JP3730260B2 - スクロール式コンプレッサ - Google Patents

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Description

発明の背景
本発明は、スクロール式コンプレッサに関する。特に、本発明は、低圧側(low side)スクロール冷媒コンプレッサを通して流れる潤滑油とガスの、制御された流れに関する。
低圧側コンプレッサは、圧縮機構を駆動するモータが、コンプレッサシェル(shell)の低圧部分または吸込み圧力部分に設置されているコンプレッサである。スクロール式コンプレッサの場合、オルダム継手のような装置を使用することにより拘束された2つのスクロール部材の一方をモータが駆動して、そのスクロール部材が他方のスクロール部材に対して軌道運動をするように動く。
適切な方向のこのような軌道運動により、各スクロール部材の交互に挟み合う形態で組み合わせられた各インボリュートラップの径方向外側端部において、ポケットが周期的に形成されることになる。このようなポケットは吸込みガスで満たされ、閉じられ、かつ径方向内向きに位置がずらされて、このプロセスの中で捕捉されたガスを圧縮する。圧縮ポケットは、位置がずらされて、スクロールセットの中央部における放出ポートと連通するところに移動し、圧縮されたガスがそれを通して放出される。
冷却装置に利用される低圧側スクロール式コンプレッサにおいて、吸込み圧力の冷媒ガスは、スクロール部材のラップの径方向外側末端により周期的に形成される吸込みポケットの近傍に供給されなければならない。ある種の吸込みチューブが使用されていない場合には、一般的にはコンプレッサシェルの一部分及び/またはコンプレッサのシェルにおけるフレームが、このような吸込みガスがコンプレッサシェルの外部から吸込みポケットに供給される流れ経路の少なくとも一部分を確定する。
たいていのコンプレッサにおいてそうであるように、スクロール式コンプレッサを駆動するモータは、動作中の加熱を防止すべく、前もって冷却されなければならない。更に、駆動シャフト及び駆動されるスクロール部材がその内部で回転するベアリングの潤滑、及びオルダム継手のようなコンプレッサ構成要素の表面及びスラスト表面を含むコンプレッサ内の他の表面の潤滑がされなければならない。
スクロール式コンプレッサのシェルの低圧側を通しての、潤滑の必要な表面への潤滑油の供給及び流れ、そこを通って圧縮機構に向かって流れる吸込みガスの流れとこの潤滑油との相互作用、及び駆動スクロール部材を駆動するモータを冷却する必要性、これら全てのことから、低圧側スクロール式コンプレッサにおいて潤滑油とガスとの分離、相互作用、使用、及び流れを注意深く管理し制御することで、コンプレッサの効率を最大化し、かつ十分な潤滑油がシェル内に残る状態を確保し、かつ潤滑油が圧縮を受けるガスに伴って外部に連行されないようにする必要性が生ずる。
発明の要約
本発明の目的は、コンプレッサ駆動モータを冷却するように、低圧側スクロール式コンプレッサの吸込み圧力部分におけるガスの流れを制御し管理することである。
本発明の別の目的は、コンプレッサの潤滑が必要な部分の表面を十分に潤滑するように、低圧側スクロール式コンプレッサの吸込み圧力部分における潤滑油の流れを制御し管理することである。
本発明の更に別の目的は、コンプレッサ内を流れるガス流に連行されて過剰な量の潤滑油がコンプレッサ外部に流れ出すことを防止し、かつコンプレッサの効率を最大化するように、低圧側スクロール式コンプレッサにおける分割油とガスとの分離、相互作用、仕様及び流れを制御し管理することである。
本発明の更に別の目的は、コンプレッサの動作時に、潤滑の必要なコンプレッサの部分が表面に潤滑油を供給するのを助けるために低圧側スクロール式コンプレッサの吸込み圧力部分において生成される圧力差を利用することである。
本発明の更に別の目的は、コンプレッサ駆動シャフトがジャーナル型軸受けに枢支されるとともに、駆動されるスクロール部材の端部プレートから突出するボスとスタブシャフトとの境界部を介して直接に被駆動スクロール部材を駆動する低圧側冷却スクロール式コンプレッサの吸込み圧力部分においての、冷媒ガスと潤滑油の流れを管理することである。
本発明のこれらの目的及び他の目的は、以下の好適実施例の説明及び添付の図面を参照することで理解されるであろう。また、これらの目的は、コンプレッサシェルの吸込み圧力部分におけるマルチポートフレームに固定されたスリーブに取着された駆動モータを有するスクロール式コンプレッサにおいて達成されよう。このモータとモータスリーブとは協働して両者の間に流れチャネルを確定する。この流れチャネルを通して、吸込みガスが強制的にシェルの吸込み圧力部分に入ってゆくようにされる。吸込みガスはシェルとモータとによって確定されたチャネルに入るが、このチャネルはシェルに形成されたアパーチャを通り、かつ駆動モータが設置されるスリーブの下側開放端を通って延在している。モータとスリーブとによって確定された流れ経路と、そこを流れる吸込みガスによって、駆動モータの冷却がなされる。
