JPH11349704A - 熱収縮性ポリスチレン系フィルム - Google Patents
熱収縮性ポリスチレン系フィルムInfo
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- JPH11349704A JPH11349704A JP16460398A JP16460398A JPH11349704A JP H11349704 A JPH11349704 A JP H11349704A JP 16460398 A JP16460398 A JP 16460398A JP 16460398 A JP16460398 A JP 16460398A JP H11349704 A JPH11349704 A JP H11349704A
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Abstract
剛性、自然収縮性が優れているポリスチレン系熱収縮性
フィルムを提供する。 【解決手段】 ビニル芳香族炭化水素と共役ジエン系炭
化水素とからなる1種または2種類以上のブロック共重
合体と、ビニル芳香族炭化水素と脂肪族不飽和カルボン
酸エステルとの共重合体を主成分として配合してなる混
合樹脂において、該混合樹脂の損失弾性率(E”)を測
定すると、−50℃から70℃の温度範囲内に少なくと
も1つのピークが存在するとともに、該混合樹脂を延伸
してなるフイルムにおいて、80℃×10秒での熱収縮
率が少なくとも一方向において10%以上であることを
特徴とする熱収縮性ポリスチレン系フィルム。
Description
束包装や収縮ラベル等の用途に好適な特性を有する熱収
縮性フィルムに関する。
るいはプラスチック容器の収縮ラベル、ガラス容器の破
壊飛散防止包装やキャップシールなどに広く利用される
熱収縮性フィルムの材質としては、ポリ塩化ビニル(P
VC)が最もよく知られている。これは、PVCから製
造された熱収縮性フィルムが、機械強度、剛性、光学特
性、収縮特性等の実用特性、およびコスト性も含めて、
ユーザーの要求を比較的広く満足するからである。しか
しながら、PVCは熱収縮性フィルムとしての優れた実
用特性とコスト性を有しているものの、廃棄後燃焼する
と塩化水素等を含んだガスを発生し焼却炉を損傷し易い
等の点から、近年PVC以外の材料が要望されるように
なってきた。
て、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(以下「S
BS」と表記することがある)を主たる材料とするポリ
スチレン系熱収縮性フィルムが提案され使用されている
が、このポリスチレン系フィルムは、PVCフィルムに
比べ、収縮仕上がり性は良好なものの、自然収縮(常温
よりやや高い温度、例えば夏場においてフィルムが本来
の使用前に少し収縮してしまうこと)率が大きい等の問
題を有している。また、フィルムの弾性率がPVCフィ
ルムに比較すると低いため、フィルムの厚みを厚くせざ
るを得なくコスト性が悪くなるという問題があった。
ためにブタジエン量を増やしたり、可塑剤等を添加した
場合、低温収縮性は付与できるもののそれにともない自
然収縮性が悪化する等の問題点があった。このため、収
縮仕上がり性は良好でありかつ低温収縮性に優れフィル
ムの腰が強く、しかも自然収縮が少ないポリスチレン系
の熱収縮フィルムが求められていた。
エン系炭化水素とからなるブロック共重合体と、ビニル
芳香族炭化水素と脂肪族不飽和カルボン酸エステルとの
共重合体の配合樹脂を延伸したフィルムが特開昭61−
25819号(登録1671483号)や特開平5−1
04630号にて提案されている。このようなフィルム
は、SBSフィルムの欠点である自然収縮性を低減さ
せ、さらにフィルムの腰が強くなるという特徴を有して
いるものの、耐衝撃性や収縮仕上がり性が不十分である
ことが分かった。また特開平10−58540号公報に
記載されているように該配合樹脂の損失正接のピーク温
度の範囲によって良好なフィルムになることが提示され
ている。しかしながら、該公報で規定されている弾性率
特性では耐衝撃性は改良されるものの、十分な収縮仕上
がり性が得られないことが分かった。
