剛性、光学特
性、収縮特性等の実用特性、およびコスト性も含めて、
ユーザーの要求を比較的広く満足するからである。しか
しながら、PVCは熱収縮性フィルムとしての優れた実
用特性とコスト性を有しているものの、廃棄後燃焼する
と塩化水素等を含んだガスを発生し焼却炉を損傷し易い
等の点から、近年PVC以外の材料が要望されるように
なってきた。
【0003】このようなPVC以外の材料の一つとし
て、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(以下「S
BS」と表記することがある)を主たる材料とするポリ
スチレン系熱収縮性フィルムが提案され使用されている
が、このポリスチレン系フィルムは、PVCフィルムに
比べ、収縮仕上がり性は良好なものの、自然収縮(常温
よりやや高い温度、例えば夏場においてフィルムが本来
の使用前に少し収縮してしまうこと)率が大きい等の問
題を有している。また、フィルムの弾性率がPVCフィ
ルムに比較すると低いため、フィルムの厚みを厚くせざ
るを得なくコスト性が悪くなるという問題があった。
【0004】さらに、低温収縮性をフィルムに付与する
ためにブタジエン量を増やしたり、可塑剤等を添加した
場合、低温収縮性は付与できるもののそれにともない自
然収縮性が悪化する等の問題点があった。このため、収
縮仕上がり性は良好でありかつ低温収縮性に優れフィル
ムの腰が強く、しかも自然収縮が少ないポリスチレン系
の熱収縮フィルムが求められていた。
【0005】そのため、ビニル芳香族炭化水素と共役ジ
エン系炭化水素とからなるブロック共重合体と、ビニル
芳香族炭化水素と脂肪族不飽和カルボン酸エステルとの
共重合体の配合樹脂を延伸したフィルムが特開昭61−
25819号(登録1671483号)や特開平5−1
04630号にて提案されている。このようなフィルム
は、SBSフィルムの欠点である自然収縮性を低減さ
せ、さらにフィルムの腰が強くなるという特徴を有して
いるものの、耐衝撃性や収縮仕上がり性が不十分である
ことが分かった。また特開平10−58540号公報に
記載されているように該配合樹脂の損失正接のピーク温
度の範囲によって良好なフィルムになることが提示され
ている。しかしながら、該公報で規定されている弾性率
特性では耐衝撃性は改良されるものの、十分な収縮仕上
がり性が得られないことが分かった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を重ねた結果、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエン系炭
化水素とからなるブロック共重合体と、ビニル芳香族炭
化水素と脂肪族不飽和カルボン酸エステルとの共重合体
を配合してなる混合樹脂において、該混合樹脂に特定の
弾性率特性を付与させることによって、上記の問題を解
決することができることを見出したものであって、本発
明の要旨は、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエン系炭化
水素とからなる1種または2種類以上のブロック共重合
体と、ビニル芳香族炭化水素と脂肪族不飽和カルボン酸
エステルとの共重合体を主成分として配合してなる混合
樹脂において、該混合樹脂の損失弾性率(E”)を測定
すると、−50℃から70℃の温度範囲内に少なくとも
1つのピークが存在するとともに、該混合樹脂を延伸し
てなるフィルムにおいて、80℃×10秒での熱収縮率
が少なくとも一方向において10%以上であることを特
徴とする熱収縮性ポリスチレン系フィルムにある。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明フィルムのビニル芳香族炭化水素と共役ジエン系
炭化水素からなる1種または2種類以上のブロック共重
合体と、ビニル芳香族炭化水素と脂肪族不飽和カルボン
酸エステルとの共重合体を配合してなる混合樹脂におい
