JP3583246B2 - トリガー式液体噴出器 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明はトリガー式液体噴出器に関する。
【０００２】
【従来の技術】
図１１が示す液体噴出器が知られている。該噴出器は、容器体口頸部外面へ嵌合させる装着筒２の上部内から垂直筒２ａを起立すると共に、該垂直筒上端から射出筒３を前方突設し、又該射出筒前部に枢着させてトリガー５を垂下し、又上記垂直筒から前方突設したシリンダ４内へプランジャ６を前方付勢させて嵌合させ、該プラジャ前端を上記トリガー上部後面へ係合させて、トリガー引寄せでシリンダ内液体を、射出筒３前端へノズルヘッド装着筒７を介して嵌合させたノズルヘッド８のノズル孔１０から噴出させ、又トリガー解放によりプランジャ６が前進してトリガー５を復帰させ、このとき容器体内液体がシリンダ内へ吸込みされるよう設けてある。
【０００３】
尚、１３はノズルヘッド前面を開閉自在に覆合する衝突板であり、該板覆合状態で液体を噴霧すると、噴霧液体が該板中央穿孔部に衝突し、飛沫化して噴出されるように設けている。
【０００４】
上記トリガー式液体噴出器にあっては、悪戯でトリガーを引寄せても液体が噴出するから、射出筒前端に嵌合させたノズルヘッド装着筒とノズルヘッドとに液体吐出路１１の前半部と後半部とを設け、ノズルヘッド装着筒に対してノズルヘッドを回動させると、上記液体吐出路の連通が遮断され、ノズルヘッドを元の位置まで戻さなければ液体を噴出させることが不能に形成されている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、ノズルヘッド装着筒に対してノズルヘッドを回動させて液体吐出路を開閉するよう設けた液体噴出器においても、液体吐出路閉塞状態のままで度々トリガーを引寄せすると、該トリガーが撓み又弾性復元することで、プランジャが多少後退し又前進することとなり、するとシリンダ内の異常な高圧化で吐出弁を通って、該吐出弁と上記ノズルヘッド装着筒等が形成する液体吐出路部分との間の射出筒前方部分内に高圧液体が溜ることがあり、このようになると、上記ノズルヘッドを液体吐出路連通位置まで回したとき、その射出筒前方部分内に溜っていた高圧液体が、トリガー操作を行わないに拘わらずノズル孔から噴出することが生じたり、又トリガーを強く引寄せすると、射出筒内の高圧化でノズルヘッドがノズル嵌合筒から外れるおそれもあった。
【０００６】
本発明は、上記ノズルヘッド８の外面一部から直接ないしは間接に、側外方へ係合子を突設し、トリガー５が前限に位置する状態で、ノズルヘッド装着筒７に対してノズルヘッド８を液体吐出路閉塞位置まで回動させたとき、ノズルヘッド８から側外方へ突出した係合子の一部が、トリガー５上部に設けた係合部に着脱自在に係合して、該係合状態にあっては、引寄せ操作によりトリガーが撓んでもプランジャは全く後退しないよう設け、既述欠点を解消するものである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
第１の手段として、容器体口頸部へ嵌合させる装着筒２内から垂直筒２ａを起立し、かつ該垂直筒上端から射出筒３を、かつ中間部からシリンダ４を、それぞれ前方突出し、又シリンダ内へ前方付勢させて嵌合させたプランジャ６前端部を、上記射出筒前部から揺動可能に垂設したトリガー５の上部後面へ係合させ、該トリガーの引寄せ操作で、容器体内液体を吸上げて射出筒前端へ嵌着させたノズルヘッド装着筒７の前部外面へ回動可能に嵌合させたノズルヘッド８のノズル孔１０から噴出可能に設けたトリガー式液体噴出器において、
【０００８】
上記ノズルヘッド８の外面一部から直接ないしは間接に、側外方へ係合子２１、３２、４１、５３、６２、６３、７２、７３、８３を突設し、トリガー５が前限に位置する状態で、ノズルヘッド装着筒７に対してノズルヘッド８を回動させたとき、係合子の一部がトリガー５上部に設けた係合部２４、３５、４４、５５、６５、７５、８５に着脱自在に係合して、該係合状態にあっては、トリガー引寄せによるプランジャ６の後退が不能に形成した。
【０００９】
第２の手段として、上記第１の手段を有すると共に、ノズルヘッド８の周壁１５後端部から係合板を突設して係合子２１となし、又トリガー５上部前面に、前方張出し板２２を介して上方突出板２３を起立させ、トリガー前面との間に小間隙を形成させて係合部２４となした
【００１０】
