JP3610126B2 - シート後処理装置及びそれを備えた画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置によって画像が形成されたシートの綴じ操作を行うシート後処理装置及びそれを備えた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のシート後処理装置は、シート綴じ等の後処理を行う本体と、シートを排出するため本体の側壁面に形成された排出口と、壁面に傾斜した状態で取り付けられて排出口より排出されたシートを積載する上下方向に移動可能なトレイと、このトレイに積載されたシートの上流側端部を規制する非可動な規制部材とを備えている。
【0003】
そして、このようなシート後処理装置は、図25に示すように排出口50の内方に配設された排出ローラ23及び上下方向に移動自在に設けられた移動排出ローラ30よりなり、シートSを挟持した状態で回転するローラ対23AによりシートSを排出するようにしている。
【0004】
また、ソート機能を有する後処理装置においては、複数のトレイを上下方向に配すると共に、これらのトレイを保持しているトレイユニットを上下方向に移動させて所定又は任意のトレイを排出口50の下方に位置させた後、シートSを排出するようにしている。
【0005】
なお、同図において、33は上部規制部材、33aは下部規制部材であり、これら上部及び下部規制部材33,33aは規制部材を上下に分割して排出口50に非可動状態で配置されると共に、シートSの上流側端部である傾斜端と当接してシートSの移動を規制するためのものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような従来のシート後処理装置においては、例えば特開平1−313261号公報等に示されるもののように、トレイを一つしか有していないものの場合には、排出シートをユーザーが取りやすくするためトレイを上昇させるようにしている。しかし、このようにトレイを上昇させるとトレイ自体には積載シートを係止する手段が設けられていないことから、排出口に排出シートが逆流(侵入)し、整合性が乱れるという問題点があった。また、この状態でトレイがさらに上昇すると、逆流したシートが排出口とトレイとの間にはさまってロック状態となるという問題点があった。
【0007】
一方、複数のトレイを有したシート後処理装置では、排出したシートを分類して積載を行う場合において、シートを積載したトレイが排出口50を通過することがあり、このトレイの排出口通過の際、排出シートが排出口50に逆流し、これによりシートが排出口50とトレイとの間に挟まってロック状態となるという問題点があった。
【0008】
ところで、シートを排出する際、シートの状態によってはシートが帯電していたり、シート間の摩擦係数が高くなっている場合があり、この場合にはシートが適切にトレイに落下して行かず排出ローラ23と下部規制部材33aとの間に挟まることがあるという問題点があった。
【0009】
そこで、本発明はこのような問題点を解決するためになされたものであり、シートを積載しているトレイが、積載されているシートが排出口に侵入することなく排出口を通過することができると共に、シートを確実にトレイに排出することができるシート後処理装置及びそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、シート綴じ等の後処理を行う本体と、シートを排出するため前記本体の側壁面に形成された排出口と、前記壁面に傾斜した状態で取り付けられて前記排出口より排出されたシートを積載する上下方向に移動可能なトレイと、このトレイに積載されたシートの上流側端部を規制する非可動な規制部材と、を備えたシート後処理装置において、前記トレイに積載されたシートが前記排出口を越えて上下に移動する際には、前記排出口を閉じるように移動し、該積載シートが該排出口に侵入するのを防ぐ排出口開閉部材を備えることを特徴とするものである。
【0011】
また本発明は、前記排出口開閉部材は、前記排出口を閉じた際、前記規制部材と同一面を形成することを特徴とするものである。
【0012】
さらに本発明は、前記規制部材は、前記排出口の上下に分割されて非可動状態に配置され、前記排出口開閉部材が閉じた際には同一面を構成することを特徴とするものである。