シェルの吸込み圧力部分における潤滑油溜めからの潤滑油は、駆動モータのロータが取り付けられた駆動シャフトに確定された通孔を通してポンプアップされ、これにより被駆動スクロール部材が駆動される。この通孔を通して流れる潤滑油の流れは、下側駆動シャフトベアリング、上側駆動シャフトベアリング、及び駆動シャフトの上部末端のスタブシャフトの表面に達する。このスタブシャフトは、スクロール部材の端部プレートから延出するボスと直接接触しており、これにより被駆動スクロール部材を駆動する。
シェルの吸込み圧力部分において、コンプレッサの動作中に潤滑油溜めにおける圧力より低い圧力になる部位に通孔を設けることが、ベアリング表面及びスタブシャフトへの潤滑油の供給を助けている。前記潤滑油溜めは、同様にコンプレッサのシェルのこのような部位に設けられる。低圧部位が生ずるのは、モータステータ、スリーブ、及びマルチポートフレーム、及びスリープ及びモータを通過する吸込みガスの流れの近傍において駆動モータロータが高速回転するからでる。
マルチポートフレームは、モータスリーブ及び駆動モータのステータを支持しており、上側ベアリング及びスタブシャフトの潤滑のために使用された潤滑油の大半が、シェル全体に亘る吸込みガスのアクティブ流れ経路から隔離された分散流れ経路を介して潤滑油溜めに戻るように形成されている。これに関して、このような戻される潤滑油と潤滑油溜めとを分離しているのは、スクロールセットへの吸込みガスの流れ経路から隔てられたフレームによって確定されたキャビティである。また、吸込みガスの流れ経路もフレームによって確定されている。
図面の説明
第1図は、本発明の低圧側冷却スクロール式コンプレッサの断面図であって、コンプレッサのシェルの吸込み圧力部分を通して流れる吸込みガスの流れをよく示している図である。
第2図は、第1図の断面図とは90度異なる向きの断面で切った本発明のコンプレッサの断面図であって、コンプレッサのシェルの吸込み圧力部分を通して流れる潤滑油の流れをよく示した図である。
第3図は、内部で本発明のコンプレッサのモータの駆動シャフトか回転し、コンプレッサシェルの吸込み圧力部分内の、それぞれ分離されたガスの流れ経路と潤滑油の流れ経路とを確定しているマルチポートフレームの平面図である。
第4図は、第3図のマルチポートフレームの側面図であって、本発明のコンプレッサの潤滑油溜めに潤滑油が戻る時に通過する装置をよく示している。
第5図は、第3図のマルチポートフレームの底面図である。
第6図は、第3図のマルチポートフレームの側面図であって、本発明の圧縮機構を含むスクロールセットに吸込みガスが供給される時に通過するアパーチャを示している。
第7図は、第3図のマルチポートフレームの断面図であって、第3図におけるライン7−7で切ったものである。ライン7−7は、スクロールセットにガスが供給される際に通過するアパーチャを二分している。
第8図は、第3図のマルチポートフレームの断面図であって、第3図のライン8−8で切った図である。ライン8−8は、本発明のコンプレッサの低圧側における潤滑油溜めに潤滑油が戻る際に通過するアパーチャを二分している。
好適実施例の説明
第1図及び第2図を参照すると、これらの図面は、本発明のコンプレッサ10の断面図であって、互いに直交する断面で切ったものである。第1図はコンプレッサの吸込み圧力部分におけるガスの流れを、第2図は潤滑油の流れをよく示している。
これに関連して、コンプレッサ10は密閉シェル11を有する。この密閉シェルは、キャップ12、縮径部15を備えたミドルシェル14、及び下側端部プレート16からなる。シェル11は、下側または吸込み圧力部分18と、上側部分または放出圧力部分20とに、この実施例においては固定スクロール部材24の端部プレート22によって分割されている。
固定スクロール部材24は、止め部材から延出しており、軌道運動するスクロール部材30のスクロールラップ28と交互に挟み合う形態で組み合わせらるスクロールラップ26を有する。固定スクロール部材及び軌道運動するスクロール部材は、協働してコンプレッサ10の圧縮機構を構成する。オルダム継手32は、コンプレッサの動作中に固定スクロール部材24に対して軌道運動するスクロール部材30を捕捉する。第1図及び第2図の実施例は、固定/軌道運動型スクロール式コンプレッサに適用されたものであるが、これは本発明の好適実施例としての例示に過ぎず、本発明は、他の型のスクロール式コンプレッサにも同様に適用可能であるということを理解されたい。
軌道運動スクロール部材30は、そこから突出するボス38を有しており、モータロータ36が取り付けられている駆動シャフト34によって駆動される。駆動シャフト34は、マルチポートフレーム40及び下側フレーム42内部で回転するように支持されており、両フレームは、コンプレッサシェルに固着されている。フレーム40の表面41は、後に説明するように、ミドルシェル14の縮径部15と協働して圧縮機構へ供給される吸込みガスの比較的潤滑油を含まない流れと、シェル11の吸込み圧力部分18の潤滑に利用された後コンプレッサ10の潤滑油溜めに戻される潤滑油の流れ経路との間の境界または隔壁を形成している。
