JP3730018B2 - トリガー式液体噴出ポンプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はトリガー式液体噴出ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
トリガー式液体噴出ポンプとして、例えば、容器体口頚部に嵌合させる装着キャップと、該キャップ上方に嵌着固定するとともに、装着キャップ上端から起立した縦筒の中間部からシリンダを、その上部からは射出筒をそれぞれ前方へ突出してなるポンプ本体と、射出筒先端に嵌着させたノズルキャップと、射出筒前部位置から揺動可能に垂設するとともに、シリンダ内に前方付勢状態で嵌合させたプランジャの先端部を押し込み可能に連結させたトリガーとを備え、該トリガーの操作により内蔵ポンプ機構の作用で容器体内の液を吸い上げてノズルキャップの噴出孔より噴出する如く構成したものが知られている(例えば、実開平6−31854号)。
【0003】
また、この種噴出ポンプでは、一般に、不用意なトリガーの操作による液の漏出、或いは商品陳列時に於ける悪戯の防止を図るために、上記ノズルキャップを回動可能に設けるとともに、該キャップ嵌合部分にキャップを回動させることにより液流路の連通が遮断され、元の状態に戻せば連通する開閉機構を設けている(例えば、実開昭62−187665号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した開閉機構を設けたものにあっても、トリガーはプランジャを介して液圧により押し込み不能に係止されているため、液流路閉塞状態のままで度々トリガーを引き寄せた際にプランジャの若干の押し込みが可能となり、シリンダ内の異常な高圧化で吐出弁を通って、吐出弁下流の射出筒前方部分内に高圧液体が溜まることがある。このようになるとノズルキャップを液流路連通位置まで回した時、その射出筒前方部分内に溜まっていた高圧液体が、トリガー操作を行わなくてもノズル孔から噴出する不都合を生じたり、また、トリガーを強く引き寄せると、射出筒内の高圧化でノズルキャップが外れる虞もあった。
【0005】
本発明は上記した点に鑑みなされたもので、不使用時に誤ったトリガー操作を確実に防止して上記した不都合を解消することができ、また、使用時には取り扱いが便利であり、その構造も簡単な優れたトリガー式液体噴出ポンプを提案するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本請求項1発明のポンプは上記課題を解決するため、容器体Aの口頚部2に嵌合させる装着キャップBと、装着キャップ上端から起立した縦筒3の中間部からシリンダ4を、その上部からは射出筒5をそれぞれ前方へ突出してなるポンプ本体Cと、射出筒5前部位置から前方付勢状態で揺動可能に垂設したトリガーDとを備え、トリガーの操作により内蔵ポンプ機構の作用で容器体内の液を吸い上げて射出筒先端部より噴出する如く構成したトリガー式液体噴出ポンプに於いて、トリガーD下部を後方へ折り返し可能に構成するとともに、後方へ折り返した下部トリガーの先端をシリンダに係止可能に構成し、折り返し部分上下に亘るトリガー外周に、折り返し部分上方へのスライドが可能に開環筒状の固定枠Eを嵌合させてなることを特徴とするトリガー式液体噴出ポンプとして構成している。
【0007】
また、請求項2発明のポンプは、射出筒5前端部へ回動可能に液体噴出孔を有するノズルキャップFを嵌合させ、これ等嵌合部に、射出筒に対するノズルキャップの回動で射出筒が有する射出筒孔と液体噴出孔とを連通させ、又遮断させることが自在な液体通路開閉機構を設けてなる請求項1記載のトリガー式液体噴出ポンプとして構成している。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例の形態を図面を参照して説明する。
