JP3697682B2 - 自動走行カートシステム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線による通信手段を有する子機、及び無線による通信手段を有しカートに搭載されてカートの走行手段と操舵手段を制御する親機からなる自動走行カートシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ゴルフ場において、キャディカートは、ゴルフクラブを入れたキャディバックを運搬するために必ず用意されている設備であり、主として手引きカート、バッテリーを動力源として速度、方向を手押しで操作し管理運行する電動カート、同じくバッテリーを動力源として乗用し運行する乗用電動カートなどがある。これらのカートのうちいずれのカートを採用するかは、通常、それぞれの機能やコスト、ゴルフ場によるコースの環境や諸々の事情を考慮して決められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来よりゴルフ場にて用いられている各カートのうち、手引きカートは、プレイヤー又はキャディが手引きで数時間にわたりコースを廻るため、プレイヤーやキャディにとって負担が大きいという問題がある。また、電動カートは、動力源としてバッテリーを用いているものの、位置、方向、速度をプレイの進行、コースの状況に合わせて判断し、速度切り換えスイッチとブレーキスイッチとハンドルレバーを操作する必要があるため、操作が煩雑で操作ミスによる暴走も引き起こしやすいという問題がある。乗用電動カートでは、プレイヤー又はキャディがハンドル、アクセル、ブレーキを操作して走行する所謂電気自動車やハイブリッド電気自動車であり、ある程度の自動車の運転の心得があること、運転の慣れが必要であり、特に日本のように狭くアップダウン、カーブが多いゴルフコースでは、運転操作にさらにこれらの状況に応じた的確な判断が必要になる。また、乗用電動カートの場合には、乗用であるため当然他のカートに比べて重量も大きくなるので、雨や湿気の多い地域では、コース内に乗り入れると、わだちが出来てしまいコースが荒れてしまうため、コンクリートなどによる専用のカート道路が必要とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するものであって、子機からの呼びに応じて子機の位置まで走行コースを設定し自動走行できるようにするものである。
【0005】
そのために本発明は、無線による通信手段を有する子機、及び無線による通信手段を有しカートに搭載されてカートの走行手段と操舵手段を制御する親機からなる自動走行カートシステムであって、前記子機及び親機は、複数の衛星からの電波を受信して位置を算出する位置算出手段を備えると共に、前記子機は、呼びが入力されると前記位置算出手段により算出された位置の情報を有する呼びを前記通信手段より親機に送信する呼び発生手段を備え、前記親機は、走行コースを設定するためのマップ情報を記憶する記憶手段、及び前記通信手段より前記子機から前記位置の情報を有する呼びを受信して前記記憶手段に記憶されたマップ情報に基づき前記子機の位置と当該親機の位置との間の走行コースを設定して前記走行手段と操舵手段を制御する制御手段を備え、前記記憶手段に、各ホールのコースエリア毎に走行禁止エリア、該走行禁止エリアを除く走行エリア内にコース状態に応じて走行速度を区分して制限する速度制限エリア及び帯状又は線状にカートを一時停止させる一時停止エリアの情報を少なくとも有するマップ情報を記憶することにより、前記制御手段は、前記子機からの呼びに応じて前記走行エリア内で前記子機の位置まで走行コースを設定して前記カートを自動走行させ、前記速度制限エリアで走行速度を制限し前記一時停止エリアで一時停止させるように構成したことを特徴とするものである。
【0006】
