JP2754141B2 - 永久磁石式3相ステッピングモ−タ - Google Patents

永久磁石式3相ステッピングモ−タ

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JP2754141B2 JP28884193A JP28884193A JP2754141B2 JP 2754141 B2 JP2754141 B2 JP 2754141B2 JP 28884193 A JP28884193 A JP 28884193A JP 28884193 A JP28884193 A JP 28884193A JP 2754141 B2 JP2754141 B2 JP 2754141B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,永久磁石式3相ステッ
ピングモ−タに係り,特に,レ−ザビ−ムプリンタや複
写機等の回転機構に最適な,制動特性が良く回転時にお
ける振動の少ない高出力の永久磁石式3相ステッピング
モ−タに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ステッピングモ−タには各種構造のもの
があるが,例えば,本発明を適用する永久磁石式3相ス
テッピングモ−タには,図3,図4および図5に示すよ
うな構造のものがある。図3は永久磁石式3相ステッピ
ングモ−タを回転軸に対して直角方向に外箱端部を除去
して見た概略図であり,図4は軸に平行方向の側面から
見た断面を示す概略図であって,ハイブリッド形の回転
子を有する永久磁石式3相ステッピングモ−タ(以下永
久磁石式3相ステッピングモ−タをモ−タと略述する)
の例を示している。図3,図4において,モ−タ10の
外箱1の端面部1A,1Bにベアリング2によって,図
示しない被回転機構に結合して回転を伝達する回転軸3
が回転自在に軸支されている。回転軸3には回転子4が
固定されている。回転子4は薄い磁性鉄板を積層して構
成した2個の磁性体回転子4A,4Bの間に軸方向を
N,S極にした永久磁石4Cをサンドイッチ状に挟んで
構成している。また,2個の磁性体回転子4A,4Bの
円周部にはそれぞれ凸部4aと凹部4bによって形成し
たギヤ状Z個の極歯を等ピッチで備えている。図には8
個の極歯の構造のモ−タを示している。2個の磁性体回
転子4A,4Bそれぞれに形成した凸部4aと凹部4b
からなる極歯は,相互に1/2ピッチずらして固定して
いる。外箱1の内部には,回転子4に対向して微小ギャ
ップdを設けて3個の主極5を設けた固定子が装着され
ている。固定子の3個の各主極5それぞれの回転子4に
対向する面には,凸部5aと凹部5bによってギヤ状に
形成したそれぞれ3個の極歯を円周上を等ピッチになる
ように備えている。図3には3個の主極5に各3個,計
9個の極歯を円周上等ピッチになるように備えた構造の
モ−タを示している。また,固定子の各主極5には詳細
を後述するように相互に接続される巻線6が嵌合して巻
回されている。
【0003】固定子の各主極5および回転子それぞれの
対向部に多数の極歯を設けることによって,ステッピン
グモ−タとしてのステップ角を小さくし,また,エアギ
ャップを小さくできるので,図3,図4によって上述し
たような多極歯構造のものが一般的に実用化されてい
る。上述した従来例では固定子に3個の主極と各固定子
の主極に3個の極歯を設けた例について説明したが,モ
−タの必要特性に対応して固定子主極の数は3の倍数の
適切な数に設定させる。即ち,主極の数をMとすると,
Mは下記(1)式を満足する。 M=3m(mは1〜4の正の整数)・・・・・(1) 回転子に設ける極歯の数Zとすると,Zが下記(2)式
の条件でモ−タの機能が成立する。 Z=m×(3n±1)・・・・・(2) 但し,mは上述した(1)式に同じで,nは1以上の正
の整数である。また,各固定子主極5の先端部に設ける
極歯数は,各主極ごとに2以上の等数であって,そのピ
ッチは(360°/Z)で回転子の極歯ピッチに等しい
か,〔360°/(Z−2)〕〜〔360°/(Z+
2)〕の範囲でモ−タの機能が成立する。
【0004】図5に,図3とは別の構造のモ−タを示し
