JP3780440B2 - トリガー式液体噴出ポンプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はトリガー式液体噴出ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
トリガー式液体噴出ポンプとして、例えば、容器体口頚部に嵌合させた装着キャップと、該キャップ上方に嵌着固定するとともに、装着キャップ上端から起立した縦筒の中間部からシリンダを、その上部からは射出筒をそれぞれ前方へ突出してなるポンプ本体と、射出筒先端に嵌着させた噴出ヘッドと、射出筒前部から揺動可能に垂設するとともに、シリンダ内に前方付勢状態で嵌合させたプランジャの先端部を押し込み可能に連係させたトリガーとを備え、該トリガーの操作により内蔵ポンプ機構の作用で容器体内の液を吸い上げてヘッドの噴出口より噴出する如く構成したものが知られている。
また、この種の噴出ポンプでは、一般に、不用意なトリガーの操作による液の漏出、或いは商品陳列時に於ける悪戯の防止を図るために、射出筒前端に設けたノズル嵌合筒に噴出ヘッドを回動可能に設けるとともに、両者間に噴出ヘッドを回動させることにより液流路の連通が遮断され、元の状態に戻せば連通する開閉機構を設けている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した開閉機構を設けたものにあっては、トリガーはプランジャを介して液圧により押し込み不能に係止されているため、液流路閉塞状態のままで度々トリガーを引き寄せると、プランジャの若干の押し込みが可能となり、シリンダ内の異常な高圧化で吐出弁を通って、吐出弁下流の射出筒前方部分内に高圧液体が溜まることがある。このようになると噴出ヘッドを液流路連通位置まで回した時、その射出筒前方部分内に溜まっていた高圧液体が、トリガー操作を行わなくてもノズル孔から噴出する不都合が生じたり、また、トリガーを強く引き寄せると、射出筒内の高圧化で噴出ヘッドがノズル嵌合筒から外れる虞もあった。
本発明は上記した点に鑑みなされたもので、不使用時等にトリガー操作を確実に防止して上記した不都合を解消することが出来、また、使用時には取り扱いが便利であり、その構造も簡単な優れたトリガー式液体噴出ポンプを提案するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本請求項1発明のポンプは上記課題を解決するため、容器体2の口頚部3に嵌合させる装着キャップ4と、装着キャップ上端から起立した縦筒5の中間部からシリンダ6を、その上部から射出筒7をそれぞれ前方へ突設してなるポンプ本体8と、ポンプ本体上面及び両側面及び後面を被覆して設けたカバー9と、射出筒7先端に連結した噴出口10付きの噴出ヘッド11と、射出筒7前部より揺動可能に垂設したトリガー12とを備え、トリガーの操作により内蔵ポンプ機構の作用で容器体内の液を吸い上げて噴出口10より噴出する如く構成したトリガー式液体噴出ポンプに於いて、噴出ヘッド11周囲に嵌着させた筒状部30外周よりトリガー前面及び一側面を被覆するスカート部32を延設するとともに、トリガー一側面を被覆する側のスカート部の後縁より後方へ延設した嵌合板部33を、カバーの側壁部9aに凹設した凹部34に嵌合させてなる係止部材Aを、トリガーの引き込み可能状態への回動が可能に設けてなることを特徴とするトリガー式液体噴出ポンプとして構成した。
【0005】
また、請求項2発明のポンプは、噴出ヘッド11の回動により噴出口10の開閉を行う如く構成した開閉機構を備えるとともに、係止部材Aの回動と共に噴出ヘッドが回動し、且つ、噴出口10を閉じた状態で嵌合板部33が凹部34内に嵌合係止される如く構成してなる請求項1記載のトリガー式液体噴出ポンプとして構成した。
【0006】
