JP6806233B2 - 流体制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、圧電ポンプを備える流体制御装置に関する。
従来、圧電ポンプが備える圧電素子を駆動することによって流体を制御する流体制御装置として、例えば特許文献1に記載のものがある。図34は特許文献1に示される圧電ポンプ105の主要部の断面図である。
この圧電ポンプ105は、基板91、薄天板51、スペーサ53A、振動板支持枠61、振動板41、圧電素子42、補強板43、スペーサ53B、電極導通用板71、スペーサ53Cおよび蓋部54を備えている。振動板41、圧電素子42、および補強板43によってアクチュエータ40が構成されている。蓋部54には吐出孔55が形成されている。
薄天板51の下部には、中心に円筒形の開口部92が形成された基板91が設けられている。薄天板51の円形部は基板91の開口部92で露出する。この円形の露出部は、アクチュエータ40の振動に伴う圧力変動により、アクチュエータ40と実質的に同一周波数で振動することができる。この薄天板51と基板91との構成により、薄天板51のアクチュエータ対向領域の中心または中心付近は屈曲振動可能な薄板部であり、周辺部は実質的に拘束された厚板部である。この円形の薄板部の固有振動数は、アクチュエータ40の駆動周波数と同一か、やや低い周波数になるように設計されている。従って、アクチュエータ40の振動に呼応して、中心通気孔52を中心とした薄天板51の露出部も大きな振幅で振動する。薄天板51の振動位相がアクチュエータ40の振動位相よりも遅れた(例えば90°遅れの)振動となれば、薄天板51とアクチュエータ40との間の隙間の厚さ変動が実質的に増加する。そのことによってポンプの能力が高まる。
国際公開第2011/145544号
ところが、一般に、圧電素子の駆動によって振動板が振動する圧電ポンプにおいては、圧電素子の駆動開始時に駆動回路および圧電素子に突入電流が流れる。この突入電流が大きいと振動板および薄天板が不安定振動し、圧電体と薄天板が接触し圧電体が割れることでポンプ特性が大きく低下するおそれがある。また、この突入電流はポンプ動作に寄与しない電流であるため、電力効率低下の要因でもある。
ここで、図34に示したような、アクチュエータ40と薄天板51とを備える圧電ポンプにおいて、上記不安定振動について、図35(A)(B)を参照して説明する。図35(A)(B)において、V40はアクチュエータ40の振動波形、V51は薄天板51の振動波形である。図35(A)は、アクチュエータ40および薄天板51の振動が安定振動している状態であり、図35(B)はアクチュエータ40および薄天板51の振動が不安定振動している状態である。
図35(A)に示すように、安定振動時には、アクチュエータ40と薄天板51とは、空気を介して一定の位相差を保ちながら動作するため、接触することは無い。
しかし、起動時のアクチュエータ40の振幅が大きい場合、薄天板51による空気を介した結合が弱く、空気を介するアクチュエータ40の制動力が弱いため、同じ駆動電圧でも大きく振幅してしまい、大電流が流れてしまう。
その結果、アクチュエータ40および薄天板51の振幅が異常に大きくなる。また、振幅上昇の過程で、アクチュエータ40と薄天板51の位相差は不定であるので、それらが接触することがある。図35(B)中にクロスマークで示すタイミングはアクチュエータ40と薄天板51とが衝突するタイミングである。
このように、アクチュエータ40と薄天板51とが衝突すると、アクチュエータ40、薄天板51等の構造物の変形、摩耗、破壊のおそれがある。
そのため、アクチュエータ40と薄天板51との空気を介する結合が弱い状態では振幅を抑制することが重要である。
また、駆動直後の突入電流により、この突入電流が流れる電流経路で電圧降下が生じ、駆動回路に対する電源電圧が一時的に降下する。この電源電圧が制御回路に設けられているMCUが誤動作するおそれがある。さらには、この誤動作を防止するために、電源電圧がMCUの動作保証下限電圧に達すると動作停止するように構成されていると、圧電ポンプとしても所定の動作が成されなくなる。更に、電池を電源とする場合に、上記電源電圧の低下によって、電池は早期に終止電圧にまで低下し、電池寿命が短縮化するという問題もある。
圧電ポンプに限らず、電気回路や電子回路に電源電圧を印加した際の突入電流を抑制する方法として、所謂ソフトスタート回路がある。基本的には、起動開始からの時間経過に伴って駆動電源電圧を0から定常電圧にまで次第に上昇させる回路である。
図36は、圧電ポンプの駆動回路に駆動電源電圧を供給する昇圧回路に上記ソフトスタート回路を適用したときの、電流および流体の流量の時間変化を示す波形図である。図36において、波形Ipはソフトスタート回路が無い場合の電流、Fpはソフトスタート回路が無い場合の流量である。また、波形Isはソフトスタート回路を設けた場合の電流、Fsはソフトスタート回路を設けた場合の流量である。ソフトスタート回路が無い場合、図36中に破線の楕円で示すような突入電流が流れる。ソフトスタート回路を設ければ、このような突入電流は抑制される。しかし、流量の立ち上がりも緩慢となってしまい、定常的な流量になるまでに長時間を要する。
また、アクチュエータ40の振幅、すなわち、圧電体の振幅が大きくなりすぎると、圧電体にクラックが生じ、破損する懸念がある。
また、当該圧電ポンプを生体に対する吸引に利用する場合、吸引力が強くなりすぎると、生体への悪影響がある。例えば、痰吸引であれば−20kPaを超えると、粘膜の損傷が生じ、NPWT(陰圧閉鎖療法)に用いる場合であれば−30kPaを超えると、患部への過吸入による損傷等が生じる。
そこで、本発明の目的は、起動時の不安定性、起動時間の長時間化、および電力効率の低下の解消、過剰な圧力の発生による生体への悪影響等の圧電ポンプを用いる場合の各種不具合を解消する流体制御装置を提供することにある。
(1)本発明の流体制御装置は、圧電素子を有する圧電ポンプと、駆動電源電圧が印加されて圧電素子を駆動する駆動回路と、電源電圧入力部と駆動回路との間に設けられた起動回路と、を備える。起動回路は、駆動回路に対する駆動電源電圧を、起動後の第1段階で定常電圧未満の電圧にまで上昇させ、第1段階に続く第2段階で維持または下降させ、第2段階に続く第3段階で定常電圧にまで上昇させる。
上記構成により、第1段階では駆動電源電圧は定常電圧にまでは達しないので、突入電流は抑制される。その後、第2段階で駆動電源電圧は一旦維持または下降し、第3段階で定常電圧にまで上昇するので、起動時間が短縮化される。
なお、第2段階で「駆動電源電圧が維持される」とは、電圧が全く変化しない態様のみを意味するものではなく、第2段階において当該電圧が若干変化しつつも実質的に維持されているとみなすことができる態様をも含む。
(2)第2段階から第3段階への切り替わり時の駆動電源電圧は第1段階の開始時の電圧以上であることが好ましい。このことにより、第2段階で駆動電圧および駆動電流が減少し過ぎることなく、定常状態までの起動時間を短縮化できる。
(3)例えば、起動回路は、駆動回路に対して駆動電源電圧を印加する第1経路を構成する第1回路と、第2経路を構成する第2回路とを有する。そして、第1回路は電源電圧の入力部へ電源電圧が印加されてから少なくとも第1段階の期間内に亘って導通し、且つ前記第3段階の期間内に亘って導通しない回路であり、第2回路は第2段階の経過後に導通する回路である。この構成により、第1段階で駆動電源電圧が印加される第1経路と第3段階で駆動電源電圧が印加される第2経路とが分離されて、回路構成が簡素化される。
(4)例えば、第1回路は、駆動回路に対して駆動電源電圧を印加する第1スイッチ素子と、駆動電源電圧が印加されてから第1段階の期間内に亘って第1スイッチ素子を導通させ、且つ前記第3段階の期間内に亘って導通しない第1遅延回路と、で構成される。この構成により、第1回路の構成が簡素化される。
(5)例えば、第1回路は、駆動回路に対して駆動電源電圧を印加する第1スイッチ素子と、駆動電源電圧が印加されてから第2回路が導通するまでの間、逆方向に導通するダイオードと、で構成される。この構成により、簡素な回路構成で、ダイオードのツェナー特性が利用されて、第1段階での駆動電源電圧が制限されて突入電流が抑制される。
(6)例えば、第1スイッチ素子および第1遅延回路は第1MOS−FETで構成され、第1スイッチ素子は、第1MOS−FETのドレインをコレクタとし、ソースをエミッタとする寄生トランジスタであり、第1遅延回路は、寄生トランジスタのベースとコレクタとの間に構成された、寄生キャパシタと、ベースとエミッタとの間に構成された寄生抵抗とにより構成されるCR時定数回路である。この構成により、第1スイッチ素子と第1遅延回路とが単一の部品で構成されて、回路構成が簡素化される。
(7)例えば、第2回路は、駆動回路に対して駆動電源電圧を印加する第2スイッチ素子と、第2スイッチ素子を第2段階の終了時に導通させる第2遅延回路とで構成される。この構成により、第2回路の構成が簡素化される。
(8)例えば、第2回路は第1MOS−FETに並列接続された、第1MOS−FETとは、p型とn型の構成が逆である第2MOS−FETと、第2遅延回路と、で構成され、第2遅延回路は第2段階の終了時に第2MOS−FETを導通させる。この構成により、第1回路は第1MOS−FETだけで構成でき、第2回路は第2MOS−FETと第2遅延回路とで構成されるので、全体の回路構成が簡素化される。
(9)本発明の流体制御装置は、圧電素子を有する圧電ポンプと、駆動電源電圧が印加され、圧電素子を駆動する駆動回路と、電源電圧の入力部と駆動回路との間に設けられ、駆動電源電圧を出力する起動回路と、を備える。起動回路は、駆動電源電圧の制御用の半導体素子を備える。起動回路は、電源電圧に対する半導体素子のオフ状態での抵抗素子および駆動回路の分圧比を用いて、駆動電源電圧を定常電圧未満の電圧まで上昇させる第1昇圧期間と、半導体素子の不飽和領域を用いて、駆動電源電圧を定常電圧まで徐々に上昇させる第2昇圧期間と、を用いて、駆動電源電圧を出力する。
この構成により、起動後に急激に定常電圧になることを抑制でき、且つ、起動から定常電圧になるまでの時間が短縮される。
(10)本発明の流体制御装置では、起動回路は、第1昇圧期間と第2昇圧期間とを用いた駆動電源電圧の出力制御をリセットするリセット回路を、さらに備えることが好ましい。
この構成により、上述の起動時の駆動電源電圧の制御を、より正確に繰り返し行える。
(11)本発明の流体制御装置は、圧電素子を有する圧電ポンプと、駆動電源電圧が印加され、前記圧電素子に駆動電圧を出力する駆動回路と、駆動電源電圧を制御して、駆動回路に供給する駆動制御回路と、を備える。駆動制御回路は、駆動電源電圧の駆動回路への供給を選択するスイッチと、駆動電圧に対応する制御用電流を検出する電流検出回路と、制御用電流を用いて、駆動電源電圧の供給を制御する制御トリガをスイッチに出力する制御ICと、を備える。制御ICは、起動直後の制御用電流の値に基づく制御用の閾値に対して、所定時間後の制御用電流の値が超えたことを検出すると、スイッチを開放する制御トリガを発生する。