ている。図5は,図3と同様,モ−タ11を回転軸に対
して直角方向に外箱端部を除去して見た概略図である。
図5は図3の構造のものにおいて,外周部にN極14N
と,S極14Sを等ピッチで交互に着磁した回転子14
とした以外は同一である。N極14Nと,S極14Sの対
数は図5に示した極歯の数Z個と同一対数,即ち図にお
いては8対のモ−タを示している。回転子14に設ける
磁極の対数は,図3,図4で示した構造のモ−タの回転
子に設けた極歯と同様,モ−タの必要特性によって定ま
る固定子の主極の数や極歯の数との対応で適切に形成す
る。即ち,磁極の対数をZとすると,上述した(2)式
を満足するように形成している。
【0005】図11に巻線6の接続図を示している。同
図において,6a,6b,6cはそれぞれ,図3,図5
によって前述した3個の各主極5に嵌合された巻線を示
している。3個の巻線6a,6b,6cはそれぞれ,各
巻線の巻終わり端において相互に接続され,第1の巻線
6aの巻始め端は第1のスイッチ7aの親接点7a0に接
続され,第1のスイッチ7aの,第1の子接点7a+はプ
ラス電源回路8に,第2の子接点7anはいずれの電源回
路にも接続されず,第3の子接点7a-はマイナス電源回
路9に接続されている。同様に,第2の巻線6bの巻始
め端は第2のスイッチ7bの親接点7b0に接続され,第
2のスイッチ7bの,第1の子接点7b+はプラス電源回
路8に,第2の子接点7bnはいずれの電源回路にも接続
されず,第3の子接点7b-はマイナス電源回路9に接続
されている。また同様に,第3の巻線6cの巻始め端は
第3のスイッチ7cの親接点7c0に接続され,第3のス
イッチ7cの,第1の子接点7c+はプラス電源回路8
に,第2の子接点7cnはいずれの電源回路にも接続され
ず,第3の子接点7c-はマイナス電源回路9に接続され
ている。即ち,3個の巻線6a,6b,6cはスタ−結
線を構成している。20は,このモ−タを駆動するため
に所定の電流を上記各巻線6a,6b,6cに供給する
定電流の直流電源装置であって,この電源装置20の出
力回路は上述したプラス電源回路8とマイナス電源回路
9に接続している。図11に示す各スイッチの接続状態
において電源装置20から定電流i0が供給されると,
第1の巻線6aと第2の巻線6bにはそれぞれ電流i0
が流れ,第3の巻線6cには電流が流れない。図示しな
い制御装置によって各スイッチ,7a,7b,7cを順
次回転状に切り換えて各巻線6a,6b,6cに流れる
電流を順次回転状に変化させ,図3に示したモ−タ10
を回転させる。即ち,このモ−タ10は,2相励磁によ
る定電流駆動を形成している。
【0006】図12は,上述した図11に対して,制御
装置(図示せず)による第3のスイッチ7cの操作によ
って第3の巻線6cをマイナス電源回路9に接続してい
る状態が異なっている。即ち,図12に示す状態におい
ては,電源装置20から定電流i0が供給されると,第
1の巻線6aに電流i0が流れ,第2の巻線6bと第3
の巻線6cにはそれぞれ(1/2)i0の電流が流れる
3相励磁方式を形成している。図示しない制御装置によ
って各スイッチ,7a,7b,7cを順次回転状に切り
換えて各巻線6a,6b,6cに流れる電流を順次回転
状に変化させると,モ−タは回転する。
【0007】電源装置20は定電圧電源であってもモ−
タを駆動できるが,高速回転を必要とするモ−タの場合
は,瞬間的に必要な値の電流を各巻線に供給する必要性
から,上述したように定電流電源が一般的に使用され
る。定電流電源装置の制御装置(図示せず)は,各巻線
に供給する全電流値を所定の検出機能(図示せず)によ
って検出し,設定された電流値と比較することによっ
て,設定電流値に一致するように出力電流値を制御する
PWM制御方式が一般に使用されている。
【0008】モ−タの励磁方法には,特開平4−308
499号公報に開示されている方法がある。この公報に
は,図11によって示したスタ−(Y)結線での2相励
磁方式と図12によって示した3相励磁方式を組み合わ
せた2相励磁と3相励磁を交互に繰り返し励磁する手段
が提案されている。2相励磁と3相励磁を交互に繰り返
し励磁する手段における電流供給タイミングを図13に
示している。図13は図示しない制御装置に設定した条