さらに、前記カートの前面に障害物を検出するセンサーを設け、前記制御手段は、前記センサーにより障害物が検出された場合に走行を停止させるようにしたことを特徴とし、前記記憶手段は、部分的に設定される走行指定コースの情報を有する前記マップ情報を記憶し、前記制御手段は、前記走行指定コースを優先的に通る走行コースを設定し、前記制御手段は、前記子機の位置と当該親機の位置との間を前記走行エリア内で前記走行禁止エリアの縁を通る折れ線で結び前記走行コースを設定し、前記記憶手段は、着脱可能なメモリカードまたはメモリチップからなり、前記子機は、無線電話機能を有することを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明に係る自動走行カートシステムの実施の形態を示す図であり、1は子機、2はGPS受信部、3は操作制御部、4は無線送受信部、10は親機、11はGPS受信部、12は無線送受信部、13は入出力制御部、14は設定入力部、15はメモリ、16は走行コース設定制御部、17はディスプレイ、18は走行制御部、19は操舵制御部を示す。
【0008】
図1において、子機1は、プレイヤーが携帯するものであり、GPS受信部2、操作制御部3、無線送受信部4からなる。GPS受信部2は、複数の衛星からの電波を受信して子機1の位置(東経、北緯)を算出するものであり、無線送受信部4は、親機10と無線交信を行うものである。操作制御部3は、例えば「呼び」、「停止」などのキースイッチを有し、「呼び」のキースイッチが操作されると、呼び指令としてGPS受信部2で算出された子機1の位置(東経、北緯)を無線送受信部4に渡し、「停止」のキースイッチが操作されると、停止指令を無線送受信部4に渡す。また、無線送受信部4に親機10から警報信号などを受信すると、バイブレータやアラームを作動させる。さらに、操作制御部3は、無線送受信部4を介して親機10を中継局としてセンターと通話できる、携帯電話としての機能を有する。
【0009】
親機10は、キャディカートに搭載され、現在位置を始点として終点とする子機の位置まで走行ルートを探索し、最短(最適)の走行ルートを走行コースに設定してキャディカートの駆動、操舵を制御するものであり、次の各構成要素からなる。GPS受信部11は、子機1のGPS受信部2と同様に、複数の衛星からの電波を受信して親機10の位置(東経、北緯)を算出するものであり、無線送受信部12は、子機1及びセンターと無線交信を行うものである。入出力制御部13は、無線送受信部12による子機1との交信、センターとの交信、走行コース設定制御部16の制御、さらには、設定入力部14の入力にしたがいディスプレイ17の表示を行いながらメモリ15の設定を行うものである。設定入力部14は、動作モードの切り換えや情報の設定などを指示するキースイッチ、タッチスイッチなどであり、タッチスイッチはディスプレイ17の画面上に設けられる。メモリ15は、ゴルフ場の各ホールのコースエリア、走行エリア、走行禁止エリア、走行指定コース、速度制限エリアなどの走行制御情報(マップ情報)、さらにはプレイ参考情報(コース情報)などを記憶するものであり、例えばFDやメモリカード、メモリチップなどの着脱可能な記憶手段を用いてもよいし、内蔵メモリを用い外部の記憶装置から必要なデータを適宜読み込んで格納するように構成してもよい。また、センターから無線送受信部12を介して無線により必要なデータを受信してメモリ15に記憶するように構成してもよい。ディスプレイ17は、メモリ15に記憶されたホール毎の走行エリア、走行禁止エリア、走行指定コース、速度制限エリアなどの走行制御情報、GPS受信部11で算出された親機10の位置(東経、北緯)によるキャディカートの現在位置、さらにはコース情報などを表示するものである。走行コース設定制御部16は、GPS受信部11で算出された親機10の位置(東経、北緯)を始点とし、無線送受信部12で受信した子機1の位置(東経、北緯)を終点としてメモリ15の走行制御情報に基づき走行ルートを探索し、最短(最適)の走行ルートを走行コースに設定するものであり、設定した走行コースにしたがって駆動モータなどの走行手段を制御するのが走行制御部18、舵角を操作するモータなどの操舵手段を制御するのが操舵制御部19である。
【0010】
次に、メモリに設定記憶される走行制御情報について説明する。図2はメモリに設定記憶される走行制御情報の構成例を示す図、図3は走行コースの設定について説明するための図、図4はゴルフコースにおけるエリア等の設定例を示す図である。