また、請求項3発明のポンプは、容器体2の口頚部3に嵌合させる装着キャップ4と、装着キャップ上端から起立した縦筒5の中間部からシリンダ6を、その上部から射出筒7をそれぞれ前方へ突設してなるポンプ本体8と、ポンプ本体上面及び両側面及び後面を被覆して設けたカバー9と、射出筒7先端に左右方向の回動が可能に連結した噴出口10付きの噴出ヘッド11と、射出筒7前部より揺動可能に垂設したトリガー12とを備え、トリガーの操作により内蔵ポンプ機構の作用で容器体内の液を吸い上げて噴出口10より噴出する如く構成したトリガー式液体噴出ポンプに於いて、噴出ヘッド11の外周壁29よりトリガー前面及び一側面を被覆するスカート部32を延設するとともに、トリガー一側面を被覆する側のスカート部の後縁より後方へ延設した嵌合板部33を、カバーの側壁部9aに凹設した凹部34に嵌合させてなる係止部材Bを、トリガーの引き込み可能状態への回動が可能に設けてなるトリガー式液体噴出ポンプとして構成した。
【0007】
また、請求項4発明のポンプは、噴出ヘッド11の回動により噴出口10の開閉を行う如く構成した開閉機構を備えるとともに、噴出口10を閉じた状態で嵌合板部33が凹部34内に嵌合係止される如く構成してなる請求項3記載のトリガー式液体噴出ポンプとして構成した。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例の形態を図面を参照して説明する。
本発明のトリガー式液体噴出ポンプ1は、容器体2の口頚部3に嵌合させる装着キャップ4と、装着キャップ上端から起立した縦筒5の中間部からシリンダ6を、その上部から射出筒7をそれぞれ前方へ突出してなるポンプ本体8と、ポンプ本体上面及び両側面及び後面を被覆して設けたカバー9と、射出筒7先端に連結した噴出口10付きの噴出ヘッド11と、射出筒7前部より揺動可能に垂設したトリガー12とを備え、トリガーの操作による内蔵ポンプ機構の作用で容器体内の液を吸い上げて噴出口10より噴出する如く構成した公知のポンプ機構を備えたものである。
【0009】
図示例により内蔵ポンプ機構の一例を説明すると、シリンダ内にコイルスプリング13により前方付勢させて押し込み可能に嵌合させたプランジャ14を設け、該プランジャの先端をトリガー上部に連係させ、また、縦筒5内下部に吸い込み弁15を、上部に吐出弁16をそれぞれ設け、吸い込み弁15下流の縦筒5内とシリンダ6内とを連通させるとともに、吐出弁16下流の縦筒5内と射出筒7内とを連通させている。尚、図中17はパイプを示す。
また、図示例に於けるトリガー12は、前板12a 両側より後方へ側板12b をそれぞれ延設し、各側板12b の上端は前板12a より上方へ突設しており、その突出部分両側をカバーの側壁部9a内面に各々枢着している。更に、トリガー12は、枢着部下方をコイルスプリング13によりプランジャ14を介して前方へ付勢された状態で係止されている。
【0010】
本実施例に於ける噴出ヘッド11は、左右方向へ回動させることにより噴出口10の開閉を行える開閉機構を備えている。
図示例では連結筒部材18を介して射出筒7先端に噴出ヘッド11を回動可能に連結している。連結筒部材18は、射出筒7外周先端部に密嵌させた後部嵌合筒19を後面より突設して射出筒7前面に垂直仕切板20を密接させ、垂直仕切板20の前面より射出筒と中心を下方へ異にする大径の前部嵌合筒21を突設し、この前部嵌合筒中央に横円柱状の軸柱22を突設している。また、垂直仕切板20に穿設した透孔23を介して射出筒7内と前部嵌合筒21内とを連結している。
【0011】
噴出ヘッド11は、前部嵌合筒21外周に回動可能に嵌合させた外部嵌合筒24を前板25の裏面周縁部より突設し、その内周に突設した内部嵌合筒26を軸柱22外周に液密且つ回動可能に嵌合させている。そして、軸柱22の外周前端部に穿設した前後方向に延びる凹溝27と、内部嵌合筒26内周先端部に穿設した前後方向に延びる凹溝28とを連通させることにより、射出筒7内と噴出口10とを連通する如く構成した公知の開閉機構を備えている。
また、外部嵌合筒24外周前部に内周前部を連結した三角筒状の外周壁29を延設しており、上面が水平面にある時に噴出口が遮断され、120°回動状態で噴出可能となる如く構成している。従って、図1の状態では、噴出口10と射出筒7内とが非連通の状態である。
【0012】