第３の手段として、上記第１の手段を有すると共に、ノズルヘッド８の周壁１５後端部から側外方張出し板３１を介して、前端部を側面視半円形状とした係合板を前方突設して係合子３２となし、又トリガー５上部前面に前方張出し板３３を付設し、該板前部上面から、後向きに開口した側面視半円形状の弯曲板３４を起立させて、該弯曲板内面を係合部３５となした。
【００１１】
第４の手段として、上記第１の手段を有すると共に、ノズルヘッド８の周壁１５後端部から第１係合板を突設して係合子４１、４１となし、又トリガー５上部前面に設けた上向き段部４２の上面前端部から第２係合板４３を起立させ、トリガー前面との間に小間隙を形成させて係合部４４となした。
【００１２】
第５の手段として、上記第１の手段を有すると共に、ノズルヘッド８の周壁１５一部から、側外方に突出した張出し板部５１を介して、第１係合板５２を後方突設して、その上面を係合子５３となし、又トリガー５上部前面から第２係合板５４を前方突設して、その下面を係合部５５となした。
【００１３】
第６の手段として、上記第１の手段を有すると共に、ノズルヘッド８の周壁１５後端部から張出し板６１を突出して、該張出し板の外端部から、側面視コ字形状に、平行に二枚の挟持板を突出して係合子６２、６３となし、又トリガー５の前壁部分に、前方および側方開口の横溝６４を穿設し、該横溝上壁からトリガー前壁一部を垂下させて係合部６５となし、上記係合子６２、６３間に係合部６５が嵌合可能に設けた。
【００１４】
第７の手段として、上記第１の手段を有すると共に、ノズルヘッド８の周壁１５後端部から張出し板７１を突出して、該張出板の外端部から、外方からみてコ字形状に、平行に二枚の挟持板を突出して係合子７２、７３となし、又トリガー５の上部側板部分に透孔７４を穿設し、該透孔前方のトリガー前壁部分を係合部７５となし、上記係合子７２、７３間に係合部７５が嵌合可能に設けた。
【００１５】
第８の手段として、上記第１の手段を有すると共に、ノズルヘッド８の周壁１５一部から側外方へ突出したアーム８１先端部から、後部を大径部とした係合筒８２を後方突設して、該大径部を係合子８３となし、又トリガーの上部前壁部分に、前方および側方開口の、内部で拡幅した横溝８４を穿設して、該拡幅部を係合部８５となした。
【００１６】
【発明の実施の形態】
１は一般に使用されているタイプのトリガー式液体噴出器で、図１１を併せ用いて説明すると、該液体噴出器１は、周知のように容器体の口頸部外面ヘ螺合する装着筒２の上部内から垂直筒２ａを起立し、かつ該垂直筒上端から射出筒３を、かつ垂直筒の中間部前面からシリンダ４を、それぞれ前方突出し、又射出筒前部に上端部をピン等を用いて枢着させてトリガー５を斜下前方へ垂設し、更に上記シリンダ４内へコイルバネ等で前方付勢させて嵌合させたプランジャ６前端部をトリガー５の上部後面へ係合させ、該トリガー引寄せ操作によりシリンダ内液体を射出筒内を通って噴出させ、又トリガー復帰によるシリンダ内負圧化で容器体内液体をシリンダ内へ吸込み可能に設けている。
【００１７】
上記射出筒３の前部には、図１１の場合と同様にノズルヘッド装着筒７を介してノズルヘッド８を嵌合させており、これ等には射出筒３とノズルヘッド８の前壁９中央に穿設したノズル孔１０とを連通する液体吐出路１１が穿設させてある。該液体吐出路は、図示のようにノズルヘッド装着筒７の基板７ａ中央部から前方突出する弁棒７ｂ外面と、ノズルヘッド８の前壁９中央部から、上記弁棒７ｂ外面へ水密に嵌合させて後方突設した嵌合筒１２内面とに形成する。即ち、該嵌合筒の後部内面へ筒方向に穿設した第１吐出路１１ａ と、上記弁棒７ｂの前部外面へ母線方向に穿設した第２吐出路１１ｂ とで形成し、図１１が示す連通状態から、ノズルヘッド装着筒７に対してノズルヘッド８を回動させると、第１吐出路１１ａ が弁棒７ｂの別の位置へ移動して第２吐出路１１ｂ との連通が遮断され、又ノズルヘッド８を元の位置まで戻すことで、再び図１１のように連通するものである。
【００１８】
尚、上記ノズルヘッド回動による液体吐出路開閉機能がなく、上記ノズルヘッド８がノズルヘッド装着筒７に対して嵌着固定され、液体吐出路１１が常に開通したノズル構造としてもよい。又、１３はノズルヘッド前面を開閉自在に覆合する衝突板であるが、このようなものがない場合もある。更に、美観や取扱性を考慮して、図示例では垂直筒３、シリンダ４、射出筒３が、これらと一体成形されたカバー１４により包囲されているが、勿論、このようなカバーはなくてもよい。
尚、以上述べた構成は従来公知のものである。
【００１９】
