JP3726683B2 - 位置センサレスモータの制御方法及びその制御装置 - Google Patents

位置センサレスモータの制御方法及びその制御装置 Download PDF

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Description

【発明の属する技術分野】
本発明は、位置センサレスモータの制御方法及びその制御装置関するものであり、特に、ステータコイルに発生する逆起電力を利用して制御する際に、モータの正確な位置決め制御をすることが可能な方法及び装置である。
【従来の技術】
産業界の各分野で用いられる電動装置や電動機構には、長寿命で低騒音の観点からブラシレスDCモータが多用されている。また、従来より、例えばインクジェットプリンタの印字ヘッドを往復動させる位置決め用のモータとしては、サーボモータやステッピングモータ等が使用されている。
サーボモータは、位置センサと速度センサを利用して閉ループ制御により位置決めを行うようにしている。一方、ステッピングモータの場合には、開ループ制御により位置決めを行うようにしている。
サーボモータの場合には、高精度の位置決め制御が可能であるが、高精度のセンサが必要な上に複雑な制御が必要となるので、その制御装置等に関して製作費用(コスト)が嵩むという不都合がある。
一方、ステッピングモータの場合には、センサ類は使用しないが、開ループ制御を行っているので、その制御装置等に関して製作費用が嵩まない反面、使用時に振動や騒音が発生しやすいという不都合がある。この点、特開平10−52094号公報は、ステッピングモータを位置センサレス閉ループ駆動する際、使用時の振動や騒音を低減できる技術を提案している。
ところで、位置センサレス駆動のステッピングモータでは、ステータコイルに発生する逆起電力を使用してロータの回転位置を検出するので、モータの停止時にはロータの回転位置が検出できない。このため、起動時には、通常のステッピングモータの駆動と同様に位置指令パルスに同期してステータコイルを励磁する同期運転が行われ、逆起電力がロータの回転位置の検出に十分なレベルに達したときに、位置センサレス駆動に移行する。
尚、位置センサレスモータの位置制御系においては、図8に示すように、回転位置検出器により検出された現在位置と、指令位置との偏差を受けて、PI補償器により、現在位置を指令位置に一致させるための制御がなされて、モータへの入力が制御される。
モータに取付けられる負荷の関係で急激な速度の立上げができない場合には、位置指令パルスの周波数を徐々に上げていく必要がある。この場合、同期運転の期間は位置指令パルスに同期してモータを回転させる。
【発明が解決しようとする課題】
しかし、同期運転から位置センサレス運転に移行したときには、モータ位置と位置指令とは一致しており、その偏差は「0」になる。偏差が「0」であると、PI補償器の演算結果は「0」となって、モータの駆動電圧は「0」になる。そのため、モータの速度が低下する。そうすると、ステータコイルに発生する逆起電力の出力レベルが低下するので、ロータの回転位置を検出できなくなり、そのため位置センサレス駆動ができずに脱調を起こすおそれがある。
脱調を免れたとしても、大きな速度変動が生じるので、図9に示すように、位置センサレス運転移行後、偏差が蓄積して系が振動的になり、整定時間が長くなってしまう。
また、モータを減速して停止する場合には、モータの速度が低下してステータコイルに発生する逆起電力の検出ができなくなって脱調してしまい、目標位置での停止が不可能になってしまうという不都合が考えられる。
そこで、本発明は、位置センサレスモータであっても、確実に駆動することができる上に、目標位置への停止ができるようにした位置センサレスモータの制御方法及びその制御装置を提供することを第1の目的としている。
ところで、インクジェットプリンタを例に上げると、このプリンタは、印字ヘッドを往復動させながら指令した位置にインクを発射することにより、用紙に対して文字や絵を印刷するものである。その印字ヘッドを往復するためのモータはCR制御モータと呼ばれ、これには、例えばハイブリッド型ステッピングモータが使用されている。
このような従来からのハイブリッド型ステッピングモータの機械的な構成の一例を、図12乃至図14を参照して説明する。
このハイブリッド型ステッピングモータは、図12に示すように、ケース201の上下が開口され、この開口部に軸受202、203が配置され、この軸受202、203により回転軸204が回転自在に支持されている。
回転軸204には、回転子(ロータ)205が取付けられている。回転子205は、回転軸204に挿通されて固定された磁石206と、回転軸204に挿通されるとともに磁石206の上下に固定された回転子磁極207、208とから構成されている。磁石206は厚み方向(軸方向)に着磁され、回転子磁極207、208は積層鋼板を重ねて形成されている。
回転子205の周囲には、回転子205と同心状に固定子(ステータ)209が配置され、この固定子209の回転子205側には複数(6個〜9個)からなる固定子磁極210が等間隔に設けられ、各固定子磁極210と回転子205とは所定幅の空隙を介して対向するようになっている。また、各固定子磁極210には、ステータコイル211が巻回されている。
固定子磁極210の先端には、図13及び図14に示すように、複数(例えば6個)の小歯極210aがその中央から左右に振り分けて設けられている。また、回転子磁極207の外周部には、図13及び図14に示すように、多数(例えば36個)の小歯極207aが形成されている。同様に、回転子磁極208の外周にも多数(例えば36個)の小歯極208aが形成されている(図14参照)。この回転子磁極207の小歯極207aと回転子磁極208の小歯極208aとは、半ピッチずれた状態、すなわち電気角で位相が180°ずれた状態に配置されている。
このような構成からなるステッピングモータでは、外部から入力されるパルスに同期してステータコイル211に流す電流を切換ることにより回転子205が回転し、その位置決めが容易にできるので、その制御回路が簡単に構成できる。また、ハイブリッド型ステッピングモータは、電気的に微細なステップ角を実現できるので、CR制御モータとして適している。
このようなステッピングモータにおいて、その制御回路は簡単に構成できるが、その反面ブラシレスDCモータ等と違って、ロータの位置とは無関係にステータコイルに電流を流すので、ロータが振動して回転むらや騒音の原因になる。また、脱調を防止するため、負荷に対して余裕を持った電流をステータコイルに流すので、モータの発熱が大きいという不都合がある。
そこで、ロータの振動を無くし、滑らかな回転と低騒音化を実現できるステッピングモータの制御方法が望まれている。ロータを滑らかに回転させるためには、ロータの回転位置を検出して、適切なタイミングでステータコイルに電流を流す必要がある。これには、エンコーダを設けることによりロータの回転位置を容易に検出できるが、設置スぺースが必要であったり、コストがかかったり、エンコーダ用磁石はその着磁が不可能である、というような不都合があり、実現性に乏しい。そこで、ロータの回転位置を検出するための方法としては、ステータコイルに発生する逆起電力を使用する位置センサレス方式が好ましいといえる。
一方、ハイブリッド型ステッピングモータでは、図14に示すように、この回転子磁極207の小歯極207aと回転子磁極208の小歯極208aとは、その位相θ1と位相θ2とが互いに等しくなるように構成されている。ここで、図14において、θ=θ1+θ2は電気角で360°である。
しかし、この回転子磁極207、208の小歯極207a、208aは36個というように多数である上に、回転子磁極207、208は小さいので、加工精度や組み立て精度のばらつきに起因して、その位相角θ1と位相角θ2とを等しくできない場合がある。このような場合には、回転子205と固定子209との空隙に発生する磁束密度は、図15の(A)に示す実線のように正弦波にならずに歪んだものとなり、これに起因してステータコイル211に発生する逆起電力も、図15の(B)に示す実線のように、正弦波にならずに正の半周期の期間と負の半周期の期間と等しくならないという知見を得た。尚、図15において、破線で示す波形は、θ1=θ2の場合における磁束密度と逆起電力の各波形である。
このため、ステータコイルに発生する逆起電力を利用してロータの位置を検出し、この検出に基づいてステータコイルに通電するタイミングを決定する場合には、モータの機械的精度のばらつきに起因してその通電のタイミングが適切でない場合が考えられ、この解決が望まれる。
また、位置センサレス方式で閉ループ制御を行う場合には、上記のようにステータコイルに発生する逆起電力を利用してロータの回転速度を検出し、この検出により速度制御を行うことになる。従って、この場合にも、モータの回転子の機械的な精度のばらつきに起因してその制御の精度が低下するという不都合が考えられ、この解決が望まれる。
そこで、本発明は、モータの回転子部分の機械的精度にばらつきがあるような場合でも、ステータコイルの通電切換タイミングを精度よく検出でき、ロータの回転の円滑化、低騒音化が実現できること、また、モータの回転子部分の機械的精度にばらつきがあるような場合でも、閉ループ制御の精度の低下を防止できること、更に、モータの回転子部分の機械的精度にばらつきがあるような場合でも、ステータコイルの通電切換タイミングを精度よく検出できる上に、閉ループ制御の精度の低下を防止できるようにした、モータの制御方法及びその制御装置を提供することを第2の目的としている。
前述したように、モータ制御において、センサを用いずに、ステータコイルに発生する逆起電力を検出して、ロータの位置を検出している。ところが、スター結線されたモータにおいて、モータ速度の可変手段としてPWM制御を行った場合には、PWMがONの期間ではモータ中点電圧が電源電圧の約2分の1になるため逆起電力の検出は容易に行えるが、PWMがOFFの期間ではモータ中点電圧がモータ印加電圧のプラス電位又はマイナス電位になるため検出が困難になる。
従って、PWM制御を行った場合には、PWMの影響を取り除いた後に、逆起電力の検出をする必要がある。
その方法としては、端子電圧をローパスフィルタで処理する方法や、PWMがONの時のみ逆起電力を検出する方法や、プラス側とマイナス側のスイッチング素子を同時にON/OFFさせてモータの中点電圧を安定させる方法等が提案されている。
前述したローパスフィルタを用いる方法においては、端子電圧がローパスフィルタを通過することにより90度遅延されるため、別途遅延回路を設けることなく転流タイミングが得られるという長所があるが、転流直後にモータ端子電圧に現れるスパイク電圧の影響でフィルタ出力波形が歪むことから、モータ負荷が増えスパイク電圧が発生する期間が長くなると、正確な転流ができないという欠点を有していた。
PWMがONの時のみ逆起電力を検出する方法は、スパイク電圧の発生期間及びPWMのOFF期間の逆起電力の検出を禁止することにより、モータ負荷が増加しても正確な転流が行えるが、逆起電力の検出を禁止する回路が必要となり、回路規模が増大してしまう欠点と、PWM周波数を十分高くしないと検出遅れが問題になり、またPWMのOFF時に中点電圧が大きく変化することにより、開放相の電圧も大きく変化し、スイッチング素子の出力容量とモータコイルとの間で共振電流が流れ正確な逆起電力が検出できないという問題点もある。
プラス側とマイナス側のスイッチング素子を同時にON/OFFさせる方法は、例えば、特開昭59―172991号もしくは特開平2―20636号に記載されているが、特開昭59―172991号では端子電圧をローパスフィルタで処理していることから、モータ負荷の増加で正確な転流ができないという問題があり、特開平2―20636号ではフィルタに端子電圧の中点電位を入力する必要があるため、モータ負荷増大時の問題点に加え、モータから中点電位を入力するための電線を引き出す必要があり、モータコストが増大するという欠点がある。
そこで本発明は、モータ負荷の変化やPWM周波数に影響されずに、正確な転流を行うことのできる、モータの駆動装置を提供することを第3の目的としている。
また、従来、例えばモータを駆動するモータの制御装置は、モータの速度制御を行うために、入力信号の周波数に比例した直流電圧を得ることができる周波数電圧変換装置を備えている。
この種のアナログ型の周波数電圧変換装置の一例としては、図32に示すように、ワンショット・マルチバイブレータ401と、抵抗RとコンデンサCからなるRCフィルタ402等から構成されている。
このような構成からなる周波数電圧変換装置では、例えばモータの回転検出器から出力されたパルスは、ワンショット・マルチバイブレータ401により回転速度に相当するデューティー比に変換されたのち、RCフィルタ402により平滑化されて図示のような直流電圧が得られる。
しかし、従来の周波数電圧変換装置は、出力リップルを小さくするために、RCフィルタ402のようなフィルタ要素を含んでいるので出力に遅れが生ずるという不都合があった。
上述のモータの回転検出器として、高分解能のエンコーダを使用できる場合には、RCフィルタ402の時定数を小さくしても出力のリップルを小さくできるので、出力の遅れを小さくすることができる。