この構成により、圧電素子への過剰な電圧供給が抑制される。
(12)本発明の流体制御装置は、圧電素子を有する圧電ポンプと、駆動電源電圧が印加され、圧電素子に駆動電圧を出力する駆動回路と、駆動電源電圧を制御して、駆動回路に供給する駆動制御回路と、を備える。駆動制御回路は、駆動電源電圧の駆動回路への供給を選択するスイッチと、駆動電圧に対応する制御用電流を検出して検出信号を出力する電流検出回路と、検出信号の遅延信号を発生する時定数回路と、遅延信号のレベルが検出信号のレベル以上であると、スイッチを開放する制御トリガを発生する比較器と、を備える。
この構成により、圧電素子への過剰な電圧供給が抑制される。
(13)例えば、駆動制御回路は、制御トリガ信号を選択的にグランドに導く放電回路を備える。この構成により、駆動電圧の停止後の駆動電圧の再供給を容易にできる。
(14)本発明の流体制御装置は、次の構成であってもよい。流体制御装置は、圧電素子を有するポンプ室、および、該ポンプ室に連通し弁膜を有するバルブ室を備え、該ポンプ室をポンプ室外空間に連通するポンプ室開口と、該バルブ室をバルブ室外空間に連通するバルブ室開口とを有する圧電ポンプと、駆動電源電圧が印加され、圧電素子を駆動する駆動回路と、電源電圧の入力部と駆動回路との間に設けられ、駆動電源電圧を駆動回路に出力する駆動制御回路と、を備える。ポンプ室外空間とバルブ室は直接連通しておらず、ポンプ室を介して連通している。バルブ室外空間とポンプ室は直接連通しておらず、バルブ室を介して連通する。また、ポンプ室外空間とバルブ室外空間は直接連通しておらず、ポンプ室とバルブ室を介して連通している。駆動制御回路は、ポンプ室外空間の圧力とバルブ室外空間の圧力との差圧に応じて、駆動電源電圧または該駆動電源電圧に対応する駆動電流を調整する。
この構成では、差圧によって弁膜の振動態様が異なることに基づいており、弁膜の振動態様に応じて、駆動電源電圧または駆動電流が調整される。これにより、バルブ室を構成する壁への弁膜の衝突状態が調整される。
(15)本発明の流体制御装置では、駆動制御回路は、差圧の増加にしたがって、駆動電源電圧または駆動電流を高くすることが好ましい。この構成では、バルブ室を構成するポンプ室側と反対側の壁への弁膜の衝突が抑制される。
(16)本発明の流体制御装置では、例えば、駆動制御回路は、駆動電源電圧または駆動電流を連続的に上昇させるとよい。この構成では、弁膜への衝突を抑制しながら、駆動効率が向上する。
(17)本発明の流体制御装置では、例えば、駆動制御回路は、駆動電源電圧または駆動電流を段階的に上昇させるとよい。この構成では、弁膜への衝突を抑制しながら、制御が簡素になる。
(18)本発明の流体制御装置では、例えば、駆動制御回路は、駆動電源電圧を上昇させる制御を駆動中に1回だけ行うとよい。この構成では、制御がさらに簡素になる。
(19)本発明の流体制御装置では、例えば、駆動制御回路は、差圧の最小値よりも大きな所定の第1差圧における駆動電源電圧または駆動電流が、最小値における駆動電源電圧または駆動電流よりも高くなるように制御を行うとよい。この構成では、上述の差圧による制御がより確実になる。
(20)本発明の流体制御装置では、例えば、第1差圧は、差圧の最小値と差圧の最大値の平均値であるとよい。この構成では、上述の差圧による制御がより確実になり、駆動効率も比較的向上する。
(21)本発明の流体制御装置では、例えば、駆動制御回路は、差圧の増加にしたがって、駆動電源電圧または駆動電流を低下させるとよい。
この構成では、バルブ室を構成するポンプ室側の壁への弁膜の衝突が抑制される。
(22)本発明の流体制御装置では、例えば、駆動制御回路は、駆動電源電圧または駆動電流を連続的に低下させるとよい。この構成では、弁膜への衝突を抑制しながら、駆動効率が向上する。
(23)本発明の流体制御装置では、例えば、駆動制御回路は、駆動電源電圧または駆動電流を段階的に低下させるとよい。この構成では、弁膜への衝突を抑制しながら、制御が簡素になる。
(24)本発明の流体制御装置では、例えば、駆動制御回路は、駆動電源電圧を低下させる制御を駆動中に1回だけ行うとよい。この構成では、制御がさらに簡素になる。
(25)本発明の流体制御装置では、例えば、駆動制御回路は、差圧の最大値における駆動電源電圧または駆動電流が差圧の最大値よりも小さな所定の第1差圧における駆動電源電圧または駆動電流よりも低くなるように制御を行うとよい。この構成では、上述の差圧による制御がより確実になる。
(26)本発明の流体制御装置では、所定の第1差圧は、差圧の最小値と差圧の最大値との平均値であるとよい。この構成では、上述の差圧による制御がより確実になり、駆動効率も比較的向上する。
(27)本発明の流体制御装置では、駆動制御回路は、差圧の増加に応じて駆動電源電圧または駆動電流を上昇させる制御を行った後に、差圧の増加に応じて駆動電源電圧または駆動電流を低下させる制御を行うことが好ましい。
この構成では、バルブ室の壁への弁膜の衝突が抑制される。
(28)本発明の流体制御装置は、次の構成であってもよい。流体制御装置は、圧電素子を有するポンプ室、および、該ポンプ室に連通し弁膜を有するバルブ室を備え、該ポンプ室をポンプ室外空間に連通するポンプ室開口と、該バルブ室をバルブ室外空間に連通するバルブ室開口とを有する圧電ポンプと、駆動電源電圧が印加され、圧電素子を駆動する駆動回路と、電源電圧の入力部と駆動回路との間に設けられ、駆動電源電圧を駆動回路に出力する駆動制御回路と、を備える。ポンプ室外空間とバルブ室は直接連通しておらず、ポンプ室を介して連通している。バルブ室外空間とポンプ室は直接連通しておらず、バルブ室を介して連通する。また、ポンプ室外空間とバルブ室外空間は直接連通しておらず、ポンプ室とバルブ室を介して連通している。駆動制御回路は、駆動電源電圧の供給開始時からの経過時間に応じて、駆動電源電圧または該駆動電源電圧に対応する駆動電流を調整する。
この構成では、差圧と経過時間とが1対1の関係にあることを利用している。さらに、経過時間によって弁膜の振動態様が異なることに基づいており、弁膜の振動態様に応じて、駆動電源電圧または駆動電流が調整される。これにより、バルブ室を構成する壁への弁膜の衝突状態が調整される。
(29)本発明の流体制御装置では、駆動制御回路は、駆動電源電圧の供給開始からの経過時間に応じて駆動電源電圧または駆動電流よりも上昇させることが好ましい。この構成では、バルブ室を構成するポンプ室側と反対側の壁への弁膜の衝突が抑制される。
(30)本発明の流体制御装置では、例えば、駆動制御回路は、駆動電源電圧または駆動電流を連続的に上昇させるとよい。この構成では、弁膜への衝突を抑制しながら、駆動効率が向上する。
(31)本発明の流体制御装置では、例えば、駆動制御回路は、駆動電源電圧または駆動電流を段階的に上昇させるとよい。この構成では、弁膜への衝突を抑制しながら、制御が簡素になる。
(32)本発明の流体制御装置では、駆動制御回路は、駆動電源電圧を上昇させる制御を駆動中に1回だけ行うとよい。この構成では、制御がさらに簡素になる。
(33)本発明の流体制御装置では、例えば、駆動制御回路は、供給開始時と供給停止時との間の途中時間における駆動電源電圧または駆動電流が、供給開始時における駆動電源電圧または駆動電流よりも高くなるように制御を行うとよい。この構成では、上述の差圧による制御がより確実になる。
(34)本発明の流体制御装置では、例えば、途中時間は、供給開始時と供給停止時との時間差を1として、時間差を0.5倍した時間を供給開始時に加算した時間であるとよい。この構成では、上述の差圧による制御がより確実になり、駆動効率も比較的向上する。
(35)本発明の流体制御装置では、例えば、駆動制御回路は、駆動電源電圧の供給停止時の駆動電源電圧または駆動電流を、それ以前の駆動電源電圧または駆動電流よりも低くするとよい。
この構成では、バルブ室を構成するポンプ室側の壁への弁膜の衝突が抑制される。
(36)本発明の流体制御装置では、例えば、駆動制御回路は、駆動電源電圧または駆動電流を連続的に低下させるとよい。この構成では、弁膜への衝突を抑制しながら、駆動効率が向上する。
(37)本発明の流体制御装置では、例えば、駆動制御回路は、駆動電源電圧または駆動電流を段階的に低下させるとよい。この構成では、弁膜への衝突を抑制しながら、制御が簡素になる。
(38)本発明の流体制御装置では、例えば、駆動制御回路は、駆動電源電圧を低下させる制御を駆動中に1回だけ行うとよい。この構成では、制御がさらに簡素になる。
(39)本発明の流体制御装置では、例えば、駆動制御回路は、供給停止時の駆動電源電圧または駆動電流が、供給停止時より前の途中時間の駆動電源電圧または駆動電流よりも低くなるように制御を行うとよい。この構成では、上述の差圧による制御がより確実になる。
(40)本発明の流体制御装置では、途中時間は、供給開始時と供給停止時との時間差を1として、時間差を0.5倍した時間を供給停止時から減算した時間であるとよい。この構成では、上述の差圧による制御がより確実になり、駆動効率も比較的向上する。
(41)本発明の流体制御装置では、駆動制御回路は、駆動開始からの経過時間に応じて駆動電源電圧または駆動電流を上昇させる制御を行った後に、経過時間に応じて駆動電源電圧または駆動電流を低下させる制御を行うことが好ましい。
この構成では、バルブ室の壁への弁膜の衝突が抑制される。
本発明によれば、圧電ポンプを備える流体制御装置において、圧電ポンプを用いる場合の各種不具合を解消できる。
図1は第1の実施形態に係る流体制御装置101の構成を示すブロック図である。 図2(A)(B)は、駆動回路20に印加される駆動電源電圧の時間変化、および駆動回路20に流れる電流の時間変化を示す図である。 図3は、第1の実施形態の流体制御装置101と比較例の流体制御装置とについて、駆動回路20に流れる電流の時間変化および流量の時間変化を示す図である。 図4は起動回路30の構成を示すブロック図である。 図5は第1回路31の構成を示すブロック図である。 図6は第2回路32の構成を示すブロック図である。 図7は起動回路30の具体的な回路構成を示す回路図である。 図8(A)は第1MOS−FETQ1の内部構造を示す断面図であり、図8(B)はその等価回路図である。 図9は第2の実施形態に係る流体制御装置の起動回路30の具体的な回路構成を示す回路図である。 図10は、第2の実施形態に係る流体制御装置の駆動回路20に印加される駆動電源電圧の時間変化、および駆動回路20に流れる電流の時間変化を示す図である。 図11は、第2の実施形態の流体制御装置と比較例の流体制御装置とについて、駆動回路20に流れる電流の時間変化および流量の時間変化を示す図である。 図12(A)は、第3の実施形態に係る流体制御装置の起動回路の機能ブロックであり、図12(B)は起動回路の回路図である。 図13は、第3の実施形態に係る駆動回路に供給される駆動電圧の時間変化を示す図である。 図14(A)は、第4の実施形態に係る流体制御装置の構成を示すブロック図であり、図14(B)は、駆動制御回路の構成を示すブロック図である。 図15(A)は、圧電ポンプの背圧と圧電ポンプに流れる電流との関係を示す図であり、図15(B)は、圧電素子の振幅と電流との関係を示す図である。 