JP3934314B2 - 多層熱収縮性ポリスチレン系フィルム - Google Patents

多層熱収縮性ポリスチレン系フィルム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低温域での熱収縮速度が大きく、熱収縮率が大きく、自然収縮率が小さく、且つ、容器に装着された熱収縮性フィルム同士が熱時にブロッキングしない多層熱収縮性ポリスチレン系フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
プラスチック容器等各種容器には、商品名や使用上の注意等の情報を伝えるためと意匠性を持たせるために、内面に印刷を施した熱収縮性フィルム(ラベル)を装着することが一般的に行われている。このようなフィルムに要求される基本的物性としては、透明性、光沢、腰等があり、それらを満足する素材であるポリスチレン系樹脂からなるフィルムが検討されてきた。例えば、特開2000−185373号公報がある。
【0003】
前記公報では、両外層がブタジエン単位含有量少なくとも15重量%のスチレン−ブタジエン−スチレン型ブロック共重合体92〜99.5重量%とスチレン−ブチルアクリレート共重合体0.5〜8重量%との混合物からなり、中間層がブタジエン単位含有量少なくとも15重量%のスチレン−ブタジエン−スチレン型ブロック共重合体10〜50重量%とスチレン−ブチルアクリレート共重合体50〜90重量%との混合物からなる少なくとも3層構造を有し、全体に対する中間層の割合が50〜90重量%であり、全体におけるブタジエン単位含有量が5〜15重量%である多層ポリスチレン系熱収縮フィルムが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前記のフィルムは自然収縮率は小さいものの、低温域での熱収縮速度が小さいため、低温域での熱収縮特性が要求される分野(例えば、乳酸菌飲料等に用いられる耐熱性に乏しい容器への適用や牛乳等高温は避けたい中味商品への適用の場合等)での使用には問題がある。また、熱風式収縮トンネル内や収縮トンネルを出た直後のフィルムが温かい状態のときに容器同士が接触すると、容器の外側に装着されたフィルム同士がブロッキングするという問題もある。
本発明は、低温での熱収縮特性が要求される分野にも収縮仕上がり性がよく、自然収縮率が小さく、且つ、熱時、フィルム同士のブロッキングが発生しない熱収縮性フィルムを提供することを課題とする。さらに、このような熱収縮性フィルムを装着した容器を提供することを課題とする。
【0005】
前記の課題を解決する手段として本発明は、中間層がビカット軟化点75℃以下のスチレン−アクリル酸エステル共重合体又はスチレン−メタクリル酸エステル共重合体を主成分とし、内外層がビカット軟化点75℃以上のスチレン−共役ジエンブロック共重合体を主成分とする多層フィルムであって、主延伸方向の熱収縮率が下記式1を満足し、主延伸方向の80℃熱水中10秒の熱収縮率が40%以上あり、且つ、主延伸方向に5%収縮したときの少なくとも片面の表面粗さRp(山の最大高さ)が0.3〜5.0μmの範囲にある多層熱収縮性ポリスチレン系フィルムであることを特徴とする。
α75−α65>α85−α75 (式1)
(但し、α65:主延伸方向の65℃熱水中10秒の熱収縮率α75:主延伸方向の75℃熱水中10秒の熱収縮率α85:主延伸方向の85℃熱水中10秒の熱収縮率を各々表す。)
また、前記の多層熱収縮性ポリスチレン系フィルムを熱収縮装着した容器であることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を以下に詳述する。
【0007】
本発明の中間層を構成するスチレン−アクリル酸エステル共重合体又はスチレン−メタクリル酸エステル共重合体とは、スチレン系単量体とアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルとの共重合体をいう。
スチレン系単量体とはスチレンやα−メチルスチレン、p−メチルスチレン等のスチレン誘導体をいう。
アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルとは、好ましくはアクリル酸又はメタクリル酸と少なくとも1種の炭素数Cが1〜14の脂肪族アルコールとのエステル、より好ましくは少なくとも1種の炭素数Cが2〜10の脂肪族アルコールとのエステルである。さらに好ましくはアクリル酸ブチルである。
【0008】
スチレン−アクリル酸エステル共重合体又はスチレン−メタクリル酸エステル共重合体はビカット軟化点が75℃以下であることが必要である。より好ましくは70〜60℃である。75℃を超えると低温域での熱収縮速度が低下し、一方、60℃未満だと夏場に樹脂がブロッキングする恐れがある。
スチレン−アクリル酸エステル共重合体又はスチレン−メタクリル酸エステル共重合体はビカット軟化点や分子量等が違う2種以上の混合物であってもよい。
【0009】
中間層にはスチレン−アクリル酸エステル共重合体又はスチレン−メタクリル酸エステル共重合体に加えて、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、グラフトタイプ耐衝撃性ポリスチレン等の各種ポリスチレン系樹脂をさらに配合してもよい。とりわけスチレン−共役ジエンブロック共重合体を配合することがより望ましい。何故ならば、スチレン−共役ジエンブロック共重合体を配合することによって、フィルムのもろさ、伸度、耐衝撃強度等が改善されるからである。
スチレン−共役ジエンブロック共重合体とは、スチレンブロックとブタジエン、イソプレン等の共役ジエンのブロックとを含み、スチレン含有量55〜95重量%、共役ジエン含有量45〜5重量%の共重合体をいい、例えばS−J−SやJ−S−J、あるいは(S−J)−Sや(J−S)−J(Sはスチレンブロック、Jは共役ジエンブロック、nは2以上の整数を表す)が例示できる。 また、スチレン−共役ジエンブロック共重合体に他の成分を含めた3元、4元共重合体であってもよい。他の成分としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、それらの金属塩(例えば、Na、K、Li、Mg、Ca、Zn、Fe等の金属塩)、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等の脂肪族カルボン酸やその誘導体が例示できる。
さらには共役ジエンに基づく二重結合残基の一部を水添したものも例示できる。
【0010】
スチレン−共役ジエンブロック共重合体の配合量は、スチレン−アクリル酸エステル共重合体又はスチレン−メタクリル酸エステル共重合体100重量部に対して5〜95重量部、好ましくは10〜60重量部、より好ましくは20〜40重量部である。5重量部未満では前記の効果が小さく、95重量部を超えると自然収縮率が大きくなる傾向にある。
スチレン−共役ジエンブロック共重合体はスチレン含有量や分子量等が違う2種以上の混合物であってもよい。また、中間層には、安定剤、紫外線防止剤、着色剤等の各種添加剤や他の樹脂等公知のものを合目的的に添加してもよい。
【0011】
本発明の内外層を構成するスチレン−共役ジエンブロック共重合体とは、スチレンブロックとブタジエン、イソプレン等の共役ジエンのブロックとを含み、スチレン含有量55〜95重量%、共役ジエン含有量45〜5重量%の共重合体をいい、例えばS−J−SやJ−S−J、あるいは(S−J)−Sや(J−S)−J(Sはスチレンブロック、Jは共役ジエンブロック、nは2以上の整数を表す)が例示できる。また、スチレン−ブタジエンブロックコポリマーに他の成分を含めた3元、4元コポリマーも本発明の中に入る。他の成分としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、それらの金属塩(例えば、Na、K、Li、Mg、Ca、Zn、Fe等の金属塩)、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等の脂肪族カルボン酸やその誘導体が例示できる。
