本発明の一実施の形態について説明すれば、以下の通りである。
本実施の形態に係る画像形成装置は、図1 に示すように、原稿読取部100、画像形成装置本体200、後処理装置300、用紙スタック部400から構成されている。
上記原稿読取部100は、上面に透明なガラス等からなる原稿台101を有している。この原稿台101の方には、該原稿台101に載置された原稿(図示せず)を光学的に読み取るためのスキャナ光学系111が配されている。
上記スキャナ光学系111は、上記原稿台101上に載置された原稿(図示せず)に光を照射するための露光用光源112と、該原稿で反射された光を受光する光電変換素子(CCD(Charge Coupled Device))115とからなり、上記露光用光源112と光電変換素子115との間には、原稿で反射した光を上記光電変換素子115に導くための複数の反射鏡113と、該反射鏡113により導かれた光を上記光電変換素子115上に結像させるための結像レンズ114とが配置されている。
上記光電変換素子115からの出力信号、すなわち、原稿画像データは、画像処理が施された後、上記画像形成装置本体200に備えられたLSU(レーザスキャニングユニット)201に送出されるようになっている。
上記画像形成装置本体200は、大きく分けて転写紙Pに画像形成(印字)するための画像形成部210と、転写紙Pを収容すると共に、転写紙Pを該画像形成部210に搬送するための給紙搬送部220とからなる。
上記画像形成部210は、上記LSU201と、該LSU201からのレーザ光が表面に照射されることにより静電潜像が形成される感光体211とを有している。
上記感光体211は、矢印方向に回転駆動されるドラム形状をなしており、この感光体211の周囲には上記LSU201からのレーザ光の照射ポイントから該感光体211の回転方向に向かって、現像装置212、転写チャージャ213、除電器214、主帯電器215が配置されている。
上記現像装置212は、レーザ光により露光された感光体211表面の静電潜像をトナーにより可視像(トナー像)に現像し、上記転写チャージャ213は、感光体211上のトナー像を転写紙Pに転写し、上記除電器214は、トナー像の転写後の感光体211上に残留している電荷を除去し、上記主帯電器215は、残留電荷が除去された感光体211表面を所定の電位に帯電させる。さらに、図示しないが、上記転写チャージャ213と除電器214との間には、トナー像の転写後の感光体211上に残留しているトナーを除去するためのクリーニング装置が設けられている。
上記LSU201は、上述した原稿読取部100にて読み取られた原稿の画像データに限定されず、外部に接続されたコンピュータ(図示せず)等の外部機器からの画像情報、通信等により送られるFAX情報に基づいてレーザを感光体211に照射するようにもなっている。
したがって、本画像形成装置は、原稿読取部100により原稿画像を読み取って用紙に画像を形成する複写機能、通信等によるFAX情報に基づいて用紙に画像を形成するFAX機能、コンピュータ等の外部機器からの画像情報に基づいて用紙に画像を形成するプリント機能を有する複合機となっている。
上記給紙搬送部220には、転写紙Pをストックして、転写紙Pを給紙するための用紙カセット221と、画像形成装置本体200の側面から転写紙Pを給紙するための手差しトレイ222とが設けられている。
上記用紙カセット221の転写紙P送り側の先端部には、該用紙カセット221に収容されている転写紙Pを給紙するための呼び込みローラ223と、図示しないが、収容された転写紙Pを一枚ずつ確実に送り出すことができるように、ローラと摩擦シート部材あるいは逆転ローラ等からなる用紙さばき部とが配置されている。
上記呼び込みローラ223の転写紙P搬送方向下流側には、画像形成部210における画像形成位置に転写紙Pを導くための送り出し用のピックアップローラ224と、第1給紙路225とが設けられている。
一方、上記手差しトレイ222の転写紙P送り側の先端部には、該手差しトレイ222上の転写紙Pを給紙するための呼び込みローラ226と、該転写紙Pを画像形成部210における画像形成位置に導くための送り出し用のピックアップローラ227と、第2給紙路228とが設けられている。
上記の画像形成部210の画像形成位置の手前には、上記第1給紙路225または第2給紙路228から給送された転写紙Pを所定のタイミングで感光体211のトナー像の転写位置(画像形成位置)に搬送するためのレジストローラ229が設けられている。
上記レジストローラ229は、第1給紙路225および第2給紙路228に設けられたレジスト前検知スイッチ(図示せず)により、該第1給紙路225あるいは第2給紙路228の何れかを転写紙Pが通過したことを示す検知信号に基づいて、上記感光体211上のトナー像と転写紙Pとの位置合わせを行うよう駆動される。
上記の感光体211上のトナー像が転写紙Pに転写される転写位置の該転写紙P搬送方向下流側には、転写紙P上に転写されたトナー像を熱により定着させるための定着ローラ230が設けられている。
上記定着ローラ230の転写紙P搬送方向下流側には、定着済の転写紙Pを搬送する用紙搬送パス231と、該用紙搬送パス231を経て搬送される転写紙Pを画像形成装置本体200の外部に排出するための排紙ローラ232に導くための第1用紙搬送路233とが設けられている。
上記排紙ローラ232から排出された転写紙Pは、原稿読取部100の下方に形成された第1排紙部234に排出される。この第1排紙部234は、図1に示すように、原稿読取部100の下方側で、画像形成装置本体200の画像形成部210の側面側、且つ用紙カセット221の上部側に形成された空間部に形成されるものである。ここでの空間部とは、原稿読取部100の下方側で、且つ画像形成装置本体200の外周壁に囲まれた領域を示している。
上記第1用紙搬送路233の転写紙P搬送方向上流側には、転写紙Pを該第1用紙搬送路233または後処理装置300に通じる用紙搬送パス236の何れかに切り替えて導くための第1切替ゲート235が設けられている。この第1切替ゲート235は、図2に示すように、第1用紙搬送路233と用紙搬送パス236の分岐点を支点として矢印c・d方向に回動自在に設けられている。つまり、転写紙Pを第1用紙搬送路233に導く場合には、矢印d方向に回動し、用紙搬送パス236を閉塞し、転写紙Pを用紙搬送パス236に導く場合には、矢印c方向に回動し、第1用紙搬送路233を閉塞するようになる。
また、給紙搬送部220には、図1に示すように、用紙搬送パス231に平行して反転搬送路237が設けられている。この反転搬送路237は、転写紙Pの両面に画像を形成する両面印字時に使用される搬送路であり、転写紙Pは、上述した用紙搬送パス231の搬送方向とは反対方向に搬送され、レジストローラ229まで搬送される。
よって、両面印字が行われる転写紙Pは、片面に画像が形成されて用紙搬送パス231に搬送された後、上述した用紙搬送パス236により後処理装置300に一端導かれ、該後処理装置300においてスイッチバックされ、再び用紙搬送パス236を通過して反転搬送路237に搬送される。なお、後処理装置300のスイッチバック機能については後述する。
そして、反転搬送路237に搬送された転写紙Pは、レジストローラ229を介して、トナー像の転写位置に搬送され、画像形成されていない面にトナー像が転写され、定着ローラ230により熱定着されて用紙搬送パス231に送り出される。
上記の用紙搬送パス231と反転搬送路237との分岐点には、切替ゲート238が設けられており、転写紙Pが反転搬送路237に搬送される場合に、用紙搬送パス231を閉塞するように回動して、該用紙搬送パス231への転写紙Pの搬送を防止している。
つまり、上記切替ゲート238は、図2に示すように、矢印a・b方向に回動可能に設けられており、用紙搬送パス231に転写紙Pを導く場合には、矢印b方向に回動して反転搬送路237を閉塞し、反転搬送路237に転写紙Pを導く場合には、矢印a方向に回動して該用紙搬送パス231を閉塞するようになっている。
なお、反転搬送路237に転写紙Pを導く場合には、用紙搬送パス236が開放状態となるように、第1切替ゲート235を矢印c方向に回動させる必要がある。
上記後処理装置300は、図1に示すように、画像形成装置本体200の用紙搬送パス236から搬送された転写紙Pを後述する第2用紙搬送路であるエスケープパス302または第3用紙搬送路であるステイプルトレイ303に導くための用紙搬送パス301と、上記用紙搬送パス301を搬送した転写紙Pがエスケープパス302またはステイプルトレイ303に排出するための排紙ローラ318とが設けられている。
上記エスケープパス302とステイプルトレイ303とで、転写紙Pを画像形成装置本体200から用紙後処理部となる用紙スタック部400に中継して搬送するための中継搬送路300aを形成している。
また、上記用紙搬送パス301により、画像形成装置本体200からの用紙を上記中継搬送路300aに搬送するための用紙搬送路300bを形成している。
つまり、上記後処理装置300は、中継搬送路300aと用紙搬送路300bとで構成されていることになる。上記中継搬送路300aは、図1に示すように、上記排紙ローラ318を中心にして用紙搬送路300bから着脱自在にユニット化されている。すなわち、中継搬送路300aは、画像形成装置本体200から着脱可能にユニット化されたものとなっている。
これにより、後処理装置300を使用しない場合に、中継搬送路300aを取り外すことができると共に、中継搬送路300aを取り外してメンテナンスを行なうことができるので、装置全体のメンテナンス性の向上を図ることができる。
また、上記中継搬送路300aは、図1に示すように、上記原稿読取部100と第1排紙部234である空間部との間に形成されていることになる。また、別の角度から見ると、中継搬送路300aは、原稿読取部100の原稿台101と反対側の面(下面)に、該中継搬送路300aが設けられているともいえる。さらに、中継搬送路300aは、第1排紙部234である空間部の上面(天井面)に形成されているともいえる。
上記の構成によれば、画像形成装置本体200から後処理装置300に用紙を搬送する中継搬送路300aが、原稿読取部100と画像形成装置本体200の外周壁で囲まれた空間部との間に形成されていることから、該画像形成装置本体200から後処理装置300に搬送されない用紙が排出される第1排紙部234の上方に中継搬送路300aが形成されていることになる。
これにより、中継搬送路300a内でジャムが発生した場合、該中継搬送路330aの上面上に用紙が排出されることはないので、上記画像形成装置本体200から後処理装置300に搬送されない用紙を排出する第1排紙部234上に用紙が残っていても用紙を取り除かなくてもジャム処理を行なうことができる。
したがって、画像形成装置本体200において形成された用紙を後処理装置300に搬送する中継搬送路300aにおいて、紙詰まり等の不具合が発生した場合に迅速に且つ容易にジャム処理が行え、これにより、装置のメンテナンス性を向上させることができる。
上記用紙搬送パス301の転写紙P搬送方向下流側のエスケープパス302とステイプルトレイ303との分岐点には、第2切替ゲート304が設けられている。この第2切替ゲート304は、図3に示すように、上記分岐点を支点として矢印e・f方向に回動可能に設けられており、エスケープパス302に転写紙Pを導く場合には、矢印e方向に回動し、ステイプルトレイ303に転写紙Pを導く場合には、矢印f方向に回動するようになっている。
上記エスケープパス302は、ステイプル処理等の後処理が施されない転写紙Pを搬送する搬送路であり、図1に示すように、転写紙Pの搬送部分が原稿読取部100の原稿台101とほぼ平行となるように形成されており、転写紙Pをほぼ水平状態(略水平状態)で後述する用紙スタック部400に搬送するようになっている。
上記エスケープパス302の転写紙P搬送方向下流側には、第1排紙路305と第2排紙路306が分岐して設けられている。この第1排紙路305と第2排紙路306との分岐点には、第3切替ゲート307が設けられており、エスケープパス302を搬送する転写紙Pは、必要に応じて第1排紙路305または第2排紙路306の何れかに切り替えて搬送されるようになっている。つまり、上記第3切替ゲート307は、図4に示すように、第1排紙路305と第2排紙路306との分岐点を支点として、矢印g・h方向に回動自在に設けられており、第1排紙路305に転写紙Pを導く場合には、矢印g方向に回動し、第2排紙路306に転写紙Pを導く場合には、矢印h方向に回動するようになっている。
一方、上記ステイプルトレイ303は、ステイプル等の後処理が施される転写紙Pを搬送する搬送路であり、図1に示すように、上記エスケープパス302の下方で該エスケープパス302と略平行に形成されおり、該エスケープパス302と同様に転写紙Pを用紙スタック部400までほぼ水平状態で搬送するようになっている。
また、上記ステイプルトレイ303では、ほぼ水平状態で転写紙Pをストックして整合を行い、この水平状態で整合された転写紙Pに対して後述するステイプルユニット308によりステイプル処理が施されるようになっている。
上記ステイプルトレイ303の転写紙P搬送方向下流側には、ステイプル処理を行うステイプルユニット308と、該ステイプルユニット308によりステイプル処理が施された転写紙P束を排出するための排紙ローラ309とが設けられている。
上記排紙ローラ309は、上記エスケープパス302から第3切替ゲート307により分岐されて第2排紙路306を搬送してきた転写紙Pを排出するようにもなっている。なお、上記排紙ローラ309の転写紙Pの搬入手前側には、転写紙Pの通過を検知するための用紙検知センサーB(図8)が設けられている。
上記構成の後処理装置300は、原稿読取部100とその下方に形成された空間部との間に設けられていることで、用紙後処理の為の空間が画像形成装置の設置面上に形成されることになる。これにより、後処理装置300を備えた画像形成装置の設置面積を小さくすることができるので、画像形成装置の設置のための自由度が大きくなる。
また、上記後処理装置300では、画像形成された転写紙Pの整合およびステイプル処理等の後処理をほぼ水平状態で行うようになっているので、転写紙Pの整合とステイプル処理等の後処理を同じ位置で行うことができる。これにより、整合した転写紙P束をステイプル位置まで搬送する場合に生じる転写紙P束の変形や整合乱れをなくし、転写紙P束が整った状態でステイプル処理等の後処理を確実に行うことができる。
上記用紙スタック部400は、後処理装置300を通過した転写紙Pをスタックするものであり、図1に示すように、第2排紙部としての第1用紙スタックトレイ401と、第3排紙部としての第2用紙スタックトレイ402とを備えている。
上記第1用紙スタックトレイ401には、後処理装置300のエスケープパス302から第1排紙路305を経て排出される転写紙Pがスタックされる。すなわち、第1用紙スタックトレイ401には、後処理装置300を通過しているが、ステイプル処理等の後処理が行われなかった転写紙Pがスタックされる。
一方、第2用紙スタックトレイ402には、後処理装置300のエスケープパス302またはステイプルトレイ303の何れかを経て排紙ローラ309から排出される転写紙Pがスタックされる。すなわち、第2用紙スタックトレイ402には、主にステイプル処理等の後処理が施された転写紙Pがスタックされるが、ステイプル処理等の後処理が行われなかった転写紙Pもスタックされる。
また、上記第2用紙スタックトレイ402は、転写紙Pの積載量に応じて上下動するようになっている。すなわち、転写紙Pの積載量が多くなれば、上記第2用紙スタックトレイ402は、所定の位置から下方に移動するようになる。したがって、ステイプル処理等を施さなかった転写紙Pを大量にスタックする必要のある時には、エスケープパス302から第2排紙路306を経て転写紙Pが上記第2用紙スタックトレイ402に排出されるようになる。
上記ステイプルユニット308には、図5に示すように、ステイプルトレイ303の転写紙P搬送方向先端部に設けられ、該ステイプルトレイ303から搬送された転写紙Pの先端部に当接するストッパー501と、該ストッパー501に当接している転写紙Pの先端部分を押さえる用紙先端押さえレバー502と、転写紙Pに対してステイプル処理を行うステープラ503(図6)と、ステイプル処理が施された転写紙Pを排紙ローラ309に送り出すための送り出しローラ504とが設けられている。
さらに、ステイプルユニット308近傍には、図6に示すように、転写紙Pの幅方向を整合するための整合部材505が設けられている。
上記ストッパー501は、図5および図6に示すように、断面略L字状の部材からなり、転写紙Pに当接する端部とは反対側端部で回動自在に軸支され、転写紙Pが送り出されるときに、下方に回動するようになっている。
上記用紙先端押さえレバー502は、上記ストッパー501の両側に形成され、ステイプルトレイ303の上方より、該ステイプルトレイ303と平行に近いゆるやかな角度で、転写紙Pの搬送方向下流側に向かって斜めにたれさがった形状となっている。この用紙先端押さえレバー502は、バネ(図示せず)により下方に付勢されており、転写紙Pの先端がカールしていても案内しながら押さえ込み、且つストッパー501の両側に位置することで、転写紙P先端エッジに剛性感を持たせて、転写紙Pのエッジがストッパー501に突き当たった際の変形やダメージによる整合ズレを防止するようになっている。
また、上記用紙先端押さえレバー502の先端には、ストッパー501に直交し該用紙先端押さえレバー502に対して回動可能なコロ部材506が設けられている。これにより、上記用紙先端押さえレバー502により押さえた状態で整合部材505により転写紙Pの幅方向を整合する際に、該用紙先端押さえレバー502と転写紙Pとの間で抵抗を小さくすることができる。
上記ステープラ503は、図6に示すように、転写紙Pの搬送方向の先端部左隅においてステイプル処理が可能なように配置されている。
上記送り出しローラ504は、図5および図6に示すように、半月状の部材からなり、転写紙Pの幅方向に延設された支持軸507により回動自在に構成されている。すなわち、上記送り出しローラ504は、矢印方向に回転することにより、半月部分504aがステイプルトレイ303に形成された開口部303aから突出して該ステイプルトレイ303上の転写紙Pを突き上げると共に、排紙ローラ309側に送り出すようになっている。