本発明では、上記したこの種の噴出ポンプに於いて、トリガーの不用意な引き寄せの防止、陳列時の悪戯の防止等を図る目的で係止部材Aを設けている。
係止部材Aは、噴出ヘッド11周囲に嵌着させた筒状部30外周下部よりトリガー前面及び一側面を被覆するスカート部32を延設するとともに、トリガー側面を被覆する側のスカート部の後縁上部より後方へ延設した嵌合板部33を、カバーの側壁部9a前部に凹設した凹部34に嵌合させており、また、トリガーの引き込み可能状態への回動が可能に設けている。
【0013】
筒状部30は、噴出ヘッド11が回動可能のものである場合と回動不能である場合とによりその取り付け機構を変える。噴出ヘッドが回動可能である場合には、噴出ヘッド11と共に回動させるために、相互に回動しないように嵌合させる必要があり、その形状は噴出ヘッド11外周に嵌合する形状であれば採用できる。噴出ヘッドが円筒状のものである場合には、互いに回動しない様な係合手段を設ければ良い。また、噴出ヘッドが回動不能である場合には、噴出ヘッド周囲に回動可能に装着すれば良い。
【0014】
図示例では、噴出ヘッド外周壁29外周に嵌合する三角筒状をなし、前端縁より内方へ前壁31を延設し、その内周縁を外部嵌合筒24前端外周に嵌合させている。スカート部32は、主として不使用時のトリガーへの指掛けを防止させるもので、係止部材Aが左右方向一方への回動ができる様に、少なくとも一方のトリガー側面部分を被覆しない様に構成している。トリガー一側面の被覆は何方でも良い。図示例では、トリガーの向かって左側面を除いた部分を被覆している。
【0015】
嵌合板部33は、カバーの凹部34に嵌合させて、スカート部32の後方への引き込み、ひいてはトリガーの引き込みを確実に防止するものであり、また、使用後に係止部材Aを元の状態に簡単に回動係止させることができるものである。
また、本実施例では、上記した如く、噴出ヘッド11の回動により噴出口の開閉を行う如く構成した開閉機構を備えるとともに、噴出ヘッドの回動と共に係止部材Aが回動し、且つ、噴出口を閉じた状態で嵌合板部33が凹部34内に嵌合係止される如く構成している。従って、トリガー12の引き込み防止と、噴出口の遮断の二重のロック構造となっている。
【0016】
上記の如く構成したポンプを使用する場合に付いて説明すると、図1に示す状態では噴出口10は遮断され、トリガー12の引き込みも不能で、液の噴出は不可能である。この状態から係止部材Aを約120°上方へ回動させると、ヘッドの開閉機構を開いて噴出口10が開くとともに、トリガー12が露出してその引き込みが可能な状態となる。次いでトリガー12を引くことにより容器体内の液体を噴出することが出来る。使用後は再び係止部材Aを元の状態に回動させれば良い。
【0017】
図5は本発明の他の実施例を示すもので、噴出ヘッド11の外周壁29下部よりトリガー前面及び一側面を被覆するスカート部32を延設するとともに、トリガー一側面を被覆する側のスカート部の後縁より後方へ延設した嵌合板部33を、カバーの側壁部9aに凹設した凹部34に嵌合させてなる係止部材Bを、トリガーの引き込み可能状態への回動が可能に設けている。その他の構造は上記実施例と同様であるため、同符号を附して説明を省く。
尚、上記各部材は主として合成樹脂により形成し、必要に応じてエラストマー,金属等を併用することも可能である。
【0018】
【発明の効果】
以上説明した如く本発明噴出ポンプは、既述構成としたことにより、不使用時には、係止部材によりトリガーの引き込みを確実に防止できて、ポンプ内の異常な高圧化を防止でき、不用意な液の漏出を防止できるとともに、噴出ヘッドが外れる等の不都合を生じることもない。また、使用時には係止部材を回動させるだけで液の噴出が可能となり、取り扱いも極めて便利である。しかも係止部材は合成樹脂の一体成形品として形成でき、またその取り付けも、従来のこの種のポンプに凹部を形成したものに前方より嵌着するだけでよく、製造も容易で安価に形成出来る利点を兼ね備えている。
【0019】
また、請求項2記載の噴出ポンプでは、トリガーの引き込み防止と、噴出口の遮断との二重ロックを行えるため、より確実に液の漏出を防止でき、しかも、それらを係止部材を回動させることにより一遍に行える便利もある。