さらには共役ジエンに基づく二重結合残基の一部を水添したものも例示できる。
【0012】
スチレン−共役ジエンブロック共重合体はビカット軟化点が75℃以上であることが必要である。より好ましくは80〜95℃である。75℃未満だとフィルムが温かいときにブロッキングし易い傾向にある。95℃を超えると低温域での収縮速度に悪影響を及ぼす傾向にある。
スチレン−共役ジエンブロック共重合体はビカット軟化点や分子量等が違う2種以上の混合物であってもよい。
【0013】
内外層にはスチレン−共役ジエンブロック共重合体に加えて、ポリスチレン(GPPS)をさらに配合することが望ましい。ポリスチレンを配合すると、自然収縮率のさらなる低減化、フィルムのブロッキング防止性のさらなる向上等に有効であるからである。
また、内外層には、安定剤、紫外線防止剤、着色剤等の各種添加剤や他の樹脂等公知のものを合目的的に添加してもよい。
【0014】
ポリスチレンの配合量は、スチレン−共役ジエンブロック共重合体100重量部に対して5〜70重量部、好ましくは10〜40重量部、より好ましくは20〜30重量部である。5重量部未満では前記の効果が小さく、70重量部を超えると延伸性が悪くなる傾向にあり、また、低温収縮性も悪くなる傾向にある。
内層と外層とで配合量を変えてもよいが、カール等の点からは同じ配合量であるのが望ましい。
【0015】
フィルムのトータル厚さは特に限定するものではないが、通常10〜100μm、好ましくは20〜60μmである。
中間層と内外層との厚さの比率は、フィルムの低温域での熱収縮特性、耐ブロッキング性、自然収縮率等を考慮して決めればよい。好ましくは外層/中間層/内層=1/3/1〜1/12/1、より好ましくは外層/中間層/内層=1/6/1〜1/11/1である。中間層の厚さが1/3/1より小さい場合には低温域での熱収縮特性が充分でなくなる傾向にあり、1/12/1を超える場合には耐衝撃強度、耐ブロッキング性、自然収縮率に対して好ましくなくなる傾向にある。
積層方法はドライラミ、押出しラミ等公知のいかなる方法でもよいが、共押出し(次いで共延伸)による方法が簡便で好ましい。共押出しによる場合、Tダイスを用いたフラット状フィルムでもよいし、環状ダイスを用いたチュ−ブ状フィルムそのまま、あるいは、これを切り開いてフラット状フィルムにしたものであってもよい。
【0016】
本発明のフィルムは主延伸方向の熱収縮率が下記式1を満足するフィルムである。
α75−α65>α85−α75 (式1)
(但し、α65:主延伸方向の65℃熱水中10秒の熱収縮率
α75:主延伸方向の75℃熱水中10秒の熱収縮率
α85:主延伸方向の85℃熱水中10秒の熱収縮率
を各々表す。)
即ち、75〜85℃における主延伸方向の熱収縮速度よりも65〜75℃における熱収縮速度が大きいという特性を有するフィルムであるため、前記したような低温域での熱収縮特性が要求される分野での使用に最も適したフィルムとなる。また、本発明のフィルムは主延伸方向の80℃熱水中10秒の熱収縮率が30%以上、好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上のフィルムである。このように最終到達に近い温度での収縮率が大きいため、収縮したフィルムが容器に十分密着する。30%未満であると密着力に欠ける傾向にある。
【0017】
なお、主延伸方向の熱収縮率を乾熱ではなく熱水中での数値に特定したのは、乾熱よりも熱水中の方が熱収縮率のバラツキ(測定誤差)が小さいためである。また、その温度を65℃、75℃、85℃、及び80℃としたのは、熱水中65℃の収縮挙動が熱風式収縮トンネルの入り口近辺の挙動と一致し、熱水中85℃の収縮挙動が熱風式収縮トンネルの出口近辺の挙動と一致するからである。
【0018】
さらに、本発明のフィルムは主延伸方向に5%収縮したときの少なくとも片面の表面粗さRp(山の最大高さ)が0.3〜5.0μm、好ましくは0.5〜4.0μm、より好ましくは1.0〜3.0μmの範囲にあるフィルムである。
