JP3616314B2 - 銅電解殿物の処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、銅電解殿物の処理方法に関するものであり、特には脱銅工程、塩化浸出工程及び金抽出工程を経由する予備処理を施した銅電解殿物からの金抽出後液に対して特定条件下で亜硫酸ガス還元処理を行うことにより、金・白金族をセレン・テルルから効率よく分離回収する方法、更にはその後特定条件下で亜硫酸ガス還元処理を行うことによりセレンをテルルから効率よく分離回収する方法に関する。
本発明は、上記金抽出後液から、湿式工程を通して、金・白金族、セレン、及びテルル精製用原料を効率よく分離回収することを特徴とする。
【0002】
【従来の技術】
銅の電解精製においては、転炉からの粗銅を精製炉において99.5%程度に精製し、鋳造した陽極(アノード)と陰極としての種板を電解槽に交互に数十枚一組で吊し、電解精製が実施される。種板上に電着した銅は電気銅と呼ばれ、周知の態様で爾後処理されて商品化される。電解槽の底には陽極に含まれる不純物が泥状で沈積し、これは銅電解殿物(アノードスライム)と呼ばれている。銅電解殿物には、銅に加えて、金を始め、原料中の貴金属が濃縮しており、貴金属回収の主要原料である。この他、セレン及びテルルも含まれている。銅電解殿物の分析例を以下の表1に示す:
【0003】
【表1】
【0004】
銅電解殿物の処理については、乾式法、湿式法のいずれの処理法も実用化されているが、設備コスト、処理流れ等の面から湿式法の方が有用性が高いと考えられる。湿式法においては、銅電解殿物を電解液でリパルプし、殿物中に残留している銅、テルル、砒素その他の溶解可能な不純物を溶解し、貴金属、セレン等を主体とする不溶解物と固液分離し、貴金属の濃縮精製を行う。不溶解物の主要な成分は、銀、セレン、金、白金族、テルル、鉛等である。これを塩酸を含む溶液で酸化溶解し、銀は塩化物として固液分離し、銀精製工程で高純度銀とする。こうして固液分離された液中には、セレン、金、白金族等が溶解しており、この液から溶媒抽出により金を抽出する。金抽出後の後液には、大量のセレンと微量の金、白金族とが含まれている。この液には、大量のセレンが含まれているためセレンを回収する必要があるが、セレン回収方法として液を還元し、セレンと白金族とを同時に還元する方法が用いられていた。
【0005】
この大量のセレンとそこに含有される白金族等を濃縮分離する方法として、例えば、J.E.Hoffmannは、「Proceedings of COPPER 95−COBRE95 Innternationaru Connference」において銅電解殿物を湿式処理し、セレン及び白金族・金を回収する次の方法を報告している:
「セレンは金を回収した後液からエレメンタルに還元回収される。還元反応は85℃以上で、亜硫酸ガスによって還元される。白金、パラジウム、銀、テルルも同時に還元される。セレンを蒸留分離し、蒸留残滓に白金族・金が濃縮されるが、これら回収物は200メッシュ以下に粉砕して、元の工程に繰り返す。金、銀はその上流工程で回収され、白金、パラジウムは回収に適した濃度に濃縮されたら処理する。」
図5は、この従来法によるプロセスフローシートを示す。
【0006】
上記の工程では、セレンと同時にすべての有価物を回収し、元の工程に繰り返すため、次のような問題があった:
▲1▼セレンの蒸留残滓中の白金族の濃縮度が低いため、ある程度の濃度が確保できるまで、この蒸留残滓を元工程に繰り返し、濃縮する必要がある。
▲2▼白金族・金精製にとっての不純物であるセレン・テルルを白金族・金と共に元工程に繰り返すため精製工程の負担が大きい。
▲3▼繰り返し物はセレンの蒸留残滓であるためガラス状の塊であり、元工程に繰り返し、塩酸溶液で溶解を効率よく行うためには、200メッシュ以下に粉砕しなければならない。セレン粉砕は、セレンの融点が低いこと、形態によりガラス状になること、粉塵対策に充分な環境対応が必要であること等の問題がある。
▲4▼パラジウム、白金を濃縮するために工程内を繰り返すため、早期に商品化できない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
詰まるところ、上記を含めて従来技術の方法では、金、白金、パラジウムといった白金族・金とセレン・テルルとの分離が不完全であるという基本的問題点が存在する。銅電解殿物中のセレンは約15%程度あり、それに比べて、回収しようとするパラジウムは0.2%そして白金は0.02%と、品位の差が大きい。このため、殿物を液中に溶解し、金を回収した後液中では、セレンが20〜40g/lに対して、パラジウムは約0.5g/lそして白金は約0.06g/lとなる。この濃度差は、パラジウムでは80倍そして白金では実に800倍にも達する。通常の還元剤では、これら元素が溶液中の濃度比に近い比率で還元されるために、還元物は、非常にセレン含有量の高い白金族・金原料となる。このため、パラジウムをその後溶媒抽出により精製する場合、抽出時に固体状のセレンが析出し、反応槽を埋め、配管を閉塞しまた分相を悪化させるという結果を招く。更には、逆抽出時の分相を悪化させ、パラジウムの品質を悪くする。
