しかし、かかる後処理装置は何れも、画像形成装置本体から排出されてきたシートの進行方向を反転させて排出させるものではない。〔特許文献5〕に記載の画像形成装置は排紙トレイの増設を可能としたものであるが、やはりシートの進行方向を反転させる技術を開示したものではない。
また、近年においては、画像形成装置設置の省スペース化すなわち設置面積の抑制に対する要求が高まっているが、〔特許文献2〕ないし〔特許文献4〕に記載の後処理装置は何れも、画像形成装置本体の側方に配置するものであり、設置面積の増大を招いてしまうため、かかる要求に十分に応えていないものとなっている。
このような事情を総合的に勘案すると、画像形成装置本体言い換えるとシートに対して画像形成を行う画像形成部の本来的な排出位置から排出される画像形成済みのシートの進行方向を反転させて排出する技術、とくに、設置面積の増大を防止ないし抑制しつつかかる排出を行う技術の開発が待たれているところである。
さらには、進行方向を反転された画像形成済みのシートに対して、設置面積の増大を防止ないし抑制しつつ後処理を施すことが可能な画像形成装置の開発が待たれているところである。
本発明は、画像形成済みのシートの反転を行うシート反転装置、設置面積の増大を防止ないし抑制しつつ、画像形成済みのシートの進行方向の反転を行って排出し、また進行方向を反転された画像形成済みのシートに対して所定の後処理を施すことが可能な複写機、ファクシミリ、プリンタ、これらの複合機等の画像形成装置、及び、この画像形成装置に用いられ、設置面積の増大を防止ないし抑制しつつ、進行方向を反転された画像形成済みのシートに対して所定の後処理を施す後処理装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、画像形成済みのシートを受け入れ、同シートの進行方向を反転させて排出するシート反転部を有する、画像形成装置に着脱自在のシート反転装置にある。
請求項2記載の発明は、シートに画像形成を行う画像形成部と、請求項1記載のシート反転装置とを有し、前記シート反転部を前記画像形成部の上方又は下方に設けた画像形成装置にある。
請求項3記載の発明は、シートに画像形成を行う画像形成部と、画像形成済みのシートを受け入れ、同シートの進行方向を反転させて排出するシート反転部とを有し、前記シート反転部を前記画像形成部の上方又は下方に設けた画像形成装置にある。
請求項4記載の発明は、請求項2または3記載の画像形成装置において、前記画像形成部の上方又は下方のうち、前記シート反転部を設けた側に配設され、前記シート反転部を経た前記シートに所定の後処理を施す後処理部を有することを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の画像形成装置において、前記後処理部は、前記シート反転経路から受け入れた前記シートの進行方向を維持したまま、画像形成装置手前側に同シートを排出することを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項4または5記載の画像形成装置において、前記後処理部は、画像形成装置に対して着脱自在であることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項6記載の画像形成装置において、装着する前記後処理部を、機能の異なる複数のタイプから選択可能であることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項6または7記載の画像形成装置において、複数の前記後処理部を、互いに連結した状態となるように同時に装着可能であることを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項8記載の画像形成装置において、前記後処理部を装着するときに同後処理部をガイドするガイド手段を有することを特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項8または9記載の画像形成装置において、複数の前記後処理部の連結の順序が任意であることを特徴とする。
請求項11記載の発明は、請求項4ないし10の何れか1つに記載の画像形成装置において、前記シート反転部が、前記後処理部の駆動を行う駆動源を有することを特徴とする。
請求項12記載の発明は、請求項4ないし11の何れか1つに記載の画像形成装置において、前記シート反転部が、前記シートを前記後処理部に導く第1の搬送経路と、前記シートを前記後処理部の上方に導く第2の搬送経路とを有し、前記後処理部の上面が排紙トレイであることを特徴とする。
請求項13記載の発明は、請求項4ないし11の何れか1つに記載の画像形成装置において、原稿画像の読み取りを行う原稿読取部を有し、この原稿読取部を、前記シート反転部および前記画像形成部の上方に設けたことを特徴とする。
請求項14記載の発明は、請求項4ないし13の何れか1つに記載の画像形成装置に用いる前記後処理部からなり、機能の異なる複数のタイプがある後処理装置にある。
請求項15記載の発明は、請求項14記載の後処理装置において、他の前記後処理部に接続するための電装接続部が各タイプで互換性を有することを特徴とする。
請求項16記載の発明は、請求項14または15記載の後処理装置において、他の前記後処理部のための電装パス用の配線を有することを特徴とする。
本発明は、画像形成済みのシートを受け入れ、同シートの進行方向を反転させて排出するシート反転部を有する、画像形成装置に着脱自在のシート反転装置にあるので、設置面積の増大を防止ないし抑制しつつ、画像形成済みのシートの進行方向の反転を行って排出することができ、またシートの取り出し性を向上することを可能とし得るシート反転装置を提供することができる。