【0013】
また本発明は、画像形成部と、この画像形成部に画像形成されたシートの後処理を行うシート後処理装置とを備えてなる画像形成装置にも適応できることを特徴とするものである。
【0014】
そして、以上の構成に基づき、トレイに積載されたシートが排出口を越えて上下に移動する際には、排出口開閉部材を移動して排出口を閉じることにより、トレイに積載された排出シートが排出口に侵入するのを防ぐようにする。また、規制部材を排出口の上下に分割して非可動状態に配置すると共に、排出口を閉じた際、排出口開閉部材が排出口の上下に配置された規制部材と同一面を形成することにより、排出シートが排出口で引っかからないようにする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0016】
図1は、本発明を適用できる画像形成装置の一例である複写装置の内部構成を示す図である。同図において、1は本発明におけるシート後処理装置、100は複写装置本体、200はサイズの異なる複数の用紙を積載するカセット、300は原稿の自動給送を行う原稿給送装置(以下ADFと称す)である。
【0017】
まず、複写装置本体100において、101は原稿を積載する原稿台ガラス、103,104はそれぞれ原稿の反射光の光路を変更する走査用反射ミラー(走査ミラー)、105は合焦及び変倍機能を有するレンズ、106はADF300より送られた原稿を読み取るための照明ランプ及びミラーを持つ第1走査ミラーである。
【0018】
107はレジストローラ、108,110は感光ドラム及び加圧ローラ、111は画像記録された記録紙を定着側へ搬送する搬送ベルト、112は搬送されてきた記録紙を熱圧着させる定着器、113,117は記録紙を搬送する搬送ローラ、114は搬送されてきた記録紙の搬送方向を切り換えるためのフラッパ、115は記録紙をシート後処理装置1の方向へ搬送する搬送ローラ、116は記録紙の表裏を反転する反転パス、118はカセット200から用紙を感光ドラムユニット部へ搬送する搬送ローラ、119,120,121は手差しユニットから用紙を搬送するローラ、トレイ及びに分離パットである。122,123,125は感光ドラム上に画像を形成するためのレーザー、ポリゴンミラー及びに光路を変更するミラー、124はポリゴンミラー123を駆動すためのモータである。
【0019】
また、カセット200において、201はカセット200から用紙を引き出す搬送ローラ、202はカセット200から引き出された用紙を上方へ受け渡す中間ローラである。
【0020】
ところで、感光ドラム108の表面は光導電体と導電体を用いたシームレス感光体から成り、このドラム108は回動可能に軸支されて、複写開始キーの押下に応答して作動するメインモータ(図示せず)により、同図の矢印の方向に回転を開始するようになっている。なお、ドラム108の所定回転制御及び電位制御処理(前処理)が終了すると、原稿台ガラス101上に置かれた原稿は第1走査ミラー106と一体に構成された照明ランプにより照明され、その原稿の反射光は走査ミラー103,104を経てレンズ105を通り、レンズユニット内部の受光素子にて結像するようになっている。
【0021】
ここで、この原稿からの反射光像は受光素子において電気信号に変換されて画像処理部(図示せず)へ送られる一方、この画像処理部においてユーザーより本体が受けた所定のデータ処理が行われた後、レーザー112へ送られるようになっている。そして、このデータ処理が行われた電気信号はレーザー部112で光に変換された後、ポリゴンミラー123、ミラー125を反射して感光ドラム108上で静電潜像となると共にトナーにより可視化されて後述するように転写紙上に転写されるようになっている。
【0022】
また、カセット200もしくは手差しトレイ120にセットされた転写紙は、給送ローラ118,119,201,202により複写装置本体100内に送られ、レジストローラ109により、正確なタイミングをもって感光ドラム108の方向へ送られ、潜像先端と転写紙の先端とが一致される。その後、感光ドラム108とローラ110との間を転写紙が通過することにより、ドラム108上のトナー像が転写紙上へ転写される。
【0023】