図16は、第4の実施形態に係る駆動制御回路で行われる駆動制御のフローチャートの第1態様を示す図である。 図17は、第4の実施形態に係る駆動制御回路で行われる駆動制御のフローチャートの第2態様を示す図である。 図18は、第5の実施形態に係る流体制御装置の駆動制御回路の構成を示すブロック図である。 図19は、第5の実施形態に係る流体制御装置の駆動制御回路内の各信号レベルの時間変化を示す図である。 図20(A)は、第6の実施形態に係る流体制御装置の起動回路の機能ブロックであり、図20(B)は起動回路の回路図である。 図21(A)は、本発明の第6の実施形態に係るリセット回路を用いた場合の駆動電源電圧の波形を示すグラフであり、図21(B)は、リセット回路を用いない場合の駆動電源電圧の時間変化を示すグラフである。 図22は、本発明の第7の実施形態に係る流体制御装置の概略構成を示す側面断面図である。 図23(A)(B)は、圧電ポンプと圧力容器と開閉弁との位置関係を示すブロック図である。 図24(A)は、圧力と流量との関係を示すグラフであり、図24(B)は、図24(A)に示す圧力と流量との関係がA状態、B状態、C状態、D状態である時のバルブ室内での弁膜の状態を示す図である。 図25(A)(B)は、差圧と衝突速度との関係を示すグラフであり、図25(C)は、駆動電源電圧と衝突速度との関係を示すグラフである。 図26(A)(B)は、駆動電源電圧の制御を示すフローチャートである。 図27(A)(B)は、駆動電源電圧の時間変化を示すグラフである。 図28(A)(B)は、駆動電源電圧の時間変化を示すグラフである。 図29(A)(B)は、駆動電源電圧の制御を示すフローチャートである。 図30(A)(B)は、駆動電源電圧の時間変化を示すグラフである。 図31(A)(B)は、駆動電源電圧の時間変化を示すグラフである。 図32(A)は、ローサイド側で制御を行う場合の流体制御装置の機能ブロック図であり、図32(B)は、図32(A)に示す起動回路の機能ブロック図であり、図32(C)は、起動回路の一例を示す回路図である。 圧電ポンプを減圧に用いる態様での圧電ポンプ、圧力容器、および、開閉弁の接続構成を示す側面断面図である。 図34は特許文献1に示される圧電ポンプ105の主要部の断面図である。 図35(A)(B)はアクチュエータおよび薄天板の振動波形である。 図36は、圧電ポンプの駆動回路に駆動電源電圧を供給する昇圧回路にソフトスタート回路を適用したときの、電流および流体の流量の時間変化を示す波形図である。
以降、図を参照して幾つかの具体的な例を挙げて、本発明を実施するための複数の形態を示す。各図中には同一箇所に同一符号を付している。要点の説明または理解の容易性を考慮して、便宜上複数の実施形態に分けて示すが、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせは可能である。各実施形態の説明において、共通の事柄についての重複する記述は省略し、特に異なる点について説明する。また、同様の構成による同様の作用効果については実施形態毎には逐次言及しない。
《第1の実施形態》
図1は第1の実施形態に係る流体制御装置101の構成を示すブロック図である。この流体制御装置101は、圧電素子11を有する圧電ポンプ10と、駆動電源電圧Vddが印加されて圧電素子11を駆動する駆動回路20と、電源電圧入力部Pinと駆動回路20との間に設けられた起動回路30と、を備える。
圧電ポンプ10の構成は図12に示した圧電ポンプ105と同じであり、圧電素子11の構成は図20に示した圧電素子42と同じである。
駆動回路20は直流の駆動電源電圧を電源として発振する発振回路および高調波フィルタを備え、略正弦波電圧を圧電素子11へ供給する。
起動回路30は、駆動回路20に対する駆動電源電圧を、起動後の第1段階で定常電圧未満の電圧にまで上昇させ、第1段階に続く第2段階で維持または下降させ、第2段階に続く第3段階で定常電圧にまで上昇させる。
図2(A)(B)は、駆動回路20に印加される駆動電源電圧の時間変化、および駆動回路20に流れる電流の時間変化の例を示す図である。図3は、本実施形態の流体制御装置101と比較例の流体制御装置とについて、駆動回路20に流れる電流の時間変化および流量の時間変化を示す図である。比較例の流体制御装置は、駆動電源電圧を起動時に制御する起動回路が無い。
図2(A)(B)において、波形Veは駆動電源電圧の時間変化を示す波形であり、波形Ieは駆動回路に流れる電流の時間変化を示す波形である。図2(A)と図2(B)とでは、第2段階P2の時間が異なる。図2(A)(B)に表れているように、第1段階P1で駆動電源電圧は定常電圧Vc未満の電圧V1まで上昇し、第2段階P2で駆動電源電圧は下降する。続く第3段階P3で駆動電源電圧は定常電圧Vcまで上昇する。定常電圧とは、圧電ポンプ10が予め設定していた所定のポンプ特性が得られる電圧である。
図1に示した電源は例えば16Vから18V程度の電池であり、定常電圧Vcはほぼ電池電圧である。第1段階P1でのピーク電圧V1は例えば定常電圧Vcより2Vから3V程度低い電圧である。
図3において、波形Ieは駆動回路20に流れる電流の時間変化を示す波形であり、波形Ipは比較例の流体制御装置における駆動回路に流れる電流の時間変化を示す波形である。また、波形Feは圧電ポンプ10を流れる流体の流量の時間変化を示す図であり、波形Fpは比較例の流体制御装置における圧電ポンプを流れる流体の流量の時間変化を示す図である。この図3に表れているように、比較例の流体制御装置では、起動開始から約0.2秒後に電流が最大となり、破線の楕円で囲んで示すように、突入電流が流れるのに対し、本実施形態の流体制御装置101では、突入電流は生じないか、または充分に抑制されている。また、比較例の流体制御装置では、起動開始から約0.5秒後に流量が最大となり、本実施形態の流体制御装置101でも、第3段階P3までに流量がピークとなる。このピーク値は比較例の流体制御装置と同等である。むしろ、本実施形態の流体制御装置101では、第1段階P1に流量の最初のピークがあり、起動が速い。
なお、図2(A)(B)に表れているように、第2段階P2の時間によって、第2段階P2での駆動電圧の下降量が定まる。この第2段階P2での駆動電圧を第1段階の開始時の電圧(0V)以上となるように第2段階P2の時間を定めれば、定常状態までの起動時間を短縮化できる。
図4は起動回路30の構成を示すブロック図である。起動回路30は、駆動回路に対して駆動電源電圧を印加する第1経路を構成する第1回路31と、第2経路を構成する第2回路32とを有する。第1回路31と第2回路32とは電流回路が並列関係となるように接続されている。第1回路31は、電源電圧の入力部へ電源電圧が印加されてから第1段階の期間に亘って導通し,且つ第3段階の期間に亘って導通しない回路であり、第2回路は第2段階の経過後に導通する回路である。この構成により、第1段階で駆動電源電圧が印加される第1経路と第3段階で駆動電源電圧が印加される第2経路とが分離されて、回路構成が簡素化される。
図5は上記第1回路31の構成を示すブロック図である。第1回路31は、駆動回路に対して駆動電源電圧を印加する第1スイッチ素子311と、駆動電源電圧が印加されてから第1段階の期間だけ第1スイッチ素子311を導通させる第1遅延回路312と、で構成される。この構成により、第1回路31の構成が簡素化される。
図6は上記第2回路32の構成を示すブロック図である。第2回路32は、駆動回路に対して駆動電源電圧を印加する第2スイッチ素子321と、第2スイッチ素子321を第2段階の終了時に導通させる第2遅延回路322とで構成される。この第2遅延回路322の遅延時間によって、図2(A)(B)、図3に示した第2段階P2から第3段階P3への切り替わりタイミング、すなわち第2段階P2の時間、が定まる。したがって、第2遅延回路322の遅延時間を定めることによって、図2(A)(B)に示したように、第2段階P2から第3段階P3への切り替わり時における駆動電源電圧の下限を定めることもできる。
図7は起動回路30の具体的な回路構成を示す回路図である。起動回路30は第1回路31と第2回路32を備え、第1回路31はNチャンネルMOS−FETである第1MOS−FETQ1およびキャパシタC1で構成されている。第2回路32はPチャンネルMOS−FETである第2MOS−FETQ2、キャパシタC2および抵抗R2で構成されている。
先ず、第1MOS−FETQ1の構成と作用について図8(A)(B)を参照して説明する。図8(A)は第1MOS−FETQ1の内部構造を示す断面図であり、図8(B)はその等価回路図である。図8(A)中には各寄生素子の回路記号も付している。この第1MOS−FETQ1はn型ウエハーの素子形成面(図8(A)で示す向きの上面)にp型拡散層が形成されていて、このp型拡散層内にn拡散層が形成されている。ウエハーの素子形成面とは反対面の全面にはn拡散層が形成されている。素子形成面側のn拡散層にはソース電極が形成されている。このn拡散層で面方向に挟まれる領域であるチャンネル形成領域の上部には絶縁膜を介してゲート電極が形成されている。ウエハーの素子形成面とは反対面のn拡散層にはドレイン電極が形成されている。
図8(B)において、MOS−FETQ10は、本来のMOS−FETであり、その他の回路は寄生素子である。NPNトランジスタQ11は、図8(A)中に示すように、n型ウエハー、n拡散層、およびそれらの間のp型拡散層によって構成されている。キャパシタCcbは、n型ウエハーとp型拡散層との間に生じる寄生容量である。ダイオードDcbは、n型ウエハーとp型拡散層との間に生じる寄生ダイオードである。抵抗Rbはp型拡散層で形成される寄生抵抗である。ダイオードDceはp型拡散層とドレイン電極形成側のn拡散層との間に生じる寄生ダイオードである。この図8(B)において、キャパシタCcbと抵抗Rbとで、CR時定数回路による第1遅延回路312が構成されている。
第1MOS−FETQ1が図8(B)に示す回路を構成することにより、図7に示した電源電圧入力部Pinに電源電圧が印加されたとき、NPNトランジスタがオンするのに十分な電位差が等価回路の抵抗Rbに生じ、キャパシタCcbを介してNPNトランジスタQ11にベース電流が流れ、NPNトランジスタQ11はオンする。なお、本来のMOS−FETQ10のゲート・ソース間電位は0であるので、オフのままである。
その後、キャパシタCcbの充電に伴って、NPNトランジスタQ11は、そのベース・エミッタ間電圧Vbeが約0.6Vを下回ると、ターンオフする。したがって第1遅延回路312のCR時定数が第1段階P1の期間を定める。
次に、図7に示した第2回路32の構成と作用について説明する。第2遅延回路322はキャパシタC2と抵抗R2によるCR時定数回路で構成されている。第2MOS−FETQ2はデプレッションタイプのPチャンネルMOS−FETである。電源電圧入力部Pinに電源電圧が印加されたとき、第2MOS−FETQ2のゲート・ソース間電位は小さいので、第2MOS−FETQ2はオフ状態を保つ。その後、キャパシタC2の充電に伴って、第2MOS−FETQ2のゲート電位は低くなる。第2MOS−FETQ2のゲート電位が閾値より低くなると、第2MOS−FETQ2はターンオンする。第2遅延回路322のCR時定数は、起動開始から第3段階の開始までの期間を定める。したがって、第2遅延回路322のCR時定数は第1遅延回路312のCR時定数より大きい。