以下、本発明について説明すると、上記ノズルヘッド８の外面一部から直接に、ないしは間接に、即ち例えばノズルヘッド周壁１５に回動不能に嵌合させた、図示しない覆合筒部の外面一部から、係合子が側外方へ突設され、トリガー５が前限に位置する状態で、ノズルヘッド装着筒７に対してノズルヘッド８を回動させたとき、上記係合子の一部がトリガー５上部に設けた係合部に着脱自在に係合して、該係合状態にあっては、トリガー引寄せによるプランジャ６の後退が不能に形成されている。
【００２０】
上記係合子および係合部の形状、数量、設置位置は、種々様々に変化させ得る。図１に部分側面図、図２に部分正面図を示した第１の態様は、蓋板１３がなく、周壁１５を、稜部にＲを付けた三角柱状に成形したノズルヘッド８の１つの稜部の後端部から、側外方へ係合板を突設して係合子２１とし、又トリガー５上部前面に、前方張出し板２２を介して上方突出板２３を起立させ、トリガー前面との間に小間隙を形成させて係合部２４とし、該係合部内に係合子２１が嵌合し、係合子２１前面が上方突出板２３後面と係合することで、トリガー引寄せによるプランジャ６の後退を不能としている。
【００２１】
図３に示した第２の態様は、ノズルヘッド８の周壁１５周方向一部の後端部から、側外方張出し板３１を介して、前端部を側面視半円形状とした係合板を前方突設して係合子３２とし、又トリガー５上部前面に前方張出し板３３を付設し、該板前部上面から、後向きに開口した側面視半円形状の弯曲板３４を起立させて、該弯曲板内面を係合部３５とし、該面に係合子３２前端部が係合することで、トリガー引寄せによるプランジャ６の後退を不能としている。
【００２２】
図４に係合子と係合部との係合状態、図５にこれらの係脱状態を示した第３の態様は、周壁１５を、稜部を面取りした三角柱状に成形したノズルヘッド８の２つの稜部の各後端部から、側外方へ第１係合板を突設して係合子４１、４１とし、又トリガー５上部前面に設けた上向き段部４２の上面前端部から第２係合板４３を起立させ、トリガー前面との間に小間隙を形成させて係合部４４とし、該係合部内に一方の係合子４１が嵌合し、係合子４１前面が第２係合板４３後面と係合することで、トリガー引寄せによるプランジャ６の後退を不能としている。
【００２３】
図６に示した第４の態様は、ノズルヘッド８周壁１５前後方向中央部の周方向一部から、側外方へ突出した張出し板部５１を介して、第１係合板５２を後方突設して、その上面を係合子５３とし、又トリガー５上部前面から第２係合板５４を前方突設して、その下面を係合部５５とし、係合子５３に係合部５５が係合することで、トリガー引寄せによるプランジャ６の後退を不能としている。
【００２４】
図７に示した第５の態様は、ノズルヘッド８の周壁１５周方向一部の後端部から、側外方へ張出し板６１を突出して、該張出し板の外端部から、側面視コ字形状に、平行に二枚の、互いの下部を連結した、挟持板を突出して係合子６２、６３とし、又トリガー５の前壁部分に、前方および側方開口の横溝６４を穿設し、該横溝上壁からトリガー前壁一部を垂下させて係合部６５とし、上記係合子６２、６３間に係合部６５を嵌合可能に設け、該嵌合状態でトリガー引寄せによるプランジャ６の後退を不能としている。尚、横溝６４はトリガー上部側面の片方または両方で開口することが出来る。
【００２５】
図８に示した第６の態様は、ノズルヘッド８の周壁１５周方向一部の後端部から、側外方へ張出し板７１を突出して、該張出板の外端部から、外方からみてコ字形状に、平行に二枚の、一方の側面近傍を互いに連結した、挟持板を突出して係合子７２、７３とし、又トリガー５の上部側板部分に透孔７４を穿設し、該透孔前方のトリガー前壁部分を係合部７５とし、上記挟持板間に係合部を嵌合可能に設け、該嵌合状態でトリガー引寄せによるプランジャ６の後退を不能としている。
【００２６】
図９に係合子と係合部との係脱状態、図１０にこれらの係合状態を示した第７の態様は、ノズルヘッド８の周壁１５周方向一部の後端部から側外方へ突出したアーム８１先端部から、後部を大径部とした、中実または中空の係合筒８２を後方突設して、該大径部を係合子８３とし、又トリガーの上部前壁部分に、前方および側方開口の、内部で拡幅した横溝８４を穿設して、該拡幅部を係合部８５とし、該係合部８５内に係合子８３が嵌合した状態で、トリガー引寄せによるプランジャ６の後退を不能としている。
【００２７】
上記図１ないしは図１０に示した実施態様において、係合子の設置個数、設置位置は図示例に限らず、種々様々に変化させることが出来、何れの場合も、ノズルヘッド１０の回動により、液体吐出路１１が閉塞した状態で係合子が係合部に係合し、液体吐出路１１が開通した状態でこれらが係脱するように設ける。尚、図２に１例を示したように、係合子の回動空間を確保し、かつ密接な係合を達成するために、図８の例以外の態様においては、係合子および／まはた係合部を係合子の回動空間に合せて、該回動方向に弯曲させて成形しておくことが望ましい。