本発明は、シートに画像形成を行う画像形成部と、かかるシート反転装置とを有し、前記シート反転部を前記画像形成部の上方又は下方に設けた画像形成装置にあるので、設置面積の増大を防止ないし抑制しつつ、画像形成済みのシートの進行方向の反転を行って排出することができ、またシートの取り出し性を向上することを可能とし得る画像形成装置を提供することができる。
本発明は、シートに画像形成を行う画像形成部と、画像形成済みのシートを受け入れ、同シートの進行方向を反転させて排出するシート反転部とを有し、前記シート反転部を前記画像形成部の上方又は下方に設けた画像形成装置にあるので、設置面積の増大を防止ないし抑制しつつ、画像形成済みのシートの進行方向の反転を行って排出することができ、またシートの取り出し性を向上することを可能とし得る画像形成装置を提供することができる。
前記画像形成部の上方又は下方のうち、前記シート反転部を設けた側に配設され、前記シート反転部を経た前記シートに所定の後処理を施す後処理部を有することとすれば、設置面積の増大を防止ないし抑制しつつ、画像形成済みのシートの進行方向の反転を行って排出することができ、また画像形成済みのシートに対して所定の後処理を施すことができるとともに、シートの取り出し性を向上することを可能とし得る画像形成装置を提供することができる。
前記後処理部は、前記シート反転経路から受け入れた前記シートの進行方向を維持したまま、画像形成装置手前側に同シートを排出することとすれば、設置面積の増大を防止ないし抑制しつつ、画像形成済みのシートの進行方向の反転を行って排出することができ、また画像形成済みのシートに対して所定の後処理を施すことができるとともに、シートの取り出し性を向上することができる画像形成装置を提供することができる。
前記後処理部は、画像形成装置に対して着脱自在であることとすれば、設置面積の増大を防止ないし抑制しつつ、画像形成済みのシートの進行方向の反転を行って排出することができ、また必要に応じて装着された後処理部によって画像形成済みのシートに対して所定の後処理を施すことができるとともに、シートの取り出し性を向上することを可能とし得る画像形成装置を提供することができる。
装着する前記後処理部を、機能の異なる複数のタイプから選択可能であることとすれば、設置面積の増大を防止ないし抑制しつつ、画像形成済みのシートの進行方向の反転を行って排出することができ、また必要に応じて選択され装着された後処理部によって画像形成済みのシートに対して所定の後処理を施すことができるとともに、シートの取り出し性を向上することを可能とし得る画像形成装置を提供することができる。
複数の前記後処理部を、互いに連結した状態となるように同時に装着可能であることとすれば、設置面積の増大を防止ないし抑制しつつ、画像形成済みのシートの進行方向の反転を行って排出することができ、また必要に応じて装着された複数の後処理部によって画像形成済みのシートに対して複数の所定の後処理を施すことができ機能的であるとともに、シートの取り出し性を向上することを可能とし得る画像形成装置を提供することができる。
前記後処理部を装着するときに同後処理部をガイドするガイド手段を有することとすれば、設置面積の増大を防止ないし抑制しつつ、画像形成済みのシートの進行方向の反転を行って排出することができ、また必要に応じて複数の後処理部を容易に装着でき操作性が良好であり、かつ装着された複数の後処理部によって画像形成済みのシートに対して複数の所定の後処理を施すことができ機能的であるとともに、シートの取り出し性を向上することを可能とし得る画像形成装置を提供することができる。
複数の前記後処理部の連結の順序が任意であることとすれば、設置面積の増大を防止ないし抑制しつつ、画像形成済みのシートの進行方向の反転を行って排出することができ、また必要に応じて複数の後処理部をその配列を気にすることなく装着でき、かつ装着された複数の後処理部によって画像形成済みのシートに対して複数の所定の後処理を施すことができ機能的であるとともに、シートの取り出し性を向上することを可能とし得る画像形成装置を提供することができる。
前記シート反転部が、前記後処理部の駆動を行う駆動源を有することとすれば、設置面積の増大を防止ないし抑制しつつ、画像形成済みのシートの進行方向の反転を行って排出することができ、また装着された後処理部が駆動源によって駆動されることで画像形成済みのシートに対して所定の後処理を施すことができ、後処理部自身に駆動源を配設する必要がなく軽量化、小型化を図ることができるとともに、シートの取り出し性を向上することを可能とし得る画像形成装置を提供することができる。
前記シート反転部が、前記シートを前記後処理部に導く第1の搬送経路と、前記シートを前記後処理部の上方に導く第2の搬送経路とを有し、前記後処理部の上面が排紙トレイであることとすれば、設置面積の増大、部品点数の増加を防止ないし抑制しつつ、画像形成済みのシートの進行方向の反転を行って後処理を施すことなく後処理部の上面に排出することができ、また画像形成済みのシートに対して所定の後処理を施すこともできるとともに、シートの取り出し性を向上することを可能とし得る画像形成装置を提供することができる。
原稿画像の読み取りを行う原稿読取部を有し、この原稿読取部を、前記シート反転部および前記画像形成部の上方に設けたこととすれば、原稿読取部の配設によっても、設置面積の増大を防止ないし抑制しつつ、画像形成済みのシートの進行方向の反転を行って排出することができ、また画像形成済みのシートに対して所定の後処理を施すことができるとともに、シートの取り出し性を向上することを可能とし得る画像形成装置を提供することができる。
本発明は、かかる画像形成装置に用いる前記後処理部からなり、機能の異なる複数のタイプがある後処理装置にあるので、所望の機能のタイプを選んで画像形成装置に装着することで、進行方向の反転を行って排出されたシートに対して同機能による後処理を施すことができ、使用感の高い画像形成装置の提供に寄与することができる後処理装置を提供することができる。