しかし、例えばブラシレスDCモータにおいて、そのステータコイルに発生する逆起電力を検出して転流を行う位置センサレス駆動をするような場合には、検出分解能を高くするのが困難であるため、従来の周波数電圧変換装置の出力のリップルを小さくするために、RCフィルタ402の時定数を大きくする必要がある。このため、従来の周波数電圧変換装置を位置センサレス駆動方式のモータに使用して閉ループ制御を行うと、上記のRCフィルタ402の出力の遅れの影響により応答特性を向上できないという不都合があった。
また、位置センサレス駆動を行う場合、モータの回転が停止しているときには、ステータコイルに逆起電力が発生しないので、ロータの位置を検出することができない。このため、起動に際しては同期運転を行って強制的に転流し、検出可能なレベルの逆起電力がステータコイルに現れるようになるまで加速した後、位置センサレス駆動への移行が行われる。
位置センサレス駆動に移行するまでの低速回転領域は同期運転、つまり開ループで駆動するため、このときには閉ループ制御は行われない。このように所定の回転域のみで制御を行うような場合、又は制御可能な運転範囲が限定されるような場合に、従来の周波数電圧変換装置では、必要範囲外の回転域においても出力が得られるため、無駄が多く、その分、周波数電圧変換出力のダイナミックレンジを広くすることができないという不都合があった。
そこで、本発明は、出力の遅れがない上に、出力範囲内において回転速度に対する直線性を確保でき、かつ、ダイナミックレンジが広くとれる周波数電圧変換方法及びその装置を提供するとともに、応答特性の向上に寄与できるようにしたモータの制御装置を提供することを第4の目的としている。
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、同期運転と位置センサレス運転とを備えるとともに、これらを相互に切り換える運転モード切換手段を有する位置センサレスモータの制御方法において、
前記同期運転のときには、位置指令信号に同期させてモータのステータコイルを励磁してロータを回転させ、
前記位置センサレス運転のときには、前記ステータコイルに発生する逆起電力に基づいてロータの回転位置を検出し、このロータの検出回転位置に同期させて前記ステータコイルを励磁してロータを回転させるとともに、前記位置指令信号による回転目標位置と前記検出回転位置とから目標位置と現在位置との偏差を求め、この求めた偏差に基づいて位置センサレス閉ループ駆動を行い、
更に、前記位置センサレス運転の開始時には、前記偏差に所定のバイアスを加え、その後このバイアスを減少させるようにした位置センサレスモータの制御方法である。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記同期運転から前記位置センサレス運転への切換えは、前記ステータコイルに発生する逆起電力が所定のレベルに達したことを条件に行い、前記位置センサレス運転から前記同期運転への切換えは、前記偏差が零になったことを条件に行うようにした位置センサレスモータの制御方法である。
請求項3記載の発明は、同期運転と位置センサレス運転とを備えるとともに、これらを相互に切り換える運転モード切換手段を有する位置センサレスモータの制御装置において、
前記運転モード切換手段により前記同期運転が選択されているときに、位置指令信号に同期させてモータのステータコイルの励磁を行い、前記位置センサレス運転が選択されているときに、前記ステータコイルに発生する逆起電力に基づいてロータの回転位置を検出し、このロータの検出回転位置に同期させて前記ステータコイルの励磁を行うステータコイル駆動手段と、
前記運転モード切換手段により前記位置センサレス運転が選択されているときに、前記位置指令信号と前記ロータの検出回転位置とから目標位置と現在位置との偏差を求める偏差算出手段と、
前記運転モード切換手段により前記位置センサレス運転が選択されているときに、前記偏差算出手段で求めた偏差に応じて前記ステータコイル駆動手段の駆動制御を行う制御手段と、
前記運転モード切換手段により前記位置センサレス運転が選択された直後には、前記偏差算出手段で求めた偏差に所定のバイアスを加え、このバイアスを時間の経過とともに減少させるバイアス制御手段と、
を備える位置センサレスモータの制御装置である。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記運転モード切換手段は、前記位置指令信号の周波数を計測する周波数計測手段を備え、前記位置指令信号の周波数が所定値を超えたときに同期運転から位置センサレス運転への切り換えを行い、前記偏差が零になったときに位置センサレス運転から同期運転への切り換えを行う位置センサレスモータの制御装置である。
請求項5記載の発明は、同期運転と位置センサレス運転とを備えるとともに、これらを相互に切り換える運転モード切換手段を有する位置センサレスモータの制御方法において、
前記同期運転のときには、位置指令信号に同期させてモータのステータコイルを励磁してロータを回転させ、
前記位置センサレス運転のときには、前記ステータコイルに発生する逆起電力に基づいてロータの回転位置を検出し、このロータの検出回転位置を示すロータ回転位置信号に同期させて前記ステータコイルを励磁してロータを回転させるとともに、
前記位置指令信号による回転目標位置と前記ロータの検出回転位置とから目標位置と現在位置との偏差を求め、この求めた偏差の積分値を前記偏差に加算し、前記ロータ回転位置信号に基づいてロータ回転速度を求め、前記偏差と前記偏差の積分値との加算値から、前記ロータ回転速度を減算した値に基づいて位置センサレス閉ループ駆動を行い、
前記運転モード切換手段により、前記同期運転から前記位置センサレス運転に移行するときに、前記偏差の積分値には所定の初期値が設定されるようにした位置センサレスモータの制御方法である。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記運転モード切換手段は、前記位置指令信号の周波数を計測する周波数計測手段を備え、
前記運転モード切換手段による運転モードの切り換えは、同期運転による運転開始後、前記位置指令信号の周波数或は逆起電力のレベルが第1の所定値を超えたときに位置センサレス運転に切り換え、前記位置指令信号の周波数或は逆起電力のレベルが第2の所定値を下回り且つ前記偏差が零のときに位置センサレス運転から同期運転に切り換える位置センサレスモータの制御方法である。
請求項7記載の発明は、同期運転と位置センサレス運転とを備えるとともに、これらを相互に切り換える運転モード切換手段を有する位置センサレスモータの制御装置において、
前記運転モード切換手段により前記同期運転が選択されているときに、位置指令信号に同期させてモータのステータコイルの励磁を行い、前記位置センサレス運転が選択されているときに、前記ステータコイルに発生する逆起電力に基づいてロータの回転位置を検出し、このロータの検出回転位置を示すロータ回転位置信号に同期させて前記ステータコイルの励磁を行うステータコイル駆動手段と、
前記運転モード切換手段により前記位置センサレス運転が選択されているときに、前記位置指令信号による回転目標位置と前記ロータの検出回転位置とから目標位置と現在位置との偏差を求める偏差算出手段と、
前記偏差算出手段で求めた偏差の積分値を求める積分手段と、
前記ロータ回転位置信号に基づいてロータ回転速度を求める回転速度検出手段と、
前記偏差に前記偏差の積分値を加算し、前記偏差と前記偏差の積分値との加算値から、前記ロータ回転速度を減算した値に基づいて前記ステータコイル駆動手段の駆動制御を行う制御手段と、
前記運転モード切換手段により、前記同期運転から前記位置センサレス運転に移行するときに、前記積分手段における前記偏差の積分値に所定の初期値を設定する初期値設定手段と、
を備える位置センサレスモータの制御装置である。
請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明において、前記運転モード切換手段は、前記位置指令信号の周波数を計測する周波数計測手段を備え、前記位置指令信号の周波数或は逆起電力のレベルが第1の所定値を超えたときに同期運転から位置センサレス運転への切り換えを行い、前記位置指令信号の周波数或は逆起電力のレベルが第2の所定値を下回り且つ前記偏差が零のときに位置センサレス運転から同期運転への切り換えを行う位置センサレスモータの制御装置である。
請求項9記載の発明は、モータのステータコイルに発生する逆起電力が正から負又は負から正に変化する時点を検出し、この検出した各時点を基準に遅延時間を加えて前記ステータコイルの通電切換タイミングを決定し、この決定した通電切換タイミングに基づいて前記ステータコイルに通電してロータを回転させるようにしたモータの制御方法であって、
前記遅延時間は、前記各検出時点間の時間を測定し、その測定時間のうち、前記逆起電力の正負の期間に対応する測定時間を使用するようにした位置センサレスモータの制御方法である。
請求項10記載の発明は、請求項9記載の発明において、前記遅延時間は、前記各検出時点間の時間を順次測定し、前記通電切換タイミングの決定時の直前よりも1つ前に測定された時間を使用するようにした位置センサレスモータの制御方法である。
請求項11記載の発明は、モータのステータコイルに発生する逆起電力を所定電圧と比較して、ロータの回転位置を示すロータ位置信号を生成する位置検出手段と、
この位置検出手段で生成されたロータ位置信号の変化時点を検出し、この検出された変化時点間の時間を測定する計時手段と、
この計時手段で検出された変化時点を基準に遅延時間を加えて前記ステータコイルの通電切換タイミングを決定するとともに、前記遅延時間として前記計時手段での測定時間のうち、前記逆起電力の正負の期間に対応する測定時間を使用する通電切換タイミング決定手段と、
この通電切換タイミング決定手段で決定された通電切換タイミングにより前記ステータコイルを通電する励磁手段と、
を備えた位置センサレスモータの制御装置である。
請求項12記載の発明は、請求項11記載の発明において、前記計時手段は、前記位置検出手段で生成されたロータ位置信号の立ち上がり及び立ち下がりのエッジを順次検出し、この検出されたエッジ間の時間を順次測定するようし、
前記通電切換タイミング決定手段は、前記計時手段でのエッジの各検出時に、この各検出時を基準に遅延時間を加えて前記ステータコイルの通電切換タイミングを決定するとともに、前記遅延時間として前記通電切換タイミングの決定時の直前よりも、1つ前に前記計時手段で測定された時間を使用するようにした位置センサレスモータの制御装置である。
請求項13記載の発明は、モータのステータコイルに発生する逆起電力によりロータの位置を検出し、この検出位置に基づいて前記ステータコイルに通電して前記ロータを回転させるようにしたモータの制御方法であって、
前記逆起電力が正から負又は負から正に変化する変化時点を検出し、この検出した変化時点間の時間を測定し、この測定時間のうち前記逆起電力の正負の期間に対応する2つの時間の平均から前記ロータの回転速度を求め、この求めた回転速度により閉ループ制御を行うようにした位置センサレスモータの制御方法である。
請求項14記載の発明は、モータのステータコイルに発生する逆起電力によりロータの位置を検出し、この検出位置に基づいて前記ステータコイルに通電して前記ロータを回転させるようにしたモータの制御方法であって、
前記逆起電力が正から負又は負から正に変化する変化時点を検出し、この検出した変化時点間の時間を順次測定し、前記変化時点ごとに、前回と前々回の測定時間の平均から前記ロータの回転速度を求め、この求めた回転速度により閉ループ制御を行うようにした位置センサレスモータの制御方法である。
請求項15記載の発明は、モータのステータコイルに発生する逆起電力を所定電圧と比較して、ロータの回転位置を示すロータ位置信号を生成する位置検出手段と、
この位置検出手段で生成されたロータ位置信号に基づいて前記ステータコイルを通電する励磁手段と、
前記位置検出手段で生成されたロータ位置信号からその変化時点を順次検出し、この検出された変化時点間の時間を測定し、この測定時間のうち前記逆起電力の正負の期間に対応する2つの時間の平均から前記ロータの回転速度を求める回転速度検出手段と、
この回転速度検出手段で求められた回転速度が目標値に一致するように、前記励磁手段を制御する制御手段と、
を備えたモータの制御装置である。
請求項16記載の発明は、モータのステータコイルに発生する逆起電力を所定電圧と比較して、ロータの回転位置を示すロータ位置信号を生成する位置検出手段と、
この位置検出手段で生成されたロータ位置信号の変化時点を検出し、この検出された変化時点間の時間を測定する計時手段と、
この計時手段で検出された変化時点を基準に遅延時間を加えて、前記ステータコイルの通電切換タイミングを決定するとともに、前記遅延時間として前記計時手段で測定した時間のうち前記逆起電力の正負の期間に対応する時間を使用する通電切換タイミング決定手段と、
この通電切換タイミング決定手段で決定された通電切換タイミングにより前記ステータコイルに通電する励磁手段と
前記計時手段で測定された時間のうち、前記逆起電力の正負の期間に対応する2つの時間の平均から前記ロータの回転速度を求める回転速度検出手段と、
この回転速度検出手段で求められた回転速度が目標値に一致するように、前記励磁手段を制御する制御手段と、