なお、この後、転写紙はドラム108より分離され、搬送ベルト111により定着器112は導かれ、加圧及び過熱により定着される。そして、このようにして画像形成された転写紙(以下シートという)はフラッパ114により、116に示すパス内に入り、シートの後端がフラッパ114を抜けた時点で搬送ローラ117は図示する矢印の逆の方向へ回転する。そこでシートは116に示すパスを逆方向へ進行し、その先端はフラッパ114により排紙ローラ115の方向へ進行させられ、印字面を下向きにシート後処理装置本体1へ出力される。
【0024】
一方、ADF300において、301は原稿束302を原稿下向きにセットする積載トレイであり、原稿束最下紙よりピックアップローラ304が1枚ずつ搬送する。305は原稿が複数枚束送りされてきた場合に1枚ずつ最下紙を送り出す分離手段であり、306は分離された原稿の先端ぞろえを行うレジストローラ対である。なお、レジストローラ306を通過した原稿は、読み取り部307でミラー台106を固定した状態で原稿を読み取る(いわゆる流し読み)が行われた後、排出ローラ308を経て排出トレイ309上へ積載されるようになっている。
【0025】
ところで、シート後処理装置1の上部にはストッパ部材2が設けられており、複写装置本体100に接続する際は、このストッパ部材2によって複写装置本体100の側面に形成されているホールド部60に位置決め取り付けられている。また、シート後処理装置1の下部には、シート後処理装置1を支える折り機ユニットもしくは取付台70が配置され、これには移動可能なようにキャスタ80が取り付けられている。
【0026】
これにより、複写装置本体100の排紙部付近でのジャム処理やシート後処理装置1と複写装置本体100の受け渡し部でのジャム処理を行う際は、まずストッパ部材2を解除し、次にシート後処理装置1を水平移動することにより複写装置本体100と離間させることで容易に行うことができる。
【0027】
一方、複写装置本体100の排出部より排出されたシートは、シート後処理装置1内で処理される場合は、図2においてフラッパ4の上流側端部が下方へ位置し、ローラ対5を通して第1搬送パス6へ送られる。なお、折り装置へコピーシートを搬送する場合は、フラッパ4の上流側端部が上方へ位置し、第2搬送パス7を通ってローラ対8により第3搬送パス9からさらに図示破線矢印の方向へ送られるようになっているが、ここではシート後処理装置1内でシートを処理する場合のみを説明する。
【0028】
複写装置本体100の排出部より排出されたシートはフラッパ4、ローラ対5及び第1搬送パス6を通ってさらに下流側の第5搬送パス12へ送られる。なお、10は第4搬送パス、S1,S2,S3はシート検知センサであり、通過シートの検知及び滞留シートの検知等を行うためのものである。
【0029】
また、29はトレイ排出下ローラ、13は押えコロ、14は排出整合ベルトであり、トレイ排出下ローラ29と、押えコロ13の間に挟持されて回転し、かつベルト外れ防止策としてベルト内側の中央部付近に図示しないエンドレスのリブを設け、トレイ排出下ローラ29と係合して回転する構成である。
【0030】
21は突き当て板であり、シート整合の際の基準面となるものであり、ステイプル可能なホームポジションと、ステイプル20が前後動する際に退避する位置及びステイプル済紙をトレイ上へ束押し出しする位置の3ポジションがとることが出来るようになっている。なお、ステイプル20の位置を変更する際に突き当て板21がステイプル20と干渉する場合は、前退避位置へ移動するように構成されている。また、22は突き当て板21を動作するレバーであり、図示しないモータ等で駆動されている。
【0031】
ところで、本実施例において、シートの幅方向の整合は、図3に示す幅よせガイド17によって行われる。またステイプル20は、シートに対して2ケ所綴じ、手前側1ケ所綴じ及び奥側側1ケ所綴じを行うため、図3の矢印で示す範囲を平行移動し、各サイズの所定の位置でステイプルを行う。本実施例の説明では、このステイプル20の説明は省略するが、通常市販されている電動ソレノイドあるいはモータ駆動の自動ホチキス装置の構成とほぼ同一のもので、シートに対し、ステイプル針を打ち込んでシートを綴じる構成のものである。
【0032】
また、図2において26,27,28は第1,第2,第3トレイであり、シート後処理装置1の側壁面1aに形成されている排出口50から排出されるシートを積載するためのものであり、25はこれら第1,第2,第3トレイ26,27,28を上下方向にかつ本体1側に傾斜した状態で取り付けているトレイユニットである。