メモリでは、例えば図2(A)に示すように各ホール1、2、3、……毎の走行制御情報やプレイ参考情報の記憶領域a1 、a2 、a3 、……のポインタと、図2(B)に示すようにポインタの示す記憶領域の各ホール毎の走行制御情報やプレイ参考情報からなる。走行制御情報としては、先に述べたようにコースエリア、走行禁止エリア、速度制限エリア、さらには走行指定コース、一時停止エリアなどからなり、これらは座標値により設定される。走行エリアは、コースエリアから走行禁止エリアを除いたエリアになるが、走行禁止エリアに対応してそれ以外を走行エリアとして設定してもよい。走行禁止エリアは、ティグラウンド、グリーン、サブグリーン、バンカー、池、川、修理地、杭、樹木、林、谷、傾斜地から数m外周までを含めて設定する。さらに、コースエリアの外側も全て走行禁止エリアと考えることにより、走行禁止エリア以外のエリアを走行エリアとしてもよい。速度制限エリアは、コースの傾斜具合や荒れ状態などに応じて走行速度を区分して制限するエリアである。
【0011】
走行指定コースは、次のホールのティグラウンドへ移動するルートや橋を渡るルート、走行エリアの狭いルートなどに設定される。すなわち、これらのルートは、もともとキャディカートの走行できる幅が狭く、GPS受信部11で算出された位置(東経、北緯)に基づきキャディカートを自動走行させる場合、指定コースからある程度の許容誤差が必要であるので、その許容誤差の幅が確保できないルートである。したがって、次のホールのティグラウンドへ移動するルートや橋を渡るルートでも、その許容誤差の幅が確保できないルートの場合には、自動走行ができないので、自動走行を解除して手引きカート、あるいは電動カートに切り換えて用いるようにする。一時停止エリアは、そのエリアを走行する際にカートを一時停止させるエリアであり、例えば帯状に、あるいは線状に設定しておくと、その帯、あるいは線を横切ってカートが走行するときに、カートを一時停止させることができる。
【0012】
次に、走行コースの設定について説明する。走行コースは、基本的に直線で始点と終点を結ぶことにより設定し、始点と終点との間に走行禁止エリアが存在する場合には、走行エリア内で始点と終点を直線で結べないので、走行禁止エリアの縁を通る折れ線により距離の短いルートを設定する。例えば図3(A)に示すように始点Oと終点Dとの間に走行禁止エリアL1がある場合、始点Oと終点Dとを結ぶ線から両方向に所定の開き角度Δθずつ振って、その走行禁止エリアL1から外れるまで開き角度θを大きくし、走行禁止エリアL1の縁を通る折れ線C1→C2を走行コースとして設定する。
【0013】
また、図3(B)に示すように始点Oと終点Dとの間に複数の走行禁止エリアL2、L3が存在する場合には、例えば始点Oに近い走行禁止エリアL2について図3(A)に示す例と同様の処理を行って走行コースC3→C4を設定し、次にその頂点を第2の始点O′として第2の始点O′と終点Dとの間で走行禁止エリアL3について図3(A)に示す例と同様の処理を行って走行コースC5→C6を設定する。なお、この場合に、始めの始点Oに近い走行禁止エリアL2について反対側の縁を通る折れ線C7→C8の走行ルートも求めて双方の走行距離を比較し、走行距離の短い走行ルートを選択し走行コースとして設定してもよい。すなわち、走行禁止エリアが1つだけの場合には、先に説明した開き角度θの小さい方が走行距離の短い走行コースとして設定できるが、複数の走行禁止エリアが存在することに伴って複数の走行ルートが求まる場合には、それぞれの走行ルートの走行距離を求めて比較することにより、その中から最短距離のものを走行コースとして設定することができる。
【0014】
始点と終点との間に1つの走行禁止エリアが存在することから、図3(A)に示す例にしたがって走行ルートを求めたところ、その上に図3(C)に示すように新たな走行禁止エリアL4が存在する場合には、新たな走行禁止エリアL4の存在するルートについて上記と同様の処理を繰り返し行えばよい。さらに、先に延べたように川や池に橋がかかっていたり、バンカーと木立や林の間で十分な走行幅が確保できない場合には、限られた走行ルートしか設定できない。そのような場合には、予め図3(D)に示すように全体を走行禁止エリアL5とし、その中に走行指定コースCfを設定しておくのが有効である。この走行指定コースCfのある走行禁止エリアL5では、先に延べたように始点Oと終点Dとを結ぶ線から両方向に所定の開き角度Δθずつ振って、走行指定コースCfに当たったことにより、走行指定コースCfを走行コースに取り込むことができる。また、一定のエリアを限定して走行禁止エリアとして、その中に図3(D)に示すように複数の走行指定コースCfを設定することにより、一定のエリアで走行コースを複数のルートで固定してしまうこともできる。