他の前記後処理部に接続するための電装接続部が各タイプで互換性を有することとすれば、所望の機能のタイプを選んで画像形成装置に装着することで、進行方向の反転を行って排出されたシートに対して同機能による後処理を施すことができ、また複数を画像形成装置に装着する場合にその配列を気にすることなく装着作業を行うことができ、配線が簡素となるため外観に優れているとともに使用感の高い画像形成装置の提供に寄与することができる後処理装置を提供することができる。
他の前記後処理部のための電装パス用の配線を有することとすれば、所望の機能のタイプを選んで画像形成装置に装着することで、進行方向の反転を行って排出されたシートに対して同機能による後処理を施すことができ、また配線が簡素となるため外観に優れているとともに使用感の高い画像形成装置の提供に寄与することができる後処理装置を提供することができる。
図1に本発明を適用した、カラー画像を形成可能な多色画像形成装置である画像形成装置の外観の概略を示す。画像形成装置100は、カラーレーザ複写機であり、カラーレーザプリンタ及びファクシミリとの複合機であるが、他のタイプの複写機、他のタイプのプリンタ、ファクシミリ、かかる複写機とかかるプリンタとの複合機等、他の画像形成装置であっても良い。画像形成装置100は、画像形成に用いるシートとして、一般にコピー等に用いられる普通紙の他、OHPシート等の樹脂フィルムや、カード、ハガキ等の厚紙や、封筒等の何れをも用いることが可能である。
図1又は図2に示すように、画像形成装置100は、上下方向において下部から中央位置を占めシートとしての転写紙に画像形成を行う画像形成部としての本体99と、本体99の下側に位置し本体99において画像形成が行われる転写紙を積載するとともに積載した転写紙を本体99に給送するシート給送部としてのシート給送装置61とを有している。なお、転写紙の図示は省略する。
画像形成装置100はまた、本体99の上側に位置し、本体99において画像形成済みの転写紙に所定の後処理を施す複数のシート後処理ユニットである後処理部としての、それぞれ着脱自在の後処理装置31、32、33と、本体99の上側に位置し、本体99において画像形成済みの転写紙を受け入れ、後処理装置31に導くシート反転部としての中継ユニット41とを有している。
画像形成装置100はまた、本体99、後処理装置31、32、33及び中継ユニット41の上側に位置し原稿を読み取るスキャナとしての読取装置21と、読取装置21の上側に位置し原稿を積載され積載された原稿を読取装置21に向けて送り出すADFといわれる自動原稿給紙装置22とを有している。読取装置21と自動原稿給紙装置22とは、原稿に記録されている画像を読み取る原稿読取部としての画像読み取り部23を構成している。
画像形成装置100はまた、後処理装置33に着脱自在に配設され後処理装置31、32、33を経た転写紙を積載する排紙トレイ24と、中継ユニット41を経た転写紙であって後処理装置31、32、33へ導かれることなく排出された転写紙が排出される、後処理装置31、32、33の上面によって構成された排紙トレイ25と、中継ユニット41の上面に配設され後処理装置31、32、33を装着する際に後処理装置31、32、33をガイドするとともに画像形成装置100に固定するガイド手段としてのガイド部26とを有している。
画像形成装置100はまた、本体99の上面であって、矢印D1で示す画像形成装置100の前面側言い換えると正面側に配設された、ユーザ等のオペレータすなわち操作者が画像形成装置100の操作を行うための操作パネル27と、画像形成装置100の動作等の全般を制御する制御手段としての図示しない制御部とを備えている。なお、矢印D2は、画像形成装置100の背面側を向く方向を示している。方向D1と方向D2とは互いに平行であって、且つ互いに逆を向く方向となっているとともに、画像形成装置100の載置面に略平行な方向となっている。
画像形成装置100のレイアウトは、画像読み取り部23が本体99および中継ユニット41の上方に位置しており、操作性が向上し、設置面積が抑制されている。またこれに加えて中継ユニット41が本体99の上方に位置しており、後処理装置31、32、33が本体99および中継ユニット41の上方に位置していることも、設置面積の抑制に寄与している。さらにこれに加え、排紙トレイ24の大部分および排紙トレイ25の全体が本体99の上方に位置していることも、設置面積の抑制に寄与している。なお本体99と中継ユニット41と画像読み取り部23とは一体型であって分離不能となっている。
図3に沿って、本体99の詳細を説明する。
同図に示すように、本体99は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に色分解された色にそれぞれ対応する像としての画像を形成可能な複数の像担持体としての潜像担持体である円筒状の感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKを並設したタンデム構造を採用したタンデム構造を採用しており、画像形成装置100は、タンデム方式すなわちタンデム型の画像形成装置となっている。
感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKは、同一径であり、画像形成装置100の本体99の内部のほぼ中央部に配設された無端ベルトである中間転写体としての中間転写ベルトである転写ベルト11の外周面側すなわち作像面側に、等間隔で並んでいる。
感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKは、A1方向の上流側からこの順で並設されている。各感光体ドラム感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKはそれぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像を形成するための、画像形成部としての作像部たる画像ステーション60Y、60M、60C、60BKに備えられている。