て該混合樹脂の損失弾性率(E”)を測定すると、−5
0℃から70℃の温度範囲に少なくとも1つのピークが
存在することにより良好な収縮仕上がり性を持ったフィ
ルムが得られる。
【0008】本発明フィルムの損失弾性率のピークが−
50〜70℃の温度範囲に少なくとも1つ存在すれば、
上記温度範囲以外に複数のピークが存在しても良い。例
えば上記範囲内に1つピークが存在し、さらに−50℃
以下に1ピーク、70℃以上に1ピーク存在しても良
い。
【0009】ここで述べる損失弾性率のピーク温度とは
粘弾性スペクトロメーターVES−F3(岩本製作所
(株)製)を用い、振動周波数10Hz、昇温速度1℃
/分、測定温度−120℃から130℃の範囲で貯蔵弾
性率(E’)と損失弾性率(E”)を測定し、損失弾性
率(E”)の温度依存曲線が極大値を与える温度のこと
である。
【0010】上記構成の混合樹脂に損失弾性率のピーク
を特定範囲に持たせるには、構成する各樹脂の少なくと
も1種の樹脂に同じような特性を持たせることが非常に
重要である。従って、本フィルムを構成する樹脂の少な
くとも1種に損失弾性率のピークが−50〜70℃の温
度範囲内に持っているビニル芳香族炭化水素と共役ジエ
ン系炭化水素とからなるブロック共重合体であることが
重要となる。
【0011】このような特性を満足するビニル芳香族炭
化水素と共役ジエン系炭化水素からなるブロック共重合
体のビニル芳香族炭化水素ブロックとは、スチレン系炭
化水素ブロックであり、例えばスチレン、o−メチルス
チレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン等の
単独重合体、それらの共重合体及び/又はスチレン系炭
化水素以外の共重合可能なモノマーをブロック内に含む
共重合体等がある。また、共役ジエン系炭化水素により
構成される共役ジエン系炭化水素ブロックには、例えば
ブタジエン、イソプレン、1、3−ペンタジエン等の単
独重合体、それらの共重合体及び/又は共役ジエン系炭
化水素以外の共重合可能なモノマ−をブロック内に含む
共重合体がある。
【0012】このブロック重合体のスチレン系炭化水素
の含有量は特に限定されないが、スチレン系炭化水素の
含有量は60〜90重量%の範囲にあることが一般的で
ある。 本発明において最も好適に用いられる樹脂の組
成はスチレン系炭化水素がスチレンであり、共役ジエン
系炭化水素がブタジエンのいわゆるスチレン−ブタジエ
ンブロック共重合体(SBS)である。
【0013】該スチレン−ブタジエンブロック共重合体
の損失弾性率のピーク温度は−50〜70℃の範囲に少
なくとも1つ存在することが重要であるため、2つ以上
あっても構わないが、本発明フィルムを構成する混合樹
脂に特定の損失弾性率特性を付与させるため、好ましく
は−30〜60℃、より好ましくは−10〜55℃、さ
らに好ましくは0℃〜40℃の範囲に明確なメインピー
クがあることが重要である。
【0014】このスチレン−ブタジエンブロック共重合
体(SBS)において上記損失弾性率特性を満たすため
には重合過程において重合調整する必要がある。スチレ
ン−ブタジエンブロック共重合体においてピュアーブロ
ックの場合−90℃付近と110℃付近の2個所にそれ
ぞれブタジエンブロック、スチレンブロックに起因する
損失弾性率のピークが存在する。また、各スチレンおよ
びブタジエンブロックにブタジエン成分およびスチレン
成分を導入したランダムブロックになると損失弾性率の
各ピークは低温側のピークは高温側へ、高温側のピーク
は低温側へそれぞれシフトする。
【0015】従って、ブロックの共重合過程を調整する
ことによって、2つのピークをより近づけることによ
り、−50〜70℃の範囲に1つの損失弾性率のピーク
をもつポリマーを合成させることが可能となる。その一
例を以下に示す。通常にスチレンまたはブタジエンの一
部を仕込んで重合を完結させた後、スチレンモノマーと
ブタジエンモノマーの混合物を仕込んで重合反応を続行
