JP3469218B2 - モータ制御装置 - Google Patents

モータ制御装置

Info

Publication number
JP3469218B2
JP3469218B2 JP2001180668A JP2001180668A JP3469218B2 JP 3469218 B2 JP3469218 B2 JP 3469218B2 JP 2001180668 A JP2001180668 A JP 2001180668A JP 2001180668 A JP2001180668 A JP 2001180668A JP 3469218 B2 JP3469218 B2 JP 3469218B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phase difference
power
motor
target value
phase
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001180668A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002374691A (ja
Inventor
政次 中谷
英史 大塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2001180668A priority Critical patent/JP3469218B2/ja
Publication of JP2002374691A publication Critical patent/JP2002374691A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3469218B2 publication Critical patent/JP3469218B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Electric Motors In General (AREA)
  • Control Of Ac Motors In General (AREA)
  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばIPMモー
タなどの多相モータの駆動を制御するモータ制御装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ロータに永久磁石を配した多相モ
ータを駆動制御するモータ制御装置に関して、消費され
る電力を最小化するための制御方法として、次のような
方法が提案されている。まず特開平7−337088号
公報には、電力演算部で計算されたAC電源の電力値が
極小になるように誘導電動機への出力電圧を変更して探
索制御することにより、誘導電動機の駆動電力が最小と
なるように制御する方法が開示されている。
【0003】また特開2000−209886号公報に
は、ロータ内部に永久磁石を埋め込んだ埋込型永久磁石
構造のモータ(以下、IPM(Interior Permanent Mag
net)モータと称する)のモータ巻線への通電位相を変
更することによって、駆動電力が最小となるように制御
する方法が開示されている。
【0004】ここで、IPMモータについて説明する。
図16は、IPMモータのモータロータ断面の形状の一
例を示す断面図である。同図に示すように、IPMモー
タのモータロータは、ロータ鉄心51の内部に永久磁石
52…を配置した構成となっており、さらにエアギャッ
プ53…を形成することによって磁束がコントロールさ
れている。
【0005】IPMモータにおけるトルクの発生原理
は、例えば、文献「リラクタンストルクを利用した回転
機(電気学会論文誌D,114巻9号,’94)」など
に詳細に示されている。
【0006】IPMモータにおいて、通電位相βと、発
生トルクGT、マグネットトルクMT、リラクタンスト
ルクRT、および端子電圧Vとの関係は、図17に示す
ようなものとなる。同図に示すように、マグネットトル
クMTは、通電位相βが0°の時に最大となり、その波
形は、位相0°の時の値をピークとするcosβで表さ
れる。また、リラクタンストルクRTは、通電位相βが
45°の時に最大となり、その波形は、位相45°の時
の値をピークとするsin2βで表される。また、端子
電圧Vは、通電位相βが大きくなるにつれて低くなって
おり、いわゆる弱め界磁運転の状態となっている。ま
た、発生トルクGTは、マグネットトルクMTとリラク
タンストルクRTとの加算値となっており、マグネット
トルクのみを用いる通常のモータに比べて大きなトルク
を得ることが可能となっている。このような特性のIP
Mモータでは、適切な通電位相βで転流を行うことによ
って、高トルク出力、および高効率運転を実現すること
が可能となっている。なお、最高効率でのモータ駆動が
実現できる通電位相は、モータ回転数、負荷トルクによ
る回転条件で、それぞれ異なっているため、該回転条件
ごとに設定する必要がある事が知られている。
【0007】特開2000−209886号公報には、
図18に示すような構成のモータ制御装置が開示されて
いる。このモータ制御装置は、交流電源61、コンバー
タ62、インバータ63、IPMモータ64、電源電流
検出手段65、通電位相設定手段66、通電分配手段6
7、および位相検出手段68を備えた構成となってい
る。
【0008】通電位相設定手段66が、所定時間毎にI
PMモータ64における効率が最大となるように通電位
相設定値を設定する。この際に、前回と今回との間で電
流値および通電位相設定値の比較が行われ、比較結果に
基づいて新たな通電位相設定値が設定される。このよう
に設定された通電位相設定値と位相検出手段68によっ
て検出された位相とに基づいて、通電分配手段67がI
PMモータ64への通電タイミングを決定し、IPMモ
ータ64が駆動される。このような駆動制御により、モ
ータの高効率駆動が実現される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記した特開平7−3
37088号公報に開示されている方法では、最高効率
を探索するために誘導電動機への出力電圧を変更するも
のとなっている。この場合、出力電圧が変更されること
によって、モータ振動の発生もしくはモータ回転数が変
化してしまうという問題が生じることになる。これに対
して、速度制御などを行う回転数制御手段を用いてモー
タ回転数の変動を抑制する制御を行うことになるが、こ
のような制御を行ったとしても、出力電圧を変更した時
点ではモータ回転数の変動が発生してしまい、モータ回
転の精密・高性能運転を実現することは出来ない。
【0010】また誘導電動機では、出力電圧と出力周波
数の比を決めて誘導電動機に出力する制御、いわゆるV
/F制御と呼ばれる制御方法が提案されており、これに
よって回転数を一定に保つ方式が採用されていることも
ある。しかしながら、この方法においてもモータの定数
などを誤差なく検出し制御することは難しいため、モー
タ回転数の変動を完全に抑制することは出来ない。
【0011】同様に、上記した特開2000−2098
86号公報に開示されている構成においても、上記と同
様の問題点が挙げられる。すなわち、負荷トルク、モー
タ端子電圧を変更しない状態で、通電位相だけを変更す
ると、モータ振動およびモータ回転数が変動してしまう
という問題がある。
【0012】詳しく説明すると、通電位相だけを変更す
る場合、図17に示すように発生トルクが変化すること
になる。一方で負荷トルクは一定であるため、トルク差
が発生してしまい、モータの振動を引き起こすことにな
る。また結果的にこのトルク差によって、モータ回転数
の変動をも引き起こすことになる。
【0013】このためにモータ回転数を一定に保つため
の速度制御が行われるが、上記の誘導電動機の場合と同
様に、通電位相の変更時点でモータ回転数が変化するこ
とになる。したがって、モータ回転の精密・高性能運転
を実現することが出来ないという問題がある。
【0014】また、言うまでもないが、上記したような
モータの振動は、モータおよび装置の性能、寿命にも大
きな悪影響を及ぼすことになる。
【0015】このように、上記したような従来技術で
は、端子電圧あるいは通電位相など、直接モータを制御
する信号を操作していたため、現在の負荷トルクに対す
るモータ駆動の設定のバランスが崩れることになり、該
信号の変更時にモータの振動やモータ回転数の変動が発
生してしまっている。
【0016】なお、上記のように、モータの振動やモー
タ回転数の変動が発生してしまうのは、次のような理由
によるものである。すなわち、従来技術では、高効率化
を図る上での、通電位相などの制御パラメータは、フィ
ードバック制御などによって多相モータの安定状態を保
ったまま制御しているものではなく、ある設定値に一義
的に設定しているにすぎないからである。したがって、
上記のような従来技術では、高効率探索制御と、高精度
なモータ制御とを両立することは困難となっている。
【0017】本発明は上記の問題点を解決するためにな
されたもので、その目的は、モータ回転条件が変化した
際に、トルクの急激な変動によるモータおよび装置の振
動などを招くことなく、安定回転を維持した状態で、常
に電力を最小とするようなモータ駆動制御を行うモータ
制御装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明に係るモータ制御装置は、多相モータの駆
動を制御するモータ制御装置であって、上記多相モータ
を駆動する駆動部と、上記多相モータにおけるモータ端
子電圧とモータ端子電流との位相差を検出する位相差検
出部と、上記多相モータの駆動に使用されている電力を
検出する電力検出部と、上記電力検出部によって検出さ
れた電力に基づいて、該電力を最小値に近づける位相差
目標値を決定する電力最小化部と、上記位相差検出部に
よって検出された位相差を、上記位相差目標値に近づけ
るように、上記駆動部による多相モータの駆動をフィー
ドバック制御する制御信号を該駆動部に出力する位相差
制御部とを備え、上記電力最小化部が、所定の周期で上
記位相差目標値を決定するとともに、前回設定した位相
差目標値によって制御が行われた際の電力と、今回設定
する位相差目標値によって制御が行われた際の電力とを
比較し、電力が小さ くなる方向に次回設定する位相差目
標値を変化させることによって電力を最小とする第1位
相差目標値に到達する受動探索モードを実行し、位相差
目標値が前記第1位相差目標値に移行して所定時間が経
過した後に、位相差目標値を、前記第1位相差目標値と
は異なる第2位相差目標値に移動させ、また所定時間が
経過した後に、位相差目標値を前記第1位相差目標値に
戻す、という処理を繰り返し、前記第1位相差目標値と
前記第2位相差目標値とで電力に所定量以上の差が生じ
た場合は、受動探索モードによる位相差目標値の変更を
行うことを特徴としている。
【0019】上記の構成では、まず、位相差検出部によ
って、多相モータにおけるモータ端子電圧とモータ端子
電流との位相差が検出される。また、電力検出部によっ
て検出された電力に基づいて、電力最小化部によって、
電力を最小値に近づける位相差目標値が決定される。そ
して、位相差制御部によって、位相差検出部によって検
出された位相差を、上記位相差目標値に近づけるように
駆動部をフィードバック制御する制御信号が生成され、
この制御信号に基づいて駆動部が多相モータを駆動する
ことになる。すなわち、駆動部に対して、電力を最小と
する位相差となるような制御を直接行うのではなく、位
相差検出部によって検出された多相モータにおける位相