転写ベルト11は、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに対峙しながら矢印A1方向に移動可能となっている。各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに形成された可視像すなわちトナー像は、矢印A1方向に移動する転写ベルト11に対しそれぞれ重畳転写され、その後、転写紙に一括転写されるようになっている。
転写ベルト11に対する重畳転写は、転写ベルト11がA1方向に移動する過程において、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに形成されたトナー像が、転写ベルト11の同じ位置に重ねて転写されるよう、転写ベルト11を挟んで各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKのそれぞれに対向する位置に配設された転写チャージャとしての1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKによる電圧印加によって、A1方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKと転写ベルト11と対向位置である転写位置にて行われる。
転写ベルト11は、その全層をゴム剤等の弾性部材を用いて構成した弾性ベルトである。転写ベルト11は、単層の弾性ベルトであっても良いし、その一部を弾性部材とした弾性ベルトであっても良いし、従来から用いられている、フッ素系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂等を用いても良く、非弾性ベルトであっても良い。
画像形成装置100は、4つの画像ステーション60Y、60M、60C、60BKと、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの下方に対向して配設され、転写ベルト11を備えた中間転写装置であるベルトユニットとしての転写ベルトユニット10と、転写ベルト11に対向して配設され転写ベルト11に当接し、転写ベルト11への当接位置において転写ベルト11と同方向に回転する転写部材としての紙転写ベルトである転写装置たる2次転写ローラ5とを有している。
画像形成装置100はまた、転写ベルト11に対向して配設され転写ベルト11上をクリーニングする中間転写クリーニングブレードを備えた中間転写ベルトクリーニング装置としてのクリーニング装置34と、画像ステーション60Y、60M、60C、60BKの上方に対向して配設された書き込み手段である光書き込み装置としての書込装置たる光走査装置8とを有している。
画像形成装置100はまた、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKと転写ベルト11との間に向けて搬送される転写紙を積載したシート給送装置61と、シート給送装置61から搬送されてきた記録紙を、画像ステーション60Y、60M、60C、60BKによるトナー像の形成タイミングに合わせた所定のタイミングで、転写ベルト11と2次転写ローラ5の間の転写部に向けて繰り出すレジストローラ対13と、転写紙の先端がレジストローラ対13に到達したことを検知する図示しないセンサとを有している。
画像形成装置100はまた、トナー像を転写され矢印C1方向に搬送されることで進入してきた転写紙に同トナー像を定着させるためのローラ定着方式の定着ユニットとしての定着装置6と、定着装置6を経た転写紙を本体99の外部に排出する排紙ローラ7と、本体99の上部に配設され排紙ローラ7により転写紙を本体99の外部に向けて方向D2に排出し排出した転写紙を中継ユニット41に進入させる排出口17と、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーを充填された図示しないトナーボトルとを有している。
転写ベルトユニット10は、転写ベルト11の他に、1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKと、転写ベルト11を巻き掛けられた、複数の巻き掛け部材としての、駆動部材である駆動ローラを兼ねた支持ローラである転写入口ローラ73と、支持ローラである従動ローラ72とを有している。転写入口ローラ73は、図示しない駆動源としてのモータの駆動により回転駆動され、これによって、転写ベルト11がA1方向に回転駆動される。
定着装置6は、熱源を内部に有する定着ローラ62と、定着ローラ62に圧接された加圧ローラ63とを有しており、トナー像を担持した転写紙を定着ローラ62と加圧ローラ63との圧接部である定着部に通すことで、熱と圧力との作用により、担持したトナー像を転写紙の表面に定着するようになっている。
光走査装置8は、LSUであって、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの表面によって構成された被走査面をそれぞれ走査して露光し、静電潜像を形成するための、画像信号に基づくレーザービームとしてのレーザー光であるビームLY、LM、LC、LBKを発するものである。ビームLY、LM、LC、LBKは、形成すべき画像に基づく画像情報に応じて照射されるものである。
シート給送装置61は、転写紙を積載した給紙トレイ15と、給紙トレイ15上に積載された転写紙を送り出す給紙コロ16と、給紙コロ16に対向配置され転写紙が重送された場合にこれを1枚に分離する分離手段としてのフリクションパッド29と、給紙トレイ15を備え本体99から矢印D1方向に引き出し可能であるとともに引き出した状態からさらに取り外し可能となっている可動体としての給紙カセット14と、両面画像形成時に用いる搬送経路35とを有している。