【0020】
また、請求項3記載の噴出ポンプでは、請求項1発明のポンプと同様に、不使用時には、係止部材によりトリガーの引き込みを確実に防止できて、ポンプ内の異常な高圧化を防止でき、不用意な液の漏出を防止できるとともに、噴出ヘッドが外れる等の不都合を生じることもない。また、使用時には係止部材を回動させるだけで液の噴出が可能となり、取り扱いも極めて便利である。しかも係止部材は噴出ヘッドを含んで合成樹脂の一体成形品として形成できる便利もある。
【0021】
また、請求項4記載の噴出ポンプでは、請求項3記載のポンプに於いて、請求項2記載のポンプと同様に、トリガーの引き込み防止と、噴出口の遮断との二重ロックを行え、それらを係止部材を回動させることにより一遍に行えるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す縦断面図である。
【図2】同実施例の正面図である。
【図3】同実施例の斜視図である。
【図4】同実施例のトリガー引き込み可能状態を示す斜視図である。
【図5】本発明の他の実施例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
2…容器体,3…口頚部,4…装着キャップ,5…縦筒,6…シリンダ,
7…射出筒,8…ポンプ本体,9…カバー,10…噴出口,11…噴出ヘッド,
12…トリガー,30…筒状部,32…スカート部,33…嵌合板部,34…凹部,
A,B…係止部材
Claims (4)
- 容器体2の口頚部3に嵌合させる装着キャップ4と、装着キャップ上端から起立した縦筒5の中間部からシリンダ6を、その上部から射出筒7をそれぞれ前方へ突設してなるポンプ本体8と、ポンプ本体上面及び両側面及び後面を被覆して設けたカバー9と、射出筒7先端に連結した噴出口10付きの噴出ヘッド11と、射出筒7前部より揺動可能に垂設したトリガー12とを備え、トリガーの操作により内蔵ポンプ機構の作用で容器体内の液を吸い上げて噴出口10より噴出する如く構成したトリガー式液体噴出ポンプに於いて、噴出ヘッド11周囲に嵌着させた筒状部30外周よりトリガー前面及び一側面を被覆するスカート部32を延設するとともに、トリガー一側面を被覆する側のスカート部の後縁より後方へ延設した嵌合板部33を、カバーの側壁部9aに凹設した凹部34に嵌合させてなる係止部材Aを、トリガーの引き込み可能状態への回動が可能に設けてなることを特徴とするトリガー式液体噴出ポンプ。
- 噴出ヘッド11の回動により噴出口10の開閉を行う如く構成した開閉機構を備えるとともに、係止部材Aの回動と共に噴出ヘッドが回動し、且つ、噴出口10を閉じた状態で嵌合板部33が凹部34内に嵌合係止される如く構成してなる請求項1記載のトリガー式液体噴出ポンプ。
- 容器体2の口頚部3に嵌合させる装着キャップ4と、装着キャップ上端から起立した縦筒5の中間部からシリンダ6を、その上部から射出筒7をそれぞれ前方へ突設してなるポンプ本体8と、ポンプ本体上面及び両側面及び後面を被覆して設けたカバー9と、射出筒7先端に左右方向の回動が可能に連結した噴出口10付きの噴出ヘッド11と、射出筒7前部より揺動可能に垂設したトリガー12とを備え、トリガーの操作により内蔵ポンプ機構の作用で容器体内の液を吸い上げて噴出口10より噴出する如く構成したトリガー式液体噴出ポンプに於いて、噴出ヘッド11の外周壁29よりトリガー前面及び一側面を被覆するスカート部32を延設するとともに、トリガー一側面を被覆する側のスカート部の後縁より後方へ延設した嵌合板部33を、カバーの側壁部9aに凹設した凹部34に嵌合させてなる係止部材Bを、トリガーの引き込み可能状態への回動が可能に設けてなるトリガー式液体噴出ポンプ。
- 噴出ヘッド11の回動により噴出口10の開閉を行う如く構成した開閉機構を備えるとともに、噴出口10を閉じた状態で嵌合板部33が凹部34内に嵌合係止される如く構成してなる請求項3記載のトリガー式液体噴出ポンプ。
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