モータステータ44は、上側フレーム40に固定され、そこから延出しているスリーブ46内に固定的に支持されている。モータステータ44上のフラットは、スリーブ46と協働して、モータステータとスリーブとの間の流れチャネル48を確定する。スリーブ46は、好適実施例においては、吸込み継手52を通してコンプレッサシェルに入る吸込みガスが、ロータステータの下側中央部分の近傍においてチャネル48に直接導かれる際の通過する流れアパーチャ50を確定する。特定のコンプレッサに関しては、スリーブ46内にアパーチャ50を確定する必要がない場合もある。
潤滑油溜め54はシェル11の底部に設けられ、潤滑油ポンプ56がそこに設置されている。潤滑油ポンプ56は駆動シャフト34に取り付けられ、ポンプ56が回転することにより、潤滑油を潤滑油溜め54から駆動シャフトを通して上向きにポンプアップさせる。本発明の好適実施例においては、ポンプ56は遠心型であるが、他の形態のポンプ機構、例えば容積式ポンプを用いてもよい。
潤滑油の中の破壊屑は回転による遠心力で、下側フレーム42内の環状の収集領域58に集められる。このような破壊屑は、図面には示されていない液抜き孔(weep hole)を通して潤滑油溜めに戻る。収集領域58に入った潤滑油は、駆動シャフトの下側端部がそのなかで回転する下側フレーム42のベアリング表面60に供給される。ベアリング表面60の上側端部から排出された潤滑油の一部分は、後に詳細に説明するように、残りの潤滑油が潤滑油溜め54に落ちる間に、その領域を上向きに通過する吸込みガスに取り込まれて連行される。
ポンプ56の動作により駆動シャフト34に導かれる潤滑油の他の一部分は、好ましくは傾斜しており中心からオフセットした位置に設けられた潤滑油通孔62を通して駆動シャフト内を上向きに進み続ける。ベント(vent passage)64は、モータロータ36の上側部分における領域65において、クランクシャフトの外部と潤滑油通孔62とを結合している。
ベント64は、2つの理由により重要である。第1に、この通路により、潤滑油がコンプレッサのフレーム40の上側ベアリング表面に供給される前に潤滑油に連行された冷媒が、通孔62を横切って外向きに進むことが可能となる点、第2に、このベントによりシャフトの通孔62内の潤滑油の上向きに流れが誘導される点である。このような流れが誘導されるのは、モータロータの直ぐ上の領域65が、コンプレッサの動作中、潤滑油溜め54の圧力より相対的に低い圧力となっているからである。
ベント64の位置及び領域65の出口部が低圧であることにより、通孔62における潤滑油の上向きの流れを生じさせる圧力の低下が生じ、潤滑油溜めから効果的に潤滑油を汲み上げることが可能となる。更に、これによりポンプ56自体により達成されなければならない吸い上げ力が低下し、逆に言えばポンプ出力が増加する。ベント64の近傍における相対的な低圧領域65は、ステータ44の上側端部の近傍のロータ36の高速回転及び上側フレーム40の下向きに突出した部分及び駆動モータ及びスリーブを通過する吸込みガスの上向きの流れにより形成される。
そこで駆動シャフト34の上側部分が回転自在に支持されているベアリング表面66には、通孔62とベアリング表面66とを連通せしめる交差するように穿孔された(cross-drilled)潤滑通路68を通して潤滑油が供給される。この通路68は、ベアリング表面66の上側部分に開口部を有している。
動作条件のもとで、ベント64から排出される潤滑油と共にベアリング表面66の下側部分に排出される潤滑油は、領域65においてロータ36とステータ44の間のギャップ84から流れる吸込みガスにより連行される。このような潤滑油は、品質は適当なものであるが、オルダム継手32のようなコンプレッサ部品の潤滑、及びスクロールラップのチップ及びフランクのシールド潤滑のために必要十分なものであり、第1図に示すように、吸込みガスに連行されてフレーム40を通りオルダム継手の近傍69に達する。
第2または上側潤滑油通孔72は、軌道運動するスクロール部材30及びそのボス38の部分と共に、駆動シャフトのスタブシャフト74の上端部73によって確定されている。駆動シャフト通孔62から上側通孔72に向けて流される潤滑油は、スタブシャフト74とボス38の内側表面との間の境界面である駆動表面76に落ちる。カウンタバランス70の底部の近傍におけるベアリング表面66の上側部分に排出され、且つカウンタバランスの表面71上の駆動表面76の下側部分に排出される潤滑油は、駆動シャフト及びその内部のカウンタバランスの高速回転により混合され、カウンタバランスキャビティ78内において遠心力で外向きにまき散らされる。この潤滑油は、マルチポートフレーム40(第2図参照)の潤滑油リターンアパーチャ80を通してキャビティ78から放出されて潤滑油溜め54に戻るところから、スリーブ46の外部の領域に供給される。
スタブシャフト74の外側表面上に刻み加工されている細長いフラット部(図示せず)が、潤滑油をよりよく供給できるようにしており、過剰な潤滑油が通孔72の方に流れるようにするオーバーフロー経路として機能していることに注意されたい。このようなフラットが設けられる場合、フラットは、軌道運動するスクロール部材の駆動によりスタブシャフト74を介して負荷を受けないボス38の部分に形成される。
カウンタバランスの表面71上の駆動表面76の下側部分に排出される潤滑油の一部分は、同様に遠心力によって外向きに流れ、カウンタバランス70の内径部分を上向きにギャップ86を通して流れる。これは、第1図に最もよく示されている。この潤滑油は、マルチポートフレーム40の上向き表面であるスラスト表面80に接触する軌道運動するスクロール部材30の下側の潤滑を成す。必要量以上の過剰な潤滑油が供給されると、キャビティ78内のカウンタバランス及び駆動シャフトの回転の結果、潤滑油はキャビティ78から遠心力で放出され、潤滑油リターンアパーチャ80を通してモータスリーブ46の外部に出て、最終的には潤滑油溜め54に戻る。
吸込みガスのガス流に関し、第1図及び第7図を参照すると、アパーチャ50及びチャネル48に直接流れ込むことに加えて吸込み継手52に流れ込む吸込みガスは、スリーブ46の下側エッジ81の周りを下向きに流れることに注意されたいる。ついで、このガスはモータステータ44の下側部分とスリーブ46との間に確定された下側通路82を通り、更にウォータロータ36とウォータステータ44との間に確定されたギャップ84を通して流れて、ウォータステータ44の下側部分の周りを上向きに流れて通過していく。吸込みガス用のこの流れ経路は、流れ経路の第1部分を構成し、この第1部分により吸込みガスが圧縮機構に向けられるのである。
スリーブ46のアパーチャ50に流れ込み、この下側エッジ部分81の周りを流れる吸込みガスは、相対的に連行する潤滑油がないということに注意されたい。この理由は、継手52を通してコンプレッサのシェル11に流れ込む吸込みガスが、比較的連行する潤滑油が少なく、またスリーブ46の内部に流れ込む吸込みガスによって引き起こされたガス流の方向及び速度の変化が、シェルに入るきに吸込みガスに既に連行されている潤滑油、または吸込み継手52からスリーブ46に流れる吸込みガスにより捕捉された潤滑油を除去する効果を有するからである。
通路82を流れ、チャネル48を流れ、ロータ−ステータギャップ84を流れ、モータロータ及びステータの下側部分の周りを通過し、領域65に達し、更にそこを通過して流れて行く吸込みガスは、上述のように、駆動モータを冷却する役目を果たす。吸込みガスは、次いで、スリーブ46の内部もモータステータ44の上側部分、及びマルチポートフレーム40の外側表面によって確定された領域90に流れ込む。このようなガスは、再び除気された冷媒、及び駆動シャフトベント64から排出される潤滑油を、このガスが、ベアリング表面66の下側表面から排出される潤滑油と共にが領域90を通過し、フレーム40によって確定されたアパーチャ90を通して流れて行くときに補足する。この潤滑油は、上述のように、品質は必ずしも高いものではないが、オルダム継手の潤滑及びスクロール部材のチップ及びインボリュートラップのシールと潤滑に必要不可欠のものである。
吸込みガスは通路92を通して領域90から排出され、相対的に少ない量の連行潤滑油と共に、フレーム40の径方向外向き且つ上向きに流れてスクロールセットのラップに囲まれた吸込み領域94に流れ込む。領域90と連通するガス流経路は、吸込みガスを圧縮機構に向ける流れ経路の第2部分を構成する。マルチポートフレーム40の表面41が、ミドルシェル14の縮径部15に定着させられて、通路92から吸込み領域94に流れる、相対的に連行する潤滑油の少ない吸込みガスの流れとマルチポートフレーム40によって確定されたオイルリターン通路80の径方向外側の相対的に潤滑油が飽和した領域95との間の比較的密閉度の高い境界または隔壁を形成している。
吸込み領域94は、スクロール部材30の固定スクロール部材24に対する軌道運動によって周期的に形成される吸込みポケットと連通している。ポケットが領域94から遮断された時、ポケット内でのガスの圧縮が上述のように行われる。駆動スクロール部材と被駆動スクロール部材との間で圧縮されたガスは、径方向内向きに放出ポケット96に導かれるが、この放出ポケットは放出ポート94と連通している。ガスは放出チェックバルブアセンブリ100を通過してコンプレッサシェルの放出圧力部分20に流れ込み、そこから放出継手102を通して放出される。
再び図面を参照すると、マルチポートフレーム40が、スリーブ46と共に、いかにして比較的分離された潤滑油と吸込みガスのコンプレッサ10の吸込み圧力部分を通して流れを管理しているかをよりよく理解することができよう。これに関連して、主として第7図及び第8図を参照すると、コンプレッサシェルの吸込み圧力部分の上側部分に供給される大半の潤滑油は、ベアリング表面66、駆動表面76、及びスラスト表面88を潤滑するために供給されているということが理解されよう。この潤滑油は、主として、マルチポートフレームの内部において確定されているキャビティ78の内部に供給されて使用される。上述のように、潤滑油が使用された後キャビティ78に入る時、この潤滑油はカウンターバランス70及び駆動シャフト34の上側末端の回転によって外向きに遠心力で流される。このオイルはフレーム40の潤滑油リターンアパーチャ80を通り、更に領域95を通って再び潤滑油溜め54に戻されるが、このとき潤滑油が通る流れ経路は、モータスリーブ40の外部であり、その内部を通る吸込みガスの流れからは隔離されている。