【００２８】
【発明の効果】
本発明は、既述構成を有するものであり、容器体口頸部へ嵌合させる装着筒２内から垂直筒２ａを起立し、かつ該垂直筒上端から射出筒３を、かつ中間部からシリンダ４を、それぞれ前方突出し、又シリンダ内へ前方付勢させて嵌合させたプランジャ６前端部を、上記射出筒前部から揺動可能に垂設したトリガー５の上部後面へ係合させ、該トリガーの引寄せ操作で、容器体内液体を吸上げて射出筒前端へ嵌着させたノズルヘッド装着筒７の前部外面へ回動可能に嵌合させたノズルヘッド８のノズル孔１０から噴出可能に設けたトリガー式液体噴出器において、ノズルヘッド８の外面一部から直接ないしは間接に、側外方へ係合子２１、３２、４１、５３、６２、６３、７２、７３、８３を突設し、トリガー５が前限に位置する状態で、ノズルヘッド装着筒７に対してノズルヘッド８を回動させたとき、係合子の一部がトリガー５上部に設けた係合部２４、３５、４４、５５、６５、７５、８５に着脱自在に係合して、該係合状態にあっては、トリガー引寄せによるプランジャ６の後退が不能に形成したから、既述従来例の場合のように、トリガー引寄せ時にトリガー下部が撓んでも、プランジャ６ の直ぐ前方に位置し、該プランジャ前端部と係合したトリガー５上部そのものが、ノズルヘッドと係合して引寄せ不能となるため、プランジャが後退するおそれが全くなく、ノズル孔からの液洩れ等を完全に防止することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明液体噴出器の１例の部分側面図である。
【図２】図１噴出器の部分正面図である。
【図３】本発明液体噴出器の他の例の部分側面図である。
【図４】トリガー上部および係合子を断面で示した、本発明液体噴出器の他の例の部分側面図である。
【図５】係合子と係合部とが係脱した図４噴出器の斜視図である。
【図６】本発明液体噴出器の他の例の部分側面図である。
【図７】トリガー上部および係合子を断面で示した、本発明液体噴出器の他の例の部分側面図である。
【図８】トリガー上部および係合子を断面で示した、本発明液体噴出器の他の例の部分側面図である。
【図９】本発明液体噴出器の他の例の斜視図である。
【図１０】係合子と係合部とが係合した図９噴出器の斜視図である。
【図１１】従来例液体噴出器の断面図である。
【符号の説明】
４…射出筒 ５…トリガー ６…プランジャ
８…ノズルヘッド １５…周壁
２１、３２、４１、５３、６２、６３、７２、７３、８３…係合子
２４、３５、４４、５５、６５、７５、８５…係合部
【発明の属する技術分野】
本発明はトリガー式液体噴出器に関する。
【０００２】
【従来の技術】
図１１が示す液体噴出器が知られている。該噴出器は、容器体口頸部外面へ嵌合させる装着筒２の上部内から垂直筒２ａを起立すると共に、該垂直筒上端から射出筒３を前方突設し、又該射出筒前部に枢着させてトリガー５を垂下し、又上記垂直筒から前方突設したシリンダ４内へプランジャ６を前方付勢させて嵌合させ、該プラジャ前端を上記トリガー上部後面へ係合させて、トリガー引寄せでシリンダ内液体を、射出筒３前端へノズルヘッド装着筒７を介して嵌合させたノズルヘッド８のノズル孔１０から噴出させ、又トリガー解放によりプランジャ６が前進してトリガー５を復帰させ、このとき容器体内液体がシリンダ内へ吸込みされるよう設けてある。
【０００３】
尚、１３はノズルヘッド前面を開閉自在に覆合する衝突板であり、該板覆合状態で液体を噴霧すると、噴霧液体が該板中央穿孔部に衝突し、飛沫化して噴出されるように設けている。
【０００４】
上記トリガー式液体噴出器にあっては、悪戯でトリガーを引寄せても液体が噴出するから、射出筒前端に嵌合させたノズルヘッド装着筒とノズルヘッドとに液体吐出路１１の前半部と後半部とを設け、ノズルヘッド装着筒に対してノズルヘッドを回動させると、上記液体吐出路の連通が遮断され、ノズルヘッドを元の位置まで戻さなければ液体を噴出させることが不能に形成されている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、ノズルヘッド装着筒に対してノズルヘッドを回動させて液体吐出路を開閉するよう設けた液体噴出器においても、液体吐出路閉塞状態のままで度々トリガーを引寄せすると、該トリガーが撓み又弾性復元することで、プランジャが多少後退し又前進することとなり、するとシリンダ内の異常な高圧化で吐出弁を通って、該吐出弁と上記ノズルヘッド装着筒等が形成する液体吐出路部分との間の射出筒前方部分内に高圧液体が溜ることがあり、このようになると、上記ノズルヘッドを液体吐出路連通位置まで回したとき、その射出筒前方部分内に溜っていた高圧液体が、トリガー操作を行わないに拘わらずノズル孔から噴出することが生じたり、又トリガーを強く引寄せすると、射出筒内の高圧化でノズルヘッドがノズル嵌合筒から外れるおそれもあった。
