JP3648743B2 - 「繊維強化複合材料用樹脂組成物とその製造方法、プリプレグ、繊維強化複合材料、ハニカム構造体」 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、繊維強化複合材料用マトリックス樹脂組成物に好適なエポキシ樹脂組成物、プリプレグに関するものである。特に詳しくは、ハニカムコアへの良好な自己接着性を有しつつ、ハニカム構造体のスキンパネル中のポロシティが少ない成形品を与えるプリプレグおよびそのマトリックス樹脂組成物に関するものである。また、プリプレグとしてのタック性に優れ、その経時変化が少なく、またハニカム構造体のスキンパネルとして用いた際にスキンパネル表面の穴や凹みが少ない成形品を与えるプリプレグおよびそのマトリックス樹脂組成物、さらにこれらから得られるハニカム構造体に関するものである。
背景技術
強化繊維とマトリックス樹脂とからなる繊維強化複合材料は、その優れた力学物性などから、航空機、自動車、産業用途に幅広く使われている。近年、その使用実績を積むに従い、繊維強化複合材料に対する要求特性はますます厳しくなってきている。繊維強化複合材料の力学物性や耐久性を十分に引き出すために強度低減に繋がる欠陥を少なくすることが重要である。特に航空機用構造材料においては、軽量化の観点から、繊維強化複合材料をスキンパネルとしてハニカムサンドイッチパネルに組込むケースが増加している。ハニカムコアとしてはアラミドハニカムやアルミニウムハニカムがあるが、特にアラミド紙からなるハニカムコアの両面にプリプレグを積層し、プリプレグそのものの硬化とプリプレグとハニカムコアとの接着を同時に行う、いわゆるコキュア成形によってハニカムサンドイッチパネルを製造することが一般的に行われている。
ここで、ハニカムコアとスキンパネルとしてのプリプレグ積層体との接着強度は重要であり、従来、フィルム状の構造接着剤をハニカムコアとプリプレグ積層体との間に挟みコキュアする手法が多用されてきた。しかしながら、ハニカムサンドイッチパネルのより一層の軽量化および成形コスト低減の見地から、フィルム接着剤を用いないでハニカムとプリプレグを自己接着する方法が近年求められている。
しかし、フィルム接着剤を用いずに接着すると、接着フィルム中の樹脂量に相当する樹脂が無いため、接着フィルムの代わりにプリプレグに内在する樹脂がハニカムコア側へ成形中に移動しハニカム壁を充分に濡らさねばならず、高接着強度を達成することは難しい課題であった。プリプレグ積層体からハニカムコアの厚み方向に、ハニカムの壁に沿って樹脂が垂れ、あるいはせり上がった状態で硬化した部分をフィレットと呼ぶが、このフィレットをハニカムコアと上下のスキンパネル間に充分に形成することが困難なのである。樹脂の粘度が低すぎる場合には、上側のスキンパネルからハニカム壁に沿って樹脂が流れ落ちすぎる傾向にあり、結果として上側スキンパネルとハニカムコアとの接着強度が不足する。一方、樹脂粘度が高すぎると樹脂がハニカム壁を充分濡らすことができず、特に下側スキンパネルとハニカムコアとの接着強度が不足しやすい。
一方、プリプレグ内在樹脂がハニカムコア壁側へ配分されなければならない分、積層体中の樹脂絶対量が不足し、スキンパネル中にポロシティができやすくなるといった問題もある。ハニカム構造体の場合、ハニカムコアの六角形状空洞の上下部分のプリプレグには成形中に圧力がかからないため、通常のプリプレグ積層体を成形するよりポロシティが発生しやすい。
また従来から、スキンパネル表面のピットや凹み、樹脂かすれ等の欠陥を少なくするため、フィルム状の構造接着剤をプリプレグ積層体の表面に貼り、プリプレグとともに硬化する手法が多用されてきたが、ハニカムサンドイッチパネルの一層の軽量化および材料コスト、成形コスト低減の見地から、フィルム接着剤を表面に貼らずに平滑で欠陥のない表面のスキンパネルを成形できればより望ましい。しかし、フィルム接着剤を用いないと接着フィルム中の樹脂量に相当する樹脂が無いため、スキンパネル表面に残る樹脂が相対的に少なくなり、高品位の表面状態を達成することは難しい課題であった。
ハニカム成形に用いることを目的とした炭素繊維を強化繊維とするプリプレグおよびマトリックス樹脂に関する従来技術として以下のものがある。
USP4500660号明細書には特定のエポキシ樹脂と両末端に官能基を有するブタジエンアクリロニトリル共重合体とエポキシ樹脂との反応生成物にジシアンジアミドを配合したエポキシ樹脂組成物が開示されている。プリプレグとハニカムの自己接着性およびスキンパネルの層間剪断強度の改良を目的としている。
特開昭58−82755公報においてはエポキシ樹脂、両末端にカルボキシル基を有する液状のブタジエンアクリロニトリル共重合体とエポキシ樹脂の反応生成物に、硬化剤としてジシアンジアミドとジアミノジフェニルスルホンを併用した組成物を用いれば、プリプレグとハニカムコアとの自己接着性が優れ、特に高温下における接着強度が高くなること及びハニカムサンドイッチパネル表面板に欠陥を発生させないとの目的が記載されている。
USP5557831号明細書においてはチキソトロピー性の高い樹脂をハニカムコキュア用織物プリプレグに用いスキンパネル内部のポロシティを減少させる効果の記載がある。
一方、プリプレグを使用する場合にしばしば問題になるのが、プリプレグのタック性(粘着性)およびドレープ性(しなやかさ)である。これらの性質はプリプレグを取り扱う際の作業性に大きく影響する。
プリプレグのタック性が小さすぎると、プリプレグの積層工程において、重ねて押さえつけたプリプレグがすぐに剥離してしまい、積層作業に支障をきたす。かかる場合には、適度のタック性が得られるまで作業環境温度を高くする必要が生じる。逆にプリプレグのタック性があまり大きすぎると、例えば誤って重ねてしまった場合などプリプレグの自重で張り付いてしまい、あとで剥離して修正することが困難になってしまう。
また、プリプレグのドレープ性が乏しいと、プリプレグが堅いため積層作業が著しく低下すると共に、積層したプリプレグが金型の曲面やマンドレルの形状に正確に沿わず、しわ状になったり、強化繊維が折れ、成形品に欠陥が生じてしまう。このような場合にも、作業環境温度を高くする必要が生じるが、タック性とのバランスを採るのが難しく、これらは、成形作業上の非常に大きな問題となっている。
これらの、プリプレグのタック性やドレープ性は主としてマトリックス樹脂の粘弾性に支配されるが、一般にエポキシ樹脂の粘弾性は温度依存性が大きく、作業環境の温度が変動すると、粘着性やドレープ性が変化し、場合により作業が不可能になってしまうことがある。
さらには、プリプレグ作製直後は表面に樹脂が比較的多く存在し適度のタック性を有する場合でも、時間が経つにつれ樹脂の内部への沈み込みが起こり、次第にタック性が低くなるという経時変化を示す傾向もある。樹脂粘度が比較的高い場合はタック性の経時変化が小さくなる傾向があるが、一方でドレープ性が不足しがちになる。つまり、従来の樹脂を用いたのでは、タック性、ドレープ性のどちらかが不足してしまうという問題点があった。
プリプレグのタック性等を改良するため、エポキシ樹脂に熱可塑性樹脂やエラストマーなどの高分子化合物を配合することが知られている。例えば、USP4859533号明細書にはポリビニルホルマール樹脂を配合する方法が示されている。しかし、高分子化合物を多量に配合すると樹脂粘度が上昇しドレープ性が悪くなってしまうという制約があるため、特に高弾性率炭素繊維を用いたプリプレグでは、満足できるタック性、ドレープ性を両立する樹脂を見出すことが困難であった。
また、USP5030698号明細書には、エポキシ樹脂、ブタジエン、アクリロニトリルをベースとする液状コポリマーおよびコポリエステル、コポリアミドなどからなるセグメント化コポリマーからなり、構造用ホットメルト接着剤やマトリックス樹脂または表面塗料に用いられるエポキシ樹脂組成物が開示されているが、上記と同様、ドレープ性、含浸性を犠牲にせずにタック性を改良するという課題に関して何等の検討もなされておらず、またその解決手段を示唆するものではないばかりか、このようなブタジエン、アクリロニトリルをベースとする液状コポリマーを配合した場合には、樹脂組成物の硬化物の耐熱性および弾性率が低下し、かかる樹脂組成物をマトリックス樹脂としたプリプレグを硬化して得られる繊維強化複合材料の耐熱性や0゜圧縮強度などの物性などにおいて十分な特性が得られていなかった。
国際出願WO96/02592には、ポリアミド系またはポリエステル系の熱可塑性エラストマーを含有するエポキシ樹脂組成物をマトリックス樹脂としたプリプレグは、ドレープ性、タック性ともに優れる旨の記載がある。しかし、ハニカムサンドイッチパネルの表面平滑性向上については何等の検討もなされておらず、またその解決手段を示唆するものではない。
発明の目的
以上の公知例に開示された技術は、スキンパネル/ハニカムコア間の自己接着性が充分でなかったり、あるいはスキンパネル中のポロシティ低減効果を目的とせず、その効果について述べていないものであった。また、ハニカムサンドイッチパネルのスキンパネル表面に接着フィルムを貼らずに、プリプレグ積層硬化板をスキンパネルの表面そのものとして用いた際の表面平滑性が以上の公知例に開示された技術では充分でなく、また、パネル表面平滑性と同時にプリプレグとしてのタック性、ドレープ性を向上し、その経時変化の低減を可能とする技術はまったく認められない。つまり、スキンパネルとハニカムコアとの自己接着性向上とスキンパネル中のポロシティ低減さらにはハニカムサンドイッチ体のスキンパネルとした際の表面平滑性向上とプリプレグとしてのタック性、ドレープ性のすべてを満足するプリプレグおよびそのマトリックス樹脂を設計することは極めて難しい課題であった。本発明は、ハニカムとの自己接着性およびスキンパネル内のポロシティ低減の特性に優れ、さらにハニカムサンドイッチスキンパネル表面の欠陥低減とプリプレグとしてのタック性、ドレープ性に優れたプリプレグおよびそのマトリックス樹脂組成物を与え、さらには成形体としてのハニカム構造体を提供することを目的とする。本発明のプリプレグは良好なドレープ性も有するため取り扱いやすいといった利点も合わせ持ち、さらには成形体の耐熱性、靭性、耐衝撃性が高いため優れた構造材料として利用できるものである。