なお、図7に示した第1MOS−FETQ1はオフ状態のままで使用するので、ゲート・ソース間に接続する素子はキャパシタC1に限らず、抵抗素子でもよく、更にはゲート・ソース間を直接接続してもよい。
《第2の実施形態》
図9は第2の実施形態に係る流体制御装置の起動回路30の具体的な回路構成を示す回路図である。起動回路30は第1回路31と第2回路32を備え、第1回路31はダイオードD1で構成されている。第2回路32はPチャンネルMOS−FETである第2MOS−FETQ2、キャパシタC2および抵抗R2,R1で構成されている。キャパシタC2と抵抗R2とで、CR時定数回路による第2遅延回路322が構成されている。第2MOS−FETQ2はデプレッションタイプのPチャンネルMOS−FETである。
抵抗R1は、第2MOS−FETQ2のオン中にキャパシタC2の放電経路を構成する。したがって、電源電圧入力部Pinへ入力される電源電圧が短時間で断続されても、第2遅延回路322は正しく遅延動作する。
この例では、電源電圧入力部Pinに電源電圧が印加されたとき、先ず、ダイオードD1に逆方向電流(ツェナー電流)が流れる。電源電圧入力部Pinに電源電圧が印加された直後は、第2MOS−FETQ2のゲート・ソース間電位差は小さいので、第2MOS−FETQ2はオフ状態を保つ。その後、キャパシタC2の充電に伴って、第2MOS−FETQ2のゲート電位は低くなる。第2MOS−FETQ2のゲート電位が閾値より低くなると、第2MOS−FETQ2はターンオンする。第2MOS−FETQ2のオン状態でのドレイン・ソース間電圧はダイオードD1のツェナー電圧より低いので、第2MOS−FETQ2のオンにより、ダイオードD1のアノード・カソード間の電圧がツェナー電圧より低下する。すなわちダイオードD1はオフする。
図10は、駆動回路20に印加される駆動電源電圧の時間変化、および駆動回路20に流れる電流の時間変化を示す図である。図11は、本実施形態の流体制御装置と比較例の流体制御装置とについて、駆動回路20に流れる電流の時間変化および流量の時間変化を示す図である。比較例の流体制御装置は、駆動電源電圧を起動時に制御する起動回路が無い。
図10において、波形Veは駆動電源電圧の時間変化を示す波形であり、波形Ieは駆動回路に流れる電流の時間変化を示す波形である。この図10に表れているように、第1段階P1で駆動電源電圧は定常電圧Vc未満の電圧V1まで上昇する。この定常電圧Vcに対する電圧V1のドロップ分がダイオードD1のツェナー電圧である。このダイオードD1のツェナー電圧は例えば2Vから3V程度である。その後の、第2MOS−FETQ2がターンオンするまでの第2段階P2では、駆動電源電圧は電圧V1を維持する。第2MOS−FETQ2がターンオンして第3段階P3になると、駆動電源電圧は定常電圧Vcまで上昇する。
図11において、波形Ieは駆動回路20に流れる電流の時間変化を示す波形であり、波形Ipは比較例の流体制御装置における駆動回路に流れる電流の時間変化を示す波形である。また、波形Feは圧電ポンプ10を流れる流体の流量の時間変化を示す図であり、波形Fpは比較例の流体制御装置における圧電ポンプを流れる流体の流量の時間変化を示す図である。この図11に表れているように、比較例の流体制御装置では、起動開始から約0.2秒後に電流が最大となり、破線の楕円で囲んで示すように、突入電流が流れるのに対し、本実施形態の流体制御装置では、突入電流は生じないか、または充分に抑制されている。また、比較例の流体制御装置では、起動開始から約0.5秒後に流量が最大となり、本実施形態の流体制御装置では約0.8秒後に流量がピークとなる。つまり、流量がピークになるタイミングは約0.3秒遅れるだけである。しかも、このピーク値は比較例の流体制御装置と同等である。また、本実施形態の流体制御装置の第1段階P1での立ち上がりは比較例と同等であり、起動は速い。
なお、図7に示した例では、第1MOS−FETQ1をNチャンネルMOS−FET、第2MOS−FETQ2をPチャンネルMOS−FETでそれぞれ構成した例を示したが、例えば電源電圧が負電圧であるような場合には、NチャンネルとPチャンネルの関係を逆にしてもよい。
第1、第2の実施形態では、第1遅延回路312、第2遅延回路322それぞれをCR時定数回路で構成した例を示したが、これら遅延回路をデジタル回路で構成してもよい。また、駆動電源電圧を、スイッチを介して駆動回路20へ供給する回路、および、そのスイッチをマイクロコントローラの出力電圧で制御する回路を構成し、マイクロコントローラの制御によって、第1段階P1、第2段階P2および第3段階P3を形成してもよい。
以上に示した例では、第2MOS−FETQ2はデプレッションタイプのPチャンネルMOS−FETで構成したが、第2MOS−FETQ2はエンハンスメントタイプでもジャンクションタイプでもよい。
《第3の実施形態》
図12(A)は、第3の実施形態に係る流体制御装置の起動回路の機能ブロックであり、図12(B)は起動回路の回路図である。第3の実施形態に係る流体制御装置は、第1の実施形態に係る流体制御装置101に対して、起動回路30を起動回路30Aに置き換えた点で異なる。
図12(A)に示すように、起動回路30Aは、遅延回路311A、第1スイッチ回路312A、および、第2スイッチ回路32Aを備える。遅延回路311A、第1スイッチ回路312Aによって、第1回路31Aが構成される。電源側から、遅延回路311A、第1スイッチ回路312A、第2スイッチ回路32Aの順に接続されており、第2スイッチ回路32Aの出力端が駆動回路20に接続されている。
遅延回路311Aは、起動開始時間に対して第1スイッチ回路312Aの動作開始時間を遅らせる。
第1スイッチ回路312Aは、第2スイッチ回路32Aの出力電圧を調整するための電圧を生成する。
第2スイッチ回路32Aは、初期状態(起動開始時)には、電源電圧よりも低い初期電圧Vddpを出力する。第2スイッチ回路32Aは、第1スイッチ回路312Aによって出力電圧が制御される期間には、出力電圧を初期電圧Vddpから徐々に上昇させる。そして、第2スイッチ回路32Aは、第1スイッチ回路312Aにより出力を最大とする制御が行われると、定常動作の駆動電源電圧Vddoを駆動回路20に出力する。
この構成によって、起動回路30Aは、図13に示すような時間特性の駆動電源電圧を実現できる。
この起動回路30Aをアナログ回路で実現する場合、例えば、図12(B)に示す構成によって実現できる。図12(B)に示すように、起動回路30Aは、電源に接続されており、第1の実施形態と同様に駆動回路20に対して駆動電源電圧Vddを印加する。起動回路30Aは、抵抗素子R11、R21、R31、R41、キャパシタC11、ダイオードD11、FETM1、M2を備える。FETM1、M2は、p型のFETである。
電源の正極側には、抵抗素子R11の第1端子が接続されている。電源の負極側は基準電位に接地されている。抵抗素子R11の第2端子は、キャパシタC11の第1端子に接続されており、キャパシタC11の第2端子は、ダイオードD11のカソードに接続されている。ダイオードD11のアノードは、接地されている。
FETM1のゲート端子は、抵抗素子R11とキャパシタC11との接続ラインに接続されている。
電源の正極側には、抵抗素子R21の第1端子が接続されている。抵抗素子R21の第2端子は、FETM1のドレイン端子に接続されている。FETM1のソース端子は、抵抗素子R31の第1端子に接続されており、抵抗素子R31の第2端子は、接地されている。
FETM2のゲート端子は、抵抗素子R21とFETM1のドレイン端子との抵抗素子R41の第2端子とに接続されている。
電源の正極側には、FETM2のソース端子が接続されている。FETM2のドレイン端子は、抵抗素子R41の第1端子が接続されており、抵抗素子R41の第2端子は、抵抗素子R21の第2端子に接続されている。
そして、駆動回路20Aにおける駆動電源電圧Vddの出力端子は、FETM2のドレイン端子に接続され、当該ドレイン端子の電位と同電位になる。
このような回路構成において、電源から電源電圧を印加すると、次の状態を順次遷移して、駆動電源電圧Vddが変化する。
図13は、第3の実施形態に係る駆動回路に印加される駆動電源電圧の時間変化を示す図である。
(第1昇圧期間)
起動回路30Aへの電源電圧の印加が開始されると、キャパシタC11への充電が開始される。駆動電源電圧Vddの初期電圧Vddpは、抵抗素子R21、R41と駆動回路20とによる電圧との分圧によって決定される。
したがって、初期電圧Vddpを、定常動作の駆動電源電圧(最終的な所望の駆動電源電圧)Vddoよりも低い値に設定し、抵抗素子R21、R41および駆動回路20の分圧比を、当該初期電圧Vddpとなるように設定する。例えば、定常動作の駆動電源電圧Vddoを16.5V程度としたときに、初期電圧Vddpは、4.5V程度に設定する。すなわち、FETM2のオフ状態での抵抗素子R21、R41および駆動回路20の分圧比を利用して、初期電圧Vddpを設定する。
これにより、図13に示すように、駆動電源電圧Vddは、極短い期間T1にて、定常動作の駆動電源電圧Vddoよりも低い初期電圧Vddpまで上昇する。したがって、駆動電源電圧Vddが急激に定常動作の駆動電源電圧Vddoになることを抑制でき、突入電流を抑制できる。また、駆動電源電圧Vddは、従来の突入電流を回避する構成を用いて、図13の点線に示すような徐々に駆動電源電圧を上昇させる場合よりも速く、一定の電圧値(初期電圧Vddp)まで上昇する。
この期間T1において、キャパシタC11への充電が継続すると、抵抗素子R11、キャパシタC11およびダイオードD11の素子値に基づく時定数に応じて、FETM1のゲート電圧が上昇する。
(第2昇圧期間)
FETM1のゲート電圧が上昇し、FETM1のソース電圧に対して、FETM1のゲート電圧が閾値を超えると、FETM1は、導通を開始する。これに伴い、FETM2のゲート電圧は徐々に下降する。すなわち、FETM1の不飽和領域を用いて、FETM2のゲート電圧を徐々に降下させる。
FETM2のゲート電圧が下降するとFETM2のゲートソース間電圧が負極性となる。したがって、FETM2のゲート電圧が徐々に下降すると、FETM2のドレインソース間で生じる電圧降下が徐々に小さくなる。すなわち、FETM2の不飽和領域を利用して、FETM2のドレインソース間の電圧を徐々に上昇させる。
これにより、駆動電源電圧Vddは、FETM2と抵抗素子R21、R41との直並列合成抵抗の電圧降下量と駆動回路20との分圧比によって決まる。したがって、図13の期間T2に示すように、駆動電源電圧Vddは、初期電圧Vddpから徐々に上昇し、定常動作の駆動電源電圧Vddoに達して収束する。