なお、上記送り出しローラ504は、半月部分504aが下側に、平坦部分504bが上側でステイプルトレイ303の転写紙P載置面から突出しないように該載置面とほぼ平行状態となるように待機している。
また、上記送り出しローラ504は、駆動手段としてのモータ508により駆動されており、このモータ508の駆動軸508aに上記ストッパー501が連接されている。つまり、送り出しローラ504が矢印方向への回動に連動して、上記ストッパー501が下方に回動するようになっている。これにより、ストッパー501と送り出しローラ504との駆動源を同じにすることができるので、装置の小型化が図れる。
また、転写紙Pを排紙ローラ309方向に送り出す際に、送り出しローラ504が回動するだけで、自動的にストッパー501が下方に移動し、転写紙Pの送り出しをスムーズに行うことができる。
次に、ステイプルトレイ303上での用紙の整合機構について以下に説明する。
上記整合部材505は、図6に示すように、転写紙Pの幅方向、すなわち転写紙Pの搬送方向に直交する方向に移動可能に設けられており、ステイプルトレイ303のステープラ503に隣接し、転写紙Pの搬送方向に沿って設けられた固定壁509に向かって移動可能になっている。この整合部材505の動作は、ステープラ503によるステイプル前であれば、何時でもよい。
また、上記整合部材505の駆動機構は、図7に示すように、ステイプルトレイ303上に設けられた駆動源としての駆動モータ510と、該駆動モータ510の回転力を伝達するためのプーリー510aと、該プーリー510aに張架されている駆動ベルト511と、該駆動ベルト511を張架するプーリー512と、該プーリー512に連動して回転する駆動ギア512aと、該駆動ギア512aに歯合し、整合部材505に接続されたラック513とで構成されている。
すなわち、上記整合部材505は、駆動モータ510による駆動力が駆動ベルト511を介して駆動ギア512aに伝わり、該駆動ギア512aに歯合するラック513に接続されている。
したがって、上記駆動モータ510が回転することにより、整合部材505は矢印方向、すなわち固定壁509側に移動するようになっている。
なお、図7に示す状態、すなわち整合部材505がステイプルトレイ303の転写紙P幅方向端部に位置する状態をホームポジション(第1待機位置)とする。上記整合部材505は、駆動モータ510に入力されるパルス数により移動速度、移動量がコントロールされる。つまり、上記整合部材505は、転写紙Pの幅方向の整合が終了したら、駆動モータ510が逆回転をして、整合部材505を固定壁509から遠ざかるように移動させて第1待機位置に戻される。
上記整合部材505の動作について、図7を参照しながら具体的に説明すると以下のようになる。
上記整合部材505は、転写紙Pの搬送方向に対して垂直方向に動作し、本体より送られてくる用紙サイズ情報を基に、第1待機位置からその用紙サイズに対して、斜め送り、オフセンターのばらつきを考慮し、+3mm〜+5mm程度離れた位置(以下、第2待機位置と称する)に待機する。
そして、整合部材505は、転写紙Pのステイプルトレイ303への収納が完了したこと、すなわち用紙搬送パス301に設けられた用紙検知センサーAまたはステイプルトレイ303上に設けられた用紙検知センサーC(図8参照)を転写紙Pの後端が通過した後に、整合動作を開始し、該整合部材505と接する転写紙Pエッジと対向する該転写紙Pエッジがステイプルトレイ303上の固定壁509に接してからさらに、転写紙P幅より+1mm〜+3mm程度押し込み、その後、次の転写紙Pの入紙に備えて上記第2待機位置まで戻る。上記整合部材505は、上記の動作を転写紙P入紙毎に繰り返し行う。
続いて、オペレータにより設定された枚数が入紙、整合完了された後、整合部材505は、用紙サイズ位置に待機し、ステイプルの処理が完了するまで整合した転写紙Pがずれないように保持し、さらに、転写紙Pを排出する際は、抵抗にならないよう、また極端に斜めに搬送されないような位置、すなわち第2待機位置で排出完了を待つ。
ここで、上記エスケープパス302およびステイプルトレイ303の詳細について、図8ないし図10を参照しながら以下に説明する。
上記エスケープパス302には、図8に示すように、転写紙Pを挟むようにして搬送するための一対の搬送ローラ310が複数設けられている。これら搬送ローラ310は、図示しない駆動手段により駆動されている。
上記ステイプルトレイ303には、用紙を整合するための二箇所の整合部(凹部)、すなわち第1整合部311と第2整合部312とが形成されている。
上記第1整合部311は、上記第2整合部312よりも転写紙P搬送方向の前方に形成され、転写紙P搬送方向とは反対の下向きに傾斜した傾斜面311aと、この傾斜面311aの最下部の垂直面311bとで構成されている。
一方、上記第2整合部312は、上記第1整合部311よりも転写紙P搬送方向の後方に形成され、転写紙P搬送方向とは反対の下向きに傾斜した傾斜面312aと、この傾斜面312aの最下部の垂直面312bとで構成されている。
上記ステイプルトレイ303において、第1整合部311および第2整合部312は、それぞれ定形用紙サイズの転写紙Pを整合するものであり、例えば転写紙P搬送方向の前方に設けられた第1整合部311は、B5サイズおよびA4サイズの転写紙Pの整合に適するように形成され、転写紙P搬送方向の後方に設けられた第2整合部312は、B4サイズおよびA3サイズの転写紙Pの整合に適するように形成されている。
また、上記第1整合部311および第2整合部312は、エスケープパス302との間に凹部状の空間部を形成するようになるので、この空間部により、ステイプルトレイ303内で紙詰まりが生じた場合に、ステイプルトレイ303内の転写紙Pを取り除きやすくなる。
さらに、上記ステイプルトレイ303には、上記第1整合部311および第2整合部312において整合された転写紙Pを、ステイプルユニット308のステイプル位置まで折り込むための送り込み部材313が設けられている。
上記送り込み部材313は、第1整合部311の傾斜面311a上方、第2整合部312の傾斜面312a上方にそれぞれ設けられており、各送り込み部材313は同じ構造となっている。したがって、以下の説明では、第1整合部311に対応する送り込み部材313について述べる。
ここで、上記送り込み部材313の詳細について以下に説明する。
送り込み部材313は、図9および図10に示すように、上下動する送り込みローラ316により傾斜面311a上の転写紙Pをステイプルユニット308(図8)のストッパー501(図8)方向に送り込むようになっている。
上記送り込みローラ316は、画像形成装置本体200に設けられたピックアップローラ224やピックアップローラ227と同様の構成であり、支持軸315に回動自在に軸支されたローラアーム319に接続されている。上記送り込みローラ316の回転駆動はクラッチ機構によりON−OFFの制御され、上記該ローラアーム319の上下動はソレノイドにより制御されるようになっている。
つまり、送り込みローラ316は、傾斜面311a側に下がった状態(図10)が待機位置となっており、転写紙Pの進入に合わせてソレノイドのONで上に上がり(図9に示す状態)、転写紙Pが送り込みローラ316の下方を通過したタイミングで下降し、クラッチ機構のONにより回転を始め、転写紙Pをストッパー501(図8)に向けて搬送するようになっている。
この場合の上記送り込みローラ316の回転動作時間、すなわち転写紙Pの送り込み量は、図8に示す用紙搬送パス301上に設けられた用紙検知センサーAまたはステイプルトレイ303上に設けられた用紙検知センサーCの検知信号に基づくタイマー制御、または転写紙Pのたわみによる用紙先端押さえレバー502の押し上げによる検知、または転写紙Pの先端のストッパー501への接触の感知、または一枚目の入紙時の用紙検知センサーCとステイプルトレイ303上に設けられたトレイ用紙有無センサーDのONタイミングを学習し、2枚目以降、用紙検知センサーCのONタイミングからのタイマー制御の精度の向上させること等により制御される。
これにより、転写紙Pの先端がストッパー501に確実に接触した状態で、該ストッパー501の両側に配置された用紙先端押さえレバー502により保持される。
上記のステイプルトレイ303において、転写紙P搬送方向の上流側から順番に、排紙ローラ318から一つ目の送り込み部材313までの間の距離、一つ目の送り込み部材313から二つ目の送り込み部材313までの距離、二つ目の送り込み部材313から排紙ローラ309までの距離は、ステイプル許容の最小サイズ長よりも短くなるように設定されている。
また、上記の送り込みローラ316の両側には、傾斜面311a上の転写紙Pのカールを押さえるための押さえレバー314が設けられている。
上記押さえレバー314は、図9に示すように、送り込みローラ316の回転軸を支点に矢印i・j方向に回動可能であり、送り込みローラ316が上に位置している時は、ローラアーム319により移動が規制されるので、該ローラアーム319と略平行状態まで規制される。すなわち、押さえレバー314は、ローラアーム319が規制部材317により移動が規制されることにより、矢印j方向の回動が所定の位置までしか行えないように規制されている。この所定の位置とは、ステイプルトレイ303上に形成されているエスケープパス302に押さえレバー314が入り込まない位置であり、特に限定しない。
また、送り込みローラ316が下降している時には、図10に示すように、押さえレバー314は、傾斜面311a上の転写紙Pを押さえ込むように作用する。なお、押さえレバー314の押圧力は、転写紙Pのカールによる該押さえレバー314を矢印j方向に押し上げる方向に一定量回動可能に設定されており、レバーの長さ、重量、スプリング力(付勢力)等により任意に設定が可能である。
ここで、上記構成の画像形成装置における用紙搬送動作について以下に説明する。なお、本画像形成においては、片面に画像形成を行う片面印字について説明する。
上記構成の画像形成装置では、第1用紙スタックトレイ401への出力を選択、ステイプル機能、オフセット機能を選択していない場合、又はステイプル機能、オフセット機能を選択していも、第2用紙スタックトレイ402への出力の禁止、ステイプルの禁止に該当する用紙サイズの転写紙Pの場合は、第2切替ゲート304を矢印e方向(図3)に回動させ、転写紙Pをエスケープパス302に搬送させ、さらに、第3切替ゲート307を矢印g方向(図4)に回動させ、第1用紙スタックトレイ401に該転写紙Pを排出するようになっている。
また、第1用紙スタックトレイ401を選択していても、該第1用紙スタックトレイ401の許容積載量を超える大量の転写紙Pが出力される場は、本体スタック部である第1排紙部234や第2用紙スタックトレイ402に自動的に転写紙Pが排出されるように各切替ゲートを切り替えると共に、オペレータに出力口(排出部)が変更されたことを操作部(図示せず)に表示して知らせたり、そのジョブをスタートせずに、出力不可能である旨を知らせたりする。
さらに、第2用紙スタックトレイ402へ出力が選択され、且つオフセット機能が選択された場合、転写紙Pはエスケープパス302を搬送され、第3切替ゲート307矢印h方向(図4)に回動させ第2排紙路306を通じて第2用紙スタックトレイ402に出力され、通常のスタックやオフセットスタックが行われる。
上記各切替ゲートの制御は、用紙サイズ情報が使用されるが、この用紙サイズ情報としては、用紙カセット221のサイズ検知情報、手差しトレイ222のサイズ検知情報が用いられる。
ところが、手差しトレイ222においては、不定形のサイズの給紙等によりサイズ検知が行われない転写紙Pも存在する。このような場合は、レジスト前センサー等の用紙搬送時のON時間により、用紙長さ情報を得て用紙サイズを判断する。それでも、長さが同じで幅の異なる転写紙Pがある。例えばA5縦送りとA4横送り等がある。これに対しては、第2切替ゲート304の切替時間を見込んで、その距離分離れた位置に用紙検知センサーA(図8)を、A5幅を検知しないがA4幅を検知するように配置するようにすればよい。
同様に、第1切替ゲート235の前で行うことにより、後処理装置300への進入を許可しない用紙の選別を行うことができる。この場合には、画像形成装置本体200側の第1排紙部234に転写紙Pを排出するように第1切替ゲート235を切り替えるように制御する。
上記の処理の流れの詳細について以下に説明する。
始めに、後処理装置300によるオフセット機能が選択された場合の転写紙Pの搬送動作について図1〜図4、図8および図11に示すフローチャートを参照しながら以下に説明する。
まず、オペレータによって後処理装置300によるオフセット機能が選択される(ステップS1 )。なお、この場合、転写紙Pの片面に画像を形成する片面印字であるので、図2に示す切替ゲート238は矢印b方向に回動した状態で固定される。
次に、本体用紙サイズ情報に基づいて、オペレータにより選択された用紙サイズが用紙スタック部400の第2用紙スタックトレイ402への出力許容サイズか否かが判定される(ステップS2)。上記用紙サイズとは、用紙スタック部4
00において排出される転写紙Pのサイズおよび枚数を示したものである。
ここで、用紙サイズが第2用紙スタックトレイ402への出力許容サイズでないと判定された場合には、出力の禁止、オフセットモード解除を行うと共に、その旨を図示しない表示パネルに表示することにより、オペレータに知らせる(ステップS3)。
一方、ステップS2において、用紙サイズが第2用紙スタックトレイ402への出力許容サイズであると判定されれば、プリントがスタートされる(ステップS4)。
次に、レジスト前センサーON時間に基づいて、オペレータにより選択された用紙サイズが用紙スタック部400の第2用紙スタックトレイ402への出力許容サイズか否かが判定される(ステップS5)。上記用紙サイズとは、用紙スタック部400において排出される転写紙Pのサイズおよび枚数を示したものである。
ここで、用紙サイズが第2用紙スタックトレイ402への出力許容サイズであると判定されれば、ステップS6に移行し、第1切替ゲート235を矢印c方向回動させると共に、第2切替ゲート304を矢印e方向に回動させる。すなわち、転写紙Pは、用紙搬送パス301を経て後処理装置300のエスケープパス302を搬送するようになる。
続いて、レジスト前センサーON時間に基づいて、オペレータにより選択された用紙サイズが用紙スタック部400の第2用紙スタックトレイ402への出力許容サイズか否かが判定される(ステップS7)。上記用紙サイズとは、用紙スタック部400において排出される転写紙Pのサイズおよび枚数を示したものである。
ここで、用紙サイズが第2用紙スタックトレイ402への出力許容サイズであると判定されれば、第3切替ゲートを矢印h方向方向に回動させる(ステップS8)。一方、用紙サイズが第2用紙スタックトレイ402への出力許容サイズでないと判定されれば、ステップS12に移行する。なお、ステップS12以降の処理については後述する。
そして、エスケープパス302を搬送した転写紙Pは、第2用紙スタックトレイ402上にオフセットスタックされる(ステップS9)。なお、第2用紙スタックトレイ402は、スタックされる転写紙Pの量に応じて上下動し、常に、スタックされた転写紙Pの最上面に新たな転写紙Pが搬送されるようになっている。
上述のステップS5において、用紙サイズが第2用紙スタックトレイ402への出力許容サイズでないと判定されれば、ステップS11に移行する。このステップS11は、第1用紙スタックトレイ401に転写紙Pの出力が選択された(ステップS10)場合においても実行される。
上記ステップS11では、画像形成装置本体200の第1切替ゲート235の手前に設けられた用紙検知センサーE(図24)のON信号に基づいて、搬送される転写紙Pが後処理装置300への出力許容サイズか否かが判定される。ここで、搬送される転写紙Pが後処理装置300への出力許容サイズであると判定されれば、ステップS12に移行し、そうでないと判定されれば、第1切替ゲート235を矢印d方向に回動させ(ステップS15)、本体スタック部である第1排紙部234に転写紙Pを出力する(ステップS16)。
上記ステップS12では、出力枚数が、第1用紙スタックトレイ401の許容量以下か否かが判定される。つまり、出力される転写紙Pの枚数が第1用紙スタックトレイ401にスタックできる量であるか否かが判定される。
上記ステップS12において、スタックされる転写紙P量が第1用紙スタックトレイ401の許容量であると判定されれば、第3切替ゲート307を矢印g方向に回動させ(ステップS13)、第1用紙スタックトレイ401に転写紙Pを出力する(ステップS14)。
一方、ステップS12において、スタックされる転写紙P量が第1用紙スタックトレイ401の許容量でないと判定されれば、第3切替ゲート307を矢印h方向に回動させ(ステップS17)、第2用紙スタックトレイ402に転写紙Pを出力する(ステップS18)。
以上のように、後処理装置300においてオフセット機能が選択された場合、出力される転写紙Pのサイズや枚数に応じて、第1排紙部234、第1用紙スタックトレイ401、第2用紙スタックトレイ402の何れかに転写紙Pを出力することができる。
特に、一度に大量に転写紙Pを出力する場合には、該転写紙Pが後処理装置300を通過できる用紙であれば、第2用紙スタックトレイ402が転写紙Pの出力先として使用され、該転写紙Pが後処理装置300を通過できない用紙であれば、第1排紙部234が転写紙Pの出力先として使用される。
よって、一度に大量の転写紙Pを出力する場合には、スタックできる転写紙Pの許容量が少ない第1用紙スタックトレイ401に転写紙Pが出力されないようになるので、第1用紙スタックトレイ401近傍でのジャム等の不具合を無くすことができる。
次に、後処理装置300においてステイプル機能が選択された場合の転写紙Pの搬送動作について図1〜図4、図8および図12に示すフローチャートを参照しながら以下に説明する。
まず、オペレータによって後処理装置300によるステイプル機能が選択される(ステップS21 )。なお、この場合、転写紙Pの片面に画像を形成する片面印字であるので、図2に示す切替ゲート238は矢印b方向に回動した状態で固定される。