差を、位相差目標値に近づけるようにフィードバック制
御を行う構成となっている。
【0020】ここで、駆動部に対して、電力を最小とす
る位相差となるような制御を直接行う構成の場合には、
電力を最小とする位相差が変更されると、駆動部におけ
る駆動状態が瞬間的に変更され、これによって、発生ト
ルクが変動し、モータおよびモータを備えた装置が振動
するという問題が生じていた。
【0021】これに対して、本発明の構成によれば、位
相差検出部によって検出された多相モータにおける位相
差を、位相差目標値に近づけるようにフィードバック制
御を行っているので、位相差目標値が変更された際に
は、モータの安定回転を保ったまま位相差の制御が行わ
れることになる。よって、モータの運転において、回転
条件が時々刻々変化していても、回転速度変動などによ
ってモータの運転性能を劣化させることなく、常に効率
を最高とするようなモータ制御を行うことができる。
【0022】また、上記の構成では、電力最小化部は、
設定する位相差目標値と、その時の電力を記憶してお
き、前回と今回との電力を比較することによって次回の
位相差目標値が設定されることになる。これにより、比
較的簡単な探索手法によって、電力を最小とする位相差
目標値を求めることができる。
【0023】また、上記の構成によれば、受動探索モー
ドによって、電力を最小とする位相差目標値に到達した
後に、さらに能動探索モードによって、所定の周期で、
所定の範囲内で位相差目標値を移動させながら電力を検
出している。このように能動探索モードを設けることに
よって、例えばモータ回転条件の変化によって電力と位
相差目標値との関係が変化した場合、能動探索モードに
おいて、移動先の位相差目標値における電力の変化を検
知することによって、新たに電力を最小とする位相差目
標値の探索を行うことが可能となる。よって、モータ回
転条件が時々刻々と変化する構成であっても、常に最高
の効率となるようにモータ駆動の制御を行うことができ
る。
【0024】また、本発明に係るモータ制御装置は、上
記の構成において、上記多相モータが、ロータ内部に永
久磁石が埋め込まれており、磁石によるマグネットトル
クと、ロータ位置による磁気抵抗の変化で発生するリラ
クタンストルクとを併用するIPMモータであることを
特徴としている。
【0025】上記の構成では、多相モータにIPMモー
タを使用している。IPMモータは、モータ回転条件に
よって最高効率となる通電位相が時々刻々と変化するも
のであるが、本発明の構成によれば、常に最適な通電位
相によるモータ駆動制御を行うことができる。
【0026】また、本発明に係るモータ制御装置は、上
記の構成において、交流電源を直流電源に変換する電源
変換部を備えるとともに、上記駆動部が、上記電源変換
部から出力される直流電源に基づいて、上記多相モータ
に供給する多相の周波数の交流電源を生成するインバー
タ部であることを特徴としている。
【0027】上記の構成によれば、電源変換部によって
交流電源が直流電源に変換され、インバータ部によっ
て、直流電源が多相の周波数の交流電源に変換され、多
相モータに入力される。これにより、もとの交流電源の
周波数の影響を受けることなく、的確に多相モータの駆
動を行うことができる。
【0028】また、本発明に係るモータ制御装置は、上
記の構成において、上記電力検出部が、上記電源変換部
によって直流電源に変換される前の交流電源の交流電流
を検出することによって電力を検出することを特徴とし
ている。
【0029】上記の構成によれば、直流電源に変換され
る前の交流電源の交流電流は、従来のモータ制御装置に
おいて、過電流検出用として一般的に備えられているカ
レントトランスを用いて検出することができるので、新
たに構成を追加することなく、電力の検出を行うことが
できる。ここで、電力を検出するには電圧も検出する必
要があるが、電圧は基本的に大きく変動するものではな
く、交流電源の定格電圧をそのまま用いることによっ
て、電力の検出を行うことができる。
【0030】また、本発明に係るモータ制御装置は、上
記の構成において、上記電力検出部が、上記電源変換部
によって直流電源に変換された後の直流電源の直流電流
および直流電圧を検出することによって電力を検出する
ことを特徴としている。
【0031】上記の構成によれば、電力の検出を、電源
変換部によって直流電源に変換された後の直流電源の直
流電流および直流電圧に基づいて行うので、力率などに
とらわれずに正確な電力計算が可能となる。これによ
り、より的確に電力の最小化を実現する位相差制御を行
うことができる。
【0032】また、本発明に係るモータ制御装置は、上
記の構成において、上記電源変換部を所望の直流電源と
なるように、該電源変換部に対して、直流電源制御信号
を出力する電源変換制御部をさらに備え、上記電力検出
部が、上記電源変換制御部から出力される制御信号に基
づいて電力を検出することを特徴としている。
【0033】上記の構成では、直流電源を所定の値に正
確に設定することを目的として、電源変換部における交
流から直流への電源変換処理を制御する電源変換制御部
が備えられている。このような構成において、電力検出
部は、この電源変換制御部から出力される制御信号に基
づいて電力を検出している。すなわち、上記のような電
源変換制御部を備えた構成であれば、電力を検出するた
めの構成として新たな構成を追加することなく、電源変
換制御部からの制御信号に基づいて電力を算出すること
が可能となり、装置コストの上昇を招くことなく、的確
に電力の最小化を実現するモータ制御装置を提供するこ
とができる。
【0034】また、本発明に係るモータ制御装置は、上
記の構成において、上記多相モータにおける端子電流を
検出するモータ端子電流検出器を備え、上記位相差制御
部から上記駆動部に出力される制御信号がデューティー
基準値であり、上記電力検出部が、上記モータ端子電流
検出器によって検出された端子電流と、上記位相差制御
部から上記駆動部に出力される上記デューティー基準値
に基づいて換算されるモータ端子電圧とに基づいて電力
を検出することを特徴としている。
【0035】上記の構成では、多相モータにおける位相
を検出するために、多相モータにおける端子電流を検出
するモータ端子電流検出器が備えられている。このよう
な構成において、電力検出部は、この端子電流と、位相
差制御部から駆動部に出力される制御信号を換算するこ
とによって求められる電圧とによって、電力の算出を行
っている。すなわち、上記のようなモータ端子電流検出
器を備えた構成であれば、電力を検出するための構成と
して新たな構成を追加することなく電力を算出すること
が可能となり、装置コストの上昇を招くことなく、的確
に電力の最小化を実現するモータ制御装置を提供するこ
とができる。
【0036】また、本発明に係るモータ制御装置は、上
記の構成において、上記電力最小化部が、前回と今回と
の位相差目標値の増減方向と、前回と今回との電力の増
減方向との排他的論理和演算を行い、両者の方向が一致
している場合に、次回の位相差目標値を減らすように設
定し、両者の方向が異なっている場合に、次回の位相差
目標値を増やすように設定することを特徴としている。
【0037】上記の構成によれば、排他的論理和演算に
よって、次回の位相差目標値の増減を設定するので、例
えばExclusiveOR ゲートなどの簡単なデジタル論理回路
によって、位相差目標値の設定に関する処理を行うこと
ができる。したがって、複雑な構成、例えばマイクロプ
ロセッサなどの高価な構成を用いることなく、簡素な構
成によって位相差目標値の探索を行うことが可能とな
り、装置コストの著しい上昇を招くことなく、電力を最
小化する制御を行うモータ制御装置を提供することがで
きる。
【0038】また、本発明に係るモータ制御装置は、上
記の構成において、上記受動探索モードにおける位相差
目標値の変更量を、上記能動探索モードにおける上記第
1位相差目標値と上記第2位相差目標値との間の変更量
よりも大きくなるように設定することを特徴としてい
る。
【0039】上記の構成によれば、例えば、受動探索モ
ードにおける位相差目標値の変更量を比較的大きな値と
することによって、電力を最小とする位相差目標値に早
く到達することが可能となるとともに、能動探索モード
における位相差目標値の変更量を比較的小さな値とする
ことによって、能動探索モードを行っている際の効率の
低下を最小限に抑えることが可能となる。
【0040】また、本発明に係るモータ制御装置は、上
記の構成において、上記多相モータの回転条件をパラメ
ータとする標準的な位相差目標値を格納する標準目標値
格納部を備えていることを特徴としている。
【0041】上記の構成によれば、標準目標値格納部に
よって、多相モータの回転条件をパラメータとする標準
的な位相差目標値が記憶されているので、例えば、モー
タ回転条件などが大きく変化した場合などに、まず、こ
の標準目標値格納部に格納されている標準的な位相差目
標値を設定し、この位相差目標値から、上記のような探
索を行うことによって最適な位相差目標値に移行させる
ことが可能となる。これにより、位相差目標値の探索の
初期値が、最適な位相差目標値から大きく外れているこ
とがなくなるので、最適な位相差目標値の探索効率を向
上させることができる。
【0042】また、本発明に係るモータ制御装置は、上
記の構成において、上記電力最小化部が、上記多相モー
タにおける端子電流の通電位相と、上記位相差目標値と
の関係を格納する位相差特性格納部を備えている構成と
してもよい。
【0043】上記の構成では、位相差特性格納部によっ
て、多相モータにおける端子電流の通電位相と、上記位
相差目標値との関係が記憶されている。通電位相と位相
差目標値との関係は、基本的には線型の関係があるが、
上記の構成のように、通電位相と位相差目標値とのより
精密な関係を用いることにより、多相モータの特性に直
接関係する通電位相に基づいて、位相差目標値を設定す
ることが可能となる。よって、さらに高い精度で、電力
を最小とするモータ制御を実現することができる。
【0044】また、本発明に係るモータ制御装置は、上
記の構成において、上記電力最小化部が、モータ回転数
あるいは負荷トルクからなる回転条件をパラメータとし
て位相差目標値の変更許容範囲を設定することを特徴と
している。
【0045】例えば、位相差目標値が所定値以下になる
と、モータを駆動する上での発生トルクが負荷トルクを
下回ってしまいモータが停止してしまう。また位相差目
標値が所定値以上になると、モータ端子電流が増加して
しまい、インバータ部において過電流機能が働いてモー
タを停止させてしまう。よって、万が一ノイズなどによ
って誤動作が生じ、これによりモータが停止してしまう
ことを防ぐために、上記の構成のように、電力最小化部
が位相差目標値を変更する際に、変更許容範囲を設けて
おく方が信頼性が高まることになる。
【0046】また、この変更許容範囲の上限値および下
限値は、モータの回転条件によって変化していくもので
あるので、上記のように、あらかじめモータ回転数、負
荷トルクなどをパラメータとする変更許容範囲テーブル
を作成、記憶しておき、該当する変更許容範囲を呼び出
して使用することによって、モータの回転条件に応じた
変更許容範囲を設定することが可能となる。
【0047】また、本発明に係るモータ制御装置は、上
記の構成において、上記電力最小化部が、上記位相差制
御部による位相差目標値に対する実位相差情報の追従が
完了するまでの時間を、上記最小化処理の処理間隔とし
設定することを特徴としている。
【0048】電力最小化部によって位相差目標値が変更
された際には、フィードバック制御における追従特性に
より、瞬時に位相差情報が追従するわけではなく、所定
の時間が経過した後に追従が完了することになる。よっ