を備えた位置センサレスモータの制御装置である。
【発明の実施の形態】
図1は、本発明を3相ハイブリッド型ステッピングモータに適用した場合におけるモータの制御装置の構成の一例を示すブロック図である。また、このモータの制御装置により駆動制御される3相ハイブリッド型ステッピングモータの駆動対象は、例えばプリンタのヘッドキャリッジやその紙送り機構等であり、モータの回転軸にこれらのものが負荷として接続される。
この実施例に係るモータの制御装置は、図1に示すように、ロータ位置検出回路1、転流パルス発生回路2、偏差カウンタ3、加算器4、バイアス制御回路5、運転モード切換回路6、電圧指令制御回路7、PWM制御回路8、同期運転用PWM発生回路9、運転切換スイッチ11、12、ゲート信号発生回路13、3相ハイブリッド型ステッピングモータ15を駆動するインバータ14とを備え、後述のように、運転切換スイッチ11、12の切換えにより同期運転と位置センサレス運転とが行われるように構成されている。
更に、このモータの制御装置の各部の詳細な構成について、図面を参照して説明する。
ロータ位置検出回路1は、位置センサレス運転時に、スター結線された3つのステータコイル16、17、18に発生する各逆起電力を取り込み、この各逆起電力に基づいてロータの回転位置を示すロータ位置信号を生成し、このロータ位置信号に基づいてステータコイル16、17、18に供給する励磁電流の転流タイミングを示す転流タイミング信号を生成し、この転流タイミング信号を運転切換スイッチ12を経由してゲート信号発生回路13に出力するように構成されている。
転流パルス発生回路2は、ロータ位置検出回路1で生成されたロータ位置信号に基づき、ロータが1ステップ角の回転ごとに1パルスを発生させ、この発生パルスを偏差カウンタ3に出力するように構成されている。
偏差カウンタ3は、位置センサレス運転時に、外部からの位置指令パルス(位置指令信号)と転流パルス発生回路2からのパルスをそれぞれカウント(計数)し、両カウント値の差から目標位置と現在位置との偏差を求め、この求めた偏差に応じた偏差電圧を加算器4に対して出力するように構成されている。ここで、位置指令パルスは、ロータの回転位置情報とロータの回転速度情報とが含まれ、その回転位置情報はパルスの総数で与えられ、その回転速度情報はパルスの周波数で与えられる。
加算器4は、偏差カウンタ3から出力される偏差電圧と、バイアス制御回路5から出力されるバイアス電圧とを加算し、この加算電圧を電圧指令制御回路7に出力するように構成されている。
バイアス制御回路5は、運転モード切換回路6からの運転切換信号により同期運転から位置センサレス運転へ移行すると、この位置センサレス運転の開始時に、所定のバイアス電圧を加算器4に出力し、そのバイアス電圧の値を時間の経過とともに減少させるように構成されている。そのバイアス電圧値は、モータ15やその負荷の状況に応じて適正な値を選ぶようにする。
運転モード切換回路6は、位置指令パルスの周波数が所定の値になったときに、つまり、モータ15のステータコイル16、17、18に発生する逆起電力が十分なレベルに達したときに、同期運転から位置センサレス運転への切り換えを行い、一方、偏差カウンタ3の偏差が「0」になったときに、位置センサレス運転から同期運転への切り換えを行うための運転切換信号を生成するように構成されている。そして、その運転切換信号に応じて運転切換スイッチ11、12の各接点が同期運転側又は位置センサレス運転側のうちのいずれか一方に切り換わるとともに、その運転切換信号はバイアス制御回路5に出力されるようになっている。
電圧指令制御回路7は、加算器4からの出力電圧を受け取ると、この出力電圧に応じてPWM制御回路8がPWM(パルス幅変調)信号を生成するための指令制御を行うように構成されている。
PWM制御回路8は、電圧指令制御回路7からの指令に基づき、加算器4からの出力電圧に応じたPWM信号を生成し、このPWM信号を運転切換スイッチ11を介してゲート信号発生回路13に出力するように構成されている。
同期運転用PWM発生回路9は、同期運転時に使用するPWM信号を生成し、このPWM信号を運転切換スイッチ11を経由してゲート信号発生回路13に出力するように構成されている。
ゲート信号発生回路13は、同期運転時には、外部からの位置指令パルスに同期してモータのステータコイル16、17、18に励磁電流を流すためのゲート信号を生成し、一方、位置センサレス運転時には、ロータ位置検出回路1からの転流タイミング信号に同期してモータのステータコイル16、17、18に励磁電流を流すためのゲート信号を生成するように構成されている。
インバータ14は、図示しない6つのスイッチング用トランジスタからなる3相ブリッジ回路から構成され、その出力端子にモータ15のステータコイル16、17、18が接続されている。このため、インバータ14のトランジスタは、ゲート信号発生回路13で生成されたゲート信号により通電が制御されて、所定のステータコイル16、17、18に励磁電流が流れる。
次に、このように構成される本例のモータの制御装置の動作の一例について、図1乃至図3を参照して説明する。図2は、そのモータの制御装置の動作例を示すフローチャートである。図3は、そのモータの制御装置の運転パターンを説明する説明図であり、上側に示す速度曲線のうち実線はモータの実際の速度を示し、太い破線はその目標値を示す。
このモータの制御装置は、図3に示すように同期運転と位置センサレス運転(位置センサレス閉ループ駆動運転)を行い、同期運転から位置センサレス運転への切換え、又は位置センサレス運転から同期運転への切換えは自動的に行うようになっている。
以下に、同期運転と位置センサレス運転の詳細について説明する。
いま、図3に示す時刻t1においてモータ15が起動されると、同期運転を行うために、運転モード切換回路6から出力される運転切換信号は例えば「L」レベルとなるので、運転切換スイッチ11、12の切換え接点は、同期運転側(図1の位置とは反対側の位置)になる。このため、同期運転中は、ゲート信号発生回路13は、外部からの位置指令パルスに同期して転流を行うようにインバータ14を駆動する(ステップS1)。すなわち、ゲート信号発生回路13は、位置指令パルスに同期してゲート信号を発生し、このゲート信号によりインバータ14が駆動されてステータコイル16、17、18に励磁電流が流れる。
そして、時刻t2において、運転モード切換回路6が、位置指令パルスの周波数に基づいてモータ15が所定の回転に達したと判定すると(ステップS2)、運転モード切換回路6から出力される運転切換信号は「L」レベルから「H」レベルに変化するので、運転切換スイッチ11、12の切換え接点は、位置センサレス運転側(図1の位置)に切り換わり、位置センサレス運転に移行する。
また、時刻t2には、バイアス制御回路5に供給されている運転モード切換回路6からの切換信号が「L」レベルから「H」レベルに変化するので、これによりバイアス制御回路5は、所定のバイアス電圧を加算器4に出力する(ステップS3)。このときには、電圧指令制御回路7には、バイアス制御回路5からのバイアス電圧のみが供給され、このバイアス電圧によりPWM制御回路8はPWM信号を生成し、このPWM信号がゲート信号発生回路13に供給され、これによりモータ15の回転が確保される。
このように、加算器4に所定のバイアス電圧を出力するのは、以下の理由による。すなわち、時刻t2においては、偏差カウンタ3の位置の偏差は「0」であり、加算器4に出力される偏差カウンタ3の出力偏差電圧が「0」のため、この制御系はモータ15を停止させようとする。この場合に、モータ15のステータコイル16、17、18に発生する逆起電力の出力レベルが低下してロータの位置を検出できなくなるので脱調する。そこで、位置センサレス運転への移行開始時に、操作量にバイアス電圧を付加するようにし、位置センサレス運転への移行時に脱調を防止するようにした。
このようにして位置センサレス運転に移行すると、バイアス制御回路5から出力されるバイアス電圧が「0」でない場合には(ステップS4:No)、バイアス電圧が一定量ずつ減少させていく(ステップS5)。このようにバイアス電圧を減少させていくのは、後述のように、偏差カウンタ3の偏差が「0」の場合にもバイアス電圧が残留すると、モータ15は指令位置よりも進んだ位置に駆動されてしまうからである。
また、位置センサレス運転の期間中には、ロータ位置検出回路1は、ステータコイル16、17、18の転流タイミングを示す転流タイミング信号を生成してゲート信号発生回路13に出力する。これにより、ゲート信号発生回路13は、その転流タイミング信号に同期してゲート信号を発生し、このゲート信号によりインバータ14が駆動されてステータコイル16、17、18に励磁電流が流れる。
更に、位置センサレス運転の期間中には、転流パルス発生回路2は、ロータが1ステップ角の回転ごとに1パルスを発生させ、この発生パルスを偏差カウンタ3に出力する。このため、偏差カウンタ3は、位置指令パルスとその転流パルス発生回路2からのパルスをそれぞれカウントして位置の偏差を求め、その偏差に応じた偏差電圧を加算器4に出力する。
従って、図3に示す位置センサレス運転の期間には、図2のステップS6〜S8に示すように、ロータ位置検出回路1がロータの位置を検出するたびに、その検出信号がゲート信号発生回路13に出力され、その検出信号に同期してゲート信号が発生し、このゲート信号によりインバータ14が駆動されてステータコイル16、17、18に電流が流れ、このような動作を、偏差カウンタ3の偏差が「0」になるまで繰り返す。
ところで、位置センサレス運転において、図3に示す加速運転期間T1には、モータは慣性のために位置指令に対して遅れて加速されていく。このため、図3に示すように、加速運転期間T1には偏差カウンタ3の偏差は溜まっていくが、定速運転期間T2にはその偏差が変化せずに溜まったままとなる。一方、図3に示す減速運転期間T3には、位置指令に対してモータが遅れて減速していくので、偏差カウンタ3の偏差は図3に示すように減少していく。このため、その偏差が「0」になった時点で位置センサレス運転から同期運転に切り換えることにより、モータのロータを所定回転させた位置(目標位置)に停止できる。
そこで、運転モード切換回路6が、図3に示すように時刻t3において、偏差カウンタ3からの偏差が「0」になったことを判定すると(ステップS8:Yes)、運転切換スイッチ11、12が同期運転側に切り換わって上記と同様な同期運転を行う(ステップS9、S10)。そして、図3に示すように時刻t4において、最後の位置指令パルスがゲート信号発生回路13に供給されると(ステップ10:Yes)、目標位置にモータが停止する。
以上説明したように、この実施例の形態のモータの制御装置では、同期運転と位置センサレス運転が可能であり、位置センサレス運転の開始時には、バイアス制御回路5からのバイアス電圧が加算器4に出力されるようにしたので、そのときに偏差カウンタ3からの出力偏差電圧が「0」であっても、モータが脱調を起こすことなく円滑に位置センサレス運転に移行することができる。
また、この実施例のモータの制御装置では、偏差カウンタ3の偏差が「0」になったときに、位置センサレス運転から同期運転に移行するようにしたので、モータを目標位置に停止させることができる。
尚、請求項3に記載した運転モード切換手段は、図1の運転モード切換回路6や運転切換スイッチ11、12に対応し、励磁手段はロータ位置検出回路1、ゲート信号発生回路13、インバータ14等に対応し、偏差算出手段は偏差カウンタ3に対応し、制御手段は加算器4、電圧指令制御回路7、PWM制御回路8等に対応し、バイアス制御手段はバイアス制御回路5に対応する。
次に、本発明の他の実施例について説明する。
図4は、本発明を3相ハイブリッド型ステッピングモータに適用した場合におけるモータの制御装置の他の構成の一例を示すブロック図である。また、このモータの制御装置により駆動制御される3相ハイブリッド型ステッピングモータの駆動対象は、前例同様、プリンタのヘッドキャリッジやその紙送り機構等であり、モータの回転軸にこれらのものが負荷として接続される。
この実施例に係るモータの制御装置は、図4に示すように、ロータ位置検出手段101、ロータ位置検出合成信号生成手段102、転流タイミング生成手段103、転流信号生成手段104、ゲート信号生成手段105、インバータ106、偏差カウンタ107、回転速度検出手段108、比例ゲイン109、積分手段110、初期値設定手段111、速度ゲイン112、加算器113、PWM信号生成手段114、運転モード切換手段115、運転切換スイッチ116、117を備え、この運転切換スイッチ116、117の切換えにより、3相ハイブリッド型ステッピングモータ118の同期運転と位置センサレス運転が行われるように構成されている。
更に、このモータの制御装置の各部の詳細な構成について説明する。
ロータ位置検出手段101は、位置センサレス運転時に、スター結線された3つのステータコイルA、B、Cに発生する各逆起電力を取り込み、この各逆起電力に基づいてロータの回転位置を示すロータ位置信号を生成し、ロータ位置検出合成信号生成手段102では前記ロータ位置信号を合成したロータ位置検出合成信号を生成する。
転流タイミング生成手段103は、ロータ位置検出合成信号生成手段102で得られたロータの位置から、転流するタイミングを生成する。検出されるロータの位置が、転流タイミングよりも位相が進んでいるときは、必要量だけ位相を遅らせる。