【０００６】
本発明は、上記ノズルヘッド８の外面一部から直接ないしは間接に、側外方へ係合子を突設し、トリガー５が前限に位置する状態で、ノズルヘッド装着筒７に対してノズルヘッド８を液体吐出路閉塞位置まで回動させたとき、ノズルヘッド８から側外方へ突出した係合子の一部が、トリガー５上部に設けた係合部に着脱自在に係合して、該係合状態にあっては、引寄せ操作によりトリガーが撓んでもプランジャは全く後退しないよう設け、既述欠点を解消するものである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
第１の手段として、容器体口頸部へ嵌合させる装着筒２内から垂直筒２ａを起立し、かつ該垂直筒上端から射出筒３を、かつ中間部からシリンダ４を、それぞれ前方突出し、又シリンダ内へ前方付勢させて嵌合させたプランジャ６前端部を、上記射出筒前部から揺動可能に垂設したトリガー５の上部後面へ係合させ、該トリガーの引寄せ操作で、容器体内液体を吸上げて射出筒前端へ嵌着させたノズルヘッド装着筒７の前部外面へ回動可能に嵌合させたノズルヘッド８のノズル孔１０から噴出可能に設けたトリガー式液体噴出器において、
【０００８】
上記ノズルヘッド８の外面一部から直接ないしは間接に、側外方へ係合子２１、３２、４１、５３、６２、６３、７２、７３、８３を突設し、トリガー５が前限に位置する状態で、ノズルヘッド装着筒７に対してノズルヘッド８を回動させたとき、係合子の一部がトリガー５上部に設けた係合部２４、３５、４４、５５、６５、７５、８５に着脱自在に係合して、該係合状態にあっては、トリガー引寄せによるプランジャ６の後退が不能に形成した。
【０００９】
第２の手段として、上記第１の手段を有すると共に、ノズルヘッド８の周壁１５後端部から係合板を突設して係合子２１となし、又トリガー５上部前面に、前方張出し板２２を介して上方突出板２３を起立させ、トリガー前面との間に小間隙を形成させて係合部２４となした
【００１０】
第３の手段として、上記第１の手段を有すると共に、ノズルヘッド８の周壁１５後端部から側外方張出し板３１を介して、前端部を側面視半円形状とした係合板を前方突設して係合子３２となし、又トリガー５上部前面に前方張出し板３３を付設し、該板前部上面から、後向きに開口した側面視半円形状の弯曲板３４を起立させて、該弯曲板内面を係合部３５となした。
【００１１】
第４の手段として、上記第１の手段を有すると共に、ノズルヘッド８の周壁１５後端部から第１係合板を突設して係合子４１、４１となし、又トリガー５上部前面に設けた上向き段部４２の上面前端部から第２係合板４３を起立させ、トリガー前面との間に小間隙を形成させて係合部４４となした。
【００１２】
第５の手段として、上記第１の手段を有すると共に、ノズルヘッド８の周壁１５一部から、側外方に突出した張出し板部５１を介して、第１係合板５２を後方突設して、その上面を係合子５３となし、又トリガー５上部前面から第２係合板５４を前方突設して、その下面を係合部５５となした。
【００１３】
第６の手段として、上記第１の手段を有すると共に、ノズルヘッド８の周壁１５後端部から張出し板６１を突出して、該張出し板の外端部から、側面視コ字形状に、平行に二枚の挟持板を突出して係合子６２、６３となし、又トリガー５の前壁部分に、前方および側方開口の横溝６４を穿設し、該横溝上壁からトリガー前壁一部を垂下させて係合部６５となし、上記係合子６２、６３間に係合部６５が嵌合可能に設けた。
【００１４】
第７の手段として、上記第１の手段を有すると共に、ノズルヘッド８の周壁１５後端部から張出し板７１を突出して、該張出板の外端部から、外方からみてコ字形状に、平行に二枚の挟持板を突出して係合子７２、７３となし、又トリガー５の上部側板部分に透孔７４を穿設し、該透孔前方のトリガー前壁部分を係合部７５となし、上記係合子７２、７３間に係合部７５が嵌合可能に設けた。
【００１５】