て、上記の構成のように、位相差制御部による位相差目
標値に対する実位相差情報の追従特性を考慮し、最小化
処理の処理間隔を、上記追従特性に基づいて設定するこ
とによって、電力の検出を、位相差情報が安定した後に
開始することが可能となる。これにより、非常に精度の
高い電力検出を実現することができる。
【0049】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について図
面に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0050】図1は、本実施形態に係るモータ制御装置
の概略構成を示すブロック図である。同図に示すよう
に、モータ制御装置は、多相モータ1、インバータ部
2、電源変換部3、交流電源4、電流センサ5、モータ
電流検出アンプ部6、電源電流検出器7、フィルタ回路
8、および制御マイコン9を備えた構成となっている。
【0051】多相モータ1は、例えばIPMモータなど
によって構成されるものである。IPMモータは、電機
子巻線のインダクタンス変化および電機子電流に伴って
発生するリラクタンストルクと、永久磁石の磁束および
電機子電流に伴って発生するフレミングトルクとを併用
して利用する種類のブラシレスモータから構成されてい
るものである。該IPMモータは、前記したように、ロ
ータ内部に永久磁石を埋め込んだ埋込型永久磁石構造と
なっている。
【0052】交流電源4は、多相モータ1に電源を供給
するものであり、例えばAC100Vの電源などが用い
られる。電源変換部3は、交流電源4からの交流を一旦
直流に変換し、次のインバータ部2に直流電流を供給す
るものである。
【0053】インバータ部2は、電源変換部3から供給
された直流電源から、任意の周波数の交流電源を生成
し、多相モータ1に所望の周波数を有する交流電源を供
給するものである。これにより、多相モータ1の回転数
を任意の値に滑らかに変化させることが可能となる。
【0054】電流センサ5は、多相モータ1におけるモ
ータコイル端子U,V,W相の中で、特定の相(図1に
おいてはU相)に流れるモータ電流を検出するモータ端
子電流検出器によって構成されるものである。モータ電
流検出アンプ部6は、電流センサ5において検出された
モータ端子電流を所定量増幅し、オフセット量を加算し
た後に、モータ電流信号を制御マイコン9に向けて出力
するものである。
【0055】電源電流検出器7は、交流電源4の出力ラ
インに取り付けられており、電源電流を検出するもので
あり、たとえばカレントトランス(C.T.)などによ
って構成される。フィルタ回路8は、電源電流検出器7
によって検出された電流を増幅する、あるいはフィルタ
リングをする回路であり、この出力がマイコン制御部9
に向けて出力される。
【0056】マイコン制御部9は、位相差制御部10、
電力検出部17、および電力最小化部18を備えた構成
となっている。位相差制御部10は、モータ端子電圧と
モータ電流信号との位相差を制御するためのブロックで
ある。この位相差制御部10は、位相差検出部11、回
転数設定部12、位相差目標設定部13、加算器14、
PI演算器15、およびPWM作成部16から構成され
ている。
【0057】位相差検出部11は、モータ電流検出アン
プ部から出力されるモータ電流信号と、モータ端子電圧
との位相差情報を検出するブロックである。回転数設定
部12は、モータ回転数を設定し、各相への駆動波形を
出力するブロックである。位相差目標設定部13は、位
相差制御における位相差の目標値を設定するブロックで
ある。加算器14は、位相差目標設定部13において設
定された位相差の目標値と、位相差検出部11において
検出された実際の位相差情報との誤差データを検出する
ブロックである。
【0058】PI演算器15は、加算器14において検
出された誤差データにしたがってPI(Proportional I
ntegral )演算を行い、デューティ基準値を出力するブ
ロックである。ここで、PI演算とは、誤差データに対
して比例ゲインを乗算するP演算と、誤差データを集積
し、積算量に積分ゲインを乗算するI演算を行い、両演
算結果を加算する演算を行うものである。P演算では、
その都度の誤差データに対する制御信号が計算されるの
で、周波数の高い誤差に対して抑制する働きをし、I演
算では、積算された長期間の誤差データに対する制御信
号が計算されるので、周波数の低い誤差に特化して抑制
する働きをしている。このようなPI演算器15による
フィードバック制御によれば、P演算による制御によっ
て、定常的に発生する目標との微小誤差を抑制できるの
で、モータ回転数の変動を極小に抑制しながら、位相差
目標変更に対して瞬時に、かつ正確に目標値に移行・追
従できる。
【0059】なお、上記のようなPI制御の他に、PI
制御にD(Differential)演算も付加したPID制御を行
ってもよい。このPID制御は、高速追従性を高めた制
御であり、更に微小な誤差に素早く対応するような作用
を有している。しかしながら、各制御ゲインの調整の困
難さ、実質的な効果などを考慮すると、PI制御を行う
構成とする方が現状では好ましいといえる。
【0060】PWM作成部16は、回転数設定部12か
ら出力された駆動波形と、PI演算器15から出力され
たデューティ基準値とから、各相ごとにインバータ部2
の各駆動素子にPWM(Pulse Width Modulation)波形
を出力するブロックである。
【0061】電力検出部17は、フィルタ回路8から出
力された電源電流信号に基づいて電力を検出するブロッ
クである。電力最小化部18は、電力検出部17で検出
された電力が最小となるように位相差目標設定部13に
指令を出力するブロックである。
【0062】次に、位相差制御部10における多相モー
タ1の制御・駆動方法について説明する。まず、多相モ
ータ1におけるモータ回転数が回転数設定部12によっ
て任意に設定される。ここで設定されるモータ回転数
は、例えば他のシステムマイコンなどから、多相モータ
1の回転数に関する指令が入力されることによって設定
される。
【0063】そして多相モータ1の各相に、設定された
モータ回転数に見合った周波数の信号の波形が入力され
る。例えば、多相モータ1として、前記した図16に示
す構成のようなロータ永久磁石を備えたIPMモータを
用いる場合、モータ回転数の2倍となる周波数の信号が
入力される。ここで入力される信号の波形は、正弦波、
台形波、あるいは誘起電圧と同じ波形などが挙げられる
が、使用する多相モータ1の種類によって効率などを考
慮して適宜波形を設定すればよい。
【0064】このように回転数設定部12によって決定
されたモータ回転数が、PWM作成部16に入力され、
駆動波形およびデューティ基準値に基づいて、各相への
PWM波形が生成される。そして、生成された各相に対
応するPWM波形がインバータ部2に出力され、インバ
ータ部2から多相モータ1の各相に対して信号が入力さ
れ、モータ駆動がなされる。
【0065】次に、モータ端子電流の通電位相の制御に
ついて説明する。ロータに永久磁石を配した多相モータ
1の場合、通電位相の制御がモータ駆動、あるいはモー
タ高効率化において大きな制御要素となっている。例え
ば、永久磁石の磁極に対してモータ端子電流の通電位相
が一定でないと、フレミングの法則による発生トルクの
方向が正逆してしまったり、所望のトルクが発生できな
いなどの問題が生じ、モータが停止するなどの脱調が生
じることになる。
【0066】また、図16に示すような構成のIPM構
造の多相モータ1の場合、図17を参照しながら説明し
たように、リラクタンストルク効果の影響などにより、
最高効率となる通電位相は回転条件によって変化するも
のとなっている。よって、通電位相は、精密に制御され
る必要がある。
【0067】従来の永久磁石モータでは、前記した従来
の技術で述べたように、通電位相を回転位置検出値から
一義的に設定している。本実施形態に係るモータ制御装
置における位相差制御では、位相差検出部11、位相差
目標設定部13、加算器14、およびPI演算器15に
よってモータ端子電圧とモータ端子電流との位相差情報
を制御するフィードバックループで、通電位相を間接的
に制御している。
【0068】図2は、通電位相と位相差目標値との関係
を実測によって求めた結果を示している。ここで、本実
施形態では、位相差制御を実施しているので、位相差目
標値は、実質的に位相差情報とみなすことが出来る。こ
の図に示すように、通電位相と位相差目標値とは1対1
で対応しており、位相差情報を制御することによって通
電位相を間接的に制御できることが分かる。
【0069】図3は、位相差目標値と効率の関係を実測
によって求めた結果を示している。この図に示すよう
に、位相差情報として位相差目標値を適正値に制御する
ことによって、多相モータ1の高効率運転を実現するこ
とができることがわかる。
【0070】以上のことより、位相差制御は、ロータに
永久磁石を配した多相モータ1の制御において、特に位
置センサレスで高効率制御する際に非常に効果的な駆動
・制御方法であることがわかる。
【0071】位相差検出部11における位相差情報の検
出方法は、モータ端子電圧とモータ端子電流のゼロクロ
ス信号比較によるものでも構わないが、次に説明する方
法によれば更に効果的である。
【0072】図4は、電流センサ5で求めたモータ端子
電流をモータ電流検出アンプ回路6で増幅した後のモー
タ電流信号の時間変化と、モータ端子電圧の時間変化と
を示したグラフである。なお実際には、モータ電流信号
は、駆動波形、誘起電圧波形の影響により純粋な正弦波
ではなく、また、モータ端子電圧波形も駆動波形の影響
によって正弦波ではない場合があるが、図4ではイメー
ジ的にどちらも正弦波で示している。
【0073】図4において、モータ端子電圧の位相0度
のポイントをサンプリング開始位置とし、位相180度
までの間を等しい時間間隔aで計10個のサンプリング
タイミングs0〜s9を設定する。そして、各サンプリ
ングタイミングにおいて、モータ電流信号をサンプリン
グし、これらの値をサンプリングデータ値I0〜I9と
する。
【0074】そして、前半5回のサンプリングタイミン
グS0〜S4(位相O〜90度)におけるサンプリング
データ値I0〜I4のサンプリングデータ積算値(I0
+I1+I2+I3+I4)と、後半5回のサンプリン
グタイミングS5〜S9(位相90〜180度)におけ
るサンプリングデータ値I5〜I9のサンプリングデー
タ積算値(I5+I6+I7+I8+I9)との比を計
算し、これを位相差情報として扱う。
【0075】この方法は、モータ電流信号を時間で積分
した際の面積を、前半と後半とで分割し、前半の面積と
後半の面積との比(Is0/Is1)を検出することと
実質的に同等となる。このような方法によって位相差情
報を検出すれば、一般的なゼロクロス検出方法のよう
に、ゼロクロス位置の誤差に検出性能が左右されるとい
うような問題がなく、正確な位相差情報を検出すること
ができる。
【0076】そして、位相差目標設定部13からの位相
差目標値と、上記のようにして検出された位相差情報と
の誤差が加算器14で検出され、PI演算器15におい
てPI演算を行うことによってデューティ基準値を出力
するフィードバックループが形成される。
【0077】続いて、モータ駆動電力を最小に制御する
方法について以下に説明する。C.T.などからなる電
源電流検出器7によって検出された電源電流は、フィル
タ回路8において直流信号に変換され、制御マイコン9
における電力検出部17に入力される。電力検出部17
では、入力された電源電流信号に基づいて電力を算出す
る。この場合、交流電源4の電圧の検出は行っていない
