JP3958498B2 - トリガ式液体噴出器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はトリガ式液体噴出器に関し、内容物の意に反する噴射や不用意な噴射を確実に防止しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
トリガ式の液体噴出器は、トリガの牽曳によって押圧したピストンの復帰過程で、容器本体内に貯蔵してある内容物をピストンシリンダ内に呼び込み、この内容物をさらにピストンの押圧による高い圧力のもとに押し出すことによってノズルヘッド部のチップから噴射させる仕組みになっている。
【0003】
かかるトリガ式の液体噴出器は、内容物の噴射を停止した状態においてもピストンシリンダ内には内容物が残存しており、内容物の噴射を意図しないにもかかわらず、トリガに僅かな力が作用した場合に内容物が排出されてしまう不具合があり、とくに、内容物として液体洗剤やカビ取り剤が充てんされているようなものでは、幼児が誤ってトリガに触れて不用意に噴射してしまうことを確実に防ぐ必要がある。
【0004】
トリガ式液体噴出器における上記のような意に反する噴射や不用意な噴射を回避する試みとして、例えば特公平8−24861号公報には、引き金レバー作動器の引き金の操作を禁止するラッチ装置を設け、このラッチ装置に、引き金操作の禁止モードで、ポンプ本体と接触係合する延長部と、同じく、禁止モードでばね押圧力により延長部の接触係合を維持するタブと、引き金の操作を行う解除モードで、タブのばね押圧力に抗して回動され、延長部とポンプ本体との接触係合を解除する突起とを設けた構造になる液体小出し装置が提案されている。
【0005】
しかしながら、上記のような従来形式になる装置においては、噴出器そのものの構造の複雑化により組み立てに際して工数がかかるため生産性の面で難点があり、また、内容物の噴射に際してはラッチ装置の延長部がシリンダの自由端に接触して禁止モードにならないよう突起を上側もしくは下側に常に附勢しておく必要があることから、操作性がよいとはいえない。
【0006】
本発明の課題は、構造の複雑化や操作性の悪化を招くことなく、簡便、かつ、確実にロック及びその解除ができる操作性に優れたトリガ式液体噴出器を提案するところにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、容器本体の開口部に係合する取り付け部を有し、トリガの牽曳によるピストンの押圧動作とその牽曳の解除によるピストンの復帰動作を繰り替えすことによってノズルヘッドを通して容器本体内の内容物を噴射するようにしたトリガ式液体噴出器であって、
上記噴出器は、ノズルヘッドに揺動可能に保持され、内容物の噴射口及びトリガを覆うことによって該トリガの動きをロックするカバータイプのストッパーを有し、該ストッパーの前面に、ロック状態におけるトリガの牽曳を阻止するフィンを設けたことを特徴とするトリガ式液体噴出器である。
【0008】
上記の構成になる液体噴出器においてストッパーは噴射口を覆う部位に、ロック状態において該噴射口を密閉する気密シール部を有するものが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明に従うトリガ式液体噴出器は、ノズルヘッドの枢支部分を支点にしてストッパーを揺動させるのみでトリガのロックとその解除が可能であり、確実なロックが可能であるばかりでなく、操作性にも極めて優れる。
【0010】
以下、図面を参照して本発明をより具体的に説明する。
図1(a)(b)、図2(a)(b)は本発明に従うトリガ式液体噴出器の構成をその側面、平面、正面及び背面についてそれぞれ示したものである。
【0011】
図において番号1は容器本体の開口部に例えばねじ止めによって係合することができる取り付け部、2は容器内の内容物を吸い上げるためのパイプ、3は内容物の噴射通路を備える噴出器本体、4は噴出器本体3に回動自在に取り付けられ、噴出器本体3の噴射通路を経た内容物をその先端に設けられたノズルチップを介して外界に噴射するノズルヘッドである。
【0012】
5はシリンダであって、このシリンダ5にはスプリングによって一定の位置に配置されるが、外力によってシリンダ5内において往復移動可能なピストン5aが内挿されている。また、6は射出器本体2に揺動可能に保持されシリンダ5内に呼び込んだ内容物をピストン5aを押圧することによって噴射するためのトリガである。
【0013】
7はロック状態で示したストッパーである。このストッパー7はノズルヘッド4に枢支され支点8を中心にして揺動可能になっていて、内容物の噴射口であるノズルチップ及びトリガ6を覆うことによって該トリガの動きをロックするカバータイプからなり、その前面には、ストッパー7の長手方向に沿って延びるフィン7aが設けられている。
