JP4054606B2 - シート処理装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シート処理装置に関し、詳細には、例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置から搬出される複写用紙等のシートに対して処理を行うシート処理装置及び該装置を備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図16に、従来のシート処理装置を示している。同図に示すシート処理装置1は、装置本体1aの側壁面1bにシートを排出するための排出口50が形成され、この側壁面1bに排出されたシートを積載する2つ以上の積載トレイ24,25が傾斜した状態で配置されている。積載トレイ24,25は、駆動手段(図示せず)により上下移動するレール75に取付けられている。装置本体1aの上部にはレール75に連結されて上下動するスライド規制部材76が配置されている。
【0003】
上部の積載トレイ24は、通常はホームポジション(図16の実線の位置)にあり、シートSを積載するときは排出口50より下側の破線位置に下降し、積載した後上昇する。シートSを積載した積載トレイ24が上昇するのに同期してスライド規制部材76も上昇し、上部の積載トレイ24に積載されたシートSが滑り落ちないように、シートSの上流側後端部を規制するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来のシート処理装置では、積載トレイ24,25の移動用のレール75とスライド規制部材76を連結することにより、積載トレイ24と同期してスライド規制部材76の上下動を行っているため、積載トレイ24上にシートSを大容量積載しようとすると、通常の積載トレイ24の待機位置(ホームポジション、図16の実線の位置、この位置ではシートの積載は行わない)のときにもスライド規制部材76が装置本体1aから上方に突出することになり、装置が大型化してしまうという欠点があった。
【0005】
また、1つの積載トレイのみ有している不図示のシート処理装置においても、同様な課題を有していた。すなわち、積載トレイに積載したシートをユーザーが取り易くするため、積載トレイをホームポジションに相当する高さ、あるいはそれ以上に上昇させたとき、シートが滑り落ちることがある。このため、上記スライド規制部材を備えている場合がある。このような場合においても、スライド規制部材が上方に突出しているので、装置が大型化するという欠点があった。
【0006】
また、装置の大型化を防ぐためスライド規制部材76をなくすと、上側の積載トレイ24上の積載枚数が少なくなってしまう。そのため、上記従来例では、シート積載量を増やすためにはシート処理装置を大型化せざるを得なかった。
【0007】
そこで、本発明の目的は、装置を大型化することなく、シートの整列及び整合性を向上させ、シート積載量を増加させたシート処理装置及び画像形成装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のシート処理装置は、シートが排出される排出口と、前記排出口から排出されるシートを積載して、上下動可能なシート積載手段と、前記シート積載手段に積載されたシートの後端部を規制して上下動可能なスライド部材と、該スライド部材の上部に設けられて、前記シート積載手段に積載されたシートを上方から押圧可能な突起部とを有したシート規制手段と、を備え、前記シート規制手段は、前記シート積載手段に積載されたシートが、前記シート積載手段の上昇によって前記排出口より上方に移動するときに、該シートを上から押圧した状態で該シートとともに上方に移動可能である。
【0009】
上記目的を達成するため、本発明のシート処理装置は、シートが排出される排出口と、前記排出口から排出されるシートを積載して、上下動可能なシート積載手段と、前記シート積載手段に積載されたシートの後端部を規制して上下動可能なスライド部材と、該スライド部材に上下動可能に設けられて、前記シート積載手段に積載されたシートを上方から押圧可能な突起部とを有したシート規制手段と、を備え、前記シート規制手段は、前記シート積載手段に積載されたシートが、前記シート積載手段の上昇によって前記排出口より上方に移動するときに、該シートを上から押圧した状態で該シートとともに上方に移動可能である。