【0033】
ここで、このトレイユニット25は、本体1の側壁面1aに上下方向に移動可能に取り付けられ、内蔵される駆動源による駆動力によって上下方向の移動が可能となっている。そして、このトレイユニット25を上下動することにより、所望するトレイ26,27,28をシート受け位置に移動させることができるようにしている。
【0034】
一方、32はステイプルトレイであり、ステイプル時、シートをトレイ26,27,28と共に保持するものである。なお、これらトレイ26,27,28及びステイプルトレイ32は搬送方向の上流方向へ積載されたシートが自重で戻るよう角度を付けられている。
【0035】
ところで、図5において、15は揺動ガイドであり、移動排出ローラ30を回転自在に保持すると共に、シート排出時、図6に示すカム24が駆動源Mにて同図の矢印方向に回転することにより、図5に示すように揺動軸15aを支点として下方に揺動し、移動排出ローラ30を排出ローラ23に圧接させるためのものである。なお、この揺動ガイド15は、後述するステイプルモードの際には、図7に示すように移動排出ローラ30を排出ローラ23から離間させるよう上方に揺動して2つのローラ23,30の状態をシート排出可能状態からシート排出不能状態に切り替えるようにしている。
【0036】
また、図5において、16は排出口開閉部材であるストッパであり、トレイ移動時に回動軸16aを支点として回動し、図8に示すように破線位置から矢印A方向に回動し、上端部に形成されているシャッタ部16bにより排出口50を塞いでトレイ27が排出口50を通過する際、トレイ27に積載されているシートSが図9の斜線で示す空間Eに入り込んで排出口50とトレイ27との間に挟まれるのを防ぐためのものである。
【0037】
ところで、本実施例においては、シート排出時、シートが排出口50で引っかかることがないよう図9に示すように排出ローラ23を下部規制部材である下部スノコガイド33aより前方に突出させている。そして、このように排出ローラ23を下部スノコガイド33aより前方に突出させることにより、シートSの状態に拘らずシートSを確実に排出できるようにしている。
【0038】
しかし、このように排出ローラ23を突出させると、トレイ27が上昇する場合には、この排出ローラ23が邪魔になる。そこで、本実施例では、図10に示すように排出ローラ23の回転軸23aを保持部材40に形成されたスライド溝40aに嵌入して排出ローラ23を排出口50の奥行き方向に移動可能な構造とする一方、排出口50を閉じる途中のストッパ16を排出ローラ23に当接させ、このストッパ16の回動に伴って排出ローラ23が奥行き方向に押されるように構成している。なお、この排出ローラ23は、通常はバネ41により、図8の破線で示す突出位置に保持されている。
【0039】
これにより、トレイ移動時、ストッパ16が閉じられと、排出ローラ32は、バネ41を縮めながら図8の矢印で示すように排出口50の奥行き側方向に押されて実線で示すようなトレイ27の移動を妨げない位置に退避するようになる。このように、トレイ27が上昇する際、ストッパ16を閉じると、排出口50の空間E(図9参照)を塞ぐことができると共に、排出ローラ23をトレイ27の移動を妨げない位置に移動することができるので、シートSを載置したトレイ27は排出口50にシートSを侵入させることなく通過することができる。
【0040】
なお、排出口50を塞いだ際、ストッパ16のシャッタ部16bは、上部規制部材である上部スノコガイド33及び下部スノコガイド33aと同一平面を形成するようになっているので、トレイが上昇する際、積載されたシートは、排出口50付近で引っかかることはない。
【0041】
一方、このストッパ16は、シートを排出する場合には、図5に示すY方向に回動して排出口50を解放するようになっており、また後述するステイプルモードの際には、図7に示すように揺動ガイド15と同様に排出口50を解放する方向に回動するようになっている。なお、このようにストッパ16が回動すると、排出ローラ23はバネ41の復元力により突出位置に戻るようになる。
【0042】