させる。このようにすると重合活性の高いブタジエンの
方から優先的に重合し、最後にスチレンの単独モノマー
からなるブロックが生じる。例えば先ず、スチレンを単
独重合させ、重合完結後、スチレンモノマーとブタジエ
ンモノマーの混合物を仕込んで重合を続行させるとスチ
レンブロックとブタジエンブロックとの中間にスチレン
・ブタジエンモノマー比が次第に変化するスチレン・ブ
タジエン共重合体部位をもつスチレン−ブタジエンブロ
ック共重合体が得られる。この様な部位を持たせること
によって上記損失弾性率特性をポリマーを得ることも可
能となるのである。
【0016】上記のような粘弾性特性を持った樹脂を少
なくとも1種配合することによって本発明フィルムは良
好な収縮仕上がり性を得ることが出来るのである。次に
本発明フィルムの構成樹脂であるビニル芳香族炭化水素
と脂肪族不飽和カルボン酸エステルとの共重合体につい
て説明する。配合することによって熱収縮フィルムとし
て十分な特性を満足させるビニル芳香族炭化水素と脂肪
族不飽和カルボン酸エステルとの共重合体のビニル芳香
族炭化水素とは、スチレン系炭化水素であり、例えばス
チレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α
−メチルスチレン等がある。
【0017】また、脂肪族不飽和カルボン酸エステルと
は、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アク
リレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、
ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)ア
クリレート等を用いることができる。ここで上記(メ
タ)アクリレートとはアクリレート及び/又はメタクリ
レートを示している。本発明において最も好適に用いら
れる樹脂のビニル芳香族炭化水素はスチレンであり、脂
肪族不飽和カルボン酸エステルはブチル(メタ)アクリ
レート(以下「BA」と表記する)である。
【0018】本発明フィルムの剛性(弾性率)および耐
自然収縮性はこの樹脂を配合することによって付与され
る。剛性のあるスチレン系樹脂としてはポリスチレンが
挙げられるが、このポリスチレン樹脂は非常に高いビカ
ット軟化温度を有しているためBAを共重合することに
よってビカット軟化温度を調整することによって熱収縮
フィルムに非常に適した樹脂となるのである。しかし該
樹脂は重要なフィルムの腰や耐自然収縮性を付与させる
反面、硬くて脆い性質がある。そのため該樹脂を単独で
熱収縮フィルムとして使用することは非常に困難であ
る。上記特性を付与したビニル芳香族炭化水素と共役ジ
エン系炭化水素からなるブロック共重合体を少なくとも
1種以上配合することによって、強い腰をもち、耐自然
収縮性に優れ、かつ収縮仕上がりが良好なフィルムを得
ることが出来る。
【0019】スチレンとBAの共重合比は使用用途によ
って適宜調整されるが一般的にはスチレンが98〜50
重量%、より好ましくは95〜75重量%の範囲がよ
い。スチレンが50重量%未満ではビカット軟化温度は
低下するが配合後のフィルムの剛性を付与させる役目を
果たせなくなり、また98重量%を越えるとビカット軟
化温度が高すぎ配合フィルムの収縮性、特に低温収縮性
が失われるという問題がある。
【0020】本発明フィルムは損失弾性率特性を満たし
ていれば、上記に示した特定の損失弾性率を持ったビニ
ル芳香族炭化水素と共役ジエン系炭化水素からなるブロ
ック共重合体と、ビニル芳香族炭化水素と脂肪族不飽和
カルボン酸エステルとの共重合体以外の重合体を配合し
ても良い。
【0021】その重合体としては相溶性等、配合するこ
とによる効果が明確に現れるということより、ビニル芳
香族炭化水素と共役ジエン系炭化水素からなるブロック
共重合体が好ましい。特にスチレン−ブタジエンブロッ
ク共重合体がより好ましい。この場合のSBS樹脂とし