次に、本体用紙サイズ情報に基づいて、オペレータにより選択された用紙サイズがステイプル許容サイズか否かが判定される(ステップS22)。上記用紙サイズとは、用紙スタック部400において排出される転写紙Pのサイズおよび枚数を示したものである。
ここで、用紙サイズがステイプル許容サイズでないと判定された場合には、出力の禁止、ステイプルモード解除を行うと共に、その旨を図示しない表示パネルに表示することにより、オペレータに知らせる(ステップS23)。
一方、ステップS22において、用紙サイズがステイプル許容サイズであると判定されれば、原稿読み取り枚数がステイプル許容枚数以下か否かが判定される(ステップS24)。ここで、出力される転写紙Pがステイプル許容サイズであると判定されれば、プリントがスタートされる(ステップS25)。なお、ステップS24において、用紙サイズがステイプル許容サイズでないと判定されれば、ステップS23に移行する。
続いて、レジスト前センサーON時間に基づいて、オペレータにより選択された用紙サイズがステイプル許容サイズか否かが判定される(ステップS26)。ここで、用紙サイズがステイプル許容サイズであると判定されれば、第1切替ゲート235を矢印c方向に回動させ(ステップS27)、用紙検知センサーAがONされてからの時間に基づいて、オペレータにより選択された用紙サイズがステイプル許容サイズか否かが判定される(ステップS28)。
上記ステップS28において、用紙サイズがステイプル許容サイズであると判定されれば、第2切替ゲート304が矢印f方向に回動させ(ステップS29)、ステイプルトレイ303の用紙サイズに応じた所定の位置に転写紙Pが収納され、整合された後、ステイプル処理され(ステップS30)、第2用紙スタックトレイ402に転写紙Pが出力される(ステップS31)。
一方、ステップS28において、用紙サイズがステイプル許容サイズでないと判定されれば、ステップS33に移行する。このステップS33の説明は後述する。
また、上述のステップS26において、レジスト前センサーON時間に基づいて、オペレータにより選択された用紙サイズがステイプル許容サイズでないと判定されれば、用紙検知センサーE(図24)のON信号に基づいて、搬送される転写紙Pが後処理装置300への出力許容サイズか否かが判定される(ステップS32)。ここで、搬送される転写紙Pが後処理装置300への出力許容サイズであると判定されれば、第2切替ゲート304を矢印e方向に回動させると共に、第3切替ゲート307を矢印g方向に回動させ(ステップS33)、第1用紙スタックトレイ401に転写紙Pを出力する(ステップS34)。
一方、ステップS32において、搬送される転写紙Pが後処理装置300への出力許容サイズでないと判定されれば、第1切替ゲート235を矢印d方向に回動させ(ステップS35)、本体スタック部である第1排紙部234に転写紙Pを出力する(ステップS36)。
以上のように、後処理装置300において、ステイプル機能が選択された場合においても、ステイプル可能か、スタック可能か等に応じて第1排紙部234、第1用紙スタックトレイ401、第2用紙スタックトレイ402の何れかが自動的に選択されるので、オペレータが間違った操作を行うことにより生じるジャム等を防止することができる。
上記構成の画像形成装置は、後処理装置300および用紙スタック部400が着脱自在となっており、ユーザが必要に応じて着脱できるようになっている。上記後処理装置300および用紙スタック部400を取り外した場合、図13に示すように、画像形成装置本体200上部に原稿読取部100が直接装着される。この場合、排出部は、原稿読取部100の下方の空間に形成された第1排紙部234のみとなる。
また、上記構成の画像形成装置は、図1に示すように、後処理装置300におけるステイプルユニット308が原稿読取部100の下方に形成される空間部内に設けられているが、これに限定されず、例えば図14に示すように、ステイプルユニット308が用紙スタック部400内に設けられていてもよい。この場合、用紙スタック部400では、用紙のスタック機能だけでなく、用紙のステイプル機能も有することになる。
上記構成の画像形成装置では、エスケープパス302とステイプルトレイ303とでは別々の駆動源により駆動されていることを想定して説明したが、以下においては、エスケープパス302とステイプルトレイ303とで、搬送ローラ310のうち駆動ローラである送り込みローラ316を兼用する場合について説明する。なお、説明の便宜上、図8ないし図10と同じ機能を有する部材には、同じ番号を付記し、その説明は省略する。
例えば図15に示すように、エスケープパス302の下面を形成する中央ペーパーガイド302aには、送り込みローラ316が上方に移動した時にその一部が突出できる程度の開口部302bが形成されている。さらに、エスケープパス302には、中央ペーパーガイド302aから突出した該送り込みローラ316を、エスケープパス302の上方から加圧する加圧コロ331が設けられている。なお、上記開口部302bは、上記加圧コロ331の径よりも小さく形成されている。
上記中央ペーパーガイド302aは、エスケープパス302の下面部材を形成すると共に、ステイプルトレイ303の上面部材を形成する共通部材である。
上記エスケープパス302の中央ペーパーガイド302aと対向する上部ペーパーガイド302cには、上記加圧コロ331が上部側から貫通できる開口部302dが形成されている。したがって、上記加圧コロ331は、下方に向かってバネ等の弾性部材により付勢されており、図16に示すように、送り込みローラ316が傾斜面311a側に移動した場合には、エスケープパス302の上部ペーパーガイド302cの開口部302dを貫通して、中央ペーパーガイド302aの開口部302bでその移動が規制される。
したがって、転写紙Pがエスケープパス302を搬送する時には、図15に示すように、送り込みローラ316の一部が中央ペーパーガイド302aの開口部302bから突出して加圧コロ331に当接するように移動し、この送り込みローラ316と加圧コロ331とで形成されるニップ部に転写紙Pを導くことで、該転写紙Pを搬送するようになっている。
一方、転写紙Pがステイプルトレイ303を搬送する時には、図16に示すように、送り込みローラ316が傾斜面311aに当接するように移動する。このとき、傾斜面311a上に載置された転写紙Pは、送り込みローラ316の移動に連動して下方に移動した押さえレバー314により押さえられながら、該送り込みローラ316の回転力により搬送される。
つまり、図16に示すように、送り込みローラ316が下がっている状態では、上記加圧コロ331は、付勢力により下向きに加圧され、中央ペーパーガイド302aの開口部302bがストッパーとなって止まっている。
そして、加圧コロ331は、転写紙Pがエスケープパス302を搬送する時、図15に示すように、ソレノイドのONにより上方に移動した送り込みローラ316によって上方に押し上げられ、クラッチ機構のONにより回転する該送り込みローラ316に従動して回転を始める。このとき、転写紙Pの搬送力を発生させる上記加圧コロ331への送り込みローラ316により加圧力は、転写紙Pがスリップしない程度の強さに設定され、該転写紙Pを確実に搬送できるようになっている。
また、転写紙Pがステイプルトレイ303を搬送する時、送り込みローラ316は、図16に示すように、傾斜面311aに当接した下がった状態を待機位置としている。そして、送り込みローラ316は、転写紙Pの進入に合わせてソレノイドのONで上方に移動し、転写紙Pが該送り込みローラ316の下方を通過したタイミングで下降し、クラッチ機構のONにより回転し、該転写紙Pを図示しないステイプルユニット308のストッパー501に向かって搬送する。
この場合の上記送り込みローラ316の回転動作時間、すなわち転写紙Pの送り込み量は、図8に示す用紙搬送パス301上に設けられた用紙検知センサーAまたはステイプルトレイ303上に設けられた用紙検知センサーCの検知信号に基づくタイマー制御、または転写紙Pたわみによる用紙先端押さえレバー502の押し上げによる検知、または転写紙Pの先端のストッパー501への接触の感知、または一枚目の入紙時の用紙検知センサーCとステイプルトレイ303上に設けられたトレイ用紙有無センサーDのONタイミングを学習し、2枚目以降、用紙検知センサーCのONタイミングからのタイマー制御の精度の向上させること等により制御される。これにより、転写紙Pの先端がストッパー501に確実に接触した状態で、該ストッパー501の両側に配置された用紙先端押さえレバー502により保持される。
また、送り込みローラ316をエスケープパス302とステイプルトレイ303とで兼用する場合、駆動ローラとなる送り込みローラ316は、上記エスケープパス302で転写紙Pを搬送させる搬送力が、上記ステイプルトレイ303で転写紙Pを搬送させる搬送力よりも強くなるように回動制御されている。
つまり、エスケープパス302における転写紙Pの搬送力は、該転写紙Pを確実に搬送するためにできるだけ強い方が好ましいが、ステイプルトレイ303における転写紙Pの搬送力は、できるだけ弱い方が好ましい。これは、該転写紙Pの先端が常にステイプルユニット308のストッパー501により当接されるようになっており、転写紙Pを強い搬送力で搬送すると紙詰まり(ジャム)になる虞があるからである。
したがって、転写紙Pがステイプルトレイ303を搬送する時には、送り込みローラ316による転写紙Pの搬送力は、該転写紙Pの搬送に必要な最小の大きさに設定されている。この場合の搬送力は、例えばステイプルの為に傾斜面311a上にストックされた転写紙Pまたはガイド板の上を滑りながら転写紙Pが移動できるような大きさに設定されている。これより、転写紙Pが搬送されることにより、転写紙Pは互いに傷つくことはなく、また破損することもない。
また、静電気等のノイズにより転写紙Pの送り込み量制御が乱れても転写紙P先端がステイプルユニット308のストッパー501に到達した状態で、該転写紙Pに負荷が加わっても送り込みローラ316と転写紙Pとの間でスリップするようになるので、転写紙Pの送り過ぎによるジャム、および転写紙Pの破損を防止でき、確実に転写紙Pの先端部を揃えることができる。
ここで、送り込みローラ316の駆動機構について、図17および図18を参照しながら以下に説明する。
上記駆動機構は、図17に示すように、駆動源332と、この駆動源332の駆動力を送り込みローラ316に伝達するための駆動伝達部333とで構成されている。
上記駆動源332は、正逆回転駆動可能なギア332aを有している。また、上記駆動伝達部333は、上記ギア332aに歯合する第1ギア333aと、該第1ギア333aと歯合する第2ギア333bと、該第2ギア333bと歯合する第3ギア333cと、該第3ギア333cと歯合する第4ギア333dと、該第4ギア333dと歯合する第5ギア333eとを有している。
上記第1ギア333aは、ローラアーム319の回動支点である支持軸315に取り付けられており、上記第5ギア333eは、送り込みローラ316の回動支点である支持軸320において該送り込みローラ316と一体的に回転するように設けられている。また、第2ギア333b〜第4ギア333dは、上記ローラアーム319に連動して回動するように設けられた図示しない支持部材により軸支されている。
すなわち、上記駆動源332の駆動力は、ギア332aから駆動伝達部333の第1ギア333aに伝達され、上記第2ギア333bから順番に第3ギア333c、第4ギア333d、第5ギア333eに伝達され、送り込みローラ316を回転させる。
また、駆動機構として、上記駆動伝達部333に代えて、図18に示すような駆動伝達部334を用いてもよい。この駆動伝達部334は、支持軸315で軸支され、上記駆動源332のギア332aに歯合するギア335と、該ギア335と共通の支持軸315により軸支されると共に、該ギア335の回転に連動する第1プーリー336と、送り込みローラ316の支持軸320に軸支された第2プーリー337と、上記第1プーリー336と第2プーリー337に張架されたベルト338とで構成されている。
すなわち、上記送り込みローラ316は、駆動源332の駆動力がギア332aと歯合するギア335に伝達され、このギア335に連動する第1プーリー336が回転し、この第1プーリー336の回転力がベルト338により第2プーリー337に伝達され回転される。
上記構成の画像形成装置では、転写紙Pの搬送路を切り替えるために爪状の切替ゲートが用いられているが、これに限定されず、例えば以下に説明するような3連接ローラを用いて転写紙Pの搬送路を切り替えるようにしてもよい。
ここでは、図1に示す後処理装置300における転写紙Pを、用紙搬送パス301からエスケープパス302またはステイプルトレイ303に切り替える第2切替ゲート304の代わりに、図19に示す3連接ローラからなる切替手段350を使用した場合について説明する。
上記切替手段350は、図19に示すように、エスケープパス302とステイプルトレイ303との分岐点に、第1ローラ351、第2ローラ352、第3ローラ353がそれぞれ回動自在に連接して配置された3連接ローラからなり、上記第1ローラ351と第2ローラ352との間に形成されるニップ部から排出される転写紙Pをエスケープパス302に排出し、上記第2ローラ352と第3ローラ353とに形成されるニップ部から排出される転写紙Pをステイプルトレイ303に排出するようになっている。
また、上記第2ローラ352は、駆動ローラであり、この駆動力が第1ローラ351および第3ローラ353に伝達されるようになっている。さらに、この第2ローラ352の支持軸352aには、用紙搬送パス301側に向かって棒状の第1ゲート部材354が該第2ローラ352の回転に連動するように設けられている。
上記第1ゲート部材354の一端部は、上記第2ローラ352の支持軸352aに軸支され、他端部には開口部354aが形成され、この開口部354aに支
持軸355を介して棒状の第2ゲート部材356が回動自在に設けられている。
上記第2ゲート部材356は、一端部が上記第1ゲート部材354の開口部354aにおいて支持軸355に軸支されると共に、ほぼ中央で装置本体に固定された固定軸357に回転自在に軸支されている。なお、上記第1ゲート部材354の開口部354aは、該第1ゲート部材354と第2ゲート部材356との連動駆動する際の遊び部分となっている。
上記第1ゲート部材354と第2ゲート部材356とは、図20(a)(b)に示すように、第2ローラ352の両側面側に設けられており、隣接する第2ゲート部材356の最小の間隔は後処理装置300に搬送される転写紙Pの最小サイズ幅よりも小さく設定されている。これにより、転写紙Pを確実に分岐させることができる。
また、上記第1ゲート部材354は、第2ローラ352の支持軸352aに対して適当な摩擦力でもって支持されている。これにより、第2ローラ352が回転する場合、第1ゲート部材354は支持軸352aとの間の摩擦力により該第2ローラ352と同じ方向に回転するようになる。なお、第1ゲート部材354と支持軸352aとの間では、該第1ゲート部材354にある一定以上の力が加わると空回りするようになっている。
また、上記固定軸357は、上記第2ローラ352の支持軸352aとほぼ平行になるように形成されており、第2ローラ352が実線矢印方向に回転するときに、第1ゲート部材354は支持軸352aとの摩擦力により上方へ回転し、この第1ゲート部材354の上方への回転により、第2ゲート部材356は固定軸357を中心として転写紙P搬送方向上流側の端部が下方に向かって回転し、用紙搬送パス301の下面に当接した状態(図19の実線の状態)となる。この状態を第1のポジションとする。この第1のポジションは、第2ローラ352が実線矢印方向に回転している間、第1ゲート部材354と支持軸352aとの間は空回りして維持される。
上記第1のポジションでは、上記第2ゲート部材356の転写紙P搬送方向上流側の端部が下方に位置し、用紙搬送パス301の下面に当接した状態となっているので、用紙搬送パス301を搬送される転写紙Pは、上記第2ゲート部材356および第1ゲート部材354に導かれて第1ローラ351と第2ローラ352との間に搬送される。この第1ローラ351と第2ローラ352とは実線矢印方向に回転しているので、該第1ローラ351と第2ローラ352との間に形成されるニップ部に搬送された転写紙Pは、該ニップ部を通過してエスケープパス302に搬送される。
すなわち、エスケープパス302に転写紙Pを搬送させたい場合には、上記第1ゲート部材354と第2ゲート部材356とが上記第1のポジションで維持されるように第2ローラ352を実線矢印方向に回転するように制御すればよい。
一方、第2ローラ352が破線矢印方向に回転するときに、第1ゲート部材354は支持軸352aとの摩擦力により下方へ回転し、この第1ゲート部材354の下方への回転により第2ゲート部材356は固定軸357を中心として転写紙P搬送方向上流側の端部が上方に向かって回転し、用紙搬送パス301の上面に当接した状態(図19の破線の状態)となる。この状態を第2のポジションとする。この第2のポジションは、第2ローラ352が破線矢印方向に回転している間、第1ゲート部材354と支持軸352aとの間は空回りして維持される。
上記第2のポジションでは、上記第2ゲート部材356の転写紙P搬送方向上流側の端部が上方に位置し、用紙搬送パス301の上面に当接した状態となっているので、用紙搬送パス301を搬送される転写紙Pは、上記第2ゲート部材356および第1ゲート部材354に導かれて第2ローラ352と第3ローラ353との間に搬送される。この第2ローラ352と第3ローラ353とは破線矢印方向に回転しているので、該第2ローラ352と第3ローラ353との間に形成されるニップ部に搬送された転写紙Pは、該ニップ部を通過してステイプルトレイ303に搬送される。
すなわち、ステイプルトレイ303に転写紙Pを搬送させたい場合には、上記第1ゲート部材354と第2ゲート部材356とが上記第2のポジションで維持されるように第2ローラ352を破線矢印方向に回転するように制御すればよい。