該面が本発明のフィルムを容器に装着したときの外側に相当する面である場合には、外層フィルムの構成(ビカット軟化点が75℃以上のスチレン−共役ジエンブロック共重合体を主成分とする)と相まって、収縮トンネル内や収縮トンネルを出た直後のフィルムが温かい状態のときに容器同士が接触しても、フィルム同士がブロッキングするという問題が発生しない。表面粗さRpが0.3μm未満であるとフィルム同士がブロッキングし易い傾向にある。一方、表面粗さRpが5.0μmを超えると光学特性が悪くなる傾向にある。
該面が前記の面の反対面である場合には、容器とフィルムとで適度な滑性を有するため、熱収縮時、シワ、アバタ等外観不良がより発生しにくい。表面粗さRpが0.3μm未満であると、熱収縮時、フィルムの一部が容器と密着し、密着していない部分から収縮が始まるので不均一な収縮となり、シワ、アバタ等の外観不良が発生し易い傾向にある。一方、表面粗さRpが5.0μmを超えると光学特性が悪くなるのみならず、インキ抜け等印刷適性も悪くなる傾向にある。
より好ましくは表面粗さRpが両面共に前記の範囲にあるフィルムである。
なお、表面粗さRpを主延伸方向に5%収縮したときの表面粗さRpとしたのは、容器とフィルム(ラベル)との余裕率を5%前後にするのが一般的であるからである。
【0019】
表面粗さRpを前記の範囲にするための手段は公知の如何なるものであってもよい。例えば、非相溶性の樹脂ブレンドによる方法、エンボス加工による方法が例示できる。好ましくは、一般にアンチブロッキング剤と呼称されているもの、
例えば、シリカ、タルク、炭酸カルシュウム等の無機微粒子や架橋アクリル系、架橋ポリエステル系、架橋ポリスチレン系、シリコン系等の有機微粒子を内、外層に添加する手段を用いるのが簡便でより望ましい。透明性をできるだけ阻害しないという点から、より好ましくは架橋ポリメチルメタクリレートである。微粒子添加による場合、表面粗さRpは延伸条件(温度、倍率)や内、外層の厚さ等にも依存するので、微粒子の粒径や配合量は一概には特定できない。延伸条件(温度、倍率)や内、外層の厚さ等に応じて粒径や配合量を適宜選定するのが望ましい。
【0020】
本発明のフィルムはフラット法、チューブラー法等公知の方法によって製造することができる。例えばフラット法の場合では、複数の押出機を用いて樹脂を溶融し、Tダイスから共押出し、引き取りロールで引き取り、縦方向にロール延伸をし、横方向にテンター延伸をし、アニールし、冷却して、巻き取り機にて巻き取ることによりフィルムを得る方法が例示できる。延伸倍率は主延伸方向に相当する方向が2〜8倍、好ましくは4〜6倍、それと直交する方向が1〜2倍(1倍とは延伸していないという意味)、好ましくは1.03〜1.7倍の、実質的には一軸延伸の範疇にある倍率比を選定するのが望ましい。何故ならば、通常の二軸延伸の倍率で得られるフィルムは主延伸方向と直交する方向の熱収縮率も大きくなるので、容器に装着するとき容器の高さ方向にもフィルムが熱収縮いわゆる縦引け現象が起こり、好ましくないからである。
延伸温度は、ロール延伸70〜95℃、テンター延伸70〜110℃の範囲で選定することが望ましい。
なお、チューブラー法による場合、チューブ状のまま延伸してもよいし、切り開いてフラット状にして延伸してもよい。
【0021】
本発明でいう容器とは各種プラスチックボトル、ガラスボトルはもとより、各種成形容器、その他本発明の熱収縮性フィルムが適用できる全ての容器をいう。しかし、耐熱性に乏しい容器や高温は避けたい中味商品が充填された容器への適用が本発明のフィルムの特性を最も生かすという点からは好ましい。
【0022】
【実施例】
次に本発明の代表的な実施例を挙げて説明する。
【0023】
65℃、75℃、85℃、及び80℃における主延伸方向の熱収縮率(α65、α75、α85、α80)は以下の方法による。
即ち、フィルムから縦×横=100mm×100mmのサンプル10枚を切り取る。そしてこのサンプルの1枚を65℃(75℃、85℃、及び80℃も同様)の熱水に10秒間浸漬させ、すぐに冷水にて冷却した後、縦方向または横方向(主延伸方向に相当する方向)の長さL(mm)を測定する。そして100−Lを算出する。同様のことを残りの9枚のサンプルで繰り返し、計10枚の平均値を主延伸方向の65℃(又は75℃、85℃、80℃)熱水中10秒の熱収縮率とした。