本発明のトリガー式液体噴出ポンプ1は、容器体Aの口頚部2に嵌合させる装着キャップBと、装着キャップ上端から起立した縦筒3の中間部からシリンダ4を、その上部からは射出筒5をそれぞれ前方へ突出してなるポンプ本体Cと、射出筒前部位置から前方付勢状態で揺動可能に垂設したトリガーDとを備え、トリガーの操作により内蔵ポンプ機構の作用で容器体内の液を吸い上げて射出筒先端部の噴出口より噴出する如く構成した公知のポンプ機構を備えたものである。
【0009】
内蔵ポンプ機構の一例を図示せずに説明すると、縦筒3の下端に上端を嵌着したパイプを容器体内へ垂下させ、また、縦筒3内とシリンダ4内及び縦筒3内と射出筒5内とを連通させるとともに、シリンダ上流の縦筒内に吸い込み弁を、シリンダ下流の縦筒内に吐出弁を、それぞれ設け、また、シリンダ内に前方付勢状態で嵌合させたプランジャの先端をトリガーD上部に連係させるという構成が挙げられる。但し、その機構はこれに限られず、従来のこの種のポンプに採用されている機構を採用できる。また、図示例のポンプ本体は、上面及び両側面及び後面をカバーにより一体に被覆した形態を採っている。
【0010】
本発明では、上記したこの種の噴出ポンプに於いて、不使用時にトリガーDの不用意な引き込みを防止する目的で、トリガーD下部を後方へ折り返し可能に構成するとともに、後方へ折り返した下部トリガーの先端を、シリンダ4に係止可能に構成している。
【0011】
図示例に於いてトリガーDは、前板7の両側より後方へそれぞれ側板8を延設するとともに、各側板8両側前後中央部にそれぞれ突条9を突設した形態をとり、また、上部トリガーD1と、該トリガーに薄肉ヒンジ6を介して後方への折り返しが可能に連結した下部トリガーD2とから構成している。尚、下部トリガーD2は上部トリガーD1に枢着,軸着等の連結手段で後方へ折り返しが可能に構成しても良い。
【0012】
上部トリガーD1は、前板7aの両側より後方へそれぞれ側板8aを延設し、下端面を底板10により閉塞している。また、各側板8a上端部は前板7aの上端縁より上方へ突出させて、その上部両側をポンプ本体Cに軸着させている。また、上部トリガーD1の上下方向中央部所定位置には、後述する固定枠の上面を係止させるための下向き段部11を、上部トリガーの上部を外方へ膨出形成することにより設けており、この段部下方の各側板8a外面前縁部に係合用の突条9aをそれぞれ突設している。
【0013】
下部トリガーD2は、上記底板10の後縁に薄肉ヒンジ6を介して頂板12後縁を連結するとともに、頂板12前縁及び両側縁より下方へそれぞれ前板7b及び側板8bを延設している。また、上下方向中央部所定位置には固定枠の下面を係止させるための上向き段部13を、下部トリガーの下部を外方へ膨出形成することにより設けており、この段部13に至るまでの両側板8b外面前縁部に同様の突条9bを突設している。更に、下端面には後方へ下る傾斜面をなす底板14を延設しており、底板14の下面には係合段部15を凹設している。
【0014】
上記頂板12は上部トリガーの底板10と略同面積をなし、また、前板7b及び各側板8b及び各突条9bも、上部トリガーの前板7a及び側板8a及び突条9aと略同幅,同厚みに形成して、底板10と頂板12とが当接した状態では、各前板,側板,突条が連続する如き形態を採っている。
【0015】
そして、下部トリガーD2を後方へ折り返した際に、係合段部15が、図1に示す如く、シリンダ4下面の係止突起16前面に係合して、折り返し状態が維持される如く構成している。尚、この下部トリガーD2の係止方法は図示例のものに限らず、他の方法を採用しても良い。
【0016】
本発明ではまた、折り返し部分上下に亘るトリガーD外周に、折り返し部分上方へのスライドが可能に開環筒状の固定枠Eを嵌合させている。
【0017】
図示例では、各下向き段部11及び上向き段部13間に於ける前板7前面から各突条9外側面を介し各突条9後面に至る、後面中央を開環した矩形筒状をなしており、下面が上向き段部13上面に当接する位置から、上面が下向き段部11下面に当接する位置までの間をスライド可能に設けている。