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明のシート処理装置は、シートが排出される排出口と、上下動可能に上下方向に配列されて、前記排出口から排出されるシートが積載される上段のシート積載手段及び下段のシート積載手段と、前記シート積載手段に積載されたシートの後端部を規制して上下動可能なスライド部材と、該スライド部材の上部に設けられて、前記シート積載手段に積載されたシートを上方から押圧可能な突起部とを有したシート規制手段と、を備え、前記シート規制手段は、前記下段のシート積載手段に前記排出口から排出される前記シートを積載できるように前記上段のシート積載手段が前記排出口より上方へ移動するときに、前記上段のシート積載手段に積載されたシートを上から押圧した状態で該シートとともに上方に移動可能である。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明のシート処理装置は、シートが排出される排出口と、上下動可能に上下方向に配列されて、前記排出口から排出されるシートが積載される上段のシート積載手段及び下段のシート積載手段と、前記シート積載手段に積載されたシートの後端部を規制して上下動可能なスライド部材と、該スライド部材に上下動可能に設けられて、前記シート積載手段に積載されたシートを上方から押圧可能な突起部とを有したシート規制手段と、を備え、前記シート規制手段は、前記下段のシート積載手段に前記排出口から排出される前記シートを積載できるように前記上段のシート積載手段が前記排出口より上方へ移動するときに、前記上段のシート積載手段に積載されたシートを上から押圧した状態で該シートとともに上方に移動可能である。
【0014】
本発明のシート処理装置における、前記シート規制手段のスライド部材は、シート処理装置本体の側壁に沿って上下方向に移動できるようになっている。
【0015】
本発明のシート処理装置における、前記シート規制手段は、その自重により下方に付勢されている。
【0016】
本発明のシート処理装置における、前記シート規制手段は、ばね付勢手段により下方に付勢されている。
【0017】
本発明のシート処理装置における、前記シート規制手段のスライド部材と突起部との両方が、その自重により下方に付勢されている。
【0018】
本発明のシート処理装置における、前記シート規制手段のスライド部材と突起部との両方が、ばね付勢手段により下方に付勢されている。
【0019】
本発明のシート処理装置における、前記規制手段のスライド部材と突起部とのいずれか一方が、その自重により下方に付勢され、他方がばね付勢手段により下方に付勢されている。本発明のシート処理装置は、シートを綴じるステイプラを備え、前記シート積載手段は、前記ステイプラによって綴じられたシート束を積載可能になっている。
【0020】
上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、シートに画像を形成する画像形成手段と、画像を形成されたシートを処理するシート処理装置と、を備え、前記シート処理装置は、上記いずれか1つのシート処理装置である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面とともに説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係るシート処理装置を備えた画像形成手段の一例である複写装置の内部構成を示す図である。
【0022】
図1において、Aは複写装置(画像形成手段の一例)100と、シート処理装置1とからなる画像形成装置、100aは複写装置本体、300は原稿の自動給送を行う原稿給送装置(以下、ADFという)、1は複写装置100に取り付けられたシート処理装置、1aはシート処理装置本体である。
【0023】
複写装置100は、複写装置本体100aの上面に設けられ、原稿を積載する原稿台ガラス101、原稿からの反射光の光路を変更する走査用反射ミラー(走査ミラー)103、104、合焦及び変倍機能を有するレンズ105、ADF300より送られた原稿を読み取るための照明ランプ及びミラーを持つ第1走査ミラー106を備えたスキャナ部100B、感光ドラム108及び転写ローラ110を備えた画像形成部である感光ドラムユニット100Cを備えている。
【0024】
同図において、122、123、125は感光ドラム108上に画像を形成するためのレーザ、ポリゴンミラー及び光路を変更するミラーであり、124はポリゴンミラー123を駆動するためのモータである。107はレジストローラ、111は画像記録されたシートを定着側へ搬送する搬送ベルト、112は搬送されてきたシートを熱定着させる定着器である。
【0025】
感光ドラム108の表面は半導電体と導電体を用いたシームレス感光体からなっており、この感光ドラム108は回動可能に軸支されており、複写開始キーの押下に応答して作動するメインモータ(図示せず)により、時計回り方向に回転するようになっている。