転流信号生成手段104では、ロータ位置検出手段101で生成された3相分のロータ位置信号から、次に転流すべきステータコイルの組み合わせを選択し、転流タイミング生成手段103で生成された転流タイミング信号に同期して転流信号を生成する。
ゲート信号生成手段105は、転流信号生成手段104で生成された転流信号に、後述するPWM信号生成手段114で生成されたPWM信号を重ね合わせ、インバータ106を駆動するゲート信号を生成する。
インバータ106は、図示を省略した6つのスイッチング素子からなる3相ブリッジ回路から構成され、その出力端子にモータのステータコイルA、B、Cが接続される。インバータ106のスイッチング素子は、ゲート信号生成手段105で生成されたゲート信号によって通電が制御され、所定のステータコイルA、B、Cに励磁電流が流れる。
偏差カウンタ107は、位置センサレス運転時に、外部からの位置指令パルス(位置指令信号)とロータ位置検出合成信号生成手段102からのパルスをそれぞれカウントし、両カウント値の差を指令位置(目標位置)と現在位置との偏差として出力するように構成されている。位置指令信号は、パルスの数が移動距離を、また、パルスの周波数が回転速度を、それぞれ表わすパルス列として与えるものである。
回転速度検出手段108は、ロータ位置検出合成信号生成手段102で生成されたロータ位置検出合成信号の周期を計測し、モータの回転速度を検出する。
比例ゲイン109は、偏差カウンタ107から出力される位置偏差をKp倍し、また、積分手段110は、偏差カウンタ107から出力される位置偏差をゲインKiで積分する。
初期値設定手段111は、同期運転から位置センサレス運転に移行したときにおいて、積分手段110が有する初期値を、該積分手段に設定するもので、この初期値は、モータやその負荷状況に応じて、最適な過渡応答が得られるように設定するものである。
速度ゲイン112は、検出されたロータの回転速度をKv倍し、また、加算器113は、{(比例ゲイン109の出力)+(積分手段110の出力)−(速度ゲイン112の出力)}の演算結果を出力するものである。
PWM信号生成手段114は、加算器113からの出力値に応じたデユーティー比のPWM信号を生成する。
運転モード切換手段115は、運転モードを、同期運転から位置センサレス運転に、また、位置センサレス運転から同期運転に、切り換えを行うための運転モード切換信号を生成するように構成されている。そして、その運転モード切換信号に応じて、運転切換スイッチ116、117の各接点が同期運転側又は位置センサレス運転側のうちのいずれか一方に切り換わる。更に、運転モード切換手段115は、切換タイミングを決定するために、位置指令信号の周波数を計測する手段を備えている。
また、運転モード切換手段115における切換タイミングは、次のとおりである。
同期運転から位置センサレス運転に移行するのは、同期運転による運転開始後、前記位置指令信号の周波数或は逆起電力のレベルが第1の所定値を超えたときである。
また、位置センサレス運転から同期運転に移行するのは、前記位置指令信号の周波数或は逆起電力のレベルが第2の所定値を下回り、且つ前記偏差が零のときである。
尚、ここでの所定周波数は、逆起電力を検出することが可能な値、すなわち位置センサレス運転可能な最低の回転速度に相当する周波数よりも高い値に設定されるものである。
本例では、図5に示すように、PI位置制御系に速度マイナーループ補償を付加して、位置センサレス運転時に前記偏差に対して速度マイナーループ制御を行っている。すなわち、位置センサレス運転中は、偏差カウンタ107が位置指令信号とロータ位置検出信号をそれぞれカウントして、指令位置と現在位置との偏差を出力し、この偏差に対して比例ゲイン109及び積分手段110を介してPI制御を行うものである。
このように、PI位置制御系に速度マイナーループ補償を付加して制御することにより、モータの回転位相を位置指令信号の位相に一致させるように、すなわち、常に位置偏差が零となるように、モータへの入力が制御されるので、位置指令信号に対する正確な位置制御と速度制御を実現することができることになる。
以下に、本例における同期運転と位置センサレス運転の詳細について、図6を参照して説明する。また、図7はそのモータの制御装置の運転パターンを説明する説明図であり、上側に示す速度曲線のうち実線はモータの実際の速度を示し、太い破線はその目標値を示す。
このモータの制御装置において、同期運転から位置センサレス運転への切換え、並びに位置センサレス運転から同期運転への切換えは自動的に行うようになっている。
モータが起動されると、運転モード切換手段115は、運転モードを同期運転に設定し(ステップS1)、同期運転の信号は例えば「L」レベルが出力される。これにより、運転切換スイッチ116、117の切換え接点は、同期運転側になる(ステップS2)。このため、同期運転中は、同期運転用のPWM信号が選択され、位置指令パルスに同期して転流が行われる(ステップS3〜S4)。
そして、位置指令信号の周波数が第1の所定値を超えたとき(ステップS6)、すなわち、ステータコイルに発生する逆起電力が検出可能なレベルにまで達して位置センサレス運転が可能になると、運転モード切換手段115は、運転モードを位置センサレス運転に設定し(ステップS7)、運転切換信号は「L」レベルから「H」レベルに変化するので、運転切換スイッチ116、117の切換え接点は位置センサレス運転側に切り換わり(ステップS2)、位置センサレス運転に移行する。
位置センサレス運転の期間には、ステップS8〜S11に示すように、ロータ位置検出手段101がロータの位置を検出するたびに、転流タイミング生成手段103で転流タイミングが生成され、その転流タイミングに同期して転流が行われる。
位置センサレス運転が可能な間は、上述した転流シーケンスが継続され、PI位置制御系に速度マイナーループ補償を付加して制御されるので、位置指令信号に対する正確な位置制御と速度制御が実現される。
モータを減速させて、位置指令信号周波数が第2の所定値を下回ると(ステップS12)、運転モード切換手段115は、偏差が「0」であることを確認し(ステップS13)、運転モードを同期運転に設定する(ステップS14)。運転切換スイッチ116、117の切換え接点は再び同期運転側に切り換わり(ステップS2)、最後の位置指令パルスまで同期運転を行い(ステップS5)、目標位置にモータを停止する。
前記速度マイナーループ制御は、高速回転時のゲインを抑制し、ダンピング特性を向上させるものである。すなわち、低速回転時は、速度マイナーループのフィードバック量が小さいため、比例ゲインKpがそのまま出力されるが、高速回転時は、フィードバック量が大きくなるため、比例ゲインKpを小さくする効果がある。従って、速度マイナーループを追加することで、比例ゲインKpを大きくとることができ、応答性を確保しながら系を非振動的にするダンピング特性を高めることができる。
更に、本例では、前記積分手段110に所定の初期値を与えているので、位置センサレス運転移行時に、偏差が零であっても、加算器113からは積分初期値が出力され、これによりモータにかかる電圧の変動が抑えられて、脱調を防止することができることになる。
また、積分初期値は、負荷、回転速度に応じて最適な過渡応答が得られるような値を設定する。このように、積分初期値を最適なものに設定することによって、図7に示すように、同期運転から位置センサレス運転に滑らかに移行させることができ、これにより脱調を防止することができる。また、移行後の加速を主に積分項が担当することになるので、偏差の蓄積が少なくなる。従って、常に偏差が零付近で運転できることとなり、整定時間を短くすることができる。
このように、本例のモータの制御方法及びその装置によれば、位置センサレス運転でありながら、位置偏差零の位相同期制御すなわち位置制御ができ、位置決め精度を維持しながら低騒音、低消費電力でモータを駆動することができ、また、上述したように、同期運転から位置センサレス運転へ移行する際、脱調を防止できるとともに整定時間を短くすることができるものである。
次に、本発明の他の実施例について説明する。
図10は、モータの制御装置の構成の一例を示すブロック図であり、本発明を図12に示すような3相ハイブリッド型ステッピングモータに適用した場合におけるものである。
この実施例に係るモータの制御装置は、図10に示すように、回転位置検出部221と、タイミング決定兼速度検出部222と、加算器240と、制御部223と、インバータ部224とを備え、3相ハイブリッド型ステッピングモータ228のスター結線されたステータコイル225〜227を、後述のように所定の励磁パターンと所定の転流タイミングで励磁するように構成されている。
回転位置検出部221は、モータ228の回転時に、ステータコイル225〜227の各端子電圧Va〜Vcを取り込み、この端子電圧Va〜Vcをモータの中性点電圧や整流器230の出力直流電圧Edの1/2の電圧というように、所定電圧と比較することにより、ロータの回転位置を示すロータ位置信号S1〜S3を生成し、この生成したロータ位置信号S1〜S3をタイミング決定兼速度検出部222に出力するように構成されている。このため、この回転位置検出部221は、図示しない3つのコンパレータ等から構成されている。
タイミング決定兼速度検出部222は、回転位置検出部221から供給されるロータ位置信号S1〜S3の変化時点で、ある立ち上がりと立ち下がりのエッジをそれぞれ検出し、この検出した変化時点間の時間をカウンタで測定し、その測定時間に基づいてステータコイル225〜227の通電切換タイミングを示す通電切換タイミング信号S1’〜S3’を出力するとともに、その測定時間を利用してロータの回転速度を求めるように構成されているが、その詳細な信号処理等については後述する。このため、このタイミング決定兼速度検出部222は、複数のカウンタ又はタイマ等から構成されている。
加算器240は、タイミング決定兼速度検出部222からの回転速度と、外部からの速度指令とに基づいて速度制御信号を生成し、この生成した速度制御信号を制御部223に出力するように構成されている。
制御部223は、加算器240からの速度制御信号と、予め定められている励磁方式(例えば2相励磁)とにより、各ステータコイル225〜227を励磁するためにインバータ部224のトランジスタQ1〜Q6をオン・オフ制御する通電信号P1〜P6を出力するが、その通電切換のタイミング(転流のタイミング)は、タイミング決定兼速度検出部222から出力される通電切換タイミング信号S1’〜S3’に基づいて行うように構成されている。そして、制御部223からの通電信号P1〜P6は、インバータ部224を構成するトランジスタQ1〜Q6の各ベースに供給されるように構成されている。
インバータ部224は、スイッチング用トランジスタQ1〜Q6からなる三相ブリッジ回路から構成され、その出力端子にモータのステータコイル225〜227が接続されている。トランジスタQ1〜Q6には、ダイオードD1〜D6が並列に接続されている。インバータ部224には直流電圧が供給されているが、この直流電圧は、交流電源229からの交流電圧を整流器230で整流することにより得られるようにしている。また、整流器230の出力端には、整流器230の出力を平滑する平滑用コンデンサ231が並列に接続されている。
次に、このように構成される本例のモータの制御装置の動作の一例について、図10及び図11を参照して説明する。
まず、モータ228の停止時から所定の回転数に至るまでは、ステータコイル225〜227にロータの位置を特定できるような逆起電力が得られない。そこで、モータの始動時には、制御部223は、各ステータコイル225〜227の励磁を所定の順序で行うための通電信号P1〜P6を出力させる。この通電信号P1〜P6に応じてインバータ部224のトランジスタQ1〜Q6が導通して、ステータコイル225〜227が順次励磁される。これにより、ロータはその励磁に対応していわゆるオープンループで同期回転する。
このようにモータの始動時には、励磁パターンの励磁時間はモータが起動するのに十分な時間だけ各ステータコイル225〜227を通電し、徐々にその励磁時間を速めてロータの回転速度を速めるようにする。そして、そのロータの回転速度が十分な速度になると、ステータコイル225〜227にはロータの回転位置を特定できるような逆起電力が発生し、端子電圧Va〜Vcが得られる。
この端子電圧Va〜Vcのうちの一例として、ステータコイル225の端子電圧Vaについて図示すると、図11の(A)に示すようになる。ここで、他の端子電圧Vb、Vcについては図示していないが、端子電圧Vaに比べて位相が120°ずつ異なるが、波形は同様である。また、この端子電圧Vaの波形は、図11の(A)に示すように、正の期間と負の期間とではその長さが異なるが、これは図14に示すように位相θ1とθ2とが異なるためである。
この各端子電圧Va〜Vcは、回転位置検出部221における図示しない3つのコンパレータにより、例えばモータ228の中性点電圧と比較され、各コンパレータからは、端子電圧Va〜Vcが中性点電圧を上回るときに「H」レベルとなるような出力が得られる。ところが、各端子電圧Va〜Vcには、図11の(A)に示すように、転流時に過渡的に発生するスパイク電圧aが含まれるので、各コンパレータの出力をロータの回転位置を示すロータ位置信号としてそのまま使用できない。そこで、回転位置検出部221では、コンパレータの出力中から、そのスパイク電圧aによる影響を、マスク等の適宜な手段で排除するようにしている。このため、回転位置検出部221からは、図11の(B)(C)(D)に示すような、ロータの回転位置を示すロータ位置信号S1〜S3が出力される。