【0015】
ゴルフコースにおけるエリア等の設定例を示したのが図4であり、21はコースエリア、22は走行禁止エリア、23は走行指定コース、24は一時停止エリア、25はティグラウンド、26はバンカー、27は木立、28は池、29はグリーンを示す。先に述べたようにコースエリア21において、ティグラウンド25、バンカー26、木立27、池28、グリーン29などは走行禁止エリアとなり、走行禁止エリア22は、さらに状況に応じてそれらより一定外側のエリアまで設定される。また、これらにかかわりなく、コースを横断するように走行禁止エリア22や一時停止エリア24を設定し、走行禁止エリア22を貫通するように複数の走行指定コース23を設定したり、特定の走行禁止エリア22で走行指定コース23を設定することもできる。
【0016】
次に、親機の画面及び処理の例について説明する。図5は親機の操作画面の例を示す図、図6は親機の処理の流れ例を説明するための図、図7は走行コースの設定処理の例を説明するための図である。
親機のディスプレイに表示される画面としては、例えばメニュー画面、そのメニュー画面から遷移する自動走行モード画面、コース情報画面、設定画面などを有する。メニュー画面は、例えば図5(A)に示すように次に遷移する自動走行モード画面、コース情報画面、設定画面などの画面を選択するものである。自動走行モード画面では、例えば図5(B)に示すように親機の検出される現在の位置からそのコースのグリーン周辺までのマップ及びコース情報の表示を行う。コース情報としては、現在の位置に基づきグリーンまでの距離を算出することによりグリーンまでの距離、グリーン上の旗(ホール)の位置、予めメモリに格納したコースの攻略コメントなどを表示する。なお、解除ボタンは、自動走行モードを解除するときに操作するものである。コース情報画面では、各ホール番号を選択することにより、それぞれのコースのアップ、ダウンその他の特徴や攻略コメントなどの表示を行う。設定画面では、システムの動作条件やメモリに格納されるデータの設定、変更、更新を必要とする場合にそのため設定・表示を行う画面であり、プレイヤーによりデータが変更されないようにすることが必要であるので、一般には暗証番号や特別のキー操作を行うようにすることによりメモリに格納されているデータの保護が図られる。
【0017】
上記メニュー画面で自動走行モードを選択すると、自動走行モード画面に遷移して自動走行モードが起動する。この自動走行モードでは、図6に示すように子機から呼びがあるのを待ち(ステップS11)、子機から呼びがあると、その呼びから子機の位置を認識すると共に(ステップS12)、GPS受信部の信号に基づき自分(親機)の現在位置を認識して(ステップS13)、自分(親機)の現在位置を始点O、子機の位置を終点Dとする走行コースの設定を行う(ステップS14)。さらに、カートの現在の操舵角と方位(初期の方位はデフォルト値あるいは設定値、その後は走行履歴から求められる方位)を検出し(ステップS15)、設定された走行コースの方位に基づき新たな操舵角を算出して(ステップS16)、走行手段と操舵手段を制御し走行を開始する(ステップS17)。走行を開始すると、一定のインターバルでGPS受信部の信号に基づき自分(親機)の現在位置を認識して(ステップS18)、現在位置の走行コース上との誤差を検出し(ステップS19)、現在の操舵角に基づき修正した操舵角を算出して(ステップS20)、その修正した操舵角に基づき操舵手段を制御する(ステップS21)。そして、現在位置と終点Dとの距離を求め(ステップS22)、該距離が所定の距離、例えば3m以内か否かを判定する(ステップS23)。現在位置と終点Dとの距離が所定の距離以内である場合には、走行停止にし(ステップS24)、現在位置と終点Dとの距離が所定の距離以内でない場合には、ステップS18に戻って現在位置と終点Dとの距離が所定の距離以内になるまで同様の処理を繰り返して実行する。
【0018】
ステップS14における走行コースの設定処理では、図7に示すようにまず、始点Oと終点Dとを結ぶ直線を求め(ステップS31)、該直線上に走行禁止エリアが存在するか否かを判定する(ステップS32)。走行禁止エリアが存在しなければ、求めた直線を走行コースとし(ステップS33)、走行禁止エリアが存在する場合には、始点Oと終点Dとを結ぶ直線に対して所定の開き角θを設定し(ステップS34)、始点O、終点Dからその間を結ぶ直線に対してそれぞれ開き角θの直線を求め(ステップS35)、始点O、終点Dと開き角θの直線の交点との間に走行禁止エリアが存在するか否かを判定する(ステップS36)。走行禁止エリアが依然として存在する場合には、開き角θをΔθだけ増やして(ステップS37)、ステップS34に戻り同様の処理を繰り返し実行し、走行禁止エリアが存在しなくなればそれらの直線による折れ線を走行ルートとする(ステップS38)。さらに、折れ線による走行ルートのいずれかの直線上に走行禁止エリアが存在するか否かを判定し(ステップS39)、走行禁止エリアが存在しなければ、その走行ルートを走行コースとし(ステップS40)、走行禁止エリアが存在する場合には、その直線の両端を新たな始点Oと終点Dとして(ステップS41)、ステップS34に戻り同様の処理を繰り返し実行する。
【0019】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば上記実施の形態では、各子機が親機を介してセンターと通話できるようにしたが、1台の親機に複数台の子機を対応させた場合、その中の1台をマスター子機として通話できるようにしてもよい。また、子機の台数は、キャディカートの大きさ、つまり、1人用か2人用か4人用かに応じて対応できるようにすることはいうまでもない。さらに、キャディカートの前面に数m前の障害物を検出するセンサーを設け、そのセンサーにより障害物が検出された場合には、走行を停止するように構成してもよい。その場合には、「呼び」を指令した子機に対し警報信号を送信できるようにすると、子機側でカートが途中で障害物の検出により停止したことを知ることができる。さらに、走行制御情報として、車両用ナビゲーションにおける道路データのように走行エリア内にメッシュ状に走行ラインを設定し、その走行ラインを通る終点までの複数の走行ルートから最短ルートを走行コースとして探索するように構成してもよいし、ゴルフ用のキャディカートに限らず他の自動走行カートに適用してもよい。
【0020】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、無線による通信手段を有する子機、及び無線による通信手段を有しカートに搭載されてカートの走行手段と操舵手段を制御する親機からなる自動走行カートシステムであって、子機及び親機は、複数の衛星からの電波を受信して位置を算出する位置算出手段を備えると共に、子機は、呼びが入力されると位置算出手段により算出された位置の情報を有する呼びを通信手段より親機に送信する呼び発生手段を備え、親機は、走行コースを設定するためのマップ情報を記憶する記憶手段、及び通信手段より子機から位置の情報を有する呼びを受信して記憶手段に記憶されたマップ情報に基づき子機の位置と当該親機の位置との間の走行コースを設定して走行手段と操舵手段を制御する制御手段を備え、記憶手段に、各ホールのコースエリア毎に走行禁止エリア、該走行禁止エリアを除く走行エリア内にコース状態に応じて走行速度を区分して制限する速度制限エリア及び帯状又は線状にカートを一時停止させる一時停止エリアの情報を少なくとも有するマップ情報を記憶することにより、制御手段は、子機からの呼びに応じて走行エリア内で子機の位置まで走行コースを設定してカートを自動走行させ、速度制限エリアで走行速度を制限し一時停止エリアで一時停止させるように構成したので、子機を携帯して移動しながら子機から呼びを入力する簡単な操作で適宜カートを自動走行させ呼び寄せることができる。
