JP3730029B2 - トリガー式液体噴出容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はトリガー式の液体噴出容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、実開平6−31854号が示すように、容器体口頸部へ嵌合させた装着筒内から主筒を起立し、該主筒前面からシリンダを、かつ主筒上端から射出筒を、それぞれ前方突出し、又射出筒前部に枢着させて垂設したトリガーの上方後部に、上記シリンダ内へ嵌合させたプランジャ前端部を連結し、かつトリガーを前方付勢させ、トリガーの前後方向揺動で容器体内液体をシリンダ内へ吸込み、かつ該シリンダ内液体を射出筒前端から噴出可能に設けたトリガー式の液体噴出容器が知られている。
【0003】
また、実開昭62−187665号が示すように、上記射出筒前端部へ回動可能に液体噴出孔を有するノズルキャップを嵌合させ、これら嵌合部分に射出筒に対するノズルキャップの回動で射出筒が有する射出筒孔と液体噴出孔とを連通させ、また遮断させることが自在な液体通路開閉機構を設けることも知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記前者の公知例にあっては、不用意にトリガーを引寄せても射出筒前端から液体を噴出するから、このような不用意な液体噴出を防止するための安全装置を設けることが望まれ、また後者公知例はそのような安全装置として設けられたが、該後者公知例にあってもその安全装置を施した状態でトリガーを無理に引寄せると、僅かにトリガーおよびプランジャが後退、前進することで容器体内液体が吸込まれ、その結果吸込み弁から上記射出筒前部とノズルキャップとが形成する液体通路開閉機構までの液体流入部分内へ過剰に液体が流入することとなり、該状態からノズルキャップを回して上記開閉機構を開くと、上記過剰に充填されていた液体が液体噴出孔から噴出するおそれがあった。
本発明はトリガー操作を不能とする安全装置を設けることで、上記のような不用意な液体噴出を防止できるよう設けたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
第1の手段として、容器体口頸部へ嵌合させた装着筒1内から主筒2を起立し、該主筒前面からシリンダ3を、かつ主筒上端から射出筒4を、それぞれ前方突設し、又射出筒前部に枢着させて垂設したトリガー5の上方後部に、シリンダ内へ嵌合させたプランジャ6前端部を連結し、かつトリガーを前方付勢させ、更に射出筒前端部へ回動可能に液体噴出部を有するノズルキャップ7を嵌合させ、これら嵌合部に、射出筒に対するノズルキャップの回動で、射出筒が有する射出筒孔と液体噴出部とを連通させ、又遮断させることが自在な液体通路開閉機構を設け、トリガー5の前後方向揺動で容器体内液体をシリンダ3内へ吸込み、かつ該シリンダ内液体を射出筒前端から噴出可能に設けたトリガー式液体噴出器において、
上記トリガー5を前壁8の左右から側壁9を後方突出して両側壁間後面を後壁10で閉塞する横断面四角形状に形成し、かつ後壁の上下両端部を切除してトリガー後面に第1開口部11と、該第1開口部よりも下方に位置する第2開口部12とを形成し、
上記トリガー5の第1、第2開口部間の四角形状空間へ上下動自在に嵌合させた摺動板13の上端部後面から第1開口部11を介してロック板14を後方突設すると共に、下端部後面から第2開口部12内へ位置させて指掛け突部15を突設してロック部材16を形成し、かつ左右方向の一方を正方向に、かつ他方を反方向に定めて、ロック板14の正方向側面を反方向斜め下へ傾斜させて第1傾斜面17に形成し、
上記ノズルキャップ7下部から垂下部18を介して後方突出部19を後方突設し、該後方突出部の後部反方向側面から係合部20をトリガー5上部とシリンダ3との間へ反方向へ突設して回動アーム21を形成し、かつ係合部20の反方向端面を回動アーム21の反方向への回動で上記第1傾斜面17へ押付け係合可能な第2傾斜面22に形成し、
上記ロック部材16は、上記液体通路開閉機構が閉塞される位置へのノズルキャップ7の回動で、第2傾斜面22を第1傾斜面17へ押付け係合させることによりロック板14を上昇させてその後端部をシリンダ3前端部へ係合させることによりトリガー後方への引寄せを不能にする係合位置と、上記液体通路開閉機構が開放される位置へのノズルキャップ7の回動で、第2傾斜面22を第1傾斜面17から正方向へ離脱させることによりロック板14を下降させてその後端部をシリンダ前端部から下方へ離脱させることによりトリガー後方への引寄せを可能にする非係合位置とを有する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るトリガー式液体噴出容器の実施形態を図面を参照しながら説明する。