【0026】
感光体ドラム108の表面のクリーニング処理、帯電処理等が終了すると、原稿台ガラス101上に置かれた原稿は第1走査ミラー106と一体に構成された照明ランプにより照射され、その原稿の反射光は走査ミラー103、104を経てレンズ105を通り、レンズユニット内部の受光素子にて結像するようになっている。
【0027】
この原稿からの反射光像は受光素子において電気信号に変換されて画像処理部(図示せず)へ送られる一方、この画像処理部においてユーザより複写装置100が受けた所定のデータ処理が行われた後、レーザ122へ送られるようになっている。そして、このデータ処理が行われた電気信号はレーザ光に変換された後、ポリゴンミラー123、ミラー125によって反射された感光ドラム108上で静電潜像となると共にトナーにより可視化されて後述するように転写用のシート上に転写されるようになっている。
【0028】
113、117はシートを搬送する搬送ローラ、114は搬送されてきたシートの搬送方向を切り換えるフラッパ、115はシートをシート処理装置1の方向へ搬送する搬送ローラ、116はシートの表裏を反転する反転パス、119は手差しユニットからシートを搬送するローラ、120は手差しシートトレイ、121は分離パッドである。
【0029】
複写装置本体100aの下部には給紙カセット200が設けられている。この給紙カセット200は、各サイズのシートを種類別に積載し、複写装置本体100aからの信号により種類別にシートを複写装置本体100aへ供給するものである。201は給紙カセット200からシートを引き出す搬送ローラ、202は給紙カセット200から引き出されたシートを上方へ受け渡す中間ローラ、118は給紙カセット200からのシートを感光ドラムユニット100Cへ搬送する搬送ローラである。
【0030】
給紙カセット200もしくは手差シートトレイ120にセットされたシートは給紙ローラ118、119、201、202により複写装置本体100a内に送られ、レジストローラ107により正確なタイミングをもって感光ドラム108の方向へ送られ、潜像先端とシートの先端とが一致される。その後、感光ドラム108と転写ローラ110との間をシートが通過することにより、ドラム108上のトナー像がシート上へ転写されるようになっている。
【0031】
この後、シートは感光ドラム108より分離され、搬送ベルト111により定着器112へ導かれ、この定着器112において加圧及び加熱されることによりトナー像が定着される。このようにして画像形成されたシートはフラッパ114により、排紙ローラ115の方向へ搬送され、印字面を上向きにしてシート処理装置1へ排出されるようになっている。
【0032】
前記シート処理装置1は、複写装置100により画像が形成されたシートに対して整合、ステイプル(綴じ)、折り処理などの処理を行うものであり、シート処理部の一例であるステイプルを行うためのステイプラ22及び処理が終わったシート(束)を積載する第1及び第2排紙トレイ24、25等を上下に備えている。シート処理装置1の取付台70の内部には折り装置(図示せず)が設けられている。そして、複写装置100により画像が形成されたシートは、その後の処理に応じてシート処理装置本体1aあるいは取付台70に配設されている折り装置に搬送されるようになっている。
【0033】
図2に示すように、シート処理装置1でシートを処理する場合は、複写装置100に近い側の第1フラッパ3の上流側端部を実線で示すように下方向へ位置させると共に第1フラッパ3の下流側に配置された第2フラッパ4の上流側端部を実線で示すように上方向へ位置させるようにしている。これにより、シートはローラ対5を通して搬送経路である第1搬送パス6へ送られ、第1搬送パス6から更に下流側へ送られる。
【0034】
なお、折り装置へシートを搬送する場合は、第1フラッパ3の上流側端部を破線で示すように上方向へ位置させるようにする。これにより、シートは第3搬送パス7を通って矢印43方向の先に位置する折り装置へ送られる。
【0035】
図2において、8は第1搬送パス6に設けられた待機経路である第2搬送パス(以下、バッファパスという)、9はバッファローラ、14、15、16は第1〜第3バッファコロ、10、11、12、13は第1〜第4シートの検知等を行う検知センサ、17は第1の排出ローラ、18は押えコロ、19は排出整合ベルト(整合回転体)である。この排出整合ベルト19は第1の排出ローラ17と押えコロ18により狭持されて回転し、かつベルト外れ防止策としてベルト内側の中央部付近に図示しないエンドレスのリブを設け、第1の排出ローラ17と係合して回転する構成となっている。
【0036】