を重ねた結果、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエン系炭
化水素とからなるブロック共重合体と、ビニル芳香族炭
化水素と脂肪族不飽和カルボン酸エステルとの共重合体
を配合してなる混合樹脂において、該混合樹脂に特定の
弾性率特性を付与させることによって、上記の問題を解
決することができることを見出したものであって、本発
明の要旨は、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエン系炭化
水素とからなる1種または2種類以上のブロック共重合
体と、ビニル芳香族炭化水素と脂肪族不飽和カルボン酸
エステルとの共重合体を主成分として配合してなる混合
樹脂において、該混合樹脂の損失弾性率(E”)を測定
すると、−50℃から70℃の温度範囲内に少なくとも
1つのピークが存在するとともに、該混合樹脂を延伸し
てなるフィルムにおいて、80℃×10秒での熱収縮率
が少なくとも一方向において10%以上であることを特
徴とする熱収縮性ポリスチレン系フィルムにある。
本発明フィルムのビニル芳香族炭化水素と共役ジエン系
炭化水素からなる1種または2種類以上のブロック共重
合体と、ビニル芳香族炭化水素と脂肪族不飽和カルボン
酸エステルとの共重合体を配合してなる混合樹脂におい
て該混合樹脂の損失弾性率(E”)を測定すると、−5
0℃から70℃の温度範囲に少なくとも1つのピークが
存在することにより良好な収縮仕上がり性を持ったフィ
ルムが得られる。
50〜70℃の温度範囲に少なくとも1つ存在すれば、
上記温度範囲以外に複数のピークが存在しても良い。例
えば上記範囲内に1つピークが存在し、さらに−50℃
以下に1ピーク、70℃以上に1ピーク存在しても良
い。
粘弾性スペクトロメーターVES−F3(岩本製作所
(株)製)を用い、振動周波数10Hz、昇温速度1℃
/分、測定温度−120℃から130℃の範囲で貯蔵弾
性率(E’)と損失弾性率(E”)を測定し、損失弾性
率(E”)の温度依存曲線が極大値を与える温度のこと
である。
を特定範囲に持たせるには、構成する各樹脂の少なくと
も1種の樹脂に同じような特性を持たせることが非常に
重要である。従って、本フィルムを構成する樹脂の少な
くとも1種に損失弾性率のピークが−50〜70℃の温
度範囲内に持っているビニル芳香族炭化水素と共役ジエ
ン系炭化水素とからなるブロック共重合体であることが
重要となる。
化水素と共役ジエン系炭化水素からなるブロック共重合
体のビニル芳香族炭化水素ブロックとは、スチレン系炭
化水素ブロックであり、例えばスチレン、o−メチルス
チレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン等の
単独重合体、それらの共重合体及び/又はスチレン系炭
化水素以外の共重合可能なモノマーをブロック内に含む
共重合体等がある。また、共役ジエン系炭化水素により
構成される共役ジエン系炭化水素ブロックには、例えば
ブタジエン、イソプレン、1、3−ペンタジエン等の単
独重合体、それらの共重合体及び/又は共役ジエン系炭
化水素以外の共重合可能なモノマ−をブロック内に含む
共重合体がある。
の含有量は特に限定されないが、スチレン系炭化水素の
含有量は60〜90重量%の範囲にあることが一般的で
ある。 本発明において最も好適に用いられる樹脂の組
成はスチレン系炭化水素がスチレンであり、共役ジエン
系炭化水素がブタジエンのいわゆるスチレン−ブタジエ
ンブロック共重合体(SBS)である。
の損失弾性率のピーク温度は−50〜70℃の範囲に少
なくとも1つ存在することが重要であるため、2つ以上
あっても構わないが、本発明フィルムを構成する混合樹
脂に特定の損失弾性率特性を付与させるため、好ましく
は−30〜60℃、より好ましくは−10〜55℃、さ
らに好ましくは0℃〜40℃の範囲に明確なメインピー
クがあることが重要である。
体(SBS)において上記損失弾性率特性を満たすため
には重合過程において重合調整する必要がある。スチレ
ン−ブタジエンブロック共重合体においてピュアーブロ
ックの場合−90℃付近と110℃付近の2個所にそれ