発明の開示
上記課題を解決するため本発明の樹脂組成物は次の構成を有する。すなわち、構成要素[A]、[B]および[C]を必須の成分とし、構成要素[C]が平均径40nm 以下の一次粒子からなる無機物を含んでおり、50℃から1.5℃/分で昇温しつつ振動周波数0.5Hzの平行平板で測定した場合の貯蔵剛性率G'が70℃〜100℃の全域において5〜200Paの範囲にあることを特徴とする繊維強化複合材料用樹脂組成物。
[A]エポキシ樹脂
[B]硬化剤
[C]添加剤
あるいは、本発明の樹脂組成物は次の構成を有する。
構成要素[A]、[B]および[C]を必須の成分とし、構成要素[C]が平均径40nm以下の一次粒子からな る無機物を含んでおり、50℃から1.5℃/分で昇温しつつ振動周波数0.5Hzの平行平板で測定した、70℃〜100℃における最低貯蔵剛性率G'minと最高貯蔵剛性率G'maxとが次式の関係にあることを特徴とする繊維強化複合材料用樹脂組成物。
[A]エポキシ樹脂
[B]硬化剤
[C]添加剤
log10(G'max/G'min)≦0.9
あるいは、本発明の樹脂組成物は次の構成を有する。
構成要素[A]、[B]および[C]を必須の成分とし、構成要素[C]が平均径40nm以下の一次粒子からな る無機物を含んでおり、チキソトロピー指数が2.5〜40の範囲であって、50℃から1.5℃/分で昇温しつつ振動周波数0.5Hzの平行平板で測定した場合の80℃での樹脂粘度が100〜1000ポイズの範囲にあり、かつ、昇温過程における樹脂粘度の最低値が30〜400ポイズの範囲にあることを特徴とする繊維強化複合材料用樹脂組成物。
[A]エポキシ樹脂
[B]硬化剤
[C]添加剤
あるいは、本発明の樹脂組成物は次の構成を有する。
構成要素[A]、[B]および[C]を必須の成分とし、構成要素[C]として固形ゴムを樹脂組成物全体に 対して1〜10wt%の範囲で含有し、かつ、平均経40nm以 下の一次粒子からなる無機物である微粒子状シリカを樹脂組成物全体に対してそれぞれ1〜10wt%の範囲で含有することを特徴とする繊維強化複合材料用樹脂組成物。
[A]エポキシ樹脂
[B]硬化剤
[C]添加剤
発明を実施するための最良の形態
プリプレグのタック性、ドレープ性および硬化成形中の樹脂流動は、マトリックス樹脂の粘弾性と相関があり、粘弾性に関するパラメータは樹脂設計上重要である。樹脂の粘弾性の測定には、通常、平行平板を用いた動的粘弾性測定が用いられる。動的粘弾性は、測定温度、測定周波数に依存して変化するが、振動周波数0.5Hzの条件下で測定した貯蔵剛性率G'が上記の特定の範囲にあるときに、プリプレグのタック性が優れ、その経時変化が小さいこと、ドレープ性が適当であること、及びこのプリプレグをハニカム構造体のスキンパネルとして用いた場合、硬化後の表面平滑性が優れていることを見いだし、本発明を完成させた。貯蔵剛性率G'が高すぎるとプリプレグ作製時の樹脂含浸が困難であったり、作製したプリプレグのドレープ性の低下が顕著である。逆にG'が低すぎるとプリプレグのタック性が不十分となったりタック性経時変化が大きくなりやすく、またハニカムサンドイッチ成形体スキンパネルの表面平滑性の低下が顕著である。さらには一方向プリプレグに用いた場合は形態保持性が低下することがある。このような理由により、本発明の樹脂組成物は70℃〜100℃の全域において貯蔵剛性率G'が5〜200Paの範囲にあることを特徴とし、好ましくは10〜100Paの範囲にある場合である。また、より好ましくは貯蔵剛性率G'が70℃〜110℃までの全域において5〜200Paの範囲にある場合であり、さらに好ましくは貯蔵剛性率G'が70℃〜130℃までの全域において5〜200Paの範囲にある場合である。また、エポキシ樹脂組成物の粘弾性関数の温度依存性が小さいことが、プリプレグを扱う作業環境温度の変動があっても取扱い性が変化しにくく、またプリプレグ放置によるタック性の経時変化を小さくする効果を与え、またスキンパネルの表面欠陥を少なくするため好ましい。したがって、G'の温度依存性に関しては、70℃〜100℃の全域においてlog10(G'max/G'min)≦0.9であることを特徴とする。log10(G'max/G'min)≧0.7であることがより好ましく、log10(G'max/G'min)≦0.5であることがさらに好ましい。G'の温度依存性が小さい範囲がより広い温度領域にわたることが効果的であり、上記特性の維持される温度範囲が70℃〜110℃さらには70℃〜130℃であることがより好ましい。そして、上記温度範囲におけるG'が少なくとも70℃〜100℃の全域において5〜200Paの範囲にあり、log10(G'max/G'min)≦0.9であるという両方の条件を満たす場合がさらに好ましい。
また、チキソトロピー指数が2.5〜40の範囲であって、50℃から1.5℃/分で昇温しつつ振動周波数0.5Hzの平行平板で測定した場合の80℃での樹脂粘度が100〜1000ポイズの範囲にあり、かつ、昇温過程における樹脂粘度の最低値が30〜400ポイズの範囲にあるときに、ハニカムとの自己接着性およびスキンパネル内のポロシティ低減に効果的であることを見いだした。ここで、チキソトロピー指数とは、70℃にて振動周波数0.01Hzのパラレルプレートで測定した粘度η0.01と振動周波数1Hzで測定した粘度η1.0との比η0.01/η1.0と定義する。構成要素[C]の添加によって、チキソトロピー指数が2.5〜40の範囲である樹脂組成物を得ることができる。チキソトロピー指数が2.5未満でも40を超えても、プリプレグ用マトリックス樹脂として用いたとき、ハニカムコアへのフィレット形成性、自己接着性が低下する。より好ましくは、チキソトロピー指数が5〜30の範囲である。80℃での粘度が100ポイズ未満あるいは最低粘度が30ポイズ未満である樹脂組成物を用いると、経時的なプリプレグのタック低下傾向や、成形体のポロシティ発生量が増える傾向がある。一方、80℃での粘度が1000ポイズを超えたりあるいは最低粘度が400ポイズを超えた樹脂組成物を用いると、ハニカムコアへのフィレット形成性、自己接着性が低下する傾向にある。より好ましくは、80℃での粘度が100〜500ポイズの範囲にあり、かつ、昇温過程における樹脂粘度の最低値が50〜250ポイズの範囲にある樹脂組成物である。
樹脂組成物の貯蔵剛性率や粘度を前記の範囲に適正化するには、例えば、用いるエポキシ樹脂の種類や粘度、分子量、官能基数、配合比、用いる添加剤(例えばエラストマー、エポキシ樹脂に溶解可能な熱可塑性樹脂あるいは無機や有機の粒子)の種類や分子量、分岐度、添加量などを適宜選択することにより制御することができる。これらの分子量や添加量が大きいと貯蔵剛性率や粘度は大きくなる傾向にある。特に、種々のエラストマーや微粒子は貯蔵剛性率や粘度の適正化に有効である。
以下、構成要素別に本発明を説明する。
本発明において構成要素[A]はエポキシ樹脂である。エポキシ樹脂としては、特に、アミン類、フェノール類、炭素炭素二重結合を有する化合物を前駆体とするエポキシ樹脂が好ましい。具体的には、アミン類を前駆体とするエポキシ樹脂としてテトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジル−p−アミノフェノール、トリグリシジルアミノクレゾールの各種異性体が挙げられる。テトラグリシジルジアミノジフェニルメタンは耐熱性に優れるため航空機構造材としての複合材料用樹脂として好ましい。
フェノールを前駆体とするエポキシ樹脂として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂が挙げられる。液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、低粘度であるために、他のエポキシ樹脂や添加剤の配合に好ましい。
ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂は、低吸水率かつ高耐熱性の硬化樹脂を与えるため好ましい。また、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ジフェニルフルオレン型エポキシ樹脂も低吸水率の硬化樹脂を与えるため好適に用いられる。
これらエポキシ樹脂は単独で用いてもよいし、適宜配合して用いてもよい。少なくとも2官能のエポキシ樹脂および3官能以上のエポキシ樹脂を配合することは、樹脂の流動性と硬化後の耐熱性を兼ね備えるものとするため好ましい。特にグリシジルアミン型エポキシとグリシジルエーテル型エポキシの組合わせは、耐熱性、耐水性とプロセス性の両立を可能にするため好ましい。また、少なくとも室温で液状のエポキシ樹脂1種と室温で固形状のエポキシ樹脂1種とを配合することは、プリプレグのタック性とドレープ性を適切なものとするため好ましい。
特に好ましくは以下のエポキシ樹脂の組み合わせである。すなわち、少なくとも下記エポキシ樹脂の組成割合を、
ビスフェノール型エポキシ樹脂 30〜80%
ノボラック型エポキシ樹脂 0〜35%
テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン 10〜45%
の範囲から選択する。