まず、公知のトリガー式液体噴出容器について簡単に説明すると、図示しない容器体口頸部へ嵌合させた装着筒1内から主筒2を起立し、該主筒前面からシリンダ3を、かつ主筒2上端から射出筒4を、それぞれ前方突設し、また射出筒前部に枢着させて垂設したトリガー5の上方後部に、シリンダ3内へ嵌合させたプランジャ6前端部を連結し、かつトリガー5を前方付勢させ、さらに射出筒4前端部へ回動可能に液体噴出部を有するノズルキャップ7を嵌合させ、これら嵌合部に、射出筒4に対するノズルキャップ7の回動で、射出筒4が有する射出筒孔と液体噴出部とを連通させ、また遮断させることが自在な液体通路開閉機構を設け、トリガー5の前後方向揺動で容器体内液体をシリンダ3内へ吸込み、かつ該シリンダ内液体を射出筒4前端から噴出可能に設けている。
なお、トリガー5は、シリンダ3に内装したプランジャ6付勢用のバネによりプランジャを介して前方付勢させるか、または主筒2等のトリガー5以外の部材に一端を取り付けたバネにより前方付勢させる。
【0007】
本発明では、トリガー5を、前壁8の左右から側壁9を後方突出して両側壁間後面を後壁10で閉塞する横断面矩形状に形成する。そして、後壁10の上下方向中間部を残して上下両端部を切除することによりトリガー後面に第1開口部11と、該第1開口部よりも下方に位置する第2開口部12とを形成する。
【0008】
また、トリガー5の矩形状空間へ上下動自在に嵌合させた摺動板13の上端部後面から第1開口部11を介してロック板14を後方突設すると共に、下端後面に第2開口部12内に位置して左右方向へ延びる上向き段部15を形成してロック部材16を形成し、かつロック板14の左側面を右斜め下へ傾斜させて第1傾斜面17に形成する。14aはロック板14の後端上部に形成した切欠きである。
【0009】
さらに、ノズルキャップ7下端部の左側面から板状の垂下部18を垂下し、該垂下部下端から板状の後方突出部19を後方突設し、該後方突出部の後部右側面から直方体状の係合部20をトリガー5上部とシリンダ3との間へ右方突設して回動アーム21を形成する。そして、係合部20の右端面を、図4に明示するように右斜め上へ傾斜させて、回動アーム21の右方向への回動時に第1傾斜面17へ押付け係合可能な第2傾斜面22に形成する。
【0010】
次に本実施形態の作用について説明する。
図1及び図2はロック部材16がシリンダ3に係合していない非係合位置の状態を示すもので、この非係合位置ではトリガー5の後方への引寄せが可能で、かつ図示しない液体通路開閉機構はノズルキャップ7の液体噴出部と射出筒4の射出筒孔とを連通させているため、トリガー5を引き寄せるとノズルキャップ7から液体が噴出する。
【0011】
噴出後、子供の悪戯等によるトリガー引寄せを防止するには、回動アーム21を図2において時計方向へ回動させればよく、すると第2傾斜面22が第1傾斜面17へ係合してロック板14を上昇させる。ロック板14は図3及び図4に示すように、上昇によりその後端の切欠き14aをシリンダ3の前下端へ係合させる。これによりトリガー5の後方への引寄せが不能になり、液体を噴出させることができない。
【0012】
一方、ノズルキャップ7の時計方向への回動で液体通路開閉機構が射出筒4の射出筒孔とノズルキャップ7の液体噴出部とを遮断させるようにしておけば、回動アーム21の時計方向への回動でノズルキャップ7も同方向へ回動するため射出筒孔と液体噴出部とが自動的に遮断される。
しかし、この場合でもトリガー5を僅かではあるが前後へ揺動させることも不可能ではなく、仮にこの液体通路開閉機構による遮断状態でトリガー5を揺動させると、主筒2に設けた図示しない吸込み弁から液体通路開閉機構までの液体流入部分内へ過剰に液体が流入する過剰充填が生ずる。ここでノズルキャップ7を回動して液体通路開閉機構を開にすると、トリガー5を引き寄せなくとも液体が噴出するという不具合が生ずるが、上記ロック部材16によりトリガー5を引寄せ不能にしておけばこのような事態を未然に防止することができる。
【0013】
液体を噴出させるには、回動アーム21を上記と反対方向へ回動させて第2傾斜面22を第1傾斜面17から左方へ離脱させればよく、すると摺動板13が下方へ摺動してロック板14が下降し、その後端部が図1及び図2に示すようにシリンダ3前端部から下方へ離脱するためトリガー5の引寄せが可能になる。