件によって実行する3個のスイッチ7a,7b,7cの
切り換え操作を示した図表であって,横欄は第1ないし
第3の各スイッチ7a,7b,7cの切り換えタイミン
グを,操作の1サイクルを12等分して示し,縦欄のA
相,B相,C相はそれぞれ第1ないし第3の各巻線6
a,6b,6cに対する通電の有無を○マ−クで示し,
縦欄のSA+,SA-,SB+,SB-,SC+,SC-はそれぞれ
第1のスイッチ7aによる第1の巻線6aに対するプラ
ス電源8の接続とマイナス電源9の接続,第2のスイッ
チ7bによる第2の巻線6bに対するプラス電源8の接
続とマイナス電源9の接続,第3のスイッチ7cによる
第3の巻線6cに対するプラス電源8の接続とマイナス
電源9の接続をそれぞれ○マ−クで示している。また,
ステップ2,4,6,8,10,12が3相励磁で,ス
テップ1,3,5,7,9,11が2相励磁である。ス
テップの切り換え速度を変えることによってモ−タの回
転速度が変化する。
【0009】図11,図12に示したように電源装置か
ら各巻線に定電流が供給されると,各巻線電流によって
出力されるトルクは,各巻線の巻数が等しいので,それ
ぞれの巻線に流れる電流値に比例する。また,各トルク
をベクトル表示するとその方向は各々π/3ラジアン電
気角ずれている。即ち,供給電流値をi0とし,第1の
巻線6aによる第1のトルクをTa,第2の巻線6bに
よる第2のトルクをTb,第3の巻線6cによる第3の
トルクをTcとすると,2相励磁の場合,例えば,第1
のトルクTaと第2のトルクをTbとの合成トルクは,
図14(A)に示すようにT2′となり,3相励磁の場
合,例えば,第2の巻線6bと第3の巻線6cに第1の
巻線6aの1/2の電流が流れるので,全トルクの合成
トルクは,図14(B)に示すようにT3′となる。こ
の場合,2相励磁の合成トルクT2′と3相励磁の合成
トルクT3′との関係は(3)式によって示される。 T2′/T3′=〔2×i0×cos(π/6)〕/{i0+〔2×(i0/2 )×cos(π/3)〕}=√3/1.5・・・・・(3) 即ち,2相励磁の合成トルクT2′と3相励磁の合成ト
ルクT3′との比は,√3:1.5となり,3相励磁の
トルクT3′は2相励磁のトルクT2′の86.6%に
なる。この場合,巻線の抵抗値をR,2相励磁の時の入
力をW2′とすると,入力W2′は(4)式のようにな
る。 W2′=2Ri0 2・・・・・(4) 3相励磁の時の入力をW3′とすると,入力W3′は
(5)式のようになる。 W3′=R×i0 2+2×R×(i0/2)2 =(3/2)Ri0 2・・・・・(5)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで,上述したよ
うな巻線電流の供給方法であると,例えば2相励磁の場
合,1相と2相の巻線6aと6bが直列となるため,そ
のインダクタンスは1相分の4倍となり,電気時定数が
大きくなり,ステッピングモ−タの入力パルスレ−トを
増していくとトルクの減少が大きいという問題点があっ
た。また,回転子が停止する時,振動が大きく,停止ま
でに時間を要するという問題点があり,速応性を必要と
する位置決め制御の場合には適さなかった。本発明は上
記従来の課題(問題点)を解決した永久磁石式3相ステ
ッピングモ−タを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に,本発明に基づく永久磁石式3相ステッピングモータ
においては,ハイブリッド形回転子,または,外周部に
所定対のN,S極を着磁した回転子を備えたステッピン
グモータにおいて,固定子の巻線は環状接続して3相励
磁と2相励磁を交互に行うようにするとともに,巻線の
3端子は,各々2個のトランジスタのエミッタとコレク
タの接合点に接続し,計6個のトランジスタにはダイオ
ードを並列にそのカソード側が正の電源側へくるよう接
続することにより,3端子電圧印加時,すなわち3相通
電から2相通電に変わる時,同極性になる2端子間のコ
イルに接続されオン状態にある1個のトランジスタと,
もう1個のオン状態のトランジスタに並列接続させたダ
イオードと,このダイオードと並列に接続されているト
