JP3583245B2 - トリガー式液体噴出器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はトリガー式液体噴出器に関する。
【0002】
【従来の技術】
トリガー式液体噴出器として、容器体口頚部に嵌合させた装着キャップと、該キャップ上方に嵌着固定するとともに、装着キャップ上端から起立した縦筒の中間部からシリンダを、その上部からは射出筒をそれぞれ前方へ突設してなるポンプ本体と、上記射出筒先端に嵌着させたノズルヘッドと、上記射出筒前部から揺動可能に垂設するとともに、上記シリンダ内に前方付勢状態で嵌合させたプランジャの先端部を押し込み可能に連携させたトリガーとを備え、該トリガーの操作により内蔵ポンプ機構の作用で容器体内の液を吸い上げてノズルヘッドの噴出口より噴出する如く構成したものが知られている。
【0003】
またこの種噴出器では、一般に、不用意なトリガーの操作による液の漏出、或いは商品陳列時における悪戯等の防止を図るために、射出筒前端に設けたノズル嵌合筒にノズルヘッドを回動可能に設けるとともに、両者間にノズルヘッドを回動させることにより液流路の連通が遮断され、元の状態に戻せば連通する開閉機構を設けている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した開閉機構を設けたものにあっても、トリガーはプランジャを介して液圧により押し込み不能に係止されているため、液流路閉塞状態のままで度々トリガーを引き寄せると、プランジャの若干の押し込みが可能となり、シリンダ内の異常な高圧化で吐出弁を通って、吐出弁下流の射出筒前方部分内に高圧液体が貯ることがあり、このようになるとノズルヘッドを液流路連通位置まで回したとき、その射出筒前方部分内に貯っていた高圧液体が、トリガー操作を行わなくてもノズル孔から噴出する不都合が生じたり、また、トリガーを強く引き寄せると、射出筒内の高圧化でノズルヘッドがノズル嵌合筒から外れる虞もあった。
【0005】
本発明は上記した点に鑑みなされたもので、不使用時等にトリガー操作を確実に防止して、上記した不都合を解消することができ、また、その構造も簡単で、取り扱いにも便利な優れたトリガー式液体噴出器を提案するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本請求項1発明の噴出器は上記課題を解決するため、容器体口頚部に嵌合させる装着キャップ4と、該キャップ上方に嵌着固定するとともに、装着キャップ上端から起立した縦筒5の中間部からシリンダ6を、その上部からは射出筒7をそれぞれ前方へ突設してなるポンプ本体8と、上記射出筒前部から揺動可能に垂設するとともに、上記シリンダ内に前方付勢状態で嵌合させたプランジャ11の先端部にその上部を連携させたトリガー12とを備え、該トリガーの操作により内蔵ポンプ機構の作用で容器体内の液を吸い上げて射出筒先端部の噴出口より噴出する如く構成したトリガー式液体噴出器に於いて、上記トリガーに摺動下降可能に嵌合させた基部Aより後方へ係止部Bを突設するとともに、該係止部の後面をシリンダ6前面に当接させてトリガーの引き込みを防止し、且つ、上記基部を摺動下降させた際に係止部B後面とシリンダ6前面との当接が外れてトリガーの引き込みを可能に構成した作動防止部材16を設けてなることを特徴とするトリガー式液体噴出器として構成した。
【0007】
また、請求項2発明の噴出器は、上記基部Aが、トリガー12前面より両側面を覆うカバー状をなすとともに、その前板部19裏面より突設した係合突条22をトリガー前壁12a 中央部に縦設した案内切り溝18に上下摺動可能且つ抜け出し不能に嵌合させた基部Aであり、上記係止部Bが、上記基部Aの両側板部20後面上部よりそれぞれ後方へ突出してその後面をシリンダ6前面下部に当接させた一対の縦板状の係止部Bである請求項1記載のトリガー式液体噴出器として構成した。
【0008】
また、請求項3発明の噴出器は、上記基部Aが、トリガー12後面に開口した縦長凹部Cの奥面に前面を当接させて摺動下降可能に嵌合させた前板24両側縁より後方へそれぞれ側板25,25を延設するとともに、各側板後端縁を凹部C内両側面後縁部にそれぞれ縦突設した係止突条26に摺動下降可能に係合させ、且つ、裏面中央部より後方へ指掛け用突起27を突設してなる基部Aであり、上記係止部Bが、前板24上部より後方へ突設してその後面をシリンダ前面下部に当接させた横板状の係止部Bである請求項1記載のトリガー式液体噴出器として構成した。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例の形態を図面を参照して説明する。