【0018】
また、本発明では、射出筒5前端部へ回動可能に液体噴出孔を有するノズルキャップFを嵌合させ、これ等嵌合部に、射出筒に対するノズルキャップの回動で射出筒が有する射出筒孔と液体噴出孔とを連通させ、又遮断させることが自在な液体通路開閉機構を設けている。この開閉機構の具体的構造は、従来のこの種のポンプに使用されている公知の機構が採用出来る。
【0019】
上記の如く構成したポンプ1は、不使用時には、図1に示す如く、固定枠Eを上方へスライドさせて下部トリガーD2を後方へ折り返してその先端を係止し、また、ノズルキャップFをその射出筒孔と液体噴出孔とを遮断する位置に回動させておく、また、使用時には、ノズルキャップFを回動させて射出筒孔と液体噴出孔とを連通させ、また、図4に示す如く、薄肉ヒンジ6部分上下に亘るトリガー外周に固定枠Eを位置させてトリガーDの折れ曲がりを防止し、トリガーを手前に引くことで、装着した容器体内の液体を吸い上げて噴出口より噴出する。
尚、上記各部材は主として合成樹脂により形成し、必要に応じてエラストマー,金属等を併用して形成する。
【0020】
【発明の効果】
以上説明した如く本発明ポンプは、トリガーD下部を後方へ折り返し可能に構成するとともに、後方へ折り返した下部トリガーの先端をシリンダ4に係止可能に構成したので、不使用時には、トリガーの折り返し係止状態によりトリガーの作動不能が一目瞭然であり、誤ってトリガーを作動させる虞はなく、その結果、不用意な液の漏出、商品陳列時等に於ける悪戯の防止を図れるものである。
【0021】
また、折り返し部分上下に亘るトリガー外周に、折り返し部分上方へのスライドが可能に開環筒状の固定枠Eを嵌合させているので、使用時には、この固定枠をヒンジ部分に位置させておけばトリガーが折り曲がる等の不都合を生じることなく良好な液の噴出を行えるとともに、使用後にはヒンジ上方に固定枠をスライド係止させれば、簡単に下部トリガーの折り返しを行えるものであり、取り扱い操作も極めて簡単である。
【0022】
また、射出筒前端部へ、液体通路開閉機構を備えたノズルキャップFを嵌合させたものにあっては、トリガー部分のロックとの二重ロックを行えるため、より確実に液の誤った噴出を防止できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す側面図である。
【図2】同実施例のトリガー及び固定枠を示す分解斜視図である。
【図3】同実施例のトリガーを示す縦断面図である。
【図4】同実施例の斜視図である。
【符号の説明】
A…容器体,B…装着キャップ,C…ポンプ本体,D…トリガー,
D1…上部トリガー,D2…下部トリガー,E…固定枠,F…ノズルキャップ,
2…口頚部,3…縦筒,4…シリンダ,5…射出筒,6…薄肉ヒンジ,
Claims (2)
- 容器体Aの口頚部2に嵌合させる装着キャップBと、装着キャップ上端から起立した縦筒3の中間部からシリンダ4を、その上部からは射出筒5をそれぞれ前方へ突出してなるポンプ本体Cと、射出筒5前部位置から前方付勢状態で揺動可能に垂設したトリガーDとを備え、トリガーの操作により内蔵ポンプ機構の作用で容器体内の液を吸い上げて射出筒先端部より噴出する如く構成したトリガー式液体噴出ポンプに於いて、トリガーD下部を後方へ折り返し可能に構成するとともに、後方へ折り返した下部トリガーの先端をシリンダに係止可能に構成し、折り返し部分上下に亘るトリガー外周に、折り返し部分上方へのスライドが可能に開環筒状の固定枠Eを嵌合させてなることを特徴とするトリガー式液体噴出ポンプ。
- 射出筒5前端部へ回動可能に液体噴出孔を有するノズルキャップFを嵌合させ、これ等嵌合部に、射出筒に対するノズルキャップの回動で射出筒が有する射出筒孔と液体噴出孔とを連通させ、又遮断させることが自在な液体通路開閉機構を設けてなる請求項1記載のトリガー式液体噴出ポンプ。
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