ところで、これらストッパ16及び揺動ガイド15の作動は、シート後処理装置1の所定位置に設けられ、図11に示すような制御装置42にて制御されるようになっている。なお、同図において、M1はストッパ16の駆動源、M2はトレイユニット25の駆動源、26a,27a,28aはトレイ26,27,28に設置された紙有センサである。
【0043】
次に、このように構成されたシート後処理装置1の動作について説明する。
【0044】
例えば、ステイプルを行わずにコピーシートを排出する際には、積載トレイ26,27,28に直接排出するようにしている。図5には、第1トレイ26にコピーシートを排出する場合を示す。
【0045】
ところで、ユーザによってノンステイプルモードが選択されると、制御装置42は、駆動源Mを駆動し、図6に示すようにカム24及びワンウェイクラッチ機構24aを介して揺動ガイド15を矢印a方向に揺動させて、移動排出ローラ30を排出ローラ23に圧接する位置まで下げるようにする。なお、このときストッパ16は、図5に示すように揺動ガイド15に対してY方向に回動した位置まで回動して停止している。
【0046】
この状態で複写装置本体100からシートが排出されると、この排出シートは、図2に示す搬送パス6,12を通り、ローラ対13,29に渡されてさらに下流側へ排出される。この後、揺動ガイド15によって積載トレイの方向へ向けられ、排出ローラ対23,30を経てトレイ26上へ排出される。
【0047】
一方、通常のシートを大量にとる場合には、まず制御装置3は、図5に示すようにトレイ26,27,28に設置された紙有センサ26a,27a,28aにより、トレイ26,27,28上にシートが残っていないことを確認し、この後トレイユニット25を第1トレイ26の1枚目のコピーシートを受ける所定の位置まで移動させる。
【0048】
そして、この後シートの積載を開始すると共に、シートの積載枚数が一定数になると、トレイユニット25を積載済シートの上面が1枚目のシートを受けた面とほぼ同一になるよう定められた位置まで降下させる。上記動作を繰り返して、トレイ内に最大積載量のシートが積載されたことを検知すると、複写装置本体100へ停止信号を出し、シートの排出を一時停止する。
【0049】
次に、トレイユニット25を、第2トレイ27でシートを積載するため、第2トレイ27の1枚目のコピーシートを積載するよう定められた位置まで降下させる。この後、複写装置本体100にコピー動作を再開させ、シートの積載を再開する。この後の動作は前述と同じ動作を、トレイが満載になるまで繰り返す。第3トレイ28にコピーシートを積載する場合も、第1トレイから第2トレイへ移動する場合と同様である。
【0050】
ところで、実施例において、複写装置本体100は、デジタル方式のものであり、このようなデジタル方式の複写装置本体100は、原稿の画像を読み取るスキャナ部と、画像を再現するプリンタ部で構成されており、各々独自に動作することも可能である。スキャナ部では、原稿をランプで照射し、その反射光を受光素子で小さな点(画像素)に分解すると同時に原稿の濃淡に応じた電気信号に交換(光電変換)しており、また、プリンタ部は、スキャナ部より送られてきた電気信号をもとに、レーザ光でドラムを照射し、ドラム上に静電潜像を作り、現像、転写、定着を経てコピー画像を形成している。
【0051】
よってデジタル複写機に、図1に示すようにインターフェイス500を接続することにより、スキャナ部で読み取った原稿の信号を他のファクシミリ501に転送したり、逆に他のファクシミリから受けた電気信号をインターフェイス500を通してプリンタ部へ送り画像を転写紙に写しだすことも可能である。また、同様にパソコンのようなコンピュータ機器502から受けた画像信号をインターフェイス500を通してプリンタ部へ送り転写紙へコピーしたり、スキャナ部で読み取った画像をインターフェイス500を通じてパソコンへ取り込んだりすることができるようになっている。
【0052】
上記した様に、現在のデジタル複写機では、ADF300から送られた原稿や原稿台101上へ載置された原稿を読み取ってコピーするだけではなく、インターフェイス500を介在することにより、ファクシミリとして使用したり、パソコンのプリンタとして使用することも可能となっている。
【0053】
ところで、このように複写装置本体100を使用するためにはシートを別々のトレイに分類して積載したり、ユーザの希望によってはトレイの各々に番号付けを行ってユーザの希望のトレイ上へシートを積載する必要がある。