給紙カセット14が方向D1すなわち画像形成装置100の前面側に引き出し可能であることで、給紙カセット14に転写紙を補給する作業が容易に行われる。給紙カセット14の引き出し時には、給紙カセット14とともに、フリクションパッド29と再搬送経路35の一部とが引き出されるが、給紙コロ16は移動することなく定位置に位置保持される。
2次転写ローラ5は、本体99の一部をなし画像形成装置100の前面側に位置している前カバー28とともに矢印F1方向に開放可能となっており、開放により転写紙の詰まりが生じている場合にこれを容易に解消できる状態とする。
画像ステーション60Y、60M、60C、60BKについて、そのうちの一つの、感光体ドラム20Yを備えた画像ステーション60Yの構成を代表して構成を説明する。なお、他の画像ステーションの構成に関しても実質的に同一であるので、以下の説明においては、便宜上、画像ステーション60Yの構成に付した符号に対応する符号を、他の画像ステーションの構成に付し、また詳細な説明については適宜省略することとし、符号の末尾にY、M、C、Kが付されたものはそれぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像形成を行うための構成であることを示すこととする。
感光体ドラム20Yを備えた画像ステーション60Yは、感光体ドラム20Yの周囲に、図中時計方向であるその回転方向B1に沿って、1次転写ローラ12Yと、感光体ドラム20Yをクリーニングするためのクリーニング手段としてのクリーニング装置70Yと、感光体ドラム20Yを高圧に帯電するための帯電手段である帯電装置としての帯電チャージャたる帯電装置30Yと、感光体ドラム20Yを現像するための現像手段としての現像器である現像装置50Yとを有している。現像装置50Yは、感光体ドラム20Yに対向する位置に配設された現像ローラ51Yを有している。
感光体ドラム20Yと、クリーニング装置70Yと、帯電装置30Yと、現像装置50Yとは一体化されており、プロセスカートリッジを構成している。プロセスカートリッジは本体99に対して着脱自在となっている。このようにプロセスカートリッジ化することは、交換部品として取り扱うことができるため、メンテナンス性が著しく向上し、大変好ましい。
以上のような構成により、感光体ドラム20Yは、B1方向への回転に伴い、帯電装置30Yにより表面を所定の極性に一様に帯電され、光走査装置8からのビームLYの露光走査によりイエロー色に対応した静電潜像を形成される。この静電潜像の形成は、ビームLYが、紙面垂直方向である主走査方向に走査するとともに、感光体ドラム20YのB1方向への回転により、感光体ドラム20Yの円周方向である副走査方向へも走査することによって行われる。
このようにして形成された静電潜像には、現像装置50Yにより供給される帯電したイエロー色のトナーが付着し、イエロー色に現像されて顕像化され、現像により得られたイエロー色の可視画像たるトナー像は、1次転写ローラ12YによりA1方向に移動する転写ベルト11に1次転写され、転写後に残留したトナー等の異物はクリーニング装置70Yにより掻き取り除去され備蓄されて、感光体ドラム20Yは、帯電装置30Yによる次の帯電に供される。
他の感光体ドラム20C、20M、20BKにおいても同様に各色のトナー像が形成等され、形成された各色のトナー像は、1次転写ローラ12C、12M、12BKにより、A1方向に移動する転写ベルト11上の同じ位置に順次1次転写される。
転写ベルト11上に重ね合わされたトナー像は、転写ベルト11のA1方向の回転に伴い、2次転写ローラ5との対向位置である2次転写部である転写部まで移動し、この転写部において転写紙に2次転写される。
転写ベルト11と2次転写ローラ5との間に搬送されてきた転写紙は、シート給送装置61から繰り出され、停止しているレジストローラ対13に先端が突き当てられて整合され、センサによる検出信号に基づいて、レジストローラ対13が回転し、転写ベルト11上のトナー像の先端部が2次転写ローラ5に対向するタイミングで送り出されたものである。
転写紙は、すべての色のトナー像を一括転写され、担持すると、C1方向に搬送されて定着装置6に進入し、定着ローラ62と加圧ローラ63との間の定着部を通過する際、熱と圧力との作用により、担持したトナー像を定着され、この定着処理により、転写紙上に合成カラー画像たるカラー画像が形成される。定着装置6を通過した定着済みの転写紙は、排紙ローラ7を経て、排出口17から中継ユニット41に向けて排出される。一方、2次転写を終えた転写ベルト11は、クリーニング装置34によってクリーニングされ、次の1次転写に備える。
本体99において、転写紙は、方向D1に繰り出され、上方に搬送される過程で画像形成が行われ、方向D2に排出される。このように、転写紙は、本体99内において、略コ字状に搬送されるため、転写紙の搬送経路は比較的簡易な略コ字状の形状となっており、ジャムが生じにくく、また給紙から排紙までの時間が短く画像形成が速やかに行われるという利点がある。
画像読み取り部23の構成について説明する。
読取装置21は、原稿を載置する図示しないコンタクトガラス、コンタクトガラスに載置された原稿に光を照射する図示しない光源及び光源から原稿に照射され反射された光を反射する図示しない第1の反射体を備え図2における左右方向に走行する図示しない第1走行体、第1走行体の反射体によって反射された光を反射する図示しない第2の反射体を備えた第2走行体、第2走行体からの光を結像するための図示しない結像レンズ、結像レンズを経た光を受け原稿の内容を読み取る図示しない読み取りセンサ等を備えている。