が、通常の使用では、交流電源4の電圧はAC100V
で一定であることが多いので、これを定数として取り扱
うことにする。
【0078】なお、交流電源4の電圧を定数として扱う
場合、力率を考慮した電力計算が出来ないことになる
が、多くの場合、力率を考慮しなくても充分な演算精度
を保つことが可能であり、また、電圧検出に関わる部
品、端子を減らすことができるので、装置コストの面で
もメリットがある。しかしながら、交流電源4の電圧の
変動が大きい場合や、力率を含めた非常に繊細な制御が
要求される場合には、電圧の検出も行い、電力検出部1
7で電圧変化を考慮した電力算出の演算を行えばよい。
【0079】なお、上記の電力検出は、電流のサンプリ
ングを複数回行い、これらを平均化することによって精
度を高めることが出来る。
【0080】電力検出部17において求められた電力
は、電力最小化部18に入力される。電力最小化部18
は、位相差目標設定部13に対して、電力が最小となる
ような位相差目標値に設定する指令を出力する。この電
力最小化部18における、電力が最小となるような位相
差目標値を算出する方法について以下に説明する。
【0081】図5は、位相差目標値と電力との関係を示
すグラフである。まず、初期の位相差目標値がβ1であ
ったとする。この時の電力を記憶しておき、位相差目標
値を、β1に所定の値を加え、右側に移動させたβ2に
変更する()。そして所定時間経過後にβ2における
電力を検出し、β1における電力と比較する。図5に示
す例では、β2における電力の方が小さいので、更に最
小値を求めて、位相差目標値を、β2に所定の値を加
え、さらに右側に移動させたβ3に移行させる()。
そして、同様にβ3における電力を検出し、記憶してお
いたβ2における電力との比較を行う。図5に示す例で
は、β3における電力の方が小さいので、更に最小値を
求めて、位相差目標値を、β3に所定の値を加え、さら
に右側に移動させたβ4に移行させる()。このβ4
における電力は、β3における電力より大きくなるの
で、この位相差目標値の変更は間違いであることがわか
る。よって、位相差目標値をβ3に戻し()、これを
最終的な位相差目標値として設定する。
【0082】なお、初期の位相差目標値移行方向が、図
5においてβ1の左側のβ0であったとしても、β0に
おける電力は、β1における電力よりも大きくなるの
で、次に設定される位相差目標値は、β0に所定の値を
加え、右側に移動させたβ1となり、以降、上記と同様
の処理が行われ、同様の結果となる。
【0083】ここで、位相差目標値の変更後、位相差制
御によって位相差目標値が位相差情報と等しくなるよう
に制御されるので、図5の横軸を位相差情報と置き換え
ても差し支えない。
【0084】なお、上記において、図2を参照しながら
説明したように、位相差情報と通電位相とにはほぼ線形
な関係がある。よって、上記のような電力最小化制御
は、結果的に、通電位相を、電力が最小となる通電位相
に変更していることになる。しかしながら、本実施形態
における電力最小化制御では、位相差清報(通電位相)
が直接的に制御されるのではなく、位相差目標値のみが
変更され、位相差制御によるフィードバックループによ
って位相差情報が該位相差目標値と同値に制御されるこ
とになる。したがって、本実施形態における電力最小化
制御によれば、目標値が変更されると位相差制御部によ
ってモータの安定回転を保ったまま最小化処理を行うこ
とが可能となっており、従来の通電位相による電力最小
化制御のように、最小化処理直後に位相差情報(通電位
相)が瞬時に変化することによって発生トルクが変動
し、これによってモータおよび装置が振動したり、ある
いはモータ回転数が変動したりする問題は生じないこと
になる。
【0085】なお、本発明に係る電力最小化制御は、図
17に示すような特性のIPMモータにおいて、特にそ
の効果を発揮するものとなっている。すなわち、IPM
モータは、マグネットトルクとリラクタンストルクとを
併用しており、回転条件によって時々刻々と複雑に最高
効率通電位相が変化するものであるので、効率を向上さ
せるには、常に通電位相の調整が必要となっている。こ
れに対して、本発明に係る電力最小化制御によれば、ト
ルク変動による振動や回転数変動を生じさせることな
く、リアルタイムで電力最小化を実現する最適な通電位
相の制御を行うことが可能となる。
【0086】上述した電力最小化部18における電力最
小化制御は、次に示すようなロジック的な処理とするこ
とによって、処理内容を簡便にすることができる。図6
(a)は、電力最小化部18の機能的な構成の一例を示
すブロック図である。同図に示すように、電力最小化部
18は、電力変化方向判別部18A、目標変更方向判別
部18B、およびExclusiveOR ゲート18Cからなる機
能ブロックを有している。
【0087】ExclusiveOR ゲート18Cの端子aには、
目標変更方向判別部18Bから位相差目標値の変更方向
が入力される。例えば前回に比べて位相差目標値を大き
くした場合には、端子aに1を示す信号が入力される。
また、ExclusiveOR ゲート18Cの端子bには、電力変
化方向判別部18Aから電力の変化方向が入力される。
例えば前回に比べて電力が大きくなった場合には、端子
bに1を示す信号が入力される。
【0088】ExclusiveOR ゲート18Cは、排他的論理
和を行うブロックであり、図6(b)に示す入出力表の
ように、端子aおよび端子bに入力される値に応じて、
端子cから出力を行う。端子cからの出力が0のときに
は、位相差目標値を小さくする指令が出力され、端子c
からの出力が1のときには、位相差目標値を大きくする
指令が出力される。
【0089】以上の構成において、位相差目標値を小さ
くしたとき、すなわち、目標変更方向判別部18Bから
端子aに0が入力されたときに、電力が小さくなってい
る、すなわち、電力変化方向判別部18Aから端子bに
0が入力された場合、更なる電力最小化を求めて位相差
目標値を更に小さくする指令0が出力される。また、位
相差目標値を小さくしたとき、すなわち、端子Aに0が
入力されたときに、電力が大きくなっている、すなわ
ち、端子bに1が入力された場合、位相差目標値の変更
方向が間違っていたと判断され、位相差目標値を大きく
する指令1が出力される。また、位相差目標値を大きく
したとき、すなわち、端子aに1が入力されたときに、
電力が小さくなっている、すなわち、端子bに0が入力
された場合、更なる電力最小化を求めて位相差目標値を
更に大きくする指令1が出力される。また、位相差目標
値を大きくしたとき、すなわち、端子aに1が入力され
たときに、電力が大きくなっている、すなわち、端子b
に1が入力された場合、位相差目標値の変更方向が間違
っていた判断され、位相差目標値を小さくする指令0が
出力される。
【0090】以上のように、電力最小化部18における
電力最小化制御を、ロジック的な考えを導入することに
よって実現することにより、処理自体が非常に簡便なも
のとなり、煩雑な制御系の設計を不要とすることができ
る。
【0091】また、電力最小化制御を、次に示すような
処理によって実現すると、更に高性能な制御を行うこと
ができる。図7は、この電力最小化制御における処理を
説明するための、位相差目標値と電力との関係を示すグ
ラフである。
【0092】ここで、上記した電力最小化制御と同様
に、電力を比較していくことによって電力が最小となる
位相差を探索する処理を、受動探索モードと呼ぶことに
する。あるモータ回転条件において、位相差目標値と電
力との関係が図中特性1で示す状態となっている際に、
受動探索モードによって電力を最小とする位相差目標値
β2への移行を行う。その後、電力変化のあるなしに拘
らず、位相差目標値を変更する能動探索モードを行う。
この能動探索モードは、位相差目標値がβ2に移行して
所定時間が経過した後に、位相差目標値をβ3に移動さ
せ、また所定時間が経過した後に、位相差目標値をβ2
に戻す、という処理を繰り返すものである。ここで、β
2とβ3とで電力に所定量以上の差が生じた場合は、受
動探索モードによる位相差目標値の変更が行われる。
【0093】このように能動探索モードを設けることに
よって、例えばモータ回転条件の変化によって位相差目
標値と電力との関係が特性2のように変化したとして
も、β3の電力の変化によって受動探索モードによる最
小値探索が再実行され、新たに電力を最小とする位相差
目標値の探索が行われることになる。なお、この能動探
索モードにおける位相差目標値の変更は、上記のように
β2とβ3の2つの位相差目標値の間で繰り返すだけで
なく、3つの位相差目標値の間で繰り返してもよい。こ
の場合には、まん中の位相差目標値が最小の電力となっ
ていることを確認し、この状態が崩れた場合に、受動探
索モードによる位相差目標値の変更を行うようにすれば
よい。
【0094】以上のような電力最小化制御によれば、モ
ータ回転条件が変化したとしても、これをすぐに検知し
て位相差目標値を最適な値に設定することができる。よ
って、常に最高効率の通電位相によるモータ制御を精度
よく実現することが可能となる。
【0095】なお、受動探索モード、能動探索モードに
おける位相差目標値の変更に関して、次に示すような処
理を行うことによってさらに効果的な制御を行うことが
できる。まず、探索において位相差目標値を移動させる
際の所定の変更量に関して、受動探索モード、能動探索
モードとも同じ変更量であっても構わないが、各モード
ごとに異なる変更量を設定することも可能である。この
ように設定した場合、不要な位相差目標値の移動がなく
なるので、効率面でより効果的となる。以下にこのモー
ドごとに異なる変更量を設定する電力最小化制御につい
て説明する。
【0096】図8は、この電力最小化制御における処理
を説明するための、位相差目標値と電力との関係を示す
グラフである。この処理では、受動探索モードにおいて
は変更量をΔβ0とし、能動探索モードにおいては変更
量を△β1としている。ここでΔβ0>Δβ1と設定し
ている。このように、受動探索モードでの変更量を比較
的大きな値に設定することによって、最高効率の位相差
目標値に早期に移行することが可能となるとともに、能
動探索モードでの変更量を比較的小さな値に設定するこ
とによって、能動探索モードにおける効率の低下を抑え
ることができ、また変更に伴う位相差制御の負担も軽減
することができる。
【0097】なお、受動探索モードは、上記のように、
電力変化によって位相差目標値を変更していくものであ
るが、この時の変更量を、位相差目標値の変更量に対す
る電力変化量の割合に応じて設定すれば、より早急な電
力最小化制御が実現できる。図9は、この電力最小化制
御における処理を説明するための、位相差目標値と電力
との関係を示すグラフである。
【0098】同図に示すように、位相差目標値と電力と
の関係を示す特性曲線において、傾斜の大きい部分、す
なわち変化割合が大きい部分では、位相差目標値の変更
量Δβbを比較的大きく設定する。そして、電力が最小
値をとる付近、すなわち変化割合が小さい部分では、位
相差目標値の変更量△βsを比較的小さく設定する。こ
のような処理によれば、消費電力が大きく効率が悪い位
相差目標値付近を早期に脱するとともに、電力が最小値
をとる付近においては、最適な位相差目標値の探索を精
度よく行うことができる。
【0099】次に、具体的に変更量をどれくらいに設定
するかの一例を説明する。C.T.をはじめ後述する検
出器、および制御マイコン9に取り込む際の(図示しな
い)A/D変換器には、それぞれ検出分解能(検出誤
差)、変換分解能(変換誤差)が存在する。これらの分
解能(誤差)から電力検出部17における電力検出分解