ぞれブタジエンブロック、スチレンブロックに起因する
損失弾性率のピークが存在する。また、各スチレンおよ
びブタジエンブロックにブタジエン成分およびスチレン
成分を導入したランダムブロックになると損失弾性率の
各ピークは低温側のピークは高温側へ、高温側のピーク
は低温側へそれぞれシフトする。
ことによって、2つのピークをより近づけることによ
り、−50〜70℃の範囲に1つの損失弾性率のピーク
をもつポリマーを合成させることが可能となる。その一
例を以下に示す。通常にスチレンまたはブタジエンの一
部を仕込んで重合を完結させた後、スチレンモノマーと
ブタジエンモノマーの混合物を仕込んで重合反応を続行
させる。このようにすると重合活性の高いブタジエンの
方から優先的に重合し、最後にスチレンの単独モノマー
からなるブロックが生じる。例えば先ず、スチレンを単
独重合させ、重合完結後、スチレンモノマーとブタジエ
ンモノマーの混合物を仕込んで重合を続行させるとスチ
レンブロックとブタジエンブロックとの中間にスチレン
・ブタジエンモノマー比が次第に変化するスチレン・ブ
タジエン共重合体部位をもつスチレン−ブタジエンブロ
ック共重合体が得られる。この様な部位を持たせること
によって上記損失弾性率特性をポリマーを得ることも可
能となるのである。
なくとも1種配合することによって本発明フィルムは良
好な収縮仕上がり性を得ることが出来るのである。次に
本発明フィルムの構成樹脂であるビニル芳香族炭化水素
と脂肪族不飽和カルボン酸エステルとの共重合体につい
て説明する。配合することによって熱収縮フィルムとし
て十分な特性を満足させるビニル芳香族炭化水素と脂肪
族不飽和カルボン酸エステルとの共重合体のビニル芳香
族炭化水素とは、スチレン系炭化水素であり、例えばス
チレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α
−メチルスチレン等がある。
は、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アク
リレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、
ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)ア
クリレート等を用いることができる。ここで上記(メ
タ)アクリレートとはアクリレート及び/又はメタクリ
レートを示している。本発明において最も好適に用いら
れる樹脂のビニル芳香族炭化水素はスチレンであり、脂
肪族不飽和カルボン酸エステルはブチル(メタ)アクリ
レート(以下「BA」と表記する)である。
自然収縮性はこの樹脂を配合することによって付与され
る。剛性のあるスチレン系樹脂としてはポリスチレンが
挙げられるが、このポリスチレン樹脂は非常に高いビカ
ット軟化温度を有しているためBAを共重合することに
よってビカット軟化温度を調整することによって熱収縮
フィルムに非常に適した樹脂となるのである。しかし該
樹脂は重要なフィルムの腰や耐自然収縮性を付与させる
反面、硬くて脆い性質がある。そのため該樹脂を単独で
熱収縮フィルムとして使用することは非常に困難であ
る。上記特性を付与したビニル芳香族炭化水素と共役ジ
エン系炭化水素からなるブロック共重合体を少なくとも
1種以上配合することによって、強い腰をもち、耐自然
収縮性に優れ、かつ収縮仕上がりが良好なフィルムを得
ることが出来る。
って適宜調整されるが一般的にはスチレンが98〜50
重量%、より好ましくは95〜75重量%の範囲がよ
い。スチレンが50重量%未満ではビカット軟化温度は
低下するが配合後のフィルムの剛性を付与させる役目を
果たせなくなり、また98重量%を越えるとビカット軟
化温度が高すぎ配合フィルムの収縮性、特に低温収縮性
が失われるという問題がある。
ていれば、上記に示した特定の損失弾性率を持ったビニ
ル芳香族炭化水素と共役ジエン系炭化水素からなるブロ
ック共重合体と、ビニル芳香族炭化水素と脂肪族不飽和
カルボン酸エステルとの共重合体以外の重合体を配合し
ても良い。
とによる効果が明確に現れるということより、ビニル芳
香族炭化水素と共役ジエン系炭化水素からなるブロック