なお、上記では回動アーム21を回動させることによりロック板14を昇降させているが、これに限らずノズルキャップ7を回動させることにより回動アーム21を回動させるようにしてもよい。
【0014】
【発明の効果】
請求項1記載のトリガー式液体噴出容器は、ノズルキャップに回動アームを設け、これに形成した第2傾斜面を回動アームの回動でロック部材の第1傾斜面へ係合させることでロック板を上昇させてその後端部をシリンダへ係合させると共に、この回動アームの回動でノズルキャップが同方向へ回動して液体通路開閉機構を閉にするため、液体通路開閉機構による液体噴出孔と射出筒孔との遮断と同時に自動的にトリガーの後方引寄せを不能にすることができ、このため液体通路開閉機構を閉にした後はトリガーを揺動させることができず、このため吸込み弁から液体通路開閉機構までの通路に液体が過剰に充填することがなく、従って、トリガーを引き寄せることなくノズルキャップを開方向へ回すだけで液体が噴出するといった事態が未然に防止されることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るトリガー式液体噴出容器のロック部材の非係合位置を示すもので、トリガー左側壁を切欠いて示す一部切欠左側面図。
【図2】同じく、図1の正面図。
【図3】同じく、ロック部材の係合位置を示す図1相当図。
【図4】同じく、図3の正面図。
【符号の説明】
1 装着筒
2 主筒
3 シリンダ
4 射出筒
5 トリガー
6 プランジャ
7 ノズルキャップ
8 前壁
9 側壁
10 後壁
11 第1開口部
12 第2開口部
13 摺動板
14 ロック板
15 指掛け突部
16 ロック部材
17 第1傾斜面
18 垂下部
19 後方突出部
20 係合部
21 回動アーム
22 第2傾斜面

Claims (1)

  1. 容器体口頸部へ嵌合させた装着筒1内から主筒2を起立し、該主筒前面からシリンダ3を、かつ主筒上端から射出筒4を、それぞれ前方突設し、又射出筒前部に枢着させて垂設したトリガー5の上方後部に、シリンダ内へ嵌合させたプランジャ6前端部を連結し、かつトリガーを前方付勢させ、更に射出筒前端部へ回動可能に液体噴出部を有するノズルキャップ7を嵌合させ、これら嵌合部に、射出筒に対するノズルキャップの回動で、射出筒が有する射出筒孔と液体噴出部とを連通させ、又遮断させることが自在な液体通路開閉機構を設け、トリガー5の前後方向揺動で容器体内液体をシリンダ3内へ吸込み、かつ該シリンダ内液体を射出筒前端から噴出可能に設けたトリガー式液体噴出器において、
    上記トリガー5を前壁8の左右から側壁9を後方突出して両側壁間後面を後壁10で閉塞する横断面四角形状に形成し、かつ後壁の上下両端部を切除してトリガー後面に第1開口部11と、該第1開口部よりも下方に位置する第2開口部12とを形成し、
    上記トリガー5の第1、第2開口部間の四角形状空間へ上下動自在に嵌合させた摺動板13の上端部後面から第1開口部11を介してロック板14を後方突設すると共に、下端部後面から第2開口部12内へ位置させて指掛け突部15を突設してロック部材16を形成し、かつ左右方向の一方を正方向に、かつ他方を反方向に定めて、ロック板14の正方向側面を反方向斜め下へ傾斜させて第1傾斜面17に形成し、
    上記ノズルキャップ7下部から垂下部18を介して後方突出部19を後方突設し、該後方突出部の後部反方向側面から係合部20をトリガー5上部とシリンダ3との間へ反方向へ突設して回動アーム21を形成し、かつ係合部20の反方向端面を回動アーム21の反方向への回動で上記第1傾斜面17へ押付け係合可能な第2傾斜面22に形成し、
    上記ロック部材16は、上記液体通路開閉機構が閉塞される位置へのノズルキャップ7の回動で、第2傾斜面22を第1傾斜面17へ押付け係合させることによりロック板14を上昇させてその後端部をシリンダ3前端部へ係合させることによりトリガー後方への引寄せを不能にする係合位置と、上記液体通路開閉機構が開放される位置へのノズルキャップ7の回動で、第2傾斜面22を第1傾斜面17から正方向へ離脱させることによりロック板14を下降させてその後端部をシリンダ前端部から下方へ離脱させることによりトリガー後方への引寄せを可能にする非係合位置とを有する、
    ことを特徴とするトリガー式液体噴出容器。
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