このように、本実施形態の回路構成を用いることによって、突入電流を回避できる。さらに、定常動作の駆動電源電圧Vddoを、圧電素子に素早く印加できる。すなわち、圧電ポンプの起動時間を短縮できる。さらに、本実施形態の回路構成を用いることによって、上述の各実施形態に示したような起動回路を用いる必要が無く、流体制御装置としての構成を簡素化できる。
なお、上述の説明では、p型のFETを用いる態様を示したが、他の半導体素子を用いることも可能である。
《第4の実施形態》
図14(A)は、第4の実施形態に係る流体制御装置の構成を示すブロック図であり、図14(B)は、駆動制御回路の構成を示すブロック図である。第4の実施形態に係る流体制御装置101Bは、第1の実施形態に係る流体制御装置101に対して、起動回路30を省略し、駆動制御回路21を追加した点で異なる。流体制御装置101Bの他の構成は、流体制御装置101と同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
駆動制御回路21は、電源電圧入力部Pinと駆動回路20との間に接続されている。概略的には、駆動制御回路21は、圧電素子11に印加させる電流を検出して、吸引に利用する場合の背圧が背圧閾値を超えないように、または、圧電素子11の振幅が振幅閾値を超えないように、駆動電源電圧を制御する。
これを実現するため、駆動制御回路21は、図15に示す概念に基づいて、駆動電源電圧の制御を実行する。図15(A)は、圧電ポンプの背圧と圧電ポンプに流れる電流との関係を示す図であり、図15(B)は、圧電素子の振幅と電流との関係を示す図である。
図15(A)に示すように、背圧と電流値とは線形の関係にあり、背圧が高くなると電流値は高くなる。この際、圧電素子による個体差はあるものの、背圧と電流値との線形性は維持されている。
また、図15(B)に示すように、圧電素子の振幅と電流値とは線形の関係にあり、圧電素子の振幅が大きくなると電流値は高くなる。
したがって、圧電素子11に印加させる電流値を観測することによって、背圧、および、圧電素子11の振幅を観測できる。
具体的に、図14(B)に示すように、駆動制御回路21は、電流検出回路211、制御IC220、および、スイッチ231を備える。
スイッチ231は、電源電圧入力部Pinと駆動回路20との間に接続されている。スイッチ231は、制御IC220からの制御によって、電源電圧入力部Pinと駆動回路20との接続の開放、導通を選択的に行う。
電流検出回路211は、駆動回路20の駆動電流、すなわち、圧電素子11に印加する電流を検出し、制御IC220に出力する。
制御IC220は、図16に示す処理を実行する。図16は、第4の実施形態に係る駆動制御回路で行われる駆動制御のフローチャートの第1態様を示す図である。
起動開始動作として、制御IC220は、起動トリガを発生し(S11)、スイッチを導通させる。制御IC220は、過渡待機を行った後(S12)、電流値のサンプリングを開始する(S13)。例えば、過渡待機として、制御IC220は、約0.2秒間、電流検出値を取得しない。これにより、起動時の突入電流等によるノイズを排除できる。
制御IC220は、N0回の電流値のサンプリングを連続的に実行する(S13)。N0は、所望の整数であり、適宜決定すればよく、例えば、200である。サンプリング周期は、適宜決定すればよいが、できる限り短い方がよく、例えば、過渡待機の時間よりも短い。
制御IC220は、N0回の電流値から基準値(初期値)isを算出する(S15)。例えば、制御IC220は、N0回の電流値の平均値を基準値isとして算出する。
制御IC220は、電流値のサンプリングを継続し、次に、Ni回の電流値のサンプリングを連続的に実行する(S16)。Niも、所望の整数であり、適宜決定すればよいが、例えばN0と同じである。また、サンプリング周期は、適宜決定すればよいが、例えばN0の場合と同じである。
制御IC220は、Ni回の電流値から判定値inを算出する(S17)。例えば、制御ICは、Ni回の電流値の平均値を判定値inとして算出する。
制御IC220は、判定値inと基準値isとを比較する。具体的には、制御IC220は、基準値isから電流閾値を算出する。例えば、制御IC220は、kを1よりも大きな実数、例えばk=1.5として、電流閾値をk*isによって算出する。この電流閾値は、上述の振幅閾値、または、背圧閾値に基づいて設定される。
制御IC220は、判定値inが電流閾値k*is以上であると(S18:YES)、スイッチ231に対して停止トリガを発生する(S19)。これにより、スイッチ231は開放され、駆動回路20への駆動電源電圧の供給が停止する。
一方、制御IC220は、判定値inが電流閾値k*is以上でなければ(S18:NO)、次のNi回の電流値のサンプリングを連続的に実行する(S16)。
このような処理を行うことによって、背圧が背圧閾値を超えること、圧電素子11の振幅が振幅閾値を超えることを防止できる。これにより、背圧の場合、過吸入を防止でき、鼻水吸引や搾乳機における粘膜や皮膚表面の損傷、NPWTにおける患部への悪影響を防止できる。さらに、圧力センサを用いなくてもよい。また、基準値(初期値)との比較を用いることによって、機器毎に誤差に影響されず、停止処理を実行できる。
なお、図16に示す処理では、判定値inが電流閾値k*is以上であると、駆動電源電圧の供給を停止して、処理を終了する。しかしながら、図17に示す処理を実行することによって、一旦停止しても、適正な電流範囲内で駆動を継続することができる。
図17は、第4の実施形態に係る駆動制御回路で行われる駆動制御のフローチャートの第2態様を示す図である。
図17に示すステップS11からステップS19までは、図17に示すステップS11からステップS19までと同じであり、説明は省略する。
制御IC220は、停止トリガを発生すると(S19)、過渡待機となる(S20)。この過渡待機状態を有することによって、背圧の低下、または、振幅の減衰という作用が得られる。制御IC220は、過渡待機後、次のNi回の電流値のサンプリングを連続的に実行する(S16)。
制御IC220は、判定値inが電流閾値k*is以上でなければ(S18:NO)、判定値inが下限閾値irよりも低いか否かを判定する。下限閾値irは、機器として必要な背圧または圧電素子の振幅の下限値に基づいて設定されている。
制御IC220は、判定値inが下限閾値irよりも低くなければ(S21:NO)、次のNi回の電流値のサンプリングを連続的に実行する(S16)。
制御IC220は、判定値inが下限閾値irよりも低くければ(S21:YES)、再起動トリガを発生する(S22)。これにより、スイッチ231は再度導通され、駆動回路20への駆動電源電圧の供給が再開する。
制御IC220は、再起動トリガの発生後、過渡待機となり(S23)、次のNi回の電流値のサンプリングを連続的に実行する(S16)。この過渡状態を設けることによって、再起動時の突入電流等によるノイズを排除できる。
このような構成および処理によって、上述の患部への悪影響等を防止できるとともに、次の各効果が得られる。適正な電圧範囲(電流範囲)で継続的に、圧電ポンプを駆動できる。これにより、無駄な吸引がなくなり、省電力化が可能になる。さらに、鼻水吸引や搾乳機において、皮膚とノズルとが一時的に離れるので、効率の良い吸引が可能になる。
《第5の実施形態》
図18は、第5の実施形態に係る流体制御装置の駆動制御回路の構成を示すブロック図である。第5の実施形態に係る流体制御装置は、第4の実施形態に係る流体制御装置101Bに対して、駆動制御回路21Cの構成において異なる。第5の実施形態に係る流体制御装置の他の構成は、流体制御装置101Bと同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
図18に示すように、駆動制御回路21Cは、電流検出回路211、比較器221、時定数回路222、放電回路223、および、スイッチ231を備える。
スイッチ231は、電源電圧入力部Pinと駆動回路20との間に接続されている。スイッチ231は、制御IC220からの制御によって、電源電圧入力部Pinと駆動回路20との接続の開放、導通を選択的に行う。
電流検出回路211は、駆動回路20の駆動電流、すなわち、圧電素子11に印加する電流を検出し、検出信号Pを、比較器221と時定数回路222とに出力する。検出信号Pの信号レベルは、検出電流値に依存する。
時定数回路222は、検出信号Pに対して遅延処理を実行し、遅延信号Qを比較器221に出力する。
比較器221は、検出信号Pの信号レベルと遅延信号Qの信号レベルとを比較する。比較器221は、遅延信号Qの信号レベルが検出信号Pの信号レベル以上であることを検出すると、停止トリガの制御信号Rを発生する。比較器221は、停止トリガの制御信号Rをスイッチ231に出力する。スイッチ231は、停止トリガの制御信号Rを受け付けると、電源電圧入力部Pinと駆動回路20との接続を開放する。
放電回路223は、例えば、放電用のスイッチであり、比較器221のスイッチ231への信号出力ラインとグランド電位との間の開放、導通を制御する。放電回路223は、停止トリガの制御信号Rの発生後、所定時間の後に導通する。これにより、停止トリガの制御信号Rは、スイッチ231に供給されず、スイッチ231は、再度導通状態となる。
このような構成を用いることによって、上述の第4の実施形態に係る流体制御装置101Bと同様の駆動電圧制御を行うことができる。
図19は、第5の実施形態に係る流体制御装置の駆動制御回路内の各信号レベルの時間変化を示す図である。
図19に示すように、起動開始によって、検出信号Pの信号レベルは上昇する。遅延信号Qの信号レベルは、時定数回路222の時定数によって決まる遅延時間τだけ遅れて、検出信号Pと同様に上昇する。検出信号P、および、遅延信号Qの信号レベルは、圧電ポンプの仕様に応じて、圧力が高くなるのにしたがって収束するように変化する。したがって、所定時間後には、遅延信号Qの信号レベルは、検出信号Pの信号レベルに一致する。この一致タイミングを基準にして、停止トリガの制御信号Rを発生させる。
ここで、上述の背圧閾値および振幅閾値に基づいて、時定数回路222による遅延時間(時定数)を決定する。これにより、背圧が背圧閾値を超えないように、または、圧電素子11の振幅が振幅閾値を超えないように、駆動電源電圧を制御できる。
また、本実施形態の構成を用いることによって、制御ICを用いずに、駆動電源電圧を制御できる。
《第6の実施形態》
図20(A)は、第6の実施形態に係る流体制御装置の起動回路の機能ブロックであり、図20(B)は起動回路の回路図である。第6の実施形態に係る流体制御装置は、第3の実施形態に係る流体制御装置の起動回路30Aを起動回路30Dに置き換えた点で異なる。
図20(A)に示すように、機能ブロック的には、起動回路30Dは、起動回路30Aに対して、リセット回路33Dを追加した点で異なる。起動回路30Dの他の構成は、起動回路30Aと同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
リセット回路33Dは、遅延回路311D以降の回路の動作を初期化する。