【0014】
上掲図1、図2に示した噴出器において、内容物の噴射口及びトリガ6をストッパー7にて覆うことによって該トリガの動きはロックされるが、ロックを解除するにあたっては図1(a)の仮想線で示す如く、ストッパー7を支点8を中心に揺動させるだけでよい。
【0015】
ストッパー7は、内容物の噴射口であるノズルチップをトリガー6とともに覆うものであるので、内容物が意に反して噴射されたり不用意に噴射されるようなことはない。また、ストッパー7によるロック状態でトリガ6を牽曳しようとしてもストッパー7の前面にはフィン7aが設けられているので、触覚でもってロック状態にあることがわかるし、幼児等が無理やりトリガ6を動かそうとしてもここに力が集中するため痛みを伴いその試みを絶つのに役立つ。
【0016】
上述のように、本発明においては、ストッパー7によりトリガ6をロックしておくことにより、誤って内容物が噴射されるのを確実に防止することができるとともに、内容物を噴射させるに際しては、該ストッパー7をノズルヘッド4の支点8を中心にした回動のみで簡単に解除することが可能なので、操作性も極めてよい。
【0017】
図3にトリガ式液体噴出器の断面構造を示す。シリンダ5とピストン5aとの間には、該ピストン5aの初期位置を決定するためのスプリングsが配置されていて、内容物を呼び込むための空間rが形成されている。ストッパー7によるロックを解除した状態でトリガ6の牽曳によりピストン5aを押圧してシリンダ5の壁面に当接させ、その時点でトリガ6の牽曳を解除するとピストン5aはスプリングsの弾性力によって初期位置に復帰するが、この時、空間rは負圧になることから、容器本体内の内容物はパイプ2、チェック弁8及びポート9を経て空間rに流入する。
【0018】
この状態からさらにトリガ6を牽曳してピストン5aを押圧すると、空間rに流入した内容物はポート9から排出され、この際チェック弁8は閉状態に維持されることになるので、該内容物は噴出器本体3に設けられた通路10を通りノズルヘッド4を経てその先端に配置されたノズルチップ11から外界へと噴出されることとなり、このトリガ6の牽曳と解除を繰り替え行うことにより内容物は連続的に噴出される。
【0019】
図4は本発明に従うトリガ式噴出器の他の構成例を示したものである。
噴出させるべき内容物によっては、ノズルチップ11の噴射口に残存した内容物が乾燥、固化してノズルを閉塞させてしまうことも起こり得る。このようなノズル閉塞を防止するためには、ストッパー7に環状の気密シール部12を一体的に設けて、ロック状態でノズルチップ11の噴出口をその外側において取り囲むようにするのがよい。なお、この環状の気密シール部12はこれにのみ限定されるものではなく、噴射口をシールしてノズル閉塞を回避できるものであれば様々な形態のシール機構を適用できる。
【0020】
【発明の効果】
本発明によれば、トリガ式液体噴出器においてトリガを確実にロックすることができるので内容物の意に反する噴出や不用意な噴射を防止できる。また、トリガーのロックはノズルヘッドにおいてストッパーを回動させるだけで解除できるので操作性についても極めて優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に従うトリガ式液体噴出器の構成説明図であって、(a)は側面を示したものであり、(b)は平面を示したものである。
【図2】 本発明に従うトリガ式液体噴出器の構成説明図であって、(a)は正面を示したものであり、(b)は背面を示したものである。。
【図3】 本発明に従うトリガ式液体噴出器の断面を示した図である。
【図4】 本発明に従うトリガ式液体噴出器の他の構成を示した図である。
【符号の説明】
1 取り付け部
2 パイプ
3 噴出器本体
4 ノズルヘッド
5 シリンダ
6 トリガ
7 ストッパー
8 チェック弁
9 ポート
10 通路
11 ノズルチップ
12 気密シール部
Claims (2)
- 容器本体の開口部に係合する取り付け部を有し、トリガの牽曳によるピストンの押圧動作とその牽曳の解除によるピストンの復帰動作を繰り替えすことによってノズルヘッドを通して容器本体内の内容物を噴射するようにしたトリガ式液体噴出器であって、
上記噴出器は、ノズルヘッドに揺動可能に保持され、内容物の噴射口及びトリガを覆うことによって該トリガの動きをロックするカバータイプのストッパーを有し、
該ストッパーの前面に、ロック状態におけるトリガの牽曳を阻止するフィンを設けたことを特徴とする、トリガ式液体噴出器。 - ストッパーは噴射口を覆う部位に、ロック状態において該噴射口を密閉する気密シール部を有するものである、請求項1に記載のトリガ式液体噴出器。
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