JP6234399B2 - モータ駆動制御装置 - Google Patents
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Description
その他の手段については、発明を実施するための形態の中で説明する。
図1は、第1の実施形態におけるモータ駆動制御装置1の構成を示すブロック図である。
このモータ駆動制御装置1は、インバータ回路2(モータ駆動部の一部)と、プリドライバ3(モータ駆動部の一例)と、制御部4と、相電流検出回路10と、抵抗R0とを備えている。モータ駆動制御装置1は、電源Vdに接続され、U相配線、V相配線、W相配線の3相によってモータ20に接続されている。モータ駆動制御装置1は、モータ20の回転を制御するものであり、モータ20に3相交流を出力する。
プリドライバ3は、例えば、6個のゲートドライブ回路を備えている。プリドライバ3は、制御信号Scが制御部4から入力されると、この制御信号Scに基づいて駆動信号を生成し、インバータ回路2に出力する。
インバータ回路2とプリドライバ3とは、本実施形態において、電源Vdから電力の供給を受け、駆動信号によってモータ20を駆動するモータ駆動部である。
制御部4は、例えばマイクロコンピュータであり、後記する相電流検出回路10に接続されて直流電圧信号S3が入力され、制御信号Scをプリドライバ3に出力する。制御部4は、入力された直流電圧信号S3に基づいて過電流保護を行い、モータ駆動部であるプリドライバ3とインバータ回路2とを制御する。
なお、RC直列回路5の時定数がコイルLv,Lwのインダクタンス値を直流抵抗成分で除算した値と一致しない場合であっても、この値と前記RCネットワーク回路の時定数とのずれ量を勘案して、直流電圧信号S3から実際の相電流の値を回帰分析により推定するとよい。これにより、コイルLv,Lwに流れる相電流Iの値の変化に対応する直流電圧信号S3を得ることができる。
この図2では、モータ20の電機子コイルLv,Lwの直列回路を、インダクタンスLと、直流抵抗成分DCRとで構成される等価回路で示している。
この電機子コイルLv,Lwの等価回路と並列に、RCを直列にしたネットワークであるRC直列回路5が接続される。このRC直列回路5は、直流抵抗成分RとキャパシタンスCとで構成される等価回路で示される。この直流抵抗成分Rは抵抗R1の抵抗値、キャパシタンスCはコンデンサC1の容量である。
このように調整することにより、相電流検出回路10は、電機子コイルLv,Lwに流れる相電流Iと電圧VSと同位相の信号となるので、電圧VSにより相電流Iに略比例した信号を検知することができる。
この無損失過電流検出回路10aは、図1に示した相電流検出回路10と同様な機能に加えて更に、プリドライバ3に過電流検出信号S5を出力する機能を有している。無損失過電流検出回路10aは、図1に示した相電流検出回路10と同様な構成に加えて更に、フィルタ回路7と同様に構成されたフィルタ回路7aを備える。ここでフィルタ回路7aは、RC積分回路である。なお図3では、フィルタ回路7,7aをLPF(Low Pass Filter)、RC直列回路5をRC、アッテネータ6を「抵抗網」と省略して表記している。
この図4は、相電流Iと、コンデンサC1の両端の電圧VSのそれぞれについて、オシロスコープで測定した波形を示している。このように、電圧VSの波形は、相電流Iの波形と同様であり、電圧VSによって相電流Iを検出できていることがわかる。なお、電圧信号S1はグランド基準で取得しているため、相電圧のスイッチング波形が相電流波形に重畳したような形で検出されているが、後段のフィルタ回路7の平滑化により正しく過電流を検出することができる。
図5の太破線で示したように、過電流保護を行わない比較例では、相電流はデューティに略比例する。しかし太実線で示したように、過電流保護機能を実装した本実施形態では、デューティが増加しても相電流は所定値I0を超えない。例えばデューティが80%時と100%時の相電流実効値は、ほぼ同等レベルである。これによっても、正しく相電流が検出できており、この相電流が制御できていることが確認できる。
RCネットワーク回路の定数設定に際し、電流と検出電圧との関係性にある程度、規則性を持った形であることが望ましい。そのため、各種定数の組み合わせを試みて、最終的に本図に示すような特性を得た。ここでは、DUTYを変化させたときの入力電圧と検出電圧とを測定してグラフにプロットし、更にこれを多項式で近似した線をグラフに描いている。