第８の手段として、上記第１の手段を有すると共に、ノズルヘッド８の周壁１５一部から側外方へ突出したアーム８１先端部から、後部を大径部とした係合筒８２を後方突設して、該大径部を係合子８３となし、又トリガーの上部前壁部分に、前方および側方開口の、内部で拡幅した横溝８４を穿設して、該拡幅部を係合部８５となした。
【００１６】
【発明の実施の形態】
１は一般に使用されているタイプのトリガー式液体噴出器で、図１１を併せ用いて説明すると、該液体噴出器１は、周知のように容器体の口頸部外面ヘ螺合する装着筒２の上部内から垂直筒２ａを起立し、かつ該垂直筒上端から射出筒３を、かつ垂直筒の中間部前面からシリンダ４を、それぞれ前方突出し、又射出筒前部に上端部をピン等を用いて枢着させてトリガー５を斜下前方へ垂設し、更に上記シリンダ４内へコイルバネ等で前方付勢させて嵌合させたプランジャ６前端部をトリガー５の上部後面へ係合させ、該トリガー引寄せ操作によりシリンダ内液体を射出筒内を通って噴出させ、又トリガー復帰によるシリンダ内負圧化で容器体内液体をシリンダ内へ吸込み可能に設けている。
【００１７】
上記射出筒３の前部には、図１１の場合と同様にノズルヘッド装着筒７を介してノズルヘッド８を嵌合させており、これ等には射出筒３とノズルヘッド８の前壁９中央に穿設したノズル孔１０とを連通する液体吐出路１１が穿設させてある。該液体吐出路は、図示のようにノズルヘッド装着筒７の基板７ａ中央部から前方突出する弁棒７ｂ外面と、ノズルヘッド８の前壁９中央部から、上記弁棒７ｂ外面へ水密に嵌合させて後方突設した嵌合筒１２内面とに形成する。即ち、該嵌合筒の後部内面へ筒方向に穿設した第１吐出路１１ａ と、上記弁棒７ｂの前部外面へ母線方向に穿設した第２吐出路１１ｂ とで形成し、図１１が示す連通状態から、ノズルヘッド装着筒７に対してノズルヘッド８を回動させると、第１吐出路１１ａ が弁棒７ｂの別の位置へ移動して第２吐出路１１ｂ との連通が遮断され、又ノズルヘッド８を元の位置まで戻すことで、再び図１１のように連通するものである。
【００１８】
尚、上記ノズルヘッド回動による液体吐出路開閉機能がなく、上記ノズルヘッド８がノズルヘッド装着筒７に対して嵌着固定され、液体吐出路１１が常に開通したノズル構造としてもよい。又、１３はノズルヘッド前面を開閉自在に覆合する衝突板であるが、このようなものがない場合もある。更に、美観や取扱性を考慮して、図示例では垂直筒３、シリンダ４、射出筒３が、これらと一体成形されたカバー１４により包囲されているが、勿論、このようなカバーはなくてもよい。
尚、以上述べた構成は従来公知のものである。
【００１９】
以下、本発明について説明すると、上記ノズルヘッド８の外面一部から直接に、ないしは間接に、即ち例えばノズルヘッド周壁１５に回動不能に嵌合させた、図示しない覆合筒部の外面一部から、係合子が側外方へ突設され、トリガー５が前限に位置する状態で、ノズルヘッド装着筒７に対してノズルヘッド８を回動させたとき、上記係合子の一部がトリガー５上部に設けた係合部に着脱自在に係合して、該係合状態にあっては、トリガー引寄せによるプランジャ６の後退が不能に形成されている。
【００２０】
上記係合子および係合部の形状、数量、設置位置は、種々様々に変化させ得る。図１に部分側面図、図２に部分正面図を示した第１の態様は、蓋板１３がなく、周壁１５を、稜部にＲを付けた三角柱状に成形したノズルヘッド８の１つの稜部の後端部から、側外方へ係合板を突設して係合子２１とし、又トリガー５上部前面に、前方張出し板２２を介して上方突出板２３を起立させ、トリガー前面との間に小間隙を形成させて係合部２４とし、該係合部内に係合子２１が嵌合し、係合子２１前面が上方突出板２３後面と係合することで、トリガー引寄せによるプランジャ６の後退を不能としている。
【００２１】
図３に示した第２の態様は、ノズルヘッド８の周壁１５周方向一部の後端部から、側外方張出し板３１を介して、前端部を側面視半円形状とした係合板を前方突設して係合子３２とし、又トリガー５上部前面に前方張出し板３３を付設し、該板前部上面から、後向きに開口した側面視半円形状の弯曲板３４を起立させて、該弯曲板内面を係合部３５とし、該面に係合子３２前端部が係合することで、トリガー引寄せによるプランジャ６の後退を不能としている。
【００２２】
図４に係合子と係合部との係合状態、図５にこれらの係脱状態を示した第３の態様は、周壁１５を、稜部を面取りした三角柱状に成形したノズルヘッド８の２つの稜部の各後端部から、側外方へ第１係合板を突設して係合子４１、４１とし、又トリガー５上部前面に設けた上向き段部４２の上面前端部から第２係合板４３を起立させ、トリガー前面との間に小間隙を形成させて係合部４４とし、該係合部内に一方の係合子４１が嵌合し、係合子４１前面が第２係合板４３後面と係合することで、トリガー引寄せによるプランジャ６の後退を不能としている。