能が求められる。そして、この電力検出分解能を電力−
位相差目標値特性に当てはめ、検出分解能(誤差)をカ
バーできるような値、すなわち、電力の変化が正確に検
出できるように、検出分解能以上の電力変化となるよう
な値の位相差目標値幅を変更量として設定すればよい。
このように変更量を設定することによって、検出誤差に
よる誤動作を抑制できるとともに、不要な処理をなくす
ことが可能となり、信頼性を高めることができる。
【0100】次に、制御マイコン9に関して、図1に示
す構成とは異なる構成について説明する。図10は、制
御マイコン9の他の構成例を示すブロック図である。同
図に示すように、この制御マイコン9は、図1に示す構
成と比較して、位相差特性格納部19が設けられている
点が異なっている。その他の構成については図1に示す
構成と同様である。
【0101】位相差特性格納部19は、図2に示す位相
差目標値−通電位相の関係を記憶するブロックであり、
電力最小化部18に接続されている。電力最小化部18
は、位相差目標値を変更する際に、この位相差特性格納
部19を参照することによって、例えば位相差目標値の
変更量を、通電位相として一定の変更量となるような値
に設定する。位相差目標値と通電位相との関係はほぼ線
形な特性となっているが、上記のように通電位相を基準
として位相差目標値を変更することで、更に高精度で非
常に繊細な制御を実現することができる。
【0102】また、位相差目標値を変更する際に、変更
許容範囲を設けておく方が信頼性が高まることになる。
図3に示すように、位相差目標値をβun以下にしてし
まうとモータを駆動する上での発生トルクが負荷トルク
を下回ってしまいモータが停止してしまう。また位相差
目標値をβup以上にしてしまうとモータ端子電流が増
加してしまい、インバータ部2において過電流機能が働
いてモータを停止させてしまう。
【0103】すなわち、万が一ノイズなどによって誤動
作が生じ、これによりモータが停止してしまうことを防
ぐために、βun〜βupという変更許容範囲を設けて
おき、位相差目標値がこの範囲を超えないように制御す
ることによって、信頼性を高めることが可能となる。具
体的には、この変更許容範囲の値を、位相差目標設定部
13もしくは電力最小化部18に記憶させておき、その
範囲を超える指令となったときには、位相差目標値を限
界値βunあるいはβupに固定させ、変更は行わない
ように設定すればよい。
【0104】ここで、上記の変更許容範囲を、図3の実
際の駆動限界βunおよびβupより多少余裕を見て設
定しておく方が信頼性、効率低下防止などにおいて有利
である。また、この変更許容範囲の上限および下限とな
るβunおよびβupの値は、モータの回転条件によっ
て変化していくものであるので、あらかじめモータ回転
数、負荷トルクなどをパラメータとする変更許容範囲テ
ーブルを作成、記憶しておき、該当する変更許容範囲を
呼び出して使用することが望ましい。
【0105】次に、制御マイコン9に関して、図1およ
び図10に示す構成とは異なる構成について説明する。
図11は、制御マイコン9のさらに他の構成例を示すブ
ロック図である。同図に示すように、この制御マイコン
9は、図1に示す構成と比較して、標準目標値格納部2
0が設けられている点が異なっている。その他の構成に
ついては図1に示す構成と同様である。
【0106】標準目標値格納部20は、各モータ回転条
件における標準的な位相差目標値を格納するブロックで
あり、この標準目標値格納部20の出力が位相差目標設
定部13に入力されるようになっている。この標準目標
値格納部20には、あらかじめ測定などを行うことによ
って検出された各モータ回転条件における効率が最高付
近となる標準的な位相差目標値が、該モータ回転条件を
パラメータとするテーブルなどの形式で記憶されてい
る。ここで、モータ回転数あるいは負荷トルクなどのモ
ータ回転条件が変化した直後には、電力最小化部18に
よる位相差目標値変更設定が無視され、位相差目標値を
該標準目標値格納部20から出力された値に設定してモ
ータ制御が行われる。その後、所定の時間が経過した後
に、電力最小化部18による最小化処理が許可され、電
力最小化制御が行われる。これにより、モータ回転条件
が変化した直後では、標準目標値格納部20に記憶され
ている標準的な位相差目標値に設定されるので、最適な
位相差目標値から遠く離れた値に位相差目標値が設定さ
れることを防止することが可能となる。よって、より正
確に、より迅速に、より信頼性の高い制御を行うことが
できる。
【0107】また、位相差目標値が変更許容範囲の限界
に到達した場合に、位相差目標値を標準目標値格納部2
0からの出力値に設定するようにしてもよい。このよう
な処理によれば、位相差目標値が変更許容範囲の限界に
到達時に、効率の悪い位相差目標値からある程度効率の
良い位相差目標値に移行することができるので、効率の
低下を抑制することができる。
【0108】このように、モータ回転数などのモータ回
転条件が変更する際には、電力最小化部18による電力
最小化制御処理を中止し、位相差目標値を、例えば標準
目標値格納部20からの出力値に設定することが望まし
い。これはモータ回転条件の変化による電力変化と、実
際の位相差目標値の変更による電力変化とを区別し、電
力最小化処理による制御の誤動作を防止するためであ
る。
【0109】次に、フィルタ回路8におけるフィルタ特
性の設定方法、および電力最小化部18における電力検
出の所定時間設定方法について述べる。図12は、位相
差目標値に対する実際の位相差情報の応答を示してい
る。図のように位相差目標値を変更しても瞬時に位相差
情報が追従するわけではなく、時間T1経過後に追従が
完了するようになっている。これはフィードバック制御
における追従特性によるものである。この時間T1を短
縮化するほど制御特性が良いと言えるが、実際には、安
定な制御系を実現するためには多少の時間遅れが発生す
ることになる。したがって、電力の検出は、この時間T
1経過後の位相差情報が安定した後に開始することが望
ましい。本実施形態においては、位相差情報が位相差目
標値に対して所定のレンジ内、すなわち+△βe〜−Δ
βeに入ったことを検出してから電力の検出を行うよう
にしている。このように、位相差制御における追従特性
を考慮して電力の検出を行うことによって、非常に精度
の高い電力検出を実現することができる。
【0110】なお、位相差目標値に対する追従時間はほ
ぼ一定であるので、必ずしも前記のように所定レンジを
設けておく必要はなく、時間T1分だけ待機しておき、
その後電力検出を行うようにしてもよい。この場合に
は、位相差情報がレンジ内に入ったかを監視する処理を
省くことができるので、構成の簡素化を図ることができ
る。
【0111】また、フィルタ回路8においても、上記と
同様の考え方を導入することが望ましい。すなわち、電
源電流検出器7のC.T.から検出された信号をフィル
タリングする際に、そのフィルタの定数として時間T1
を考慮するようにする。これにより、フィルタ定数が小
さすぎるために生じるノイズ成分の重畳による誤検出、
および、フィルタ定数が大きすぎるために生じる電流変
化の遅れによる誤検出を回避することができ、精度のよ
い電力検出が実現できる。
【0112】また、負荷トルクの変動周期が既知であっ
て、かつ、この負荷トルクの変動が、正確な電力検出に
影響する可能性のある場合には、この負荷トルク変動に
見合った所定時間をフィルタ定数に設定することによっ
て、正確な電力検出が実現できる。
【0113】なお、電力検出用の検出器として、従来か
ら過電流検出用として付けられているC.T.などの電
源電流検出器7を使用することによって、装置コストの
上昇を招くことがないという効果を奏するが、これに限
定されるものではない。以下電力検出用の検出器の他の
例について説明する。
【0114】図13は、図1に示す電源電流検出器7と
は異なる構成の電力検出用の検出器およびその周辺の構
成を示す説明図である。同図に示すように、この構成で
は、電源電流検出器7の代わりに、直流電流検出器21
および直流電圧検出器22を備えた構成となっている。
直流電流検出器21は、シャント抵抗、電流センサなど
によって直流電流を検出するものである。また、直流電
圧検出器22は、直流電圧を抵抗などによって分圧した
信号を検出するものである。そして、電力検出部17に
おいて、両信号の乗算が行われ、電力が検出される。
【0115】このような構成の場合、検出される電流お
よび電圧が直流電源の値となるので、力率などにとらわ
れずに正確な電力計算が可能となる。なお、交流電源の
電力を検出する際には電圧値の検出を省略することも可
能であったが、直流電圧は負荷などによって変化する可
能性があるため、上記のように電圧値も検出する方がよ
り正確に電力を検出することができる。この直流電流検
出器21は、インバータ部2で使用される(図示しな
い)過電流検出器を利用しても良い。
【0116】次に、直流電源を能動的に制御する構成に
ついて説明する。図14は、図1に示すモータ制御装置
において、電源電流検出器7およびフィルタ回路8の代
わりに、PAM(Pulse Amplitude Modulation)制御部
23を設けた構成を示すブロック図である。
【0117】近年、モータ制御装置の高性能化によっ
て、電源変換部3を所望の直流電源となるように制御す
る、いわゆるPAM制御の構成のものが増えてきてい
る。この構成の場合、PAM制御部23は、電源電圧を
一定に制御するために、電源変換部3に対して、直流電
源制御信号を出力する。この直流電源制御信号は、電力
が大きくなり電圧が下がり気味になった場合には電圧を
上げようとする信号に、逆に電力が小さくなり電圧が上
がり気味になった場合には電圧を下げようとする信号と
なる。したがって、この直流電源制御信号を検出すれ
ば、電力に相当する信号を検出することができることに
なる。そこで、電力検出部17は、直流電源制御信号に
基づいて電力を検出する処理を行う。なお、直流電源制
御信号は目標とする電圧値によって変化するので、目標
電圧値も同時に検出しておくことによって、電力検出部
17における電力の検出を正確に行うことができる。
【0118】以上のように、PAM制御部23を設ける
構成によれば、外部に電力検出用の検出器を設ける必要
がないので、装置コストの上昇を抑制することができ
る。
【0119】次に、多相モータ1におけるモータ端子電
流を検出することによって、電力の検出を行う構成につ
いて説明する。図15は、図1に示すモータ制御装置に
おいて、電源電流検出器7を設けずに、モータ電流検出
アンプ部6からの出力が電力検出部17に入力される構
成を示すブロック図である。この構成では、位相差制御
に使用している電流センサ5およびモータ電流検出アン
プ部6を、電力検出にも併用して使用することになり、
装置コストの上昇を抑制することができる。また、モー
タ端子電圧の振幅は位相差制御でのデューティ基準値か
ら換算することができるので、電圧検出は必要ない。す
なわち、電力検出部17は、モータ電流検出アンプ部6
からモータ端子電流を入力するとともに、PI演算器1
5からデューティ基準値を入力し、これらに基づいて電
圧の検出を行うことになる。この構成によれば、多相モ
ータ1における電力が検出できるので、特に多相モータ
1の効率を最高にしようとする用途において有効であ
る。
【0120】
【発明の効果】以上のように、本発明に係るモータ制御
装置は、多相モータの駆動を制御するモータ制御装置で
あって、上記多相モータを駆動する駆動部と、上記多相
モータにおけるモータ端子電圧とモータ端子電流との位
相差を検出する位相差検出部と、上記多相モータの駆動
に使用されている電力を検出する電力検出部と、上記電