この排出整合ベルト19の内側には排出整合ベルト19を動かすためのベルトコロ61が配置され、このベルトコロ61はベルト移動板62で、図示しない駆動源により動作可能となっている。そして、ベルト移動板62及びベルトコロ61により、排出整合ベルト19を強制的に変形させる移動手段を構成している。
【0037】
スノコシャッタ34は、上下方向に移動可能であり、後述する様に第1排紙トレイ24がシートを積載して移動する際には上昇して排出口50(図6のFで示す斜線部)を閉じてシートが落下してくるのを防止するようにしている。また、第1排紙トレイ24にシートを排出する際には排出ローラ32よりも下方に移動して、シートの排出を妨げないようになっている。
【0038】
シートの後端を規制する後端整合ストッパ(整合突き当て部材)20は、シートを順次積載する際のホームポジションと、ステイプラ(綴じ手段)22が前後動する際に退避する位置をとることができるように構成されている。なお、綴じ位置に応じてステイプラ22の位置を変更する際、ステイプラ22と同一位相にある後端整合ストッパ20は、破線で示す位置へ回動して、退避することができるようになっている。
【0039】
図3及び図4は、シートの幅方向の整合手段を示している。シートの幅方向の整合はシート幅方向に移動可能な幅寄せガイド21によって行われる。なお、21aは整合基準板である。ステイプラ22はシートの2ヶ所綴じ、手前側1ヶ所綴じ、及び奥側1ヶ所綴じが行えるように、図3に矢印44で示す範囲を移動してステイプルを行うようになっている。
【0040】
再び図1及び図2において、装置本体1aの側壁面1bに排出口50が形成されている。画像処理が施されたシートは、この排出口50から排出されて第1及び第2排紙トレイ24,25に積載されるようになっている。これら第1及び第2排紙トレイ24、25は上下方向にかつシート処理装置本体1a側に下り傾斜の状態で取り付けられている。
【0041】
図5に示すように、これらの排紙トレイ24,25は、シート処理装置本体1aの側壁面1bに上下方向に移動可能に複数個(本実施の形態では2個)設けられている。排紙トレイ24,25の内部にはスタッカモータ60及びピニオンギア61が設けられ、このスタッカモータ60の正逆転駆動をピニオンギア61により支柱の一部に形成されているラック部63に伝達することにより、排紙トレイ24,25は上下動できる構成となっている。これにより、複数の排紙トレイ24、25はそれぞれ自在に上下動作することができ、排紙トレイ24,25上に積載されたシートの最上面を検知し排紙口を塞がない位置に排紙トレイ24,25を移動することが可能となる。
【0042】
図2に示すように、装置本体1aの側壁面1bには第1及び第2排紙トレイ24、25に積載されたシートの傾斜端部に当接し、排出されたシートの上流側への逆流を防止又は支持するための上部スノコガイド27a、下部スノコガイド27bがそれぞれ設けられている。
【0043】
図1、図2、図10及び図12に示すように、装置本体1aの上部には凸部80が設けられ、この凸部80上にシート規制手段90として、例えば、略凸字形のスライド部材91と、このスライド部材91の上端に設けられた突起部92が設けられている。スライド部材91は凸部80内に形成されたガイド溝81に摺動自在嵌めこまれている。凸部80の側面は前記装置本体1aの側壁面1bと連続する固定規制壁82となっている。スライド部材91の上端には、側方、すなわち前記排紙トレイ24,25方向に突出する突起部92が設けられている。このシート規制手段90は、その自重により落下し、突起部92が凸部80の上端に係止している。
【0044】
図6は、シート処理装置本体1aの排出口付近の拡大図を示している。同図において、移動排出ローラ33は、揺動軸31aに支持された揺動レバー31に回転自在に保持されている。シート排出時、図7に示すカム35が駆動源Mにより矢印40方向に回転することにより、揺動ガイド31はその自重により揺動軸31aを支点として下方(矢印41方向)に揺動し、移動排出ローラ33を排出ローラ32に圧接させるようになっている。
【0045】
この揺動レバー31は、後述するステイプルモードの際には、移動排出ローラ33を排出ローラ32から離間させるよう上方に揺動して2つのローラ32、33をシート搬出可能状態からシート搬出不能状態とする切り替え手段としての役割を果たすようになっている。
【0046】
図6に示すストッパ30は、トレイ24の移動時に回動軸30aを支点として回動し、図8(a)に示すように、排出口50を塞ぐ位置に上昇してきたスノコシャッタ34の溝部34aと係合してスノコシャッタ34をロックするようになっている。そして、このようにスノコシャッタ34によって排出口50を塞ぐことにより、第1排紙トレイ24が排出口50を通過する際、第1排紙トレイ24に積載されているシートSが排出口50に逆流するのを防ぐようにしている。