スクロールセットに供給される吸込みガスのための流れ経路は、潤滑油が多く存在するオイルリッチ(oil-rich)キャビティ78から隔離される形態で設けられる。吸込みガスの流れと、キャビティ78及び潤滑油溜め54に戻される潤滑油との分離は、モータスリーブ46の内部で、且つオイルリッチキャビティ78を確定するフレーム40の部分の外部に、吸込みガスの流れ経路を形成することによって達成される。従って、マルチポートフレーム40は、ミドルシェル14と協働して、潤滑油を、ポート80から排出され領域98を通して潤滑油溜めに戻るようにうまく導くと共に、比較的潤滑油を含んでいない吸込みガスをポート92を通してスクロールセットの近傍の吸込み領域94に導くことができる。
コンプレッサ内部の吸込みガスのアクティブ流れ経路は、その内部の潤滑油用の供給流れ経路及びリターン流れ経路の双方とは全く独立しているということが理解されよう。これは、そこから潤滑油がオイル溜に戻されるコンプレッサの吸込み圧力部分内部の領域から効果的に分離されたアクティブガス流経路を介してスクロールセットに吸込みガスを流すべく協働するマルチポートフレームとスリーブとを使用したことで発揮される効果である。このオイル供給、使用、及びリターン経路は、その内部に含まれる吸込みガスも同様であるが、概して、一般的な吸込みガスを圧縮機構にアクティブに導くための経路ではない。この結果、コンプレッサの吸込み圧力部分における潤滑を必要とする表面の潤滑が達成されると共に、スクロールセットに供給される吸込みガスは、そのスクロールセット及びその近傍における表面の潤滑に必要な相対的な名目上の潤滑油の量に対して相対的に潤滑油が含有されていないものとなる。
本発明のコンプレッサについて好適実施例を用いて説明したが、請求項に記載の本発明の範囲を逸脱することなく別の形態の実施或いは変更を加えた実施が可能であることは理解されよう。

Claims (28)

  1. スクロール型のガスコンプレッサであって、
    吸込みガス流入口を有しかつ潤滑油溜めを形成する吸込み圧力部分及び放出圧力部分を確定するシェルと、
    スクロールラップを有する第1スクロール部材と、
    前期第1スクロール部材のスクロールラップと互いに挟みあう形態で組み合わせられるスクロールラップを有し、前記シェルに回転自在に設置される第2スクロール部材であって、前記第1スクロール部材及び前記第2スクロール部材が圧縮機構を含む、該第2スクロール部材と、
    前記シェルの前記吸込み圧力部分に設置された、前記第2スクロール部材を駆動するモータと、
    前記シェルに固定的に取着されるスリーブであって、前記モータが前記スリーブに設置され、両者が協働して前記圧縮機構への吸込みガスの流れ経路の第1部分を形成する、該スリーブと、
    前記シェルに固定的に取着されたフレームとを有することを特徴とし、
    前記フレームが、前記潤滑油溜めと前記スリーブ外部の潤滑油リターン経路を介して連通するキャビティとを確定し、かつ前記フレームが、前記スリーブの内部と協働して、前記キャビティ及び前記潤滑油リターン経路から隔離された吸込みガス用の前記流れ経路の第2部分を確定することを特徴とし、
    前記スリーブが端部が開放されたスリーブであり、前記スリーブの開口端が前記吸込み圧力部分内の前記吸込みガス流入口より下の位置でかつ前記潤滑油溜めの上側で下向きに開口し、これによって前記吸込みガス流入口から前記シェルに流入した吸込みガスが、前記シェル内において初めに前記スリーブ外部の前記潤滑油リターン経路を下向きに流れ、次に前記スリーブの前記開口端の縁部で流れの向きを変えて前記開口端を通して吸込みガス用の前記流れ経路に流入するように強制されることを特徴とするスクロール式コンプレッサ。
  2. 前記モータによって駆動される駆動シャフトを更に有し、前記駆動シャフトが、前記第2スクロール部材に駆動可能に結合され、前記潤滑油溜めに連通する潤滑油通孔を確定していることを特徴とする請求項1に記載のスクロール式コンプレッサ。
  3. 前記駆動シャフトがベント通路を確定し、前記ベント通路は前記駆動シャフトにより確定された前記潤滑油通孔と前記吸込みガス流れ経路との間を連通せしめ、かつ前記ベント通路は、前記コンプレッサの動作中前記潤滑油溜めの圧力と比較して低い圧力の部位において前記吸込みガス流れ経路への開口を有することを特徴とする請求項2に記載のスクロール式コンプレッサ。
  4. 前記スリーブは前記フレームに固定的に取着され、前記駆動シャフトは前記フレームにより確定された前記キャビティに突入した形態で設けられていることを特徴とする請求項3に記載のスクロール式コンプレッサ。
  5. 前記シェル内において、前記スリーブの開口端が前記モータの最下部の下側下向きに開放されていることを特徴とする請求項4に記載のスクロール式コンプレッサ。
  6. 前記スリーブがアパーチャ群を確定し、前記シェルに流入する吸込みガスが、前記アパーチャの1つ及び前記スリーブの開端を通して吸込みガス用の前記流れ経路に強制的に流入されることを特徴とする請求項4に記載のスクロール式コンプレッサ。