【0054】
このため、本実施例において、制御装置42は第1トレイにはファクシミリの出力し、第2のトレイにはパソコンからの出力紙、第3のトレイにはコピーモード時の出力紙を積載するようにしている。次に、このように各トレイ26,27,28にシートを排出する場合について説明する。
【0055】
まず、図12に示すパソコンからの出力紙をある枚数受けた状態からコピーモードのシートSを積載する場合、即ち第3トレイ28を使用する場合について説明する。この場合は、トレイユニット25を降下させて第3トレイ28の1枚目のコピーシートを受ける位置へ移動させるが、この動作はコピーモード時において、トレイ内の積載枚数が最大になっていなくても降下をする点を除くと同一である。
【0056】
次に、第2トレイ27にパソコンの出力紙をある枚数受けた状態でファクシミリの出力紙を積載する場合、即ち第1トレイ26を使用する場合について説明する。
【0057】
この場合は、第2トレイ27にシートSを積載したまま、トレイユニット24を上昇させるが、この前に図8に示すようにストッパー16を同図の破線位置から実線位置へ回動させて空間Eを防ぐようにする。これにより、トレイ27はシートSを排出口50に侵入させることなく排出口50を通過することができる。なお、ストッパ16が回動すると、排出ローラ23が、ストッパ16に押されながら同図の破線位置から実線位置までスライドするので、トレイ27は排出ローラ23に邪魔されることなく排出口50を通過して上方へ移動することができる。
【0058】
そして、このようにシートSを積載したトレイ27が排出口50を通過することができるようにすることにより、インターフェイスをもつ複写装置本体100の性能を十分に生かすことができる。
【0059】
次に、シート後処理装置のステイプル動作について説明する。
【0060】
ステイプルを行ってコピーをとるステイプルソート時には、積載トレイ26,27,28に直接積載せず、まず図7におけるステイプルトレイ32に積載する。
【0061】
ユーザーによってステイプルソートモードが選択されると、制御装置42は、駆動源Mにより、揺動ガイド15を同図に示すように排出ローラ23,30が離間した位置へ揺動させる。ここで排出ローラ23は、排出口50の奥行き方向に引っ込んだ位置に移動している。
【0062】
この状態で、複写装置本体100から排出されてきたシートは、搬送パス6,12を通り、ローラ対13,29に渡された後、このローラ対13,29により排出されるようになるが、揺動ガイド15が上方に揺動しているため、シートは排出されずステイプルトレイ32上に積載される。この際トレイ26はノンステイプルモード時よりやや上側にあり、図13に示す様にシートSの後端をささえて排出方向上流側へ戻るのを補助している。
【0063】
一方、同図で示すようにステイプルトレイ32上へ排出されたシートSは、ステイプルトレイ32の傾斜及びにトレイ26へのシートSの落下位置を高めにとることにより、排出方向上流側へ自重落下するのを補助されているが、更に排出ローラ29と同期して矢印方向へ回転する排出整合ベルト14によりステイプルトレイ32上の上流側方向へ付勢されている。
【0064】
よってシートSは突き当て板21に突き当たって排出方向に対して垂直な方向に対して整合される。またシートの幅方向の整合は、図3,4,7に示す幅よせガイド17によって、シートSがステイプルトレイに落下して、突き当て板21に突き当たる所定の時間で動作を開始し、シートSの幅寸法よりも所定の寸法だけ本体奥側から手前側へ動作することによりシートSは手前方向に整合される。なお、シートの手前方向の整合位置は図3におけるFの位置であるが、レバー34はG点を中心に回動可能であり、シートの幅方向の整合位置を変更することも可能である。
【0065】
以下、2枚目以下のシートSはユーザーが設定した枚数がステイプルトレイ上にすべて積載されるまで上記動作が繰り返される。
【0066】
そして、図14に示す様にユーザーが設定した枚数がステイプルトレイ上に整合されると、ステイプラが動作し、ユーザーの設定した位置にステイプルする動作を行う。なお、ステイプルが終了すれば図15に示すように突き当て板21が排出方向下流側へ動作を開始し、図16に示すようにトレイ26上へステイプルされたシート束Saが排出される。
【0067】