【0047】
このストッパ30は、シートを排出する場合には、図6に示す矢印42方向に回動してスノコシャッタ34のロックを解放するようになっている。また、後述するステイプルモードの際には、図8(b)に示すように揺動ガイド31と同様に排出口50を開放する方向に回動するようになっている。なお、図8(b)において、27cは上部スノコガイド27aに形成されたリブである。
【0048】
次に、このように構成されたシート処理装置1のシート処理動作について説明する。
【0049】
例えば、ステイプルを行わず、かつ、ソートを行わずにシートを排出するノンステイプル・ノンソートモード時には、シートを第1及び第2排紙トレイ24,25に直接排出するようにしている。なお、図8は、第1排紙トレイ24にシートを排出する場合を示している。
【0050】
ノンステイプル・ノンソートモードが選択されると、カム35(図7参照)により、まず揺動ガイド31が図6に示すように移動排出ローラ33を排出ローラ32に圧接させる位置まで揺動する。またスノコシャッタ34は、シートの排出を妨げないように排出ローラ32より下方に位置する。
【0051】
この状態で複写装置100からシートが排出されると、シートは図2に示すように移動排出ローラ33を排出ローラ32に圧接させる位置まで揺動する。またスノコシャッタ34は、シートの排出を妨げないように排出ローラ32より下方に位置する。
【0052】
この状態で複写装置本体100からシートが排出されると、シートは図2に示すバッファパス8の第1及び第3バッファコロ14、16,第1の排出ローラ17及び排出ローラ32,33を経て、排出口50から排出されて第1排紙トレイ24上へ順次積載される。
【0053】
一方、シートSを大量に排出する場合は、まず図1に示す第1及び第2排紙トレイ24、25に設置された紙有りセンサ24a、25aが第1及び第2排紙トレイ24、25上にシートが残っていないことを確認した信号に基づいて制御部(図示せず)により第1排紙トレイ24を1枚目のシートを受ける所定の位置まで移動させる。
【0054】
次いで、第1排紙トレイ24にシートが順次積載され、シートの積載枚数が一定数になると、第1排紙トレイ24を積載済みのシート上面が1枚目のシートを受けた面とほぼ同一になる位置まで下降させる。なお、上記動作を繰り返し、第1排紙トレイ24内に最大積載量のシートが積載されたことを検知すると、制御部は複写装置100へ停止信号を出し、シートの排出を一時停止する。
【0055】
次いで、第2排紙トレイ25にシートを積載するため、シートが積載されたまま第1排紙トレイ24を図10で示すように排出口50の上方まで上昇させる。この際、図6に示す排出口50の空間にシートSが入り込むことがないよう、図8の(a)に示すようにスノコシャッタ34が上昇して排出口50の空間を塞ぐので、第1排紙トレイ24がシートSを積載したままで上方へ移動することが可能となる。
【0056】
次に、第2排紙トレイ25にシートを積載するため、第2排紙トレイ25を1枚目のシートを積載するよう定められた位置まで上昇させる。この後、制御部は停止信号の出力を停止して複写装置本体100にコピー動作を再開させ、シートの積載を再開する。この後、前述と同じ動作を第2排紙トレイ25が満載になるまで繰り返す。
【0057】
本実施の形態において、複写装置本体100aはデジタル方式のものであり、図1に示す原稿の画像を読み取るスキャナ部100Bと、画像を再現する感光ドラムユニット100Cとで構成されており、各々独自に動作することも可能である。
【0058】
即ち、スキャナ部100Bでは原稿をランプで照射し、その反射光を受光素子で小さな点(画素)に分解すると同時に原稿の濃淡に応じた電気信号に変換(光電変換)しており、感光ドラムユニット100Cではスキャナ部100Bより送られてきた電気信号をもとに、レーザ光で感光ドラム108を照射し、感光ドラム上に静電潜像を作り、現像、転写、定着を経てコピー画像を形成している。
【0059】
また、複写装置本体100aに、同図に示すようにインターフェイス500を接続することにより、スキャナ部100Bで読み取った原稿の信号を他のファクシミリ501に転送したり、逆に他のファクシミリ501から受けた電気信号を、インターフェイス500を通して感光ドラムユニット100Cへ送り、画像をシートに写し出すことも可能である。
【0060】