ここで、ロータ位置信号S1〜S3の立ち上がりと立ち下がりの各エッジは、対応するステータコイル225〜227の端子電圧Va〜Vcが、正から負又は負から正に変化する時点に対応する(図11の(A)参照)。
タイミング決定兼速度検出部222は、回転位置検出部221から供給されるロータ位置信号S1〜S3の変化時点、すなわち、そのロータ位置信号S1〜S3の立ち上がりと立ち下がりの各エッジを順次検出し、この検出されたエッジとエッジとの期間T1、T2…Tnの時間を順次測定し(図11の(E)参照)、その測定時間に基づいて、ステータコイル225〜227の通電切換タイミング(転流のタイミング)を決定する通電切換タイミング信号S1’〜S3’を出力する。そこで、以下に、このタイミング決定兼速度検出部222の詳細な信号処理について説明する。
いま、時刻t1において、ロータ位置信号S1の立ち下がりエッジが検出されると、アップとダウンのカウントが可能な図示しない第1カウンタが、時刻t1から計数動作を開始する。この第1カウンタの計数動作は、時刻t1からロータ位置信号S3の立ち上がりエッジが検出される時刻t2までの期間T1にわたって行い、時刻t2にその計数動作が終了する。尚、その期間T1は電気角で60°に相当する。
次に、この時刻t2からはアップとダウンのカウントが可能な図示しない第2カウンタが計数動作を開始し、この第2カウンタの計数動作は、時刻t2からロータ位置信号S2の立ち下がりエッジが検出される時刻t3までの期間T2に亘って行い、時刻t3でその計数動作を終了する。尚、その期間T2は電気角で60°に相当する。ここで、期間T1と期間T2とではその長さが異なるが、これは上述したように、ステータコイル225〜227に発生する端子電圧Va〜Vcの正負の期間が異なるので、この差異が反映されるからである。
ところで、ステータコイル225〜227の通電切換のタイミング(転流のタイミング)は、ロータ位置信号S1〜S3の各エッジの検出時点である時刻t1、t2、t3…を基準にして、電気角で30°シフトした時点で行うことが、モータ228を効率的に制御する上で好ましい。
そこで、時刻t3では、第1カウンタが、期間T1おいて計数を行った計数値のカウントダウンを開始し、その計数値が1/2(電気角で30°に相当)になった時刻t4で、通電切換タイミング信号を制御部223に出力する。尚、図11の(F)の斜線部は、電気角で30°に相当する遅延量(遅延時間)を示す。
時刻t3からは、アップとダウンのカウントが可能な第3カウンタ(図示を省略)が計数動作を開始し、この第3カウンタの計数動作は、時刻t3から、ロータ位置信号S1の立ち上がりエッジが検出される時刻t5までの期間T3に亘って行い、時刻t5でその計数動作を終了する。
時刻t5では、第2カウンタが、期間T2おいて計数を行った計数値のカウントダウンを開始させ、その計数値が1/2(電気角で30°に相当)になった時刻t6で、通電切換タイミング信号を出力する。また、時刻t5からはアップとダウンのカウントが可能な第4カウンタ(図示を省略)が計数動作を開始し、この第4カウンタの計数動作は、時刻t5から、ロータ位置信号S3の立ち下がりエッジが検出される時刻t7までの期間T4に亘って行われ、時刻t7でその計数動作を終了する。
以下同様に、期間T5では、第1カウンタが計数動作を行うのと並行して、第3カウンタが、計数値のカウントダウンにより時刻t8で通電切換タイミング信号を出力し、期間T6では、第2カウンタが計数を行うのと並行して、第4カウンタが、計数値のカウントダウンにより時刻t10で通電切換タイミング信号を出力する。従って、タイミング決定兼速度検出部222が、任意の期間で通電切換タイミング信号を生成する際には、その任意の期間の直前の期間のカウンタの計数値ではなく、前々回の期間のカウンタの計数値を利用するようにしている。
このようにしてタイミング決定兼速度検出部222で生成出力される通電切換タイミング信号S1’〜S3’は、制御部223に供給される。制御部223は、後述する加算器240からの速度制御信号と、予め定められている励磁方式(例えば2相励磁)とにより、各ステータコイル225〜227を励磁するためにトランジスタQ1〜Q6をオン・オフ制御する通電信号P1〜P6を出力するが、その通電切換タイミング(転流のタイミング)は、タイミング決定兼速度検出部222から出力される通電切換タイミング信号S1’〜S3’に基づいて行われる。従って、制御部223では、ステータコイル225〜227における各励磁電流が図11の(G)(H)(I)になるような通電信号P1〜P6が生成される。
ところで、この実施例に係るモータの制御装置では、タイミング決定兼速度検出部222が上記のように通電切換タイミング信号を生成する他に、ロータの回転速度を求め、この求めた回転速度により閉ループからなる速度制御を併せて行うので、この速度制御に係る各部の動作について、以下説明する。
速度制御を行うために、タイミング決定兼速度検出部222は、ロータ位置信号S1〜S3の各エッジの検出時点である時刻t1、t2、t3…のたびにロータの回転速度を検出して更新していく。従って、タイミング決定兼速度検出部222では、例えば時刻t3において、期間T1で計数されたカウンタの計数値と、期間T2で計数されたカウンタの計数値とからその平均値を求め、この求めた平均値の逆数によりロータの回転速度を求める。尚、期間T1と期間T2との和は電気角の120°に相当し、この電気角120°に対応する物理的な距離は既知であるので、上記のようにしてロータの回転速度が求まる。
以下同様に、タイミング決定兼速度検出部222は、時刻t5では期間T2で計数されたカウンタの計数値と、期間T3で計数されたカウンタの計数値とからその平均値を求め、この求めた平均値の逆数によりロータの回転速度を求めて更新し、更に、時刻t7では期間T3で計数されたカウンタの計数値と、期間T4で計数されたカウンタの計数値とからその平均値を求め、この求めた平均値の逆数によりロータの回転速度を求めて更新していく。従って、ロータの回転速度を求める際に、カウンタの各計数値は重複して使用される。
このようにしてタイミング決定兼速度検出部222により電気角で60°毎に求められるロータの回転速度は、期間T1と期間T2というように電気角で120°に相当する期間の平均速度を求めるようにしているので、ステータコイル225〜227に発生する逆起電力Va〜Vcの正負の期間に差異があっても、その求められるロータの回転速度は精度が良いものとなる。
タイミング決定兼速度検出部222で求められたロータの回転速度は、加算器240に供給される。加算器240では、その回転速度と外部からの速度指令との偏差から速度制御信号(偏差信号)を生成し、この生成した速度制御信号を制御部223に出力する。制御部223は、その速度制御信号に応じて、トランジスタQ1〜Q6に供給する通電信号P1〜P6をPWM制御するので、ロータの回転速度が目標値になるように制御される。
以上説明したように、この実施の形態に係るモータの制御装置では、モータ228のステータコイル225〜227に発生する逆起電力Va〜Vcから、ロータの回転位置を示すロータ位置信号S1〜S3を生成し、このロータ位置信号S1〜S3のエッジを順次検出してエッジ間の時間をカウンタで計数し、そのエッジの各検出時を基準に、遅延時間を加えてステータコイル225〜227の通電切換タイミングを決定する際に、そのカウンタの計数値のうち、直前よりも1つ前の期間でカウンタが計数した計数値を利用して、その遅延時間を求めるようにした。
このため、モータの回転子部分の機械的精度にばらつきがあって、モータのステータコイルに発生する逆起電力の正負の期間に差異があるような場合でも、その遅延時間にその差異を反映できるので、ステータコイル225〜227の通電切換タイミングを精度良く行うことができ、以ってロータの回転の円滑化や低騒音化を実現することができる。
また、この実施例に係るモータの制御装置では、ロータ位置信号S1〜S3の各エッジの検出時点である時刻t1、t2、t3…のたびに、カウンタの計数値を使用してロータの回転速度を逐次検出して更新していくが、例えば時刻t3においては、期間T1と期間T2というように、前回と前々回の期間のカウンタの計数値の平均を使用して平均速度を求めるようにした。
このため、モータの回転子部分の機械的精度にばらつきがあって、ステータコイル225〜227に発生する逆起電力Va〜Vcの正負の期間に差異があっても、その求められるロータの回転速度は精度が良いので、閉ループからなる速度制御の精度の低下を防止できる。
ここで、請求項11に記載した位置検出手段は図10の回転位置検出部221に対応し、計時手段及び通電切換タイミング決定手段はタイミング決定兼速度検出部222に対応し、励磁手段は制御部223及びインバータ部224に対応する。
また、請求項16に記載した計時手段及び通電切換タイミング決定手段は、図10のタイミング決定兼速度検出部222に対応する。
尚、この実施例に係るモータ制御装置では、エッジの各検出時を基準に遅延時間を加えてステータコイル225〜227の通電切換タイミングを決定するようにし、その際、遅延時間の算出は、カウンタの計数値のうちその決定時の直前よりも1つ前の期間でカウンタが計数した計数値を利用するようにした。しかし、その遅延時間の算出は、例えば時刻t7の場合には、期間T3でのカウンタの計数値のみならず、期間T1でのカウンタの計数値というように、ステータコイル225〜227に発生される逆起電力の正負の期間の差異が反映できるカウンタの計数値を利用しても良い。
また、この実施の形態に係るモータ制御装置では、カウンタの計数値を使用してロータの回転速度を逐次検出して更新していき、例えば時刻t3においては、期間T1と期間T2というように、前回と前々回の期間のカウンタの計数値を利用してロータの回転速度を求めるようにした。しかし、ロータの回転速度の算出は、例えば時刻t7の場合には、期間T3と期間T4でのカウンタの各計数値のみならず、期間T1と期間T2でのカウンタの各計数値というように、ステータコイル225〜227に発生される逆起電力の正負の期間の差異が反映できるカウンタの計数値を利用しても良い。
更に、上記の実施例では、タイミング決定兼速度検出部222を複数のカウンタ等で構成するようにしたが、例えばタイミング決定兼速度検出部222や制御部223をワンチップ形態のマイクロコンピュータで構成したり、又はマイクロコンピュータとカウンタの組み合わせ等で構成する等の、適宜な手段で構成するようにしても良いことは勿論である。
次に、他の具体例を説明する。
図16乃至図17に示すように、本例のモータ制御装置301は、スター結線された3つのステータコイルA,B,Cに転流をもたらしてロータを回転する三相ステッピングモータ(全体は図示せず)に用いられ、ステータコイルA,B,Cに電源電圧Edを供給するプラス側スイッチング素子Ta,Tb,Tc及びマイナス側スイッチング素子Ta,Tb,Tcからなるインバータ回路302と、ステータコイルA,B,Cの逆起電力ea,eb,ec(図18参照)を検出する逆起電力検出回路303と、逆起電力検出回路303の出力に基いてインバータ回路302を制御する制御回路304とで構成されている。
各スイッチング素子Ta,Tb,Tc,Ta,Tb,Tcは、トランジスタ及び還流ダイオードにて構成されている。
前記逆起電力検出回路303は複数のコンパレータ331,332,333を備え、これらのコンパレータ331,332,333にステータコイルA,B,Cの端子電圧Va,Vb,Vcと電源電圧Edとをそれぞれ分圧して入力することにより、ステータコイルA,B,Cの端子電圧Va,Vb,Vcをパルス化するものである。
またここで、ステータコイルA,B,Cの端子電圧Va,Vb,Vcの分圧率と電源電圧の分圧率とは、2対1の関係に設定している。本例の場合、ステータコイルA,B,Cの端子電圧Va,Vb,Vcの分圧率は(1/2)であり、電源電圧Edの分圧率は(1/4)である。
尚、図17中のR及び3Rは、各電圧を所定の割合に分圧する抵抗器であり、各電圧の分圧は、このような抵抗器R,3Rを設けることによってそれぞれなされている。
或は、ステータコイルA,B,Cの端子電圧Va,Vb,Vcは、直接コンパレータ331,332,333に入力するように構成してもよい。この場合、ステータコイルA,B,Cの端子電圧Va,Vb,Vcの分圧率は1であって、電源電圧Edの分圧率は(1/2)となる。
また、前記制御回路304は、コンパレータ331,332,333でパルス化されたステータコイルの端子電圧PVa,PVb,PVcに基いてステータコイルA,B,Cに転流をもたらすパルスa,a,b,b,c,cを作成する転流信号発信回路(本例ではマイクロコンピュータ)341、及びPWM信号を発するPWM回路342を有する。