自動原稿給紙装置22は、読取装置21に回動自在に一体化され読取装置21に対して開閉可能であって、上方に回動させることで読取装置21に対して開き、コンタクトガラスを露出させる。
自動原稿給紙装置22は、図1に示すように、原稿を載置する原稿台22aと、原稿をコンタクトガラスに押圧するプラテンカバー22bと、原稿台22aに載置された原稿を給送する、図示しないモータ等を備えた駆動部とを有している。画像形成装置100を用いて複写を行うときには、原稿を自動原稿給送装置22の原稿台22aにセットするか、自動原稿給送装置22を上方に向けて回動して手動でコンタクトガラス上に原稿を載置してから自動原稿給送装置22を閉じてプラテンカバー22bで原稿をコンタクトガラスに押圧する。
なお、画像形成装置100は、プリンタ、ファクシミリとして用いられる場合は、外部から受信した画像情報に対応する画像信号に基づき画像形成処理を行なう。
図2に示すように、中継ユニット41は、排出口17に対向する位置に配設され、排出口17から排出された画像形成済みの転写紙を受け入れる受け入れ口42と、受け入れ口42から方向D2に進入した転写紙の進行方向を方向D1に反転させ中継ユニット41外部に排出するシート反転経路43とを有している。
中継ユニット41はまた、シート反転経路43から分岐し、シート反転経路43を経た転写紙を後処理装置31に向けて排出することで後処理装置31に導く第1の搬送経路としての第1の排出経路44と、シート反転経路43を経た転写紙を後処理装置31、32、33の上方に位置する排紙トレイ25に向けて排出することで排紙トレイ25に導く第2の搬送経路としての第2の排出経路46とを有している。
中継ユニット41はまた、後処理装置31に対向する位置に配設され第1の排出経路44を経た転写紙を後処理装置31に進入させる第1の排出口45と、排紙トレイ25に向けて開放され第2の排出経路46を経た転写紙を排紙トレイ25上に排出させる第2の排出口47と、シート反転経路43を経た転写紙を第1の排出経路44と第2の排出経路46との何れに進入させるかを切り替える切換爪48と、中継ユニット41内において転写紙の搬送を行う複数のローラ対49とを有している。
図1に示すように、ガイド部26は、方向D1、D2に沿って延設され、後処理装置31、32、33のそれぞれの下面に突設された突部28に嵌合する一対の凹部29を有し、凹部28に突部28を嵌合させた状態で、後処理装置31、32、33を方向D1、D2にのみスライドさせる態様で移動させることを可能とするようになっている。装着の順番は任意である。よって後処理装置31、32、33が装着位置を間違うことなく容易に装着され、装着作業の作業性が向上している。
図示を省略するが、操作パネル27は、複写を開始させる複写スタートキー、複写枚数を指定するテンキー、装着している後処理装置31、32、33の何れを動作させるかを選択する後処理選択キー等を有している。
図示を省略するが、制御部は、CPU、メモリ等を有し、例えば中継ユニット41の切換爪48の駆動や、後処理装置31、32、33の後述する動作を、操作パネル27の入力等に基づいて制御するようになっている。
後処理装置31、32、33は、シート反転経路43を経た転写紙の搬送方向を方向D2に維持したまま、この順で、転写紙を搬送し、その過程で、それぞれ、転写紙に対して、捺印スタンプ、ステイプル綴じ、1ビンソートを行い、画像形成装置100の手前側に転写紙を排出するようになっている。
図4に示すように、後処理装置31、32、33は、互いに、他の後処理部に接続するための電装接続部34が互換性を有しているなど、後処理装置31、32、33のそれぞれの筐体35の形状等の共通化が施されており、これによって方向D1、D2における連結の順序が任意となっている。よって、後処理装置31、32、33の装着は、連結の順序を考慮することなく簡易に行われる。同図(a)は後処理装置31、32、33の平面図、同図(b)は後処理装置31、32、33の背面図である。
方向D1、D2において後処理装置31、32、33の連結の順序を任意とするため、電装接続部34はそれぞれ、画像形成層100への装着状態において方向D2側すなわち筐体35の背面側の同じ位置に突設された互いに同一構成のコネクタ凸36と、画像形成層100への装着状態において方向D1側すなわち筐体35の前面側の同じ位置に凹設された、コネクタ凸36と嵌合する互いに同一構成のコネクタ凹37とを有している。また、これに対応し、中継ユニット41の方向D1側には、コネクタ凸36と嵌合する位置に、コネクタ凹37と同一構成の図示しないコネクタ凹が配設されており、最も方向D2側に装着された後処理装置のコネクタ凸36と嵌合するようになっている。各電装接続部34、中継ユニット41のコネクタ凹は、同図(b)からも分かるように、共通して、電源線、グランド線を同じ態様で有しており、方向D1側に装着されている他の後処理装置に電源を供給可能である等の構成になっている。
これにより、各後処理装置31、32、33の配線が簡便になり、見た目もすっきりし、ハーネスに引っかからないなど使い易くなっているとともに、方向D1、D2における連結の順序によらず、中継ユニット41に備えられた1つのコネクタ凹のみで複数の後処理装置に対応して電源が供給されることとなり、構成が簡易になる。
また、各電装接続部34内の配線番地は、各後処理装置31、32、33毎に割り振られていて、各後処理装置31、32、33に配設されている信号線38は、その後処理装置において用いるもののみコネクタ凸36から引き込まれ、その他はスルーパスしてコネクタ凸36からコネクタ凹37に直結されている。すなわち、信号線38は、他の後処理装置のための電装パス用の配線を有している。これにより、方向D1、D2における連結の順序によらず、後処理装置31、32、33に対する制御信号を送受信可能となり、また後処理装置31、32、33のそれぞれを画像形成装置100にハーネス接続する必要がなく、配線がすっきり簡便に行われる。