構成要素[B]は硬化剤である。硬化剤としては、エポキシ基と反応し得る活性基を有する化合物であればこれを用いることができる。好ましくは、アミノ基、酸無水物基、アジド基を有する化合物が適している。より具体的には、例えば、ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルメタンやジアミノジフェニルスルホンの各種異性体、アミノ安息香酸エステル類、各種酸無水物、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ポリフェノール化合物、イミダゾール誘導体、脂肪族アミン、テトラメチルグアニジン、チオ尿素付加アミン、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物のようなカルボン酸無水物、カルボン酸ヒドラジド、カルボン酸アミド、ポリメルカプタン、三フッ化ホウ素エチルアミン錯体のようなルイス酸錯体などがあげられる。芳香族ジアミンを硬化剤として用いると、耐熱性の良好なエポキシ樹脂硬化物が得られる。特にジアミノジフェニルスルホンの各種異性体は耐熱性の良好な硬化物を得るため最も適している。その添加量は化学量論的に当量となるよう添加することが好ましいが、場合によって、例えば当量比0.7〜0.8附近を用いると高弾性率樹脂が得られるため好ましい。これらの硬化剤は単独で使用しても併用してもよい。また、ジシアンジアミドと尿素化合物、例えば3,4−ジクロロフェニル−1,1−ジメチルウレアとの組合せ、あるいはイミダゾール類を硬化剤として用いると比較的低温で硬化しながら高い耐熱耐水性が得られるため好ましい。酸無水物にて硬化することはアミン化合物硬化に比べ吸水率の低い硬化物を与えるため好ましい。その他、これらの硬化剤を潜在化したもの、例えばマイクロカプセル化したものを用いれば、プリプレグの保存安定性、特にタック性やドレープ性が室温放置しても変化しにくいため好ましい。
また、これらエポキシ樹脂と硬化剤、あるいはそれらの一部を予備反応させた物を組成物中に配合することもできる。この方法は、粘度調節や保存安定性向上に有効である場合がある。
構成要素[C]は添加剤であり、樹脂組成物の粘弾性を変化させ貯蔵剛性率、粘度、チソトロピー性を適正化する役割がある。具体的には平均径40nm以下の一次粒子 からなる無機物を含んでなり、固形ゴム、液状ゴム、熱可塑性樹脂エラストマー、熱可塑性樹脂、有機の粒子や短繊維等から選ばれる1種以上が好ましく併用される
一般に固形ゴムは液状ゴムに比べて同一量をエポキシ樹脂に溶解した場合の粘度上昇が大きく、成形過程の樹脂組成物を適度な粘度レベルに保ちながら、比較的成形物の耐熱性を維持するため好ましい。樹脂組成物の粘弾性関数の温度依存性を減少し、プリプレグを扱う作業環境温度の変動があっても取扱い性が悪化しにくく、またプリプレグ放置によるタック性の経時変化を小さくし、硬化物であるスキンパネルの表面平滑性を向上せしめる。固形ゴムとしてはブタジエンとアクリロニトリルのランダムコポリマーであるアクリロニトリル−ブタジエン共重合体がエポキシ樹脂との相溶性の面から好ましい。アクリロニトリルの共重合比を変化させることでエポキシ樹脂との相溶性を制御できる。さらにエポキシ樹脂との接着性をあげるために官能基を有する固形ゴムがより好ましい。官能基としては、カルボキシル基、アミノ基などがある。特にカルボキシル基を含有する固形アクリロニトリル−ブタジエンゴムが好ましい。また、水素化ニトリルゴムも耐候性に優れるため好ましい。これら固形ゴムの市販品としてNIPOL1072、NIPOL1072J、NIPOL1472、NIPOL1472HV、NIPOL1042、NIPOL1043、NIPOL DN631、NIPOL1001、ZETPOL2020、ZETPOL2220、ZETPOL3110(以上、日本ゼオン(株)製)等が挙げられる。
構成要素[C]が官能基を有しエポキシ樹脂との混合中にエポキシ基と反応し、幾らかの高分子量化や分岐構造を形成することは、プリプレグ放置によるタック性の経時変化を抑え、硬化後のスキンパネルの表面平滑性を高めるため好ましい。特にこうした予備反応を積極的に用いる場合は、優れた表面平滑性を与えプリプレグのタック経時変化を効果的に抑制するために必要な構成要素[C]の添加量が、予備反応させない場合に比較して少量でよい。例えば、予備反応を意図しない場合に構成要素[C]を7重量%添加して達成できる表面平滑性を、積極的に構成要素[C]とエポキシ樹脂を加熱下にて予備反応させれば同じ構成要素[C]の添加量3重量%程度にて達成できる。予備反応は通常加熱下の混合によって行い、70℃以上120℃以下の温度で30分以上混合することが表面平滑性向上やタック経時変化抑制に効果的であり好ましい。より好ましくは70〜100℃の温度で1時間以上混合することである。但し、予備反応を進めすぎると樹脂粘度が高くなりすぎ、フィルム化や繊維への含浸などのプリプレグ作製に必要なプロセスにとって不利となることもある。したがって、さらに好ましい予備反応条件は70〜85℃の温度範囲にて1〜3時間混合することである。構成要素[C]をエポキシ樹脂と予備反応させる際はエポキシ樹脂として官能基数の少ないものとまず反応させ、次いで官能基数の多い、例えば4官能のエポキシを混合することが増粘程度を制御しやすいため好ましい。同様の理由にて4官能以上の官能基数を有するエポキシ樹脂はエポキシ組成中の60%以下であることが好ましい。
構成要素[C]として無機粒子の使用も好ましく、特に 平均径40nm以下の一次粒子からなるものは本発明の必須 構成である。タルク、ケイ酸アルミニウム、微粒子状シリカ、炭酸カルシウム、マイカ、モンモリロナイト、スメクタイト、カーボンブラック、炭化ケイ素、アルミナ水和物等が挙げられる。これらの無機粒子は、レオロジー制御すなわち増粘やチキソトロピー性付与効果が大きい。なかでも微粒子状シリカは樹脂組成物に加えた際にチキソトロピー性発現効果が大きいことが知られているが、それのみでなく樹脂組成物の粘弾性関数の温度依存性を減少し、プリプレグを扱う作業環境温度の変動があっても取扱い性が悪化しにくく、またプリプレグ放置によるタック性の経時変化を小さくし、硬化物であるスキンパネルの表面平滑性を向上せしめ、ハニカムコアへの自己接着性に優れる効果を与えるため好ましい。二酸化ケイ素を基本骨格とする微粒子状シリカとして、例えば一次粒径の平均値は5〜40nmの範囲にあるものがアエロジル(日本アエロジル(株)製)の商標にて市販されている。一次粒子径が40nm以下と細かいことが充分な増粘効果を与えるため好ましい。粒子径は電子顕微鏡にて評価する。比表面積としては50〜400m2/gの範囲のものが好ましい。シリカの表面がシラノール基で覆われているものが一般的に用いられるが、シラノール基の水素をメチル基、オクチル基、ジメチルシリル基、トリメチルシリル基、ジメチルシロキサン等で置換した疎水性微粒子状シリカを用いることは樹脂の増粘効果、チキソトロピー性を安定化させ、さらには成形品の耐水性、圧縮強度に代表される力学物性を向上する面からより好ましい。
構成要素[C]として固形ゴムを用いる場合、添加量は樹脂組成物全体に対して1〜10wt%の範囲で添加することが好ましい。1wt%未満ではプリプレグのタック性が乏しく、ハニカム構造体のスキンパネル表面にピットや樹脂かすれが発生しやすく、またスキンパネル内にはポロシティが発生しやすい。一方、10wt%を超えると樹脂粘度が高すぎプリプレグへの含浸が困難になりやすく、ハニカムコアへの自己接着性も低下する。より好ましい添加量は2〜7wt%の範囲であり、さらに好ましくは2.5〜5wt%の範囲である。
これら固形ゴムのエポキシ樹脂への混合法は、ロール混練や加圧下においてニーダー中で混練するといった手法もあれば、アセトンやメチルエチルケトンといった共通溶媒中に溶解してから溶媒を乾燥除去する方法もある。特に固形ゴムがエポキシ基と反応しうる官能基を有する場合、大量混合において温度管理を行い両者の反応を制御するためには溶媒中での混合の方が好ましい。最終組成物に用いるエポキシ全量のうち一部を固形ゴムとの混合に用いてマスター化しておき、その後残りのエポキシ樹脂その他の成分と混合する方が均一な混合を達成できるため好ましい。
構成要素[C]として無機粒子を添加する場合、樹脂組成物全体に対して1〜10wt%の範囲で添加することが好ましい。1wt%未満ではハニカム構造体のスキンパネル表面にピットや樹脂かすれが発生しやすく、またスキンパネル内にはポロシティが発生しやすい。一方、10wt%を超えると樹脂粘度が高すぎ、プリプレグへの含浸が困難になりやすく、ハニカムコアへの自己接着性も低下する。より好ましい添加量は1〜5wt%の範囲である。固形ゴムと無機粒子は単独で使用してもよいが、併用したほうがスキンパネル表面のピットや内部ポロシティ低減とプリプレグのタック性向上や成形物の耐熱性維持のためより好ましい。その場合のもっとも好ましい添加量は固形ゴム2〜4wt%かつ無機粒子1〜4wt%の範囲である。
これら無機粒子のエポキシ樹脂への混合法は、ロール混練やニーダー混練が通常用いられる。最終組成物に用いるエポキシ全量のうち一部を無機粒子との混合に用いてマスター化しておき、その後残りのエポキシ樹脂その他の成分と混合する方が均一な混合を達成できるため好ましい。しかしながら、固形ゴム添加エポキシのような組成物全体の粘度が高い系の場合は混合時の剪断力が高いため、マスター化していない無機粒子粉末を直接混合する手法においても実用的に充分な混合を達成でき、好ましい混合手法である。
構成要素[C]として熱可塑性エラストマーを添加することも好ましい。特にポリエステル系またはポリアミド系の熱可塑性エラストマーが好ましく配合される。
ポリエステル系またはポリアミド系の熱可塑性エラストマーとは、ハードセグメント成分とソフトセグメント成分からなるブロック共重合体であり、ハードセグメント成分がポリエステル単位あるいはポリアミド単位である構造を有し、室温以下のガラス転移温度と室温以上の融点を有するポリマーである。これらの熱可塑性エラストマーとしては例えば国際出願WO96/02592に記載のものを用いることができる。
また、多くの市販品も使用できる。市販のポリエステル系熱可塑性エラストマーとしては、東レ・デュポン社“ハイトレル”、東洋紡績社“ペルプレン”、アクゾ社“ARNITEL"、ジェネラル・エレクトリックス社“LOMOND"を挙げることができ、ポリアミド系熱可塑性エラストマーとしては、ヒュルス社“VESTAMID"、ATOCHEM社“PEBAX"、EMS社“グリラックスA"、三菱化成“NOVAMID"などを挙げることができる。