ては損失弾性率のピークについての規定は特に必要がな
い。しかし、本発明フィルムにより耐破断性を付与させ
るために−30℃以下および50℃以上に各1つ以上の
ピークを持つ樹脂がより好ましい。
【0022】上記損失弾性率のピーク温度特性をもつS
BSポリマー、主にスチレン−ブタジエンランダムブロ
ックポリマーがブタジエンの耐破断性を向上させる効果
が明確に発現されることより好ましい。
【0023】また、必要に応じてスチレン−ブタジエン
共重合体混合物体以外にもスチレン系重合体を配合する
こともできる。本発明において最も好適に用いられるス
チレン系重合体はポリスチレン(GPPS)である。収
縮仕上がり性、低温収縮性を低下させない範囲でポリス
チレンを混合することによってフィルムの更なる剛性の
向上も期待できる。
【0024】本発明フィルムにおいてビニル芳香族炭化
水素と共役ジエン系炭化水素とからなる1種または2種
類以上のブロック共重合体と、ビニル芳香族炭化水素と
脂肪族不飽和カルボン酸エステルとの共重合体を配合し
てなる混合樹脂の配合量はフィルム全体の50重量%以
上、より好ましくは70重量%以上あることが好まし
い。上記混合樹脂が50重量%未満では、本フィルムに
上記に示した特性を付与させることが困難となるからで
ある。
【0025】本発明フィルムは特定の損失弾性率特性を
付与するのと同様に、延伸フィルムの引張弾性率が16
0kgf/mm2 以上であることが好ましい。この引張
弾性率特性を付与させるためには本発明配合が必要とな
る。現在SBSを主体とした熱収縮性フィルムの弾性率
は150kgf/mm2 程度が一般的で、収縮フィルム
をボトルに挿入する場合に折れない必要があること等に
より厚みは60μm程度は必要とされている。従ってフ
ィルムの剛性の指標となる引張弾性率を160kgf/
mm2 以上と高くすることによってフィルムを60μm
以下、好ましくは55μm以下にすることが可能とな
る。
【0026】さらに製品用途に応じて本発明フィルムに
低温収縮性を付与させる目的で上記樹脂100重量部に
対して可塑剤及び/又は粘着付与樹脂を1〜10重量
部、さらに好ましくは2〜8重量部添加することが可能
である。可塑剤もしくは粘着付与樹脂の量が1重量部未
満では可塑化が十分達成されず、低温収縮性を添加によ
って発現させる効果が得られ難く、可塑剤もしくは粘着
付与樹脂の量が10重量部を越えると溶融粘度の低下等
により良好なフィルムを得ることが難しくなる。上記可
塑剤としては以下のものを例示することができる。
【0027】a)ジオクチルセバケート、ジオクチルア
ジペート、ジイソノニルアジペート、ジイソデシルアジ
ペート等の脂肪族エステル系、b)ジエチルフタレー
ト、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジイ
ソデシルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート等の
芳香族エステル系、c)ポリ(1、4−エチレンアジペ
ート)、ポリ(1、4−エチレンサクシネート)等の脂
肪族ポリエステル系、d)トリクレジルホスフェート、
トリフエニルホスフェート等のリン酸エステル系。 ま
た、粘着付与樹脂としては以下のものを例示することが
できる。
【0028】a)ロジン、変成ロジン、重合ロジン、ロ
ジングリセリンエステル等のロジン系、b)αピネン重
合体、βピネン重合体、ジペンテン重合体、テルペン−
フェノール重合体、αピネン−フェノール共重合体等の
ポリテルペン系樹脂、c)シクロペンタジエン−イソプ
レン−(1、3−ペンタジエン)−(1−ペンテン)の
共重合体、(2−ペンテン)−ジシクロペンタジエンの
共重合体、1、3−ペンタジエン主体の樹脂等のC5 系
石油樹脂、d)インデン−スチレン−メチルインデン−
αメチルスチレン共重合体等のC8 、C10系のタール系
石油樹脂、e)ジシクロペンタジエン主体の樹脂等のD
CPD系石油樹脂、およびa)〜e)の部分水添品や完