第2の問題点は、セレンとテルルとの分離が不完全なことである。セレン中のテルルの含有量が高くなり、セレン蒸留でのテルル分離が困難となり、高品位のセレンの回収ができなくなる。
【0008】
こうした状況に鑑み、本発明の課題は、上記問題点を完全に解決し、銅電解殿物予備処理後の金抽出後液から白金族・金回収を効率よく実施可能とする湿式プロセスを開発することである。併せて、本発明はまた、セレン及びテルルをも効率よく回収することを可能とする湿式プロセスの開発をも課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
還元による白金族・金とセレン・テルルとの分離が困難な原因は、白金族・金と4価のセレン(Se(4+))との還元電位が似通っている点にある。一方、セレンは通常の溶液中で4価(Se(4+))と6価(Se(6+))の価数で存在する。Se(6+)はSe(4+)に還元されてから、Seに還元される。Se(6+)→Se(4+)の還元電位は、白金族・金の還元電位に比べて高い。このため、本発明者は、Se(6+)→Se(4+)の反応と並行して白金族・金の還元を行えば、白金族・金中へのセレンの混入を少なくすることができることを見いだした。検討を重ねた結果、セレンがSe(4+)主体で存在するか、若しくはSe(6+)主体で存在するかはCl濃度に依存し、塩酸濃度を1.5モル/l以下にすれば、Se(6+)を多くでき、セレンの共沈を少なくすることができることを究明するに至った。その他、亜硫酸(SO2)ガス単独では分離は完全でなく、白金族・金、特にパラジウムを100mg/l以下にすることができず、空気によって亜硫酸濃度を8〜12%に希釈することが必要であること、亜硫酸ガスを白金族・金モル濃度の8〜15倍の量において吹き込むことが必要であることも判明した。
こうした知見に基づいて、本発明は、(1)(A)銅電解殿物に脱銅工程、塩化浸出工程及び金抽出工程を経由する予備処理を施し、(B)得られた金抽出後液に、液中塩素イオン濃度を1.5モル/l以下に維持して、60〜90℃の温度において、空気で8〜12%濃度に希釈した亜硫酸ガスを白金族・金モル濃度の8〜15倍の量において吹き込むことにより、前記後液中に残留している白金族・金とセレン・テルルとを分離して白金族・金含有還元物を得る還元処理を施すことを特徴とする銅電解殿物の処理方法を提供する。
【0010】
本発明において、「白金族」とは、パラジウム、白金に代表される白金族元素を云う。「塩素イオン濃度」とは、塩酸としての塩素イオン、金属との化合物を形成している塩素イオンに限定されるものではなく、例えば塩化白金のような塩化物の解離により発生する塩素イオンをも含めての関与する塩素イオン全体の濃度を意味する。使用する「亜硫酸ガス」は、製錬排ガスをも含むものである。
【0011】
更に、続いてセレンを亜硫酸ガス還元により回収するべく、還元後液中のセレン濃度を低下させると、テルルの還元も進行し始める。セレン還元の際に、還元後液中のセレン濃度を3g/l未満にしないように管理すると、テルルの共沈を防止することができることも判明した。その他の反応条件も検討した結果、還元セレン中のテルルの濃度を100ppm以下、特には10ppm以下に低減することに成功した。
この知見に基づいて、本発明はまた、(2)(A)銅電解殿物に脱銅工程、塩化浸出工程及び金抽出工程を経由する予備処理を施し、(B)得られた金抽出後液に、(イ)液中塩素イオン濃度を1.5モル/l以下に維持して、60〜90℃の温度において、空気で8〜12%濃度に希釈した亜硫酸ガスを白金族・金モル濃度の8〜15倍の量において吹き込むことにより、前記後液中に残留している白金族・金とセレン・テルルとを分離して白金族・金含有還元物を得る第1還元処理と、(ロ)前記白金族・金を分離した後液に液中の塩素イオン濃度を2.0モル以下に維持して、また溶液中のセレン濃度を3g/l以上に保ちながら、60〜90℃の温度において、亜硫酸ガスをセレンのモル濃度の2倍以下において吹き込むことによりセレンとテルルとを分離してセレン含有還元物を得る第2還元段階とを包含する処理を施すことを特徴とする銅電解殿物の処理方法を提供する。
【0012】
この後、亜硫酸ガス還元により容易にテルルを還元することができる。かくして、本発明は更に、(3)(A)銅電解殿物に脱銅工程、塩化浸出工程及び金抽出工程を経由する予備処理を施し、(B)得られた金抽出後液に、(イ)液中塩素イオン濃度を1.5モル/l以下に維持して、60〜90℃の温度において、空気で8〜12%濃度に希釈した亜硫酸ガスを白金族・金モル濃度の8〜15倍の量において吹き込むことにより、前記後液中に残留している白金族・金とセレン・テルルとを分離して白金族・金含有還元物を得る第1還元処理と、(ロ)前記白金族・金を分離した後液に、液中の塩素イオン濃度を2.0モル以下に維持し、また溶液中のセレン濃度を3g/l以上に保ちながら、60〜90℃の温度において、亜硫酸ガスをセレンのモル濃度の2倍以下において吹き込むことによりセレンとテルルとを分離してセレン含有還元物を得る第2還元段階と、(ハ)前記セレンを分離した後液に60〜90℃の温度において亜硫酸ガスを吹き込むことによりテルル含有還元物を得る第3還元段階とを包含する処理を施すことを特徴とする銅電解殿物の処理方法を提供する。