以上述べたようなポリエステル系またはポリアミド系の熱可塑性エラストマーを配合したエポキシ樹脂組成物は、優れたタック性を示しながら、低粘度であり、ドレープ性、強化繊維への含浸性にも優れる。また、このような熱可塑性エラストマーを配合しない場合に比較して、樹脂の粘弾性関数の温度依存性、特に室温付近での変化が小さいため、プリプレグの取扱性の温度依存性が小さくなるため好ましい。従って、これを用いたプリプレグは、タック性、ドレープ性、品位ともに優れた特性を発現し得る。このような効果を得るためには、ポリエステル系またはポリアミド系エラストマーをエポキシ樹脂100重量部に対して1〜20重量部配合することが好ましい。ポリエステル系またはポリアミド系の熱可塑性エラストマーの融点はエポキシ樹脂組成物の硬化後の耐熱性に影響を与えるため、100℃以上であることが好ましく、さらには140℃以上であることが好ましい。
ポリエステル系熱可塑性エラストマーを用いた場合とポリアミド系熱可塑性エラストマーを用いた場合とを比較すると、後者の方が繊維強化複合材料の層間剪断強度、90゜引張強度、0゜圧縮強度などの物性が高いため好ましい。
さらに、ポリエステル系またはポリアミド系の熱可塑性エラストマーを含有するエポキシ樹脂組成物が優れたタック性を維持しつつ、機械物性などの優れた複合材料物性を得るためには、エポキシ樹脂に熱力学的に溶解可能な熱可塑性樹脂、特に水素結合性の官能基を有する熱可塑性樹脂を配合することが有効である。これは、マトリックス樹脂と強化繊維の間の接着性が改良されるためと推定される。
これらのポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマーは複数の品種を組合わせて使用することもできる。
熱可塑性エラストマー添加エポキシ樹脂調製の際は、例えば、加熱したエポキシ樹脂にエラストマーを添加して混合し、一旦均一溶液の状態にした後、硬化反応が起こらない程度に温度を低下させ、硬化剤および必要な場合には硬化促進剤を添加して混合することにより得ることができる。従って、用いるポリエステル系またはポリアミド系熱可塑性エラストマーは少なくとも添加混合時の高温状態でエポキシ樹脂に熱力学的に可溶であることが好ましい。また、可溶であっても溶解度が著しく低いと、タック性を高める十分な効果が得られないので、一定以上の溶解度を有していることが好ましい。
構成要素[C]として公知の熱可塑性樹脂を添加することも好ましい。具体的には、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリエチレンオキサイド、共重合ナイロンなどである。
本発明のエポキシ樹脂組成物には上記の添加剤の他に、構成要素[C]としてこれら以外の高分子化合物、反応性希釈剤、鎖延長剤、酸化防止剤、有機粒子などの添加物を含むことができる。
高分子化合物としては、種々の目的でエポキシ樹脂に可溶なものが配合できる。具体的には、欧州特許第475611号公報(対応特開平6−93103号公報)に記載されたような反応性シリコーンなどは硬化樹脂の靭性、延性を向上させ、未硬化樹脂の流動性の調節に効果的であり好ましい。
反応性希釈剤としては、1官能のエポキシ化合物が好ましく用いられる。具体的には、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、p−sec−ブチルグリシジルエーテル、p−tert−ブチルグリシジルエーテルなどが挙げられる。
鎖延長剤としては、ビスフェノール類が好ましく用いられる。具体的には、ビスフェノールA、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノールなどが挙げられる。
酸化防止剤としては、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール、トコフェノールなどのフェノール系酸化防止剤、ジラウリル3,3'−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3'−チオジプロピオネートなどの硫黄系酸化防止剤が好ましく用いられる。
有機粒子としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、エラストマーなどからなる微粒子を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、ポリアミド樹脂からなる粒子、熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの硬化物からなる粒子、エラストマーとしては、架橋ゴム粒子、アクリル酸ブチル共重合体などのエラストマーをポリアクリル酸メチルなどの非エラストマー性高分子で被覆したコア/シェル型ゴム粒子を用いることができる。これらの有機粒子の配合は、主として靭性改良およびハニカムコアとの自己接着性向上のために好ましい。
コア/シェルポリマーは、通常コア相とシェル相からなる球状微粒子で、単にコアとシェルの二重構造からなるもの、あるいはソフトコア、ハードシェル、ソフトシェルおよびハードシェル構造のように多重構造からなるマルチコア/シェルポリマーなどが知られている。これらの内、コアがエラストマー系材料からなるソフトコア、その上からシェル成分を被覆し、さらに重合することにより得られるハードシェルからなる構造を有するものは、他の構造のものに比べエポキシ樹脂への分散性が良好なため好適に用いられる。コア物質としては、例えば、ポリブタジエン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリブチルアクリレート、スチレン−ブタジエンポリマー、エチレン−プロピレンポリマーなどが用いられ、シェル物質としては、例えば、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート、ポリメチルメタアクリレートなどが用いられる。共重合比によって特性を変化させうるが、ゴム相を有する場合一種の固形ゴムであるといえる。
コア/シェルポリマーは、コア成分の含有量が10〜90重量%で、シェル成分の含有量が90〜10重量%の範囲にあることが必要である。コア成分の含有量10重量%未満では十分な高強度効果が得られないし、90重量%を超えるとコアをシェルで完全に被覆することができなくなり、エポキシ樹脂と混合した際に樹脂粘度が経時的に増大したり、コンポジット物性にバラツキが生じたりする。
これらコア/シェル型ゴム粒子は、米国特許第4,419,496号公報、ヨーロッパ特許45,357号公報、特開公55−94917号公報に開示された方法により製造される。また、市販品も使用することができる。市販のコア/シェルポリマーとしては、例えば、パラロイドEXL2655(呉羽化学工業(株)製)TR2122(武田薬品工業(株)製)、EXL−2611、EXL−3387(Rohm & Haas社製)などが挙げられる。コア/シェルポリマーの粒子径は、好ましくは5μm以下、さらに好ましくは1μm以下のものが用いられる。粒子径が10μmより大きいと、強化繊維にマトリックス樹脂を含浸させる際に、微粒子が均一に分散されずに不均一な成形物となり好ましくない。特に粒子径が1μm以下の場合、強化繊維含有率が50体積%以上と高いコンポジットの場合でも繊維配向を乱さず、また、ハニカムコアへの自己接着性向上効果が著しいため好ましい。コア/シェル型粒子の配合量は、エポキシ100重量部に対し1〜15重量部の範囲で添加することが適当である。1重量部よりも少ないと靭性、自己接着性改良の効果が少なく、また15重量部より多いと樹脂組成物の粘度が高くなり強化繊維に含浸させることが困難となる。特に好ましくは3〜10重量部の範囲である。
最終組成物に用いるエポキシ全量のうち一部をコア/シェルゴム粒子と加熱下にて混合しマスター化しておき、その後残りのエポキシ樹脂その他の成分と混合する方が均一な混合を達成できるため好ましい。しかしながら、固形アクリロニトリルブタジエンゴム添加エポキシのような組成物全体の粘度が高い系の場合は混合時の剪断力が高いため、マスター化していないコア/シェルゴム粒子粉末を直接混合する手法においても実用的に充分な混合を達成でき、好ましい混合手法である。
コア/シェル型粒子を配合するにあたって、以下のエポキシ樹脂組成と組み合わせるとハニカムコアへの自己接着性向上が顕著であり特に好ましい。すなわち、少なくとも下記エポキシ樹脂の組成割合を、
ビスフェノール型エポキシ樹脂 50〜80%
ノボラック型エポキシ樹脂 0〜20%
テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン 5〜40%
の範囲から選択するものである。
本発明のプリプレグは次の構成も含む。すなわち、上記樹脂組成物と強化繊維[D]からなるプリプレグである。
強化繊維[D]としては、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維などが用いられる。これらの繊維を2種以上混合して用いても構わない。より軽量で、より耐久性の高い成形品を得るためには、特に、炭素繊維の使用が好ましい。繊維本来の引張強度やハニカム構造体としたときの耐衝撃性が高いという面から、ストランド引張強度4.4GPa以上、引張り破断伸度1.7%以上の高強度炭素繊維がより好ましい。ここでストランド引張強度はJIS R7601に基づいて測定したものである。さらに耐衝撃性向上の面から引張伸度が1.7%以上である炭素繊維の使用が特に好ましく、引張弾性率Eが200GPa以上、破壊ひずみエネルギーが4.0mm・kgf/mm3以上であることが好ましい。なお、破壊ひずみエネルギーとはJIS R7601に準拠して測定したときの引張強度(σ:kgf/mm2)と、弾性率Eとを用いて、次式:W=σ2/2Eに基づいて算出する。こうした高強度高伸度炭素繊維として例えば、東レ(株)製T700SCやT800H、T1000G等が挙げられる。