上記切替手段350では、2つの棒状のゲート部材を用いて転写紙Pの分岐を行ったが、本願はこれに限定されるものではなく、図21に示すような切替手段360や図22に示す切替手段370を用いても同様に転写紙Pを分岐搬送することができる。
上記切替手段360は、図21に示すように、回転自在な歯車状の第1ゲート部材361と、この第1ゲート部材361の回転軸361aに軸支された棒状の第2ゲート部材362とで構成されている。この第2ゲート部材362は、上記回転軸361aに対してある程度の摩擦力でもって軸支されており、第1ゲート部材361の回転に伴って回転するようになっている。そして、第2ゲート部材362は、転写紙P搬送方向上流側の先端部が該第2ゲート部材362の回転により、用紙搬送パス301の上面あるいは下面に当接できるような長さに形成されている。
また、第2ローラ352には、歯車363が同軸上で一体的に設けられており、この歯車363は上記第1ゲート部材361に歯合するようになっている。これにより、第2ローラ352の回転力が歯車363から第1ゲート部材361に伝達される。
すなわち、第2ローラ352が実線矢印方向に回転する場合、この第2ローラ352と連動して第1ゲート部材361が実線矢印方向に回転することにより第2ゲート部材362の転写紙P搬送方向上流側の端部が下方に移動し、用紙搬送パス301の下面に該端部が当接する。この状態を第1のポジションとする。したがって、第2ローラ352が回転している間、第2ゲート部材362は、回転軸361aに対して空回りして、上記第1のポジションが維持される。
一方、第2ローラ352が破線矢印方向に回転する場合、この第2ローラ352と連動して第1ゲート部材361が破線矢印方向に回転することにより第2ゲート部材362の転写紙P搬送方向上流側の端部が上方に移動し、用紙搬送パス301の上面に該端部が当接する。この状態を第2のポジションとする。したがって、第2ローラ352が回転している間、第2ゲート部材362は、回転軸361aに対して空回りして、上記第2のポジションが維持される。
上記の構成において、転写紙Pをエスケープパス302に搬送させる場合には、第2ローラ352を実線矢印方向に回転させて、第2ゲート部材362の転写紙P搬送方向上流側の端部が用紙搬送パス301の下面に当接した第1のポジションにする。これにより、用紙搬送パス301を搬送される転写紙Pは、第2ゲート部材362により第1ローラ351と第2ローラ352との間に導かれ、該第1ローラ351と第2ローラ352との間に形成されるニップ部からエスケープパス302に送り出される。
一方、転写紙Pをステイプルトレイ303に搬送させる場合には、第2ローラ352を破線矢印方向に回転させて、第2ゲート部材362の転写紙P搬送方向上流側の端部が用紙搬送パス301の上面に当接した第2のポジションにする。これにより、用紙搬送パス301を搬送される転写紙Pは、第2ゲート部材362により第2ローラ352と第3ローラ353との間に導かれ、該第2ローラ352と第3ローラ353との間に形成されるニップ部からステイプルトレイ303に送り出される。
上記の切替手段360では、第1ゲート部材361を駆動させるために、第2ローラ352に一体的に設けられた歯車363が設けられていたが、図22(a)(b)に示す切替手段370のように、第2ローラ352に直接当接して、該第2ローラ352の回転を伝えるようにしてもよい。
上記第1ゲート部材371は、図22(a)(b)に示すように、ローラ状の部材からなり、第2ローラ352と当接することにより該第2ローラ352の回転が伝わるようになっている。そして、この第1ゲート部材371の回転軸371aには、棒状の第2ゲート部材372が一端部で軸支されている。
上記第2ゲート部材372は、上記回転軸371aに対して所定の摩擦力でもって支持されており、第1ゲート部材371の回転に連動して回転するようになっている。また、第2ゲート部材372は、転写紙P搬送方向上流側の先端部が該第2ゲート部材372の回転により、用紙搬送パス301の上面あるいは下面に当接できるような長さに形成されている。
上記の構成において、転写紙Pをエスケープパス302に搬送させる場合には、第2ローラ352を実線矢印方向に回転させて、第2ゲート部材372の転写紙P搬送方向上流側の端部が用紙搬送パス301の下面に当接した第1のポジションにする。これにより、用紙搬送パス301を搬送される転写紙Pは、第2ゲート部材372により第1ローラ351と第2ローラ352との間に導かれ、該第1ローラ351と第2ローラ352との間に形成されるニップ部からエスケープパス302に送り出される。
一方、転写紙Pをステイプルトレイ303に搬送させる場合には、第2ローラ352を破線矢印方向に回転させて、第2ゲート部材372の転写紙P搬送方向上流側の端部が用紙搬送パス301の上面に当接した第2のポジションにする。これにより、用紙搬送パス301を搬送される転写紙Pは、第2ゲート部材372により第2ローラ352と第3ローラ353との間に導かれ、該第2ローラ352と第3ローラ353との間に形成されるニップ部からステイプルトレイ303に送り出される。
以上のように、転写紙Pを分岐させる手段として、上述したような3連接ローラを用いた場合には、転写紙Pの搬送方向を切り替えるための部材を駆動させるための手段が該3連接ローラの一つの駆動ローラを用いている。つまり、転写紙Pの分岐のための手段に対する駆動手段を共有していることになる。これにより、装置の小型化を図ることができる。
以下において、転写紙Pの搬送方向の切替えを上述した3連接ローラを利用し、さらに、はがき等のステイプル処理が一般的に禁止されているサイズの転写紙Pが誤ってステイプルトレイ303に搬送されないようにするための用紙搬送系について図23を参照しながら説明する。
上記用紙搬送系は、図23に示すように、転写紙Pを分岐させるための切替手段350を中心とした転写紙Pの搬送を縦方向に搬送可能な画像形成装置に適用されるものであり、例えば、転写紙Pの定着終了直後に、該転写紙Pを下方から上方に搬送する過程で2つの搬送路(第1排出搬送路391、第2排出搬送路392)へ分岐するものである。なお、図23において、第1排出搬送路391は図1に示すエスケープパス302に連接され、第2排出搬送路392は図1に示すステイプルトレイ303に連接されている。
上記用紙搬送系は、図23に示すように、第1排出搬送路391および第2排出搬送路392に至るまでの間に、4つの搬送路(第1搬送路381、第2搬送路382、第3搬送路383、第4搬送路384)を有している。
上記第1搬送路381は、定着直後の転写紙Pを搬送する第1搬送ローラ385と切替手段350との間に形成されている。なお、上記第1搬送ローラ385は、定着ローラを兼ねてもよい。このように、第1搬送ローラ385に定着ローーラとして機能を持たせることにより、用紙搬送系における部品数を少なくすることができるので、装置の構成をより簡素なものにすることができる。
上記第2搬送路382は、切替手段350と第2排出搬送路392に転写紙Pを搬送する第2搬送ローラ386との間に形成されている。この第2搬送路382は、通常、切替手段350の第2ローラ352と第3ローラ353との間のニップ部から排出される転写紙Pをステイプルトレイ303に搬送する搬送路である。
上記第3搬送路383は、切替手段350と第1排出搬送路391に転写紙Pを搬送する第3搬送ローラ387との間に形成されている。この切替手段350と第3搬送ローラ387との間には、さらに第4搬送ローラ388が設けられており、第1排出搬送路391への転写紙Pの搬送を確実にしている。この第3搬送路383は、通常、切替手段350の第1ローラ351と第2ローラ352との間のニップ部から排出される転写紙Pをエスケープパス302に搬送する搬送路である。
上記第4搬送路384は、切替手段350の第1搬送路381側から上記第3搬送路383を迂回して、第3搬送ローラ387まで形成されている。この第4搬送路384には、転写紙Pの搬送を確実にするために第5搬送ローラ389と第6搬送ローラ390とが設けられている。
上記構成の用紙搬送系において、上記第2搬送路382では、切替手段350の第2ローラ352と第3ローラ353との間のニップ部から第2搬送ローラ386のニップ部までの距離が、ステイプルトレイ303においてステイプルを許容できる用紙サイズ(以下、ステイプル許容サイズと称する)に設定されている。
これにより、ステイプル可能な転写紙Pは、第2ローラ352と第3ローラ353との間から完全に排出される前に、その先端部が第2搬送ローラ386にチャッキングされるようになるので、該転写紙Pを確実に第2排出搬送路392に送り込むことが可能となる。
また、上記第2搬送路382を画像形成装置の設置面に対してほぼ垂直に形成することにより、ステイプル許容サイズの転写紙Pは、第2搬送ローラ386によりチャッキングされるが、ステイプル許容サイズよりも小さい転写紙Pは、上記第2搬送ローラ386によりチャッキングされず、その自重により切替手段350側に落下する。これは、ステイプル許容サイズよりも小さい転写紙Pは、第2ローラ352と第3ローラ353との間から完全に排出されないと、その先端部が第2搬送ローラ386のニップ部にチャッキング可能とならないからである。
これにより、第2搬送路382に転写紙Pを搬送するだけで、該転写紙Pがステイプル可能であるか否かを判定することができる。
したがって、第2搬送路382において、切替手段350の第2ローラ352と第3ローラ353との間のニップ部と第2搬送ローラ386のニップ部との距離を調整するだけで、用紙サイズセンサー等を用いることなく、ステイプル可能な転写紙Pを検出できる。
よって、簡単な構成で、ステイプル可能な転写紙Pをステイプルトレイ303に確実に送り込むことができる一方、ステイプルが禁止された転写紙Pをステイプルトレイ303に送り込まないようにすることができる。この結果、ステイプル禁止の転写紙Pがステイプルトレイ303に送り込まれることによる種々のトラブル(ジャム等)を防止することができる。
また、上記切替手段350の第2ローラ352と第3ローラ353との間のニップ部を通過した転写紙Pがステイプル許容サイズよりも小さい場合、この転写紙Pは、その自重により再び第2ローラ352と第3ローラ353との間に落下するが、該第2ローラ352と第3ローラ353はそれぞれ矢印P方向に回転しているので、第2ローラ352の表面に沿って移動し、第1ローラ351と第2ローラ352との間に導かれ、この間から第4搬送路384に排出されるようになる。
このとき、第2ローラ352と第3ローラ353との間から転写紙Pを排出するように第1ゲート部材354および第2ゲート部材356が駆動しているので、該第2ゲート部材356は、図23に示す破線位置にある。
これにより、第1ローラ351と第2ローラ352との間から排出される転写紙Pは、第1搬送路381に戻ることなく、確実に第4搬送路384に搬送される。
ここで、上記構成の用紙搬送系における転写紙Pの搬送動作について図23を参照しながら以下に説明する。
まず、定着ローラ(図示せず)を通過した転写紙Pは、第1搬送ローラ385により第1搬送路381に導入され、切替手段350において第2搬送路382あるいは第3搬送路383の何れかの搬送路に分岐される。このとき、転写紙Pがステイプルを行う必要があれば、第2搬送路382に分岐され、転写紙Pがステイプルの必要がなければ、第3搬送路383に分岐される。
ステイプルを行う必要のある転写紙Pは、第3ローラ353と第2ローラ352との間のニップ部をその後端が通過するまでに、その先端が第2搬送路382の下流側の第2搬送ローラ386にチャッキングされる。つまり、第2排出搬送路392を経てステイプルトレイ303に搬送される転写紙Pは、第2搬送路382において、第2ローラ352と第3ローラ353との間のニップ部と第2搬送ローラ386のニップ部とで同時にチャッキングされることになる。
ここで、操作者がステイプル禁止の転写紙P、例えばはがき等を誤ってステイプル処理を行うように操作した場合、第1搬送ローラ385から排出された転写紙Paは、第2ローラ352と第3ローラ353との間のニップ部を通過して、転写紙Pbのように、第2搬送路382に排出される。
ところが、第2ローラ352と第3ローラ353との間のニップ部と第2搬送ローラ386のニップ部との距離がステイプル許容用紙サイズの最小値に設定されているので、これよりも小さいサイズの用紙、すなわちはがき等の転写紙Pでは、第2ローラ352と第3ローラ353との間から第2搬送路382に排出されてもその先端が第2搬送ローラ386のニップ部に届かないようになる。しかも、第2搬送路382は、装置の設置面に対してほぼ垂直に形成されているので、転写紙Pbは、その自重により落下し、その後端部が第2ローラ352の回転方向(矢印P方向)に沿って移動し、転写紙Peのようになる。その後、転写紙Peは、第1ローラ351と第2ローラ352との間のニップ部にから第4搬送路384に導かれ、第3搬送ローラ387のニップ部に搬送され、第1排出搬送路391に供給される。すなわち、転写紙Peは、第1ローラ351と第2ローラ352との間のニップ部から、転写紙Pfのような状態で第6搬送ローラ390のニップ部にチャッキングされ、該ニップ部か排出され、転写紙Pgのように第5搬送ローラ389のニップ部にチャッキングされた後、該ニップ部から排出され、第3搬送ローラの387のニップ部にチャッキングされ、第1排出搬送路391に導かれ、エスケープパス302に供給される。
一方、エスケープパス302に転写紙Pcを供給する場合には、切替手段350により、第1ローラ351と第2ローラ352との間のニップ部に導かれ、該ニップ部から第3搬送路383に排出され、第4搬送ローラ388にその先端がチャッキングされ(転写紙Pd)、第3搬送ローラ387を経て第1排出搬送路391に導かれる。
以上のように、上記構成の用紙搬送系によれば、誤って第2搬送路382にステイプル禁止の転写紙P(ステイプル許容サイズよりも小さい用紙)が搬送されても、切替手段350から排出された転写紙Pは第2搬送ローラ386にチャッキングされず、自動的に第4搬送路384に搬送され、エスケープパス302に通じる第1排出搬送路391に導かれる。
これにより、ステイプル禁止の転写紙Pが誤ってステイプルトレイ303に導かれることがないので、該ステイプルトレイ303における、不要な用紙搬送によるジャムなどを防ぐことができる。
また、ステイプルトレイ303に導くための搬送路(第2搬送路382)の長さ(第2ローラ352と第3ローラ353との間のニップ部から第2搬送ローラ386のニップ部までの距離)をステイプル許容サイズに設定するだけで、ステイプル禁止の転写紙Pか否かを判断するようになっているので、用紙サイズの判定のために別部材としてセンサーなどを設ける必要がない。よって、用紙搬送系の構造を簡素化できると共に、装置全体の製造費の低減を図ることができる。
ところで、複写機能には、転写紙Pの片面に画像形成する片面印字機能と、転写紙Pの両面に画像形成する両面印字機能とがある。これまでの説明では、主に片面印字機能について説明したが、両面印字機能を上記構成の画像形成装置において実現する場合について、以下に説明する。このように、両面印字機能を実現するには、画像形成装置内において転写紙Pを反転搬送する手段、すなわちスイッチバック機構が必要になる。
例えば、図24に示すように、ステイプルトレイ303に転写紙Pを反転させる反転搬送手段600を設けることが考えられる。
上記反転搬送手段600は、ステイプルトレイ303の転写紙Pの載置面の用紙搬送方向に沿って正逆回転可能な再給紙ベルト601を有し、この再給紙ベルト601を矢印方向に回転させることにより、ステイプルトレイ303上に一時載置された転写紙Pを画像形成装置本体200内の反転搬送路237に排出するようになっている。つまり、再給紙ベルト601は、ステイプルトレイ303上に載置される転写紙Pの後端部が少しかかる程度の位置に設けられている。
上記反転搬送手段600は、図25に示すように、ステイプルトレイ303上に載置された転写紙Pのステイプル処理方向側の端部に当接すると共に、転写紙Pを反転搬送方向に送り出すための搬送板602と、ステイプルトレイ303上に載置された転写紙Pを上面側から押さえる用紙押さえレバー603と、転写紙Pの反転搬送方向端部側に設けられ、載置状態の転写紙Pを一枚ずつ反転搬送路に送り出すためのさばき部材604とで構成されている。
上記搬送板602は、ステイプルトレイ303の転写紙P載置面に対して垂直に立った壁であり、転写紙Pの搬送方向に移動可能となっており、転写紙Pの端部に当接して搬送しようとする方向に移動させることで該転写紙Pを送り出すようになっている。また、上記搬送板602は、両面印字時において片面印字が完了した転写紙Pのストッパーとしての機能を果たす。
また、上記搬送板602は、通常、ステイプルトレイ303の用紙搬送方向上流側端部で待機(図24に示す状態)し、片面印字時の転写紙Pの用紙搬送の邪魔にならないようになっている。
上記用紙押さえレバー603は、一端部が図示しないがエスケープパス302の下面において軸支された軸部603aからなると共に、他端部がステイプルトレイ303上に載置された転写紙Pを上部から押さえる押さえ部603bからなる部材(一体成形体)からなり、上記軸部603aを中心に回動自在に設けられている。
上記用紙押さえレバー603は、ソレノイド(図示せず)により駆動制御されている。つまり、ソレノイドを駆動制御することで、転写紙Pがステイプルトレイ303上に搬送される際には、押さえ部603bが上方に移動するようにし、該転写紙Pがステイプルトレイ303上に載置されると該転写紙Pを上部から押さえるように押さえ部603bが下方に移動するようにしている。
上記さばき部材604は、ステイプルトレイ303の後端部側に設けられた略L字状の部材であり、最下部と再給紙ベルト601との間隔は転写紙Pのほぼ一枚分の厚み程度に設定され、転写紙Pが反転搬送される際のダブルフィード(二重搬送)を防止するようになっている。
ここで、上記構成の反転搬送手段600を備えた画像形成装置における転写紙Pの搬送動作について図24および図25を参照しながら以下に説明する。
両面印字時には、装置本体定着通過後に位置する第1切替ゲート235を矢印c方向に移動させると共に、第2切替ゲート304を矢印e方向に移動させて、定着後の転写紙Pを用紙搬送パス301からステイプルトレイ303に導く。