全水添品。
【0029】また、以上の可塑剤もしくは粘着付与樹脂
は1種又は2種以上混合して用いてもよい。特に透明性
と低温収縮性等の収縮特性の改良効果とのバランスから
可塑剤としては、フタル酸系、ポリエステル系の可塑剤
が、粘着付与樹脂としては、重合度200以下の水添テ
ルペン樹脂、および同じくC5 系水添石油樹脂が好適に
使用される。
【0030】また、本発明のフィルムでは、上記に示し
た可塑剤もしくは粘着付与樹脂以外にも目的に応じて各
種の添加剤、例えば、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防
止剤、安定剤、着色剤、帯電防止剤、滑剤、無機フィラ
ー等を各用途に応じて適宜添加できる。
【0031】つぎに本発明フィルムの製造方法を具体的
に説明するが、下記製造方法には限定されない。上記内
容で配合されたポリスチレン系樹脂を押出機によって溶
融させ、押出す製造方法が一般的である。押出に際して
は、Tダイ法、チューブラ法などの既存のどの方法を採
用してもよい。溶融押出された樹脂は、冷却ロール、空
気、水等で冷却された後、熱風、温水、赤外線、マイク
ロウエーブ等の適当な方法で再加熱され、ロール法、テ
ンター法、チューブラ法等により、1軸または2軸に延
伸される。
【0032】延伸温度はフィルムを構成している樹脂の
軟化温度や熱収縮性フィルムの要求用途によって変える
必要があるが、概ね60〜130℃、好ましくは80〜
120℃の範囲で制御される。延伸倍率は、フィルム構
成組成、延伸手段、延伸温度、目的の製品形態に応じて
1.5〜6倍の範囲で適宜決定される。また、1軸延伸
にするか2軸延伸にするかは目的の製品の用途によって
決定される。
【0033】また、延伸した後フィルムの分子配向が緩
和しない時間内に速やかに、当フィルムの冷却を行うこ
とも、収縮性を付与して保持する上で重要な技術であ
る。
【0034】本発明フィルムは80℃×10秒の熱収縮
率が少なくとも一方向において10%以上であることが
好ましい。収縮率が10%未満の場合、収縮フィルムと
して実用的な機能を発揮しずらい。
【0035】
【実施例】以下に実施例を示すが、これらにより本発明
は何ら制限を受けるものではない。なお、実施例に示す
測定値および評価は次のように行った。ここで、フィル
ムの流れ方向をMD、その直交方向をTDと記載した。
【0036】1)熱収縮率 フィルムを、MD100mm、TD100mmの大きさ
に切り取り、80℃の温水バスに10秒間浸漬し収縮量
を測定した。熱収縮率は、収縮前の原寸に対する収縮量
の比率を%値で表示した。
【0037】2)低温収縮性 フィルムを、MD100mm、TD100mmの大きさ
に切り取り、70℃の温水バスに10秒間浸漬し、TD
方向の収縮量を測定した。収縮率は、収縮前の原寸に対
する収縮量の比率を%値で表示した。
【0038】3)収縮仕上がり性 10mm間隔の格子目を印刷したフィルムをMD100
mm×TD298mmの大きさに切り取り、TDの両端
を10mm重ねて溶剤等で接着し円筒状にした。この円
筒状フィルムを、容量1.5リットルの円筒型ペットボ
トルに装着し、蒸気加熱方式の長さ3mの収縮トンネル
中を回転させずに、10秒間で通過させた。吹き出し蒸
気温度は99℃、トンネル内雰囲気温度は90〜94℃
であった。
【0039】フィルム被覆後、発生したシワ、アバタ、
歪みの大きさおよび個数を総合的に評価した。評価基準
は、シワ、アバタ、格子目の歪みがなく密着性が良好な
ものを(◎)、シワ、アバタ、格子目の歪みがほとんど
なく密着性も実用上問題のないものを(○)、シワ、ア
バタ、格子目の歪みが若干あるか、収縮不足が若干目立
つものを(△)、シワ、アバタ、格子目の歪みがある
か、収縮不足が目立ち実用上問題のあるものを(×)と
した。
【0040】4)自然収縮率 フィルムをMD100mm×TD1000mmの大きさ
に切り取り30℃の雰囲気の恒温槽に30日間放置し、