強化繊維の形態や配列については限定されず、例えば、一方向に引き揃えた長繊維、トウ、織物(クロス)、マット、ニット、組み紐などが用いられる。
一方向に引き揃えた繊維を用いる場合、広幅のプリプレグ以外に細幅のスリットテーププリプレグやボビンから巻き出したストランドに樹脂を含浸させるストランドプリプレグ、ヤーンプリプレグも好ましい。但し、ハニカム構造体の力学特性および成形プロセスの容易さから織物形態のプリプレグが最も好ましい。
強化繊維からなる織物として従来公知の二次元織物を用いることができる。織物組織としては平織、綾織、朱子織といった経糸と緯糸が一定の法則に従って直角に交錯した二軸織物が好ましい。特に平織構造が薄い成形体を造りやすく適している。織物の織糸は繊維束からなるが、一つの繊維束中のフィラメント数が2500〜25000本の範囲が好ましい。2500本を下回ると繊維配列が蛇行しやすく強度低下の原因となりやすい。また、25000本を上回るとプリプレグ作製時あるいは成形時に樹脂含浸が起こりにくく、ポロシティを発生しやすい。より好ましくは2800〜15000本の範囲である。特にフィラメント数6000本以上のものがハニカムスキンパネルの表面平滑性向上の観点から好ましい。同様に繊維束の繊度が1500〜20000デニールであることが好ましい。1500デニールを下回ると繊維配列が蛇行しやすく、20000デニールを上回るとプレプリグ作製時あるいは成形時に樹脂含浸が起こりにくい。
多数本の炭素繊維からなる実質的に撚りのない扁平な炭素繊維マルチフィラメント糸を経糸および/または緯糸とした織物を用いることは、織物プリプレグを長時間放置しておいても織物繊維の動きが小さく表面樹脂の沈み込みが起こりにくいため、プリプレグのタック性の経時変化を抑制し好ましい。また、成形中のプリプレグにおいても織物繊維の動きが小さく表面樹脂の沈み込みが起こりにくいため、硬化後のハニカムスキンパネルの表面平滑性向上をもたらし好ましい。ここで「実質的に撚りがない」とは、糸長1m当たりに1ターン以上の撚りがない状態をいう。特に、実質的にマルチフィラメント糸に撚りがなく、集束性がフックドロップ値で80〜1000mm、好ましくは100〜500mmの範囲にあるマルチフィラメント糸からなる織物を用いることが、織物繊維の動きを小さくし織糸の扁平状態を維持しやすく、プリプレグのタック経時変化およびハニカムスキンパネル表面平滑性向上の観点から好ましい。
ここでフックドロップ値とは温度23℃、湿度60%の雰囲気で炭素繊維束を垂直に吊り下げ、これに直径1mm、長さ100mm程度のステンレスワイヤーの上部および下部の20〜30mmを曲げ、12gの重りを下部に掛け、上部を繊維束に引っ掛け、30分経過後の重りの落下距離で表す値である。撚りや捩れがあるとこの値が小さくなる。炭素繊維糸を用いた補強織物とする場合、一般に炭素繊維はその製造工程において切れたフィラメントのローラーへの巻き付きによる工程トラブルを防ぐため、プリカーサーの繊維束のフィラメント同士を交絡させて、炭素繊維糸に集束性を付与している。また、サイジング剤の付着量やフィラメント同士の接着により炭素繊維糸に集束性を付与している。フィラメント同士の交絡度合い、サイジング剤の付着量や接着の度合いによって集束性を制御する。フックドロップ値が80mm以下となり集束性が強すぎると、後述する織物のカバーファクターあるいはプリプレグのカバーファクターを大きくしにくい。また、プリプレグの含浸性が劣りやすい。その結果、スキンパネルの表面ピットや内部のボイドが発生しやすくなる。フックドロップ値が1000mm以上であると炭素繊維糸の集束性が悪くなり毛羽が発生しやすく製織性が悪くなり、また複合材料としての強度低下につながる。炭素繊維マルチフィラメント糸が扁平であり、糸厚みが0.05〜0.2mm、糸幅/糸厚み比が30以上、織物目付が100〜320g/m2である織物を用いることは、クリンプを小さく抑え、織物繊維の動きを小さくし、樹脂含浸後のプリプレグ中の樹脂の動きが少なく、プリプレグのタック経時変化抑制およびハニカムスキンパネル表面平滑性向上をもたらすため好ましい。こうした扁平な織糸を用いることによって通常の織物より繊維密度の高い織物を得ることができ、タック経時変化の少ないプリプレグを得やすく、ハニカムスキンパネル表面平滑性も向上するため好ましい。織物プリプレグとしての厚さが、0.15〜0.35mmであることは織糸の屈曲に基づく凹凸があまり発生せず、ハニカムスキンパネル表面平滑性向上の観点から好ましい。
以上のような扁平な炭素繊維マルチフィラメント糸を用いた織物は、特開平7−300739に記載の手法にて作製できる。
本発明においては、プリプレグ中の樹脂含量が33〜50wt%の範囲が好ましい。樹脂含量が33wt%以下の場合は、プリプレグのタック性が不足しやすくスキンパネル上の表面ピットや樹脂かすれ、およびスキンパネル内のポロシティが発生しやすい。また、樹脂含量が50wt%を越えるとタック過多となりやすく、プリプレグ作製時に樹脂フローが起こりやすいという懸念点が有り、また成形体の重量が増えるため軽量化の利点が小さくなる。特に好ましくは樹脂含量が35〜45wt%の範囲である。
上記構成要素からなる織物プリプレグは、プリプレグとなった後、経糸間と緯糸間に形成される隙間である織目が潰れていることが好ましい。カバーファクターが96%以上のクロスプリプレグであると特に表面平滑性が良く、内部ポロシティのないハニカム成形板を得やすく、カバーファクターが不十分な場合はハニカム成形板表面にピット、内部にポロシティが発生しやすい。また、カバーファクターが大きいとバーンスルー特性に優れた成形板を与えるクロスプリプレグが得られる。但し、カバーファクターが99.9%を越えるとプリプレグとして重要なドレープ性が損われる。したがって本発明に適したカバーファクターKpの範囲は96〜99.9%であり、さらに好ましいKpの範囲は97.5〜99.9%である。
カバーファクターは次のようにして測定するのが好ましい。すなわち、まず実態顕微鏡、たとえば株式会社ニコン社製実態顕微鏡SMZ−10−1を使用して、プリプレグの裏面側から光を当てながら、プリプレグの表面を写真撮影する。これにより、織糸部分は黒く織目部分は白い、織物の透過光パターンが撮影される。光量はハレーションを起こさない範囲に設定する。この発明においては株式会社ニコン社製ダブルアームファイバーの光をアクリル板で反射させて使用した。撮影倍率は、後の画像解析において解析範囲に経糸および緯糸がそれぞれ2〜20本入るよう、10倍以内に設定する。次に、得られた写真をCCD(charge coupled device)カメラで撮影し、撮影画像を白黒の明暗を表わすデジタルデータに変換してメモリに記憶し、それを画像処理装置で解析し、全体の面積S1と、白い部分(織目部分)の面積S2とから次式のカバーファクター(Cf)を計算する。同様のことを、同じ織物について10箇所行い、その単純平均値をもってカバーファクターとする。
Cf=[(S1−S2)/S1]×100
本発明においては、CCDカメラおよび画像処理装置として、株式会社ピアス社製パーソナル画像解析システムLA−525を使用した。画像の解析範囲は、横方向は最も左に写っている経糸の左端から最も右に写っている経糸の左端までとし、縦方向は最も上に写っている緯糸の上端から最も下に写っている緯糸の上端までとし、この範囲に経糸および緯糸がそれぞれ2〜20本入るようにした。なお、デジタルデータには織糸部分(黒い部分)と織目部分(白い部分)との境界に黒と白との中間部分が含まれる。この中間部分を織糸部分と織目部分に区別判定するしきい値を設定する必要がある。そのためモデルとして実際のカバーファクターが75%の格子を作製し、それがカバーファクター75%として正しく認識されるように規格化を行った。すなわち、透明な紙に幅6mmの黒色テープを縦横に格子状に貼りつけカバーファクターが75%のモデルを作り、CCDカメラの絞りを2.8とし、画像解析システムLA−525のメモリ値が128以下の部分を織糸部分と認識するよう規格化した(このシステムでは、白黒の明暗が0〜255段階のメモリ値として記憶される)。
織物段階でのカバーファクターKcが92〜99.5%であることは、プリプレグ作製時の加圧によりプリプレグとした際のカバーファクターKpを96〜99.9%の範囲に調節しやすく好ましい。
プリプレグの製造方法として、マトリックス樹脂を溶媒に溶解して低粘度化し、含浸させるウエット法と、加熱により低粘度化し、含浸させるホットメルト法(ドライ法)などの方法があげられる。ホットメルト法は、強化繊維とエポキシ樹脂組成物を離型紙などの上にコーティングしたフィルムを両側あるいは片側から重ね、加熱加圧することにより樹脂を含浸させプリプレグを作製する方法であり、樹脂含有量やプリプレグ厚みを制御しやすいためより好ましい。
本発明のプリプレグを成形する方法は、真空バッグ成形、真空バッグを用いたオートクレーブ成形、プレス成形等を挙げることができるが、高性能のハニカム構造体を得るためにはオートクレーブ成形が好ましい。
ハニカムコアとしては軽量でありながら高強度の構造体を形成できる点で、フェノール樹脂を含浸させたアラミド紙からなるノーメックスハニカムコアが特に好ましい。セルサイズは3〜19mmの範囲が一般に用いられる。他にアルミハニカム、GFRPハニカム、グラフィトハニカム等を用いてもよい。
本発明において、樹脂組成物の貯蔵剛性率G'は、レオメトリックス社製RDA−II型装置を用いて次の条件で測定した。
操作モード:ダイナミックモード
振動周波数範囲:0.5Hz
プレート構成:平行円板(半径25mm)
ギャップ0.83mm
測定温度範囲:50〜150℃
昇温速度:1.5℃/min
歪み量:トルクが2〜200g・cmの範囲に入るように自動制御。
エポキシ樹脂組成物のチキソトロピー指数と樹脂粘度も同様にレオメトリックス社製RDA−II型装置を用いて次の条件で測定した。
(チキソトロピー性測定条件)
操作モード:ダイナミックモード
振動周波数範囲:0.01Hz〜1.0Hz