力検出部によって検出された電力に基づいて、該電力を
最小値に近づける位相差目標値を決定する電力最小化部
と、上記位相差検出部によって検出された位相差を、上
記位相差目標値に近づけるように、上記駆動部による多
相モータの駆動をフィードバック制御する制御信号を該
駆動部に出力する位相差制御部とを備え、上記電力最小
化部が、所定の周期で上記位相差目標値を決定するとと
もに、前回設定した位相差目標値によって制御が行われ
た際の電力と、今回設定する位相差目標値によって制御
が行われた際の電力とを比較し、電力が小さくなる方向
に次回設定する位相差目標値を変化させることによって
電力を最小とする第1位相差目標値に到達する受動探索
モードを実行し、位相差目標値が前記第1位相差目標値
に移行して所定時間が経過した後に、位相差目標値を、
前記第1位相差目標値とは異なる第2位相差目標値に移
動させ、また所定時間が経過した後に、位相差目標値を
前記第1位相差目標値に戻す、という処理を繰り返し、
前記第1位相差目標値と前記第2位相差目標値とで電力
に所定量以上の差が生じた場合は、受動探索モードによ
る位相差目標値の変更を行う構成である。
【0121】これにより、位相差目標値が変更された際
には、モータの安定回転を保ったまま位相差の制御が行
われることになるので、モータの運転において、回転条
件が時々刻々変化していても、回転速度変動などによっ
てモータの運転性能を劣化させることなく、常に効率を
最高とするようなモータ制御を行うことができるという
効果を奏する。
【0122】また、比較的簡単な探索手法によって、電
力を最小とする位相差目標値を求め ることができるとい
う効果を奏する。
【0123】また、例えばモータ回転条件の変化によっ
て電力と位相差目標値との関係が変化した場合、能動探
索モードにおいて、移動先の位相差目標値における電力
の変化を検知することによって、新たに電力を最小とす
る位相差目標値の探索を行うことが可能となる。よっ
て、モータ回転条件が時々刻々と変化する構成であって
も、常に最高の効率となるようにモータ駆動の制御を行
うことができるという効果を奏する。
【0124】また、本発明に係るモータ制御装置は、上
記多相モータが、ロータ内部に永久磁石が埋め込まれて
おり、磁石によるマグネットトルクと、ロータ位置によ
る磁気抵抗の変化で発生するリラクタンストルクとを併
用するIPMモータである構成である。
【0125】これにより、上記の構成による効果に加え
て、IPMモータのように、モータ回転条件によって最
高効率となる通電位相が時々刻々と変化する多相モータ
であっても、常に最適な通電位相によるモータ駆動制御
を行うことができる。
【0126】また、本発明に係るモータ制御装置は、交
流電源を直流電源に変換する電源変換部を備えるととも
に、上記駆動部が、上記電源変換部から出力される直流
電源に基づいて、上記多相モータに供給する多相の周波
数の交流電源を生成するインバータ部である構成であ
る。
【0127】これにより、上記の構成による効果に加え
て、もとの交流電源の周波数の影響を受けることなく、
的確に多相モータの駆動を行うことができるという効果
を奏する。
【0128】また、本発明に係るモータ制御装置は、上
記電力検出部が、上記電源変換部によって直流電源に変
換される前の交流電源の交流電流を検出することによっ
て電力を検出する構成である。
【0129】これにより、上記の構成による効果に加え
て、従来のモータ制御装置において、過電流検出用とし
て一般的に備えられているカレントトランスを用いるこ
とによって、新たに構成を追加することなく、電力の検
出を行うことができるという効果を奏する。
【0130】また、本発明に係るモータ制御装置は、上
記電力検出部が、上記電源変換部によって直流電源に変
換された後の直流電源の直流電流および直流電圧を検出
することによって電力を検出する構成である。
【0131】これにより、上記の構成による効果に加え
て、力率などにとらわれずに正確な電力計算が可能とな
る。これにより、より的確に電力の最小化を実現する位
相差制御を行うことができるという効果を奏する。
【0132】また、本発明に係るモータ制御装置は、上
記電源変換部を所望の直流電源となるように、該電源変
換部に対して、直流電源制御信号を出力する電源変換制
御部をさらに備え、上記電力検出部が、上記電源変換制
御部から出力される制御信号に基づいて電力を検出する
構成である。
【0133】これにより、上記の構成による効果に加え
て、電力を検出するための構成として新たな構成を追加
することなく、電源変換制御部からの制御信号に基づい
て電力を算出することが可能となり、装置コストの上昇
を招くことなく、的確に電力の最小化を実現するモータ
制御装置を提供することができるという効果を奏する。
【0134】また、本発明に係るモータ制御装置は、上
記多相モータにおける端子電流を検出するモータ端子電
流検出器を備え、上記位相差制御部から上記駆動部に出
力される制御信号がデューティー基準値であり、上記電
力検出部が、上記モータ端子電流検出器によって検出さ
れた端子電流と、上記位相差制御部から上記駆動部に出
力される上記デューティー基準値に基づいて換算される
モータ端子電圧とに基づいて電力を検出する構成であ
る。
【0135】これにより、上記の構成による効果に加え
て、電力を検出するための構成として新たな構成を追加
することなく電力を算出することが可能となり、装置コ
ストの上昇を招くことなく、的確に電力の最小化を実現
するモータ制御装置を提供することができるという効果
を奏する。
【0136】また、本発明に係るモータ制御装置は、上
記電力最小化部が、前回と今回との位相差目標値の増減
方向と、前回と今回との電力の増減方向との排他的論理
和演算を行い、両者の方向が一致している場合に、次回
の位相差目標値を減らすように設定し、両者の方向が異
なっている場合に、次回の位相差目標値を増やすように
設定する構成である。
【0137】これにより、上記の構成による効果に加え
て、例えばExclusiveOR ゲートなどの簡単なデジタル論
理回路によって、位相差目標値の設定に関する処理を行
うことができる。したがって、複雑な構成、例えばマイ
クロプロセッサなどの高価な構成を用いることなく、簡
素な構成によって位相差目標値の探索を行うことが可能
となり、装置コストの著しい上昇を招くことなく、電力
を最小化する制御を行うモータ制御装置を提供すること
ができるという効果を奏する。
【0138】また、本発明に係るモータ制御装置は、上
記受動探索モードにおける位相差目標値の変更量を、上
記能動探索モードにおける上記第1位相差目標値と上記
第2位相差目標値との間の変更量よりも大きくなるよう
設定する構成である。
【0139】これにより、上記の構成による効果に加え
て、例えば、受動探索モードにおける位相差目標値の変
更量を比較的大きな値とすることによって、電力を最小
とする位相差目標値に早く到達することが可能となると
ともに、能動探索モードにおける位相差目標値の変更量
を比較的小さな値とすることによって、能動探索モード
を行っている際の効率の低下を最小限に抑えることが可
能となるという効果を奏する。
【0140】また、本発明に係るモータ制御装置は、上
記多相モータの回転条件をパラメータとする標準的な位
相差目標値を格納する標準目標値格納部を備えている構
成である。
【0141】これにより、上記の構成による効果に加え
て、例えば、モータ回転条件などが大きく変化した場合
などに、まず、この標準目標値格納部に格納されている
標準的な位相差目標値を設定し、この位相差目標値か
ら、上記のような探索を行うことによって最適な位相差
目標値に移行させることが可能となる。これにより、位
相差目標値の探索の初期値が、最適な位相差目標値から
大きく外れていることがなくなるので、最適な位相差目
標値の探索効率を向上させることができるという効果を
奏する。
【0142】また、本発明に係るモータ制御装置は、上
記電力最小化部が、モータ回転数あるいは負荷トルクか
らなる回転条件をパラメータとして位相差目標値の変更
許容範囲を設定する構成である。
【0143】これにより、上記の構成による効果に加え
て、万が一ノイズなどによって誤動作が生じ、これによ
りモータが停止してしまうことを防ぐことができ、信頼
性を高めることができるという効果を奏する。また、モ
ータの回転条件に応じた変更許容範囲を設定することが
可能となるという効果を奏する。
【0144】また、本発明に係るモータ制御装置は、上
記電力最小化部が、上記位相差制御部による位相差目標
値に対する実位相差情報の追従が完了するまでの時間
を、上記最小化処理の処理間隔として設定する構成であ
る。
【0145】これにより、上記の構成による効果に加え
て、電力の検出を、位相差情報が安定した後に開始する
ことが可能となるので、非常に精度の高い電力検出を実
現することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係るモータ制御装置の
概略構成を示すブロック図である。
【図2】通電位相と位相差目標値との関係を実測によっ
て求めた結果を示すグラフである。
【図3】位相差目標値と効率の関係を実測によって求め
た結果を示すグラフである。
【図4】電流センサで求めたモータ端子電流をモータ電
流検出アンプ回路で増幅した後のモータ電流信号の時間
変化と、モータ端子電圧の時間変化とを示したグラフで
ある。
【図5】電力最小化制御の一例を説明するための、位相
差目標値と電力との関係を示すグラフである。
【図6】同図(a)は、電力最小化部の機能的な構成の
一例を示すブロック図であり、同図(b)は、Exclusiv
eOR ゲートにおける入出力表である。
【図7】電力最小化制御の他の例を説明するための、位
相差目標値と電力との関係を示すグラフである。
【図8】電力最小化制御のさらに他の例を説明するため
の、位相差目標値と電力との関係を示すグラフである。
【図9】電力最小化制御のさらに他の例を説明するため
の、位相差目標値と電力との関係を示すグラフである。
【図10】制御マイコンの他の構成例を示すブロック図
である。
【図11】制御マイコンのさらに他の構成例を示すブロ
ック図である。
【図12】位相差目標値に対する実際の位相差情報の応
答を示しグラフである。
【図13】図1に示す電源電流検出器とは異なる構成の
電力検出用の検出器およびその周辺の構成を示す説明図
である。
【図14】図1に示すモータ制御装置において、電源電
流検出器およびフィルタ回路の代わりに、PAM制御部
を設けた構成を示すブロック図である。
【図15】図1に示すモータ制御装置において、電源電
流検出器を設けずに、モータ電流検出アンプ部からの出
力が電力検出部に入力される構成を示すブロック図であ
る。
【図16】IPMモータのモータロータ断面の形状の一
例を示す断面図である。
【図17】IPMモータにおいて、通電位相と、発生ト
ルク、マグネットトルク、リラクタンストルク、および
端子電圧との関係を示すグラフである。
【図18】従来のモータ制御装置の概略構成を示すブロ
ック図である。
【符号の説明】
1 多相モータ 2 インバータ部 3 電源変換部 4 交流電源 5 電流センサ 6 モータ電流検出アンプ部 7 電源電流検出器 8 フィルタ回路 9 制御マイコン 10 位相差制御部 11 位相差検出部 12 回転数設定部 13 位相差目標設定部 14 加算器 15 PI演算器 16 PWM作成部 17 電力検出部 18 電力最小化部 19 位相差特性格納部 20 標準目標値格納部 21 直流電流検出器 22 直流電圧検出器 23 PAM制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02P 6/08