このリセット回路33Dを含む起動回路30Dをアナログ回路で実現する場合、例えば、図20(B)に示すように、図12(B)に示した起動回路30Aの回路構成に対して、FETM3を追加した構成からなる。なお、図20(B)に示すように、起動回路30Dでは、ダイオードD11が省略されている。
FETM3は、p型のFETである。FETM3のゲートは、抵抗素子R11に接続されている。FETM3のソースは、抵抗素子R12とキャパシタC11の第1端子に接続されている。FETM3のドレインは、基準電位に接続されている。
この構成では、電源がオン状態にあると、FETM3では、ソースに対するゲートの電圧は、正値(0V以上)となる。この時、FRTM3は所謂開放状態であり、FETM3のドレインソース間は導通しない。
その後、キャパシタC11に電荷がチャージされた状態で、電源がオフ状態になると、FETM3では、ソースに対するゲートの電圧が負値(0V未満)となる。この時、FETM3は所謂導通状態であり、ドレインソース間は導通する。これにより、キャパシタC11に充電された電荷は、FETM3を介して放電され、起動回路30Dは、初期状態(キャパシタC11が充電されていない駆動電源電圧の供給開始状態)にリセットされる。
このように、起動回路30Dでは、FETM3によって、リセット回路33が実現される。そして、この構成では、FETM3を1個と抵抗素子R11を1個を用いるだけでリセット回路が実現されるので、起動回路30Dを簡素な構成で実現できる。なお、抵抗素子R12は、FETM3の定格電圧を規定するための素子であり、電源の電圧との関係によって省略が可能である。
このように、起動回路30Dでは、FETM3によって、リセット回路33Dが実現される。そして、この構成では、FETM3を1個用いるだけでリセット回路が実現されるので、起動回路30Dを簡素な構成で実現できる。
図21(A)は、本発明の第6の実施形態に係るリセット回路を用いた場合の駆動電源電圧の波形を示すグラフであり、図21(B)は、リセット回路を用いない場合の駆動電源電圧の時間変化を示すグラフである。図21(A)(B)において、横軸は時間であり、縦軸は駆動電源電圧値である。
図21(A)に示すように、第6の実施形態に係るリセット回路33Dを用いる構成では、起動処理を繰り返し行っても、駆動電源電圧の立ち上がり波形は殆ど変化しない。一方、図21(B)に示すように、リセット回路を用いない構成では、駆動電源電圧の立ち上がり波形は、最初の1回だけ徐々に上昇する形状になり、その後は徐々に上昇する形状にはならない。
このように、リセット回路33Dを備えることによって、上述の徐々に駆動電源電圧を上昇させる処理を、確実に繰り返し実行できる。したがって、繰り返し起動させる制御を行っても、各起動時において上述の問題の発生を抑制できる。
《第7の実施形態》
図22は、本発明の第7の実施形態に係る流体制御装置の概略構成を示す側面断面図である。
図22に示すように、流体制御装置は、圧電ポンプ10、圧力容器12、および、開閉弁13を備える。なお、圧電ポンプ10へ駆動電源電圧を供給する駆動回路、駆動制御回路、および、電源は、上述の実施形態に示したものが適用できる。
圧電ポンプ10は、圧電素子11、振動板111、支持体112、天板113、外板114、枠体115、枠体116、および、弁膜130を備える。
振動板111の外縁は、支持体112によって支持されている。この際、振動板111は、その主面に対して直交する方向に振動可能に支持されている。この振動板111と支持体112との間には、空隙118が形成されている。
圧電素子11は、振動板111における一方主面に配置されている。
天板113は、平面視において、振動板111および支持体112に重なる位置に配置されている。天板113は、振動板111および支持体112に対して離間して配置されている。天板113を平面視した略中央の領域には、貫通孔119が形成されている。
枠体115は、筒状であり、支持体112と天板113とに挟まれており、それぞれに対して接合されている。
これにより、振動板111、支持体112、天板113、および、枠体115によって囲まれる空間からなるポンプ室117が形成されている。ポンプ室117は、空隙118および貫通孔119に連通している。
外板114は、天板113を基準にして、振動板111と反対側に配置されている。外板114は、平面視において、天板113に重なる位置に配置されている。外板114は、天板113に対して離間して配置されている。外板114を平面視した略中央の領域には、貫通孔121が形成されている。貫通孔121は、平面視において、貫通孔119と異なる位置に配置されている。
枠体116は、筒状であり、天板113と外板114とに挟まれており、それぞれに対して接合されている。
これにより、天板113、外板114、および、枠体116によって囲まれる空間からなるバルブ室120が形成されている。バルブ室120は、貫通孔119および貫通孔121に連通している。
圧力容器12は、貫通孔121を、外板114の外面側から覆うように配置されている。開閉弁13は、貫通孔121と圧力容器12との流路に設置されている。
弁膜130は、可撓性を有する材料からなる。弁膜130には、貫通孔131が形成されている。弁膜130は、バルブ室120内に配置されている。弁膜130は、平面視において、貫通孔131は、貫通孔121に重なり、貫通孔119には重ならないように、配置されている。
この構成により、圧電ポンプ10では、圧電素子11が駆動されることによって振動板111が振動し、ポンプ室117が外圧に対して高圧になる状態と低圧になる状態とを繰り返す。
そして、ポンプ室117が低圧になる状態で、空隙118を介して、外からポンプ室117に空気が吸入される。一方、ポンプ室117が高圧になる状態で、貫通孔119を介して、空気がバルブ室120に吐出される。
弁膜130は、貫通孔119から空気が流入すると、外板114側に振動し、弁膜130の貫通孔131と外板114の貫通孔121とは、重なる。これにより、貫通孔131と貫通孔121を介して、バルブ室120内の空気は、圧力容器12へ流入する。この際、開閉弁13を閉制御することによって、バルブ室120内の空気は、外部に漏れることなく、圧力容器12に流入する。
一方、空気の流入によって、圧力容器12の圧力が高くなると、貫通孔121を介して、圧力容器12からバルブ室120側に空気が逆流する。しかしながら、弁膜130は、貫通孔121から空気が流入すると、天板113側に振動し、貫通孔119を塞ぐ。
これにより、圧電ポンプ10は、圧力容器12に対して一方的に空気を流入し、逆流を防ぐことができる。そして、圧電ポンプ10の動作が継続しており、開閉弁13が開制御されるまでは、圧力容器12内の圧力は高くなり、差圧は高くなる。差圧とは、吐出口側の圧力と吸入口側の圧力との差の絶対値のことで、この場合、吐出口側の圧力は吸入口側の圧力と同じかそれより高いため、吸入口側の圧力を基準とした吐出口側の圧力と吸入口側の圧力との差となる。一方、開閉弁13が開制御されることによって、圧力容器12に吸入された空気は外部に放出される。これにより、圧力容器12内の圧力は低下し、差圧は0となる。
なお、図22の態様では、圧電ポンプ10と圧力容器12とを繋ぐ流路に開閉弁13を配置する態様を示したが、圧力容器12における圧電ポンプ10に繋がる流路以外の位置に開閉弁13を配置してもよい。
図23(A)(B)は、圧電ポンプと圧力容器と開閉弁との位置関係を示すブロック図である。
図23(A)に示す構成では、上述の図22に示す接続態様を示しており、開閉弁13は、圧電ポンプ10と圧力容器12とを繋ぐ流路に配置されている。図23(B)に示す構成では、開閉弁13は、圧力容器12における圧電ポンプ10に繋がる流路以外の位置に配置されている。
このような構成では、圧電ポンプ10の弁膜130に、次に示すような課題が生じることがある。図24(A)は、圧力と流量との関係を示すグラフである。ここでいう圧力とは、圧電ポンプ10の振動板111側の外圧と、外板114側の圧力容器12内の圧力との差(差圧)を意味する。図24(B)は、図24(A)に示す圧力と流量との関係がA状態、B状態、C状態、D状態である時のバルブ室内での弁膜の状態を示す図である。図24(B)では、弁膜のあるタイミングでの形状および平均位置を示している。図24(B)において、+側が外板114に近い位置を示し、−側が天板113に位置を示す。絶対値が大きいほど、それぞれに外板114または天板113に近いことを示す。図24(B)において、CA、CB、CC、CDに示す曲線は、それぞれA状態、B状態、C状態、D状態での形状を示し、Avg.CA、Avg.CB、Avg.CC、Avg.CDに示す直線は、それぞれA状態、B状態、C状態、D状態での平均位置を示す。
圧電ポンプ10に圧力容器12が取り付けられた態様では、図24(A)に示すように、流量が高くなる時に圧力が低くなり、圧力が高くなると時に流量が低くなる。
具体的には、圧力容器12への空気の流入が少なく圧力が低い時には、流量が高くなる。これは、例えば、流体制御装置の起動時に生じる。この状態を流量モードと称する。
一方、圧力容器12への空気の流入が多く圧力が高い時には、流量は低くなる。これは、例えば、流体制御装置が駆動し、圧電ポンプ10によって、圧力容器12へ多くの空気が流入している時に生じる。この状態を圧力モードと称する。
図24(A)に示すA状態は、流量モードの状態を示し、D状態は、圧力モードの状態を示す。B状態およびC状態はその中間状態(中間モードの状態)であり、B状態は、A状態寄りであり、C状態はD状態寄りである。
図24(B)に示すように、A状態(流量モード)では、弁膜130は、主として天板113よりも外板114に近く存在し、外板114への衝突速度も大きくなる。
一方、D状態(圧力モード)では、弁膜130は、主として外板114よりも天板113に近く存在し、天板113への衝突速度も大きくなる。
B状態およびC状態(中間モード)では、弁膜130は、バルブ室120の高さ方向の中央付近に主として存在し、A状態およびD状態と比較して、天板113および外板114に対する衝突速度は小さい。
図25(A)(B)は、差圧と衝突速度との関係を示すグラフであり、図25(C)は、駆動電源電圧と衝突速度との関係を示すグラフである。図25(A)は、A状態(流量モード)における弁膜と外板との衝突速度を示し、図25(B)は、D状態(圧力モード)における弁膜と天板との衝突速度を示す。図25(C)は、差圧が0の場合を示す。
図25(A)に示すように、A状態(流量モード)では、弁膜と外板とが高速で衝突し、差圧が高いほど、衝突速度が速くなる。したがって、A状態(流量モード)では、弁膜130は、外板114に衝突して破損し易い。
図25(B)に示すように、D状態(圧力モード)では、弁膜と天板とが高速で衝突し、差圧が低いほど、衝突速度が速くなる。したがって、D状態(圧力モード)では、弁膜130は、天板113に衝突して破損し易い。したがって、D状態(圧力モード)では、弁膜130は、天板113に衝突して破損し易い。
そして、図25(C)に示すように、駆動電源電圧が高いほど、衝突速度は速くなる。
このため、上述の駆動制御回路を次に示すように制御する。
(流量モードに対する制御)