プレート構成:平行円板(半径25mm)
ギャップ0.83mm
測定温度(樹脂温度):70℃
歪み量:100%
(樹脂粘度特定条件)
操作モード:ダイナミックモード
振動周波数範囲:0.5Hz
プレート構成:平行円板(半径25mm)
ギャップ0.83mm
測定温度範囲:50〜150℃
昇温速度:1.5℃/min
歪み量:トルクが2〜200g・cmの範囲に入るよう、自動制御。
ハニカムコアとスキンパネルとの自己接着性の指標としては、フラットワイズ引張強度(FWT)およびクライミングドラムピール強度(CDP)を用いた。これらの試験に用いるハニカムコアとしては、ノーメックスハニカムSAH1/8−8.0(昭和飛行機(株)社製:SAH1/8−8.0、厚み12.7mm)を用いた。また、織物プリプレグの積層構成は、ハニカムコアの上下とも(±45゜)/(0゜/90゜)の2プライの対称積層とした(最外層が±45゜)。硬化は1.5℃/分で180℃まで昇温し、同温で2時間保持する条件でオートクレーブを行った。その際、まず、ナイロンバッグをアルミニウムツール板上の積層体にかぶせ、バッグ内を真空状態に保った状態でオートクレーブに入れ、次に1.5kg/cm2まで圧力を与えたところでバッグ内の真空を常圧に戻し、その後3kg/cm2まで昇圧してから昇温を行った。
スキンパネル内ポロシティが面積法によって定量化した。ハニカムコアの上面に織物プリプレグを上から(±45゜)/(0゜/90゜)/(0゜/90゜)/(0゜/90゜)、ハニカムコア下面に(0゜/90゜)/(0゜/90゜)/(±45゜)の構成にて積層し、上記条件にてプリプレグをハニカムコアに自己接着させ硬化した成形体の断面について顕微鏡写真を25倍の倍率にて撮影し、長さ約26cm×幅約19cmのハニカム成形体を幅方向に切断し、下面のスキンパネル断面内のポロシティ面積をスキンパネルの断面積で除した数値を指標とした。この時、断面観察した全視野の中で最もポロシティの多い25.4mm長さの範囲を選び、ポロシティ面積を算出した。
表面平滑性は次の方法によりハニカムスキンパネルを成形し、表面粗さ計により評価した。まず、ハニカムコア(昭和飛行機(株)社製:SAH1/8−8.0、厚み12.7mm)の両面に片面2プライの面対象になるように、(0゜/90゜)/(±45゜)(最外層が±45゜)の構成にてプリプレグを積層した。上記の硬化条件にてプリプレグを硬化しつつハニカムコアと自己装着させるものである。このハニカムスキンパネルのツール板側の表面平滑性をミツトヨ(株)社製表面粗さ計サーフテスト301によって定量化した。触針により長さ8mmを評価し、その間にある最高点から5点を選んだ平均高さと最低点から5点を選んだ平均高さとの差を求めた。これを5回実施し平均値を求めた。
また、耐衝撃性評価のためには、上記の自己接着性評価用ハニカムサンドイッチパネルと同様の積層構成のものを用いた。ダイナタップ8250を用い、11.3kgの落錘を80cmの高さから落とし、損傷を調べた。
プリプレグのタック性評価として、プリプレグどうしを圧着後、引き剥す力を測定した。この測定法には、負荷応力、速度、時間等多くのパラメーターが存在する。これらは、プリプレグの使用する状態等を考慮に入れて適宜決定すれば良い。本実施例におけるタック性の評価に関しては、測定装置として“インストロン"4201型万能材料試験機(インストロン・ジャパン株式会社製)を使用して、以下の条件で測定した。
・サンプル:50×50mm
・負荷速度:1mm/min.
・接着負荷:0.12MPa
・負荷時間:5±2sec
・剥離速度:10mm/min.
・環境 :25℃、相対湿度50%
プリプレグのドレープ性は、プリプレグの曲げ弾性率測定により評価した。曲げ弾性率の測定法は、概ねJIS K7074「繊維強化プラスチックの曲げ試験法」に従った。しかし、プリプレグは通常かなり薄いため、適宜条件を設定して行う必要があり、本発明の実施例に関しては、測定装置として“インストロン"4201型万能材料試験機(インストロン・ジャパン株式会社製)を使用して、以下の条件で測定した。
・サンプル :85mm(横糸方向)×15mm(横糸方向)
・負荷速度 :5mm/min.
・スパン長さ:40mm(L/D=40/0.06)
・圧子径 :4mmφ
・環境 :25℃、相対湿度50%
本発明によればハニカムコアへの自己接着性に優れ、ハニカムサンドイッチパネル成形体とした時、高いスキンパネルの剥離強度を有し、スキンパネル内部のポロシティが少なく、またスキンパネル表面のポロシティ、ピット低減、平滑性に優れ、かつ適切なタック、ドレープ性、優れた保存安定性を有するプリプレグおよびそのマトリックス樹脂組成物が得られる。また得られたハニカムサンドイッチパネル成形体は耐衝撃性、耐熱耐水性に優れる。
以下実施例によって本発明を詳細に説明する。
実施例1
ビスフェノールA型液状エポキシ(油化シェルエポキシ(株)社製Ep828)50重量部、クレゾールノボラック型固形エポキシ(住友化学工業(株)社製ESCN220)30重量部、カルボキシル基含有固形アクリロニトリルブタジエンゴム(日本ゼオン(株)製NIPOL1072)4重量部をニーダーで80℃にて混練しながら3時間予備反応させた。60℃に降温した後、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(住友化学工業(株)社製ELM434)20重量部、トリメチルシリル基で表面処理した微粒子シリカ(デグサ社製アエロジルR812)3重量部を加え、混練下1時間予備反応させた。ここに硬化剤として4、4′ジアミノジフェニルスルホン40重量部を加え60℃にて30分撹拌しエポキシ樹脂組成物を調製した。この樹脂組成物の貯蔵剛性率G'を0.5Hzの平行平板にて測定したところ70℃〜100℃の温度域における最低値は95℃での11Paであり、最高値は70℃での34Paであった。log10(G'max/G'min)=0.49であった。また、70℃〜130℃へ温度域を広げてもG'の最低値、最高値は同一であった。このエポキシ樹脂組成物の70℃におけるチキソトロピー指数は13であった。また、このエポキシ樹脂組成物の粘度を測定したところ80℃での粘度は200ポイズ、最低粘度は90ポイズであった。この樹脂組成物を180℃で2時間で硬化させた樹脂のTgは216℃であった。
樹脂組成物を離型紙上に65℃でコーティングし、樹脂目付が66g/m2の樹脂フィルムを作製した。この樹脂フィルムをプリプレグマシンにセットし、ストランド引張強度4.9GPa、引張弾性率2.3GPa、引張破断伸度2.1%である炭素繊維T700SC−12K(繊維数12000本、繊度7200デニール、フックドロップ値254mm)からなる東レ(株)製炭素繊維平織織物(目付190g/m2、織物のカバーファクターKcは98.7%)の両面から樹脂含浸をおこないプリプレグを得た。この時の含浸温度は100℃とした。作製されたプリプレグのカバーファクターKpは99.6%であった。
ハニカムコアとプリプレグの積層体をフッ素樹脂フィルムを敷いたアルミニウム板上に乗せ、積層体はナイロンフィルムで真空パックしオートクレーブ成形を行った。プリプレグとハニカムコア間には接着フィルムは挟まず、プリプレグを硬化させつつ直接ハニカムコアに接着させた。このようにして得られたハニカムサンドイッチパネルについてフラットワイズ引張強度を測定したところ、3.76MPaの値を得た。また、ASTM D1781に従いクライミングドラムピール試験を行ったところ、16.2ポンド・インチ/3インチ幅の剥離強度を示した。
下側スキンパネル内のポロシティ含有率を求めるため、サンドイッチパネルの横断面をサンドペーパーおよびアルミナ粉末で研磨し光学顕微鏡写真を撮影した。この写真からポロシティは0.1%と求められた。また、ハニカムサンドイッチパネルのツール面側の表面粗さを測定したところ、5.6μmであり優れていた。
積層、成形前のプリプレグのタック性を測定したところ0.15MPaであった。また、ドレープ性を評価したところ3.1GPaであり適度であった。気温25℃、相対湿度50%の環境に10日間放置した後のタック性は0.11MPaであった。
比較例1
微粒子シリカを添加しないこと以外は実施例1と同様の手法にて樹脂組成物を調製した。この樹脂組成物の貯蔵剛性率G'を0.5Hzの平行平板にて測定したところ70℃〜100℃の温度域における最低値は100℃での2.4Paと低く、最高値は70℃での28Paであった。log10(G'max/G'min)=1.07と大きかった。また、70℃〜130℃での最低値は115℃での1.2Paと低く、最高値は70℃での28Paであった。
ついで、実施例1と同様の手法にてプリプレグを得た。プリプレグのカバーファクターKpは97.9%であった。プリプレグのタック性を測定したところ0.17MPaであった。また、ドレープ性を評価したところ2.7GPaであった。気温25℃、相対湿度50%の環境に10日間放置した後のタック性は0.03MPaと低下が大きかった。
実施例1と同様の手法にて得たハニカムサンドイッチパネルについてフラットワイズ引張強度を測定したところ、1.73MPaの値を得た。また、ASTM D1781に従いクライミングドラムピール試験を行ったところ、8.5ポンド・インチ/3インチ幅の剥離強度を示した。
下側スキンパネル内のポロシティ含有率を求めるため、サンドイッチパネルの横断面をサンドペーパーおよびアルミナ粉末で研磨し光学顕微鏡写真を撮影した。この写真からポロシティは1.5%と求められた。ハニカムサンドイッチパネルについて表面平滑性を測定したところ、35.3μmであり平滑性が不足していた。
比較例2