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多相モータの駆動を制御するモータ制御装
    置であって、 上記多相モータを駆動する駆動部と、 上記多相モータにおけるモータ端子電圧とモータ端子電
    流との位相差を検出する位相差検出部と、 上記多相モータの駆動に使用されている電力を検出する
    電力検出部と、 上記電力検出部によって検出された電力に基づいて、該
    電力を最小値に近づける位相差目標値を決定する電力最
    小化部と、 上記位相差検出部によって検出された位相差を、上記位
    相差目標値に近づけるように、上記駆動部による多相モ
    ータの駆動をフィードバック制御する制御信号を該駆動
    部に出力する位相差制御部とを備え 上記電力最小化部が、所定の周期で上記位相差目標値を
    決定するとともに、前回設定した位相差目標値によって
    制御が行われた際の電力と、今回設定する位相差目標値
    によって制御が行われた際の電力とを比較し、電力が小
    さくなる方向に次回設定する位相差目標値を変化させる
    ことによって電力を最小とする第1位相差目標値に到達
    する受動探索モードを実行し、 位相差目標値が前記第1位相差目標値に移行して所定時
    間が経過した後に、位相差目標値を、前記第1位相差目
    標値とは異なる第2位相差目標値に移動させ、また所定
    時間が経過した後に、位相差目標値を前記第1位相差目
    標値に戻す、という処理を繰り返し、 前記第1位相差目標値と前記第2位相差目標値とで電力
    に所定量以上の差が生じた場合は、受動探索モードによ
    る位相差目標値の変更を行う ことを特徴とするモータ制
    御装置。
  2. 【請求項2】上記多相モータが、ロータ内部に永久磁石
    が埋め込まれており、磁石によるマグネットトルクと、
    ロータ位置による磁気抵抗の変化で発生するリラクタン
    ストルクとを併用するIPMモータであることを特徴と
    する請求項1記載のモータ制御装置。
  3. 【請求項3】交流電源を直流電源に変換する電源変換部
    を備えるとともに、 上記駆動部が、上記電源変換部から出力される直流電源
    に基づいて、上記多相モータに供給する多相の周波数の
    交流電源を生成するインバータ部であることを特徴とす
    る請求項1または2記載のモータ制御装置。
  4. 【請求項4】上記電力検出部が、上記電源変換部によっ
    て直流電源に変換される前の交流電源の交流電流を検出
    することによって電力を検出することを特徴とする請求
    項3記載のモータ制御装置。
  5. 【請求項5】上記電力検出部が、上記電源変換部によっ
    て直流電源に変換された後の直流電源の直流電流および
    直流電圧を検出することによって電力を検出することを
    特徴とする請求項3記載のモータ制御装置。
  6. 【請求項6】上記電源変換部を所望の直流電源となるよ
    うに、該電源変換部に対して、直流電源制御信号を出力
    する電源変換制御部をさらに備え、 上記電力検出部が、上記電源変換制御部から出力される
    直流電源制御信号に基づいて電力を検出することを特徴
    とする請求項3記載のモータ制御装置。
  7. 【請求項7】上記多相モータにおける端子電流を検出す
    るモータ端子電流検出器を備え、上記位相差制御部から上記駆動部に出力される制御信号
    がデューティー基準値であり、 上記電力検出部が、上記モータ端子電流検出器によって
    検出された端子電流と、上記位相差制御部から上記駆動
    部に出力される上記デューティー基準値に基づいて換算
    されるモータ端子電圧とに基づいて電力を検出すること
    を特徴とする請求項1記載のモータ制御装置。
  8. 【請求項8】上記電力最小化部が、上記受動探索モード
    を行う際に、前回と今回との位相差目標値の増減方向
    と、前回と今回との電力の増減方向との排他的論理和演
    算を行い、両者の方向が一致している場合に、次回の位
    相差目標値を減らすように設定し、両者の方向が異なっ
    ている場合に、次回の位相差目標値を増やすように設定
    することを特徴とする請求項1記載のモータ制御装置。
  9. 【請求項9】上記受動探索モードにおける位相差目標値
    の変更量を、上記能動探索モードにおける上記第1位相
    差目標値と上記第2位相差目標値との間の変更量よりも
    大きくなるように設定することを特徴とする請求項1
    載のモータ制御装置。
  10. 【請求項10】上記多相モータの回転条件をパラメータ
    とする標準的な位相差目標値を格納する標準目標値格納
    部を備えていることを特徴とする請求項1ないし9のい
    ずれか一項に記載のモータ制御装置。
  11. 【請求項11】上記電力最小化部が、モータ回転数ある
    いは負荷トルクからなる回転条件をパラメータとして位
    相差目標値の変更許容範囲を設定することを特徴とする
    請求項1ないし10のいずれか一項に記載のモータ制御
    装置。
  12. 【請求項12】上記電力最小化部が、上記位相差制御部
    による、位相差目標値に対する実位相差情報の追従が完
    了するまでの時間を、上記最小化処理の処理間隔として
    設定することを特徴とする請求項1ないし11のいずれ
    か一項に記載のモータ制御装置。
JP2001180668A 2001-06-14 2001-06-14 モータ制御装置 Expired - Fee Related JP3469218B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001180668A JP3469218B2 (ja) 2001-06-14 2001-06-14 モータ制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001180668A JP3469218B2 (ja) 2001-06-14 2001-06-14 モータ制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002374691A JP2002374691A (ja) 2002-12-26
JP3469218B2 true JP3469218B2 (ja) 2003-11-25