【００２３】
図６に示した第４の態様は、ノズルヘッド８周壁１５前後方向中央部の周方向一部から、側外方へ突出した張出し板部５１を介して、第１係合板５２を後方突設して、その上面を係合子５３とし、又トリガー５上部前面から第２係合板５４を前方突設して、その下面を係合部５５とし、係合子５３に係合部５５が係合することで、トリガー引寄せによるプランジャ６の後退を不能としている。
【００２４】
図７に示した第５の態様は、ノズルヘッド８の周壁１５周方向一部の後端部から、側外方へ張出し板６１を突出して、該張出し板の外端部から、側面視コ字形状に、平行に二枚の、互いの下部を連結した、挟持板を突出して係合子６２、６３とし、又トリガー５の前壁部分に、前方および側方開口の横溝６４を穿設し、該横溝上壁からトリガー前壁一部を垂下させて係合部６５とし、上記係合子６２、６３間に係合部６５を嵌合可能に設け、該嵌合状態でトリガー引寄せによるプランジャ６の後退を不能としている。尚、横溝６４はトリガー上部側面の片方または両方で開口することが出来る。
【００２５】
図８に示した第６の態様は、ノズルヘッド８の周壁１５周方向一部の後端部から、側外方へ張出し板７１を突出して、該張出板の外端部から、外方からみてコ字形状に、平行に二枚の、一方の側面近傍を互いに連結した、挟持板を突出して係合子７２、７３とし、又トリガー５の上部側板部分に透孔７４を穿設し、該透孔前方のトリガー前壁部分を係合部７５とし、上記挟持板間に係合部を嵌合可能に設け、該嵌合状態でトリガー引寄せによるプランジャ６の後退を不能としている。
【００２６】
図９に係合子と係合部との係脱状態、図１０にこれらの係合状態を示した第７の態様は、ノズルヘッド８の周壁１５周方向一部の後端部から側外方へ突出したアーム８１先端部から、後部を大径部とした、中実または中空の係合筒８２を後方突設して、該大径部を係合子８３とし、又トリガーの上部前壁部分に、前方および側方開口の、内部で拡幅した横溝８４を穿設して、該拡幅部を係合部８５とし、該係合部８５内に係合子８３が嵌合した状態で、トリガー引寄せによるプランジャ６の後退を不能としている。
【００２７】
上記図１ないしは図１０に示した実施態様において、係合子の設置個数、設置位置は図示例に限らず、種々様々に変化させることが出来、何れの場合も、ノズルヘッド１０の回動により、液体吐出路１１が閉塞した状態で係合子が係合部に係合し、液体吐出路１１が開通した状態でこれらが係脱するように設ける。尚、図２に１例を示したように、係合子の回動空間を確保し、かつ密接な係合を達成するために、図８の例以外の態様においては、係合子および／まはた係合部を係合子の回動空間に合せて、該回動方向に弯曲させて成形しておくことが望ましい。
【００２８】
【発明の効果】
本発明は、既述構成を有するものであり、容器体口頸部へ嵌合させる装着筒２内から垂直筒２ａを起立し、かつ該垂直筒上端から射出筒３を、かつ中間部からシリンダ４を、それぞれ前方突出し、又シリンダ内へ前方付勢させて嵌合させたプランジャ６前端部を、上記射出筒前部から揺動可能に垂設したトリガー５の上部後面へ係合させ、該トリガーの引寄せ操作で、容器体内液体を吸上げて射出筒前端へ嵌着させたノズルヘッド装着筒７の前部外面へ回動可能に嵌合させたノズルヘッド８のノズル孔１０から噴出可能に設けたトリガー式液体噴出器において、ノズルヘッド８の外面一部から直接ないしは間接に、側外方へ係合子２１、３２、４１、５３、６２、６３、７２、７３、８３を突設し、トリガー５が前限に位置する状態で、ノズルヘッド装着筒７に対してノズルヘッド８を回動させたとき、係合子の一部がトリガー５上部に設けた係合部２４、３５、４４、５５、６５、７５、８５に着脱自在に係合して、該係合状態にあっては、トリガー引寄せによるプランジャ６の後退が不能に形成したから、既述従来例の場合のように、トリガー引寄せ時にトリガー下部が撓んでも、プランジャ６ の直ぐ前方に位置し、該プランジャ前端部と係合したトリガー５上部そのものが、ノズルヘッドと係合して引寄せ不能となるため、プランジャが後退するおそれが全くなく、ノズル孔からの液洩れ等を完全に防止することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明液体噴出器の１例の部分側面図である。
【図２】図１噴出器の部分正面図である。
【図３】本発明液体噴出器の他の例の部分側面図である。