図面に示す如く、本発明のトリガー式液体噴出器1は、容器体2の口頚部3に嵌合させる装着キャップ4と、該キャップ上方に嵌着固定するとともに、装着キャップ上端から起立した縦筒5の中間部からシリンダ6を、その上部からは射出筒7をそれぞれ前方へ突設してなるポンプ本体8と、上記射出筒7先端に嵌着させたノズルヘッド9と、上記シリンダ内にコイルスプリング10により前方付勢させた状態で嵌合したプランジャ11と、上記射出筒7前部から揺動可能に垂設するとともに、プランジャ11の先端部にその上部を連携させたトリガー12とを備え、該トリガーの操作により内蔵ポンプ機構の作用で容器体内の液を吸い上げてノズルヘッド9の噴出口より噴出する如く構成している。
【0010】
上記ポンプ機構として、例えば、縦筒5下端に容器体内へ垂下させるパイプ13を嵌着し、また、縦筒5とシリンダ6内を連通するとともに、縦筒5と射出筒7を連通させてパイプ13より射出筒5に至る液流路を形成し、シリンダの上流には吸い込み弁14を、その下流には吐出弁15をそれぞれ備え、上記プランジャ11の押し込みにより加圧されたシリンダ6内の液が吐出弁15を開いて射出筒7を通りノズルヘッド9の噴出口より噴出するとともに、プランジャ11の前方移行の際にはシリンダ6内の負圧化により吐出弁15が閉じ、吸い込み弁14が開いて容器体内の液をパイプ13を介してシリンダ6内に導入する如く構成した公知機構のものが採用される。
【0011】
尚、本実施例では、ノズルヘッド前面を開閉自在に閉塞する蓋板を設けている。また、上記ノズルヘッド9を射出筒7先端のノズル嵌合筒に回動可能に設けるとともに、ノズル嵌合筒及びノズルヘッド間にノズルヘッドを回動させることにより液流路の連通が遮断され、元の状態に戻せば連通する公知の開閉機構を設けているが、単にノズルヘッドを固定したものであっても良い。また、上記噴出器の各部材は主として合成樹脂により形成することが出来、必要に応じてエラストマー,金属等を併用することが出来るものである。
【0012】
本発明はこの種噴出器に於いて、特殊構成の作動防止部材16を設けている。
この作動防止部材16は、上記トリガー12に摺動下降可能に嵌合させた基部Aより後方へ係止部Bを突設するとともに、該係止部の後面をシリンダ6前面に当接させてトリガーの引き込みを防止し、且つ、上記基部を摺動下降させた際に係止部B後面とシリンダ6前面との当接が外れてトリガーの引き込みを可能に構成している。
【0013】
この様な作動防止部材16を設けることにより、無理にトリガー12を引いても、上記係止部B後面がシリンダ6前面に当接係止されているため、プランジャ11を押圧する部分には力が及ばず、従来の様なプランジャの僅かな後方移行を生じることはなく、従って、液流路の内圧が高くなることもない様に構成している。
【0014】
図1に示す実施例では、上記トリガー12を、前壁12a の両側縁より後方へ両側壁12b ,12b を延設するとともに、下端縁より方向へ底壁12c を延設した後面開口の中空棒状に形成し、前壁12a 裏面上部より後方へ突出した押圧突起17の先端をプランジャ11の先端中央部に当接させて押し込み可能に構成している。また、前壁12a の上部中央には所定長さの案内切り溝18を穿設している。
【0015】
また、本実施例に於いて上記基部Aは、前板部19両側縁より後方へそれぞれ側板部20,20を延設するとともに、下端縁より後方へ底板部21を延設して、トリガー12前面より両側面及び下面を覆うカバー状に形成しており、その前板部19裏面より突設した係合突条22を上記案内切り溝18に上下摺動可能且つ抜け出し不能に嵌合させて構成している。本実施例では、図2に示す如く、横断面T字状に形成された係合突条22を案内切り溝18前方より強制的に挿入して、その先端左右突出部分を案内切り溝18両側のトリガー前壁裏面に係合させて抜け出しの防止を図っている。
【0016】
また、係止部Bは、上記基部Aの両側板部20後面上部よりそれぞれ縦板状突起23を後方へ突出してその後面をシリンダ6前面下部に当接させて構成している。
【0017】
そして、使用時には基部Aを摺動下降させると、係止部Bも下方へ移行して図1の2点鎖線で示す如く、その後面のシリンダ前面との当接が外れ、トリガーの引き込みが可能となる。
【0018】
また、図3に示す実施例では、上記基部Aを、トリガー12後面に開口した縦長凹部Cの奥面に前面を当接させて摺動下降可能に嵌合させた前板24両側縁より後方へそれぞれ側板25,25を延設するとともに、各側板後端縁を凹部C内両側面後縁部にそれぞれ縦突設した係止突条26に摺動下降可能に係合させて構成しており、また、前板24裏面中央部より後方へ指掛け用突起27を突設している。上記凹部Cは、図1の実施例に於けるトリガー前壁12a ,トリガー両側壁12b ,12b 及びトリガー底壁12c により画成している。
【0019】
また、上記係止部Bは、前板24上部より後方へ横板状突起28を突設してその後面をシリンダ前面下部に当接させたて構成しており、本実施例では突起後縁より垂壁29を垂設して当接面を広く構成している。
【0020】
尚、上記各実施例に於ける作動防止部材16は、合成樹脂により一体に形成することが可能である。
【0021】
【発明の効果】