すなわち、転流信号発信回路341で作成されたパルスa,a,b,b,c,cは、それぞれ、PWM信号とともにAND(論理積素子)343,344,345,346,347,348を通過して、インバータ回路302の各スイッチング素子Ta,Tb,Tc,Ta,Tb,Tcを作動するベースとされる。従って、これらのスイッチング素子Ta,Tb,Tc,Ta,Tb,Tcは、制御回路304によって順次切り換えられ、且つ、PWM信号に応じてプラス側とマイナス側とが同時にON/OFF動作される。
図18は、電源電圧Edの中点を基準電圧とした場合のステータコイルA,B,Cの逆起電力ea,eb,ecを示す説明図である。
同図からも解るように、ステータコイルA,B,Cがスター結線された三相モータの場合は、開放相の端子電圧が基準電圧と交わるところから電気角30゜ずらして転流すればよい訳である。
従って、例えば図17に示すように、逆起電力検出回路303の各コンパレータ331,332,333においては、(1/2)に分圧したステータコイルA,B,Cの端子電圧Va,Vb,Vcと、(1/4)に分圧した電源電圧Edとの交点を検出して、各端子電圧Va,Vb,Vcをパルス化し、PVa,PVb,PVc作成している。
また、転流信号発信回路341においては、転流直後のステータコイルの端子電圧の検出を禁止して、転流直後に発生するスパイク電圧の影響を回避するようにしている。具体的には、図19に示すようにパルス化された端子電圧PVa、PVb,PVcの要所に検出禁止区域を設定している。この検出禁止区域の長さは、スパイク電圧の発生期間がモータ電流によって異なるので、これに対応して適宜設定する。
そして転流信号発信回路341からは、図20に示すように、転流のタイミングを決定するパルスa,a,b,b,c,cが得られ、これらのパルスa,a,b,b,c,cは、それぞれPWM信号とともに論理積処理される。
尚、本例のモータ制御は、図21に示すフローチャートに従って行われる。すなわち当該ステッピングモータは、回転初期段階においては同期運転処理が施され、モータ制御装置301による制御は、逆起電力ea,eb,ecが十分に出力された状態から行われように構成している。
以上説明したように、本例のモータ制御装置は、インバータ回路のプラス側スイッチング素子とマイナス側スイッチング素子とが、PWM信号に応じて同時にON/OFF動作されるので、PWM信号によるステータコイルの開放相への影響が回避される。従って、特別な回路を追加することなく正確にロータの位置検出を行うことができる。
更に、モータ中点電位が大きく変化しないので、この基準が大きく変動することはなく、ステータコイルとスイッチング素子との出力容量間での共振を防止でき、共振によるロータ位置の誤検出を防止できる。
特に、プラス側スイッチング素子とマイナス側スイッチング素子との一方のみをPWM信号に応じてON/OFF動作する場合は、スイッチング素子がON動作される状態でしかロータの位置検出が行えないため、PWM信号の周波数を十分に高くする必要があったが、本発明では、PWM信号の周波数が低くてもロータの位置検出に問題はない。
また更に、逆起電力検出回路はコンパレータを備え、コンパレータにステータコイルの端子電圧を直接又は分圧して入力するとともに、電源電圧を分圧して入力することにより、ステータコイルの端子電圧をパルス化するものであって、ステータコイルの端子電圧の分圧率と電源電圧の分圧率とは、2対1の関係に設定したので、ステータコイルの端子電圧を正確にパルス化することができる。
とりわけ本例のモータの制御装置によると、逆起電力検出回路のコンパレータには、ステータコイルの端子電圧を(1/2)に分圧して入力するとともに、電源電圧を(1/4)に分圧して入力するので、(1/2)に分圧したステータコイルの端子電圧を、(1/4)に分圧した電源電圧を基準にしてパルス化することができる。
更に、本例のモータの制御装置によると、制御回路は、コンパレータでパルス化されたステータコイルの端子電圧に基いてステータコイルに転流をもたらすパルスを作成する転流信号発信回路を備え、転流信号発信回路においては、転流直後のステータコイルの端子電圧の検出を禁止したので、転流直後に発生するスパイク電圧の影響を回避することができ、その結果、モータ負荷が増加した場合でもインバータ回路の制御を正確に行うことができる。
更に、本例のモータ制御装置は、三相ステッピングモータにも用いることができる。また、モータは、その駆動対象がプリンタのヘッドキャリッジやプリンタの紙送り機構に好適である。
次に、他の具体例について説明する。
まず、本具体例の周波数電圧変換装置の第1実施形態について、図22〜図24を参照して説明する。図22は、本具体例の周波数電圧変換装置の第1実施形態の構成例を示すブロック図である。
この第1実施形態に係る周波数電圧変換装置は、図22に示すように、周期測定部411と、回転数測定部412と、回転数電圧変換部413と、D/A変換部414とを備えている。
周期測定部411は、例えばモータの回転検出器(図示せず)からの検出パルスが入力されると、この入力パルスの周期を求めるように構成され、具体的にはカウンタ等から構成される。
回転数測定部412は、周期測定部411からの周期に基づいてモータ等の回転数を測定するように構成されている。
回転数電圧変換部413は、回転数測定部412の求めた回転数に基づき、出力電圧を所定の演算式により生成するように構成されている。ここで、回転数電圧変換部413の出力電圧は、例えば8ビットのデジタル電圧である。
D/A変換部414は、回転数電圧変換部413からの出力電圧がデジタル電圧であるので、このデジタル電圧をアナログ電圧にD/A変換して出力するように構成されている。
次に、このような構成からなる第1実施形態に係る周波数電圧変換装置の動作について説明する。
いま、例えばモータの回転検出器(図示せず)からの検出パルスが周期測定部411に入力されると、周期測定部411は、その入力パルスの周期を求める。すなわち、周期測定部411を構成するカウンタが、入力パルスの立ち上がりエッジ(又は立ち下がりエッジ)で所定の周波数からなるクロックパルスの計数を開始し、カウンタは次の入力パルスの立ち上がりエッジ(又は立ち下がりエッジ)までそのクロックパルスの計数動作を継続する。クロックパルスは所定の周波数からなるので、周期測定部411は、そのカウンタの計数値に基づいて入力パルスの周期を測定できる。
回転数測定部412は、周期測定部411の測定周期に基づいて回転数(回転速度)を測定する。周期測定部411の測定周期と回転数とは、例えば図23に示すような関係にある。そこで、回転数測定部412では、例えば図23に示すような関係を満足するテーブルを用意しておき、このテーブルを参照して回転数Rを求めるようにする。
回転数電圧変換部413は、回転数測定部412の測定した回転数(回転速度)Rに基づき、例えば出力データが8ビットの場合に、次の(1)〜(3)で示すような変換式により出力電圧Vを出力し、その一例を図24に示す。
(1)V=0 (0≦R≦R1)
(2)V=m×R+h (R1≦R≦R0)
(3)V=255 (R0≦R)
ここで、mは比例係数、hは定数、R0、R1は図24に示すように回転数の範囲を示す値である。尚、図24中のスケールは例示であり、その数値は特に意味を持たない。
従って、(2)に示す変換式の比例係数mと定数hを任意に設定することにより、回転数Rが所定の範囲内(図24のR1からR0の範囲内、具体的には200rpm〜1200rpmの範囲内)にあるときに、その範囲内で出力電圧Vが出力範囲の下限から上限まで(図24の場合には0〜255)目一杯に振れるようにして、出力電圧Vを回転速度Rに比例して生成することができる。そして、回転数Rがその範囲から外れるときには、出力電圧Vとして下限値(図24の場合には「0」)、上限値(図24の場合には「255」)を出力することができる。
D/A変換部414は、回転数電圧変換部413からのデジタル形態の出力電圧をD/A変換してアナログ電圧とし、このアナログ電圧を出力する。
以上説明したように、第1実施形態に係る周波数電圧変換装置では、従来装置のようにフィルタ要素を含んでいないので、出力の遅れがない。また、出力範囲内では出力電圧が回転数に比例するので、出力電圧の直線性が確保できる。更に、変換式(2)の定数m、hを変えることにより出力の傾きや出力範囲を容易に変えることができるので、ダイナミックレンジを広くとれる。
ここで、図22の周波数電圧変換装置では、回転数電圧変換部413が出力電圧を生成する際に、上記のような変換式を使用するようにした。しかし、図24に示すように回転数Rとこの回転数Rに対応する出力電圧Vとの関係が予めわかっている場合には、回転数電圧変換部413を、回転数Rとこれに対応する出力電圧Vとを予め格納させた回転数電圧変換テーブルに代えることができる。
このように回転数電圧変換テーブルの参照により出力電圧を得る場合には、回転数電圧変換部413のような変換式による場合に比較し、出力電圧を求める演算処理時間を短縮できる。
次に、本具体例の周波数電圧変換装置の第2実施形態について、図25及び図26を参照して説明する。
この第2実施形態に係る周波数電圧変換装置は、図25に示すように、カウンタ415と、周期電圧変換部416と、D/A変換部417とを備えている。
カウンタ415は、例えばモータの回転検出器(図示せず)からの検出パルスが入力されると、この入力パルスの周期のカウント値を求めるように構成されている。
周期電圧変換部416は、カウンタ415の求めた入力パルスの周期のカウント値に基づき、出力電圧を所定の変換式により生成するように構成されている。ここで、周期電圧変換部416により生成される電圧は、例えば8ビットのデジタル電圧である。
D/A変換部417は、周期電圧変換部416からの出力電圧がデジタル電圧であるので、このデジタル電圧をアナログ電圧にD/A変換して出力するように構成されている。
次に、このような構成からなる周波数電圧変換装置の動作について、以下に説明する。
いま、例えばモータの回転検出器(図示せず)からの検出パルスがカウンタ415に入力されると、カウンタ415は、その入力パルスの立ち上がりエッジ(又は立ち下がりエッジ)で所定の周波数からなるクロックパルスの計数を開始し、カウンタ415は次の入力パルスの立ち上がりエッジ(又は立ち下がりエッジ)までそのクロックパルスの計数動作を継続する。そして、カウンタ415は、その計数動作が終了すると、その最終のカウント値を入力パルスの周期を示す周期カウント値NCとして周期電圧変換部416に出力するとともに、その計数動作を再開する。
周期電圧変換部416は、カウンタ415からの周期カウント値NCに基づき、例えば出力データが8ビットの場合に、次の(4)〜(6)で示すような変換式により出力電圧Vを出力し、その一例を図26に示す。
(4)V=255 (0≦NC≦N0)
(5)V=k/NC+b(N0≦NC≦N1)
(6)V=0 (N1≦NC)
ここで、kは比例係数、bは定数、N0、N1は図26に示すように出力電圧Vが上限値、下限値になる場合のカウント値NCの値である。
次に、(5)に示した変換式V=k/NC+bの導出について、以下に説明する。
一般に、カウンタ415に入力される入力パルスは、例えばモータの1回転につきx個のパルスからなるものである。いま、回転速度R〔rpm〕で回転しているものとすると、カウンタ415の入力パルスの周期tは次の(7)式となる。
t=60/(R×x)〔sec〕…(7)
ここで、定数である(60/x)を比例係数k1に置き換えると、回転速度Rと入力パルス周期tとの関係は、次の(8)式となる。
t=k1/R…(8)
カウンタ415から出力される周期カウント値NCは、カウントクロックパルスの周期tcとすると、次の(9)式となる。
NC=t/tc=k1/(tc×R)…(9)
ここで、定数(k1/tc)を比例係数k2で置き換えると、次の(10)式となる。
R=k2/NC…(10)
ところで、(2)式のように、出力電圧Vと回転数Rに対して、V=m×R+hの関係がある。そこで、この式に(10)式を代入すると、入力パルスの周期カウント値NCと出力電圧Vとの関係は、次の(11)式となる。
V=m×(k2/NC)+h…(11)
ここで、定数(m×k2)、hをそれぞれk、bに置き換えると、V=k/NC+bが得られる。ここで、k=60m/(x×tc)である。
以上説明したように、図25の周波数電圧変換装置では、カウンタ415により入力パルスの周期のカウント値のカウントが終了し、その周期のカウント値NCが得られると、図22の周波数電圧変換装置のように回転速度を求めることなく直接出力電圧Vを求めるようにしたので、その出力演算の処理時間を短縮できる。
次に、上述した周波数電圧変換装置を用いたモータの制御装置について、図27を参照して説明する。
図27は、図25に相当する周波数電圧変換装置を3相ハイブリッド型ステッピングモータの位置センサレス閉ループ駆動・制御に適用した場合のモータの制御装置の一例を示すブロック図である。図28は、図27の各部の信号波形例を示す波形図である。
尚、このモータの制御装置は、図27に示すように多数の回路で構成されているが、その回路のうちの大部分をマイクロコンピュータによって実現することも可能である。
このモータの制御装置は、図27に示すように、3相ハイブリッド型ステッピングモータ(3相HBM)421を駆動する120度通電電圧型のインバータ422を備えている。中点検出回路423は、図28の(A)に示すモータ421の3つの端子電圧波形が中点と交差する点を検出して、図28の(B)に示すような中点検出信号を出力するように構成されている。回転子位置検出パルス生成回路424は、中点検出回路423から出力される中点検出信号に基づいて、3相分の開放相逆起電力(図28の(A)参照)の中点のみを抽出し、電気角60度毎にレベルが反転する回転子位置検出パルス(COMPLS)を生成するように構成されている。