ランジスタと同極性でオンしているトランジスタとを通
して同極性に接続されている2端子間の3個の相巻線が
閉回路を構成し,電流が減少する相に瞬間的に発生する
逆起電力により循環電流を発生させ,回転子の制動を行
わせるように構成した。
【0012】
【作用】本発明は,上述のように3相励磁と2相励磁を
交互におこなった場合は,制動作用が働くため,回転時
に発生する振動が減少する。また,定電流駆動によって
高速応答性が維持できる。また,位置決め停止時の動作
が速く,応答性が大幅に改善される。
【0013】
【実施例】本発明に基づく永久磁石式3相ステッピング
モ−タの一実施例を図1ないし図10を参照して説明す
る。図3および図4に本発明が適用される一実施例にお
けるハイブリッド形の回転子を備えたモ−タの概要構造
を示し,図5に回転子の外周部に磁極を形成したモ−タ
の概要構造を示している。なお,図3ないし図5の構成
については従来の技術で説明したので,その説明は省略
する。図1,図2は,本実施例における巻線6の接続図
を示している。図1,図2において,6a,6b,6c
はそれぞれ,図3,図4,図5によって前述した3個の
各主極5に嵌合した巻線6を示している。第1の巻線6
aの巻始め端6aaは第1のスイッチ7Aの親接点7A0
接続され,巻終わり端6abは第2のスイッチ7Bの親接
点7B0に接続されている。第2の巻線6bの巻始め端6
baは第2のスイッチ7Bの親接点7B0に接続され,巻終
わり端6bbは第3のスイッチ7Cの親接点7C0に接続さ
れている。第3の巻線6cの巻始め端6caは第3のスイ
ッチ7Cの親接点7C0に接続され,巻終わり端6cbは第
1のスイッチ7Aの親接点7A0に接続されている。即
ち,3個の巻線6a,6b,6cは図1,図2に示すよ
うにデルタ結線に構成されている。上述した3個のスイ
ッチはいずれも,3回路の切り換え機能を備えていて,
図示しない制御装置によって,詳細を後述するように操
作される。
【0014】図1,図2において,第1のスイッチ7A
の第1の子接点7A+はプラス電源回路8に,第2の子接
点7Anはいずれの電源回路にも接続されず,第3の子接
点7A-はマイナス電源回路9に接続されており,第2の
スイッチ7Bの第1の子接点7B+はプラス電源回路8
に,第2の子接点7Bnはいずれの電源回路にも接続され
ず,第3の子接点7B-はマイナス電源回路9に接続され
ている。また,第3のスイッチ7Cの第1の子接点7C+
はプラス電源回路8に,第2の子接点7Cnはいずれの電
源回路にも接続されず,第3の子接点7C-はマイナス電
源回路9に接続されている。なお,上述した各巻線の巻
始め端および巻終わり端と各スイッチとの接続は,上述
した接続に対して,すべての巻線の接続方向を逆にして
も良い。21は,このモ−タを駆動するために所定の電
流を上記各巻線6a,6b,6cに供給する定電流の直
流電源装置であって,電源装置21の出力回路は上述し
たプラス電源回路8とマイナス電源回路9に接続してい
る。
【0015】各スイッチ7A,7B,7Cはそれぞれ図
示しない制御装置によって操作され,図1に示すタイミ
ングにおいては,第1のスイッチ7Aの親接点7A0は第
1の子接点7A+に接続され,第2のスイッチ7Bの親接
点7B0は第2の子接点7Bnに接続され,第3のスイッチ
7Cの親接点7C0は第3の子接点7C-に接続されてい
る。即ち,第2のスイッチ7Bの親接点7B0は電源回路
が接続されず,第1のスイッチ7Aの親接点7A0はプラ
ス電源回路8に,第3のスイッチ7Cの親接点7C0はマ
イナス電源回路9にそれぞれ接続されている。従って,
電源装置21から定電流iが供給されると,各巻線は同
一の抵抗値を有しているので,直列接続に構成される第
1の巻線6aと第2の巻線6bにはそれぞれ(i/3)
の電流が流れ,第3の巻線6cには2×(i/3)の電
流が流れる。即ち3相励磁状態になっている。
【0016】図2には,2相励磁状態における一例を図
示している。図2に示す各符号は図1と共通である。図
2において,各スイッチは図示しない制御装置によって
操作され,図示のタイミングにおいて,第1のスイッチ
7Aの親接点7A0は第3の子接点7A-に接続され,第2