  7. 前記第2スクロール部材が末端プレート及びボスを有し、前記第2スクロール部材のインボリュートラップは前記末端プレートから第1方向に延出し、前記ボスは前記第2スクロール部材の前記末端プレートから第2方向に延出しており、前記駆動シャフトの一部は前記ボスに駆動可能にはめ込まれており、前記第2スクロール部材の前記駆動シャフト、前記ボス、及び前記末端プレートは協働して第2潤滑油通孔を確定し、前記第2潤滑油通孔は、前記駆動シャフトによって確定される潤滑油通孔と連通しており、前記駆動シャフト潤滑油通孔から前記第2潤滑油通孔に供給される潤滑油は、前記駆動シャフトと前記ボスとの間の駆動境界面を潤滑し、そのように使用される潤滑油は使用後に前記フレームによって確定される前記キャビティに供給されることを特徴とする請求項4に記載のスクロール式コンプレッサ。
  8. 前記潤滑油通孔が開口を有している前記下側圧力位置は、前記スリーブの内部で前記フレームの外部であることを特徴とする請求項4に記載のスクロール式コンプレッサ。
  9. 前記潤滑油溜めから前記駆動シャフトによって確定された前記潤滑油通孔へ潤滑油をポンピングするためのポンプを更に有することを特徴とする請求項4に記載のスクロール式コンプレッサ。
  10. 前記駆動シャフトが前記フレームのベアリング表面に回転自在に支持されており、前記ベアリング表面が前記駆動シャフトにより確定されている前記潤滑油通孔と連通しており、そこから供給される潤滑油により潤滑されていることを特徴とする請求項7に記載のスクロール式コンプレッサ。
  11. 前記駆動シャフトに固定的に取着されたカウンタバランスをさらに有し、前記カウンタバランスが、前記フレームによって確定された前記キャビティ内で前記駆動シャフトとともに回転し、前記カウンタバランスが潤滑油を流して、前記駆動境界面の潤滑に使用した後、前記カウンタバランスが、前記ボスが延出している前記第2スクロール部材の液末端プレートの表面上に潤滑のため潤滑油を流すことを特徴とする請求項10に記載のスクロール式コンプレッサ。
  12. 前記フレームがスラスト表面を確定しており、前記ボスが延出する前記第2スクロール部材の末端プレートの表面が前記スラスト表面により支持されていることを特徴とする請求項11に記載のスクロール式コンプレッサ。
  13. ローサイド(low-side)スクロール式コンプレッサのモータを冷却し、そのスクロール圧縮機構へ相対的に潤滑油を含まない吸込みガスを供給する方法であって、
    前記コンプレッサの処理を吸込み圧力部分と放出圧力部分とに分割する過程と、
    前記シェルの前記吸込み圧力部分において吸込みガス流入口を設けかつ潤滑油溜めを形成する過程と、
    前記シェルのフレームにスリーブで覆われた駆動モータを設置する過程であって、前記スリーブは、設置したときに前記シェルと協働して前記シェル内の吸込み圧力部分内にあって前記スリーブ外部にある潤滑油リターン経路を確定し、前記スリーブは端部が開放されたスリーブであり、設置したときに前記スリーブの開口端が前記吸込みガス流入口より下の位置でかつ前記潤滑油溜めの上側で下向きに開口し、これによって前記吸込みガス流入口から前記シェルに流入した吸込みガスが、前記シェル内において初めに前記スリーブ外部の前記潤滑油リターン経路を下向きに流れ、次に前記スリーブの前記開口端の縁部で流れの向きを変えて前記開口端を通して吸込みガス用の前記流れ経路に流入するように強制され、フレームは前記スリーブを装着されたモータと協働して、そのモータの内部を通りスクロールセットに至る吸込みガスの流れ経路を確定し、このように形成された流れ経路が吸込みガスをして前記モータを冷却せしめるようにする、該過程と、
    前記潤滑油溜めからスリーブを装着されたモータの駆動シャフトによって確定された流れ経路を通して前記スクロール部材の1つを駆動する駆動シャフトの表面及び前記駆動シャフトを回転自在に受け止めるベアリング表面へ潤滑油を供給する過程と、
    前記潤滑油を供給する過程において使用された後、潤滑油を、前記スリーブの内部の前記吸込みガス流れ経路から隔離されたキャビティに収集する過程と、
    前記キャビティから、前記潤滑油リターン経路を介して前記潤滑油溜めに潤滑油を戻す過程とを有することを特徴とする方法。
  14. モータの動作により、前記スリーブの内部で、且つ前記フレームの外部にある、前記潤滑油溜めにおける潤滑油の圧力より相対的に低い圧力の領域を生成する過程と、
    前記駆動シャフトを通して前記低圧力領域に潤滑油流れ経路を開放することにより前記駆動シャフトにより確定された前記潤滑油流れ経路を通して潤滑油を誘導する過程とを有することを特徴とする請求項13に記載の方法。
  15. 前記潤滑油を収集する前記過程において収集された潤滑油を、前記フレームにおいて確定されたアパーチャを通して前記潤滑油溜めに強制的に戻し、且つ前記スリーブを取着されたモータを通して流れる吸込みガスの全てを、前記フレームにおいて確定されたアパーチャを通して圧縮機構に向けて強制的に流す過程を更に有することを特徴とし、
    吸込みガスが流れる前記フレームの前記アパーチャが、前記キャビティと前記収集されたオイルが前記潤滑油溜めに戻される時に通るアパーチャとの双方から隔離されており、吸込みガスが前記スリーブの内部に入った後吸収された潤滑油と混合しないようになっていることを特徴とする請求項14に記載の方法。