回転子位置検出パルス生成回路424で生成される回転子位置検出パルスは、転流タイミングに対して進み位相で得られるので、位相シフト回路425は、進み位相分だけそのパルスの位相を遅らせるようになっている。転流信号生成回路426は、位相シフト回路425で位相を遅らせた回転子位置検出パルスに基づいて、次の転流モードに対応する転流信号を出力するように構成されている。
以上が、位置センサレス閉ループ駆動の基本となる構成部分の説明であり、このようにして得られる転流信号を基にインバータ422を駆動することによりモータ421を駆動することが可能である。
しかし、上記のような構成のみによるモータ421の駆動では、モータ421の負荷が変わると回転速度が変化してしまうという不都合がある。そこで、このような不都合を解消するために速度制御を行う必要がある。ここで、速度情報をフィードバックするのに上述の周波数電圧変換装置を用いる。
また、例えばモータ421をプリンタのキャリッジの駆動、又は紙送り機構の駆動に使用する場合には、速度に加えてその位置も制御する必要がある。そこで、図27に示すモータの制御装置では、外部から位置、速度の指令(パルスの個数で位置を指令し、パルスレートで速度を指令する)を与え、その指令に回転を追従するようなサーボコントローラ427が、図27に示すように上記の構成に追加されている。
このサーボコントローラ427は、図27に示すように、偏差カウンタ428と、D/A変換回路429と、増幅回路430と、周波数電圧変換装置431と、増幅回路432と、加算器433と、PWM信号生成回路434とを備えている。
偏差カウンタ428は、位置・速度指令パルス(駆動プロファイル)と回転子位置検出パルス生成回路424からの回転子位置検出パルスとをそれぞれカウントし、指令位置に対する偏差を出力するように構成されている。D/A変換回路429は、偏差カウンタ428からの出力偏差をD/A変換して出力するように構成されている。増幅回路430は、D/A変換回路429の出力電圧を増幅して加算器433に出力するように構成されている。
ここで、上述の偏差カウンタ428によるフィードバック制御は単純な比例制御であるので、応答性を高めるためにゲイン(利得)を大きくすると制御系が振動的になってしまう。そこで、サーボコントローラ427では、周波数電圧変換装置431等からなる速度のフィードバック制御系を追加することによりダンピング特性を高めるようにしている。
周波数電圧変換装置431は、図22もしくは図25に示す周波数電圧変換装置に相当するものであり、回転子位置検出パルス生成回路424で生成される回転子位置検出パルスに基づき、回転速度に応じた電圧を出力するように構成されている。増幅回路432は、周波数電圧変換装置431からの出力電圧を増幅して加算器433に出力するように構成されている。加算器433は、増幅回路430の出力電圧と増幅回路432の出力電圧との差を求め、その求めた差の電圧をPWM信号生成回路434に出力するように構成されている。
PWM信号生成回路434は、加算器433からの出力電圧に応じたデューティー比のPWM信号を出力するように構成されている。そのPWM信号は、転流信号生成回路426からの転流信号と合成回路435で合成されて駆動パルスを生成し、この生成された駆動パルスをもとに駆動信号生成回路436がインバータ422を制御するように構成されている。
次に、このように構成されるモータの制御装置の各部の動作について、図27及び図28を参照して説明する。
モータ421のロータの回転に伴ってステータコイルに逆起電力が発生すると、モータ421の端子電圧波形は図28の(A)に示すようになる。これにより、中点検出回路423は、図28の(A)に示すような端子電圧に基づいて図28の(B)に示すような中点検出信号(モータ421のロータ位置を示すロータ位置信号)を生成する。
回転子位置検出パルス生成回路424は、中点検出回路423からの3相分の中点検出信号からその立ち上がりと立ち下がり(スパイク電圧、PWM成分は無視)の各エッジを抽出して合成し、電気角60度毎にレベルが反転する、図28の(C)に示すような回転子位置検出パルス(COMPLS)を生成する。
周波数電圧変換装置431を構成するカウンタ(図示せず)は、図28の(D)に示すように、回転子位置検出パルス生成回路424からの回転子位置検出パルスの立ち上がりエッジで「0」からカウント(計数)を開始し、次のパルスの立ち上がりエッジでカウント値に対応する電圧値を出力し、カウンタはリセットされる。周波数電圧変換装置431では、カウンタがそのような動作を繰り返し、そのカウンタ値に応じて図28の(E)に示すような出力電圧が出力される。周波数電圧変換装置431の動作の詳細については後述する。周波数電圧変換装置431の出力電圧は、増幅回路432で増幅されて加算器433に出力される。
一方、偏差カウンタ428は、位置・速度指令パルスと回転子位置検出パルス生成回路424で生成される回転子位置検出パルスとをそれぞれカウントし、指令位置に対する偏差を出力する。この出力偏差は、D/A変換回路429でD/A変換されたのち増幅回路430で増幅されて加算器433に出力される。
加算器433は、増幅回路430からの出力電圧と増幅回路432からの出力電圧との差電圧をPWM信号生成回路34に出力する。PWM信号生成回路434は、加算器433からの出力電圧と三角波とを比較し、図28の(F)に示すようなPWM信号(PWMパルス)を出力する。
ところで、回転子位置検出パルス生成回路424で生成される回転子位置検出パルスのエッジは転流タイミングに対して進み位相で得られるので、位相シフト回路425は、図28の(G)に示すように、その回転子位置検出パルスの位相を遅らせる。転流信号生成回路426は、その位相を遅らせた回転子位置検出パルスのエッジタイミングで、次の転流モードに対応する転流信号(転流パルス)を、図28の(I)に示すように生成出力する。
転流信号生成回路426からの転流信号に、PWM信号生成回路434からのPWM信号が合成回路435により重畳されて、合成回路435からは図28の(J)に示すような駆動パルスが出力される。この駆動パルスをもとに駆動信号生成回路436は、インバータ422を制御し、モータ421を回転させる。
次に、周波数電圧変換装置31の動作の詳細について、図29及び図30のフローチャートを参照して説明する。
回転子位置検出パルス生成回路424で生成される回転子位置検出パルスは、モータ421の回転速度情報を含むものであって、上述のように、電気角60度毎にレベルが反転するので、その周期を計測することによりモータ421の回転速度を計測できる。
そこで、この周波数電圧変換装置431では、回転子位置検出パルス(COMPLS)の周期計測を行うが、この周期計測は図示しないカウンタが、一定周波数のクロックパルスの数を、回転子位置検出パルスの立ち上がりエッジ(又は立ち下がりエッジ)から次の立ち上がりエッジ(又は立ち下がりエッジ)までの期間に亘ってカウントすることにより行う(図28の(C)(D)参照)。
このカウンタのカウント動作は、図29に示す周波数電圧変換処理(F/V変換処理)とは独立した、図30に示すような回転子位置検出パルス(COMPLS)周期カウントルーチンにより行う。
すなわち、回転子位置検出パルスの周期のカウンタによるカウント動作は、図30に示すように、一定周波数のクロックパルスを取り込み(ステップS21)、このクロックパルスの立ち上がり(又は立ち下がり)エッジを検出する度に(ステップS22;Yes)、カウンタの変数(カウント値)Nを1ずつカウントアップすることにより行う(ステップS23)。
一方、周波数電圧変換処理は、図29に示すように、まず回転子位置検出パルス(COMPLS)を取り込み(ステップS1)、回転子位置検出パルスの立ち上がり(又は立ち下がり)エッジで割り込みをかけて行う。すなわち、回転子位置検出パルスの立ち上がりエッジを検出すると(ステップS2;Yes)、多重割り込みを避けるために、まずそのパルスのエッジ検出を禁止し(ステップS3)、カウンタによる回転子位置検出パルスの周期のカウント動作を一時停止させる(ステップS4)。
このとき、それまで図30の回転子位置検出パルス周期カウントルーチンでカウントされているカウント値がカウンタに格納されているので、そのカウンタの最終のカウント値NCをレジスタに格納したのち、カウンタの値を「0」にリセットし(ステップS5)、カウンタによる回転子位置検出パルスの周期のカウント動作を再開させる(ステップS6)。
次いで、ステップS7〜ステップS11では、そのカウント値NCに基づいて、出力電圧Vを生成するような変換処理を行う。尚、この処理は、先の(4)〜(6)で示した変換式を満足させるものであり、そのカウント値NCと出力電圧Vの関係の一例を図26に示す。
まず、ステップS7では、そのカウント値NCが、0≦NC≦N0の範囲にあるか否かが判定され、その範囲にある場合には(ステップS7;Yes)、出力電圧Vが「255」となり、その範囲にない場合には(ステップS7;No)、ステップS9の処理に移行する。
ステップS9では、カウント値NCが、N0<NC<N1の範囲にあるか否かが判定され、その範囲にある場合には(ステップS9;Yes)、出力電圧VはV=k/NC+bで与えられる(ステップS10)。
他方、ステップS9において、カウント値NCが上記の範囲外の場合には(ステップS9;No)、すなわち、カウント値NCがN1≦NCの場合には、出力電圧Vは「0」となる(ステップS11)。
このようにして出力電圧Vを出力すると、次の回転子位置検出パルスのエッジを検出するために、そのエッジの検出を許可する(ステップS12)。更に、その出力電圧Vを図示しないD/A変換器によりD/A変換し(ステップS13)、最終的にアナログ量にして周波数電圧変換装置431の出力とする(ステップS14)。
次に、図29に示した周波数電圧変換処理におけるステップS7〜ステップS11における各演算処理をテーブル処理に置き換えた場合について、図31を参照して説明する。
すなわち、図26に示すように、カウント値NCとそれに対応する出力電圧Vが既知である場合には、そのカウント値NCとそれに対応する出力電圧Vの関係を図31に示すNC−V対応テーブル441に図示のように予め記述(格納)しておく。そして、周波数電圧変換処理の際に、ステップS37において、カウント値NCからそのテーブル441を参照して出力電圧Vを求める。これにより、図29に示した周波数電圧変換処理の場合に比較して、出力電圧Vを求める時間を短縮できる。
尚、図31に示す周波数電圧変換処理は、ステップS37以外のステップS31〜ステップS36が図29のステップS1〜S6に対応し、ステップS38〜ステップS40が図29のステップS12〜S14に対応するので、その各ステップの説明は省略する。
以上説明したように、この具体例に係るモータの制御装置では、出力の遅れがない上に、出力範囲内において回転速度に対する直線性を確保でき、かつ、ダイナミックレンジが広くとれる周波数電圧変換装置を用いるようにしたので、3相ハイブリッド型ステッピングモータの応答特性の向上を図ることができる。
このように、本発明は、特に、ステータコイルに発生する逆起電力を利用して制御する際に、モータの正確な位置決め制御をすることが可能な方法及び装置であり、とりわけハイブリッドステッピングモータに適用することが好ましく、また、本発明を適用したモータは、正確な位置決めを必要とするプリンタの各種駆動機構や紙送り機構に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係り、モータの制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】モータの制御装置の各部の動作例を説明するフローチャートである。
【図3】モータの制御装置による運転パターン例を説明する図である。
【図4】本発明の実施例に係り、モータの制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図5】PI位置制御系に速度マイナーループ補償を加えたブロック線図である。
【図6】モータの制御装置の各部の動作例を説明するフローチャートである。
【図7】モータの制御装置による運転パターン例を説明する図である。
【図8】PI位置制御系を示すブロック線図である。
【図9】モータの制御装置による運転パターン例を説明する図である。
【図10】本発明の実施例に係り、モータの制御装置の一例を示すブロック図である。
【図11】同モータの制御装置の各部の動作波形の一例を示す波形図である。
【図12】従来のステッピングモータの機械的な構造を示す断面図である。
【図13】同ステッピングモータの回転子と固定子の関係を示す平面図である。
【図14】同ステッピングモータの回転子と固定子の要部を示す拡大図である。
【図15】回転子と固定子との空隙に発生する磁束と、ステータコイルに発生する逆起電力の一例を示す図である。
【図16】具体例に係り、モータ制御装置を示す回路図である。
【図17】具体例に係り、逆起電力検出回路及び制御回路を示す回路図である。