のスイッチ7Bの親接点7B0は第1の子接点7B+に接続
され,第3のスイッチ7Cの親接点7C0は第3の子接点
7C-に接続されている。即ち,第1のスイッチ7Aの親
接点7A0はマイナス電源回路9に,第2のスイッチ7B
の親接点7B0はプラス電源回路8に,第3のスイッチ7
Cの親接点7C0はマイナス電源回路9にそれぞれ接続さ
れている。従って,電源装置21から定電流iが供給さ
れると,各巻線は同一の抵抗値を有しているので,第1
の巻線6aと第2の巻線6bにはそれぞれ電流(i/
2)が流れ,第3の巻線6cは両端が同一電位なので電
流が流れない。即ち2相励磁状態になっている。
【0017】図6は3個のスイッチ7A,7B,7Cの
切り換え操作を示した図表であって,横欄は第1ないし
第3の各スイッチ7A,7B,7Cの切り換えタイミン
グを,操作の1サイクルを12等分して示し,縦欄のA
相,B相,C相はそれぞれ,第1ないし第3の各巻線6
a,6b,6cに対する通電の有無を示し,縦欄の7A
+,7An,7A-,7B+,7Bn,7B-,7C+,7Cn,7C-
の各横欄には,それぞれ,第1のスイッチ7Aの親接点
7A0が接続する子接点,第2のスイッチ7Bの親接点7
B0が接続する子接点,第3のスイッチ7Cの親接点7C0
が接続する子接点に対して○印を記している。図6に示
すように第1ないし第3のスイッチを,図示しない制御
装置を操作することによって,図1および図2に示した
のと同様の接続状況が交互になりながら固定子上を回転
する。即ち,ステップ1,3,5,7,9,11が3相
励磁で,ステップ2,4,6,8,10,12が2相励
磁である。ステップの切り換え速度を変えることによっ
てモ−タの回転速度が変化する。
【0018】上述のような励磁時に各巻線電流によって
発生するトルク状態を図7に示している。図7(A)は
図2に示す2相励磁の場合,図7(B)は図1に示す3
相励磁の場合をそれぞれ示している。図7において,T
Aは第1の巻線6aによる第1のトルク,TBは第2の
巻線6bによる第2のトルク,TCは第3の巻線6cに
よる第3のトルクである。各巻線は同一巻数,同一抵抗
値なので,2相励磁の場合,例えば,第1の巻線6aと
第2の巻線6bに電流が供給されるタイミングにおける
第1のトルクTAと第2のトルクTBとの合成トルク
は,図7(A)に示すようにT2となり,3相励磁の場
合,例えば,第1の巻線6aと第2の巻線6bにそれぞ
れ電流(i/3)が供給され,第3の巻線6cに電流
〔2×(i/3)〕が供給されるタイミングにおける全
トルクの合成トルクは,図7(B)に示すようにT3と
なる。この場合,2相励磁の合成トルクT2と3相励磁
の合成トルクT3との関係は(6)式によって示され
る。 T2/T3=〔2×(i/2)×cos(π/6)〕/{〔2×(i/3)× cos(π/3)〕+〔(2/3)×i〕} =√3/2・・・・(6) ここで(3)式でのトルクであるスタ−結線の2相励磁
時とデルタ結線の3相励磁時(どちらも2端子より入力
印加)を入力が同一とするため,デルタ結線の図1の直
流電源装置21より流出する全電流をスタ−結線のi0
の√3倍にすると(6)式はT2/T3=1.5/√3
となり,スタ−の2相励磁とデルタの3相励磁のトルク
は同一となる。この場合,巻線の抵抗値をRとすると,
2相励磁の時の入力をW2とすると,W2は(7)式の
ようになる。 W2=2×R×(√3i0/2)2=(R×i0 2)・3/2・・・・・(7) 3相励磁の時の入力W3は(8)式のようになるので,
(4)式のW2′と同一であることがわかる。 W3=2×R×(√3i0/3)2+R×〔(2/3)×√3i02 =2Ri0 2・・・・・(8)
【0019】前述した(4)式と(8)式に示すよう
に,スタ−2相励磁とデルタ3相励磁で入力を同一にす
ると,トルクも同一なることを示したが,このトルクは
直流励磁時のホ−ルデングトルクや低速パルスレ−ト域
でのトルクであって,高速パルスレ−ト域ではスタ−と
デルタでは巻線のインダクタンスが前述したごとく異な
るため,トルクも異なってくる。スタ−でインダクタン
スを小さくする場合,太い線を巻くことになり,巻線で
限界がある場合が多い。図8(A)には,スタ−の2相
