JP3578113B2 - スイッチング電源装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自励発振式のスイッチング電源装置、特に起動および停止を制御する起動停止回路を備えた自励発振式のスイッチング電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
起動および停止を制御する起動停止回路を備えた従来の自励発振式のスイッチング電源装置としては、たとえば、実願昭61−194288号、特願2000−295203号、特開平11−341802号(図10)に示されるものがある。実願昭61−194288号に示されるリンギングチョークコンバータ(RCC)では、入力電源とスイッチング素子の制御端子間に接続された起動抵抗を用いてスイッチング素子に対し起動電圧を与えるようにしている。また、特願2000−295203号に示されるハーフブリッジコンバータのスイッチング電源装置においても、スイッチング素子に対し、入力電源とスイッチング素子の制御端子間に接続された起動抵抗を用いて起動電圧を与えるようにしている。また、特開平11−341802号(図10)に示されるスイッチング電源装置は、サイリスタを用いて、スイッチング素子の制御端子に起動電圧を与えるようにしている。
【0003】
図11は、特願平2000−295203号に示されるハーフブリッジコンバータの回路図を示している。このコンバータ回路の概略の構成を説明すると、第1のスイッチング素子Q1と第2のスイッチング素子Q2の直列回路が入力電源Vinに並列に接続され、キャパシタCとインダクタLとトランスTの1次巻線T1との直列回路の一端が第1のスイッチング素子Q1と第2のスイッチング素子Q2の接続点に接続され、他端が入力電源Vinに接続され、トランスTの2次巻線に整流平滑回路が接続されている。トランスTは、1次巻線T1の電圧に略比例した電圧を発生する第1の駆動巻線T3および、第2の駆動巻線T4を有し、第1の駆動巻線T3と第1のスイッチング素子Q1との間に第1の制御回路A1が接続され、第2の駆動巻線T4と第2のスイッチング素子Q2との間に第2の制御回路A2が接続されている。第1および第2の制御回路は、第1および第2のスイッチング素子を両スイッチング素子が共にオフする期間を挟んで交互にオン/オフするようにオン/オフ制御する。これにより、このスイッチング電源装置は自励発振する。
【0004】
以上の構成において、キャパシタCがトランスTの1次巻線T1と入力電源Vin間に直列に接続されていることから、この回路はハーフブリッジコンバータとして動作する。
【0005】
また、起動回路としては、入力電源Vinと第1のスイッチング素子Q1の制御端子との間に接続された抵抗R2と、該制御端子とソース端子間に接続された抵抗R7とからなる抵抗分圧回路が使用されている。すなわち、入力電源Vinが上昇して、入力電源電圧を抵抗R2、R7で分圧した分圧電圧が、第1のスイッチング素子Q1のスレッショルド電圧を超えると、第1のスイッチング素子Q1がターンオンする。第1のスイッチング素子Q1がターンオンすると1次巻線T1に電流が流れ、第1の駆動巻線T3に電圧が発生し、第1のスイッチング素子Q1のオンを促進する。その後、第1の制御回路のトランジスタTr1がオンして第1のスイッチング素子Q1がターンオフすると、第2の駆動巻線T4に電圧が発生し、次に第2のスイッチング素子Q2がターンオンする。このようにして、第1のスイッチング素子Q1と第2のスイッチング素子Q2とが交互にオン/オフ制御され自励発振が行われる。
【0006】
図12は、特開平11−341802号公報(図10)に示される、サイリスタを用いた起動回路と同様の回路を備えたハーフブリッジコンバータの回路図を示している。この回路の基本的構成は図11に示すものと同様であって、第1のスイッチング素子Q1と第2のスイッチング素子Q2とが交互にオン/オフ制御されて自励発振が行われる。両者の相違点は起動回路であって、図12に示す回路では、第1のスイッチング素子Q1の制御端子にサイリスタSRを接続している。起動時の概略動作を説明すると以下のようである。
【0007】
入力電源Vinが上昇すると、抵抗R1を介してコンデンサC1が充電され、その充電電圧がツェナーダイオードDzのツェナー電圧を超えるとサイリスタSRが導通する。これにより、コンデンサC1に充電された電荷が第1のスイッチグ素子Q1のゲートに流れ、第1のスイッチング素子Q1がターンオンする。この第1のスイッチング素子Q1がターンオンするとコンデンサC1の電荷は、抵抗R4および第1のスイッチング素子Q1を介して短絡放電される。また、1次巻線T1に電流が流れ第1の駆動巻線T3に電圧が発生して第1のスイッチング素子Q1のオンを促進する。その後、第1の制御回路によって第1のスイッチング素子Q1がターンオフし、次に第2のスイッチング素子Q2がターンオンする。こうして、第1のスイッチング素子Q1とQ2とが交互にオン/オフ制御されて自励発振が行われる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の従来の構成では、起動時や発振停止時に以下のような不都合があった。
【0009】
▲1▼起動抵抗を用いた自励式RCC
起動時に、起動抵抗による起動とスイッチング素子のターンオフを繰り返しながら負荷に電力を供給するため、スイッチング素子のターンオフから再起動するまでの起動時間が長くなる場合、単位時間における電力供給量が小さいために、重負荷においては所定の出力電圧を得ることができずに起動不良となってしまう不都合がある。
【0010】
また、停止時、入力電圧が低くなるまで発振が持続すると、1次巻線の電流ピーク値が大きくなりトランスの飽和を起こしてしまう不都合がある。
【0011】
▲2▼起動抵抗を用いた自励式ハーフブリッジコンバータ
入力電源電圧が緩慢に上昇した場合、スイッチング素子Q1が能動領域から徐々にオン状態となるが、この時トランスに流れる電流の変化率が小さくなってトランスに電圧が発生しない状況に陥る。この場合には自励発振動作が行われず起動不良となる。
【0012】
また、停止時に、入力電圧が低下してスイッチング素子Q1のオンデューティが大きくなりすぎると、スイッチング素子Q1をオン/オフ制御する第1の制御回路が誤動作する可能性がある。
【0013】
▲3▼サイリスタやダイアックを用いた自励式ハーフブリッジコンバータ
入力電圧がゆっくりと上昇した場合でも起動特性には問題は生じないが、サイリスタやダイアックなどの特殊な高価な素子が必要となる。また、図12に示すような回路でのサイリスタやダイアックは、導通するまでの期間に高い電圧が印加されることから、高耐電圧特性のものが必要となってくる。
【0014】
また、図12において、コンデンサC1に蓄積された電荷がスイッチング素子Q1のオンの度に短絡放電されるために、スイッチング損失が増加するという不都合がある。
【0015】