このとき、ステイプル動作時には、ステイプルトレイ303上の所定の位置待機している搬送板602が、用紙長さ情報に基づいて用紙長さプラス2mm程度下流側へ移動して待機している。
この搬送板602は、両面印字時にステイプルトレイ303に送り込まれる転写紙P先端のストッパーとなり、両面印字中間トレイとしての用紙長さ方向の用紙整合の機能を果たす。
なお、用紙幅方向の整合は、ステイプル処理時に用いられる整合部材505が用いられるが、ここでは、図6に示す固定壁509の代わりに整合部材505を用いる。これにより、転写紙Pの幅方向の両側から整合するようになる。具体的には、切替ゲート304の手前に設けられた用紙検知センサーAの検知からタイマー制御により整合部材505・505が、転写紙Pのセンター基準に向かって該転写紙Pの幅方向の両側から押し込むように駆動される。
以上の動作を設定枚数分の転写紙Pに対して行い、ステイプルトレイ303上には片面印字の終わった用紙束が整合された状態で収納されている。
設定枚数の最終ページの整合が完了した後に、ステイプルトレイ303上に収納された用紙束の後端部を上方からソレノイドにより駆動制御されている用紙押さえレバー603により押さえ込む。
このように、用紙押さえレバー603により用紙束を上方から押さえ込んだ状態で、再給紙ベルト601が矢印方向に駆動し、用紙束の最下部の転写紙Pのみが搬送される。このとき、さばき部材604により転写紙Pのダブルフィードが防止される。
上記再給紙ベルト601により送り出される転写紙Pは、用紙後端が先頭となった状態で画像形成装置本体200の反転搬送路237に送り込まれる。そして、転写紙Pが反転搬送路237の最初の搬送ローラ237aにチャッキングされると共に、上記再給紙ベルト601の駆動が停止される。つまり、反転搬送される転写紙Pが上記搬送ローラ237aにチャッキングされるタイミングまでのタイマー制御によって上記再給紙ベルト601の駆動が停止され、用紙押さえレバー603も上方へ移動される。この再給紙動作は、片面印字時の用紙間隔と同じタイミングにて設定枚数終了まで続けられる。
再給紙された転写紙Pは、上記反転搬送路237を介して、レジストローラ229まで導かれ、該レジストローラ229により画像形成部210の感光体211上のトナー像と位置合わせが行われ、その後、片面印字時と同様に流れて画像形成されていない面(裏面)の印字が行われ、本体用紙スタック部である第1排紙部234、エスケープパス302あるいはステイプルトレイ303のいずれかに搬送される。
上記構成によれば、両面印字時使用する中間トレイを別に設ける必要がないので、装置本体の搬送系の構成を簡略化でき、装置の小型化および低価格化を招来できる。
上記の説明では、両面印字時の中間トレイとしてステイプルトレイ303を用い、片面印字された転写紙Pを一旦ステイプルトレイ303に収納した後、もう片方の面に印字を行う複写方式について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば転写紙Pを1枚ずつ両面に印字する複写方式も可能である。この場合、片面印字された転写紙Pがステイプルトレイ303上に搬送された後、すぐにこの転写紙Pを反転搬送するようにすればよい。
また、上記のようにステイプルトレイ303を両面印字時の中間トレイとして使用する場合、ステイプル処理中に割り込みにより両面印字が行うことができない。そこで、このような場合においても両面印字が行えるようにエスケープパス302を両面印字時の中間トレイとして使用することが考えられる。
すなわち、ステイプル動作途中に割り込みにて両面印字が行われる時には、第2切替ゲート304は矢印e方向に移動させる。これにより、両面印字される転写紙Pはエスケープパス302に搬送されることになる。このとき、用紙長さ情報に基づいてその時の転写紙P後端が第1切替ゲート235を通過した時点で第1切替ゲートを矢印d方向に移動させ、エスケープパス302近傍の搬送ローラ310の回転方向を逆転させる。これにより、転写紙Pは両面印字用搬送路である反転搬送路237に送られ両面印字され、両面印字が完了した転写紙Pは、エスケープパス302を経由して排出される。
上記のようにステイプル処理時に両面印字を割り込みで行う場合に、中間トレイとしてエスケープパス302を利用することにより、ステイプル処理用に既にステイプルトレイ303に収納された転写紙Pのスタック性を乱すことなく、両面印字のスイッチバックを行うことが可能となる。
つまり、エスケープパス302およびステイプルトレイ303にスイッチバック機構が設けられていることで、ステイプルトレイ303が使用されている状態で、割り込みで両面印字が行われる場合、エスケープパス302のスイッチバック機構が使用されることになる。これにより、ステイプルトレイ303上の用紙のスタック性を乱すことなく両面印字を行うことができる。
しかも、スイッチバックする転写紙Pにダメージを与えず、且つ転写紙Pの位置精度を確保してスイッチバックすることができる。
また、上記ステイプルトレイ303のスイッチバック機構を用いる場合には、該ステイプルトレイ303を中間トレイとして使用することができるので、片面印字の用紙を所定の枚数ストックすることができる。そして、所定枚数ストックされた片面印字の用紙をスイッチバックさせることで両面印字を完成させることになる。したがって、両面印字の効率を向上させることができる。
さらに、上述のように、ステイプルトレイ303には、転写紙Pの後処理方向とは反対側の端部を揃えるための整合部材として搬送板602が、用紙搬送方向に移動可能に設けられていることで、後処理機能としての整合部材を、両面印字の際に中間トレイとして用いられる場合の整合部材として用いることができ、この結果、スイッチバック機構に必要な部材を削減することができるので、装置全体のコンパクト化および低価格化を図ることができる。
上述した構成の画像形成装置では、エスケープパス302は、図1に示すように、搬送路内に複数の搬送ローラが設けられ、これら搬送ローラを駆動することにより転写紙Pを該搬送路内を搬送させるようになっている。この搬送路は、ステイプルトレイ303とは完全に分離された用紙搬送ガイド板からなり、該用紙搬送ガイド板に供給された転写紙Pはステイプルトレイ303に導かれることなく装置外部に排出されるようになっている。
したがって、エスケープパス302とステイプルトレイ303とでは別々の駆動ローラを必要としていた。
そこで、駆動ローラを共通化する手段として、上記エスケープパス302の代りに、図26に示すようなエスケープパス700が考えられる。
上記エスケープパス700は、それぞれが独立して駆動可能な複数の用紙搬送部材701が用紙搬送方向に並設された構成となっている。この用紙搬送部材701は、用紙搬送ベルト702と該用紙搬送ベルト702を張架する一対のローラ703からなっている。
上記ローラ703のうち用紙搬送方向反対側に配設されるローラ703は、用紙搬送ベルト702を介して駆動ローラ704に当接した状態で、且つ回転軸が装置本体に固定された状態で設けられている。したがって、上記駆動ローラ704の回転に伴ってローラ703が従動し、このローラ703に張架された用紙搬送ベルト702が回転駆動するようになっている。
一方、上記ローラ703のうち用紙搬送方向側に配設されるローラ703は、他方のローラ703の回転軸を支点に回動自在に設けられている。これにより、用紙搬送部材701は、用紙搬送方向反対側のローラ703の回転軸を中心として、図30に示すような状態から、図31および図32に示すように、ステイプルトレイ303側に回動するようになっている。
上記構成のエスケープパス700において、転写紙Pは、用紙搬送部材701の用紙搬送ベルト702と駆動ローラ704との間でチャッキングされて搬送される。
また、上記用紙搬送部材701間には、図26に示すように、各用紙搬送ベルト702に当接して該用紙搬送ベルト702の回転に従動する従動ローラ705が設けられている。これにより、用紙搬送方向上流側の駆動ローラ704のみを駆動させることにより、全ての用紙搬送部材701の用紙搬送ベルト702を回転駆動することができる。
上記用紙搬送部材701は、上述したように、それぞれが一方のローラ703の回転軸を中心に回動自在となっていることから、この用紙搬送部材701を回動させることにより、エスケープパス700を搬送する転写紙Pを、途中でステイプルトレイ303に送り込むことができる。この場合、図30に示すように、ホームポジションにある用紙搬送部材701のうち、一部の用紙搬送部材701は、図31に示すように、用紙搬送ベルト702がステイプルトレイ303に当接するように回動した状態となり、一部の用紙搬送部材701は、図32に示すように、ホームポジションから所定の角度αまで回動された状態となる。
すなわち、エスケープパス700からステイプルトレイ303への転写紙Pの搬送を開始する位置にある用紙搬送部材701は、図32に示すように回動し、この用紙搬送部材701の傾斜を利用してエスケープパス700上を搬送する転写紙Pをステイプルトレイ303に送り込むようになり、ステイプルトレイ303上で転写紙Pを搬送させる位置にある用紙搬送部材701は、図32に示すように回動し、この用紙搬送部材701の用紙搬送ベルト702とステイプルトレイ303との当接部分に転写紙Pを挟持して転写紙Pを搬送するようになっている。なお、上記用紙搬送部材701は、用紙サイズに応じて回動する数が決定される。
すなわち、B5サイズの転写紙Pをエスケープパス700からステイプルトレイ303に送り込む場合には、図27に示すように、用紙搬送方向の最端部から2つ目までの用紙搬送部材701が回動した状態となる。また、A4サイズの転写紙Pをエスケープパス700からステイプルトレイ303に送り込む場合には、図28に示すように、用紙搬送方向の最端部から3つ目までの用紙搬送部材701が回動した状態となる。さらに、A3サイズの転写紙Pをエスケープパス700からステイプルトレイ303に送り込む場合には、図29に示すように、5つ用紙搬送部材701の全てが回動した状態となる。
上記のように用紙サイズに応じてステイプルトレイ303に送り込まれた転写紙Pは、サイズに関わらずステイプルトレイ303の用紙搬送方向下流側に設けられたストッパー706により転写紙Pの先端部が整合される。これにより、用紙サイズの異なる転写紙Pをステイプルトレイ303に送り込んだとしても、必ず先に載置された転写紙Pの上面に次の転写紙Pが搬送されるようになるので、転写紙Pの搬送をスムーズなものにすることができる。
上記の構成のエスケープパス700によれば、該エスケープパス700に設けられた転写紙Pの搬送手段がステイプルトレイ303を搬送させる搬送手段を兼ねるようになっているので、エスケープパス302とステイプルトレイ303とを完全に分離した構造とした場合のように、転写紙Pを搬送させるための駆動ローラを該エスケープパス302とステイプルトレイ303とに別々に設ける場合に比べて搬送ローラの数を大幅に低減することができる。
また、転写紙Pを送り込むために回動している用紙搬送部材701のうち、用紙搬送方向最上流側にある用紙搬送部材701は、図32に示すように、エスケープパス700の搬送面から所定の角度α、ここでは90°よりも小さい角度となる状態で維持されている。これにより、エスケープパス700を搬送してきた転写紙Pをステイプルトレイ303にスムーズに搬送することができる。
なお、上記の用紙搬送部材701は、B5サイズの転写紙PからA3サイズの転写紙Pまでをエスケープパス700からステイプルトレイ303に送り込むようにサイズおよび配設数を決定しているが、これに限定されるものではなく、ステイプル処理が可能なサイズであって上述した用紙サイズ以外の他のサイズの転写紙Pをステイプルトレイ303に送り込むことができるように、用紙搬送部材701のサイズと配設数を決定してもよい。
ここで、ステイプル処理を行う転写紙Pを搬送するためのステイプルトレイ303と、ステイプル処理を行わない転写紙Pを搬送するためのエスケープパス302とを別々に設けた後処理装置300内におけるジャム処理機構について、図33ないし図35を参照しながら以下に説明する。
図33は、後処理装置300のみを示した斜視図であり、図34は、図33で示した後処理装置300のX・X線矢視断面を模式的に示した説明図である。図35(a)〜(c)はジャム処理動作を示す説明図である。
上記後処理装置300は、図35(b)(c)に示すように、エスケープパス302の中央ペーパーガイド302aと、ステイプルトレイ303の搬送ガイド303bとがそれぞれ用紙搬送方向とは直交する方向、すなわち装置の操作面側に開口する構成となっている。
上記中央ペーパーガイド302aと搬送ガイド303bとは、図34に示すように、後処理装置300を構成する背面枠部材651と前面枠部材652と後処理装置300の上面板653とで支持されている。つまり、中央ペーパーガイド302aは、一端部が背面枠部材651と可動部材654を介して接続されると共に、他端部が前面枠部材652の上面部652aに載置された状態で支持されている。また、搬送ガイド303bは、一端部が背面枠部材651と可動部材655を介して接続されると共に、背面からも可動部材656で接続されている。さらに、上記搬送ガイド303bの他端部は、前面枠部材652に固定されている。
上記可動部材654は、一端部が背面枠部材651に固定され、他端部が中央ペーパーガイド302aに固定されており、該中央ペーパーガイド302aは、前面枠部材652による支持を無くせば該可動部材654を支点として下方に回動するようになっている。
同じく、上記可動部材655は、一端部が背面枠部材651に固定され、他端部が搬送ガイド303bに固定されており、該搬送ガイド303bは、前面枠部材652と共に該可動部材655を支点として下方に回動するようになっている。また、可動部材656は、一端部が背面枠部材651に固定されると共に、他端部が搬送ガイド303bの下方に設けられた当接部材657に固定されている。この当接部材657は、搬送ガイド303bの下面に当接し、通常、該搬送ガイド303bを支持するようになっているが、該搬送ガイド303bを開放するときには、該搬送ガイド303bから離脱するようになっている。
また、前面枠部材652の上面部にはフック状のレバー658が設けられており、その先端部が上面板653に係止するようになっている。つまり、このレバー658と上面板653との係止状態が解除されれば、中央ペーパーガイド302aと搬送ガイド303bとは同時に下方に回動するようになり、後処理装置300の操作面側を開放状態にするようになっている。
上記構成の後処理装置300におけるジャム処理について図35(a)〜(c)を参照しながら以下に説明する。なお、ジャムの検知は、後処理装置300内にジャム検知センサーを配置せず、転写紙Pの搬送タイミングに基づいてジャム処理が行われるものとする。
まず、ジャム検知センサー等により後処理装置300においてジャムが発生したことが報知されれば、操作者は、レバー658と上面板653との係止状態を解除する。これにより、図35(a)に示すように、エスケープパス302およびステイプルトレイ303でジャム(転写紙P’)が発生した状態から、図35(b)に示すように後処理装置300は、操作面側で開放される。なお、説明の便宜上、エスケープパス302とステイプルトレイ303の両方にジャムが発生した場合を想定している。
そして、開放状態にある後処理装置300から、まず、中央ペーパーガイド302a上の転写紙P’を取り除き、図35(c)に示すように、中央ペーパーガイド302aを持ち上げ、搬送ガイド303b上の転写紙P’を取り除く。
最後に、搬送ガイド303bを持ち上げて、レバー658を上面板653に係止させてジャム処理を終了する。
なお、上記の説明では、エスケープパス302とステイプルトレイ303との両方にジャム処理が発生した場合について示したが、エスケープパス302あるいはステイプルトレイ303の何れか一方にジャムが発生した場合にも同様の操作によりジャム処理を行うことができる。
上記のように、後処理装置300では、用紙搬送方向に直交する方向にエスケープパス302とステイプルトレイ303とが開放されるように構成されているため、例えばステイプルのために搬送ガイド303b上に整合された転写紙Pが載置されていれも、その上で発生したジャム状態の転写紙Pを取り除くだけで、整合された転写紙Pを乱すことなくジャム処理を行うことができる。よって、ジャム処理後、直ちに継続して印字要求を処理できるようになる。
上記の説明では、後処理装置300にジャム検知センサーを設けずに、転写紙Pの搬送タイミングに基づいてジャムを検知し、ジャム処理を行っていることを示したが、後処理装置300内にジャム検知センサーを取り付けた場合について説明する。
上記ジャム検知には、図36に示すように、エスケープパス302の中央ペーパーガイド302aとステイプルトレイ303の搬送ガイド303aとの間に配置された用紙検知センサー800を備えたジャム検知機構が利用される。
上記用紙検知センサー800は、図37(a)(b)に示すように、光学センサー801と、該光学センサー801の光路を遮る大小二本のアーム802とアーム803とで構成されている。上記アーム802とアーム803とは共通の支持軸804により回動自在に軸支されている。
上記光学センサー801は、一つの発光部801aと受光部801bとを有し、この発光部801aと受光部801bとの間に上記アーム802の端部802aおよびアーム803の端部803aがかかるように配置されている。すなわち、上記のアーム802およびアーム803が回動することにより、光学センサー801の光路が遮られ、受光部801bに入射される光量が制限されるようになっている。
上記アーム802の端部802aとは反対側の端部802bは、図36に示すように、中央ペーパーガイド302aを突出するように形成されている。これにより、中央ペーパーガイド302aを転写紙Pが搬送すれば、該転写紙Pは上記アーム802の端部802bに当接して該アーム802を矢印方向に回転させ、端部802aにより光学センサー801の受光部801bに入射される光量を変化させるようになっている。
一方、上記アーム803の端部803aとは反対側の端部803bは、搬送ガイド303bに近接するように形成されおり、該搬送ガイド303bを転写紙Pが搬送されれば、該転写紙Pが上記端部803bに当接して該アーム803を矢印方向に回転させ、端部803aにより光学センサー801の受光部801bに入射される光量を変化させるようになっている。
ところで、上記アーム802の重心バランスと、上記アーム803の重心バランスとは異なるように設計されている。
つまり、上記アーム802は、支点である支持軸804から光学センサー801の光路側の方向に重心があり、エスケープパス302に転写紙Pがないときには、図38に示すように、端部802bが中央ペーパーガイド302aを突出した状態で、且つ端部802aが光学センサー801の受光部801bに入射される光量に影響を与えない状態となり、上記エスケープパス302に転写紙Pが搬送されているか、あるいは転写紙Pのジャム時には、図39に示すように、端部802bが転写紙Pにより下方に押されてステイプルトレイ303側に回転した状態で、且つ端部802aが光学センサー801の光路を遮る状態となる。
一方、上記アーム803は、支点である支持軸804から搬送ガイド303b方向に重心があり、ステイプルトレイ303に転写紙Pがないときには、図40に示すように、端部803bが搬送ガイド303bから所定距離離れた状態で、且つ端部803aが光学センサー801の受光部801bに入射される光量に影響を与えない状態となり、上記ステイプルトレイ303に転写紙Pが搬送されているか、あるいは転写紙Pのジャム時には、図41に示すように、端部803bが転写紙Pにより上方に押されてエスケープパス302側に回転した状態で、且つ端部803aが光学センサー801の光路を遮る状態となる。
以上のように、上記アーム802の端部802aが所定時間以上光学センサー801の光路を遮った場合、エスケープパス302内でジャムが発生していることを操作パネル等に報知し、光学センサー801の光路を遮っている時間が所定時間以内であれば、エスケープパス302を転写紙Pが搬送中である旨が操作パネル等に報知される。上記アーム803の場合もアーム802の場合と同様である。
また、上記の構成の用紙検知センサー800は、上述のように、エスケープパス302とステイプルトレイ303の両方における用紙検知センサーを兼ねると共に、ジャム検知センサーも兼ねている。これにより、後処理装置300におけるジャム処理を適切に行うことができると共に、ジャム処理用のセンサーを配設するためのスペースを別に設ける必要がなくなる。この結果、転写紙Pの搬送経路をさらに簡素化することができる。
本発明の画像形成装置は、以下のような種々の構成でも実施可能である。
すなわち、本発明の画像形成装置は、スキャナの下方に第1排紙部を有する本体に、用紙後処理装置の追加装着が可能な画像形成装置において、第1排紙部に至る用紙搬送パスが本体内で二つに分岐され、第1排紙部に向かわない方の分岐に、本体の上方かつスキャナの下方に設けられた用紙後処理装置の用紙搬送パスが接続され、用紙後処理装置の用紙搬送パスがさらに2つに分岐され、その何れか一方で用紙の後処理が行われ、後処理が行われない用紙搬送パスは本体横側に設けられた第2排紙部に至り、後処理が行われる用紙搬送パスは本体横側に設けられた第3排紙部に至る構成である。
上記の構成によれば、本体内の用紙搬送パスが2つに分岐され、第1排紙部に向かわない方の分岐に用紙後処理装置の用紙搬送パスが接続されるので、第1排紙部は用紙後処理装置に塞がれることなく使用可能となる。さらに、用紙後処理装置の用紙搬送パスが二つに分岐され、それに対応する第2排紙部、第3排紙部を設けるので、排紙部は合計三つになる。
したがって、画像形成装置が有する複数の機能毎に用紙を別々の排紙部にソートして出力したい場合に、コピー機能、プリント機能、FAX機能のように代表的な3種類の機能に対応した数の排紙部を、第1排紙部を犠牲にすることなく確保することができ、空間パフォーマンスや利便性が向上する。
また、用紙後処理装置内で分岐された2つの用紙搬送パスのうち第3排紙部に至る方は用紙の後処理用であるので、後処理の有無に応じて用紙搬送パスを使い分ければよく、従来のように一つの用紙搬送パスで複雑な動作制御を行う必要がない。さらに、条件が後処理用に最適化された搬送ローラと、後処理を行わない場合に最適化された搬送ローラとを別々の用紙搬送パスに配置することができるので、用紙搬送に支障をきたすこともない。
本発明の他の画像形成装置は、第2排紙部に至る用紙搬送パスが第3排紙部にも通じるよう分岐され、第1、第2、第3排紙部のいずれに用紙を排出するかがユーザによって選択可能である構成である。
上記の構成によれば、ユーザの都合に合わせて使用する排紙部を選択することができる。また、第3排紙部に後処理を行わない用紙を排出する場合には、用紙後処理装置内の後処理を行わない用紙搬送パスを用いて第3排紙部に排出することが可能であるので、後処理を行わない場合でも第3排紙部を選択することができる。
本発明のさらに他の画像形成装置は、機能別に排紙部を選択することが可能であり、第3排紙部が選択されかつ後処理を行わない機能に対しては、用紙後処理装置内の後処理を行わない用紙搬送パスから第3排紙部に用紙が排出される構成である。
上記の構成によれば、コピー機能、プリント機能、FAX機能などの機能別に出力される用紙をソートすることができる。また、第3排紙部が割り当てられた機能に対しては、後処理の有無を考慮する必要がない。
本発明のさらに他の画像形成装置は、機能の選択は表示パネルを用いて設定され、設定は変更されるまでメモリに記憶される構成である。
上記の構成によれば、選択操作が容易になり、画像形成装置を使用するたびに設定を行う必要もない。
本発明のさらに他の画像形成装置は、用紙の後処理を行う場合には、ユーザの選択設定に関わらず第3排紙部に用紙が排出される構成である。
上記構成によれば、ユーザが誤った排紙部の選択設定を行ったとしても正しく用紙の後処理が実行される。
本発明のさらに他の画像形成装置は、用紙の後処理を行う場合に後処理が禁止されている種類の用紙が搬送されたときは、後処理を行わない用紙搬送パスを用いて用紙が排出される構成である。
上記の構成によれば、後処理が禁止されている用紙に後処理が行われると用紙搬送に支障をきたす虞があるので、これを防止することができる。
本発明のさらに他の画像形成装置は、用紙搬送パスの各分岐点には、用紙搬送パスの分岐先を選択するゲートが設けられている構成である。
上記の構成によれば、用紙を目的の排紙部に排出するまでの経路を容易に形成することができる。
本発明のさらに他の画像形成装置は、原稿読み取り用手段(スキャナ)、画像情報を印字する印字手段、用紙を収容し給送する給紙手段、カセット手段、印字された用紙を排出する排紙手段を有する画像形成装置における、前記排出手段が前記原稿読み取り用手段の下部で、前記給紙手段、カセット手段の上部で、さらに前記印字手段の側面に配置されるコの字型画像形成装置において、前記排紙部に用紙を略水平搬送する用紙後処理用搬送路が配置され、前記後処理用搬送路には、用紙整合部材を有し、搬送された用紙を整合した後、整合された用紙束を後処理(ステイプル)手段によって後処理する構成である。
上記の構成によれば、コの字型画像形成装置の空間部(排紙部の上)を有効に用いて、用紙後処理装置を配置することによって、装置のコンパクト化が可能となり、占有スペースが小さくできる。
また、用紙整合位置と後処理(ステイプル)位置を同一にしたため、整合した用紙束が変形せずに後処理可能となり、用紙束の整った印字物をユーザに提供可能となる。
本発明のさらに他の画像形成装置は、原稿読み取り手段(スキャナ)、画像情報を印字する印字手段、用紙を収容し給送する給紙手段、カセット手段、印字された用紙を排出する排紙手段、前記排紙手段と印字用紙を収容する収容手段との間に印字用紙後処理手段を有する画像形成装置において、前記後処理手段は、画像形成装置に対して形成される空間、すなわち前記排紙手段において、印字用紙の後処理が行われる構成である。
上記の構成によれば、画像形成装置の側面部に配置する必要がなく、装置空間の有効利用が図れ、コンパクト設計が可能になる。
本発明のさらに他の画像形成装置は、原稿読み取り手段(スキャナ)、画像情報を印字する印字手段、用紙を収容し給送する給紙手段、カセット手段、印字された用紙を排出する排紙手段、前記排紙手段と宇用紙を収容する収容手段との間に印字用紙後処理手段を有する画像形成装置において、前記後処理手段は、画像形成装置に対して、略水平に配置されると共に、2つの搬送路を有する構成である。
上記の構成によれば、画像形成装置の側面に取り付けられる装置の大きさがコンパクトに構成出来て、装置全体の占有スペースを小さくできる。
本発明のさらに他の画像形成装置は、前記2つの搬送路のうち、第1の搬送路は、第1用紙スタックトレイと第2用紙スタックトレイに印字用紙を搬送する構成である。
上記の構成によれば、特殊紙、小サイズ紙の出力、大量の出力、オフセット機能などの、用紙スタック部の機能をフル活用できる。
本発明のさらに他の画像形成装置は、前記2つの搬送路のうち、第2の搬送路は、第2用紙スタックトレイに印字用紙をステイプルした後に搬送する構成である。
上記の構成によれば、ステイプル専用の搬送路として構成することで、整合部材及びその動力源の駆動系とを構成しやすい。
本発明のさらに他の画像形成装置は、前記ステイプルユニットは、ストッパー、固定壁と同一部材に取り付けられ、前記ステイプルユニットは本体幅よりも外側に配置されている構成である。
上記の構成によれば、用紙に対するステイプルの位置精度を出し、ステイプル処理後の用紙束の外観品質の向上を図ることができる。
本発明のさらに他の画像形成装置は、前記第2の搬送路で搬送される印字用紙は、印字用種類によって、搬送路中に配置される複数の凹部の何れかに印字用紙の後端部が収納されることで、用紙の先端部の整合、ならびに複数枚の印字用紙の頁揃えが容易に可能となる構成である。
上記の構成によれば、専用の押さえ部材や制御を必要とせず、スタック済の用紙の上に必ず次の用紙が来る。
本発明のさらに他の画像形成装置は、上記略水平後処理装置内の整合のための幅寄せ機構を有する構成である。
上記の構成によれば、ステイプル束の品質を向上するための整合及び、ステイプル位置まで用紙を幅寄せすることで、ステイプルユニットを所定位置に固定できる。
本発明のさらに他の画像形成装置は、前記ステイプルユニットによってステイプルされた印字用紙の束は、後処理装置のステイプルトレイ部に配置される用紙搬送部材と、前記第2用スタックトレイとステイプルトレイ部の間に配置される第4排紙ローラとによって第2用紙スタックトレイに搬送、排出される構成である。
上記の構成によれば、束ねられた用紙に、ダメージを与えることなく用紙を排出させることができる。
本発明のさらに他の画像形成装置は、前記後処理装置はその内部に、第1の搬送路と第2の搬送路とに用紙を分岐するためのゲート手段を有する構成である。
上記の構成によれば、ステイプル機能の選択の有無に応じて仕分けが可能となる。
本発明のさらに他の画像形成装置は、前記ゲート手段は、本体給紙部からの用紙サイズ情報や、本体内を通過する用紙長さ及び幅検出手段により得られる結果をもとに切り換えられる構成である。
上記の構成によれば、それぞれに許容された用紙に応じて仕分けが可能となる。
本発明のさらに他の画像形成装置は、ステイプルパスへの駆動ローラの回動、回転は装置の排紙部から用紙先端が排出されたことを検知後、用紙先端が前記回動ローラまで搬送された後に行われる構成である。
上記の構成によれば、用紙先端が駆動ローラ部に搬送される時には駆動ローラと当接部材の隙間は十分に広く、用紙がカールしていても先端がローラに突き当たることなくスムーズに搬送動作が行える。
本発明のさらに他の画像形成装置は、ステイプルパスへの駆動ローラの回転角度または回転時間は用紙先端がステイプル用用紙先端ストップ機構に到達するまでの間とする構成である。
上記の構成によれば、用紙先端がステイプル用用紙先端ストップ機構に到達後、駆動ローラの回転を停止または駆動ローラをエスケープパスへ回動させることで用紙の送り過ぎによるジャム、用紙の破損を防ぐことが可能となる。
本発明のさらに他の画像形成装置は、ステイプル用の駆動ローラは用紙先端がステイプル用用紙先端ストップ機構に到達し、用紙に負荷が加わると用紙とローラ間でスリップするよう搬送力が設定された構成である。
上記の構成によれば、ステイプル用の駆動ローラは用紙先端がステイプル用用紙先端ストップ機構に到達し、用紙に負荷が加わると用紙とローラとの間でスリップするように搬送力が設定されている為、用紙の送り過ぎによるジャム、及び用紙の破損を発生させることなく確実に用紙先端を揃えることができる。
本発明のさらに他の画像形成装置は、回動されるローラは回動支点に取り付けられたギアから回動アームと連動して回動するギアに連結されることにより回転力が伝達される構成である。
上記の構成によれば、回動されるローラは、回動支点に取り付けられたギアから回動アームと連動して回動するギアに連結されることにより回転力が伝達されるのでアーム回動によりギアピッチの変化がなくスムーズに駆動力が伝達される。
本発明のさらに他の画像形成装置は、回動されるローラは回動支点に取り付けられたギアまたはプーリよりベルトによって連結されることにより回転力を伝達される構成である。
上記の構成によれば、回動されるローラは、回動支点に取り付けられたギアまたはプーリよりベルトによって連結されることにより回転力が伝達されるのでアーム回動によりギアまたはプーリのピッチの変化がなくスムーズに駆動力が伝達され、ギア連結の場合、回動アームが長い場合ギア数量が多くなったり、ギアが大きくなったりするが、ベルト連結の場合、ベルト長さの変更のみで対応可能であり部品点数の削減及びコンパクト化が可能である。
本発明のさらに他の画像形成装置は、前記回動されるローラの搬送力はエスケープパスの方がステイプルパスよりも大きい構成である。
上記の構成によれば、ステイプルパス搬送時は搬送用紙がステイプルの為にストックされた用紙またはガイド板のうえを滑りながら移動するがステイプル時の駆動ローラの搬送力(ローラと用紙の圧接力)を小さくすることで用紙に疵が付いたり、破損したりするのを防止できる。
本発明のさらに他の画像形成装置は、印字用紙後処理手段において、エスケープ搬送路における用紙のジャムは用紙が前記画像形成装置の印字手段で用紙の搬送検出から、前記装置の側面に配置される排紙部に用紙が到達するタイミングになっても用紙の到達がない時に用紙がエスケープ搬送路でジャムしたと判断する構成である。
上記の構成によれば、印字要求の時に、後処理を要求しないで、エスケープ搬送路を用いた排出を行う時に、搬送路中に用紙の通過、滞留を検出するための検知機構が不要となる。
本発明のさらに他の画像形成装置は、前記印字用紙後処理手段において、後処理搬送路における用紙のジャムは印字要求によって、印字用紙の後処理を選択された後に、後処理要求のうちの1ジョブが終了しても、前記装置の側面に配置される排紙部に用紙が到達するタイミングになっても用紙の到達がないときに用紙が後処理搬送路でジャムしたと判断する構成である。
上記の構成によれば、印字要求の時に、後処理を要求された時に、1ジョブが終了し次のジョブのスタートになっても排出されないとジャムと判定することによって後処理搬送路に用紙が堆積することがなくなる。
本発明の第1の画像形成装置は、原稿の画像情報を読み取る原稿読取部と、上記原稿読取部により読み取られた原稿の画像情報に基づいて用紙上に画像を形成する画像形成部と、上記画像形成部を含む装置本体に付設され、画像形成された用紙の整合およびステイプル処理等の後処理を行う用紙後処理部とを備えた画像形成装置において、上記原稿読取部の下方には、上記画像形成部により画像形成された用紙を排出するための排出部として、上記装置本体の外周壁で囲まれた空間部が形成されると共に、上記原稿読取部と空間部との間に、用紙を上記画像形成部から上記用紙後処理部に搬送する中継搬送路が形成されていることを特徴としている。
また、本発明の第2の画像形成装置は、原稿の画像情報を読み取る原稿読取部と、上記原稿読取部により読み取られた原稿の画像情報に基づいて用紙上に画像を形成する画像形成部と、上記画像形成部を含む装置本体に付設され、画像形成された用紙の整合およびステイプル処理等の後処理を行う用紙後処理部とを備えた画像形成装置において、上記原稿読取部の下方には、上記画像形成部により画像形成された用紙を排出するための排出部として、上記装置本体の外周壁で囲まれた空間部が形成されると共に、上記原稿読取部の背面に、用紙を上記画像形成部から上記用紙後処理部に搬送する中継搬送路が形成されていることを特徴としている。
さらに、本発明の第3の画像形成装置は、原稿の画像情報を読み取る原稿読取部と、上記原稿読取部により読み取られた原稿の画像情報に基づいて用紙上に画像を形成する画像形成部と、上記画像形成部を含む装置本体に付設され、画像形成された用紙の整合およびステイプル処理等の後処理を行う用紙後処理部とを備えた画像形成装置において、上記原稿読取部の下方には、上記画像形成部により画像形成された用紙を排出するための排出部として、上記装置本体の外周壁で囲まれた空間部が形成されると共に、上記原稿読取部の原稿を載置する原稿台と反対面に、用紙を上記画像形成部から上記用紙後処理部に搬送する中継搬送路が形成されていることを特徴としている。
上記の第1ないし第3の画像形成装置の何れの構成においても、画像形成部から用紙後処理装置に用紙を搬送する中継搬送路が、原稿読取部と装置本体の外周壁で囲まれた空間部との間に形成されていることから、該装置本体から用紙後処理装置に搬送されない用紙が排出される排出部の上方に中継搬送路が形成されていることになる。
これにより、文献1および文献2に開示された画像形成装置の構成、すなわち中継搬送路上面に装置本体から用紙後処理装置に搬送されない用紙を排出する構成のように、中継搬送路内でジャムが発生した場合、該中継搬送路の上面上に用紙が排出されることはないので、装置本体から用紙後処理装置に搬送されない用紙を排出する排出部上に用紙が残っていても用紙を取り除かなくてもジャム処理を行なうことができる。
したがって、装置本体において形成された用紙を用紙後処理装置に搬送する中継搬送路において、紙詰まり等の不具合が発生した場合に迅速に且つ容易にジャム処理が行え、これにより、装置のメンテナンス性を向上させることができる。
また、上記中継搬送路は、以下に示すように種々の用途に使用することができる。
例えば、本発明の第4の画像形成装置は、上記の課題を解決するために、上記画像形成部で片面に画像形成された用紙を収容し、該用紙の画像形成されていない面に画像形成するために、該用紙を再び画像形成部に搬送するスイッチバック機構が設けられていることを特徴している。
これにより、両面印字の場合に必要なスイッチバック機能を有する部材を装置本体側に別途設ける必要がなくなるので、装置の小型化を図る個とができる。
また、本発明の第5の画像形成装置は、上記の課題を解決するだめに、上記中継搬送路は、用紙搬送方向に垂直方向で、且つ装置の操作者が操作する面と反対側端部を支点として、下方に開放可能に設けられていることを特徴としている。
これにより、中継搬送路に用紙が詰まる不具合、すなわちジャムが発生した場合に、操作者の操作面側に該中継搬送路を開放することにより、ジャム処理を簡単に行なうことができる。
さらに、本発明の第6の画像形成装置は、上記の課題を解決するために、上記中継搬送路に、該中継搬送路内で用紙が紙詰まりしたことを検知するジャム検知手段を設けられていることを特徴としている。
また、本発明の第7の画像形成装置は、上記の課題を解決するために、上記中継搬送路は、上記装置本体から着脱可能にユニット化されていることを特徴としている。
これにより、用紙後処理部を使用しない場合に、中継搬送路を取りはずことができると共に、中継搬送路を取り外してメンテナンスを行なうことができるので、装置全体のメンテナンス性の向上を図ることができる。
ところで、画像形成装置において、ステイプル処理等の後処理を行うための用紙後処理装置を装着した場合、図43および図44に示すようになる。
図43に示す画像形成装置では、用紙搬送路22の延長線上に後処理装置50が設けられている。この後処理装置50には、用紙搬送路22から搬送された用紙を、スタックするための用紙スタックトレイ51が装置の設置面に対して垂直に近い傾斜で設けられている。したがって、この後処理装置50では、搬送された用紙がその自重により用紙スタックトレイ51上に落下して整合され、この状態でステイプル処理が施される。
一方、図44に示す画像形成装置では、用紙搬送路22の延長線上に後処理装置60が設けられている。この後処理装置60には、用紙搬送路22から搬送された用紙を、スタックするための用紙スタックトレイ61が装置の設置面にほぼ平行に近い傾斜で設けられている。したがって、この後処理装置60では、搬送された用紙が略水平状態で整合され、この状態でステイプル処理が施される。
ところが、図43に示す画像形成装置では、後処理装置50の用紙スタックトレイ51が装置の設置面に対してほぼ垂直に傾斜していることから、該後処理装置50の設置面積をある程度小さくできるが、用紙を縦方向で整合するため後処理装置50が高さ方向に大きくなるという問題が生じる。
また、図44に示す画像形成装置では、後処理装置60の用紙スタックトレイ61が装置の設置面に対してほぼ平行となっていることから、用紙を水平方向で整合するため該後処理装置60の高さ方向を図43に示す後処理装置50に比べて低くすることができるが、上記後処理装置60の設置面積が大きくなるので、装置全体の設置面積が大きくなるという問題が生じる。
さらに、図43および図44に示す何れの画像形成装置においても、後処理装置50・60に用紙を搬送する搬送路は、排出手段40に排出させる用紙搬送路22を利用しているので、上述のように後処理装置50・60を装着した場合には、上記排出手段40を利用することができないという問題が生じる。
以下の本発明の第8の画像形成装置以降において、上記の課題が解決される。
すなわち、本発明の第8の画像形成装置は、上記の課題を解決するために、原稿の画像情報を読み取る原稿読取部と、上記原稿読取部により読み取られた原稿の画像情報に基づいて用紙上に画像を形成する画像形成部とを備え、上記原稿読取部の下方には、上記画像形成部が配置されると共に、該画像形成部により画像形成された用紙を排出するための排出部となる空間部が形成された画像形成装置において、上記原稿読取部と空間部との間に、画像形成された用紙の整合およびステイプル処理等の後処理を略水平状態で行う用紙後処理部が設けられていることを特徴としている。
上記の構成によれば、原稿読取部と空間部との間に、用紙後処理部が設けられていることで、用紙後処理の為の空間が画像形成装置の設置面上に形成されることになる。これにより、用紙後処理部を備えた画像形成装置の設置面積を小さくすることができるので、画像形成装置の設置のための自由度が大きくなる。
また、上記用紙後処理部は、画像形成された用紙の整合およびステイプル処理等の後処理を略水平状態で行うようになっているので、用紙の整合とステイプル処理等の後処理を同じ位置で行うことができる。これにより、整合した用紙束をステイプル位置まで搬送する場合に生じる用紙束の変形や整合乱れをなくし、用紙束が整った状態でステイプル処理等の後処理を確実に行うことができる。
本発明の第9の画像形成装置は、上記の課題を解決するために、上記空間部とは別に、上記用紙後処理部により後処理された用紙を排出するための用紙排紙部が設けられていることを特徴としている。
上記の構成によれば、後処理された用紙と後処理されない用紙とを別々の用紙排紙部に排出することができるので、後処理された用紙と後処理されない用紙とを完全に分離することができる。これにより、同一排紙部に後処理された用紙と後処理されない用紙とが排出された場合のような仕分け作業が必要なくなるので、画像形成装置において作業する場合の作業効率を向上させることができる。
本発明の第10の画像形成装置は、上記の課題を解決するために、上記用紙後処理部は、画像形成部により画像形成された用紙を載置するための用紙トレイと、該用紙トレイ上に載置された用紙を整合してステイプルを行うためのステイプルユニットとを有し、上記ステイプルユニットは、上記用紙トレイ上で載置された用紙を整合する際に、用紙の搬送方向端部に当接して用紙揃えを行うためのストッパーと、該用紙の搬送方向に直交する方向に当接して用紙揃えを行うための固定壁と同一の部材に取り付けられていることを特徴としている。
上記の構成によれば、ステイプルユニットは、上記用紙トレイ上で載置された用紙を整合する際に、用紙の搬送方向端部に当接して用紙揃えを行うためのストッパーと、該用紙の搬送方向に直交する方向に当接して用紙揃えを行うための固定壁と同一の部材に取り付けられていることで、上記ストッパーと固定壁と一体的に移動することができる。
これにより、用紙に対するステイプル処理の位置合わせおよびステイプル処理を迅速に、且つ確実に行うことができ、この結果、ステイプル処理後の用紙束の外観品質の向上を図ることができる。
本発明の第11の画像形成装置は、上記の課題を解決するために、上記用紙後処理部は、画像形成部により画像形成された用紙を載置するための用紙トレイと、該用紙トレイ上に載置された用紙を整合してステイプルを行うためのステイプルユニットとを有し、上記用紙トレイには、用紙搬送方向に直交する方向に用紙を固定壁に当接させると共に、整合された用紙束を上記ステイプルユニットによるステイプル位置まで幅寄せするための幅寄せ機構が設けられていることを特徴としている。
上記の構成によれば、用紙トレイには、用紙搬送方向に直交する方向に用紙を固定壁に当接させると共に、整合された用紙束をステイプル位置まで幅寄せするための幅寄せ機構が設けられていることで、該用紙トレイ上で用紙の整合およびステイプル位置までの整合された用紙束の幅寄せを確実に行うことができる。
これにより、用紙束をステイプル位置まで幅寄せするようになっているので、ステイプルユニットを整合された用紙束に向かって移動させる必要がなくなる。
したがって、ステイプルユニットを所定の位置に固定した状態でステイプルを行うことができ、この結果、用紙束に対するステイプル処理を迅速、且つ確実に行うことができるので、ステイプル処理済の用紙束の外観の品質を向上させることができる。
本発明の第12の画像形成装置は、上記の課題を解決するために、上記用紙トレイには、用紙の用紙搬送方向後端部が入り込む凹部が、用紙サイズに応じて複数個形成されていることを特徴としている。
上記の構成によれば、用紙トレイに搬送された用紙搬送方向後端部が用紙サイズに応じて形成された凹部に入り込むようになり、用紙サイズに応じた用紙のスタックが行われるので、用紙トレイに搬送された用紙を用紙サイズ毎に専用の押さえ部材や制御手段を必要なくなる。これにより、用紙トレイ上の構成を簡素なものとすることができる。
本発明の第13の画像形成装置は、上記の課題を解決するために、上記画像形成部から上記用紙後処理部に用紙を搬送するための第1用紙搬送部が設けられ、上記用紙後処理部には、後処理を行わない用紙を搬送する第2用紙搬送路と、後処理を行う用紙を搬送する第3用紙搬送路と、上記第1用紙搬送路を通過した用紙の搬送方向を上記第2用紙搬送路または上記第3用紙搬送路の何れかに切り替えるゲート手段とが設けられていることを特徴としている。
上記の構成によれば、用紙後処理部には、後処理を行わない用紙を搬送する第2用紙搬送路と、後処理を行う用紙を搬送する第3用紙搬送路とが設けられていることにより、後処理を行わない用紙と後処理を行う用紙とを別々に搬送させることができるので、用紙の後処理の有無に応じての仕分けが可能となる。例えば、各搬送路に通じる排出部を別々に設けることにより用紙の後処理の有無に応じての仕分けを確実に行うことができる。
本発明の第14の画像形成装置は、上記の課題を解決するために、上記ゲート手段は、用紙サイズ情報や、画像形成装置本体内を通過する用紙長さ及び用紙幅に応じて切り替えられることを特徴としている。
上記の構成によれば、ゲート手段は、用紙サイズ情報や、画像形成装置本体内を通過する用紙長さ及び用紙幅に応じて切り替えられることで、用紙のサイズに応じて第2用紙搬送路と第3用紙搬送路とに切り替えて用紙を搬送することができる。例えば、用紙サイズがステイプル許容サイズよりも小さい用紙がステイプル処理を行うように選択された場合、すなわちステイプル禁止の用紙を使用するにも関わらず、操作者がステイプル処理を選択した場合であっても、装置本体が自動的に用紙サイズに応じた搬送路に切り替えて該用紙を搬送するようになるので、ステイプル禁止の用紙を誤って第3用紙搬送路に送り込むことがなくなる。
このように、用紙サイズに応じた搬送路に用紙を確実に送り込むことができるので、搬送禁止の用紙、例えばステイプル禁止の用紙が第3搬送路に搬送されることにより生じるジャムを無くすことができる。したがって、装置の信頼性を大幅に向上させることができる。
本発明の第15の画像形成装置は、上記の課題を解決するために、原稿の画像情報を読み取る原稿読取部と、上記原稿読取部により読み取られた原稿の画像情報に基づいて用紙上に画像を形成する画像形成部と、上記原稿読取部の下方に設けられ、上記画像形成部により画像形成された用紙を排出する第1排紙部と、上記画像形成部から上記第1排紙部に用紙を搬送するための第1用紙搬送路と、上記画像形成部により画像形成された用紙に対してステイプル等の後処理を行う用紙後処理部と、上記原稿読取部と上記第1排紙部との間に形成され、上記第1用紙搬送路から二つに分岐され、上記第1排紙部とは別に装置本体の側面側に形成された第2排紙部と第3排紙部に用紙をそれぞれ導くための第2用紙搬送路と第3用紙搬送路とが設けられ、上記第2排紙部には、後処理されない用紙が上記第2用紙搬送路を通って排出される一方、上記第3排紙部には、上記用紙後処理部で後処理された用紙が上記第3用紙搬送路を通って排出されることを特徴としている。
上記の構成によれば、画像形成部により画像形成された用紙の排出先が、第1排出部〜第3排出部の3箇所になり、各排出部を機能別に分類して使用することができる。例えば、画像形成装置が複写機機能、FAX機能、プリント機能等の複数の機能を実行できる複合機である場合、第1排出部を複写機能により画像形成された用紙を排出する排出部として使用し、第2排出部をFAX機能により画像形成された用紙を排出する排出部として使用し、第3排出部をプリント機能により画像形成された用紙を排出する排出部として使用することで、複数の機能により画像形成された用紙を同一の排出部に排出する場合のような機能別の用紙仕分け作業をする必要がなくなる。
また、用紙後処理部内では、後処理されない用紙と後処理される用紙とが別々の搬送路(第2搬送路と第3搬送路)を搬送するようになるので、各用紙に応じた最適な搬送ローラをそれぞれの搬送路に配置することができる。この結果、同一の搬送路により、後処理されない用紙と後処理される用紙とを搬送する場合のような複雑な機構における動作制御を行う必要がなくなる。
本発明の第16の画像形成装置は、上記の課題を解決するために、上記第1ないし第3排紙部は、機能別に選択可能であることを特徴としている。
上記の構成によれば、上記第1ないし第3排紙部は、機能別、例えば複写機能、FAX機能、プリント機能等の各種機能により画像形成された用紙を排出させるために、使用者により各排出部を機能別に任意に設定することができる。これにより、使用者毎に、使用者が所望する機能を各排出部に割り当てることができ、装置の利便性を向上させることができる。
本発明の第17の画像形成装置は、上記の課題を解決するために、上記第2用紙搬送路には、搬送される用紙を該第3用紙搬送路に分岐するゲート手段が設けられ、上記第3排紙部が選択され且つ用紙の後処理が選択されていない場合には、上記第2用紙搬送路から第3排紙部に用紙が排出されるように上記ゲート手段を制御することを特徴としている。
上記の構成によれば、第2用紙搬送路には、搬送される用紙を該第3用紙搬送路に分岐するゲート手段が設けられていることで、第2用紙搬送路に通じる第2排出部に収容される用紙が許容量を超える場合に第3用紙搬送路に通じる第3排出部に収容させることができる。これにより、ステイプル処理等の後処理を行わない大量の用紙を搬送して確実に排出することができるので、装置の利便性の向上を図ることができる。
本発明の第18の画像形成装置は、上記の課題を解決するために、用紙の後処理が設定された場合、選択された排紙部に関わらず第3排紙部に用紙が搬送されることを特徴としている。
上記の構成によれば、用紙の後処理が設定された場合、選択された排紙部に関わらず第3排紙部に用紙が搬送されることで、使用者が誤って第3排出部以外の排出部を設定しても、正しく用紙の後処理が実行され、且つ正しい排出部に用紙を排出することができる。
本発明の第19の画像形成装置は、上記の課題を解決するために、用紙の後処理が設定された場合、後処理禁止と設定されている種類の用紙が搬送されたとき、上記第1用紙搬送路または上記第2用紙搬送路を用いて上記用紙を排出することを特徴としている。
上記の構成によれば、用紙の後処理が設定された場合、後処理禁止と設定されている種類の用紙が搬送されたとき、上記第1用紙搬送路または上記第2用紙搬送路を用いて上記用紙を排出することで、使用者が誤って後処理禁止と設定された用紙を搬送しても、その用紙は後処理用の搬送路である第3用紙搬送路ではなく後処理を行わない用紙が搬送される第2用紙搬送路に搬送されることになる。
これにより、後処理禁止の用紙が後処理用の搬送路である第3用紙搬送路に搬送されることにより生じる不具合、例えばジャム等の不具合を生じさせなくなり、装置の信頼性の向上を図ることができる。
本発明の第20の画像形成装置は、上記の課題を解決するために、上記第2用紙搬送路および上記第3用紙搬送路は、用紙搬送の為の駆動源が兼用されていることを特徴としている。
上記の構成によれば、第2用紙搬送路および第3用紙搬送路は、用紙搬送の為の駆動源が兼用されていることで、用紙後処理部における用紙搬送路を構成する部品の削減および装置のコンパクト化が可能となる。
本発明の第21の画像形成装置は、上記の課題を解決するために、上記駆動源は、第2用紙搬送路および上記第3用紙搬送路に共通に設けられた用紙搬送のための駆動ローラからなることを特徴としている。
上記の構成によれば、駆動源は、第2用紙搬送路および第3用紙搬送路に共通に設けられた用紙搬送のための駆動ローラからなることで、用紙後処理部における用紙搬送路を構成する部品の削減および装置のコンパクト化が可能となる。
本発明の第22の画像形成装置は、上記の課題を解決するために、上記第2用紙搬送路は、上記第3用紙搬送路よりも上部側に配置され、上記駆動ローラは、上下動可能に設けられ、第2用紙搬送路に用紙が搬送されるときには、該第2用紙搬送路を搬送する用紙に当接するように上方に移動し、第3用紙搬送路に用紙が搬送されるときには、該第3用紙搬送路を搬送する用紙に当接するように下方に移動することを特徴としている。
上記の構成によれば、第2用紙搬送路が第3用紙搬送路よりも上部側に配置され、駆動ローラが上下動可能に設けられ、第2用紙搬送路に用紙が搬送されるときには、該第2用紙搬送路を搬送する用紙に当接するように上方に移動し、第3用紙搬送路に用紙が搬送されるときには、該第3用紙搬送路を搬送する用紙に当接するように下方に移動することで、第2用紙搬送路を用紙が搬送される場合には、駆動ローラが第3用紙搬送路から離れるようになる。
これにより、ステイプル処理用の用紙を搬送している時に、ステイプル処理を行わない用紙を搬送する旨の割り込み要求があった場合、第3用紙搬送路にスタックされたステイプル用の用紙束には、駆動ローラが当接しないようになるので、用紙の逆送り等の用紙束の整合不良をなくすことができると共に、割り込み要求が完了した場合に迅速に処理が再開できる。
本発明の第23の画像形成装置は、上記の課題を解決するために、上記駆動ローラは、後処理されない用紙を搬送するための上記第2用紙搬送路で用紙を搬送する搬送力が、後処理される用紙を搬送するための上記第3用紙搬送路で用紙を搬送する搬送力よりも強くなるように回動制御されていることを特徴としている。
上記の構成によれば、駆動ローラは、後処理されない用紙を搬送するための上記第2用紙搬送路で用紙を搬送する搬送力が、後処理される用紙を搬送するための上記第3用紙搬送路で用紙を搬送する搬送力よりも強くなるように回動制御されていることで、第3用紙搬送路に搬送される用紙が、既に該第3用紙搬送路上に載置された用紙束に滑らかに当接しながら搬送させることができる。これにより、第3用紙搬送路への用紙の排出時に、該用紙あるいは用紙束に疵を付けたり、用紙の破損を防止することができる。