また、ステイプル動作時には次のシートSが画像形成装置から排出されてくるため、次のジョブの排出紙の先頭の1枚目を本体装置内部に滞留させ、2枚目のシートSを重ねて排出するという動作を行う。
【0068】
その動作を図17から図22を用いて説明する。なお、図17は本動作で関係する搬送パスとローラ対、センサ類を示す図である。
【0069】
複写装置100から排出された1枚目のシートS1は、図18に示すようにフラッパ4で搬送パス6内のローラ対5へ送られた後、更に搬送パス12内のローラ対11へ受け渡され、シートSの先端Iは、センサ15へ達する。
【0070】
また更にシートSは搬送されると、シート後端Jがセンサ14を抜け、所定量搬送すると、パス6とパス10の分岐点Hを超える。ここでローラ対11は図19の矢印方向へ逆転を開始し、このローラ対11の逆転によりシート後端Jは紙の弾性でストレートパスに入り込むため、搬送パス10へ入り込む。
【0071】
ここで、この搬送パス10のローラ対8は矢印方向へ回転しているため、シートS1は矢印方向へ搬送される。そして、この後後端部Jがセンサ16で検知された後、所定量だけ搬送されると、先端部Iはローラ対11に挟まれていない位置まで戻り、ローラ対8は停止する。
【0072】
一方、1枚目のシートS1をこの位置に停止した状態で、図20に示すように2枚目のシートS2がローラ対5により搬送されてくる。そして、この2枚目のシートS2は1枚目のシートS1と同じパス内を通ってローラ対11を通り、図21に示すようにセンサ15へ達する。そして、センサ15が2枚目のシートS2の先端を検知すると、ローラ対8が搬送方向下流側へ動作を開始し、図22に示すように2枚重ねて排出する。
【0073】
以上の動作を行うことでステイプラがステイプル動作を行っている時間は排出ローラ13,29からシートは排出されずステイプル動作を行うことができ、かつ複写装置100の動作も停止することがない。
【0074】
また同一パス内をシートS1,S2がすれちがいに搬送されるようにすることにより、本体1内に滞留するシートの別パスを構成する必要がなくなり、スペースを小型化することが可能である。
【0075】
以上の動作を繰り返すことで、複数のステイプルシート束を作成するが、図23に示すように、トレイ26上に既にステイプルしたシート束Saがあり、シート束Saのたわみや膨らみが大きい場合には、このシート束Saの傾斜端部がF点を上側へ超えてしまうことがある。
【0076】
そして、このようシート束Saの傾斜端部がF点を超えてしまうと、次排出紙が出てくる際に引っかかってジャムしたり、幅よせガイド17が動作して整合する際の負荷となって整合性が悪化することがあるため、本実施例においては、図23に示すようにトレイ26のシート束Saの上側端面を押えるストッパー部材36を設け、出没可能としている。
【0077】
なお、このストッパー部材36は、別のトレイにシートSを排出するためにトレイが移動したり、図16における押し出し部材21がステイプルトレイ32下流側端面に近い所に来た場合に引き込まれて、トレイ36の移動を可能にし、またステイプル済シートSaの排出を容易にしている。
【0078】
ところで、これまでの説明においては、トレイ移動時、ストッパ16により排出口50を塞ぐようにしたものについて述べてきたが、例えば図24に示す様に、各トレイ26,27,28の付け根の先端部分に、シートSの傾斜端を係止してシートSの移動を阻止する回動可能な係止部材35を設けるようにしてもよい。
【0079】
そして、トレイユニット25が現在使用しているトレイから別のトレイへシートSを排出するために上下動をする際には、この係止部材35を破線位置へ上昇させて排出口50へのシートSの侵入を阻止することにより、トレイ27に積載されているシートSがステイプルトレイ32内へ落下するのを防ぐことができる。
【0080】
なお、別のトレイがステイプルトレイ32の下流側端部の所定の位置へ移動後には、この係止部材35を下方に回動させることにより、ステイプルトレイ32から排出されてきたシートSを受け取ることができるようになっている。このような構成をとることによってもシートを積載したままトレイを移動させることができる。