共重合体が好ましい。特にスチレン−ブタジエンブロッ
ク共重合体がより好ましい。この場合のSBS樹脂とし
ては損失弾性率のピークについての規定は特に必要がな
い。しかし、本発明フィルムにより耐破断性を付与させ
るために−30℃以下および50℃以上に各1つ以上の
ピークを持つ樹脂がより好ましい。
BSポリマー、主にスチレン−ブタジエンランダムブロ
ックポリマーがブタジエンの耐破断性を向上させる効果
が明確に発現されることより好ましい。
共重合体混合物体以外にもスチレン系重合体を配合する
こともできる。本発明において最も好適に用いられるス
チレン系重合体はポリスチレン(GPPS)である。収
縮仕上がり性、低温収縮性を低下させない範囲でポリス
チレンを混合することによってフィルムの更なる剛性の
向上も期待できる。
水素と共役ジエン系炭化水素とからなる1種または2種
類以上のブロック共重合体と、ビニル芳香族炭化水素と
脂肪族不飽和カルボン酸エステルとの共重合体を配合し
てなる混合樹脂の配合量はフィルム全体の50重量%以
上、より好ましくは70重量%以上あることが好まし
い。上記混合樹脂が50重量%未満では、本フィルムに
上記に示した特性を付与させることが困難となるからで
ある。
付与するのと同様に、延伸フィルムの引張弾性率が16
0kgf/mm2 以上であることが好ましい。この引張
弾性率特性を付与させるためには本発明配合が必要とな
る。現在SBSを主体とした熱収縮性フィルムの弾性率
は150kgf/mm2 程度が一般的で、収縮フィルム
をボトルに挿入する場合に折れない必要があること等に
より厚みは60μm程度は必要とされている。従ってフ
ィルムの剛性の指標となる引張弾性率を160kgf/
mm2 以上と高くすることによってフィルムを60μm
以下、好ましくは55μm以下にすることが可能とな
る。
低温収縮性を付与させる目的で上記樹脂100重量部に
対して可塑剤及び/又は粘着付与樹脂を1〜10重量
部、さらに好ましくは2〜8重量部添加することが可能
である。可塑剤もしくは粘着付与樹脂の量が1重量部未
満では可塑化が十分達成されず、低温収縮性を添加によ
って発現させる効果が得られ難く、可塑剤もしくは粘着
付与樹脂の量が10重量部を越えると溶融粘度の低下等
により良好なフィルムを得ることが難しくなる。上記可
塑剤としては以下のものを例示することができる。
ジペート、ジイソノニルアジペート、ジイソデシルアジ
ペート等の脂肪族エステル系、b)ジエチルフタレー
ト、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジイ
ソデシルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート等の
芳香族エステル系、c)ポリ(1、4−エチレンアジペ
ート)、ポリ(1、4−エチレンサクシネート)等の脂
肪族ポリエステル系、d)トリクレジルホスフェート、
トリフエニルホスフェート等のリン酸エステル系。 ま
た、粘着付与樹脂としては以下のものを例示することが
できる。
ジングリセリンエステル等のロジン系、b)αピネン重
合体、βピネン重合体、ジペンテン重合体、テルペン−
フェノール重合体、αピネン−フェノール共重合体等の
ポリテルペン系樹脂、c)シクロペンタジエン−イソプ
レン−(1、3−ペンタジエン)−(1−ペンテン)の
共重合体、(2−ペンテン)−ジシクロペンタジエンの
共重合体、1、3−ペンタジエン主体の樹脂等のC5 系
石油樹脂、d)インデン−スチレン−メチルインデン−
αメチルスチレン共重合体等のC8 、C10系のタール系
石油樹脂、e)ジシクロペンタジエン主体の樹脂等のD
CPD系石油樹脂、およびa)〜e)の部分水添品や完
全水添品。
は1種又は2種以上混合して用いてもよい。特に透明性
と低温収縮性等の収縮特性の改良効果とのバランスから
可塑剤としては、フタル酸系、ポリエステル系の可塑剤
が、粘着付与樹脂としては、重合度200以下の水添テ
ルペン樹脂、および同じくC5 系水添石油樹脂が好適に
使用される。
た可塑剤もしくは粘着付与樹脂以外にも目的に応じて各