【0024】
フィルムの自然収縮率は、40℃で7日間フィルムを自然放置したときの、主延伸方向の収縮率を自然収縮率とした。
【0025】
主延伸方向に5%収縮したときのフィルムの表面粗さRp(山の最大高さ)は以下の方法による。
即ち、フィルムを主延伸方向に5%たるませて金枠にセットし、80℃熱水中に10秒浸漬して5%収縮させた後、フィルム表面を触針式表面粗さ形状測定機(株式会社東京精密製 サーフコム575A)を用いて、先端ダイヤモンド針の半径5μm、測定力3.9mNの条件下でフィルムの長手方向にカットオフ値2.5mmで、測定長3mm、間隔2μmで500点の測定を行い、中心線から最も高い山頂までの距離をRp(山の最大高さ)とした。
【0026】
耐ブロッキング性の評価は以下の方法による。即ち、前記と同様にして主延伸方向に5%収縮させたフィルムから主延伸方向に100mm、それと直交する方向に30mmの寸法でサンプルを切り取り、フィルムの同じ表面同士を重ね合わせる。重ね合わせの寸法は主延伸方向に40mmとする(従って、フィルムの重ね合わせ面積は40mm×30mm=1200mmとなる)。
次いで、この重ね合わせ部分(1200mm)に荷重1.2kgをかけて80℃の恒温乾燥機に1分入れた後取り出して、ブロッキングの度合いを官能評価した。全くブロッキングしていないものを〇、ややブロッキング気味のものを△、ブロッキングしているものを×とした。
【0027】
収縮仕上がりの評価は以下の方法による。即ち、容器に熱収縮装着されたラベルの状態を観察して、異常なくきれいに仕上がったものを○、シワ、アバタ等の異常が見られ実用上問題があるものを×、その中間のものを△とした。
【0028】
(実施例1)
中間層(B)となるスチレン−アクリル酸ブチル共重合体(A&Mスチレン株式会社製 SC−008(ビカット軟化点70℃))100重量部とスチレン−ブタジエンブロック共重合体(旭化成工業株式会社製 アサフレックス830(ビカット軟化点72℃))33重量部との配合物を押出機を用いて溶融し、更にもう2台の押出機を用いて、内外層(A、C)となるポリスチレン20重量%を含むスチレン−ブタジエンブロック共重合体(電気化学工業株式会社製 クリアレン200ZH(ビカット軟化点90℃))100重量部と有機系アンチブロッキング剤マスターバッチ(ベース樹脂:電気化学工業株式会社製 クリアレン200ZH(ビカット軟化点90℃) 90重量%、有機系アンチブロッキング剤:東振化学株式会社製 アートパールF−5P 10重量%) 1.6重量部との配合物を溶融し、195℃のTダイス内で(A)/(B)/(C)の順になるように融着積層してTダイスから押出し、40℃の引き取りロールを用いて引き取り、温度85℃で縦方向に1.05倍ロール延伸し、100℃で12秒間予熱した後、80℃で横方向に4.6倍テンター延伸し、テンター出口近辺で、温度80℃、時間15秒かけて3.7%弛緩させながらアニールし、40℃の冷却ロールで冷却して多層熱収縮性ポリスチレン系フィルムを得た。フィルムの厚さは、(A)、(C)が共に4.2μm、(B)が41.6μm、トータル厚さ50μmであった。
各温度における主延伸方向の熱収縮率、自然収縮率、表面粗さRp、及び耐ブロッキング性を表1に示す。
かくして得たフィルムにグラビア印刷を施し、有機溶剤を用いてセンターシールし、切断して、折径108.5mm、長さ55mmのラベルを得た。
次いでラベルを余裕率が5.5%のプラスチック容器に被せ、熱風式収縮トンネル(第1ゾーン:温度120℃、第2ゾーン:温度150℃)内を第1ゾーン3.5秒第2ゾーン3.5秒、トータル7秒で通過させて、熱収縮装着した。
収縮仕上がりを表1に示す。
【0029】
(実施例2)