【0021】
しかも、前記記憶手段は、走行禁止エリアの情報を有する前記マップ情報や部分的に設定される走行指定コースの情報を格納し、前記制御手段は、前記走行禁止エリアを通らない前記走行コース、前記走行指定コースを優先的に通る走行コースを設定するので、マップ情報の走行禁止エリアの情報や走行指定コースの情報を更新することにより、設定される走行コースを状況の変化、環境の変化に応じた制御することができる。さらに、前記子機の位置と当該親機の位置との間を前記走行エリア内で折れ線で結んで前記走行コースを設定するので、簡単な処理により最短の走行コースを設定することができる。そして、前記記憶手段は、着脱可能なメモリカードまたはメモリチップからなるので、使用する場所に応じて簡便にマップ情報を切り換えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る自動走行カートシステムの実施の形態を示す図である。
【図2】 メモリに記憶される走行制御情報の構成例を示す図である。
【図3】 走行コースの設定について説明するための図である。
【図4】 ゴルフコースにおけるエリア等の設定例を示す図である。
【図5】 親機の操作画面の例を示す図である。
【図6】 親機の処理の流れ例を説明するための図である。
【図7】 走行コースの設定処理の例を説明するための図である。
【符号の説明】
1…子機、2…GPS受信部、3…操作制御部、4…無線送受信部、10…親機、11…GPS受信部、12…無線送受信部、13…入出力制御部、14…設定入力部、15…メモリ、16…走行コース設定制御部、17…ディスプレイ、18…走行制御部、19…操舵制御部

Claims (6)

  1. 無線による通信手段を有する子機、及び無線による通信手段を有しカートに搭載されてカートの走行手段と操舵手段を制御する親機からなる自動走行カートシステムであって、
    前記子機及び親機は、複数の衛星からの電波を受信して位置を算出する位置算出手段を備えると共に、
    前記子機は、呼びが入力されると前記位置算出手段により算出された位置の情報を有する呼びを前記通信手段より親機に送信する呼び発生手段を備え、
    前記親機は、走行コースを設定するためのマップ情報を記憶する記憶手段、及び前記通信手段より前記子機から前記位置の情報を有する呼びを受信して前記記憶手段に記憶されたマップ情報に基づき前記子機の位置と当該親機の位置との間の走行コースを設定して前記走行手段と操舵手段を制御する制御手段を備え、
    前記記憶手段に、各ホールのコースエリア毎に走行禁止エリア、該走行禁止エリアを除く走行エリア内にコース状態に応じて走行速度を区分して制限する速度制限エリア及び帯状又は線状にカートを一時停止させる一時停止エリアの情報を少なくとも有するマップ情報を記憶することにより、前記制御手段は、前記子機からの呼びに応じて前記走行エリア内で前記子機の位置まで走行コースを設定して前記カートを自動走行させ、前記速度制限エリアで走行速度を制限し前記一時停止エリアで一時停止させるように構成したことを特徴とする自動走行カートシステム。
  2. 前記カートの前面に障害物を検出するセンサーを設け、前記制御手段は、前記センサーにより障害物が検出された場合に走行を停止させるようにしたことを特徴とする請求項1記載の自動走行カートシステム。
  3. 前記記憶手段は、部分的に設定される走行指定コースの情報を有する前記マップ情報を記憶し、前記制御手段は、前記走行指定コースを優先的に通る走行コースを設定することを特徴とする請求項1記載の自動走行カートシステム。
  4. 前記制御手段は、前記子機の位置と当該親機の位置との間を前記走行エリア内で前記走行禁止エリアの縁を通る折れ線で結び前記走行コースを設定することを特徴とする請求項1記載の自動走行カートシステム。
  5. 前記記憶手段は、着脱可能なメモリカードまたはメモリチップからなることを特徴とする請求項1記載の自動走行カートシステム。
  6. 前記子機は、無線電話機能を有することを特徴とする請求項1記載の自動走行カートシステム。
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