図26(A)(B)は、駆動電源電圧の制御を示すフローチャートである。図27(A)(B)は、駆動電源電圧の時間変化を示すグラフである。図27(A)は、図26(A)のフローに対応し、図27(B)は、図26(B)のフローに対応する。
図26(A)に示す制御では、開閉弁13が閉制御の状態で、まず、流体制御装置は、駆動電源電圧の供給を開始する(S31)。駆動電源電圧の初期値は、図27(A)に示すように、定常動作の駆動電源電圧(図27(A)の例では28V)よりも低い電圧値(図27(A)の例では20V)に設定されている。
流体制御装置は、駆動電源電圧を時間とともに徐々に増加させる(S32)。すなわち、流体制御装置は、駆動電源電圧を所定の増加率で増加させる。例えば、流体制御装置は、秒単位で、所定の電圧ずつ増加させる。一例として、図27(A)の例であれば、20V/sec.で増加させる。なお、この際、電圧の増加は、図27(A)に示すように、連続的であってもよく、離散的(ステップ状)であってもよい。
流体制御装置は、駆動電源電圧が定格電圧(定常動作の駆動電源電圧)に達するまでは(S33:NO)、電圧を増加させる(S32)。流体制御装置は、駆動電源電圧が定格電圧(定常動作の駆動電源電圧)に達すると(S33:YES)、定格電圧を供給する(S34)。
図27(A)の例であれば、流体制御装置は、駆動開始の時刻t0から駆動電源電圧が定格電圧に達する時刻t1までの第1期間T11では、徐々に電圧を増加する。そして、流体制御装置は、時刻t1から、開閉弁13が開制御される時刻t2までの第2期間T12では、定格電圧を供給する。なお、流体制御装置は、時刻t2になると、駆動電源電圧の供給を停止する。
この駆動電源電圧の制御は、上述の図12、図20に示す駆動制御回路を用いることによって実現できる。
図26(B)に示す制御では、開閉弁13が閉制御の状態で、まず、流体制御装置は、駆動電源電圧の供給を開始する(S41)。駆動電源電圧の初期値は、図27(A)に示すように、定常動作の駆動電源電圧(図27(B)の例では28V)よりも低い一定の電圧値(低電圧:図27(B)の例では20V)に設定されている。このタイミングで、流体制御装置は、計時を開始する(S42)。
流体制御装置は、電圧の切替時間を検出するまでは(S44:NO)、この低電圧の供給を継続する(S43)。
流体制御装置は、電圧の切替時間を検出すると(S44:YES)、定格電圧を供給する(S45)。
図27(B)の例であれば、流体制御装置は、駆動開始の時刻t0から切替時間である時刻t1までの第1期間T11では、定格電圧よりも低い初期定電圧を供給する。そして、流体制御装置は、時刻t1から、開閉弁13が開制御される時刻t2までの第2期間T12では、定格電圧を供給する。なお、流体制御装置は、時刻t2になると、駆動電源電圧の供給を停止する。
この制御は、駆動電源電圧の制御は、上述の図4、図7に示す駆動制御回路を用いることによって実現できる。
これらの制御を行うことによって、上述の流量モードの生じるときに、圧電ポンプ10に供給する駆動電源電圧を抑制できる。したがって、弁膜130が外板114に衝突して破損することを抑制できる。また、図26(B)に示す制御を用いることによって、圧電ポンプ10の動作を、より早く定常動作に近づけることができる。一方、図26(A)に示す制御を用いることによって、駆動電源電圧の制御が簡易になり、例えば、回路構成を簡素化できる。
なお、流体制御装置は、図28(A)(B)に示す制御を行ってもよい。図28(A)(B)は、駆動電源電圧の時間変化を示すグラフである。
図28(A)に示す制御では、第1期間において電圧の増加率を複数種類に設定している。なお、図28(A)では、初期の増加率が、その後の増加率よりも高い態様を示しているが、逆であってもよい。ただし、初期の増加率が、その後の増加率よりも高い方が、圧電ポンプの起動を早くできる。一方、初期の増加率が、その後の増加率よりも低ければ、弁膜の破損をより効果的に抑制できる。
図28(B)に示す制御では、駆動電源電圧の供給開始のタイミングから駆動電源電圧の供給停止のタイミングまで、駆動電源電圧を増加させ続け、開制御のタイミングで定格電圧になるように設定している。
また、上述の流量モードに対する制御では、駆動制御回路は、少なくとも、駆動電源電圧の供給停止までに駆動電源電圧を増加させればよい。ただし、例えば、駆動電源電圧の供給開始時間と供給停止時間との時間差に所定値(1より小さな値)を乗算した時間を、供給開始時間に加算した時間を途中時間とする。駆動制御回路は、この途中時間における駆動電源電圧が供給開始直後の駆動電源電圧よりも高くなるように、制御を行うことが好ましい。なお、この所定値は、例えば、約0.5であるとよい。この値にすることによって、例えば、上述の弁膜の破損を抑制しながら、圧電ポンプ10の駆動効率を向上できる。
また、上述の説明では、駆動電源電圧の供給開始タイミングからの経過時間を用いて電圧制御を行う態様を示した。これは、差圧と経過時間とが1対1の関係にあることを利用している。したがって、差圧が測定できなければ、経過時間を用いればよく、差圧が測定できれば、差圧を用いて電圧制御を行ってもよい。
この場合、例えば、差圧の最小値(例えば、駆動電源電圧の開始時の差圧)と差圧の最大値と差に所定値(1より小さな値)を乗算した圧力を、最小値に加算した圧力を途中差圧とする。駆動制御回路は、この途中差圧における駆動電源電圧が、差圧の最小値における駆動電源電圧よりも高くなるように、制御を行うことが好ましい。なお、この所定値は、例えば、約0.5であるとよい。この値の時、途中差圧は差圧の最小値と最大値の平均値となる。この値にすることによって、例えば、上述の弁膜の破損を抑制しながら、圧電ポンプ10の駆動効率を向上できる。
(圧力モードに対する制御)
図29(A)(B)は、駆動電源電圧の制御を示すフローチャートである。図30(A)(B)は、駆動電源電圧の時間変化を示すグラフである。図30(A)は、図29(A)のフローに対応し、図30(B)は、図29(B)のフローに対応する。
図29(A)に示す制御では、開閉弁13が閉制御の状態で、まず、流体制御装置は、駆動電源電圧の印加を開始する(S51)。駆動電源電圧は、例えば、定常動作の駆動電源電圧(定格電圧:図30(A)の例では28V)に設定されている。このタイミングで、流体制御装置は、計時を開始する(S52)。
流体制御装置は、電圧の切替時間を検出するまでは(S54:NO)、この定格電圧の供給を継続する(S53)。
流体制御装置は、電圧の切替時間を検出すると(S54:YES)、駆動電源電圧を時間とともに徐々に低下させる(S55)。すなわち、流体制御装置は、駆動電源電圧を所定の低下率で低下させる。例えば、流体制御装置は、秒単位で、所定の電圧ずつ低下させる。一例として、図30(A)の例であれば、1.3V/sec.で低下させる。なお、この際、電圧の低下は、図30(A)に示すように、連続的であってもよく、離散的(ステップ状)であってもよい。
図30(A)の例であれば、流体制御装置は、駆動開始の時刻t0から切替時間である時刻t4までの期間では、定格電圧を供給する。そして、流体制御装置は、時刻t4から、開閉弁13が開制御される時刻t2までの第3期間T14では、駆動電源電圧を時間とともに徐々に低下させる。そして、流体制御装置は、時刻t2になると、駆動電源電圧の供給を停止する。
この制御は、駆動電源電圧の制御は、上述の図12、図20に示す駆動制御回路に基づく派生回路を用いることによって実現できる。
図29(B)に示す制御では、開閉弁13が閉制御の状態で、まず、流体制御装置は、駆動電源電圧の印加を開始する(S61)。駆動電源電圧は、例えば、定常動作の駆動電源電圧(定格電圧:図30(B)の例では28V)に設定されている。このタイミングで、流体制御装置は、計時を開始する(S62)。
流体制御装置は、電圧の切替時間を検出するまでは(S64:NO)、この定格電圧の供給を継続する(S63)。
流体制御装置は、電圧の切替時間を検出すると(S64:YES)、図30(B)に示すように、定常動作の駆動電源電圧(図30(B)の例では28V)よりも低い一定の電圧値(低電圧:図30(B)の例では24V)を供給する(S65)。
図30(B)の例であれば、流体制御装置は、駆動開始の時刻t0から切替時間である時刻t4までの期間では、定格電圧を供給する。そして、流体制御装置は、時刻t4から、開閉弁13が開制御される時刻t2までの第3期間T14では、定格電圧よりも低い定電圧を供給する。そして、流体制御装置は、時刻t2になると、駆動電源電圧の供給を停止する。
この制御は、駆動電源電圧の制御は、上述の図4、図7に示す駆動制御回路を用いることによって実現できる。
これらの制御を行うことによって、上述の圧力モードの生じるときに、圧電ポンプ10に供給する駆動電源電圧を抑制できる。したがって、弁膜130が天板113に衝突して破損することを抑制できる。また、図30(B)に示す制御を用いることによって、圧電ポンプ10の動作が定常動作に近い状態をより長く維持できる。一方、図30(B)に示す制御を用いることによって、駆動電源電圧の制御が簡易になり、例えば、回路構成を簡素化できる。
なお、流体制御装置は、図31(A)(B)に示す制御を行ってもよい。図31(A)(B)は、駆動電源電圧の時間変化を示すグラフである。
図31(A)に示す制御では、第3期間において電圧の増加率を複数種類に設定している。なお、図31(A)では、減圧時における先の増加率が、その後の増加率よりも低い態様を示しているが、逆であってもよい。ただし、先の増加率が、その後の増加率よりも低い方が、圧電ポンプの性能を定格に近い状態に維持できる時間を長くできる。一方、先の増加率が、その後の増加率よりも高ければ、弁膜の破損をより効果的に抑制できる。
図31(B)に示す制御では、駆動電源電圧の供給開始のタイミングから駆動電源電圧の供給停止のタイミングまで、駆動電源電圧を低下させ続ける。
この際、駆動制御回路は、少なくとも、駆動電源電圧の供給停止までに駆動電源電圧を低下させればよい。ただし、例えば、駆動電源電圧の供給開始時間と供給停止時間との時間差に所定値(1より小さな値)を乗算した時間を、供給停止時間から遡る(減算する)時間を途中時間とする。駆動制御回路は、駆動電源電圧が供給停止直前の駆動電源電圧が、この途中時間における駆動電源電圧よりも低くなるように、制御を行うことが好ましい。なお、この所定値は、例えば、約0.5であるとよい。この値にすることによって、例えば、上述の弁膜の破損を抑制しながら、圧電ポンプ10の駆動効率を向上できる。
また、上述の説明では、駆動停止タイミングまでの時間を用いて電圧制御を行う態様を示した。これは、差圧と経過時間とが1対1の関係にあることを利用している。したがって、差圧が測定できなければ、駆動停止タイミングまでの時間を用いればよく、差圧が測定できれば、差圧を用いて電圧制御を行ってもよい。
この場合、例えば、差圧の最小値(例えば、駆動電源電圧の開始時の差圧)と差圧の最大値と差に所定値(1より小さな値)を乗算した圧力を、最小値に加算した圧力を途中差圧とする。駆動制御回路は、差圧が最大時における駆動電源電圧が、この途中差圧における駆動電源電圧がよりも低くなるように、制御を行うことが好ましい。なお、この所定値は、例えば、約0.5であるとよい。この値の時、途中差圧は差圧の最小値と最大値の平均値となる。この値にすることによって、例えば、上述の弁膜の破損を抑制しながら、圧電ポンプ10の駆動効率を向上できる。