種の添加剤、例えば、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防
止剤、安定剤、着色剤、帯電防止剤、滑剤、無機フィラ
ー等を各用途に応じて適宜添加できる。
に説明するが、下記製造方法には限定されない。上記内
容で配合されたポリスチレン系樹脂を押出機によって溶
融させ、押出す製造方法が一般的である。押出に際して
は、Tダイ法、チューブラ法などの既存のどの方法を採
用してもよい。溶融押出された樹脂は、冷却ロール、空
気、水等で冷却された後、熱風、温水、赤外線、マイク
ロウエーブ等の適当な方法で再加熱され、ロール法、テ
ンター法、チューブラ法等により、1軸または2軸に延
伸される。
軟化温度や熱収縮性フィルムの要求用途によって変える
必要があるが、概ね60〜130℃、好ましくは80〜
120℃の範囲で制御される。延伸倍率は、フィルム構
成組成、延伸手段、延伸温度、目的の製品形態に応じて
1.5〜6倍の範囲で適宜決定される。また、1軸延伸
にするか2軸延伸にするかは目的の製品の用途によって
決定される。
和しない時間内に速やかに、当フィルムの冷却を行うこ
とも、収縮性を付与して保持する上で重要な技術であ
る。
率が少なくとも一方向において10%以上であることが
好ましい。収縮率が10%未満の場合、収縮フィルムと
して実用的な機能を発揮しずらい。
は何ら制限を受けるものではない。なお、実施例に示す
測定値および評価は次のように行った。ここで、フィル
ムの流れ方向をMD、その直交方向をTDと記載した。
に切り取り、80℃の温水バスに10秒間浸漬し収縮量
を測定した。熱収縮率は、収縮前の原寸に対する収縮量
の比率を%値で表示した。
に切り取り、70℃の温水バスに10秒間浸漬し、TD
方向の収縮量を測定した。収縮率は、収縮前の原寸に対
する収縮量の比率を%値で表示した。
mm×TD298mmの大きさに切り取り、TDの両端
を10mm重ねて溶剤等で接着し円筒状にした。この円
筒状フィルムを、容量1.5リットルの円筒型ペットボ
トルに装着し、蒸気加熱方式の長さ3mの収縮トンネル
中を回転させずに、10秒間で通過させた。吹き出し蒸
気温度は99℃、トンネル内雰囲気温度は90〜94℃
であった。
歪みの大きさおよび個数を総合的に評価した。評価基準
は、シワ、アバタ、格子目の歪みがなく密着性が良好な
ものを(◎)、シワ、アバタ、格子目の歪みがほとんど
なく密着性も実用上問題のないものを(○)、シワ、ア
バタ、格子目の歪みが若干あるか、収縮不足が若干目立
つものを(△)、シワ、アバタ、格子目の歪みがある
か、収縮不足が目立ち実用上問題のあるものを(×)と
した。
に切り取り30℃の雰囲気の恒温槽に30日間放置し、
TD方向の収縮量を原寸に対する収縮量の比率を%値で
表示した。
00mmとして、幅が5mmのフィルム試験片を引張速
度5mm/分で引張試験を行い、引張応力ー歪み曲線を
作成した。引張弾性率は引張応力ー歪み曲線の始めの直
線部分を用いて、次式によって計算した。
の平均断面積)当たりの応力の差 ε:同じ2点間の歪みの差
(株)製)を用い、振動周波数10Hz、昇温速度1℃
/分、測定温度−120℃から130℃の範囲で測定し
た。なお測定はフィルムを構成する樹脂を0.5mm厚
みのシートを押出機にて押出し、縦方向と横方向の測定
値の平均値を採用した。なお、延伸フィルムを数枚重ね
合わせ、熱プレスにて0.5mm厚のシートを製作し測
定しても構わない。
エン18重量%とからなるブロック共重合体(損失弾性
率のピーク温度:−55℃および30℃)30重量%、
スチレン75重量%とブタジエン25重量%とからなる
ブロック共重合体(損失弾性率のピーク温度:−35℃
および104℃)40重量%、スチレン82重量%とブ
チルアクリレート18重量%とからなる共重合体30重
量%の混合樹脂を押出機で溶融押出しし、溶融体をキャ
ストロールで冷却し総厚み300μmの未延伸フィルム
を得た。この未延伸フィルムを105℃の温度の雰囲気
のテンタ−延伸設備内でTD方向に5.5倍延伸して、
約54μmの熱収縮性フィルムを得た。
エン18重量%とからなるブロック共重合体(損失弾性
率のピーク温度:−55℃および30℃)40重量%、
スチレン80重量%とブタジエン20重量%とからなる