【0013】
好ましい態様において、上記銅電解殿物の処理方法において、次の操作が行われる:(4)脱銅工程は、殿物中に含まれる銅を、銅電解工程の硫酸溶液を用いて常圧、空気吹き込み下、70〜85℃、18〜24時間浸出除去することにより実施される、(5)脱銅後の浸出後液を、硫酸濃度:230〜450g/l、温度:70〜90℃そして反応時間:16〜24時間の反応条件において銅板/銅粉によりテルルをテルル化銅として析出させる、(6)塩化浸出工程において、過酸化水素を併用して塩酸でリパルプした脱銅殿物スラリーを塩化浸出することにより、脱銅後の殿物から白金族・金を溶液中に溶解し、同時に主として銀、鉛等を塩化物として分離する、(7)塩化浸出後、塩化銀主体の固体は水によるリパルプ後銀還元・精製工程に送り、鉄粉を添加して塩化銀から銀を還元する、(8)金抽出工程において、塩化浸出後の溶液を5℃まで冷却しそして金抽出のため塩酸濃度の調整を行い、DBC(ジブチルカルビトール)を用いて塩化浸出液から金のみを溶媒抽出する、(9)白金族・金含有還元物は白金族精製工程の原料として白金族を回収すると共に、該精製工程からの金含有溶液から金を回収する、(10)セレン含有還元物を水でリパルプして洗浄後、真空乾燥を経てセレン蒸留器の原料とし、蒸留セレンを鋳造ドラム上に連続的に滴下してセレンを乾式ショットとして回収し、他方蒸留残査は、乾固蒸留器で残留セレンを完全に蒸留分離した後、白金族・金を含む乾固残査を得、乾固残査を白金族精製工程の原料として白金族を回収すると共に、該精製工程からの金含有溶液から金を回収する、(11)テルル含有還元物を、必要に応じ脱テルル工程からのテルル化銅と併せて、テルル回収の原料として、アルカリ浸出、中和により二酸化テルルを生成し、更に、アルカリ浸出と電解採取によりテルルを回収する。
【0014】
【発明の実施の形態】
銅電解殿物は、先に表1において示したように、銅に加えて、金を始め、原料中の貴金属が濃縮しているため、貴金属回収の主要原料である。この他、セレン及びテルルも含まれている。
先ず、銅電解殿物を銅電解工程液を用いて溶解し、銅、テルル、砒素等の不純物を浸出する。浸出残滓は、塩酸溶液と酸化剤を用いて溶解した後、銀等を塩化物として固液分離する。分離後の後液から金を溶媒抽出により分離する。
こうした予備処理の後、本発明に従えば、その分離後液から、金、白金、パラジウムといった白金族・金とセレンやテルルとが分離される。更に、セレンとテルルとが分離される。
図1は、本発明プロセスのフローシートを示す。以下、これらについて分説する。
【0015】
(A)予備処理
(1)脱銅、脱テルル工程
脱銅工程は、殿物中に約25%含まれる銅を銅電解工程の硫酸溶液で浸出除去し、1%以下とする工程である。脱テルル工程は、銅を浸出したよう液にはテルルも浸出されており、これを直接銅電解工程に戻すと、電気銅の品質を汚染するため、あらかじめ浸出液中のテルルを銅置換により除去するための工程である。電解工程から送られてきた殿物は例えば銅電解浄液工程出のNi除去後の電解戻し液でリパルプする。これを殿物中に含まれる離型剤を湿式篩で除去し、脱銅浸出槽に送る。脱銅浸出は、常圧、空気吹き込み下、70〜85℃、特には80℃で行い、18〜24時間で殿物中の銅品位は約25%から約0.5%まで低下する。また、殿物中のTe、Asはそれぞれ50%、85%溶出する。
脱銅浸出反応式を以下に示す:
Cu+1/2O2+H2SO4→CuSO4+H2O
Cu2Se+O2+2H2SO4→2CuSO4+Se+2H2O
【0016】
浸出液中には約1g/lのFeが含まれており、次の反応も脱銅浸出に寄与する:
4FeSO4+O2+2H2SO4→2Fe2(SO4)3+2H2O
Cu2Se+2Fe2(SO4)3→2CuSO4+Se+4FeSO4
【0017】
脱銅後は、フィルタープレスで固液分離する。浸出後液は、脱テルル槽で銅板及び/又は銅粉によりテルルをテルル化銅として析出させる。硫酸濃度は230〜450g/l、温度は70〜90℃そして反応時間は16〜24時間である。反応終点は後液中のTe濃度を分析により確認する。反応式は次の通りである:H2TeO3+4Cu+2H2SO4→Cu2Te+2CuSO4+3H2O
【0018】
析出したテルル化銅は、フィルタープレスで固液分離後、後述するテルル回収工程に送る。後液は銅電解浄液工程に戻す。
脱銅、後の殿物は、リパルプ槽において塩酸によるリパルプ後塩化浸出槽へ送る。
【0019】
(2)塩化浸出工程
塩化浸出工程は、脱銅後の殿物から金を溶液中に溶解し、主として銀等を塩化物として分離する工程である。
塩化浸出槽では、基本的に、塩酸でリパルプした脱銅殿物スラリーを塩化浸出する。過酸化水素を併用することが好ましい。溶解反応は、以下に示すように、塩酸と過酸化水素とを消費する反応、塩酸のみを消費する反応、過酸化水素のみを消費する反応が関与する。
【0020】
(イ)塩酸と過酸化水素とを消費する反応:
Au:2Au+3H2O2+8HCl→2HAuCl4+6H2O
Ag:Ag2Se+3H2O2+2HCl→2AgCl+H2SeO3+3H2O
Pt:Pt+2H2O2+6HCl→H2PtCl6+4H2O
Pd:Pd+H2O2+4HCl→H2PdCl4+2H2O
Cu:Cu+H2O2+2HCl→CuCl2+2H2O
(ロ)塩酸のみを消費する反応:
Pb:PbSO4+2HCl→PbCl2+H2SO4
Bi:BiAsO4+3HCl→BiCl3+H3AsO4
(ハ)過酸化水素のみを消費する反応
Se:Se+2H2O2→H2SeO3+H2O
Te:Te+2H2O2→H2TeO3+H2O
Sb:H3SbO3+H2O2→H3SbO4+H2O
【0021】
塩化浸出反応は、過酸化水素を徐々に添加して行うことが好ましい。過酸化水素の不均化反応による分解を抑えるため反応温度は適正に制御する必要がある。塩化/酸化反応によって塩化物及び酸化物は、それぞれの溶解度によって溶解ないし沈殿する。塩化銀は塩酸溶液中の溶解度が小さいため沈殿し、他の白金族・金と分離される。塩化鉛も大部分が沈殿する。また、アンチモン化合物及びテルル化合物も大部分沈殿する。
【0022】
塩化浸出後、フィルタープレスによって固液分離し、塩化銀主体の固体は水によるリパルプ後銀還元・精製工程に送りそして溶液は冷却手段を備えた酸濃度調整槽に送る。
銀精製工程は塩化銀からから銀を還元し、精製する工程である。従来湿式法による工程が実施されてきたが、随伴する鉛の除去が困難であり、複雑な工程を要した。ここでは、湿式法と乾式法とを組み合わせた、非常に効率的な方法について説明する。これは、塩化鉛を随伴する塩化銀を還元し、酸化炉、銀電解により精製し、製品化する工程である。
この好ましい方法の一つに従えば、銀還元槽において、このスラリーに鉄粉を添加して還元する。反応は、酸性溶液中で促進されるが、塩化浸出残査には付着塩酸分があるため、水によるリパルプにより、スラリーは酸性となる。反応機構は、次の通り、鉄粉による直接還元反応と、鉄粉の塩酸溶解により生成した発生期の水素による還元反応が考慮しうる:
2AgCl+Fe→2Ag+FeCl2
2AgCl+2H→2Ag+2HCl
【0023】
反応は常温で開始するが、反応熱により沸点近くまで上昇する。塩化浸出残査中の塩化鉛も金属鉛となり、還元銀中の塩素は0.5%程度となる。鉄は、残留しても、爾後の工程における酸化炉での乾式精製においてスラグとして有益に作用する。
還元後、フィルタープレスにより固液分離し、後液はヒドラジンによる還元後廃液となる。還元銀は、酸化炉で処理し、原銀板として鋳造し、銀電解精製を行う。電着銀は洗浄溶解後電気銀に鋳造する。
【0024】
(3)金抽出・還元工程
塩化浸出後、溶液は冷却手段を備えた酸濃度調整槽に送る。この調整槽では、金抽出工程での溶解度による不純物沈殿を防止するために、5℃まで冷却する。また、金抽出条件に塩酸濃度を調整する。調整後、フィルタープレスによる固液分離後、溶液は金抽出工程に送る。塩化鉛を主体とする析出沈殿物は製錬工程に戻す。
【0025】
金抽出工程は、塩化浸出液から金のみを溶媒に抽出する工程である。金溶媒抽出後、金製品化工程において、金を抽出した溶媒から金を還元析出させ、製品化される。
金抽出のための溶媒は、公知のものが使用できるが、DBC(ジブチルカルビトール((C4H9OC2H4)2O)の使用が好ましい。DBCは金(HAuCl4ないしはAuCl3)と化合物を作りやすいため、水溶液から金を抽出することができる。DBCは金に対する選択性が極めて高く、また金の分配係数は1000程度と高い。
金抽出は、反応が速いため、ミキサーセトラーを用いて連続操作で行う。抽出後のDBC中には水溶液や沈殿物が極微量存在し、最終的に製品金の品質の悪化やバラツキの原因となるため、遠心分離機によってこの連行物をDBCから除去する。遠心分離後のDBCは、弱塩酸溶液を用いてミキサーセトラーによる連続操作でスクラビングを行う。スクラビングによって、DBCに微量抽出されたFe等の不純物を除去する。スクラビング後のDBCは、遠心分離機により連行物の除去後金還元槽に送る。スクラビング後液は、塩化浸出工程の洗浄水、希釈水として使用する。
金抽出後液には、DBCが水相への溶解度である約3g/l溶存しているために、蒸留槽で約20%の水分と共に蒸留除去する。DBCを除去した金抽出後液は、亜硫酸ガスを使用する還元工程に送る。蒸留分離したDBCは金抽出工程へ繰り返す。
【0026】
金還元槽では、シュウ酸水溶液とDBCとを混合することによりDBC中の金を直接還元する。反応式は次の通りである:
2HAuCl4+3(COOH)2→2Au+6CO2+8HCl
【0027】
還元反応は80〜90℃において撹拌時間2時間で行う。還元後は、DBCは水溶液沈降分離し、金抽出工程へ戻し、循環利用する。還元金と水溶液は真空濾過し、還元金は洗浄、乾燥を経て溶解、鋳造により金インゴット又は金ショットとして製品化する。濾過後液には、微量の金及び未反応のシュウ酸が含まれているため、ヒドラジン還元及び脱シュウ酸処理を行い、廃液とする。脱シュウ酸残査は製錬工程に繰り返し、後液は廃液となる。脱シュウ酸処理は、次の反応により水酸化カルシウムによりシュウ酸をシュウ酸カルシウムとして固定する方法である:
(COOH)2+Ca(OH)2→Ca(COO)2+2H2O
【0028】
(B)白金族・金、セレン、テルル還元工程
溶媒抽出により金を抽出した金抽出後の後液から白金族・金含有還元物を得る第1還元段階と、続いてセレン含有還元物を得る第2還元段階と、その後テルル含有還元物を得る第3還元段階という3段階を経由することにより、白金族・金含有還元物の回収を効率よく実施可能とし、併せて、セレン含有還元物をも効率よく回収することができる。その後、テルル含有還元物を容易に回収することができる。
【0029】
(イ)白金族・金とセレン・テルルとの分離
白金族・金と4価のセレン(Se(4+))は還元電位が次の通り似通っている:Au(+)+e→Au +1.68V
Pd(2+)+2e→Pd +0.83V
PtCl4(2−)+2e→Pt+4Cl(−) +0.73V
H2SeO3+4H(−)+4e→Se+3H2O +0.74V
【0030】
一方、セレンは通常の金抽出後液中で4価(Se(4+))と6価(Se(6+))の価数で存在する。Se(6+)はSe(4+)に還元されてから、Seに還元される。Se(6+)→Se(4+)の還元電位は、SeO4(2−)+4H(−)+2e→H2SeO3+H2O(+1.19V)と、白金族・金の還元電位に比べて高い。
このため、Se(6+)→Se(4+)の反応と並行して白金族・金の還元を行えば、白金族・金中へのセレンの混入を少なくすることができる。
【0031】
ところで、セレンがSe(4+)主体で存在するか、Se(6+)主体で存在するかは金抽出後液中の塩素イオン濃度に依存する。塩素イオン濃度が低い場合或いは高い場合に、セレンはSe(6+)が多くなり、中間の濃度ではSe(4+)が多くなる。実際的なSe(4+)とSe(6+)との比率は共存するイオン、酸化状態で変化する。塩素イオン濃度を1.5モル/l以下にすれば、Se(6+)を多くでき、セレンの共沈を少なくすることができる。ここで、塩素イオン濃度とは、塩酸としての塩素イオン、金属との化合物を形成している塩素イオンに限定されるものではなく、例えば塩化白金のような塩化物の解離により発生する塩素イオンをも含めての関与する塩素イオン全体の濃度を意味する。
表2は、金抽出後液(液量:15m3)、即ち還元前液における塩素イオン濃度(モル/l)と還元終了後の還元後液中の、即ち終点のPd濃度の関係を示すデータである。Pd初期濃度は約500mg/lであった。Pt初期濃度は約50mg/lであり、後液中ではいずれも5mg/l未満であった(呈示省略)。ここで、亜硫酸ガスの吹き込みは、260−350(l/分)の流量で10−30分間実施した。この場合のSO2/Pt+Pdモル比は、469モル/75モル=6.3モル/モルであった。塩素イオン濃度を1.5モル/l以下にすれば、終点のPd濃度を大幅に減じることができることがわかる。
図2は、表2に対応する、還元前液における塩素イオン濃度(mol/l)と還元後液中のPd濃度の関係を示すグラフである。
表3は、このときの代表的な還元物(白金族・金回収原料)の分析値である。塩素イオン濃度を1.5モル以下とすることにより、セレン/パラジウム比率が4.76から2.62に改善されていることがわかる。
表4は、通常の、このような盛業を全くしない還元での還元物のPd,Pt,Se品位を示す。Se/Pdは62.4と極めて高い。
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】
また、亜硫酸(SO2)ガス単独では分離は完全でなく、白金族・金、とくにパラジウムを100mg/l以下にすることができない。空気による亜硫酸ガス希釈濃度を8〜12%とすることが必要である。こうすることによって、白金族・金の還元を行えば、白金族・金中へのセレンの混入を少なくすることができる。
また、空気で8〜12%濃度に希釈した亜硫酸ガスを白金族・金モル濃度の8〜15倍のモル濃度量において吹き込むことが必要である。亜硫酸ガス吹き込み量(SO2/白金族・金=モル/モル)が8より少ないと、効率的に還元がなされず、15を超えると、還元後液中の白金族・金濃度が減少する。セレンも多く還元され、不都合である(表4参照)。
図3及び表5は、SO2濃度:100%(希釈無し)の場合と空気でSO2濃度:10%に希釈した場合(2つの縦列及びプロットは繰り返しである。)とにおいての、還元後液中のPd濃度(mg/l)とSO2吹き込み量:SO2/Pt+Pd(モル/モル)の関係を示すグラフである。空気で希釈されていない場合には、パラジウム濃度が100mg/l以下にならない。空気で8〜12%濃度に希釈した亜硫酸ガスを白金族・金モル濃度の8〜15倍のモル濃度で吹き込むと還元後液中のパラジウム濃度が増大する。
実施温度は60〜90℃の範囲である。この範囲外では還元効率が低下するかもしくは還元を良好に管理できなくなる。
標準的な実施法として、例えば80〜82℃において亜硫酸ガスを例えば260〜350(l/分)の吹き込み量で10〜30分間吹き込む。SO2ガスとしては銅製錬排ガスを利用する(SO2濃度:8〜10%)。SO2ガスは水に溶解して亜硫酸として次の通り反応する:
【0036】
【表5】
H2PtCl6+2H2SO3+2H2O→Pt+2H2SO4+6HCl
H2PdCl4+H2SO3+H2O→Pd+H2SO4+4HCl
【0037】
(ロ)セレンとテルルとの分離
セレンとテルルとの還元電位は次の通り離れている:
TeO2+4H(+)+4e→Te+2H2O +0.53V
H2SeO3+4H(−)+4e→Se+3H2O +0.74V
【0038】
しかしながら、セレンを回収するべく、還元後液中のセレン濃度を低下させると、テルルの還元も進行し始める。セレン中のテルルは不純物である。この後、セレンを精製するために蒸留等の操作を行っても、テルルの分離は困難である。従って、還元操作の段階でセレンとテルルとを分離することが肝要である。
セレン還元の際に、還元後液中のセレン濃度を3g/l未満にしないように管理すると、テルルの共沈を防止することができ、還元セレン中のテルル濃度は100ppm以下、通常は10ppm以下にすることができる。これは、セレン濃度が高いうちはセレンの還元が主体的で、還元電位が離れているためテルルの還元は起こらないからである。セレン濃度が低下してくると、液中に残留するセレンを還元するための還元電位が低下し、テルルの還元電位に近づく。このテルル還元電位になる直前のセレン濃度が3g/lである。
図4は、還元後液中のセレン濃度と還元セレン中のテルル濃度との関係を示すグラフである。この場合、SO2ガスを250〜350(l/分)の流量で600〜800分吹き込んだ。還元後液中のセレン濃度を3g/l未満にしないように管理すると、テルルの共沈を防止することができることがわかる。
セレンの還元を促進するために、白金族・金を分離した後液中の塩素イオン濃度を2.0モル以下に維持することも必要である。
反応温度は、良好なセレン還元作用を得るために60〜90℃、好ましくは80〜85℃の範囲である。
亜硫酸ガスをセレンのモル濃度の2倍以下のモル濃度において吹き込むこともテルルの還元を回避するために必要である。
こうして、後液中の塩素イオン濃度を2.0モル以下に維持しまた液中のセレン濃度を3g/l以上に保ちながら、80〜85℃の温度において、亜硫酸ガスをセレンのモル濃度の2倍以下において亜硫酸ガスを例えば260〜350(l/分)の吹き込み量で600〜800分間吹き込む吹き込むことにより良好なセレン・テルル分離を実施することができる。
セレン還元反応は次の通りである:
H2SeO3+2H2SO3+H2O→Se+2H2SO4+2H2O
【0039】
(ハ)テルル還元
こうして白金族・金及びセレンを還元した後は、60〜90℃、好ましくは80〜82℃において亜硫酸ガスを500〜700(l/分)の吹き込み量で500〜700分間吹き込むことによりテルルを還元することができる。テルル還元反応は次の通りである:
H2TeO3+2H2SO3+H2O→Te+2H2SO4+2H2O
【0040】
それぞれの段階の反応終了後、フィルタープレスによる固液分離溶液は次の段階に送る。
白金族・金含有還元物は白金、パラジウム精製工程の原料となる。パラジウムの精製は溶媒抽出を使用して従来方式で実施できる。精製工程からの金含有溶液は別途処理して金を回収する。
セレン含有還元物は、更に水でリパルプ洗浄後、真空乾燥を経てセレン蒸留器の原料となる。セレン蒸留は連続式真空蒸留器で行う。蒸留温度は350〜380℃である。蒸留セレンは、鋳造ドラム上に連続的に滴下し、乾式ショットとなる。蒸留残査は、再度、乾固蒸留器で残留セレンを完全に蒸留分離し、Au、Pt、Pdを含む乾固残査を得る。乾固残査は白金、パラジウム精製工程の原料となる。金は別途回収される。
テルル含有還元出物は、テルル回収の原料となる。後液は廃液となる。テルル回収工程は、予備処理で説明した脱テルル工程からのテルル化銅とここでの還元析出物としての還元物を原料として、アルカリ浸出、中和により二酸化テルルを回収し、更に、アルカリ浸出電解採取によりテルルを製品化する。併せて、テルル回収工程として次に説明する。
【0041】
テルル回収工程:
テルル化銅及びテルル含有還元物をテルル浸出槽において水酸化ナトリウム溶液に空気を吹き込むことによりテルルを浸出する。浸出反応は以下の通りである:
テルル化銅の浸出:
Cu2Te+3/2O2+2NaOH→Cu2O+Na2TeO3+H2O
テルル含有還元物の浸出:
Te+O2+2NaOH→Na2TeO3+H2O
Se+O2+2NaOH→Na2SeO3+H2O
【0042】
浸出は、75〜85℃の温度において行う。浸出後、フィルタープレスにより固液分離を行い、亜酸化銅主体の浸出残査は銅製錬工程に戻し、浸出後液は中和槽に送り、硫酸中和によりテルルを二酸化テルルとして分離回収する。
【0043】
【実施例】
(実施例1)
表1に示した分析値を有する銅電解殿物を脱銅工程において銅電解工程の硫酸溶液を用いて浸出処理した。脱銅浸出は常圧、空気吹き込み下、80℃において行い、18〜24時間で殿物中の銅品位は約0.5%まで低下した。脱銅浸出率は、Cu:98.5%、Te:50%、Sb:3%、Bi:2%、As:85%であり、殿物に含まれたAu、Ag、Pt、Pd、Se、Pbはいずれも浸出されず、浸出率0%であった。
【0044】
脱銅浸出後液を、脱テルル槽において、銅板及び銅粉を用いて硫酸濃度:250g/l、温度:80℃、反応時間:約18時間の条件で処理し、テルル化銅を析出させた。
【0045】
脱銅後の殿物を塩酸によりリパルプし、塩化浸出槽に送った。塩化浸出は、過酸化水素を徐々に添加して行った。反応温度が60〜70℃となるように冷却を行った。塩化浸出後、フィルタープレスにより固液分離し、塩化銀主体の固体は水によるリパルプ後銀還元工程にそして溶液は冷却酸濃度調整槽に送り、金抽出工程に供した。塩化浸出率は次の通りであった:Au:97.5%、Ag:1%、Pt:99%、Pd:98%、Se:93%、Te:70%、Pb:5%、Sb:30%、Bi:69%。
【0046】
塩化浸出液と金抽出溶媒DBCをミキサーセトラーを用いて接触させ、水溶液から金を抽出した。金抽出DBCを遠心分離、弱塩酸溶液でのスクラビング及び遠心分離処理した後、金還元槽においてシュウ酸溶液と混合し、DBC中の金を直接還元した。還元反応は85℃において2時間行った。還元金分析値は、Pd、Ag,Cu、Pb、Fe、Pt、Ti、Te、Se、Snいずれも<1ppmであった。
【0047】
一方、金抽出後液は、DBCを蒸留分離した後、還元工程に送り、白金族・金とセレン・テルルの分離を行った。
還元処理は、次の条件で行った:
金抽出後液Pd初期濃度:は約500mg/l
金抽出後液Pt初期濃度:約50mg/l
金抽出後液塩素イオン濃度:1.31モル/l
亜硫酸ガスの吹き込み流量:300(l/分)
SO2/(Pt+Pd)モル比:6.3モル/モル
吹き込み時間:20分間
温度:80〜82℃
次の結果が得られた:
【0048】
【表6】
【0049】
【表7】
【0050】
(実施例2)
続いて、セレンとテルルとの分離を実施した。
還元処理は、次の条件で行った:
実施例1還元後液Se濃度:20g/l
実施例1還元後液Te濃度:1.20g/l
塩素イオン濃度:1.5モル/l
亜硫酸ガスの吹き込み流量:300(l/分)
SO2/Seモル比:1.8モル/モル
吹き込み時間:700分間
温度:80〜82℃
次の結果が得られた:
【0051】
【表8】
【0052】
【表9】
【0053】
(実施例3)
次の条件で還元を実施した:
温度:80〜82℃、
SO2吹き込み量:600l/分
時間:10時間
次の操業結果を得た(実施例1、2の結果を併記する):
【0054】
【表10】
【0055】
【表11】
【0056】
【発明の効果】
(イ)白金族・金とセレン・テルルとの分離が容易でかつ効率的となった。セレン濃度の高い液から白金族・金を回収することができる。従って、前もってセレンを除去しておく必要がない。通常はセレンを前もって除去するためには加熱酸化する必要がありまた気相中にセレンを揮発させるため洗浄塔塔が必要であり、そのため環境が悪化し、気相中のセレンを完全に除去するために設備が必要であり、洗浄等の排液処理が必要であった。
セレンの分離が良好なので白金族・金回収工程でセレンが工程の運転を妨害することがない。セレン濃度が高すぎると(Se/Pdが3.5を超えると)、液中の僅かな電位の変化、有機物との接触等で還元される金属セレンはコークス状セレンとなり、反応相を埋める、配管を詰める、溶媒抽出では分相を阻害するといった弊害を生じたが、こうした弊害が解消される。
金回収後に残っている白金族等の白金族・金を白金族精製工程で直ちに有効に処理できる中間原料まで濃縮分離でき、かつ、セレンの混入量を最小限にとどめることができる。従って、原料殿物の白金族濃度が低くても、白金族濃縮のために、白金族を含むセレン残滓を元工程に繰り返す必要がなくなった。
(ロ)第1段階で固液分離・回収された白金族・金含有物は、白金族・金を濃縮しているだけでなく、析出形態が微粒子の状態であるので、次工程での溶解に適しており、粉砕することなく、次の白金族・金回収工程で予備処理をすることなく使用できる。
(ハ)白金族等の白金族・金の少ない液からセレンを回収するので、セレンを蒸留精製しても、蒸留残滓が少なく、また蒸留残滓の処理も容易である。
(ニ)セレンとテルルとの分離が良好であり、セレン精製が容易になる。これまでは主要な不純物であるテルルの分離に慎重を要したが、テルルを100ppm以下、通常は10ppm以下にすることができる。
(ホ)テルルを直接テルル精製工程に送ることができる。また、繰り返しによる上精製工程の負担を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプロセスフローシートを示す。
【図2】還元前液における塩素イオン濃度(mol/l)と還元後液中のPd濃度の関係を示すグラフである。
【図3】SO2濃度:100%(希釈無し)の場合と空気でSO2濃度:10%に希釈し場合とでの、還元後液中のPd濃度(mg/l)とSO2吹き込み量:SO2/Pt+Pd(モル/モル)の関係を示すグラフである。
【図4】還元後液中のセレン濃度と還元セレン中のテルル濃度との関係を示すグラフである。
【図5】従来法のプロセスフローシートを示す。
Claims (11)
- 銅電解殿物の処理方法であって、
(A)銅電解殿物に脱銅工程、塩化浸出工程及び金抽出工程を経由する予備処理を施し、
(B)得られた金抽出後液に、液中塩素イオン濃度を1.5モル/l以下に維持して、60〜90℃の温度において、空気で8〜12%濃度に希釈した亜硫酸ガスを白金族・金モル濃度の8〜15倍の量において吹き込むことにより、前記後液中に残留している白金族・金とセレン・テルルとを分離して白金族・金含有還元物を得る還元処理を施す
ことを特徴とする銅電解殿物の処理方法。 - 銅電解殿物の処理方法であって、
(A)銅電解殿物に脱銅工程、塩化浸出工程及び金抽出工程を経由する予備処理を施し、
(B)得られた金抽出後液に、(イ)液中塩素イオン濃度を1.5モル/l以下に維持して、60〜90℃の温度において、空気で8〜12%濃度に希釈した亜硫酸ガスを白金族・金モル濃度の8〜15倍の量において吹き込むことにより、前記後液中に残留している白金族・金とセレン・テルルとを分離して白金族・金含有還元物を得る第1還元処理と、(ロ)前記白金族・金を分離した後液に液中の塩素イオン濃度を2.0モル以下に維持して、また溶液中のセレン濃度を3g/l以上に保ちながら、60〜90℃の温度において、亜硫酸ガスをセレンのモル濃度の2倍以下において吹き込むことによりセレンとテルルとを分離してセレン含有還元物を得る第2還元段階とを包含する処理を施す
ことを特徴とする銅電解殿物の処理方法。 - 銅電解殿物の処理方法であって、
(A)銅電解殿物に脱銅工程、塩化浸出工程及び金抽出工程を経由する予備処理を施し、
(B)得られた金抽出後液に、(イ)液中塩素イオン濃度を1.5モル/l以下に維持して、60〜90℃の温度において、空気で8〜12%濃度に希釈した亜硫酸ガスを白金族・金モル濃度の8〜15倍の量において吹き込むことにより、前記後液中に残留している白金族・金とセレン・テルルとを分離して白金族・金含有還元物を得る第1還元処理と、(ロ)前記白金族・金を分離した後液に、液中の塩素イオン濃度を2.0モル以下に維持し、また溶液中のセレン濃度を3g/l以上に保ちながら、60〜90℃の温度において、亜硫酸ガスをセレンのモル濃度の2倍以下において吹き込むことによりセレンとテルルとを分離してセレン含有還元物を得る第2還元段階と、(ハ)前記セレンを分離した後液に60〜90℃の温度において亜硫酸ガスを吹き込むことによりテルル含有還元物を得る第3還元段階とを包含する処理を施す
ことを特徴とする銅電解殿物の処理方法。 - 脱銅工程は、殿物中に含まれる銅を、銅電解工程の硫酸溶液を用いて常圧、空気吹き込み下、70〜85℃、18〜24時間浸出除去することにより実施する請求項1〜3いずれかの銅電解殿物の処理方法。
- 脱銅後の浸出後液を、硫酸濃度:230〜450g/l、温度:70〜90℃そして反応時間:16〜24時間の反応条件において銅板/銅粉によりテルルをテルル化銅として析出させる請求項4の銅電解殿物の処理方法。
- 塩化浸出工程において、過酸化水素を併用して塩酸でリパルプした脱銅殿物スラリーを塩化浸出することにより、脱銅後の殿物から白金族・金を溶液中に溶解し、同時に主として銀、鉛等を塩化物として分離する請求項1〜3いずれかの銅電解殿物の処理方法。
- 塩化浸出後、塩化銀主体の固体は水によるリパルプ後銀還元・精製工程に送り、鉄粉を添加して塩化銀から銀を還元する請求項6の銅電解殿物の処理方法。
- 金抽出工程において、塩化浸出後の溶液を5℃まで冷却しそして金抽出のため塩酸濃度の調整を行い、DBC(ジブチルカルビトール)を用いて塩化浸出液から金のみを溶媒抽出する請求項1〜3いずれかの銅電解殿物の処理方法。
- 白金族・金含有還元物は白金族精製工程の原料として白金族を回収すると共に、該精製工程からの金含有溶液から金を回収する請求項1〜3いずれかの銅電解殿物の処理方法。
- セレン含有還元物を水でリパルプして洗浄後、真空乾燥を経てセレン蒸留器の原料とし、蒸留セレンを鋳造ドラム上に連続的に滴下してセレンを乾式ショットとして回収し、他方蒸留残査は、乾固蒸留器で残留セレンを完全に蒸留分離した後、白金族・金を含む乾固残査を得、乾固残査を白金族精製工程の原料として白金族を回収すると共に、該精製工程からの金含有溶液から金を回収する請求項2乃至3の銅電解殿物の処理方法。
- テルル含有還元物を、必要に応じ脱テルル工程からのテルル化銅と併せて、テルル回収の原料として、アルカリ浸出、中和により二酸化テルルを生成し、更に、アルカリ浸出と電解採取によりテルルを回収する請求項3乃至5の銅電解殿物の処理方法。
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