方向D1、D2において後処理装置31、32、33の連結の順序を任意としても各後処理装置31、32、33の動作に必要な駆動力が得られるようにするため、各後処理装置31、32、33は、少なくとも入力側すなわち方向D2側および出力側すなわち方向D1側が共通のレイアウトの駆動ギア列39を有している。各駆動ギア列39はそれぞれ、背面側が筐体35から突出し、前面側が筐体35の内部に位置している。また、これに対応し、中継ユニット41の方向D1側には、駆動ギア列39のうち筐体35から突出した部分と嵌合する位置に、同部分に噛合する図示しないギアが配設されているとともに、中継ユニット41内部には、かかるギアを駆動するためのモータ等の駆動源が配設されており、方向D1、D2における連結の順序によらず、後処理装置31、32、33は、同駆動源により、駆動が行われるようになっている。これによって、後処理装置31、32、33のそれぞれにモータ等の駆動源を配設することが省略されており、駆動源を備えている場合に比して、後処理装置31、32、33の小型化、軽量化、低廉化がなされている。
図5に示すように、後処理装置31は、筐体35の方向D2側に形成された給紙用開口52と、筐体35の方向D1側に形成された排紙用開口53と、給紙用開口52と排紙用開口53とを連通させたシート搬送経路54と、シート搬送経路54の方向D1側端部の、排紙用開口53に臨む位置に設けられた、駆動ギア列39によって回転駆動される搬送ローラ対55と、シート搬送経路54の中央部に対向した捺印スタンパー56と、捺印スタンパー56をシート搬送経路54に向けて移動させる図示しないソレノイド等を有する駆動機構57とを有している。
後処理装置31は、給紙用開口52から進入した転写紙が搬送ローラ対55によりシート搬送経路54を搬送される過程の所定のタイミングで、駆動ギア列39による搬送ローラ対55の回転駆動を一時停止させ、このとき駆動機構57が作動して捺印スタンパー56がシート搬送経路54に向けて繰り出され、停止状態にある転写紙に捺印スタンプを実行し、捺印スタンプの実行後に駆動ギア列39による搬送ローラ対55の回転が再開されて、捺印スタンプが行われた転写紙が排紙用開口53から排出されるようになっている。
駆動機構57は、捺印スタンパー56を同図の紙面垂直方向言い換えると主走査方向に移動させることが可能となっており、主走査方向および方向D1、D2のそれぞれにおいて複数個所で、転写紙に対して捺印スタンプを行うことが可能となっており、回転駆動手段は、搬送ローラ対55を、捺印スタンプに必要なタイミングおよび時間間隔で、適宜回転駆動が停止される。
図6に示すように、後処理装置32は、筐体35の方向D2側に形成された給紙用開口81と、筐体35の方向D1側に形成された排紙用開口82と、給紙用開口81と排紙用開口82とを連通させたシート搬送経路83と、シート搬送経路83の方向D1側端部の、排紙用開口82に臨む位置に設けられた、駆動ギア列39によって回転駆動される搬送ローラ対84と、転写紙にステイプル綴じを行うためのステイプラ85と、転写紙の後端を整合するための端揃えコロ86と、端揃えコロ86を変位させる搖動アーム87とを有している。
後処理装置32はまた、端揃えコロ86を正逆回転させる図示しないモータ等を備えた図示しない正逆駆動手段と、搖動アーム87を搖動させる図示しないモータ等を備えた図示しない搖動駆動手段と、転写紙を同図の紙面垂直方向言い換えると主走査方向において揃える図示しないジョガーフェンス等を備えた整合手段と、搬送ローラ対84を構成する上ローラ88、下ローラ89のうちの下ローラ89を上下方向に変位させる図示しないモータ等を備えた図示しない変位手段と、ステイプラ85をシート搬送経路83に進退させる図示しないモータ等を備えた図示しない進退駆動手段と、シート搬送経路83内に転写紙があるか否かを検知する図示しないシート検知センサを有している。
シート搬送経路83は、下面が下方に膨らみ、この部分を、転写紙の後端を突き当てて整合するための端揃え溝58として備えている。ステイプラ85は、進退駆動手段によって端揃え溝58内に進入したときに作動するようになっている。搖動駆動手段は、端揃えコロ86が端揃え溝58内に進入した位置とシート搬送経路83の上方に退避した位置とを占めるように、搖動アーム87を揺動させる。シート検知センサは、端揃え溝58内に転写紙があるか否かを検知する。搬送ローラ84は、上ローラ88が駆動ギア列39によって回転駆動され、下ローラ89は、変位手段によって上ローラ88に当接したときに、上ローラ88に従動回転する。
後処理装置32は、給紙用開口81から進入した転写紙が搬送ローラ対84により搬送される過程における、転写紙の後端が端揃え溝58に達した所定のタイミングで、下ローラ89が変位手段によって下方に変位され上ローラ88から離間するとともに、端揃えコロ86が、搖動駆動手段により下方に変位されて端揃え溝58内に進入し、また正逆駆動手段によって逆回転されて転写紙の後端を揃え溝58の下方壁に突き当てる。この動作が繰り返され、ステイプル綴じすべき最後の転写紙の後端が揃え溝58の下方壁に突き当たると、整合手段が転写紙の束を主走査方向において揃え、続いて進退駆動手段がステイプラ85を揃え溝58に進入させると、ステイプラ85が転写紙の束をステイプル綴じする。
ステイプル綴じが行われると、端揃えコロ86が正逆駆動手段によって正回転され、ステイプル綴じされた転写紙の束を離間している上ローラ88と下ローラ89との間に進入させ、かかる転写紙の束が上ローラ88と下ローラ89との間に進入すると、変位手段によって下ローラ89が上方に変位して上ローラ89との間で転写紙の束を挟持し、これによってステイプル綴じされた転写紙の束が排紙用開口82から排出される。シート検知センサが転写紙を検知しなくなると、次の転写紙を後処理装置32内に進入させることが可能な旨の信号が制御部に入力される。なお、整合手段が転写紙を主走査方向において揃える動作は、ステイプル綴じすべき最後の転写紙の後端が揃え溝58の下方壁に突き当たるタイミングでなく、適時行っても良い。