Family

ID=19021051

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001180668A Expired - Fee Related JP3469218B2 (ja) 2001-06-14 2001-06-14 モータ制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3469218B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008043083A (ja) * 2006-08-08 2008-02-21 Matsushita Electric Ind Co Ltd 風量一定制御dcファンモータ駆動装置
US8085009B2 (en) 2007-08-13 2011-12-27 The Powerwise Group, Inc. IGBT/FET-based energy savings device for reducing a predetermined amount of voltage using pulse width modulation
US8810190B2 (en) * 2007-09-14 2014-08-19 The Powerwise Group, Inc. Motor controller system and method for maximizing energy savings
US8698447B2 (en) 2007-09-14 2014-04-15 The Powerwise Group, Inc. Energy saving system and method for devices with rotating or reciprocating masses
WO2009035696A1 (en) * 2007-09-14 2009-03-19 The Powerwise Group, Llc A Nevada Limited Liability Company Motor controller system and method for maximizing energy savings
JP5149695B2 (ja) * 2008-05-15 2013-02-20 パナソニック株式会社 モータ駆動制御装置
BR112012005097A2 (pt) 2009-09-08 2016-05-03 Powerwise Group Inc sistema de economia de energia e método para dispositivos com massas de alternância ou rotatórias

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002374691A (ja) 2002-12-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6400107B1 (en) Motor control device capable of driving a synchronous motor with high efficiency and high reliability
US8461796B2 (en) Motor drive circuit for driving a synchronous motor
Feng et al. Scheme based on buck‐converter with three‐phase H‐bridge combinations for high‐speed BLDC motors in aerospace applications
JP4678699B2 (ja) モータ制御装置
JP2004282969A (ja) 交流電動機の制御装置及び制御方法
KR20130031089A (ko) 스위치드 릴럭턴스 모터의 속도 제어 장치
JP2013021843A (ja) 永久磁石同期電動機の初期磁極位置調整装置
JP4979646B2 (ja) ステッピングモータ駆動制御装置
JP5920714B2 (ja) Srモータの駆動方法および装置
JP5403243B2 (ja) 永久磁石同期モータの制御装置
JP5401537B2 (ja) 交流電動機の駆動装置
JP4110865B2 (ja) 永久磁石型電動機の制御システム
JP4663684B2 (ja) 交流電動機の制御装置及び制御方法
JP3469218B2 (ja) モータ制御装置
JP2008172948A (ja) ブラシレスモータの制御装置
JP4542797B2 (ja) 同期機の制御装置
JP5078676B2 (ja) ステッピングモータ駆動制御装置及びステッピングモータ駆動制御方法
JP2007282367A (ja) モータ駆動制御装置
US6359413B1 (en) Current control system for a switched reluctance motor
JP2014131470A (ja) Srm制御方法及びこのような方法を用いる装置
JP5406011B2 (ja) モータ駆動回路
JP5075704B2 (ja) 電流制御装置
JP4110883B2 (ja) モータ制御装置
JP3689327B2 (ja) モータ制御装置
JP3696786B2 (ja) モータ制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080905

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080905

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090905

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090905

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100905

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110905

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120905

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130905

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees