JP2017133084A - 金銀滓の処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】金を含み、特にSiを大量に含むシリコン基板を含む回路基板からの廃材から、金銀を高品位で回収する。
【解決手段】本発明は、Siを50質量%以上含む金銀滓を王水にて浸出し、当該浸出により得られた浸出後液を亜硫酸ナトリウムで還元処理すること特徴とする金銀滓の処理方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は金銀滓の処理方法に関する
金は装飾品や電子部品などに多く使用されているが、高価な材料であるため、これらの加工や製造に際して生じる加工屑や廃棄物から金を再利用可能な状態で回収することは産業上極めて重要な問題になっている。
従来における金の回収方法にかかる金銀滓の処理においては、金めっきされている電子部品を粉砕、ふるい分けし、あるいはさらに焼成するなどして、金を含む金属屑を回収する。次に、シアン化カリウムを含む王水に金属屑を浸漬し、金を溶解させる。さらに、セラミックス、ガラスなどの不溶解残渣をろ別した後、金を含む溶液を中和、還元し、粗金を得る。この粗金をさらに電解精製、融解を経て金地金に加工し、回収する。
特許文献1には、金および他の白金族元素を含む処理滓をシュウ酸の存在下、酸濃度0.1〜1規定以下で塩素化溶解して、白金族元素を溶解させて分離し、さらにその後溶解滓を塩素化溶解して金を溶解させてこれに還元剤を加えて金を還元析出させる技術が開示されている。なお、この還元剤としては苛性ソーダなどのアルカリが用いられる。
特許文献2には、金を含む樹脂やスクラップ、歯科材からなる廃棄物を焼成後、王水に溶解させて得られる金および塩化物イオンを含む溶液を、ジブチルカルビトール(DBC)と接触させて金を抽出して、有機相に抽出された金にシュウ酸を還元剤として作用させて金を還元し、回収する技術が開示されている。
特許文献3には、電子部品などの金含有試料から金を回収するに際して、まず王水以外の酸混合物にて金以外の金属成分を溶解させて、この不溶成分を王水に溶解させて、この溶解液に亜硫酸ナトリウムなどの還元剤を添加して金を還元して回収する技術が開示されている。すなわち、金の回収に際して、金以外の金属成分を金の溶解前に溶解、除去する技術が開示されている。
特開平11−335749号公報 特開2011−132552号公報 特開2013−181181号公報
ところで、シリコン基板を含む回路基板にも金は含まれており、このような廃材から金を回収するに当たって、廃材に大量に含まれるSiの処理が課題となっている。一方で、通常は廃材の処理は乾式法にてある程度処理した後に、湿式法にて処理を行う。しかしながら、Siが単体Siとして含まれていると、単体Siは還元力が強いため、炉内で酸化鉄等の金属酸化物を還元し鋳付きを発生させ貴金属を巻き込む恐れがある。また、単体Siは融点が1414℃と高く、加えて、Si内部まで全てSiO2に酸化することが困難でありソーダ灰等のフラックスを用いて融点を下げることができないため、融点よりも操業温度の高い炉が必要になる。融点よりも低い温度で乾式処理するとスラグの流動性が悪化するため、スラグ流動性への影響が小さい他原料で希釈して処理する必要があり処理量が制限される。そのため、貴金属を含む廃材を処理する場合は、湿式処理で貴金属を粗取りした後、乾式処理を行うことが望ましい。
特許文献1、2はいずれもSiを大量に含有する廃材からの金銀回収に関しては言及されておらず、上述したSiを含有する廃材を扱う際の特有な事情を考慮しているとは認められない。したがって、特許文献1、2に記載の技術を、シリコン基板を含む回路基板に含まれる金銀の回収のための金銀滓の処理にそのまま適用することは困難であることが容易に予測される。
また、特許文献3は、金を含む廃材の表面に露出しない金についても有効に回収する技術が開示されているが、やはりSiを大量に含有する廃材からの金銀回収に関しては言及されておらず、また、シリコン基板を含む回路基板からの金回収に関するものとは異なることが予想される。
本発明は、以上の実情に鑑みてなされたものであり、金を含み、特にSiを大量に含むシリコン基板を含む回路基板からの廃材から、金を高品位で回収することを可能にする金銀滓の処理方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の(1)〜(9)に示すものである。
(1)Siを50質量%以上含む金銀滓を王水にて浸出し、当該浸出により得られた浸出後液を亜硫酸ナトリウムで還元処理することを特徴とする金銀滓の処理方法。
(2)前記還元処理を、酸化還元電位(参照電極:銀/塩化銀)が650mV以下になるまで行うことを特徴とする(1)に記載の方法。
(3)前記還元処理を、50〜90℃で行うことを特徴とする(1)または(2)に記載の方法。
(4)前記還元処理を、10〜40℃で行うことを特徴とする(1)または(2)に記載の方法。
(5)前記還元処理後、固液分離した還元残渣を、塩酸を用いた洗浄液で洗浄することを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。
(6)前記塩酸を用いた洗浄液における塩酸濃度が3〜6mol/Lであることを特徴とする(5)に記載の方法。
(7)前記塩酸を用いた洗浄液の温度が50〜90℃であることを特徴とする(5)または(6)に記載の方法。
(8)前記王水による浸出温度を、50〜90℃とすることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の方法。
(9)前記王水による浸出の対象となる金銀滓を含むパルプ濃度が、700〜1500g/Lであることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載の方法。
本発明によれば、金を含み、特にSiを大量に含むシリコン基板を含む回路基板からの廃材から、金を高品位で回収することを可能にする。
本発明の実施形態にかかる金銀滓の処理方法を示すフローチャートである。 実施例において、王水による浸出後液に対して、硫酸ナトリウムを添加したときの添加量とバリウム(Ba)、金(Au)、鉛(Pb)、スズ(Sn)の液中濃度との関係を示すグラフである。 実施例において、金銀滓の王水浸出後液の亜硫酸ナトリウムにおける室温での還元処理において、亜硫酸ナトリウムの添加量に対する液中の金(Au)、スズ(Sn)および鉛(Pb)濃度、ならびにORPの関係を示すグラフである。 実施例において、金銀滓の王水浸出後液の亜硫酸ナトリウムにおける80℃での還元処理において、亜硫酸ナトリウムの添加量に対する液中の金(Au)、スズ(Sn)および鉛(Pb)濃度、ならびにORPの関係を示すグラフである。
以下、本発明について説明する。
本発明は、Siを50質量%以上含む金銀滓を王水にて浸出し((1)式)、当該浸出により得られた浸出後液を亜硫酸ナトリウムで還元処理する((2)式)こと特徴とする金銀滓の処理方法である。
(1)Au+HNO3+4HCl→H[AuCl4]+NO+2H2
(2)2H[AuCl4]+3Na2SO3+3H2O→2Au+3H2SO4+2HCl+6NaCl
本発明で処理の対象となる金銀滓は、Si濃度が高く、例えばXRF分析にてSi品位が50質量%以上、好ましくは70質量%以上のものであり、例えばCPUやメモリ、集積回路など由来のシリコン基板屑が挙げられる。なお、金の回収率への影響の観点からは、屑は破砕してもしなくてもよい。
図1は、本発明の実施形態にかかる金銀滓の処理方法を示すフローチャートである。
図1において、高濃度Si含有金銀滓10は、王水浸出に供される(ステップS11)。
この浸出により、金をはじめとする多くの金属が溶解する。ここで、Siは溶解せずに残渣として残る。このように、特許文献3では、金の浸出前に、金以外の金属種を浸出し除くことを特徴としているが、本発明では金を金以外の金属種と一緒に浸出させて、Siを除去することを特徴とする。
この王水浸出においては、温度が金の浸出率に影響する。具体的には、温度が高いほど金浸出率が高い。この観点から、浸出温度を50〜90℃にて行うことが好ましい。また、一方で、王水を調製し、原料の金銀滓と混合させると発熱する。このときの温度が70℃まで上昇するため、加熱して熱する代わりに、この温度を維持するように浸出反応を行うことが、エネルギー効率の観点から好ましい。
また、このときの王水による浸出の対象となる金銀滓を含むパルプ濃度、すなわち金銀滓を処理する際のスラリー濃度:パルプ濃度(g/L)=金銀滓重量(g)÷(金銀滓体積+王水体積)(L)も金浸出率に影響を与える要素となり得る。
金はイオン化傾向が最も小さく、金以外の成分が金よりも先に浸出される。したがって、一般に、酸を消費する不純物成分の含有率が高いほど、パルプ濃度は小さくなる。一方で、本発明での処理対象となる金銀滓はSiを高濃度で含有し、ほとんど酸で浸出しないため、酸を消費する不純物成分の含有率は小さくなることになり、高濃度のSiを含有することはパルプ濃度を大きくする方向に働く。この観点からも金銀滓におけるSi品位は高い方が好ましく、一方で王水処理時のパルプ濃度は、700〜1500g/Lであることが好ましい。なお、王水による浸出では、加温した王水に金銀滓を浸すだけで金は容易に浸出されるため、撹拌が必要な場合のパルプ濃度(700g/L以下)に比べて高いパルプ濃度が可能となる。
金銀滓を王水で浸出した浸出後液をろ過して(ステップS12)、浸出残渣18を除去し、浸出ろ液12を得る。なお、浸出残渣18は、例えば自溶炉へと送られ、処理される(ステップS16)。
なお、金銀滓にバリウム(Ba)が含まれる場合、金と同様に還元され、得られる粗金の金品位に影響する。そのため、浸出後液をろ過する(ステップS12)前に、硫酸ナトリウムを作用させて硫酸バリウムを生成させ、バリウムを沈殿分離させることができる。
続いて、浸出ろ液12に亜硫酸ナトリウムを作用させて還元処理を行う(ステップS13)。
これにより金を選択的に還元し、析出させることができる。なお、金銀滓にスズ(Sn)、鉛(Pb)が含まれる場合、金と同様に還元されることがある。
この観点から、この還元処理においては、還元反応の温度が得られる粗金の金品位に影響する。還元温度は、10〜90℃、好ましくは20〜30℃である。
特に、還元温度が高温、例えば60〜90℃では金よりもSnの方が先に還元され、析出する。一方で、還元温度が室温、例えば10〜40℃では、Snよりも金が先に還元され、析出する。
また、Pbは亜硫酸ナトリウムの添加量が増えると析出量が増える傾向が見られる。還元温度を低くすると、還元剤の使用量が少なくなり、還元物に混入する鉛の量を低減させることができる。
金の還元反応には、酸化還元電位ORP(参照電極:銀/塩化銀)も影響する。金の回収率の観点から、還元反応を、ORPが650mV以下になるまで行うことが好ましい。
還元反応で得られた後液をろ過して(ステップS14)、析出物を還元残渣14として回収し、還元ろ液20を除去する。なお、還元ろ液20は、例えば更なる排水処理がなされて、排出される(ステップS17)。
ここで、原料の金銀滓10にSn、Pb、Baが含まれる場合、上述のように、還元処理において、金と同様に還元、析出されることがあり、金品位の高い粗金を回収するためにはこれらを除去する必要がある。
そこで、ステップS14で得られる還元残渣14を塩酸処理に供する(ステップS15)。ステップS14では、還元残渣14を、塩酸を用いた洗浄液で洗浄する。これにより、金以外の成分であるSn、Pbは溶解し、金は残渣に含まれることとなり、ろ過することにより分離し、粗金16として回収することが可能となる。
ステップS15の洗浄液において、塩酸濃度を好ましくは3〜6mol/L、さらに好ましくは3〜4.3mol/Lとすることが好ましい。塩酸濃度が高すぎると金が再溶解してしまう一方で、塩酸濃度が低すぎるとSn、Pbの溶解が不純分となる。また、塩酸処理を、洗浄液の温度を50〜90℃として、当該温度で行う。この温度で塩酸処理を行うことにより、Sn、Pb、Baを有効に溶解させるほか、Fe、Sbなども有効に溶解させることができる。
このように、大量に存在するSiを除去した後で、Sn、Pb、Baなどの不純物を除去することにより、塩酸の使用量を効果的に抑えることができる。すなわち、通常、特許文献3などにて行う酸処理は塊を酸に浸して行うため、容積が大きくなるとその分、酸使用量が多くなる。しかしながら、本発明では、酸処理を行う場合には、最初にSiを除去して処理する金銀滓の容積を小さくしてから行うことになるので、浸すために必要な酸の使用量を抑えることができることになる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実験例1)酸浸出
表1に示す金銀滓組成を有し、かつ、表2に示す粒度分布を有する原料40gを用いて、予め35質量%の濃塩酸および60質量%の濃硝酸にて調整した王水(パルプ濃度を100g/Lとした)にて70℃で3時間浸出を行った。結果を表3に示す。
また、比較として、金銀滓1、2について、未破砕物(表2に示した粒度分布)および破砕物(15〜24μm)について、原料40gを35質量%の濃塩酸に投入した後(パルプ濃度を100g/Lとした)で、30質量%の過酸化水素水を0.4mL/minにて添加し、50℃で3時間浸出を行った。結果を表3に示す。
なお、各金銀滓1〜4のSi組成について鉱物粒子解析装置(Mineral Liberation Analyzer,MLA)による分析、X線回折(XRD)による分析を行った結果を表4に示す。
Figure 2017133084
Figure 2017133084
Figure 2017133084
Figure 2017133084
表3によれば、従前の塩化浸出ではロットによって特に金の浸出率に差が大きく出るが、王水浸出ではどのロットも一定水準以上の金の浸出率であった。なお、原料の粉砕の有無は、金の浸出率の観点からは差異が見られなかった。
また、表3、表4によれば、従前の塩化浸出を行った場合、SiがSiO2として含有されている場合と、単体Siとして含有されている場合とで、金の浸出率に差があるのに対して、王水浸出を行った場合、Siがどのような形態で含有されていても大きな差が見られなかった。すなわち、ロットによる金の浸出率の差は、Siがどのような形態で含有されているかにより生じていることが分かった。
(実験例2)還元剤の選定
実験例1の結果を受けて、金銀滓1の王水浸出後液(金銀滓量150g、王水量100mL、パルプ濃度1000g/L)の酸濃度を10分の1に調整し、80℃に加温した後、様々な還元剤を用いて還元した。金の液中濃度が1mg/L以下になったところを反応終点とした。各還元剤でのAu回収率と反応終点での還元剤添加量を表5、亜硫酸ナトリウムを用いて還元処理した場合の還元物の組成を表6に示す。
Figure 2017133084
Figure 2017133084
表5によれば、グルコース、シュウ酸では金は殆ど回収されなかった。
ギ酸、亜硝酸ナトリウムでは金はほぼ全量回収されたが、金還元に要した還元剤添加量が多かった。
亜硫酸ナトリウム、ヒドラジンでは少量の還元剤量でAuはほぼ全量回収された。しかし、ヒドラジンを用いて還元処理する場合に爆発性を有する雷銀が生成することが懸念された。
以上の結果から、使用する還元剤として亜硫酸ナトリウムが選定された。
表6によれば、金(Au)の他に、主な不純物としてスズ(Sn)、鉛(Pb)、バリウム(Ba)が還元され、回収されたことが分かった。
(実験例3)亜硫酸ナトリウムによる浸出後液中のバリウムの沈殿分離
実験例2の結果を受けて、王水による浸出後液の亜硫酸ナトリウム還元処理にて得られる還元物におけるバリウムの含有量を可能な限り、低くする条件を検討した。
具体的には、金銀滓1の王水浸出後液(金銀滓量1.5kg、王水量1L、液中Ba濃度0.6g/L)100mLに対して、硫酸ナトリウムを固体粉末で0.5〜50等量/Ba添加した。温度は70℃、撹拌時間は各10分で実施した。このとき、硫酸ナトリウム量を0.5〜50等量/Baの間で、バリウム、金、鉛、スズの液中濃度を調べた。結果を図2に示す。
図2によれば、硫酸ナトリウムを10等量/Ba以上添加すると液中のBa濃度は9mg/L以下になり、ほぼ全量が沈殿した。得られた沈殿物のXRD分析から硫酸バリウムであることが確認された。硫酸ナトリウムを50等量/Ba添加した場合でも、液中の金、鉛、スズ濃度に変化は見られなかった。
(実施例4)室温での亜硫酸ナトリウム還元による金とスズの分離
実験例2の結果を受けて、王水による浸出後液の亜硫酸ナトリウム還元処理にて得られる還元物におけるスズ、鉛の含有量を可能な限り、低くする条件を検討した。
具体的には、金銀滓1の王水浸出後液(金銀滓量1.5kg、王水量1L、液中Ba濃度0.6g/L)100mLに対して、亜硫酸ナトリウムを固体粉末で1〜6等量/Au添加した。このとき、還元剤量を1〜6等量/Auの間で、金、スズ、鉛の還元率、および酸化還元電位(ORP;参照電極Ag/AgCl)を調べた。また、この還元処理を二種類の還元温度、すなわち室温(22℃)および80℃のそれぞれで行った。結果を、図3(室温)、図4(80℃)に示す。
また、金の液中濃度が1mg/L以下になったところを反応終点とし、反応終点における金(Au)、スズ(Sn)、鉛(Pb)のそれぞれの還元率(%)ならびに還元物中の組成を、表7に示す。
Figure 2017133084
図3によれば、室温(22℃)における反応終点は、還元剤を1.4等量/Auだけ導入した時点で迎えたことが分かり、このときの還元物の組成は、金90質量%以上であった。一方で、図4によれば、80℃における反応終点は、還元剤を5.0等量/Auだけ導入した時点で迎えたことが分かり、このときの還元物の組成は、金54質量%であった。
このように、80℃での還元よりも、室温での還元の方が、還元剤の使用量が少なく、かつ、還元物に混入するスズ、鉛の量を低減させることができることが分かった。また、図3、図4によれば、反応終点におけるORPは室温、80℃では共に650mV付近であったことが分かる。
(実験例5)還元物の酸洗浄
実験例3、4の結果を受けて、王水による浸出後液へ硫酸ナトリウムを添加してバリウムを沈殿分離した後、室温にて亜硫酸ナトリウム還元処理し金とスズを分離して得られる還元物におけるスズ、鉛、バリウムの含有量を可能な限り、低くする条件を検討した。
具体的には、金銀滓1の王水浸出後液(金銀滓量1500g、王水量1000mL、液中Ba濃度0.6g/L)に対して、硫酸ナトリウムを10等量/Ba添加し沈殿物をろ過して分離した後、酸濃度を10分の1に調整し、亜硫酸ナトリウムを固体粉末で1.4等量/Auとなるように添加して、室温(22℃)で還元処理を行った。得られた還元物を、3mol/Lの塩酸(パルプ濃度100g/L)中、温度60℃で1時間撹拌した。結果を表8に示す。
Figure 2017133084
表8によれば、塩酸による酸洗浄により、Sn、Baの除去率が70質量%を超えた。したがって、還元処理を室温で行って、予めSn、Ba量を低減させておくことで、本酸洗浄により、Sn、Baの含有量を限りなく、0に近くすることができることが分かった。

Claims (9)

  1. Siを50質量%以上含む金銀滓を王水にて浸出し、当該浸出により得られた浸出後液を亜硫酸ナトリウムで還元処理すること特徴とする金銀滓の処理方法。
  2. 前記還元処理を、酸化還元電位(参照電極:銀/塩化銀)が650mV以下になるまで行うことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記還元処理を、50〜90℃で行うことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記還元処理を、10〜40℃で行うことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  5. 前記還元処理後、固液分離した還元残渣を、塩酸を用いた洗浄液で洗浄することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記塩酸を用いた洗浄液における塩酸濃度が3〜6mol/Lであることを特徴とする請求項5に記載の方法。
  7. 前記塩酸を用いた洗浄液の温度が50〜90℃であることを特徴とする請求項5または6に記載の方法。
  8. 前記王水による浸出温度を、50〜90℃とすることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記王水による浸出の対象となる金銀滓を含むパルプ濃度が、700〜1500g/Lであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
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