TD方向の収縮量を原寸に対する収縮量の比率を%値で
表示した。
【0041】5)フィルム引張弾性率(E) MD方向において、雰囲気温度23℃、チャック間を3
00mmとして、幅が5mmのフィルム試験片を引張速
度5mm/分で引張試験を行い、引張応力ー歪み曲線を
作成した。引張弾性率は引張応力ー歪み曲線の始めの直
線部分を用いて、次式によって計算した。
【0042】E=σ/ε E:引張弾性率 σ:直線上の2点間の単位面積(引張試験前のサンプル
の平均断面積)当たりの応力の差 ε:同じ2点間の歪みの差
【0043】6)損失弾性率(E”) 粘弾性スペクトロメーターVES−F3(岩本製作所
(株)製)を用い、振動周波数10Hz、昇温速度1℃
/分、測定温度−120℃から130℃の範囲で測定し
た。なお測定はフィルムを構成する樹脂を0.5mm厚
みのシートを押出機にて押出し、縦方向と横方向の測定
値の平均値を採用した。なお、延伸フィルムを数枚重ね
合わせ、熱プレスにて0.5mm厚のシートを製作し測
定しても構わない。
【0044】[実施例1]スチレン82重量%とブタジ
エン18重量%とからなるブロック共重合体(損失弾性
率のピーク温度:−55℃および30℃)30重量%、
スチレン75重量%とブタジエン25重量%とからなる
ブロック共重合体(損失弾性率のピーク温度:−35℃
および104℃)40重量%、スチレン82重量%とブ
チルアクリレート18重量%とからなる共重合体30重
量%の混合樹脂を押出機で溶融押出しし、溶融体をキャ
ストロールで冷却し総厚み300μmの未延伸フィルム
を得た。この未延伸フィルムを105℃の温度の雰囲気
のテンタ−延伸設備内でTD方向に5.5倍延伸して、
約54μmの熱収縮性フィルムを得た。
【0045】[実施例2]スチレン82重量%とブタジ
エン18重量%とからなるブロック共重合体(損失弾性
率のピーク温度:−55℃および30℃)40重量%、
スチレン80重量%とブタジエン20重量%とからなる
ブロック共重合体(損失弾性率のピーク温度:−82℃
および109℃)30重量%、スチレン82重量%とブ
チルアクリレート18重量%とからなる共重合体30重
量%の混合樹脂とした以外は実施例1と同様な方法で熱
収縮性フィルムを得た。
【0046】[実施例3]スチレン82重量%とブタジ
エン18重量%とからなるブロック共重合体(損失弾性
率のピーク温度:−55℃および30℃)35重量%、
スチレン75重量%とブタジエン25重量%とからなる
ブロック共重合体(損失弾性率のピーク温度:−35℃
および104℃)30重量%、スチレン82重量%とブ
チルアクリレート18重量%とからなる共重合体30重
量%、ポリスチレン樹脂5重量%の混合樹脂とし、延伸
温度を110℃とした以外は実施例1と同様な方法で熱
収縮性フィルムを得た。
【0047】[実施例4]スチレン82重量%とブタジ
エン18重量%とからなるブロック共重合体(損失弾性
率のピーク温度:−55℃および30℃)50重量%、
スチレン82重量%とブチルアクリレート18重量%と
からなる共重合体50重量%の混合樹脂とした以外は実
施例1と同様な方法で熱収縮性フィルムを得た。
【0048】[実施例5]実施例1と同様な混合樹脂に
ジオクチルフタレート(DOP)を3部添加し、延伸温
度を102℃とした以外は実施例1と同様な方法で熱収
縮性フィルムを得た。
【0049】[比較例1]スチレン80重量%とブタジ
エン20重量%とからなるブロック共重合体(損失弾性
率のピーク温度:−82℃および109℃)50重量
%、スチレン82重量%とブチルアクリレート18重量
%とからなる共重合体50重量%の混合樹脂とした以外
は実施例1と同様な方法で熱収縮性フィルムを得た。こ
のフィルムは自然収縮性、フィルム弾性率は良好なもの
の、十分な収縮仕上がり性を得ることが出来なかった。
【0050】[比較例2]スチレン82重量%とブチル
アクリレート18重量%とからなる共重合体とした以外
は実施例1と同様な方法で熱収縮性フィルムを得た。こ