クレゾールノボラック型固形エポキシ(住友化学工業(株)社製ESCN220)30重量部、カルボキシル基含有固形アクリロニトリルブタジエンゴム(日本ゼオン(株)製NIPOL1072)8.5重量部をニーダー中で40〜50℃にて1時間混練した。この温度ではカルボキシル基とエポキシとの予備反応は不十分である。ここにビスフェノールA型液状エポキシ(油化シェルエポキシ(株)社製Ep828)50重量部、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(住友化学工業(株)社製ELM434)20重量部を加え60℃にて1時間混練した。さらに硬化剤として4、4′ジアミノジフェニルスルホン40重量部を加え60℃にて30分撹拌しエポキシ樹脂組成物を調製した。この樹脂組成物の貯蔵剛性率G'を0.5Hzの平行平板にて測定したところ70℃〜100℃の温度域における最低値は100℃での10Paであり、最高値は70℃での220Paであった。log10(G'max/G'min)=1.35であった。また、70℃〜130℃の温度域での最低値は115℃での3.9Paであり、最高値は70℃での220Paであった。
この樹脂組成物を用い、実施例1と同様にしてプリプレグを得た。但し、樹脂粘度が高いため樹脂塗布は75℃にて行った。それでもフィルム作製が難しく樹脂切れを起こす場所が発生したが、樹脂切れのない場所を用いてプリプレグを作製した。プリプレグのカバーファクターKpは98.1%であった。プリプレグのタック性を測定したところ0.18MPaであった。また、ドレープ性を評価したところ3.1GPaであった。25℃相対湿度50%の環境に10日間放置した後のタック性は0.04MPaであり低下が大きかった。
実施例1と同様の手法にて得たハニカムサンドイッチパネルについてフラットワイズ引張強度を測定したところ、0.83MPaの値を得た。また、ASTM D1781に従いクライミングドラムピール試験を行ったところ、7.1ポンド・インチ/3インチ幅の剥離強度を示した。
下側スキンパネル内のポロシティ含有率を求めるため、サンドイッチパネルの横断面をサンドペーパーおよびアルミナ粉末で研磨し光学顕微鏡写真を撮影した。この写真からポロシティは0.4%と求められた。ハニカムサンドイッチパネルについて表面平滑性を測定したところ、25.1μmであり、平滑性が不足していた。
実施例2
ビスフェノールF型液状エポキシ(大日本インキ化学工業(株)社製Epc830)40重量部、ブロム化ビスフェノールA型固形エポキシ(大日本インキ化学工業(株)社製Epc152)30重量部、カルボキシル基含有固形アクリロニトリルブタジエンゴム(ゼオンケミカル社製NIPOL1472HV)5重量部をニーダーで80℃にて混練しながら3時間予備反応させた。60℃に降温した後、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(住友化学工業(株)社製ELM434)30重量部、ジメチルシリコーン基で表面処理した微粒子シリカ(日本アエロジル社製アエロジルRY200)4重量部を加え、混練下1時間予備反応させた。ここに硬化剤として4、4′ジアミノジフェニルスルホン40重量部を加え60℃にて30分撹拌しエポキシ樹脂組成物を調製した。この樹脂組成物の貯蔵剛性率G'を0.5Hzの平行平板にて測定したところ70℃〜100℃の温度域における最低値は95℃での80Paであり、最高値は70℃での120Paであった。log10(G'max/G'min)=0.17であった。また、70℃〜130℃の温度域での最低値、最高値は同一であった。このエポキシ樹脂組成物の70℃におけるチキソトロピー指数は10であった。また、このエポキシ樹脂組成物の粘度を測定したところ80℃での粘度は300ポイズ、最低粘度は70ポイズであった。この樹脂組成物を180℃で2時間で硬化させた樹脂のTgは208℃であった。
樹脂組成物を離型紙上に70℃でコーティングし、樹脂目付が66g/m2の樹脂フィルムを作製した。この樹脂フィルムをプリプレグマシンにセットし、ストランド引張強度4.9GPaである炭素繊維T700S−12Kからなる東レ(株)製炭素繊維平織織物(目付190g/m2)の両面から樹脂含浸をおこないプリプレグを得た。この時の含浸温度は100℃とした。プリプレグのカバーファクターKpは99.6%であった。
実施例1と同様に、ハニカムサンドイッチパネルについてフラットワイズ引張強度を測定したところ、3.72MPaの値を得た。また、ASTM D1781に従いクライミングドラムピール試験を行ったところ、14.3ポンド・インチ/3インチ幅の剥離強度を示した。下側スキンパネル内のポロシティ含有率は0.2%であった。ハニカムサンドイッチパネルの表面平滑性を測定したところ、9.7μmであり優れていた。
積層、成形前のプリプレグのタック性を測定したところ0.14MPaであった。また、ドレープ性を評価したところ2.9GPaであり適度であった。気温25℃、相対湿度50%の環境に10日間放置した後のタック性は0.10MPaであった。
比較例3
シリカ微粒子アエロジルRY200を0.8重量部、固形ゴムNIPOL1472HVを2.7重量部と少なくする以外は実施例2と同様にして樹脂組成物を得た。この樹脂組成物の貯蔵剛性率G'を0.5Hzの平行平板にて測定したところ70℃〜100℃の温度域における最低値は100℃での2.4Paであり、最高値は70℃での30Paであった。log10(G'max/G'min)=1.10であった。また、70℃〜130℃の温度域での最低値は110℃での1.9Paであり、最高値は70℃での30Paであった。このエポキシ樹脂組成物の70℃におけるチキソトロピー指数は2.2であった。また、このエポキシ樹脂組成物の粘度を測定したところ80℃での粘度は240ポイズ、最低粘度は15ポイズであった。この樹脂組成物を180℃で2時間で硬化させた樹脂のTgは218℃であった。
ついで、実施例2と同様の手法にてプリプレグを得た。プリプレグのカバーファクターKpは99.0%であった。プリプレグのタック性を測定したところ0.15MPaであった。ドレープ性を評価したところ2.8GPaであった。気温25℃、相対湿度50%の環境に10日間放置した後のタック性は0.04MPaであり低下が大きかった。
実施例2と同様の手法にて得たハニカムサンドイッチパネルについてフラットワイズ引張強度を測定したところ、1.52MPaの値を得た。また、ASTM D1781に従いクライミングドラムピール試験を行ったところ、6.5ポンド・インチ/3インチ幅の剥離強度を示した。下側スキンパネル内のポロシティ含有率は1.6%であった。表面平滑性を測定したところ、32.9μmであり平滑性が不足していた。
比較例4
固形ゴムの変わりに液状ゴムCTBN1300を5重量部用いる以外は実施例2と同様にして樹脂組成物を得た。この樹脂組成物の貯蔵剛性率G'を0.5Hzの平行平板にて測定したところ70℃〜100℃の温度域における最低値は100℃での1.1Paであり、最高値は70℃での34Paであった。log10(G'max/G'min)=1.49であった。また、70℃〜130℃の温度域での最低値は125℃での0.8Paであり、最高値は70℃での34Paであった。このエポキシ樹脂組成物の70℃におけるチキソトロピー指数は4.2であった。また、このエポキシ樹脂組成物の粘度を測定したところ80℃での粘度は100ポイズ、最低粘度は10ポイズであった。この樹脂組成物を180℃で2時間で硬化させた樹脂のTgは201℃であった。
ついで、実施例2と同様の手法にてプリプレグを得た。プリプレグのカバーファクターは98.6%であった。プリプレグのタック性を測定したところ0.11MPaであった。ドレープ性を評価したところ2.7GPaであった。気温25℃、相対湿度50%の環境に10日間放置した後のタック性は0.01MPaであり低下が大きかった。
実施例2と同様の手法にて得たハニカムサンドイッチパネルについてフラットワイズ引張強度を測定したところ、1.38MPaの値を得た。また、ASTM D1781に従いクライミングドラムピール試験を行ったところ、3.9ポンド・インチ/3インチ幅の剥離強度を示した。下側スキンパネル内のポロシティ含有率は3.5%であった。について表面平滑性を測定したところ38.2μmであり、平滑性が不足していた。
実施例3
ビスフェノールA型液状エポキシ(油化シェルエポキシ(株)社製Ep828)20重量部、クレゾールノボラック型固形エポキシ(住友化学工業(株)社製ESCN220)30重量部、カルボキシル基含有固形アクリロニトリルブタジエンゴム(日本ゼオン(株)製NIPOL1072)5重量部をニーダーで40〜50℃にて1時間混練した。ここにビスフェノールA型液状エポキシ(油化シェルエポキシ(株)社製Ep828)30重量部、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(住友化学工業(株)社製ELM434)20重量部、トリメチルシリル基で表面処理した微粒子シリカ(デグサ社製アロエジルR812)5重量部を加え60℃にて1時間混練した。さらに、硬化剤として4、4′ジアミノジフェニルスルホン40重量部を加え60℃にて30分撹拌しエポキシ樹脂組成物を調製した。この樹脂組成物の貯蔵剛性率G'を0.5Hzの平行平板にて測定したところ70℃〜100℃の温度域における最低値は95℃での10Paであり、最高値は70℃での45Paであった。log10(G'max/G'min)=0.65であった。また、70℃〜130℃へ温度域を広げてもG'の最低値、最高値は同一であった。このエポキシ樹脂組成物の70℃におけるチキソトロピー指数は15であった。また、このエポキシ樹脂組成物の粘度を測定したところ80℃での粘度は250ポイズ、最低粘度は110ポイズであった。この樹脂組成物を180℃で2時間で硬化させた樹脂のTgは215℃であった。
樹脂組成物を離型紙上に65℃でコーティングし、樹脂目付が66g/m2の樹脂フィルムを作製した。この樹脂フィルムをプリプレグマシンにセットし、ストランド引張強度4.9GPa、引張弾性率2.3GPa、引張破断伸度2.1%である炭素繊維T700SC−12K(繊維数12000本、繊度7200デニール)からなる東レ(株)製炭素繊維平織織物(目付190g/m2、織物のカバーファクターKcは98.7%)の両面から樹脂含浸をおこないプリプレグを得た。この時の含浸温度は100℃とした。作製されたプリプレグのカバーファクターKpは99.5%であった。