【図18】具体例に係り、ステータコイルに生じる逆起電力を示す説明図である。
【図19】具体例に係り、ステータコイルの逆起電力及びコンパレータの出力パルスを示す説明図である。
【図20】具体例に係り、転流信号発信回路の出力パルス及びPWM信号を示す説明図である。
【図21】具体例に係り、モータ制御を示すフローチャートである。
【図22】本具体例の周波数電圧変換装置の第1実施形態の構成の一例を示すブロックである。
【図23】回転数と入力パルス周期の関係を示す図である。
【図24】回転数と出力電圧の関係を示す図である。
【図25】本具体例の周波数電圧変換装置の第2実施形態の構成の一例を示すブロックである。
【図26】カウント値と出力電圧の関係を示す図である。
【図27】本具体例に係る周波数電圧変換装置を3相ハイブリッド型ステッピングモータの位置センサレス閉ループ駆動・制御に適用した場合のモータの制御装置の一例を示すブロック図である。
【図28】図27の各部の信号波形例を示す波形図(タイムチャート)である。
【図29】周波数電圧変換装置における周波数電圧変換処理の一例を示すフローチャートである。
【図30】同装置における回転子位置検出パルスの周期のカウント処理を示すフローチャートである。
【図31】テーブルの使用による周波数電圧変換処理の一例を示すフローチャートである。
【図32】従来装置の構成を示す図である。

Claims (16)

  1. 同期運転と位置センサレス運転とを備えるとともに、これらを相互に切り換える運転モード切換手段を有する位置センサレスモータの制御方法において、
    前記同期運転のときには、位置指令信号に同期させてモータのステータコイルを励磁してロータを回転させ、
    前記位置センサレス運転のときには、前記ステータコイルに発生する逆起電力に基づいてロータの回転位置を検出し、このロータの検出回転位置に同期させて前記ステータコイルを励磁してロータを回転させるとともに、前記位置指令信号による回転目標位置と前記検出回転位置とから目標位置と現在位置との偏差を求め、この求めた偏差に基づいて位置センサレス閉ループ駆動を行い、
    更に、前記位置センサレス運転の開始時には、前記偏差に所定のバイアスを加え、その後このバイアスを減少させるようにしたことを特徴とする位置センサレスモータの制御方法。
  2. 前記同期運転から前記位置センサレス運転への切換えは、前記ステータコイルに発生する逆起電力が所定のレベルに達したことを条件に行い、前記位置センサレス運転から前記同期運転への切換えは、前記偏差が零になったことを条件に行うようにしたことを特徴とする請求項1記載の位置センサレスモータの制御方法。
  3. 同期運転と位置センサレス運転とを備えるとともに、これらを相互に切り換える運転モード切換手段を有する位置センサレスモータの制御装置において、
    前記運転モード切換手段により前記同期運転が選択されているときに、位置指令信号に同期させてモータのステータコイルの励磁を行い、前記位置センサレス運転が選択されているときに、前記ステータコイルに発生する逆起電力に基づいてロータの回転位置を検出し、このロータの検出回転位置に同期させて前記ステータコイルの励磁を行うステータコイル駆動手段と、
    前記運転モード切換手段により前記位置センサレス運転が選択されているときに、前記位置指令信号と前記ロータの検出回転位置とから目標位置と現在位置との偏差を求める偏差算出手段と、
    前記運転モード切換手段により前記位置センサレス運転が選択されているときに、前記偏差算出手段で求めた偏差に応じて前記ステータコイル駆動手段の駆動制御を行う制御手段と、
    前記運転モード切換手段により前記位置センサレス運転が選択された直後には、前記偏差算出手段で求めた偏差に所定のバイアスを加え、このバイアスを時間の経過とともに減少させるバイアス制御手段と、
    を備えることを特徴とする位置センサレスモータの制御装置。
  4. 前記運転モード切換手段は、前記位置指令信号の周波数を計測する周波数計測手段を備え、前記位置指令信号の周波数が所定値を超えたときに同期運転から位置センサレス運転への切り換えを行い、前記偏差が零になったときに位置センサレス運転から同期運転への切り換えを行うことを特徴とする請求項3記載の位置センサレスモータの制御装置。
  5. 同期運転と位置センサレス運転とを備えるとともに、これらを相互に切り換える運転モード切換手段を有する位置センサレスモータの制御方法において、
    前記同期運転のときには、位置指令信号に同期させてモータのステータコイルを励磁してロータを回転させ、
    前記位置センサレス運転のときには、前記ステータコイルに発生する逆起電力に基づいてロータの回転位置を検出し、このロータの検出回転位置を示すロータ回転位置信号に同期させて前記ステータコイルを励磁してロータを回転させるとともに、
    前記位置指令信号による回転目標位置と前記ロータの検出回転位置とから目標位置と現在位置との偏差を求め、この求めた偏差の積分値を前記偏差に加算し、前記ロータ回転位置信号に基づいてロータ回転速度を求め、前記偏差と前記偏差の積分値との加算値から、前記ロータ回転速度を減算した値に基づいて位置センサレス閉ループ駆動を行い、
    前記運転モード切換手段により、前記同期運転から前記位置センサレス運転に移行するときに、前記偏差の積分値には所定の初期値が設定されるようにしたことを特徴とする位置センサレスモータの制御方法。
  6. 前記運転モード切換手段は、前記位置指令信号の周波数を計測する周波数計測手段を備え、
    前記運転モード切換手段による運転モードの切り換えは、同期運転による運転開始後、前記位置指令信号の周波数或は逆起電力のレベルが第1の所定値を超えたときに位置センサレス運転に切り換え、前記位置指令信号の周波数或は逆起電力のレベルが第2の所定値を下回り且つ前記偏差が零のときに位置センサレス運転から同期運転に切り換えることを特徴とする請求項5記載の位置センサレスモータの制御方法。
  7. 同期運転と位置センサレス運転とを備えるとともに、これらを相互に切り換える運転モード切換手段を有する位置センサレスモータの制御装置において、
    前記運転モード切換手段により前記同期運転が選択されているときに、位置指令信号に同期させてモータのステータコイルの励磁を行い、前記位置センサレス運転が選択されているときに、前記ステータコイルに発生する逆起電力に基づいてロータの回転位置を検出し、このロータの検出回転位置を示すロータ回転位置信号に同期させて前記ステータコイルの励磁を行うステータコイル駆動手段と、
    前記運転モード切換手段により前記位置センサレス運転が選択されているときに、前記位置指令信号による回転目標位置と前記ロータの検出回転位置とから目標位置と現在位置との偏差を求める偏差算出手段と、
    前記偏差算出手段で求めた偏差の積分値を求める積分手段と、
    前記ロータ回転位置信号に基づいてロータ回転速度を求める回転速度検出手段と、
    前記偏差に前記偏差の積分値を加算し、前記偏差と前記偏差の積分値との加算値から、前記ロータ回転速度を減算した値に基づいて前記ステータコイル駆動手段の駆動制御を行う制御手段と、
    前記運転モード切換手段により、前記同期運転から前記位置センサレス運転に移行するときに、前記積分手段における前記偏差の積分値に所定の初期値を設定する初期値設定手段と、
    を備えることを特徴とする位置センサレスモータの制御装置。
  8. 前記運転モード切換手段は、前記位置指令信号の周波数を計測する周波数計測手段を備え、前記位置指令信号の周波数或は逆起電力のレベルが第1の所定値を超えたときに同期運転から位置センサレス運転への切り換えを行い、前記位置指令信号の周波数或は逆起電力のレベルが第2の所定値を下回り且つ前記偏差が零のときに位置センサレス運転から同期運転への切り換えを行うことを特徴とする請求項7記載の位置センサレスモータの制御装置。
  9. モータのステータコイルに発生する逆起電力が正から負又は負から正に変化する時点を検出し、この検出した各時点を基準に遅延時間を加えて前記ステータコイルの通電切換タイミングを決定し、この決定した通電切換タイミングに基づいて前記ステータコイルに通電してロータを回転させるようにしたモータの制御方法であって、
    前記遅延時間は、前記各検出時点間の時間を測定し、その測定時間のうち、前記逆起電力の正負の期間に対応する測定時間を使用するようにしたことを特徴とする位置センサレスモータの制御方法。
  10. 前記遅延時間は、前記各検出時点間の時間を順次測定し、前記通電切換タイミングの決定時の直前よりも1つ前に測定された時間を使用するようにしたことを特徴とする請求項9記載の位置センサレスモータの制御方法。
  11. モータのステータコイルに発生する逆起電力を所定電圧と比較して、ロータの回転位置を示すロータ位置信号を生成する位置検出手段と、
    この位置検出手段で生成されたロータ位置信号の変化時点を検出し、この検出された変化時点間の時間を測定する計時手段と、
    この計時手段で検出された変化時点を基準に遅延時間を加えて前記ステータコイルの通電切換タイミングを決定するとともに、前記遅延時間として前記計時手段での測定時間のうち、前記逆起電力の正負の期間に対応する測定時間を使用する通電切換タイミング決定手段と、
    この通電切換タイミング決定手段で決定された通電切換タイミングにより前記ステータコイルを通電する励磁手段と、
    を備えたことを特徴とする位置センサレスモータの制御装置。
  12. 前記計時手段は、前記位置検出手段で生成されたロータ位置信号の立ち上がり及び立ち下がりのエッジを順次検出し、この検出されたエッジ間の時間を順次測定するようし、
    前記通電切換タイミング決定手段は、前記計時手段でのエッジの各検出時に、この各検出時を基準に遅延時間を加えて前記ステータコイルの通電切換タイミングを決定するとともに、前記遅延時間として前記通電切換タイミングの決定時の直前よりも、1つ前に前記計時手段で測定された時間を使用するようにしたことを特徴とする請求項11記載の位置センサレスモータの制御装置。
  13. モータのステータコイルに発生する逆起電力によりロータの位置を検出し、この検出位置に基づいて前記ステータコイルに通電して前記ロータを回転させるようにしたモータの制御方法であって、
    前記逆起電力が正から負又は負から正に変化する変化時点を検出し、この検出した変化時点間の時間を測定し、この測定時間のうち前記逆起電力の正負の期間に対応する2つの時間の平均から前記ロータの回転速度を求め、この求めた回転速度により閉ループ制御を行うようにしたことを特徴とする位置センサレスモータの制御方法。
  14. モータのステータコイルに発生する逆起電力によりロータの位置を検出し、この検出位置に基づいて前記ステータコイルに通電して前記ロータを回転させるようにしたモータの制御方法であって、
    前記逆起電力が正から負又は負から正に変化する変化時点を検出し、この検出した変化時点間の時間を順次測定し、前記変化時点ごとに、前回と前々回の測定時間の平均から前記ロータの回転速度を求め、この求めた回転速度により閉ループ制御を行うようにしたことを特徴とする位置センサレスモータの制御方法。
  15. モータのステータコイルに発生する逆起電力を所定電圧と比較して、ロータの回転位置を示すロータ位置信号を生成する位置検出手段と、
    この位置検出手段で生成されたロータ位置信号に基づいて前記ステータコイルを通電する励磁手段と、
    前記位置検出手段で生成されたロータ位置信号からその変化時点を順次検出し、この検出された変化時点間の時間を測定し、この測定時間のうち前記逆起電力の正負の期間に対応する2つの時間の平均から前記ロータの回転速度を求める回転速度検出手段と、
    この回転速度検出手段で求められた回転速度が目標値に一致するように、前記励磁手段を制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とするモータの制御装置。
  16. モータのステータコイルに発生する逆起電力を所定電圧と比較して、ロータの回転位置を示すロータ位置信号を生成する位置検出手段と、
    この位置検出手段で生成されたロータ位置信号の変化時点を検出し、この検出された変化時点間の時間を測定する計時手段と、
    この計時手段で検出された変化時点を基準に遅延時間を加えて、前記ステータコイルの通電切換タイミングを決定するとともに、前記遅延時間として前記計時手段で測定した時間のうち前記逆起電力の正負の期間に対応する時間を使用する通電切換タイミング決定手段と、
    この通電切換タイミング決定手段で決定された通電切換タイミングにより前記ステータコイルに通電する励磁手段と
    前記計時手段で測定された時間のうち、前記逆起電力の正負の期間に対応する2つの時間の平均から前記ロータの回転速度を求める回転速度検出手段と、
    この回転速度検出手段で求められた回転速度が目標値に一致するように、前記励磁手段を制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする位置センサレスモータの制御装置。
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