本発明の第24の画像形成装置は、上記の課題を解決するために、原稿の画像情報を読み取る原稿読取部と、上記原稿読取部により読み取られた原稿の画像情報に基づいて用紙上に画像を形成する画像形成部と、上記原稿読取部の下方に設けられ、上記画像形成部により画像形成された用紙を排出する第1排紙部と、上記画像形成部から上記第1排紙部に用紙を搬送するための第1用紙搬送路と、上記画像形成部により画像形成された用紙に対してステイプル等の後処理を行う用紙後処理部と、上記原稿読取部と上記第1排紙部との間に形成され、上記第1用紙搬送路から二つに分岐され、上記第1排紙部とは別に装置本体の側面側に形成された第2排紙部と第3排紙部に用紙をそれぞれ導くための第2用紙搬送路と第3用紙搬送路とが設けられ、上記第1用紙搬送路からの用紙を、第2用紙搬送路または第3用紙搬送路の何れかに分岐する分岐手段は、正逆回転駆動が可能であり、その回転方向に応じて上記画像形成部からの用紙を、上記第2あるいは第3用紙搬送路の何れかに選択的に搬送させる3連接ローラであることを特徴としている。
上記の構成によれば、用紙は、3連接ローラにおいて形成される2つのニップ部の何れかに導かれることになる。このとき、中央のローラの回転方向に応じて用紙を搬送できるニップを切り替えることができるので、用紙を確実に所望する用紙搬送路に送り出すことができる。
本発明の第25の画像形成装置は、上記の課題を解決するために、上記3連接ローラの回転方向によって、第2用紙搬送路あるいは第3用紙搬送路の何れか一方を遮断すると共に他方を開放して用紙を搬送する搬送部材が設けられていることを特徴としている。
上記の構成によれば、3連接ローラの回転方向によって、第2用紙搬送路あるいは第3用紙搬送路の何れか一方を遮断すると共に他方を開放して用紙を搬送する搬送部材が設けられていることにより、用紙を確実に所望する用紙搬送路に送り出すことが可能となる。
本発明の第26の画像形成装置は、上記の課題を解決するために、上記搬送部材は、上記3連接ローラの中央のローラの回転軸に一端部が連接された第1のゲート部材と、該第1のゲート部材の他端部に連接され、ほぼ中央部が固定軸に回動自在に軸支された第2のゲート部材とで構成されていることを特徴としている。
上記の構成によれば、搬送部材は、上記3連接ローラの中央のローラの回転軸に一端部が連接された第1のゲート部材と、該第1のゲート部材の他端部に連接され、ほぼ中央部が固定軸に回動自在に軸支された第2のゲート部材とで構成されていることで、用紙をある一方の搬送路へ送りたい時には、上記3連接ローラは用紙を送りたい側の搬送路(以下、排出側搬送路と称する)に対向するニップ部に用紙を引き込む方向に回転される。
このとき、中央のローラに連接された第1のゲート部材は、その回転に伴って排出側搬送路の側に傾斜する。第2のゲート部材は、第1のゲート部材と連接されている側が、該第1のゲート部材の移動に伴って排出側搬送路の側に傾斜するが、該第2のゲート部材の中央部は、固定軸に対し回転自在に軸支されているため、第1のゲート部材と連接されていない側の端部は、排出側搬送路の側を開放するように傾斜する。
したがって、3連接ローラを用いた搬送路切替機構において、上記第1および第2のゲート部材により、用紙を確実に排出側搬送路へと導くことができる。また、上記構成は、とくに水平方向の搬送路において搬送路を切り替える時に有効である。
また、上記ゲート部材への駆動力は、上記3連接ローラの回転軸によって与えられるため、ゲート部材駆動用の駆動源を必要としない。
上記第1および第2のゲート部材を用いる他に、次のような構成も可能である。すなわち、本発明の第27の画像形成装置は、上記の課題を解決するために、上記搬送部材は、上記3連接ローラの中央のローラの回転軸に形成された第1ギアと、この第1ギアに歯合する第2ギアと、該第2ギアに設けられ、上記第1ギアの回転方向反対側に回動する用紙分離ゲートとで構成されていることを特徴としている。
本発明の第28の画像形成装置は、上記の課題を解決するために、上記3連接ローラから上記第3用紙搬送路に設けられた用紙搬送ローラまでの搬送路は、用紙が自重により落下可能な傾きで形成されると共に、上記3連接ローラのニップ部と上記用紙搬送ローラのニップ部との距離が後処理可能な用紙サイズに設定されていることを特徴としている。
上記の構成によれば、3連接ローラから第3用紙搬送路に設けられた用紙搬送ローラまでの搬送路は、用紙が自重により落下可能な傾きで形成されると共に、上記3連接ローラのニップ部と上記用紙搬送ローラのニップ部との距離が後処理可能な用紙サイズに設定されていることで、後処理可能な用紙サイズの用紙は、3連接ローラのニップ部から完全に排出される前にその先端部が用紙搬送ローラのニップ部により導かれることになる。また、後処理可能な用紙サイズよりも小さい用紙は、3連接ローラのニップ部から完全に排出されても、その先端部が用紙搬送ローラのニップ部に導かれず、その自重により再び3連接ローラ側に落下する。
これにより、第3用紙搬送路には、後処理可能な用紙サイズの用紙のみが搬送されることになる。換言すれば、後処理可能な用紙サイズよりも小さい用紙(ステイプル禁止用紙)が第3用紙搬送路を搬送することがないので、誤作動による第3用紙搬送路内でのジャムの発生等の不具合を無くすことができる。
しかも、後処理可能な用紙か否かを、搬送路の距離を設定するだけで行うことができるので、用紙検知センサー等を別に設ける必要がなく、用紙搬送路を簡素な構成とすることができる。
本発明の第29の画像形成装置は、上記の課題を解決するために、上記3連接ローラのニップ部と上記用紙搬送ローラのニップ部との間に、後処理可能な用紙サイズよりも小さな用紙が搬送されたとき、該用紙は中央のローラの回転により上記3連接ローラの他のニップ部を通過して、第2用紙搬送路に導かれることを特徴としている。
上記の構成によれば、3連接ローラのニップ部と用紙搬送ローラのニップ部との間に、後処理可能な用紙サイズよりも小さな用紙が搬送されたとき、該用紙は中央のローラの回転により上記3連接ローラの他のニップ部を通過して、第2用紙搬送路に導かれることで、用紙を上記の3連接ローラのニップ部と用紙搬送ローラのニップ部との間でのジャムを防止することができる。
本発明の第30の画像形成装置は、上記の課題を解決するために、原稿の画像情報を読み取る原稿読取部と、上記原稿読取部により読み取られた原稿の画像情報に基づいて用紙上に画像を形成する画像形成部とを備え、上記原稿読取部の下方には、上記画像形成部が配置されると共に、該画像形成部により画像形成された用紙を排出するための排出部となる空間部が形成された画像形成装置において、上記原稿読取部と空間部との間に、画像形成された用紙の整合およびステイプル処理等の後処理を略水平状態で行う用紙後処理部が設けられ、上記用紙後処理部には、用紙の両面に画像を形成する際に、片面に画像が形成された用紙を再び画像形成部に搬送させるスイッチバック機構が設けられていることを特徴としている。
上記の構成によれば、用紙後処理部には、用紙の両面に画像を形成する際に、片面に画像が形成された用紙を再び画像形成部に搬送させるスイッチバック機構が設けられていることで、該用紙後処理部を用紙の両面画像形成(以下、両面印字と称する)の中間トレイとして使用することができる。これにより、省スペース、低コストで両面印字のジョブ効率を向上させることができる。
本発明の第31の画像形成装置は、上記の課題を解決するために、上記用紙後処理部には、後処理されない用紙を搬送するエスケープパスと、後処理される用紙を搬送するステイプルトレイとが設けられ、上記エスケープパスおよびステイプルトレイに、片面に画像が形成された用紙を反転して、画像形成されていない面に画像形成が行われるように再び画像形成部に搬送させるスイッチバック機構が設けられていることを特徴としている。
上記の構成によれば、エスケープパスおよびステイプルトレイに、片面に画像が形成された用紙を反転して、画像形成されていない面に画像形成が行われるように再び画像形成部に搬送させるスイッチバック機構が設けられていることで、ステイプルトレイが使用されている状態で、割り込みで両面印字が行われる場合、エスケープパスのスイッチバック機構が使用される。これにより、ステイプルトレイ上の用紙のスタック性を乱すことなく両面印字を行うことができる。
しかも、スイッチバックする用紙にダメージを与えず、且つ用紙の位置精度を確保してスイッチバックすることができる。
また、上記ステイプルトレイのスイッチバック機構を用いる場合には、該ステイプルトレイを中間トレイとして使用することができるので、片面印字の用紙を所定の枚数ストックすることができる。そして、所定枚数ストックされた片面印字の用紙をスイッチバックさせることで両面印字を完成させることになる。したがって、両面印字の効率を向上させることができる。
具体的には、以下のような構成となる。すなわち、本発明の第32の画像形成装置は、上記の課題を解決するために、上記エスケープパスのスイッチバック機構を使用する場合、片面に画像形成された用紙の後端を該エスケープパス内に設けられた用紙搬送ローラよりチャッキングし、この用紙搬送ローラを逆回転することにより該用紙を一枚ずつスイッチバックすることを特徴としている。
また、本発明の第33の画像形成装置は、上記の課題を解決するために、上記ステイプルトレイのスイッチバック機構を使用する場合、片面に画像形成された用紙が所定の枚数該ステイプルトレイ上に収納された後、該ステイプルトレイ上の用紙束から順次用紙をスイッチバックすることを特徴としている。
本発明の第34の画像形成装置は、上記の課題を解決するために、上記ステイプルトレイには、用紙の後処理方向とは反対側の端部を揃えるための整合部材が、用紙搬送方向に移動可能に設けられていることを特徴としている。
上記の構成によれば、ステイプルトレイには、用紙の後処理方向とは反対側の端部を揃えるための整合部材が、用紙搬送方向に移動可能に設けられていることで、後処理機能としての整合部材を、両面印字の際に中間トレイとして用いられる場合の整合部材とすることにより、スイッチバック機構に必要な部材を削減することができるので、装置全体のコンパクト化および低価格化を図ることができる。
本発明の第35の画像形成装置は、上記の課題を解決するために、原稿の画像情報を読み取る原稿読取部と、上記原稿読取部により読み取られた原稿の画像情報に基づいて用紙上に画像を形成する画像形成部とを備え、上記原稿読取部の下方には、上記画像形成部が配置されると共に、該画像形成部により画像形成された用紙を排出するための排出部となる空間部が形成された画像形成装置において、上記原稿読取部と空間部との間に、画像形成された用紙の整合およびステイプル処理等の後処理を略水平状態で行う用紙後処理部が設けられ、上記用紙後処理部には、後処理されない用紙を搬送するエスケープパスと、後処理される用紙を搬送するステイプルトレイとが設けられ、上記エスケープパスは、用紙搬送ベルトと該用紙搬送ベルトを張架する一対のローラからなる用紙搬送部材を用紙搬送方向に複数並設され、該用紙搬送部材は用紙搬送方向とは反対側のローラを支点として、ステイプルトレイ側に回動可能に設けられていることを特徴としている。
上記の構成によれば、エスケープパスの搬送手段である用紙搬送部材を回動させることで、該エスケープパスを搬送している用紙をステイプルトレイ側に送り込むことができる。これにより、画像形成部から搬送される用紙を、エスケープパスまたはステイプルトレイに分岐させるための分岐手段を、該エスケープパスとステイプルトレイの用紙搬送入口近傍に設ける必要がなく、装置の部品点数を削減することができる。
本発明の第36の画像形成装置は、上記の課題を解決するために、上記用紙搬送部材は、用紙がエスケープパスを搬送されるときは、用紙搬送ベルトが略水平状態となるホームポジションに位置し、画像形成時にステイプル要求がなされたときは、ステイプルトレイ側に回動されることを特徴としている。
上記の構成によれば、用紙搬送部材は、用紙がエスケープパスを搬送されるときは、用紙搬送ベルトが略水平状態となるホームポジションに位置し、画像形成時にステイプル要求がなされたときは、ステイプルトレイ側に回動されることで、エスケープパス上の任意の位置を用紙案内位置として該用紙搬送部材を回動させることができる。これにより、ステイプルトレイへの用紙案内位置を例えば用紙サイズに応じて変更することができる。
具体的には、以下の構成となる。すなわち、本発明の第37の画像形成装置は、上記の課題を解決するために、上記各用紙搬送部材の回動位置は、用紙サイズに応じて切り替えられることを特徴としている。
本発明の第38の画像形成装置は、上記の課題を解決するために、上記用紙搬送部材は、ステイプルトレイ側に回動した状態で、用紙搬送ベルトが該ステイプルトレイに当接しながら用紙搬送方向に回転することを特徴としている。
上記の構成によれば、用紙搬送部材は、ステイプルトレイ側に回動した状態で、用紙搬送ベルトが該ステイプルトレイに当接しながら用紙搬送方向に回転することで、ステイプルトレイに送り込まれた用紙を用紙搬送部材により搬送させることができる。これにより、エスケープパスとステイプルトレイにおいて、用紙搬送のための駆動手段を共通化することができるので、装置の部品点数の削減および低価格化を図ることができる。
本発明の第39の画像形成装置は、上記の課題を解決するために、ステイプルトレイ側に回動した用紙搬送部材のうち、用紙搬送方向最上流に位置する用紙搬送部材は、上記ステイプルトレイの用紙載置面に対して90度以下の角度に設定されていることを特徴としている。
上記の構成によれば、ステイプルトレイ側に回動した用紙搬送部材のうち、用紙搬送方向最上流に位置する用紙搬送部材は、上記ステイプルトレイの用紙載置面に対して90度以下の角度に設定されていることで、滑らかに用紙をステイプルトレイに送り込むことができる。
上記用紙搬送ベルトは、具体的には、以下の構成となる。すなわち、本発明の第40の画像形成装置は、上記の課題を解決するために、上記用紙搬送部材の用紙搬送ベルトは正逆回転可能であることを特徴としている。
本発明の第41の画像形成装置は、上記の課題を解決するために、原稿の画像情報を読み取る原稿読取部と、上記原稿読取部により読み取られた原稿の画像情報に基づいて用紙上に画像を形成する画像形成部とを備え、上記原稿読取部の下方には、上記画像形成部が配置されると共に、該画像形成部により画像形成された用紙を排出するための排出部となる空間部が形成された画像形成装置において、上記原稿読取部と空間部との間に、画像形成された用紙の整合およびステイプル処理等の後処理を略水平状態で行う用紙後処理部が設けられ、上記用紙後処理部は、後処理されない用紙を搬送するエスケープパスと、後処理される用紙を搬送するステイプルトレイとが設けられると共に、用紙搬送方向に垂直方向で且つ操作者による操作面と反対側端部を支点として上記エスケープパスとステイプルトレイとが開放可能に設けられていることを特徴としている。
上記の構成によれば、用紙後処理部は、後処理されない用紙を搬送するエスケープパスと、後処理される用紙を搬送するステイプルトレイとが設けられると共に、用紙搬送方向に垂直方向で且つ操作者による操作面と反対側端部を支点として上記エスケープパスとステイプルトレイとが開放可能に設けられていることで、上記エスケープパスとステイプルトレイとの少なくとも一方にジャムが発生した場合、操作面側が開放されるので、容易にジャム処理を行うことができる。
また、エスケープパスとステイプルトレイとの開放を一つのレバーで行うように構成すれば、装置からエスケープパスとステイプルトレイとを開放するために使用されるビスの取り外し等を行うことなく、容易にジャム等のトラブルを解消することができる。
本発明の第42の画像形成装置は、上記の課題を解決するために、上記エスケープパスとステイプルトレイとは、上記原稿読取部の下方に形成された空間部内で同時に開放されることを特徴としている。
上記の構成によれば、エスケープパスとステイプルトレイとは、上記原稿読取部の下方に形成された空間部内で同時に開放されることで、上記エスケープパスとステイプルトレイとを開放させるための空間部を別に設ける必要がなく、装置の設置スペースの有効利用を図ることができる。
本発明の第43の画像形成装置は、上記の課題を解決するために、上記エスケープパスは、上記ステイプルトレイの上面側に配置され、該エスケープパスの下面部材と、該ステイプルトレイの上面部材とが共通部材で構成され、上記共通部材は、上記エスケープパスおよびステイプルトレイが開放状態のときに上記ステイプルトレイのみを開放するように該エスケープパス側に回動可能に設けられていることを特徴としている。
上記の構成によれば、上記エスケープパスおよびステイプルトレイを開放するとき、エスケープパスの下面部材と、該ステイプルトレイの上面部材とを構成する共通部材を下方に押し下げることで、1アクションでエスケープパスおよびステイプルトレイを同時に開放状態にすることができる。しかも、この共通部材を持ち上げるだけで、ステイプルトレイのみを開放させることもできる。
本発明の第44の画像形成装置は、上記の課題を解決するために、上記エスケープパスは、上記ステイプルトレイの上面側に配置され、該エスケープパスの下面部材と、該ステイプルトレイの上面部材とが共通部材で構成され、上記共通部材には、一つのセンサーで上記ステイプルトレイおよびエスケープトレイにおけるジャムの検出を行うジャム検知機構が形成されていることを特徴としている。
上記の構成によれば、両搬送路(エスケープパスとステイプルトレイ)におけるジャム検知機構が一つのセンサーで行われているので、ジャム検知機構における配線等を簡略化できる。この結果、装置のコンパクト化を図ると共に、装置の製造に係る費用を低減できる。
上記センサーの構成は、具体的には以下のようになる。すなわち、本発明の第45の画像形成装置は、上記の課題を解決するために、上記センサーは、光学的発光部と、該発光部からの照射光を受光するための受光部と、用紙が搬送して当接することにより上記受光部を遮断するアーム部材とで構成してもよい。
さらに、上記アーム部材は、具体的には以下のようになる。すなわち、本発明の第46の画像形成装置は、上記の課題を解決するために、上記アーム部材は、一端部が搬送される用紙に当接されると共に、上記支点を介した他端部が上記受光部を遮断するように、上記共通部材に設けられた支点を中心に回動自在に設けてもよい。