また、停止時、入力電圧が低下してスイッチング素子Q1のオンデューテイが大きくなりすぎると、スイッチング素子Q1をオン/オフ制御する制御回路が誤動作する可能性がある。
【0016】
本発明は、上述の各課題を解決し、確実な起動機能と誤動作の無い発振停止機能を合わせ持つ起動停止回路を備えるスイッチング電源装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するために次のように構成される。
【0018】
(1)入力電源とトランスTの1次巻線と第1のスイッチング素子Q1とが直列に接続され、トランスTの2次巻線に整流平滑回路が接続され、1次巻線電圧に略比例し前記第1のスイッチング素子Q1をオンさせる電圧を発生させる第1の駆動巻線を前記トランスTに備え、前記第1のスイッチング素子Q1をオン/オフ制御し自励発振するスイッチング電源装置において、
前記第1のスイッチング素子Q1の制御端子とソース端子との間に接続されたスイッチ手段と、
入力電源端子間の入力電源電圧を抵抗分圧して、この分圧した電圧を前記第1のスイッチング素子Q1の起動電圧として供給する第1の抵抗分圧回路と、
入力電源端子間の入力電源電圧を抵抗分圧して、この分圧した電圧を前記スイッチ手段の制御電圧として供給する第2の抵抗分圧回路とを備え、
入力電源端子間の入力電源電圧の上昇時において、前記第2の抵抗分圧回路の分圧電圧が前記スイッチ手段をオフし、且つ前記第1の抵抗分圧回路の分圧電圧が前記第1のスイッチング素子Q1をオンする大きさになると、そのときの前記入力電源電圧が起動開始入力電圧に達したものとして、前記スイッチ手段をオフし、且つ前記第1のスイッチング素子Q1をオンして発振を開始させ、
前記入力電源端子間の入力電源電圧の降下時において、前記第2の抵抗分圧回路の分圧電圧が前記スイッチ手段をオンする大きさになると、そのときの前記入力電源電圧が発振停止入力電圧に達したものとして、前記スイッチ手段をオンし、前記第1のスイッチング素子Q1をオフして発振を停止させ、
前記起動開始入力電圧が前記発振停止入力電圧よりも高い電圧となるように前記第1の抵抗分圧回路又は前記第2の抵抗分圧回路の値を設定した、起動停止回路を備えたことを特徴とする。
【0019】
この発明では、入力電源電圧が上昇していき、あるしきい値を超えると、スイッチ手段がオフすることによって第1のスイッチング素子Q1の制御端子に対し起動抵抗により起動電圧が一気に印加され、このスイッチング素子Q1がオンする。これにより、入力電源電圧がゆっくりと上昇した場合であっても、第1のスイッチング素子Q1をオンするための十分な電荷が一気に供給されるため、確実に起動することができる。また、たとえば、AC230Vの商用電源で動作するように設計された電源装置に、誤ってAC100Vの商用電源を投入した場合であっても、起動電圧がAC100Vよりも高くなるように前記所定の電圧を設定しておくことによって、AC100Vを投入しても電源装置は動作せず、誤った電圧の電源投入によって誤動作するのを防止することができる。
【0020】
また、入力電源をオフして入力電源電圧が低下した場合においても、所定の入力電圧以下になった時に発振を停止させるように動作するために、1次電流ピークの増加によるトランス飽和やオンデューティの拡大による誤動作を防止することができる。
【0021】
また、1つの制御回路で、起動機能と発振停止機能を兼用させることができる。このため、それぞれ独立に2つの回路を設ける必要がなく、全体として部品点数を削減でき、スイッチング電源装置の高効率化、小型軽量化を図ることができる。
【0022】
(2)前記第1の駆動巻線と前記起動停止回路の制御端子との間に、前記スイッチ手段をオフするよう該第1の駆動巻線の出力電圧を該制御端子に帰還させる帰還回路を設けた。
【0023】
帰還回路は、第1の駆動巻線に発生する電圧を起動停止回路の制御端子に正帰還するように作動する。このため、起動時は、入力電源電圧のみが起動停止回路の制御端子に印加されるのに対し、発振開始後は、入力電源電圧に加えて、帰還回路により、第1の駆動巻線に発生した電圧が起動停止回路の制御端子に印加される。これにより、起動を開始する入力電源電圧よりも発振が停止する入力電源電圧のほうが低くなり、それらの入力電源電圧の間にヒステリス特性を持たせることができる。このヒステリシスにより、入力電圧のチャタリングによる誤動作を防ぐことができる。たとえば、商用電源電圧を整流平滑した電圧を入力電源電圧とすると、入力電源電圧に商用周波数の2倍の周波数のリップル電圧が発生する。この場合、起動電圧と停止電圧にほとんど差がなく、リップル電圧の変動が大きいと、入力電源電圧がこの電圧付近になると発振と停止を繰り返す誤動作を生じてしまう。本発明によれば、このチャタリングによる誤動作を上記ヒステリシス特性によって防止することができる。
【0024】
また、上記ヒステリス特性は、出力に供給する電力等に係わらず発振停止電圧を起動電圧より低い電圧とするために、瞬時停電発生時等において発振が停止してから再び入力電圧が上昇した場合でも起動が可能となる。この場合、もし、発振停止電圧が起動電圧以上になっていると起動不良を生じてしまうことになる。
【0025】
また、たとえば、ハーフブリッジコンバータのようにトランスの1次巻線に直列にキャパシタが接続されているコンバータ構成の場合、第1のスイッチング素子Q1が能動領域からゆっくりオンするとトランスに流れる電流の変化率が小さく第1の駆動巻線に電圧が発生しないため自励発振動作が行われず、起動不良になるが、帰還回路による正帰還をかけることによって第1のスイッチング素子Q1を急速にターンオンすることができ、これにより、起動不良を防止することができる。
【0026】
また、起動時に起動とスイッチング素子のターンオフとを繰り返して負荷に電力を供給して起動するリンギングチョークコンバータにおいても、起動時のターンオンスピードを速くして起動周期を短くすることにより、重負荷時においても安定して起動することが可能となる。
【0027】
また、帰還回路の定数を適切にすることによって、停止時において、入力電源電圧が低下するのに伴い第1のスイッチング素子Q1のオン時間を次第に短縮させていくことができる。これにより、オンデューティの拡大による誤動作を抑制し、低い入力電圧まで発振を持続することができ、出力電圧の保持時間を長くすることができ、また、長い時間の瞬時停電に対応することができる。
【0028】
(3)前記スイッチ手段を第1のトランジスタで構成し、前記制御回路を第1のトランジスタの制御端子に接続された第2のトランジスタで構成し、
該第2のトランジスタは、前記入力電源電圧が所定の電圧を超えることを検出するとオンして前記第1のトランジスタをオフすることで前記第1のスイッチング素子Q1をオンして発振を開始させ、前記入力電源電圧が所定の電圧以下であることを検出するとオフして前記第1のトランジスタをオンすることで前記第1のスイッチング素子Q1をオフして発振を停止させる。
【0029】