中間層(B)のスチレン−アクリル酸ブチル共重合体(A&Mスチレン株式会社製 SC−008(ビカット軟化点70℃))に代えてスチレン−アクリル酸ブチル共重合体(A&Mスチレン株式会社製 SC−008(ビカット軟化点75℃))を用いた以外、実施例1と同様にしてフィルムを得た。各温度における主延伸方向の熱収縮率、自然収縮率、表面粗さRp、及び耐ブロッキング性を表1に示す。
次いで、このフィルムを用いて実施例1と同様にしてラベルを作製し、プラスチック容器に熱収縮装着させた。収縮仕上がりを表1に示す。
【0030】
(実施例3)
中間層(B)のスチレン−ブタジエンブロック共重合体(旭化成工業株式会社製 アサフレックス830(ビカット軟化点72℃))の配合量を25重量部とした以外、実施例1と同様にしてフィルムを得た。各温度における主延伸方向の熱収縮率、自然収縮率、表面粗さRp、及び耐ブロッキング性を表1に示す。
次いで、このフィルムを用いて実施例1と同様にしてラベルを作製し、プラスチック容器に熱収縮装着させた。収縮仕上がりを表1に示す。
【0031】
(比較例1)
スチレン−アクリル酸ブチル共重合体(A&Mスチレン株式会社製 SC−008(ビカット軟化点79℃))100重量部とスチレン−ブタジエンブロック共重合体(旭化成工業株式会社製 アサフレックス830(ビカット軟化点72℃))54重量部との配合物を押出機を用いて、厚さ50μmの単層の熱収縮性ポリスチレン系フィルムを得た(フィルム製造条件は実施例1と同じ)。各温度における主延伸方向の熱収縮率、自然収縮率、表面粗さRp、及び耐ブロッキング性を表2に示す。
次いで、このフィルムを用いて実施例1と同様にしてラベルを作製し、プラスチック容器に熱収縮装着させた。収縮仕上がりを表2に示す。
【0032】
(比較例2)
中間層(B)としてスチレン−アクリル酸ブチル共重合体(A&Mスチレン株式会社製 SC−008(ビカット軟化点79℃))100重量部とスチレン−ブタジエンブロック共重合体(旭化成工業株式会社製 アサフレックス830(ビカット軟化点72℃))54重量部との配合物を用いた以外、実施例1と同様にしてフィルムを得た。各温度における主延伸方向の熱収縮率、自然収縮率、表面粗さRp、及び耐ブロッキング性を表2に示す。
次いで、このフィルムを用いて実施例1と同様にしてラベルを作製し、プラスチック容器に熱収縮装着させた。収縮仕上がりを表2に示す。
【0033】
Figure 0003934314
Figure 0003934314
【0034】
【発明の効果】
本発明は以上のような構成からなるので、以下の効果を奏す。
【0035】
低温域での熱収縮速度が大きく収縮率も大きいので、低温域での熱収縮特性が要求される分野(例えば、乳酸菌飲料等に用いられる耐熱性に乏しい容器への適用や牛乳等高温は避けたい中味商品への適用の場合等)での使用に最適なフィルムである。
【0036】
また、自然収縮率が小さいので取り扱いが容易である。
【0037】
さらに、熱風式収縮トンネル内や収縮トンネルを出た直後のフィルムが温かい状態のときに容器同士が接触しても、容器の外側に装着されたフィルム同士がブロッキングするという問題が発生しない。

Claims (2)

  1. 中間層がビカット軟化点75℃以下のスチレン−アクリル酸エステル共重合体又はスチレン−メタクリル酸エステル共重合体を主成分とし、内外層がビカット軟化点75℃以上のスチレン−共役ジエンブロック共重合体を主成分とする多層フィルムであって、主延伸方向の熱収縮率が下記式1を満足し、主延伸方向の80℃熱水中10秒の熱収縮率が40%以上あり、且つ、主延伸方向に5%収縮したときの少なくとも片面の表面粗さRp(山の最大高さ)が0.3〜5.0μmの範囲にある多層熱収縮性ポリスチレン系フィルム。
    α75−α65>α85−α75 (式1)
    (但し、α65:主延伸方向の65℃熱水中10秒の熱収縮率α75:主延伸方向の75℃熱水中10秒の熱収縮率α85:主延伸方向の85℃熱水中10秒の熱収縮率を各々表す。)
  2. 請求項1記載の多層熱収縮性ポリスチレン系フィルムを熱収縮装着した容器。
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