なお、エリア8は、過電流保護のターゲットエリアである。このエリア8に該当する電圧を検知したとき、制御部4は過電流保護を行う。
相電流検出回路10は、電機子コイルLu,Lv,Lwの中点と、モータ20のV相に接続されている。このように接続しても、第1の実施形態のモータ駆動制御装置1と同様に相電流を検知することができる。なお、相電流検出回路10は、電機子コイルLu,Lv,Lwの中点と、モータ20の任意の1相とに接続してもよい。
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更実施が可能であり、例えば、次の(a)〜(g)のようなものがある。
(a) 相電流検出回路10を構成する各回路の構成は、上記実施形態に限定されない。例えば、アッテネータ6は、抵抗網に限定されない。また、フィルタ回路7は、RCフィルタに限定されない。
(b) アッテネータ6は、本発明の必須の構成ではない。
(c) 相電流検出回路10を接続する相は上記実施形態に限定されない。例えばU相とW相、U相とV相に接続してもよい。
(d) 相電流検出回路10が検出する相電流は、モータ20の1相に限定されず、複数相であってもよい。
(e) 相電流検出回路10が生成した直流電圧信号のフィードバック先は、制御部4とプリドライバ3のいずれかであってもよく、また制御部4とプリドライバ3の両方であってもよい。
(f) 上記実施形態では、モータを3相ブラシレスモータとして説明したが、モータの種類および相数は特に限定されるものではない。
(g) 直流電圧信号は、相電流と比例関係にあるのが理想であるが、それには限定されず、相関性があればよい。ここで相関性とは、線形性に限定されず,非線形の相関カーブの関係を有していてもよい。
2 インバータ回路 (モータ駆動部の一部)
3 プリドライバ (モータ駆動部の一部)
4 制御部
5 RC直列回路 (RCネットワーク回路の一例)
6 アッテネータ
7 フィルタ回路
10 相電流検出回路
10a 無損失過電流検出回路 (相電流検出回路の一例)
20 モータ
Q1〜Q6 スイッチング素子
Claims (7)
- 抵抗とコンデンサとが直列接続されて構成され、モータの相を構成する1または複数のコイルに並列接続されるRCネットワーク回路、および前記コンデンサの両端の電圧信号に基づく信号を平滑化するフィルタ回路を含み、前記コイルに流れる相電流の値の変化に対応する直流電圧信号を生成する相電流検出回路と、
前記モータの各相に電圧を印加して駆動するモータ駆動部と、
前記直流電圧信号を入力し、前記モータ駆動部を制御する制御部と、
を備えることを特徴とするモータ駆動制御装置。 - 前記相電流検出回路は、前記コンデンサの両端の電圧信号を減衰させた電圧信号を前記フィルタ回路に出力するアッテネータ
を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動制御装置。 - 前記モータは、Y型結線された3相ブラシレスモータであり、
前記RCネットワーク回路は、前記モータの任意の2相間に並列接続される、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のモータ駆動制御装置。 - 前記モータは、Y型結線された3相ブラシレスモータであり、
前記RCネットワーク回路は、前記モータのY型結線の中点といずれか1相との間に並列接続される、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のモータ駆動制御装置。 - 前記直流電圧信号は、前記相電流の値の変化に対応するように、前記RCネットワーク回路の時定数を設定する、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のモータ駆動制御装置。 - 前記RCネットワーク回路の時定数は、前記モータの相を構成する1または複数のコイルのインダクタンス値を直流抵抗成分で除算した値を基本に設定する、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のモータ駆動制御装置。 - 前記制御部は、前記相電流検出回路が生成した前記直流電圧信号に基づき、電流保護動作を行う、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のモータ駆動制御装置。
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