  16. スクロール式コンプレッサの吸込み圧力部分を通して流れる潤滑油及び吸込みガスの流れを管理するためのフレームであって、
    概ね環状の形状であって、潤滑油収集キャビティと、前記潤滑油収集キャビティに開口している駆動シャフトアパーチャとを確定している鋳込み成形部(casting)を有することを特徴とし、
    前記フレームが前記オイル収集キャビティと連通している少なくとも1つの潤滑油リターンポート及び少なくとも1つの吸込みガス流れ通路を確定しており、前記少なくとも1つの吸込みガス流れ通路が、前記フレームの壁によって前記潤滑油収集キャビティ及び前記少なくとも1つの潤滑油リターンポートの双方から隔離されており、前記少なくとも1つの吸込みガス流れ通路が、前記キャビティに対して一定方向外向きへの潤滑油及びガスが流れる潤滑油流れ経路及び吸込みガス流れ経路をそれぞれ確定していることを特徴とするスクロール式コンプレッサの吸込み圧力部分を通して流れる潤滑油及び吸込みガスの流れを管理するためのフレーム。
  17. 前記駆動シャフトアパーチャの中心線が前記鋳込み成形部の中心線に概ね一致することを特徴とし、
    前記鋳込み成形部はスリーブ取着表面を確定しており、前記スリーブ取着表面が同じような環状の形状を有し、前記駆動シャフトアパーチャの中心線と概ね一致する中心線を有し、前記鋳込み成形部によって確定された前記少なくとも1つの吸込みガス流れ通路が入口及び出口を有し、前記入口が前記出口及び前記環状スリーブ取着表面の径方向内向きに設けられていることを特徴とする請求項16に記載のフレーム。
  18. 前記鋳込み成形部が第1ベアリング表面及び第2ベアリング表面を有し、第1ベアリング表面は円筒形の形状で、前記駆動シャフトアパーチャに設置されており、前記第2ベアリング表面は、平坦なスラスト表面で、前記スラスト表面は、前記第1ベアリング表面の中心線に対して概ね垂直な向きであることを特徴とする請求項17に記載のフレーム。
  19. スクロール型のガスコンプレッサであって、
    潤滑油溜めを形成する吸込み圧力部分及び放出圧力部分を確定するシェルと、
    スクロールラップを有し前記シェルに固定的に取着された第1スクロール部材と、
    前記第1スクロール部材の前記スクロールラップと互いに挟み合うように組み合わされるスクロールラップが延出している末端プレートを有し、前記シェルに回転自在に取着された第2スクロール部材であって、前記第1スクロール部材及び前記第2スクロール部材が圧縮機構を含む、該第2スクロール部材と、
    前記シェルの前記吸込み圧力部分に設置されたモータと、
    駆動表面を有し、前記モータにより駆動され、前記駆動表面を介して前記第2スクロール部材を駆動し、前記潤滑油溜と前記駆動表面との間に潤滑油流れ経路を確定する駆動シャフトと、
    前記シェルに固定的に取着されるスリーブであって、前記モータが前記スリーブ内に設置され、両者が協働して吸込みガスが強制的に前記圧縮機構に送られ流れ経路の第1部分を確定する、該スリーブと、
    前記シェルに固定的に取着されるフレームとを有することを特徴とし、
    前記フレームがキャビティを確定し第1ベアリング表面及び第2ベアリング表面を有し、前記第1ベアリング表面は前記駆動シャフトを回転自在に支持し、前記第2ベアリング表面は前記第2スクロール部材の前記末端プレートと係合するスラスト表面であり、前記シェル及び前記スリーブが協働して前記キャビティから前記スリーブの外部にある前記潤滑油溜への潤滑油リターン経路を確定し、前記フレーム及び前記スリーブが協働して、吸込みガスが強制的に前記圧縮機構に流される前記流れ経路の第2部分を確定し、前記流れ経路の前記第2部分が前記スリーブ及び前記モータにより確定された吸込みガス流れ経路の前記部分の流れ部分と連通していることを特徴とするスクロール式コンプレッサ。
  20. 前記フレームが吸込みガス流れ通路及び潤滑油リターン通路を確定し、前記吸込みガスが前記フレームにおける前記吸込みガス通路を通して前記圧縮機構に強制的に流され、前記潤滑油リターンポートが前記キャビティと前記潤滑油リターン経路の双方に連通しており、前記フレームが前記圧縮機構への吸込みガスの流れと前記キャビティから前記潤滑油溜めへの潤滑油戻り経路とを分離する壁を有していることを特徴とする請求項19に記載のスクロール式コンプレッサ。
  21. 前記潤滑油流れ経路が、吸込みガスが前記圧縮機構に強制的に流される時に通る前記流れ経路に開放され、前記圧縮機構がポンプ及び第3ベアリング表面を更に有し、前記第3ベアリング表面が前記第1ベアリング表面と共に前記駆動シャフトに回転自在に支持され、前記駆動表面、前記第1ベアリング表面、前記第2ベアリング表面、及び前記第3ベアリング表面の全てが前記ポンプにより前記潤滑油からポンピングされた潤滑油で潤滑されることを特徴とする請求項20に記載のスクロール式コンプレッサ。
  22. 前記シェルに入る事実上全ての吸込みガスが、前記スリーブ及び前記モータにより確定された前記吸込みガス流れ経路を通して上向きに強制的に流されることを特徴とし、
    前記スリーブ及び前記モータにより確定された前記吸込みガス流れ経路の一部分が、前記モータの前記ロータと前記ステータとの間の流れ経路を含むことを特徴とし、