ハニカムサンドイッチパネルについてフラットワイズ引張強度を測定したところ、3.59MPaの値を得た。また、ASTM D1781に従いクライミングドラムピール試験を行ったところ、14.5ポンド・インチ/3インチ幅の剥離強度を示した。下側スキンパネル内のポロシティ含有率は0.4%であった。ツール面側の表面粗さを測定したところ、8.8μmと平滑性良好であった。
積層、成形前のプリプレグのタック性を測定したところ0.14MPaであった。ドレープ性を評価したところ3.8GPaであった。気温25℃、相対湿度50%の環境に10日間放置した後のタック性は0.07MPaであった。
実施例4
炭素繊維織物をストランド引張強度3.51GPaである炭素繊維T300−3K(フックドロップ値94mm)からなる東レ(株)製炭素繊維織物“トレカ"CO7373Z(目付193g/m2、織物のカバーファクターKcは92.1%)とした他は実施例1と同様の手法にてプリプレグを得た。プリプレグのカバーファクターは97.5%であった。プリプレグのタック性を測定したところ0.12MPaであり、ドレープ性を評価したところ3.8GPaであった。気温25℃、相対湿度50%の環境に10日間放置した後のタック性は0.07MPaであった。
ハニカムサンドイッチパネルについてフラットワイズ引張強度を測定したところ、3.46MPaの値を得た。また、ASTM D1781に従いクライミングドラムピール試験を行ったところ、15.0ポンド・インチ/3インチ幅の剥離強度を示した。下側スキンパネル内のポロシティ含有率は0.2%であった。ツール面側の表面粗さを測定したところ、10.4μmであった。
ハニカムサンドイッチパネルの耐衝撃性は実施例1より低く、実施例4のパネルの場合は落錘が裏面までパネルを貫通するのに対し、実施例1のパネルは上側のスキンが割れる程度であった。
実施例5
エポキシ樹脂組成をテトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(住友化学工業(株)社製ELM434)30重量部、ビスフェノールA型エポキシ(油化シェルエポキシ(株)社製Ep828)45重量部、ビスフェノールA型エポキシ(住友化学工業(株)社製Ep1001)25重量部とし、コアシェルゴム粒子EXL−2655を6重量部添加した。添加物としてはトリメチルシリル基で表面処理した微粒子シリカ(デグサ社製アエロジルR812)3重量部、カルボキシル基含有アクリロニトリルブタジエンゴム(日本ゼオン(株)製NIPOL1472HV)3.8重量部を用いてニーダーで混練した。硬化剤として4、4′ジアミノジフェニルスルホンを34重量部用いた。この樹脂組成物の貯蔵剛性率G'を0.5Hzの平行平板にて測定したところ70℃〜100℃の温度域における最低値は95℃での12Paであり、最高値は70℃での67Paであった。log10(G'max/G'min)=0.75であった。また、70℃〜130℃へ温度域を広げてもG'の最低値、最高値は同一であった。このエポキシ樹脂組成物の70℃におけるチキソトロピー指数は15.0であった。また、このエポキシ樹脂組成物の粘度を測定したところ80℃での粘度は380ポイズ、最低粘度は210ポイズであった。この樹脂組成物を180℃で2時間で硬化させた樹脂のTgは190℃であった。
次いでこのエポキシ樹脂組成物からプリプレグおよび、ハニカムコキュア成形物を作製した。ハニカムサンドイッチパネルについてフラットワイズ引張強度を測定したところ、3.89MPaの値を得た。また、ASTM D1781に従いクライミングドラムピール試験を行ったところ、20.1ポンド・インチ/3インチ幅の剥離強度を示した。下側スキンパネル内のポロシティ含有率は0.1%であった。ツール面側の表面粗さを測定したところ、7.4μmと平滑性良好であった。
積層、成形前のプリプレグのタック性を測定したところ0.12MPaであった。ドレープ性を評価したところ3.2GPaであった。気温25℃、相対湿度50%の環境に10日間放置した後のタック性は0.10MPaであった。
その他の実施例6〜9を合わせ、CFRPの吸水率や吸水後の200Fでの圧縮強度等を含めて表1にまとめた。
産業上の利用可能性
本発明に係るプリプレグは、特にハニカムコアへの良好な自己接着性を有しつつ、ハニカム構造体のスキンパネル中のポロシティが少ない成形品を与える。また、プリプレグとしてのタック性に優れ、その経時変化が少なく、またハニカム構造体のスキンパネルとして用いた際にスキンパネル表面の穴や凹みが少ない成形品を与える。従って本発明に係る繊維強化複合材料は、その優れた力学物性などから、航空機、自動車、産業用途に、特に航空機用構造材料において、広範に用いることができる。
Figure 0003648743
Figure 0003648743

Claims (21)

  1. 構成要素[A]、[B]および[C]を必須の成分とし、構成要素[C]が平均径40nm以下の一次 粒子からなる無機物を含んでおり、50℃から1.5℃/分で昇温しつつ振動周波数0.5Hzの平行平板で測定した場合の貯蔵剛性率G'が70℃〜100℃の全域において5〜200Paの範囲にあることを特徴とする繊維強化複合材料用樹脂組成物。
    [A]エポキシ樹脂
    [B]硬化剤
    [C]添加剤
  2. 構成要素[A]、[B]および[C]を必須の成分とし、構成要素[C]が平均径40nm以下の一次 粒子からなる無機物を含んでおり、50℃から1.5℃/分で昇温しつつ振動周波数0.5Hzの平行平板で測定した、70℃〜100℃における最低貯蔵剛性率G'minと最高貯蔵剛性率G'maxとが次式の関係にあることを特徴とする繊維強化複合材料用樹脂組成物。
    [A]エポキシ樹脂
    [B]硬化剤
    [C]添加剤
    log10(G'max/G'min)≦0.9
  3. 構成要素[A]、[B]および[C]を必須の成分とし、構成要素[C]が平均径40nm以下の一次 粒子からなる無機物を含んでおり、チキソトロピー指数が2.5〜40の範囲であって、50℃から1.5℃/分で昇温しつつ振動周波数0.5Hzの平行平板で測定した場合の80℃での樹脂粘度が100〜1000ポイズの範囲にあり、かつ、昇温過程における樹脂粘度の最低値が30〜400ポイズの範囲にあることを特徴とする繊維強化複合材料用樹脂組成物。
    [A]エポキシ樹脂
    [B]硬化剤
    [C]添加剤
  4. 構成要素[C]が平均径40nm以下の一次粒 子からなる無機物の他に、固形ゴム、熱可塑性エラストマー、熱可塑性樹脂から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1〜3記載の繊維強化複合材料用樹脂組成物。
  5. 構成要素[C]が固形ゴムとしての固形ブタジエンアクリロニトリルゴムおよびコアシェルゴム粒子と、平均径40nm以下の一次粒子からなる無機物として 微粒子状シリカの両方を必須成分とすることを特徴とする請求項4記載の繊維強化複合材料用樹脂組成物。
  6. 構成要素[A]、[B]および[C]を必須の成分とし、構成要素[C]として固形ゴムを樹脂組 成物全体に対して1〜10wt%の範囲で、かつ、平均径40 nm以下の一次粒子からなる無機物である微粒子状シリカを樹脂組成物全体に対してそれぞれ1〜10wt%の範囲で含有することを特徴とする繊維強化複合材料用樹脂組成物。
    [A]エポキシ樹脂
    [B]硬化剤
    [C]添加剤
  7. 微粒子状シリカが疎水性であることを特徴とする請求項記載の繊維強化複合材料用樹脂組成物。
  8. 固形ゴムが固形アクリロニトリルブタジエンゴムおよびコアシェルゴム粒子であることを特徴とする請求項記載の繊維強化複合材料用樹脂組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の樹脂組成物と強化繊維[D]からなるプリプレグ。
  10. 強化繊維[D]が炭素繊維であることを特徴とした請求項記載のプリプレグ。
  11. 強化繊維[D]が引張強度4.4GPa以上の炭素繊維であることを特徴とした請求項記載のプリプレグ。
  12. 強化繊維[D]が炭素繊維からなる織物であることを特徴とした請求項記載のプリプレグ。
  13. 強化繊維[D]からなる織物が平織構造であることを特徴とした請求項12記載のプリプレグ。
  14. 集束性がフックドロップ値で80〜1000mmの範囲の扁平な炭素繊維マルチフィラメント糸を、経糸および/または緯糸とした織物を強化繊維[D]として用いることを特徴とする請求項12記載のプリプレグ。
  15. 炭素繊維マルチフィラメント糸の糸厚みが0.05〜0.2mm、糸幅/糸厚み比が30以上である織物を強化繊維[D]として用いることを特徴とする請求項12記載のプリプレグ。
  16. 炭素繊維マルチフィラメント糸を経糸および緯糸とし、織物目付が100〜320g/m2である織物を用いることを特徴とし、厚さが0.15〜0.35mmの範囲にある請求項12記載のプリプレグ。
  17. 織物プリプレグでの経糸間と緯糸間に形成される隙間である織目が潰され、カバーファクターKpが96〜99.9%の範囲であることを特徴とした請求項12記載のプリプレグ。
  18. 構成要素[C]が官能基を有し、エポキシ樹脂との混合中に70℃以上120℃以下の温度にて30分以上予備反応させることを特徴とする請求項1〜8のい ずれかに記載の繊維強化複合材料用樹脂組成物の製造方法。
  19. 構成要素[C]が固形ゴムを含み、その官能基がカルボキシル基であることを特徴とする請求項18記載の繊維強化複合材料用樹脂組成物の製造方法。
  20. 請求項に記載のプリプレグを硬化して得られる繊維強化複合材料
  21. 請求項20記載の繊維強化複合材料をスキンパネルとするハニカム構造体
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