ブロック共重合体(損失弾性率のピーク温度:−82℃
および109℃)30重量%、スチレン82重量%とブ
チルアクリレート18重量%とからなる共重合体30重
量%の混合樹脂とした以外は実施例1と同様な方法で熱
収縮性フィルムを得た。
エン18重量%とからなるブロック共重合体(損失弾性
率のピーク温度:−55℃および30℃)35重量%、
スチレン75重量%とブタジエン25重量%とからなる
ブロック共重合体(損失弾性率のピーク温度:−35℃
および104℃)30重量%、スチレン82重量%とブ
チルアクリレート18重量%とからなる共重合体30重
量%、ポリスチレン樹脂5重量%の混合樹脂とし、延伸
温度を110℃とした以外は実施例1と同様な方法で熱
収縮性フィルムを得た。
エン18重量%とからなるブロック共重合体(損失弾性
率のピーク温度:−55℃および30℃)50重量%、
スチレン82重量%とブチルアクリレート18重量%と
からなる共重合体50重量%の混合樹脂とした以外は実
施例1と同様な方法で熱収縮性フィルムを得た。
ジオクチルフタレート(DOP)を3部添加し、延伸温
度を102℃とした以外は実施例1と同様な方法で熱収
縮性フィルムを得た。
エン20重量%とからなるブロック共重合体(損失弾性
率のピーク温度:−82℃および109℃)50重量
%、スチレン82重量%とブチルアクリレート18重量
%とからなる共重合体50重量%の混合樹脂とした以外
は実施例1と同様な方法で熱収縮性フィルムを得た。こ
のフィルムは自然収縮性、フィルム弾性率は良好なもの
の、十分な収縮仕上がり性を得ることが出来なかった。
アクリレート18重量%とからなる共重合体とした以外
は実施例1と同様な方法で熱収縮性フィルムを得た。こ
のフィルムは自然収縮性、フィルム弾性率は良好なもの
の、耐破断性および収縮仕上がり性において実用上問題
を生じた。
エン18重量%とからなるブロック共重合体(損失弾性
率のピーク温度:−55℃および30℃)50重量%と
スチレン75重量%とブタジエン25重量%とからなる
ブロック共重合体(損失弾性率のピーク温度:−35℃
および104℃)50重量%の混合樹脂とした以外は実
施例1と同様な方法で熱収縮性フィルムを得た。このフ
ィルムは収縮仕上がり性はほぼ良好であったが、フィル
ム弾性率、自然収縮性において実用上問題を生じた。
し、延伸温度を135℃とした以外は実施例1と同様な
方法で熱収縮性フィルムを得た。このフィルムは80℃
×10秒の収縮率が10%以下となり、収縮トンネル内
の蒸気温度を調整しても収縮仕上がり性に実用上問題を
生じた。
本件記述の原料組成に即し、損失弾性率のピークが規定
範囲内にある場合は、熱収縮性フィルムとして優れた収
縮仕上がり性を有し、かつ低い自然収縮性、高い弾性率
を有していることが分かる。一方、比較例1〜3のよう
に原料組成もしくは損失弾性率のピーク温度が規定範囲
以外のフィルムでは収縮仕上がり性、弾性率、自然収縮
性のいずれかが不良となり、また比較例4のように必要
な熱収縮率に到達しないと収縮仕上がり性が不良とな
り、優れた熱収縮性フィルムを得ることは難しいことが
分かる。
と共役ジエン系炭化水素とからなるブロック共重合体
と、ビニル芳香族炭化水素と脂肪族不飽和カルボン酸エ
ステルとの共重合体を主成分として配合してなる混合重
合体において、該混合樹脂の損失弾性率のピークを特定
範囲に調整することによって、優れた収縮仕上がり性を
有し、かつフィルム剛性、自然収縮性が優れているポリ
スチレン系熱収縮性フィルムを得ることができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 ビニル芳香族炭化水素と共役ジエン系炭
化水素とからなる1種または2種類以上のブロック共重
合体と、ビニル芳香族炭化水素と脂肪族不飽和カルボン
酸エステルとの共重合体を主成分として配合してなる混
合樹脂において、該混合樹脂の損失弾性率(E”)を測
定すると、−50℃から70℃の温度範囲内に少なくと
も1つのピークが存在するとともに、該混合樹脂を延伸
してなるフィルムにおいて、80℃×10秒での熱収縮
率が少なくとも一方向において10%以上であることを