【0081】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、トレイに積載されているシートが排出口を移動する際、排出口開閉部材を移動して排出口を閉じることにより、トレイは積載シートが排出口に侵入することなく排出口を通過することができる。そして、このようにトレイがシートを積載したまま排出口を通過することができるようにすることにより、シートを積載したトレイを上方へ移動させることができ、ユーザーがシートを取りやすくすることができる。またトレイを複数化し、出力されたシートを仕分して積載することも可能となり、ユーザーの利便性を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したシート後処理装置と複写装置の断面図。
【図2】上記シート後処理装置の要部側面断面図。
【図3】上記シート後処理装置のステイプルトレイ部の平面図。
【図4】上記ステイプルトレイ部の側面断面図。
【図5】上記シート後処理装置のシート排出時の様子を示す図。
【図6】上記シート後処理装置の揺動ガイドを揺動させる様子を示す図。
【図7】上記シート後処理装置のステイプル時の様子を示す図。
【図8】上記シート後処理装置のストッパが排出口を塞いだ様子を示す図。
【図9】上記揺動ガイドが下方に揺動した時の様子を示す図。
【図10】上記シート後処理装置の排出ローラを移動可能に保持する構造を示す図。
【図11】上記シート後処理装置の制御装置の構成を示す図。
【図12】上記シート後処理装置の第2トレイにシートを積載している状態を示す図。
【図13】ステイプルソート時における上記第2トレイの状態を示す図。
【図14】ユーザが設定した枚数がステイプルトレイ上に整合された状態を示す図。
【図15】ステイプル済のシートが排出される様子を示す図。
【図16】ステイプル済シートが排出された様子を示す図。
【図17】上記シート後処理装置の搬送パス、ローラ対、センサ類を示す図。
【図18】上記シート後処理装置内に1枚目のシートが侵入し始めた状態を示す図。
【図19】上記1枚目のシートが停止した様子を示す図。
【図20】上記シート後処理装置内に2枚目のシートが侵入し始めた様子を示す図。
【図21】上記1枚目シートに2枚目のシートが重なってゆく様子を示す図。
【図22】上記2枚のシートが重ねられた状態で排出される様子を示す図。
【図23】上記排出口に設けられたストッパ部材の動きを示す図。
【図24】トレイの付け根の先端部分に係止部材を取り付けるようにした本発明の他の実施例にかかるシート後処理装置の要部側面断面図。
【図25】従来のシート後処理装置の要部拡大側面断面図。
【符号の説明】
1 シート後処理装置
15 ストッパ
16 揺動ガイド
26,27,28 トレイ
33 上部スノコガイド
33a 下部スノコガイド
50 排出口
100 複写装置
S シート
M 駆動源
Claims (4)
- シート綴じ等の後処理を行う本体と、シートを排出するため前記本体の側壁面に形成された排出口と、前記壁面に傾斜した状態で取り付けられて前記排出口より排出されたシートを積載する上下方向に移動可能なトレイと、このトレイに積載されたシートの上流側端部を規制する非可動な規制部材と、を備えたシート後処理装置において、
前記トレイに積載されたシートが前記排出口を越えて上下に移動する際には、前記排出口を閉じるように移動し、該積載シートが該排出口に侵入するのを防ぐ排出口開閉部材を備えることを特徴とするシート後処理装置。 - 前記排出口開閉部材は、前記排出口を閉じた際、前記規制部材と同一面を形成することを特徴とする請求項1記載のシート後処理装置。
- 前記規制部材は、前記排出口の上下に分割されて非可動状態に配置され、前記排出口開閉部材が閉じた際には同一面を構成することを特徴とする請求項1記載のシート後処理装置。
- 画像形成部と、この画像形成部に画像形成されたシートの後処理を行うシート後処理装置とを備えてなる画像形成装置において、
前記シート後処理装置が請求項1乃至3記載のシート後処理装置であることを特徴とする画像形成装置。
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- 1995-08-09 JP JP20366795A patent/JP3610126B2/ja not_active Expired - Lifetime
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