のフィルムは自然収縮性、フィルム弾性率は良好なもの
の、耐破断性および収縮仕上がり性において実用上問題
を生じた。
【0051】[比較例3]スチレン82重量%とブタジ
エン18重量%とからなるブロック共重合体(損失弾性
率のピーク温度:−55℃および30℃)50重量%と
スチレン75重量%とブタジエン25重量%とからなる
ブロック共重合体(損失弾性率のピーク温度:−35℃
および104℃)50重量%の混合樹脂とした以外は実
施例1と同様な方法で熱収縮性フィルムを得た。このフ
ィルムは収縮仕上がり性はほぼ良好であったが、フィル
ム弾性率、自然収縮性において実用上問題を生じた。
【0052】[比較例4]実施例1と同様な混合樹脂と
し、延伸温度を135℃とした以外は実施例1と同様な
方法で熱収縮性フィルムを得た。このフィルムは80℃
×10秒の収縮率が10%以下となり、収縮トンネル内
の蒸気温度を調整しても収縮仕上がり性に実用上問題を
生じた。
【0053】
【表1】
【0054】表1より実施例1乃至5についてみると、
本件記述の原料組成に即し、損失弾性率のピークが規定
範囲内にある場合は、熱収縮性フィルムとして優れた収
縮仕上がり性を有し、かつ低い自然収縮性、高い弾性率
を有していることが分かる。一方、比較例1〜3のよう
に原料組成もしくは損失弾性率のピーク温度が規定範囲
以外のフィルムでは収縮仕上がり性、弾性率、自然収縮
性のいずれかが不良となり、また比較例4のように必要
な熱収縮率に到達しないと収縮仕上がり性が不良とな
り、優れた熱収縮性フィルムを得ることは難しいことが
分かる。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、ビニル芳香族炭化水素
と共役ジエン系炭化水素とからなるブロック共重合体
と、ビニル芳香族炭化水素と脂肪族不飽和カルボン酸エ
ステルとの共重合体を主成分として配合してなる混合重
合体において、該混合樹脂の損失弾性率のピークを特定
範囲に調整することによって、優れた収縮仕上がり性を
有し、かつフィルム剛性、自然収縮性が優れているポリ
スチレン系熱収縮性フィルムを得ることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニル芳香族炭化水素と共役ジエン系炭
    化水素とからなる1種または2種類以上のブロック共重
    合体と、ビニル芳香族炭化水素と脂肪族不飽和カルボン
    酸エステルとの共重合体を主成分として配合してなる混
    合樹脂において、該混合樹脂の損失弾性率(E”)を測
    定すると、−50℃から70℃の温度範囲内に少なくと
    も1つのピークが存在するとともに、該混合樹脂を延伸
    してなるフィルムにおいて、80℃×10秒での熱収縮
    率が少なくとも一方向において10%以上であることを
    特徴とする熱収縮性ポリスチレン系フィルム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のビニル芳香族炭化水素と
    共役ジエン系炭化水素とからなる少なくとも1種のブロ
    ック共重合体において、損失弾性率(E”)を測定する
    と、−50℃から70℃の温度範囲内に少なくとも1つ
    のピークが存在することを特徴とする熱収縮性ポリスチ
    レン系フィルム。
  3. 【請求項3】 延伸フイルムの引張弾性率が160kg
    f/mm2 以上であることを特徴とする請求項1乃至請
    求項2記載の熱収縮性ポリスチレン系フィルム。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3記載の混合樹脂
    に、可塑剤及び/又は粘着付与樹脂を1〜10重量部の
    範囲で添加したことを特徴とする熱収縮性ポリスチレン
    系フィルム。
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