励磁のトルク(TY2と記す)とデルタの3相励磁トルク
(TΔ3と記す)の比較を示す。図8(B)には,スタ
−とデルタの2−3相励磁時のトルクをTY2-3,TΔ
3-2として試作デ−タを示した。トルクは,どちらも低
域ではスタ−とデルタのトルクはほぼ同一であるが,高
パルス域ではデルタの方が勝っていることが判る。
【0020】次に,ステッピングモ−タで負荷を位置決
めする時の角度(θ)と前述のTY2とTΔ3を両者,直
流励磁(入力同一のためTΔ3の電流はTY2の√3倍と
する)した時の関係を考察する。一般に,永久磁石型ス
テッピングモ−タのギャップパ−ミアンスP(θ)は奇
数次調波のみで次の(9)式のように書ける。 P(θ)=P0(K1sinθ+K3sin3θ+K5sin5θ+K7sin7 θ)・・・・・(9) iBL側によるトルクTは,次の(10)式のようにな
る。 T=KIP(θ)・・・・・(10) (但し,P0,K1,K3,K5,K7,Kは定数)Y結線
の2相励磁の合成トルクをTY2とし,(9)式,(1
0)式によりTY2を求めると,次の(数1)に示す(1
1)式のようになる。
【数1】 Δ結線の3相励磁時の合成トルクTΔ3も,同様にして
求めると,次の(数2)に示す(12)式のようにな
る。
【数2】 (11)式と(12)式とを比較すると基本波成分は同
じであるが,高調波の影響の仕方が異なっていることが
わかる。(11)式より判る通りTY2は5調波,7調波
が基本波K1sinθをθが零付近で減算するように働
くため,角度−トルクカ−ブがθが零付近で凹むことに
なり,負荷に対し位置ずれが大きくなる。これに対し,
(12)式より判るように,TΔ3は5調波,7調波が
基本波K1sinθに加算するように働くため,角度−
トルクカ−ブがθが零付近で凸となり,負荷に対し位置
ずれが少なくなり,ステップ各誤差もそれぞれ改善され
ることになる。
【0021】ステッピングモ−タの回転子が停止時には
できるだけ停止時間が短いことが望ましい。図9に本発
明の永久磁石式3相ステッピングモ−タ用のデルタ結線
の構成を示す。同図において,Tr1〜Tr6はそれぞれト
ランジスタ,d1〜d6はそれぞれ循環回路形成用のダイ
オ−ドである。図9において,各トランジスタTr1とT
r4がオンして3相通電状態から更にトランジスタTr6
オンされるとb相巻線6bの電流が切れ,a相巻線6a
の電流も全電流の2/3が1/2に減るため逆起電圧が
発生し,Tr6に並列接続されたダイオ−ドd6とTr4
b相巻線6bで1つの閉回路を作り,またc相巻線6
c,a相巻線6aとダイオ−ドd6とTr4とでもう1つ
の閉回路を作り,点線の如き電流が逆起電圧で発生し
て,回転子に制動力を与える。図10にデルタ結線の2
−3相励磁の回転子の応答波形特性図を示す。縦軸が角
度,横軸が時間であり,制動されている方が2相励磁時
振幅が大きく波うっている方が3相励磁時である。従っ
て,負荷を2−3相励磁で駆動させて本方式にて2相励
磁時で位置決め停止させるとダンピング(制動)の効い
た制御が可能となることが示されている。
【0022】上記した各実施例では,インナ−ロ−タ型
の構成の場合で説明したが,本発明はアウタ−ロ−タ型
の場合も回転子の内周側に配置されるステ−タ側にZ個
の極対数の着磁がなされ,Z=m(2n±1)(但し,
nは1以上の正の整数)を満たす永久磁石式ステッピン
グモ−タとすることにより適用できる。
【0023】
【発明の効果】本発明は上記のように構成したので,次
のような優れた効果を有する。 スタ−結線に比べ,同一入力で高速回転時のトルクが
大幅に改善される。 回転時に発生する振動が減少した。 角度−トルク特性が改善され,スタ−結線に比べ位置
決め時の誤差が少なくできる。 停止時の整定時間を短くできる。 定電流源で説明したが,定電圧源でも同様な効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく永久磁石式3相ステッピングモ
−タの一実施例における3相励磁状態における3巻線の
接続状態を示す概略結線図である。
【図2】本発明に基づく永久磁石式3相ステッピングモ
−タの実施例における2相励磁状態における3巻線の接
続状態を示す概略結線図である。