また、同様にパソコンのようなコンピュータ機器502から受けた電気信号をインターフェイス500を通して感光ドラムユニット100Cへ送り、シートへコピーしたり、スキャナ部100Bで読み取った画像を、インターフェイス500を通じてコンピュータ機器502へ取り込んだりすることができるようになっている。
【0061】
このように、デジタル複写機においては、ADF300から送られてきた原稿や原稿台ガラス101上へ載置された原稿を読み取ってコピーするだけではなく、インターフェイス500を介在することにより、ファクシミリとして使用したり、パソコンのプリンタとして使用することも可能である。
【0062】
このような複写装置本体100aを使用する際、画像が形成されたシートを別々の排紙トレイ24、25に分類して積載したり、ユーザの希望によっては排紙トレイ24、25の各々に番号付けを行ってユーザの希望のトレイ上へシートを積載する必要がある。
【0063】
このため、本実施の形態においては、例えば第1排紙トレイ24にはコピーモードの出力紙を、第2排紙トレイ25にはパソコンからの出力紙を積載するようにしている。
【0064】
次に、上記第1トレイ24及び第2排紙トレイ25にシートを積載する動作について説明する。
【0065】
まず、パソコンからの出力紙をある枚数第2排紙トレイ25に受けた後、コピーモードのシートSを第1排紙トレイ24に積載する場合について説明する。
【0066】
図9において、パソコンからの出力紙をある枚数第2排紙トレイ25に受けた後、第1排紙トレイ24を使用する場合は、第1排紙トレイ24を1枚目のシートを受け取る位置(破線図)へ移動する。この動作は、コピーモード時において、初めに第2排紙トレイを選択して所定枚数積載し、次に、第1排紙トレイに所定枚数積載させる場合と同一である。
【0067】
次に、第1排紙トレイ24にコピーモードの出力紙等をある枚数受けた状態でパソコンの出力紙を積載する場合、即ち第2排紙トレイ25を使用する場合について説明する。
【0068】
この場合、第1排紙トレイ24にシートを積載したまま第2排紙トレイ25にシートを積載するためにトレイを上昇させる。この際、図6に示す排出口50の空間にシートSが入り込むことがないよう、図8の(a)に示すようにスノコシャッタ34が上昇して排出口50の空間を塞ぐので、第1排紙トレイ24がシートSを積載したままで上方へ移動することが可能となる。
【0069】
このように構成することにより、シートSが排出口50に逆流することなく通過することが可能となるため、第1排紙トレイ24はシートSを積載したまま上方に移動することが可能となる。
【0070】
本発明の主体であるシート満載時における積載シートの規制について説明する。初めに、シート積載時排紙トレイは図9に示すようにまず上側の第1排紙トレイ24、下側の第2排紙トレイ25共に待機位置(ホームポジション)から排出口50より下方に移動している(破線の位置)。この状態で第1排紙トレイ24にシートを積載し、満載後第1排紙トレイ24は排出口50より上方へ移動する。
【0071】
次に、図10に示すように、シート規制手段90として、例えば、略凸字形のスライド部材91とスライド部材91の突起部92による規制動作について説明する。シートが積載されたまま第1排紙トレイ24が上昇すると、シートSは後端部が凸部80の側壁面である固定規制部82及びスライド部材91の側面である可動規制部91aで規制されながら上昇し、シート上面がスライド部材91の突起部92に接触し、その自重でシートSを押圧した状態で上方にスライドする。これにより、積載されたシートSは整合、押圧されながら上昇する。シート規制手段90として、例えば、略凸字形のスライド部材91とスライド部材91の突起部92は、シートSが取り去られた場合自重で元の位置へ戻る。
【0072】
前述では、第1排紙トレイ24が満載時の場合を説明したが、満載時でなくとも所定量以上の積載があれば効果は前述と同様である。
【0073】
次に第2排紙トレイ25にシートSを積載する。この順序で積載することで少ないスペースに多数枚積載することが可能となり、また、用紙の枚数に応じてスライドガイド90が移動するため、無駄な設置空間が必要なくなる。
【0074】
排紙トレイ24,25に積載されたシートS(またはシート束)の最上面のレベル検知は、揺動ガイド31の上方に設けられた測距センサ40(図2参照)によって行われる。測距センサ40は赤外線などの光線をシートに照射する発光部と、シートにて乱反射した光線を受光する受光部とを有しており、この反射光の角度を測ることによりレベル検知を行うものである。
【0075】
上記実施の形態では、排紙トレイ24の待避位置を排出口50の上側としているが(図9参照)、この待避位置を排出口50の下側としてもよい。
【0076】