特徴とする熱収縮性ポリスチレン系フィルム。 - 【請求項2】 請求項1記載のビニル芳香族炭化水素と
共役ジエン系炭化水素とからなる少なくとも1種のブロ
ック共重合体において、損失弾性率(E”)を測定する
と、−50℃から70℃の温度範囲内に少なくとも1つ
のピークが存在することを特徴とする熱収縮性ポリスチ
レン系フィルム。 - 【請求項3】 延伸フイルムの引張弾性率が160kg
f/mm2 以上であることを特徴とする請求項1乃至請
求項2記載の熱収縮性ポリスチレン系フィルム。 - 【請求項4】 請求項1乃至請求項3記載の混合樹脂
に、可塑剤及び/又は粘着付与樹脂を1〜10重量部の
範囲で添加したことを特徴とする熱収縮性ポリスチレン
系フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16460398A JPH11349704A (ja) | 1998-06-12 | 1998-06-12 | 熱収縮性ポリスチレン系フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16460398A JPH11349704A (ja) | 1998-06-12 | 1998-06-12 | 熱収縮性ポリスチレン系フィルム |
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JPH11349704A true JPH11349704A (ja) | 1999-12-21 |
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ID=15796326
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JP16460398A Pending JPH11349704A (ja) | 1998-06-12 | 1998-06-12 | 熱収縮性ポリスチレン系フィルム |
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JP (1) | JPH11349704A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001354827A (ja) * | 2000-06-13 | 2001-12-25 | Asahi Kasei Corp | ブロック共重合体組成物及び熱収縮性フィルム |
JP2003073486A (ja) * | 2001-09-04 | 2003-03-12 | Toyobo Co Ltd | 熱収縮性ポリスチレン系樹脂フィルム、これを用いたラベル、及び容器 |
JP2003326599A (ja) * | 2002-05-15 | 2003-11-19 | Toyobo Co Ltd | 熱収縮性ポリスチレン系樹脂フィルム、これを用いたラベル、及び容器 |
WO2004033541A1 (ja) * | 2002-10-08 | 2004-04-22 | Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha | 熱収縮性フィルム |
US7459494B2 (en) | 2002-07-31 | 2008-12-02 | The Procter & Gamble Company | Phase change solvents for thermoplastic elastomers |
-
1998
- 1998-06-12 JP JP16460398A patent/JPH11349704A/ja active Pending
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JP4587528B2 (ja) * | 2000-06-13 | 2010-11-24 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | ブロック共重合体組成物及び熱収縮性フィルム |
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