スイッチ手段を第1のトランジスタ、スイッチ手段の制御回路を第2のトランジスタで構成することによって回路部品を削減し、スイッチング電源装置の低コスト化、小型軽量化を図ることができる。
【0030】
(4)前記第2のトランジスタは、ベース・エミッタ間のしきい値電圧と前記入力電源電圧の抵抗分圧電圧とを比較し、該抵抗分圧電圧が前記しきい値電圧を超えるかどうかで、前記入力電源電圧が所定の電圧を超えるかどうか、および、前記入力電源電圧が所定の電圧以下であるかどうかを検出する。
【0031】
入力電源電圧と所定の電圧とを比較する手段として、第2のトランジスタのベース・エミッタ間のしきい値電圧を用いることによって、コンパレータや高耐圧のツェナーダイオード等の部品を必要としない。これにより、スイッチング電源装置の低コスト化、小型軽量化を図ることができる。
【0032】
(5)前記第2のトランジスタのベース・エミッタ回路に該ベース・エミッタ間電圧の温度特性を補正するツェナーダイオードを接続した。
【0033】
一般に、トランジスタのベース・エミッタ間電圧は約−2.0mV/℃の温度特性を持っている。このため、入力電源電圧の検出比較手段として、トランジスタのベース・エミッタ間電圧を用いると温度により起動電圧が変動する。これを補正するために、トランジスタのベース・エミッタ間電圧とツェナーダイオードのツェナー電圧の和を基準電圧として用い、たとえば、約+2.0mV/℃の温度特性を持っている約7Vのツェナーダイオードを用いると基準電圧の温度変動はほとんどなくなる。これにより、温度による起動電圧の変動を抑制することができる。
【0034】
(6)前記帰還回路は、前記第1の駆動巻線に発生する電圧を前記第2のトランジスタに印加する、少なくとも直列に接続された抵抗とダイオードとを含む回路で構成した。
【0035】
ダイオードを用いることで、起動時は、帰還回路に電流が流れないため、帰還回路に流れる電流を考慮せずに容易に起動電圧を設定することができる。また、帰還回路を少ない部品点数で簡単に構成することができるため、スイッチング電源装置の低コスト化、小型軽量化を図ることができる。
【0036】
(7)前記帰還回路は、前記第1の駆動巻線に発生する電圧を前記第2のトランジスタに印加する、少なくとも直列に接続された抵抗とコンデンサとを含む回路で構成した。
【0037】
コンデンサを用いることで、起動時の直流電流を帰還回路に流すことなく、容易に起動電圧を設定することができ、発振開始後は交流電流を流すことにより帰還をかけることができる。また、上記(6)と同様に、帰還回路を少ない部品点数で簡単に構成することができるため、スイッチング電源装置の低コスト化、小型軽量化を図ることができる。
【0038】
(8)前記帰還回路は、前記第1の駆動巻線に発生する電圧を前記第2のトランジスタに印加する、少なくとも直列に接続されたダイオードと抵抗とツェナーダイオードと、該ダイオードに並列に接続されたコンデンサを含む回路で構成した。
【0039】
ダイオードに並列に接続されたコンデンサは、起動時においてその充電電荷を正帰還させ帰還値を大きくし、第1のスイッチング素子Q1のターンオンスピードを上げることができる。また、直列に接続されたツェナーダイオードのツェナー電圧値を自由に設定出来るから、発振停止電圧の設定自由度を拡大することができる。
【0040】
(9)上記(1)〜(8)のいずれかに記載のスイッチング電源装置の構成に加えて、
前記第1のスイッチング素子Q1に第2のスイッチング素子Q2を直列に接続してこの直列回路を入力電源に並列に接続されるようにし、キャパシタCとインダクタLとトランスTの1次巻線との直列回路の一端が前記第1のスイッチング素子Q1と第2のスイッチング素子Q2との接続点に接続され、該直列回路の他端が入力電源に接続され、
前記第1のスイッチング素子に並列に第1のダイオードD1と第1のキャパシタC1とを接続し、
前記第2のスイッチング素子に並列に第2のダイオードD2と第2のキャパシタC2とを接続し、
1次巻線電圧に略比例し前記第1のスイッチング素子Q1をオンさせる電圧を発生させる前記第1の駆動巻線とともに、1次巻線電圧に略比例し前記第2のスイッチング素子Q2をオンさせる電圧を発生させる前記第2の駆動巻線をトランスTに設け、
且つ、前記第1および第2のスイッチング素子を両スイッチング素子が共にオフする期間を挟んで交互にオン/オフするスイッチング制御回路を設け、これにより自励発振するようにした。
【0041】
上記の構成のスイッチング電源装置は、ハーフブリッジ構成のコンバータである。ハーフブリッジ構成のコンバータでは、入力電源とトランス間に直列にコンデンサが挿入されるために、図11に示すような従来の構成では、入力電源電圧がゆっくりと上昇すると起動不良を起こすことがあるが、本発明では、入力電源電圧がゆっくりと上昇した場合であっても、スイッチング素子Q1を急速にターンオンして、トランスの1次巻線に流れる電流の変化率を大きくし、第1の駆動巻線に電圧を発生させて確実に自励発振動作を開始することができる。また、停止時において、入力電圧が低くなり、スイッチング素子Q1のオンデューティが拡大して、スイッチング素子Q1をオン/オフ制御する第1の制御回路が誤動作する前に発振を止める、またはオン時間を短縮することによって誤動作を防止することができる。さらに、図12に示すような、スイッチング素子のオンのたびに短絡放電されるコンデンサC1がないために、スイッチング損失を低減し、スイッチング電源装置の高効率化、小型軽量化を図ることができる。
【0042】
(10)前記インダクタとしてトランスTが有する漏れインダクタを用いた。インダクタLとしてトランスTが有する漏れインダクタを用いることによって、部品点数を削減し、スイッチング電源装置の低コスト化、小型軽量化を図ることができる。
【0043】
(11)前記第1のスイッチング素子Q1および第2のスイッチング素子として電界効果トランジスタを用い、該電界効果トランジスタの寄生ダイオードおよび寄生容量により前記第1、第2のダイオードおよび前記第1、第2のキャパシタを構成した。
【0044】
スイッチング素子として電界効果トランジスタを用いることによって、電界効果トランジスタが有する寄生ダイオード、寄生容量を回路部品として用いることができ、部品点数を削減し、スイッチング電源装置の低コスト化、小型軽量化を図ることができる。
【0045】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の第1の実施形態のスイッチング電源装置の回路図である。
【0046】
第1のスイッチ回路S1は、第1のスイッチング素子Q1、第1のダイオードD1、および第1のキャパシタC1の並列接続回路で構成され、第2のスイッチ回路S2は、第2のスイッチング素子Q2、第2のダイオードD2、および第2のキャパシタC2の並列接続回路で構成される。これらの第1のスイッチ回路S1とS2とは直列に接続されて、この直列回路は入力電源Vinに並列接続されている。第1のスイッチング素子Q1と第2のスイッチング素子Q2には、この実施形態の装置では電界効果型トランジスタ(以下、FETと称する)が使用される。