    前記スクロール式コンプレッサが、前記駆動シャフトにより確定され、かつ前記駆動シャフトにより確定された前記潤滑油流れ経路と前記スリーブ及び前記モータにより確定された前記吸込みガス流れ経路との間を連通せしめるベント通路を更に有することを特徴とし、前記ベント通路が前記モータのロータと前記フレームとの間の前記ガス流れ経路に開口していることを特徴とする請求項20に記載のスクロール式コンプレッサ。
  23. 前記第2スクロール部材がその末端プレートから突出しているボスを有し、前記駆動シャフトの一部分が前記ボスに取着され、前記駆動シャフトの前記駆動表面が前記ボスに係合し、前記駆動シャフトにより確定された潤滑油流れ経路か前記ボスの内部にポンプで排出された潤滑油により潤滑されることを特徴とする請求項20に記載のスクロール式コンプレッサ。
  24. 前記スリーブが開端を有し、前記フレームに固定的に取着されており、前記スリーブの開端が前記シェルに下向きに開放しており、前記モータの最下部の下に延在していることを特徴とする請求項20に記載のスクロール式コンプレッサ。
  25. 前記スリーブがアパーチャ群を確定し、吸込みガスが前記アパーチャの1つ及び前記スリーブの前記開端を通して前記スリーブに強制的に流入させられ、前記圧縮機構に供給される事実上全ての吸込みガスが前記スリーブを通して上向きに強制的に流され、前記モータの冷却に使用されることを特徴とする請求項24に記載のスクロール式コンプレッサ。
  26. 前記キャビティ内で前記駆動シャフトと共に回転させるべく前記駆動シャフト上に固定的に取着されたカウンタバランスを更に有し、前記第2スクロール部材の前記駆動表面に供給された潤滑油の部分が、前記駆動シャフトの潤滑に使用された後前記カウンタバランスの表面に進み、前記カウンタバランス表面に供給された前記潤滑油の前記部分は、前記カウンタバランス表面により前記クレームの前記スラスト表面に摺動自在に係合する前記第2スクロール部材の前記末端プレートの前記表面に流されて、前記スラスト表面との係合部分を潤滑することを特徴とする請求項25に記載のスクロール式コンプレッサ。
  27. スクロール式コンプレッサであって、
    潤滑油溜を確定する吸込み圧力部分及び放出圧力部分を確定し、縮径部を有するシェルと、
    前記シェルの前記縮径部に設けられた圧縮機構と、
    前記シェルの前記吸込み圧力部分に設置された、前記圧縮機構を駆動するモータと、
    前記モータの周りに取着され、前記モータと協働して前記圧縮機構への吸込みガス用流れ経路を確定し、前記シェルと協働して前記シェルの前記吸込み圧力部分における前記潤滑油溜めへの潤滑油リターン経路を確定するスリーブと、
    前記シェルの前記吸込み圧力部分に設置され、少なくとも1つの潤滑油リターンポート及び少なくとも1つの吸込みガス流れ通路を確定し、外周部表面を有するフレームとを有することを特徴とし、
    前記フレームの前記少なくとも1つの吸込みガス流れ通路は前記少なくとも1つの潤滑油リターンポートから隔離され、前記潤滑油リターンポートが前記スリーブ及び前記シェルにより確定された前記潤滑油リターン経路と連通しており、前記少なくとも1つの吸込みガス流れ通路は前記スリーブ及び前記モータにより確定された前記吸込みガス流れ経路と連通しており、前記フレームの前記外周部表面が前記シェルの縮径部の内側壁と協働して前記潤滑油リターン経路と前記吸込みガス流れ経路との間の境界を確定し、それによって前記潤滑油溜へ戻される潤滑油を前記圧縮機構に供給される相対的に潤滑油を含まない吸込みガスから隔離することを特徴とするスクロール式コンプレッサ。
  28. スクロール式コンプレッサであって、
    潤滑油溜めを確定する吸込み圧力部分及び放出圧力部分を確定し、縮径部を有するシェルと、
    前記シェルの前記縮径部に対置される環状表面を有するフレームであって、(i)潤滑油収集キャビティ、(ii)前記潤滑油収集キャビティと連通する少なくとも1つの潤滑油リターンポート、(iii)少なくとも1つの吸込みガス流れ通路を確定し、前記少なくとも1つの吸込みガス流れ通路が、前記潤滑油収集キャビティからも前記少なくとも1つの潤滑油リターンポートからも前記フレームの壁により隔離される、該フレームと、
    前記シェルの前記縮径部に取着された圧縮機構と、
    前記シェルの前記吸込み圧力部分に設置され、前記圧縮機構を駆動するモータと、
    前記シェルの吸込み圧力部分において前記フレームから延出するスリーブであって、前記モータが前記スリーブ内に設置され、それと協働して前記フレームにより確定された前記少なくとも1つの吸込みガス通路を通して前記圧縮機構へ吸込みガスを流す流れ経路を確定し、前記シェル及び前記フレームが協働して前記潤滑油収集キャビティから前記潤滑油溜めに至る潤滑油リターン経路を確定し、この潤滑油リターン経路は前記圧縮機構への吸込みガスの前記流れ経路から隔離されている、該スリーブとを有することを特徴とするスクロール式コンプレッサ。
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