以上説明した如く本発明トリガー式液体噴出器は、既述構成としたことにより、特に、トリガーに摺動下降可能に嵌合させた基部Aより後方へ係止部Bを突設するとともに、該係止部の後面をシリンダ6前面に当接させてトリガーの引き込みを防止し、且つ、上記基部を摺動下降させた際に係止部B後面とシリンダ6前面との当接が外れてトリガーの引き込みを可能に構成した作動防止部材16を設けたので、運搬保管時の不用意なトリガーの誤動作或いは悪戯等があっても、ポンプ内の液圧が上がって、様々な不都合を発生するということがなく、しかも、その構造は簡単で容易に製造することができ、また、使用に当たってもスライド下降させるだけであるため容易に行えるという利点を兼ね備えたものである。
【0022】
また、上記基部Aが、トリガー12前面より両側面を覆うカバー状をなすとともに、その前板部19裏面より突設した係合突条22をトリガー前壁12a 中央部に縦設した案内切り溝18に上下摺動可能且つ抜け出し不能に嵌合させた基部Aであり、上記係止部Bが、上記基部Aの両側板部20後面上部よりそれぞれ後方へ突出してその後面をシリンダ6前面下部に当接させた一対の縦板状の係止部Bである如く構成したものにあっては、作動防止部材16を設けても従来品と比較して特別大きな構造の変化はなく、しかも、使用の際には作動防止部材の基部がトリガーの一部を兼ねることもでき、トリガーの長さを比較的短く構成することも可能となる。また、トリガーへの装着も前方からの嵌着により行えるため、容易に取り付けることができる。
【0023】
また、上記基部Aが、トリガー12後面に開口した縦長凹部Cの奥面に前面を当接させて摺動下降可能に嵌合させた前板24両側縁より後方へそれぞれ側板25,25を延設するとともに、各側板後端縁を凹部C内両側面後縁部にそれぞれ縦突設した係止突条26に摺動下降可能に係合させ、且つ、裏面中央部より後方へ指掛け用突起27を突設してなる基部Aであり、上記係止部Bが、前板24上部より後方へ突設してその後面をシリンダ前面下部に当接させた横板状の係止部Bである如く構成したものにあっては、作動防止部材が殆ど露出せずに装着でき、従来品と変わらぬ外観を呈するとともに、その構造も極めて簡単であるため、製造,取り付けともに容易に行える利点を兼ね備えている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明トリガー式液体噴出器の一実施例を示す縦断面図である。
【図2】同実施例の作動防止部材の横断面図である。
【図3】本発明トリガー式液体噴出器の他の実施例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
2…容器体,3…口頚部,4…装着キャップ,5…縦筒,6…シリンダ,
7…射出筒,8…ポンプ本体,11…プランジャ,12…トリガー,
12a …トリガー前壁,16…作動防止部材,18…案内切り溝,19…前板部,
20…側板部,22…係合突条,24…前板,25…側板,26…係止突条,
27…指掛け用突起,A…基部,B…係止部,C…凹部

Claims (3)

  1. 容器体口頚部に嵌合させる装着キャップ4と、該キャップ上方に嵌着固定するとともに、装着キャップ上端から起立した縦筒5の中間部からシリンダ6を、その上部からは射出筒7をそれぞれ前方へ突設してなるポンプ本体8と、上記射出筒前部から揺動可能に垂設するとともに、上記シリンダ内に前方付勢状態で嵌合させたプランジャ11の先端部にその上部を連携させたトリガー12とを備え、該トリガーの操作により内蔵ポンプ機構の作用で容器体内の液を吸い上げて射出筒先端部の噴出口より噴出する如く構成したトリガー式液体噴出器に於いて、上記トリガーに摺動下降可能に嵌合させた基部Aより後方へ係止部Bを突設するとともに、該係止部の後面をシリンダ6前面に当接させてトリガーの引き込みを防止し、且つ、上記基部を摺動下降させた際に係止部B後面とシリンダ6前面との当接が外れてトリガーの引き込みを可能に構成した作動防止部材16を設けてなることを特徴とするトリガー式液体噴出器。
  2. 上記基部Aが、トリガー12前面より両側面を覆うカバー状をなすとともに、その前板部19裏面より突設した係合突条22をトリガー前壁12a 中央部に縦設した案内切り溝18に上下摺動可能且つ抜け出し不能に嵌合させた基部Aであり、上記係止部Bが、上記基部Aの両側板部20後面上部よりそれぞれ後方へ突出してその後面をシリンダ6前面下部に当接させた一対の縦板状の係止部Bである請求項1記載のトリガー式液体噴出器。
  3. 上記基部Aが、トリガー12後面に開口した縦長凹部Cの奥面に前面を当接させて摺動下降可能に嵌合させた前板24両側縁より後方へそれぞれ側板25,25を延設するとともに、各側板後端縁を凹部C内両側面後縁部にそれぞれ縦突設した係止突条26に摺動下降可能に係合させ、且つ、裏面中央部より後方へ指掛け用突起27を突設してなる基部Aであり、上記係止部Bが、前板24上部より後方へ突設してその後面をシリンダ前面下部に当接させた横板状の係止部Bである請求項1記載のトリガー式液体噴出器。
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