【図3】本発明を適用するハイブリッド形永久磁石式3
相ステッピングモ−タの横断面図である。
【図4】本発明を適用するハイブリッド形永久磁石式3
相ステッピングモ−タの縦断正面図である。
【図5】本発明を適用する回転子周囲に磁極対を着磁し
た形式の永久磁石式3相ステッピングモ−タの横断面図
である。
【図6】本発明の実施例における各巻線に電流を供給す
るタイミング関係を記した図表である。
【図7】本発明の実施例における各巻線に流れる電流に
より発生するトルク状況を説明するベクトル図であっ
て,同図(A)は2相励磁状態におけるベクトル図,同
図(B)は3相励磁状態におけるベクトル図である。
【図8】本発明の永久磁石式3相ステッピングモ−タと
従来技術のものの比較を行うためのトルク特性で,同図
(A)はフルステップ時のもの,また同図(B)はハ−
フステップ時のものを示す。
【図9】本発明に基づく永久磁石式3相ステッピングモ
−タの駆動構成を示す説明図である。
【図10】本発明による永久磁石式3相ステッピングモ
−タのステップ応答波形図である。
【図11】従来の永久磁石式3相ステッピングモ−タの
2相励磁状態における3巻線の接続状態を示す概略結線
図である。
【図12】従来の永久磁石式3相ステッピングモ−タの
2相励磁状態における3巻線の接続状態を示す概略結線
図である。
【図13】従来の各巻線に電流を供給するタイミング関
係を記した図表である。
【図14】従来例の各巻線に流れる電流により発生する
トルク状況を説明するベクトル図であって,同図(A)
は2相励磁状態におけるベクトル図,同図(B)は3相
励磁状態におけるベクトル図である。
【符号の説明】
3:回転軸 4:回転子 5:固定子の主極 6,6a,6b,6c:巻線 7A,7B,7C:スイッチ 8:プラス電源回路 9:マイナス電源回路 10:モ−タ(ハイブリッド形永久磁石式3相ステッピ
ングモ−タ) 11:モ−タ(回転子表面に磁極列を着磁した永久磁石
式3相ステッピングモ−タ) 21:直流電源装置

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定子は3m個(mは1以上の正の整
    数)のコイルを回転軸に垂直な平面上に回転軸に同心的
    に配置し,回転子には永久磁石を有し,回転子の外周
    (インナーロータ型の場合)または内周(アウターロー
    タ型の場合)にはZ個の磁歯またはZ個を極対数とする
    着磁がなされ,Z=m(3n±1),(但し,nは1以
    上の正の整数)を満たす永久磁石式3相ステッピングモ
    ータにおいて,固定子の3相分コイルの1相分の巻終わ
    りと次相分のコイルの巻始めを1給電端子とし,次々に
    同様に環状に結線することにより作られた計3個の給電
    端子は,それぞれ2個ずつのトランジスタのエミッタと
    コレクタの結合点に結合され,計6個のトランジスタに
    は各々のトランジスタに並列にダイオードをそのカソー
    ド側が正の電源側に,またダイオードのアノード側が負
    の電源側になるように接続して,3端子を有する該ステ
    ッピングモータの任意の1端子を正,他のいずれかの1
    つの端子を負極性に接続した3相通電と該ステッピング
    モータの任意の1端子を正,他の残りの2端子を負極性
    に,または任意の2端子を正に,残りの1端子を負極性
    に接続した2相通電とを交互に繰り返し,3相通電から
    2相通電に変わる時,同極性になる2端子間のコイルに
    接続されオン状態にある1個のトランジスタと,もう1
    個のオン状態のトランジスタに並列に接続されたダイオ
    ードと,このダイオードと並列に接続されているトラン
    ジスタと同極性でオンしているトランジスタとを通して
    同極性に接続されている2端子間の3個の相巻線が閉回
    路を構成し,電流が減少する相に瞬間的に発生する逆起
    電力により循環電流を発生させ,回転子の制動を行わせ
    るようにしたことを特徴とした永久磁石式3相ステッピ
    ングモータ。
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