【図４】トリガー上部および係合子を断面で示した、本発明液体噴出器の他の例の部分側面図である。
【図５】係合子と係合部とが係脱した図４噴出器の斜視図である。
【図６】本発明液体噴出器の他の例の部分側面図である。
【図７】トリガー上部および係合子を断面で示した、本発明液体噴出器の他の例の部分側面図である。
【図８】トリガー上部および係合子を断面で示した、本発明液体噴出器の他の例の部分側面図である。
【図９】本発明液体噴出器の他の例の斜視図である。
【図１０】係合子と係合部とが係合した図９噴出器の斜視図である。
【図１１】従来例液体噴出器の断面図である。
【符号の説明】
４…射出筒 ５…トリガー ６…プランジャ
８…ノズルヘッド １５…周壁
２１、３２、４１、５３、６２、６３、７２、７３、８３…係合子
２４、３５、４４、５５、６５、７５、８５…係合部
Claims (8)
- 容器体口頸部へ嵌合させる装着筒２内から垂直筒２ａを起立し、かつ該垂直筒上端から射出筒３を、かつ中間部からシリンダ４を、それぞれ前方突出し、又シリンダ内へ前方付勢させて嵌合させたプランジャ６前端部を、上記射出筒前部から揺動可能に垂設したトリガー５の上部後面へ係合させ、該トリガーの引寄せ操作で、容器体内液体を吸上げて射出筒前端へ嵌着させたノズルヘッド装着筒７の前部外面へ回動可能に嵌合させたノズルヘッド８のノズル孔１０から噴出可能に設けたトリガー式液体噴出器において、
上記ノズルヘッド８の外面一部から直接ないしは間接に、側外方へ係合子２１、３２、４１、５３、６２、６３、７２、７３、８３を突設し、トリガー５が前限に位置する状態で、ノズルヘッド装着筒７に対してノズルヘッド８を回動させたとき、係合子の一部がトリガー５上部に設けた係合部２４、３５、４４、５５、６５、７５、８５に着脱自在に係合して、該係合状態にあっては、トリガー引寄せによるプランジャ６の後退が不能に形成した
ことを特徴とするトリガー式液体噴出器。 - ノズルヘッド８の周壁１５後端部から係合板を突設して係合子２１となし、又トリガー５上部前面に、前方張出し板２２を介して上方突出板２３を起立させ、トリガー前面との間に小間隙を形成させて係合部２４となしたことを特徴とする請求項１記載のトリガー式液体噴出器。
- ノズルヘッド８の周壁１５後端部から側外方張出し板３１を介して、前端部を側面視半円形状とした係合板を前方突設して係合子３２となし、又トリガー５上部前面に前方張出し板３３を付設し、該板前部上面から、後向きに開口した側面視半円形状の弯曲板３４を起立させて、該弯曲板内面を係合部３５となしたことを特徴とする請求項１記載のトリガー式液体噴出器。
- ノズルヘッド８の周壁１５後端部から第１係合板を突設して係合子４１、４１となし、又トリガー５上部前面に設けた上向き段部４２の上面前端部から第２係合板４３を起立させ、トリガー前面との間に小間隙を形成させて係合部４４となしたことを特徴とする請求項１記載のトリガー式液体噴出器。
- ノズルヘッド８の周壁１５一部から、側外方に突出した張出し板部５１を介して、第１係合板５２を後方突設して、その上面を係合子５３となし、又トリガー５上部前面から第２係合板５４を前方突設して、その下面を係合部５５となしたことを特徴とする請求項１記載のトリガー式液体噴出器。
- ノズルヘッド８の周壁１５後端部から張出し板６１を突出して、該張出し板の外端部から、側面視コ字形状に、平行に二枚の挟持板を突出して係合子６２、６３となし、又トリガー５の前壁部分に、前方および側方開口の横溝６４を穿設し、該横溝上壁からトリガー前壁一部を垂下させて係合部６５となし、上記係合子６２、６３間に係合部６５が嵌合可能に設けたことを特徴とする請求項１記載のトリガー式液体噴出器。
- ノズルヘッド８の周壁１５後端部から張出し板７１を突出して、該張出板の外端部から、外方からみてコ字形状に、平行に二枚の挟持板を突出して係合子７２、７３となし、又トリガー５の上部側板部分に透孔７４を穿設し、該透孔前方のトリガー前壁部分を係合部７５となし、上記係合子７２、７３間に係合部７５が嵌合可能に設けたことを特徴とする請求項１記載のトリガー式液体噴出器。
- ノズルヘッド８の周壁１５一部から側外方へ突出したアーム８１先端部から、後部を大径部とした係合筒８２を後方突設して、該大径部を係合子８３となし、又トリガーの上部前壁部分に、前方および側方開口の、内部で拡幅した横溝８４を穿設して、該拡幅部を係合部８５となしたことを特徴とする請求項１記載のトリガー式液体噴出器。
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