また、上記実施の形態では、排紙トレイ24上のシート高さに応じてスライドガイドがシート束を自重で押える構成としていたが、図11に示すようにばね、ゴム等の付勢手段96でシート束を積極的に押える構成とすることも可能である。
【0077】
また、上記実施の形態では、スライド部材91の突起部92を装置本体の上部に設けたが、図13乃至図15に示すように、シート規制手段97として、突起部98を、スライド部材91の側面である可動規制部91aに沿って上下動スライド可能にスライド部材91に設け、突起部98が装置本体上方までスライドした後、スライド部材91とともに上方にスライドさせる構成にしても良い。
【0078】
なお、この場合、シート束を押さえる構成として次の構成がある。先ず、図13に示すようにスライド部材91と突起部98との両方が、その自重により下方に付勢されている構成がある。次に、図14に示すようにスライド部材91と突起部98との両方が、ばね付勢手段96,99により下方に付勢されている構成がある。最後に、スライド部材91と突起部98とのいずれか一方が、その自重により下方に付勢され、他方がばね付勢手段により下方に付勢されている構成(この構成は不図示)とがある。突起部98をばね付勢する場合、図14に示すように、スライド部材91と突起部98とに掛け渡してもよいし、あるいは、図示しないが、ばね付勢手段99を突起部98とシート処理装置本体1aとに掛け渡してもよい。
【0079】
こうすることにより、シートが積載された排紙トレイ24の上昇に伴いシート上面をより早い段階で突起部98に接触させ規制しながら移動することが可能になる。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、シート積載手段に積載されたシートを上から押圧するととも上下動可能なシート規制手段を備えたので、シート積載量が増えるとそれに応じてシート規制手段を移動させることができるため、シート処理装置を大型化することなく、シート積載量を増やすことが可能となるとともに、トレイ移動時にもシート規制手段がシート束の後端と上部を保持するため、シートの整列及び整合性が向上し、シートが積載不良を発生して落下することを防止することができる。
【0081】
以上説明したように、本発明によれば、装置本体の上部に、シート積載手段に積載されたシートの後端部を規制するスライド部材、シートを上から押圧する突起部等のシート規制手段を設けたので、少ないシート積載状態ではシート規制手段は移動せず、装置本体から大きく突出することがなく、シート積載量が増えるとそれに応じてシート規制手段を移動させることができるため、シート処理装置を大型化することなく、シート積載量を増やすことが可能となるとともに、トレイ移動時にもシート規制手段がシート束の後端と上部を保持するため、シートの整列及び整合性が向上し、シートが積載不良を発生して落下することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシート処理装置を備えた画像形成装置の一例である複写装置の内部構成を示す概略構成図である。
【図2】シート処理装置の構成を示す概略構成図である。
【図3】シート処理装置に設けられたステイプルトレイ部の平面図である。
【図4】ステイプルトレイ部の側面図である。
【図5】シート処理装置の全体の概略側面図である。
【図6】シート処理装置の排出口付近の拡大図である。
【図7】シート処理装置の排出口付近に設けられた揺動ガイド部の斜視図である。
【図8】シート処理装置のスノコシャッタ機構の構成を示す側面図である。
【図9】シート処理装置の排紙トレイの待機位置と移動位置を示す側面図である。
【図10】シート処理装置の排紙トレイにシートを積載して上昇した状態を示す側面図である。
【図11】図10に示すシート処理装置のシート規制手段をばね付勢手段によってシートを押さえるようにした他の実施の形態を示す側面図である。
【図12】図2のX―X線断面図である。
【図13】突起部が上下動自在になっている他の実施形態のシート処理装置の排紙トレイにシートを積載して上昇した状態を示す側面図である。
【図14】図13に示すシート処理装置のスライド部材と突起部材とをばね付勢手段によってシートを押さえるようにした他の実施の形態を示す側面図である。
【図15】図13のY−Y断面図である。
【図16】従来のシート処理装置の側面図である。
【符号の説明】
S シート
A 画像形成装置
1 シート処理装置
1a シート処理装置本体
24,25 排紙トレイ(シート積載手段)
90,97 シート規制手段
91 スライド部材
92,98 突起部
96,99 付勢手段
100 複写装置(画像形成手段)
100a 複写装置本体
Claims (12)