図7に示すように、後処理装置32は、同図における左右方向である主走査方向に延在し、駆動ギア列39によって回転駆動される軸91と、主走査方向に間隔をおいて軸91に固定配置された複数のコロ92と、軸91の一端を回動自在かつスライド不能に支持したスライド軸受93と、軸91の他端を回動自在かつスライド自在に支持した固定の軸受94と、スライド軸受93を主走査方向のうちの一方向に変位するソレノイド95と、スライド軸受93を主走査方向のうちの他の方向に付勢したバネ96とを有している。
後処理装置32はまた、筐体35の方向D2側に形成された図示しない給紙用開口と、筐体35の方向D1側に形成された図示しない排紙用開口と、給紙用開口と排紙用開口とを連通させた図示しないシート搬送経路とを有している。軸91およびコロ92は同図の紙面に垂直な方向に一対備えられ、その間に転写紙を挟んで方向D1に搬送するよう、駆動ギア列39によって互いに逆方向に回転駆動される。同図においては、同図の紙面手前側の軸91およびこれに固定配置されたコロ92のみが示されている。
後処理装置31は、給紙用開口から進入した転写紙が一対の軸91およびコロ92の回転によりシート搬送経路を搬送される過程の所定のタイミングで、ソート信号が入力されることでソレノイド95が作動して一対の軸91およびコロ92を主走査方向のうちの一方向に変位させ、これによって転写紙が同方向に変位した状態で排紙用開口から排出される。一対の軸91およびコロ92はソレノイド95の動作時のみ同方向に変位したソート位置を占める。
これにより、転写紙はその搬送過程でソレノイド95を動作させたもののみソート位置に対応する位置を占めるため、他の転写紙から区別されることとなり、仕分けが行われることとなる。なお、ソート位置は複数設けられていても良い。
中継ユニット41、後処理装置31、32、33が以上のような構成となっていることにより、本体99から中継ユニット41に受け渡された転写紙は、進行方向が方向D2から方向D1に反転され、切換爪48の位置に応じて、排紙トレイ24、25の何れかに排出され、排紙トレイ24に排出されるときには、後処理装置31、32、33を通過する過程で、捺印スタンプ、ステイプル綴じ、1ビンソートを適宜施される。
排紙トレイ24、25の何れに排出されるにせよ、転写紙は、画像形成装置100の手前側に排出されてくるので、取り出し易くなっている。また排紙トレイ25は後処理装置31、32、33の上面によって構成されているので、部品点数、大型化が抑制されている。
後処理部は、かかる後処理装置31、32、33に限らず、他の機能を有するもの、例えば穴あけパンチ機能を有するものを用意しても良く、必要に応じて、画像形成装置100に装着されるものであり、画像形成装置100に装着するにあたって、必要に応じて、機能の異なる複数のタイプあるいは何れか1つのタイプのものを選択する。よってユーザの要望に応じて後処理装置が選択され、複数の後処理を1台の画像形成装置100によって施すことも可能となっているので、利便性が高い。後処理装置31、32、33と異なるタイプの後処理部を準備する場合には、電装接続部34の配線番地は種類に対応する数が用意される。画像形成装置100は同時に4つ以上の後処理部が装着される構成であっても良い。
以上本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
たとえば、上述の形態では本体99と中継ユニット41と画像読み取り部23とが一体型であって分離不能となっているが、中継ユニット41をオプションとして画像形成装置100に着脱自在のシート反転装置としても良く、このようにすれば、転写紙の取り出し方向が、画像形成装置100の配置等に応じて設定されることとなる。なお、この場合、画像読み取り部23もオプションとなり得る。
中継ユニット41をオプションとするか否かによらず、本体99の内部構成によっては、中継ユニット41は、本体99の下方に設けても良く、この場合、後処理装置31、32、33等の後処理部も、本体99の下方に設けることとなる。
中継ユニット41は、上述の形態では転写紙を表裏反転する態様で転写紙の進行方向を反転させているが、いわゆるスイッチバックによる態様で転写紙の進行方向を反転させても良い。
転写紙は、画像形成部において、略コ字状に搬送されるのでなく、略S字状に搬送される構成であっても良い。このとき、給紙方向が画像形成装置前面側である場合には画像形成部における排紙方向も画像形成装置前面側となり、画像形成装置全体としては、シート反転部により画像形成装置背面側に排紙が行われることとなるが、このような構成は画像形成装置背面側で画像形成後の転写紙を取り出すことが望ましい場合に適している。
本発明は、いわゆるタンデム方式の画像形成装置ではなく、1つの感光体ドラム上に順次各色のトナー像を形成して各色トナー像を順次重ね合わせてカラー画像を得るいわゆる1ドラム方式の画像形成装置にも同様に適用することができる。また、カラー画像形成装置でなく、モノクロ画像形成装置にも適用することができる。いずれのタイプの画像形成装置でも、中間転写体はドラム状であってもよいし、中間転写体を用いず、各色のトナー像を転写紙等に直接転写しても良い。
画像形成装置は以上述べたいわゆる電子写真方式の画像形成装置に限らず、たとえばインクジェット方式のようなインキを用いる画像形成装置であってもよいし、孔版印刷装置等の印刷装置、これとファクシミリ等の複合機等であってもよい。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。