【0047】
トランスTの1次巻線T1にはインダクタLおよびキャパシタCが直列接続され、この直列回路の一端が、第1スイッチ回路S1と第2のスイッチ回路S2の接続点に接続され、他端が入力電源Vinに接続されている。
【0048】
トランスTの第1の駆動巻線T3は、1次巻線T1の電圧に略比例した電圧を発生し、この駆動巻線電圧は第1の制御回路A1に入力される。この第1の制御回路A1は、第1の駆動巻線T3と第1のスイッチング素子Q1の制御端子(ゲート)の間に接続されたコンデンサと抵抗の直列回路からなる遅延回路と、第1のスイッチング素子Q1をターンオフさせるためのスイッチ手段であるトランジスタTr3と、このトランジスタTr3の制御端子(ベース)に接続され、検出回路Eからのフィードバック信号を受けるフォトカプラおよび該トランジスタTr3をオンさせるための時定数回路で構成されている。なお、帰還回路Fはこの第1の制御回路A1に含まれない。
【0049】
第1の制御回路A1は、第1の駆動巻線T3に電圧が発生してから、遅延して第1のスイッチング素子Q1をオンさせるとともに、第1の駆動巻線T3の電圧が発生してから、フォトカプラのインピーダンスとコンデンサC4からなる時定数回路によって決まる時間経過後にトランジスタTr3がオンすることによって第1のスイッチング素子Q1を急速にターンオフさせる。
【0050】
トランスTには第2の駆動巻線T4が設けられており、この第2の駆動巻線T4の電圧は第2の制御回路A2に入力される。この第2の制御回路A2も、上記第1の制御回路A1と同様の構成にあって、第2の駆動巻線T4に直列に遅延回路が接続され、また、第2のスイッチング素子Q2をターンオフさせるためのトランジスタTr5と、このトランジスタTr5の制御端子(ベース)に接続される時定数回路を含んでいる。
【0051】
なお、第1の制御回路A1または第2の制御回路Aには、それぞれ、キャパシタC1またはC2の両端電圧が零電圧または零電圧付近まで低下した後にスイッチング素子Q1またはQ2をオンさせるように遅延時間を設定する。これにより、各スイッチング素子Q1およびQ2は零電圧スイッチング動作を行う。したがって、ターンオン損失を低減し、スイッチングノイズの発生を抑制することができる。また、第2の制御回路A2は、第2のスイッチング素子Q2を流れる電流が零または零付近でターンオフさせるように制御する。これによって、第2のスイッチング素子Q2が零電流ターンオフ動作し、ターンオフ時のスイッチング損失、スイッチングサージが低減される。さらに、整流素子Dsに流れる電流波形は矩形波に近いほど、該整流素子での損失が小さくなるが、このような波形となるように、キャパシタCとインダクタLとの値、およびスイッチング制御回路による第2のスイッチング素子Q2のオン期間が設定される。
【0052】
検出回路Eは、分圧抵抗R9、R10と、その抵抗の基準点が基準電圧入力端子Vrに接続されるシャントレギュレータIC1と、このシャントレギュレータIC1に直列に接続されるフォトダイオードPCとを備えている。シャントレギュレータIC1は、基準電圧入力端子Vrの電圧が一定になるようにカソード−アノード間の電流を制御し、この電流の変化は、フォトダイオードPCの光の強弱に変換され、トランスTの第1の駆動巻線T3に接続されていフォトトランジスタに入光する。この回路では、フォトダイオードPCに流れる電流の強弱によってフォトトランジスタを介してトランジスタTr3のオンタイミングを制御し、結果として第1のスイッチング素子Q1のオン時間の制御を行う。すなわち、出力電圧が高くなってフォトダイオードPCの電流が大きくなろうとすると、第1のスイッチング素子Q1のオン時間が短くなり、出力電圧を下げようとし、反対に、出力電圧が低くなってフォトダイオードPCに流れる電流が小さくなろうとすると、第1のスイッチング素子Q1のオン時間が長くなって出力電圧を上げようとする。この動作によって、出力電圧の安定化が図られる。
【0053】
次に上記のスイッチング電源装置の動作を説明する。
【0054】
図2は、図1に示す回路の波形図である。以下、図1および図2を参照して同回路の動作を説明する。
【0055】
図2において、Q1、Q2はスイッチング素子Q1、Q2のオンオフを表す信号、Vds1、Vds2、Vdsは、それぞれキャパシタC1、C2、Csの両端電圧波形信号、id1、id2、isは、それぞれスイッチ回路S1、S2、制御素子Dsの電流波形信号である。
【0056】
本回路の起動後のスイッチング動作は、1スイッチング周期Tsにおいて、主に時間t1〜t5の4つの動作状態に分けることができる。まず、起動時(発振開始時)について説明し、次に各状態における動作を示す。
【0057】
(起動時)
入力電源Vinが印加されると、後述するように起動停止回路Bによってスイッチング素子Q1がオン状態となる。
【0058】
スイッチング素子Q1がオン状態からの最適な定格条件での1スイッチング周期Tsにおける時間t1〜t5の4つの動作状態は次に示す通りである。
【0059】
(状態1)t1〜t2
スイッチング素子Q1はオンしており、入力電源Vinの電圧からコンデンサ電圧を引いた電圧がトランスTの1次巻線T1に印加され、1次巻線電流が直線的に増加し、トランスTに励磁エネルギーが蓄えられる。また、この電流によりキャパシタCは充電され、キャパシタCに静電エネルギーが蓄えられる。
【0060】
この時、第1の制御回路A1のフォトトランジスタを介してコンデンサC4が充電され、C4の電圧がトランジスタTr3のしきい電圧(約0. 6V)に達するとTr3がオンして、時間t2でスイッチング素子Q1がターンオフし、状態2に遷移する。
【0061】
(状態2)t2〜t3
スイッチング素子Q1がターンオフすると、トランスTの1次巻線T1とインダクタLは、キャパシタC1およびC2と共振し、キャパシタC1を充電し、キャパシタC2を放電する。また、2次側ではトランスTの2次巻線T2とキャパシタCsが共振し、キャパシタCsを放電する。Vds1の立ち上がり、およびVds2の立ち下がり部分の曲線は、インダクタLおよび1次巻線T1とキャパシタC1、C2との共振による正弦波の一部である。
【0062】
キャパシタC2の両端電圧Vds2が下降し零電圧となると、ダイオードD2が導通する。駆動巻線T4に発生した電圧が第2の制御回路A2のコンデンサと抵抗を介してスイッチング素子Q1のターンオフより少し遅れてスイッチング素子Q2のゲート端子に与えられ、このスイッチングトランジスタQ2がターンオンされる。これにより零電圧スイッチング動作が行われ、状態3に遷移する。
【0063】
この時、2次側ではキャパシタCsの両端電圧Vsが零電圧まで下降し、整流素子Dsが導通し、零電圧ターンオン動作となる。このVsの立ち下がり部分の曲線は、キャパシタCsと2次巻線T2との共振による正弦波の一部である。
【0064】
(状態3)t3〜t4