- シートが排出される排出口と、
前記排出口から排出されるシートを積載して、上下動可能なシート積載手段と、
前記シート積載手段に積載されたシートの後端部を規制して上下動可能なスライド部材と、該スライド部材の上部に設けられて、前記シート積載手段に積載されたシートを上方から押圧可能な突起部とを有したシート規制手段と、を備え、
前記シート規制手段は、前記シート積載手段に積載されたシートが、前記シート積載手段の上昇によって前記排出口より上方に移動するときに、該シートを上から押圧した状態で該シートとともに上方に移動可能である、
ことを特徴とするシート処理装置。 - シートが排出される排出口と、
前記排出口から排出されるシートを積載して、上下動可能なシート積載手段と、
前記シート積載手段に積載されたシートの後端部を規制して上下動可能なスライド部材と、該スライド部材に上下動可能に設けられて、前記シート積載手段に積載されたシートを上方から押圧可能な突起部とを有したシート規制手段と、を備え、
前記シート規制手段は、前記シート積載手段に積載されたシートが、前記シート積載手段の上昇によって前記排出口より上方に移動するときに、該シートを上から押圧した状態で該シートとともに上方に移動可能である、
ことを特徴とするシート処理装置。 - シートが排出される排出口と、
上下動可能に上下方向に配列されて、前記排出口から排出されるシートが積載される上段のシート積載手段及び下段のシート積載手段と、
前記シート積載手段に積載されたシートの後端部を規制して上下動可能なスライド部材と、該スライド部材の上部に設けられて、前記シート積載手段に積載されたシートを上方から押圧可能な突起部とを有したシート規制手段と、を備え、
前記シート規制手段は、前記下段のシート積載手段に前記排出口から排出される前記シートを積載できるように前記上段のシート積載手段が前記排出口より上方へ移動するときに、前記上段のシート積載手段に積載されたシートを上から押圧した状態で該シートとともに上方に移動可能である、
ことを特徴とするシート処理装置。 - シートが排出される排出口と、
上下動可能に上下方向に配列されて、前記排出口から排出されるシートが積載される上段のシート積載手段及び下段のシート積載手段と、
前記シート積載手段に積載されたシートの後端部を規制して上下動可能なスライド部材と、該スライド部材に上下動可能に設けられて、前記シート積載手段に積載されたシートを上方から押圧可能な突起部とを有したシート規制手段と、を備え、
前記シート規制手段は、前記下段のシート積載手段に前記排出口から排出される前記シートを積載できるように前記上段のシート積載手段が前記排出口より上方へ移動するときに、前記上段のシート積載手段に積載されたシートを上から押圧した状態で該シートとともに上方に移動可能である、
ことを特徴とするシート処理装置。 - 前記シート規制手段のスライド部材は、シート処理装置本体の側壁に沿って上下方向に移動できることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のシート処理装置。
- 前記シート規制手段は、その自重により下方に付勢されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のシート処理装置。
- 前記シート規制手段は、ばね付勢手段により下方に付勢されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のシート処理装置。
- 前記シート規制手段のスライド部材と突起部との両方が、その自重により下方に付勢されていることを特徴とする請求項2又は4に記載のシート処理装置。
- 前記シート規制手段のスライド部材と突起部との両方が、ばね付勢手段により下方に付勢されていることを特徴とする請求項2又は4に記載のシート処理装置。
- 前記シート規制手段のスライド部材と突起部とのいずれか一方が、その自重により下方に付勢され、他方がばね付勢手段により下方に付勢されていることを特徴とする請求項2又は4に記載のシート処理装置。
- シートを綴じるステイプラを備え、
前記シート積載手段は、前記ステイプラによって綴じられたシート束を積載可能である、ことを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載のシート処理装置。 - シートに画像を形成する画像形成手段と、
画像を形成されたシートを処理するシート処理装置と、を備え、
前記シート処理装置は、請求項1ないし11のいずれか1項に記載のシート処理装置であることを特徴とする画像形成装置。
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