状態3では、1次側でダイオードD2またはスイッチング素子Q2が導通し、インダクタLとキャパシタCが共振を始める。この期間においてキャパシタCの充電電荷は放電される。この時、2次側では整流素子Dsが導通し、トランスTに蓄えられた励磁エネルギーと、キャパシタCに蓄えられた静電エネルギーを2次巻線T2から放出し、整流平滑回路を介して出力される。この時、整流素子Dsに流れる電流isは、1次側のインダクタLとキャパシタCによる共振電流id2に対し、直線的に減少する励磁電流imを引いた値と相似形となる。このため、零電流から比較的急峻に立ち上がり、正弦波状の曲線を有する波形となって、電流変化率が零となるピーク点に達した後、零電流に向かって下降する。トランスの励磁電流imが0となると、整流素子Dsは零電流ターンオフ動作が行われ、2次側電流isが0となる。
【0065】
1次側では、キャパシタCの放電によって励磁電流imの向きが反転し、状態1とは逆方向にトランスTを励磁する。第2の駆動巻線T4に発生した電圧により第2の制御回路A2のトランジスタTr2のベースに接続されているコンデンサが充電され、しきい電圧(約0. 6V)に達するとトランジスタTr2がオンし、時間t4でスイッチング素子Q2が零電流付近でターンオフされ、零電流ターンオフが行われる。スイッチング素子Q2がターンオフされると、2次側整流ダイオードに逆電圧が掛かり、キャパシタCsが共振を始め、トランスの巻線電圧が反転しはじめる。
【0066】
ここで、出力端子に接続される負荷により、励磁電流がimが0になるタイミングとスイッチング素子Q2がターンオフされるタイミングが異なる。すなわち、負荷が軽い場合には、励磁電流imが0になってからQ2がターンオフされ整流素子Dsに逆電圧が掛かるが、重負荷の場合は、Q2がターンオフされてから励磁電流imが0となり、整流素子Dsに逆電圧が掛かる。すなわち、いずれの負荷条件においても、Q2と整流素子Dsがともにオフとなる時間t4で整流素子Dsに逆電圧が掛かり、状態4に移行する。
【0067】
(状態4)t4〜t5
状態4では、トランスTの2次巻線T2とキャパシタCsとが共振し、キャパシタCsが充電される。1次側では、トランスTの1次巻線T1とインダクタLは、キャパシタC1およびC2と共振し、キャパシタC1を放電し、キャパシタC2を充電する。
【0068】
キャパシタC1の両端電圧Vds1が下降し零電圧になると、ダイオードD1が導通する。この時、第1の駆動巻線T3に発生した電圧が第1の制御回路A1の抵抗およびコンデンサを介して少し遅延してスイッチング素子Q1のゲートに与えられ、時間t5でスイッチング素子Q1がターンオンされ、零電圧スイッチング動作が行われて状態5が終了する。この時、2次側では、キャパシタCsの両端電圧Vsが零電圧から上昇し、2次巻線電圧と出力電圧との和の電圧にクランプされる。
【0069】
1スイッチング周期当たり、以上のような動作を行って、次のスイッチング周期も同様の動作を行い、以降この動作を繰り返す。
【0070】
以上の動作によって、第1のスイッチング素子Q1がオンされている期間にトランスTの1次巻線T1に励磁エネルギーが蓄えられるとともに、キャパシタCに静電エネルギーが蓄えられ、同スイッチング素子Q1がオフすると、これらの励磁エネルギーと静電エネルギーが放出されることになるために、従来のスイッチング電源装置、すなわちスイッチング素子Q1のオン期間に励磁エネルギーのみが蓄えられて、スイッチング素子Q1のオフ期間にこの励磁エネルギーを放出する装置に比較して、電流ピーク値を低減でき、導通損失を低減できる利点がある。
【0071】
なお、図1に示すスイッチング電源装置においても、従来のスイッチング電源装置と同様に、スイッチング素子Q1およびスイッチング素子Q2は零電圧でターンし、スイッチング素子Q2は零電流付近でターンオフするために、スイッチング損失、スイッチングサージが大幅に低減される。また、2次側の整流素子Dsは零電流でオンし、且つその電流波形は零電流から比較的急峻に立ち上がり、電流の変化率が零となるピーク点に達した後、再び零電流となってターンオフする波形となるために、整流素子に流れる電流波形が矩形波的となってピーク電流値が低く抑えられ、実効電流値が低減されて導通損が低減される。
【0072】
また、トランスの漏れインダクタLが回路動作に取り込まれ、漏れインダクタLによるスイッチングサージの発生がなく電圧がクランプされるために低耐圧の半導体素子を利用できる。また、スイッチング素子に流れる電流および電圧波形の急峻な変化が緩和されるために、スイッチングノイズの発生を低減することができる。
【0073】
次に起動停止回路について説明する。
【0074】
図1において、起動停止回路Bは、第1のスイッチング素子Q1の制御端子(ゲート)と入力電源Vinの基準電位端子(ソース)間に接続されたスイッチ手段としての第1のトランジスタTr1と、この第1のトランジスタTr1の制御端子(ベース)にコレクタが接続された第2のトランジスタTr2と、この第2のトランジスタTr2の制御端子(ベース)に接続されたツェナーダイオードDz1と、このツェナーダイオードDz1のカソードが分圧点であるa点に接続された抵抗R3と抵抗R4からなる抵抗分圧回路とを備えている。このうち、第2のトランジスタTr2とツェナーダイオードDz1と抵抗R3および抵抗R4からなる抵抗分圧回路、および抵抗R2とで、スイッチ手段としての第1のトランジスタTr1の制御回路を構成する。
【0075】
上記の起動停止回路の動作を説明する。
【0076】
電源が投入され、入力電源Vinの電圧が上昇して、抵抗R3と抵抗R4の分圧点であるa点の電位が上昇していった時、次の条件で第2のトランジスタTr2がオンする。
【0077】
Vin・R4/(R3+R4)>(Vbe+Vz)・・・(1)
ただし、第2のトランジスタTr2のしきい値電圧(約0.6V)をVbeとし、ツェナーダイオードDz1のツェナー電圧をVzとする。
【0078】
第2のトランジスタTr2がオンすると、第1のトランジスタTr1がオフする。第1のトランジスタTr1がオフすると、起動抵抗R1を介してスイッチング素子Q1のゲートに以下の電圧Vgsが印加される。
【0079】
Vgs=Vin・R5/(R1+R5)・・・(2)
この電圧をスイッチング素子Q1のスレッショルド電圧より高く設定しておくことによって、上記(1)式が成立したときにスイッチング素子Q1がターンオンする。スイッチング素子Q1がターンオンすると、トランスTの1次巻線T1に電流が流れ、1次巻線T1に電圧が発生する。これにより、第1の駆動巻線T3に電圧が発生し、この電圧は帰還回路Fによって第2のトランジスタTr2に印加され、このトランジスタTr2をさらにオン状態に移行し、これによりトランジスタTr1をさらにオフ状態に移行させることによって、第1のスイッチング素子Q1を急速にオン状態とする。
【0080】
以上の動作において、上記(1)式に示すように、a点の電位Vaが所定の電圧を超えることを検出すると、第1のトランジスタTr1をオフすることによって、第1のスイッチング素子Q1のゲートに対し一気に電圧を印加する。これにより、入力電源Vinの電圧がゆっくり上昇した場合であっても、確実に起動することができる。
【0081】
また、発振停止時の動作は次のようになる。
【0082】
電源スイッチをオフすると、入力電源Vinの電圧が低下する。この電圧が低下していって、
Vin・R4/(R3+R4)<(Vbe+Vz)・・・(3)
となっても、起動時と異なり、発振はすぐに停止しない。これは、第1の駆動巻線T3に電圧が発生していることから、この電圧が帰還回路Fによってa点に印加され、電位Vaを、Va>(Vbe+Vz)とするためで、第2のトランジスタTr2はオンし続け、第1のトランジスタTr1がオフとなり、発振を持続する。さらに、入力電源Vinの電圧が低下すると、これに伴い、第1の駆動巻線T3の発生電圧は入力電源Vinに比例していることから、低下し、第2のトランジスタTr2のオン時間が短くなり、第1のトランジスタが第3のトランジスタTr3よりも早いタイミングでオフするようになり、その結果、第1のスイッチング素子Q1のオン時間が徐々に短くなる。次に、Va<(Vbe+Vz)となると、第2のトランジスタTr2がオフし、第1のトランジスタTr1がオンする。これにより、第1のスイッチング素子Q1はオフ状態となり、発振動作が停止する。
【0083】
このように、起動停止回路Bを設けることによって、第1のスイッチング素子Q1のゲート電圧が入力電源Vinの立ち上がり(電源オン時)および立ち下がり(電源オフ時)の変化に比例したものとならず、第1のトランジスタTr1のオフまたはオンによってスイッチング素子Q1のゲートに対し電圧が一気に印加されたりゲート電圧が一気に零となるため、単に、抵抗分圧回路によって起動電圧を印加する従来の回路に比べ、起動と停止を確実なものにすることができる。また、たとえば、AC230Vの商用電源で動作するように設計された電源装置に、誤ってAC100Vの商用電源を投入した場合等であっても、AC100V投入時のa点の電位Vaが(Vbe+Vz)よりも低くなるように設定しておくことで、誤った電源投入による誤動作を防止することができる。また、電源オフ時においては、起動電圧より低い入力電圧で徐々にオン時間を短くして、所定の入力電圧で発振を停止させることによって、1次電流ピークの増加によるトランスTの飽和やオンデューティの拡大による誤動作を防止することができる。さらに、起動停止回路Bは、起動機能と発振停止機能を合わせ持っているために、それぞれ独立に2つの回路を設ける場合と比較して部品点数を削減でき、スイッチング電源装置の高効率化、小型軽量化に寄与することができる。
【0084】
図1に示す本発明の実施形態では、起動の確実性と停止時での誤動作防止の確実性をさらに高めるために、帰還回路Fを設けている。
【0085】
この帰還回路Fは、第1の駆動巻線T3の端子と、分圧点のa点との間に接続され、抵抗R6、ツェナーダイオードDz2、ダイオードD2を直列に接続し、且つダイオードD2に並列にコンデンサC3を接続したものである。
【0086】
次に、この帰還回路Fの動作を詳細に説明する。
【0087】
起動時においては、上述のように、入力電源Vinの電圧が所定の電圧を超えと、第1のトランジスタTr1がオフして、第1のスイッチング素子Q1のゲートに起動抵抗R1を介して電圧が印加され、これによって、1次巻線T1に電流が流れ、さらに第1の駆動巻線T3に電圧が発生する。この時、この電圧は帰還回路Fを介して起動停止回路Bのa点に正帰還される。これにより、第2のトランジスタTr2は帰還回路Fがない場合に比較してより急速にオン状態に移行し、したがって、第1のトランジスタTr1はより急速にオフ状態に移行し、第1のスイッチング素子Q1は一気にオン状態となる。
【0088】
また、入力電源Vinがその上昇時に上記(1)式が成立したりしなかったりするように変動すると、帰還回路Fがない場合、入力電源Vinの変動に応じてトランジスタTr2がオン/オフしてトランジスタTr1がオフ/オンし、発振と停止を繰り返す誤動作をする可能性がある。しかし、帰還回路Fを設けることによって、第1の駆動巻線T3に発生する電圧がa点に印加されるため、一度発振が開始され、第1の駆動巻線T3に電圧が発生すると、(1)式が成立しなくても、Va>(Vbe+Vz)となるため、第2のトランジスタTr2はオンとなり、第1のトランジスタTr1はオフとなり、上述の誤動作を防ぐことができる。さらに、入力電圧が低下して、第1の駆動巻線T3に発生する電圧が十分に低下すると、トランジスタTr1がトランジスタTr3よりも早いタイミングでオンして、スイッチング素子Q1のオン時間が短くなり、入力電圧が所定の電圧に低下した時点でトランジスタTr1がオン状態となり、確実に発振動作が停止する。このように、帰還回路Fは、スイッチング電源装置の起動電圧が停止電圧よりも高くなるヒステリス特性を与える。
【0089】
図3は、このヒステリシス特性を模式的に示している。このヒステリシス特性は、たとえば、入力電源電圧のチャタリングや商用電源電圧を整流平滑して入力電源を得て、入力電源電圧が大きく変動する場合により有効である。すなわち、入力電源電圧のオン/オフによるチャタリングや入力電源電圧の商用周波数のリップル電圧等により、入力電圧が変動(振動)した場合、起動電圧と停止電圧にほとんど差がない特性であると、入力電源電圧がこの起動電圧付近(または停止電圧付近)を上下するような電圧になった時に、発振と停止を繰り返す誤動作を起こす可能性がある。そこで、帰還回路Fを設けて図3に示すヒステリシス特性を与えることにより、この誤動作を抑制することができる。また、発振停止する停止電圧が起動電圧以上の場合には、入力電圧が起動電圧以下となる前に再起動すると起動不良を生じるが、停止電圧が起動電圧以下であるヒステリシス特性によって、このような状況になるのを確実に防止できる。また、本実施形態のようなハーブブリッジコンバータでは、トランスの1次巻線T1に直列にキャパシタCが接続されているために、スイッチング素子Q1が能動領域からゆっくりオンする時に起動不良になる可能性があるが、帰還回路Fによって正帰還をかけ、スイッチング素子Q1を急速にターンオンする構成としているために、どのような状況であっても起動不良を生じることがない。
【0090】
また、帰還回路Fは、さらに、発振停止時においても誤動作を抑制するように動作する。図4は、第1の駆動巻線T3に発生する電圧Vbiasがある程度まで低下した時の波形図である。Vb、Vcは、それぞれ図1におけるb点およびc点の電位を示している。この状態では、帰還回路FのコンデンサC3に、負極性の時(駆動巻線T3の発生電圧の極性が逆の時)に充電されている電荷が、正極性に切り換わった時に、この充電電位にVbiasが加算された電位がa点に印加されて、トランジスタTr2がオンしてトランジスタTr1がオフする。しかし、コンデンサC3の充電電荷が消費されVa<( Vbe+Vz)となると、その時点でトランジスタTr2がオフしてトランジスタTr1がオンしてしまう。このトランジスタTr1がオンするタイミングは、図4のtaである。一方、トランジスタTr1がオンしない場合には、トランジスタTr3は、図4のVbiasの極性切り換わりタイミングt2でオン動作する。したがって、帰還回路Fの上記の動作により、入力電源Vinの電圧がある程度まで低下した状態では、第1の駆動巻線T3が正極性になった時のオン時間(期間)Tonを、トランジスタTr3よりトランジスタTr1がより速くオンすることによって矢印Pのように短縮しようとする。この結果、入力電源Vinの電圧が低下するに伴い、スイッチング素子Q1のオン時間がしだいに短縮して発振が停止状態になる。これにより、入力電源電圧の低下時に、オンデューテイが拡大することによって誤動作が生じるのを抑制し、低い入力電源電圧まで発振を持続することができ、出力電圧の保持時間を長くすることができ、また、長い時間の瞬時停電に対応することもできる。
【0091】
このように、発振停止動作時には、入力電源Vinの電圧低下に応じて、第1の駆動巻線T3に発生する電圧が低下し、これにより、トランジスタTr2のベース電流が小さくなり、トランジスタTr1のオフ時間がしだいに短くなっていく。そして、第1のスイッチング素子Q1のオン時間がしだいに短縮されていき、さらに入力電源電圧が低下すると、帰還回路FのツェナーダイオードDz2がオフとなって、発振が停止する。
【0092】
図5は、帰還回路Fの構成図を示している。また、図6は、帰還回路Fの他の構成例を示し、図7は、さらに他の構成例を示す。
【0093】
図5および図7に示す帰還回路では、コンデンサC3を設けているために、上述のように、発振停止時において第1のスイッチング素子Q1のオン時間をしだいに短縮して発振を停止させることが可能である。また、このコンデンサC3は、定常状態においては、トランジスタTr2をより早くオンする(トランジスタTr1をより早くオフする)ように帰還量を増やすスピードアップコンデンサとして機能する。なお、ダイオードD2は、抵抗R3とR4の抵抗分圧回路によるa点で起動時に帰還回路に電流が流れ込むのを防止し、抵抗R3とR4の分圧比のみで起動電圧を容易に決めることができる。また、ツェナーダイオードDz2は、発振停止電圧を所定の値に設定するためのものであって、このツェナーダイオードのツェナー電圧によって、発振停止電圧を設定する自由度を拡大することが可能である。
【0094】
以上のように、本実施形態の自励式ハーフブリッジコンバータにおいては、入力電源Vinの電圧がゆっくりと上昇した場合であっても、第1のスイッチング素子Q1を急速にターンオンして、トランスTの1次巻線T1に流れる電流の変化率を大きくし、第1の駆動巻線T3に電圧を発生させて自励発振動作を確実に開始することができる。また、停止時においては、入力電源電圧の低下に伴いスイッチング素子Q1のオン時間を短縮していくことによって誤動作するのを防止することができる。さらに、起動停止回路Bは、高耐圧のサイリスタやダイアック等の素子を用いる必要がない。このためスイッチング電源装置の低コスト化を図ることができる。また、図12に示すような、スイッチング素子のオンのたびに、短絡放電されるコンデンサC1がないために、スイッチング損失が低減される。
【0095】
なお、図1に示す自励式ハーブブリッジコンバータでは、インダクタLを別部品として設けているが、これを、トランスTが有する漏れインダクタで構成することができる。これにより、部品点数を削減できる。また、第1のスイッチング素子Q1と第2のスイッチング素子Q2に、電界効果トランジスタを用いることによって、この電界効果トランジスタが有する寄生ダイオード、寄生容量をダイオードD1、D2およびコンデンサC1、C2に代えて使用することができる。これにより、部品点数を削減できる。
【0096】
図8は、商用電源を整流平滑して入力電源Vinを得る場合の回路ブロック図である。
【0097】
図9は、本発明の他の実施形態であるリンギングチョークコンバータの回路図である。この発明に係る起動停止回路Bと帰還回路Fとは、図1に示す自励式ハーブブリッジコンバータだけではなく、図9に示すリンギングチョークコンバータにも適用することが可能である。起動停止回路Bおよび帰還回路Fの動作は、自励式ハーフブリッジコンバータでの動作と変わるところはない。
【0098】
図10は、この発明のさらに他の実施形態である自励式ハーフブリッジコンバータの回路図である。構成において、図1に示す回路構成と相違する点は、抵抗R1に直列にツェナーダイオードDz4を接続したことと、抵抗R3に直列にツェナーダイオードDz3を接続したことである。この回路では、入力電源Vinの電圧がツェナーダイオードDz3がオンするまでに上昇しない限り起動しない。したがって、誤った入力電源が接続されて誤動作するのを防止出来る。また、トランジスタTr1にベース電流を供給する経路である抵抗R2を、ツェナーダイオードDz4のカソードに接続し、このカソード電位を入力電圧よりも十分低い値とすることによって、抵抗R2を入力電源に接続する場合と比較して、抵抗R2の値を小さくでき、損失を低減できる。さらに、トランジスタTr1がオンした状態でも、ツェナーダイオードDz4のツェナー電位により、抵抗R2を経路として十分なベース電流を供給できる。
【0099】
【発明の効果】
この発明によれば、起動時においては、入力電源電圧が所定の電圧を超えた時に一気に第1のスイッチング素子Q1をターンオンして発振を開始するため、特に入力電源電圧が緩やかに上昇する場合に起動不良となるのを防止することができる。また、上記所定の電圧を適当な値に設定することによって、AC230Vの商用電源で動作するように設計された電源装置に誤ってAC100Vの商用電源が投入された場合等、誤った電源投入によって起こす可能性のある誤動作を防ぐこともできる。入力電源をオフして発振を停止させようとする時には、所定の電圧以下になった時に発振を停止させることによって、1次電流ピークの増加によるトランスの飽和やオンデューティの拡大による誤動作を防止することができる。また、起動機能と発振停止機能を1つの起動停止回路で合わせ持つことによって、それぞれ独立に2つの回路を設ける場合と比較して部品点数を削減することができる。
【0100】
また、起動停止回路に加えて帰還回路を設けることによって、起動をさらに確実なものとし、また、起動電圧と停止電圧との間にヒステリシス特性を持たせることによって、入力電圧のチャタリング発生や、瞬時停電等の入力電圧の変動が不安定な場合における誤動作を防止でき、起動をさらに確実なものとすることができる。また、発振停止時においても、誤動作を防ぎ確実に発振停止させることができるとともに、出力電圧の保持時間を長くすることが出来る。
【0101】
この発明は、特に、トランスの1次巻線に直列にキャパシタが接続されるハーフブリッジコンバータにおいて、これまでに起動不良が生じやすかった不具合をなくすことができる。そして、高耐圧のサイリスタやダイアック等の素子を用いる必要がなく、また、起動回路に充放電されるコンデンサを使用する必要がないために、スイッチング電源装置の低コスト化、高効率化、小型軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態である自励式ハーフブリッジコンバータの回路図
【図2】上記自励式ハーフブリッジコンバータの動作波形図
【図3】ヒステリシス特性を示す図
【図4】発振停止時の動作を説明する図
【図5】帰還回路の第1の実施例
【図6】帰還回路の第2の実施例
【図7】帰還回路の第3の実施例
【図8】自励式ハーフブリッジコンバータに商用電源の整流平滑回路を接続した時の回路ブロック図
【図9】この発明の他の実施形態であるリンギングチョークコンバータの回路図
【図10】この発明のさらに他の実施形態の自励式ハーフブリッジコンバータの回路図
【図11】従来のスイッチング電源装置の回路図
【図12】従来のスイッチング電源装置の他の例の回路図
【符号の説明】
Vin−入力電源
Q1−第1のスイッチング素子
Q2−第2のスイッチング素子
B−起動停止回路
F−帰還回路

Claims (11)

  1. 入力電源とトランスTの1次巻線と第1のスイッチング素子Q1とが直列に接続され、トランスTの2次巻線に整流平滑回路が接続され、1次巻線電圧に略比例し前記第1のスイッチング素子Q1をオンさせる電圧を発生させる第1の駆動巻線を前記トランスTに備え、前記第1のスイッチング素子Q1をオン/オフ制御し自励発振するスイッチング電源装置において、
    前記第1のスイッチング素子Q1の制御端子とソース端子との間に接続されたスイッチ手段と、
    入力電源端子間の入力電源電圧を抵抗分圧して、この分圧した電圧を前記第1のスイッチング素子Q1の起動電圧として供給する第1の抵抗分圧回路と、
    入力電源端子間の入力電源電圧を抵抗分圧して、この分圧した電圧を前記スイッチ手段の制御電圧として供給する第2の抵抗分圧回路とを備え、
    入力電源端子間の入力電源電圧の上昇時において、前記第2の抵抗分圧回路の分圧電圧が前記スイッチ手段をオフし、且つ前記第1の抵抗分圧回路の分圧電圧が前記第1のスイッチング素子Q1をオンする大きさになると、そのときの前記入力電源電圧が起動開始入力電圧に達したものとして、前記スイッチ手段をオフし、且つ前記第1のスイッチング素子Q1をオンして発振を開始させ、
    前記入力電源端子間の入力電源電圧の降下時において、前記第2の抵抗分圧回路の分圧電圧が前記スイッチ手段をオンする大きさになると、そのときの前記入力電源電圧が発振停止入力電圧に達したものとして、前記スイッチ手段をオンし、前記第1のスイッチング素子Q1をオフして発振を停止させ、
    前記起動開始入力電圧が前記発振停止入力電圧よりも高い電圧となるように前記第1の抵抗分圧回路又は前記第2の抵抗分圧回路の値を設定した、起動停止回路を備えたことを特徴とする、自励発振式のスイッチング電源装置。
  2. 前記第1の駆動巻線と前記起動停止回路の制御端子との間に、前記スイッチ手段をオフするよう該第1の駆動巻線の出力電圧を該制御端子に帰還させ、この帰還電圧を前記第2の抵抗分圧回路の分圧電圧に加える帰還回路を設けた、請求項1記載のスイッチング電源装置。
  3. 前記スイッチ手段を第1のトランジスタで構成し、前記制御回路を第1のトランジスタの制御端子に接続された第2のトランジスタで構成し、該第2のトランジスタは、前記入力電源電圧が所定の電圧を超えることを検出するとオンして前記第1のトランジスタをオフすることで前記第1のスイッチング素子Q1をオンして発振を開始させ、前記入力電源電圧が所定の電圧以下であることを検出するとオフして前記第1のトランジスタをオンすることで前記第1のスイッチング素子Q1をオフして発振を停止させる、請求項1または2記載のスイッチング電源装置。
  4. 前記第2のトランジスタは、ベース・エミッタ間のしきい値電圧と前記入力電源電圧の抵抗分圧電圧とを比較し、該抵抗分圧電圧が前記しきい値電圧を超えるかどうかで、前記入力電源電圧が所定の電圧を超えるかどうか、および、前記入力電源電圧が所定の電圧以下であるかどうかを検出する、請求項3記載のスイッチング電源装置。
  5. 前記第2のトランジスタのベース・エミッタ回路に該ベース・エミッタ間電圧の温度特性を補正するツェナーダイオードを接続した、請求項4記載のスイッチング電源装置。
  6. 前記帰還回路は、前記第1の駆動巻線に発生する電圧を前記第2のトランジスタに印加する、少なくとも直列に接続された抵抗とダイオードとを含む回路で構成した、請求項3〜5のいずれかに記載のスイッチング電源装置。
  7. 前記帰還回路は、前記第1の駆動巻線に発生する電圧を前記第2のトランジスタに印加する、少なくとも直列に接続された抵抗とコンデンサとを含む回路で構成した、請求項3〜5のいずれかに記載のスイッチング電源装置。
  8. 前記帰還回路は、前記第1の駆動巻線に発生する電圧を前記第2のトランジスタに印加する、少なくとも直列に接続されたダイオードと抵抗とツェナーダイオードと、該ダイオードに並列に接続されたコンデンサを含む回路で構成した、請求項3〜5のいずれかに記載のスイッチング電源装置。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のスイッチング電源装置の構成に加えて、
    前記第1のスイッチング素子Q1に第2のスイッチング素子Q2を直列に接続してこの直列回路を入力電源に並列に接続されるようにし、キャパシタCとインダクタLとトランスTの1次巻線との直列回路の一端が前記第1のスイッチング素子Q1と第2のスイッチング素子Q2との接続点に接続され、該直列回路の他端が入力電源に接続され、
    前記第1のスイッチング素子に並列に第1のダイオードD1と第1のキャパシタC1とを接続し、
    前記第2のスイッチング素子に並列に第2のダイオードD2と第2のキャパシタC2とを接続し、
    1次巻線電圧に略比例し前記第1のスイッチング素子Q1をオンさせる電圧を発生させる前記第1の駆動巻線とともに、1次巻線電圧に略比例し前記第2のスイッチング素子Q2をオンさせる電圧を発生させる前記第2の駆動巻線をトランスTに設け、
    且つ、前記第1および第2のスイッチング素子を両スイッチング素子が共にオフする期間を挟んで交互にオン/オフするスイッチング制御回路を設け、これにより自励発振するようにした、自励発振式のスイッチング電源装置。
  10. 前記インダクタLとしてトランスTが有する漏れインダクタを用いた請求項9記載のスイッチング電源装置。
  11. 前記第1のスイッチング素子Q1および第2のスイッチング素子として電界効果トランジスタを用い、該電界効果トランジスタの寄生ダイオードおよび寄生容量により前記第1、第2のダイオードおよび前記第1、第2のキャパシタを構成した請求項9または10記載のスイッチング電源装置。
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