なお、上述の説明では、流量モードへの制御と、圧力モードへの制御とを個別に実行する態様を示したが、これらを組み合わせて実行してもよい。これにより、弁膜の破損はより確実かつ効果的に抑制される。
また、上述の説明では、駆動電源電圧を制御、調整する態様を示したが、駆動電源電圧に対応する駆動電流、または駆動電力を制御、調整してもよい。
また、上述の各実施形態では、圧電ポンプ10に対して、ハイサイド側の電圧を制御する態様を示したが、ローサイド側の電圧を制御してもよく、ハイサイド側とローサイド側の両方の電圧を制御してもよい。
図32(A)は、ローサイド側で制御を行う場合の流体制御装置の機能ブロック図であり、図32(B)は、図32(A)に示す起動回路の機能ブロック図であり、図32(C)は、起動回路の一例を示す回路図である。
図32に示すように、流体制御装置101Eは、圧電ポンプ10、駆動回路20、および、起動回路30Eを備える。起動回路30Eは、遅延回路311E、第1スイッチ回路312E、および、第2スイッチ回路32Eを備える。遅延回路311Eと第1スイッチ回路312Eとによって、第1回路31Eが構成される。
図32(A)に示すように、流体制御装置101Eでは、駆動回路20は、電源(電源電圧入力部Pin)と起動回路30Eとの間に接続されている。流体制御装置101Eのその他の構成は、図20に示す起動回路30Dを備えた流体制御装置と同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
この場合、図32(C)に示すように、電源の正極側に駆動回路20が接続され、駆動回路20における電源への接続端子と反対側に起動回路30Eの抵抗素子R11が接続される。また、起動回路30EのFETM2のドレインは、基準電位に接続される。
また、上述の説明では、圧電ポンプ10によって圧力容器12を加圧する態様を示した。しかしながら、圧電ポンプ10によって圧力容器12を減圧する態様にも適用が可能である。
この場合、例えば、流体制御装置は、次の構成を実現すればよい。図33は、圧電ポンプを減圧に用いる態様での圧電ポンプ、圧力容器、および、開閉弁の接続構成を示す側面断面図である。
図33に示すように、流体制御装置101Fは、圧電ポンプ10、圧力容器12、開閉弁13、および、筐体14を備える。筐体14は、内部空間140を有し、吸引口141と吐出口142を備える。圧電ポンプ10は、筐体14の内部空間140に配置されている。圧電ポンプ10は、内部空間140を第1空間1401と第2空間1420とに分離するように、配置されている。第1空間1401は、吸引口141に連通し、第2空間1402は、吐出口142に連通している。圧電ポンプ10は、空隙118が第1空間1401に連通し、貫通孔121が第2空間1402に連通している。
圧力容器12は、吸引口141に対して被せるように配置されており、圧力容器12の内部空間と吸引口141とは連通している。開閉弁13は、圧力容器12における吸引口141への連通口とは別の孔に取り付けられている。
このような圧力容器12を減圧する態様であっても、上述の圧力容器12を加圧する態様と同様の作用効果を奏することができる。
また、上述の実施形態に示したが圧力容器12は、密閉空間および開閉弁13を有するものに限らず、例えば、NPWTに用いられるガーゼ等、圧電ポンプ10からの流体を受けて圧力が変化するものであれば、適用できる。
また、上述の実施形態では、空隙118が吸入口、貫通孔121が吐出口であったが、貫通孔131が貫通孔119に重なり、貫通孔121には重ならないように配置することで、空隙118を吐出口、貫通孔121を吸入口とすることもできる。その場合も同様の効果が得られる。
最後に、上述の実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。当業者にとって変形および変更が適宜可能である。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲内と均等の範囲内での実施形態からの変更が含まれる。
C1,C2,C11:キャパシタ
Ccb:寄生キャパシタ
D1,Dcb,Dce,D11:ダイオード
P1:第1段階
P2:第2段階
P3:第3段階
Pin:電源電圧入力部
Q1:第1MOS−FET
Q10:MOS−FET
Q11:寄生トランジスタ(スイッチ素子)
Q2:第2MOS−FET
M1,M2,M3:FET
R2,R1,R11,R21,R31,R41:抵抗
Rb:寄生抵抗
V1:ピーク電圧
10:圧電ポンプ
11:圧電素子
12:圧力容器
13:開閉弁
20、20A:駆動回路
21,21C:駆動制御回路
30:起動回路
30D:駆動制御回路
31:第1回路
31D:第1回路
311D:遅延回路
312:第1スイッチ回路
32:第2回路
32D:第2スイッチ回路
33D:リセット回路
40:アクチュエータ
41:振動板
42:圧電素子
43:補強板
51:薄天板
52:中心通気孔
53A,53B,53C:スペーサ
54:蓋部
55:吐出孔
61:振動板支持枠
71:電極導通用板
91:基板
92:開口部
101、101F:流体制御装置
105:圧電ポンプ
111:振動板
112:支持体
113:天板
114:外板
115:枠体
116:枠体
117:ポンプ室
118:空隙
120:バルブ室
121:貫通孔
130:弁膜
131:貫通孔
140:内部空間
141:吸引口
142:吐出口
1401:第1空間
1402:第2空間
211:電流検出回路
220:制御IC
221:比較器
222:時定数回路
223:放電回路
231:スイッチ
311:第1スイッチ素子
312:第1遅延回路
321:第2スイッチ素子
322:第2遅延回路

Claims (32)

  1. 圧電素子を有する圧電ポンプと、
    駆動電源電圧が印加され、前記圧電素子を駆動する駆動回路と、
    電源電圧の入力部と前記駆動回路との間に設けられる起動回路と、を備え、
    前記起動回路は、前記駆動電源電圧を、起動後の第1段階で定常電圧未満の電圧にまで上昇させ、当該第1段階に続く第2段階で維持または下降させ、当該第2段階に続く第3段階で定常電圧にまで上昇させ、
    前記起動回路は、前記駆動回路に対して前記駆動電源電圧を印加する、第1経路を構成する第1回路と、第2経路を構成する第2回路とを有し、
    前記第1回路は、前記電源電圧の入力部へ前記電源電圧が印加されてから少なくとも前記第1段階の期間内に亘って導通し、且つ前記第3段階の期間内に亘って導通しない回路であり、
    前記第2回路は、前記第2段階の経過後に導通する回路であり、
    前記第1回路は、前記駆動回路に対して前記駆動電源電圧を印加する第1スイッチ素子と、前記駆動電源電圧が印加されてから前記第2回路が導通するまでの間、逆方向に導通するダイオードと、で構成される、
    流体制御装置。
  2. 前記第2段階から前記第3段階への切り替わり時の前記駆動電源電圧は前記第1段階の開始時の電圧以上である、請求項1に記載の流体制御装置。
  3. 圧電素子を有する圧電ポンプと、
    駆動電源電圧が印加され、前記圧電素子を駆動する駆動回路と、
    電源電圧の入力部と前記駆動回路との間に設けられ、前記駆動電源電圧を出力する起動回路と、を備え、
    前記起動回路は、
    前記駆動電源電圧の制御用の半導体素子を備え、
    前記電源電圧に対する前記半導体素子のオフ状態での抵抗素子および前記駆動回路の分圧比を用いて、前記駆動電源電圧を定常電圧未満の電圧まで上昇させる第1昇圧期間と、
    前記半導体素子の不飽和領域を用いて、前記駆動電源電圧を定常電圧まで徐々に上昇させる第2昇圧期間と、を用いて、前記駆動電源電圧を出力する、
    流体制御装置。
  4. 前記起動回路は、前記第1昇圧期間と前記第2昇圧期間とを用いた前記駆動電源電圧の出力制御をリセットするリセット回路を、さらに備える、
    請求項に記載の流体制御装置。
  5. 圧電素子および振動板を有するポンプ室、および、前記ポンプ室に連通し弁膜を有するバルブ室を備え、前記ポンプ室をポンプ室外空間に連通するポンプ室開口と、前記バルブ室をバルブ室外空間に連通するバルブ室開口とを有する圧電ポンプと、
    駆動電源電圧が印加され、前記圧電素子を駆動する駆動回路と、
    電源電圧の入力部と前記駆動回路との間に接続され、前記駆動電源電圧を前記駆動回路に出力する駆動制御回路と、を備え、
    前記圧電ポンプは、
    平面視において前記振動板に重なる位置に設けられた天板と、
    前記天板を基準にして前記振動板と反対側に配置され、平面視において前記天板と重なる位置に設けられた外板と、を有し、
    前記バルブ室は、前記天板と前記外板とによって挟まれており、
    前記バルブ室開口は、前記外板に設けられ、
    前記天板は、前記ポンプ室と前記バルブ室とを連通する第1貫通孔を有し、
    前記弁膜は、平面視において前記第1貫通孔と重ならない位置に第2貫通孔を有し、
    前記バルブ室開口は、平面視において前記第2貫通孔と重なる位置に設けられ、
    前記駆動制御回路は、
    前記ポンプ室外空間と前記バルブ室外空間との差圧に応じて、前記駆動電源電圧または該駆動電源電圧に対応する駆動電流を調整する、
    流体制御装置。
  6. 前記駆動制御回路は、
    前記差圧の増加にしたがって、前記駆動電源電圧または前記駆動電流を上昇させる、
    請求項に記載の流体制御装置。
  7. 前記駆動制御回路は、
    前記駆動電源電圧または前記駆動電流を連続的に上昇させる、
    請求項に記載の流体制御装置。
  8. 前記駆動制御回路は、
    前記駆動電源電圧または前記駆動電流を段階的に上昇させる、
    請求項に記載の流体制御装置。
  9. 前記駆動制御回路は、
    前記駆動電源電圧を上昇させる制御を駆動中に1回だけ行う、
    請求項に記載の流体制御装置。
  10. 前記駆動制御回路は、前記差圧の最小値よりも大きな所定の第1差圧における前記駆動電源電圧または前記駆動電流が、前記最小値における前記駆動電源電圧または前記駆動電流よりも高くなるように制御を行う、
    請求項または請求項に記載の流体制御装置。
  11. 前記所定の第1差圧は、前記差圧の最小値と前記差圧の最大値との平均値である、
    請求項10に記載の流体制御装置。
  12. 前記駆動制御回路は、
    前記差圧の増加にしたがって、前記駆動電源電圧または前記駆動電流を低下させる、
    請求項に記載の流体制御装置。
  13. 前記駆動制御回路は、
    前記駆動電源電圧または前記駆動電流を連続的に低下させる、
    請求項12に記載の流体制御装置。
  14. 前記駆動制御回路は、
    前記駆動電源電圧または前記駆動電流を段階的に低下させる、
    請求項12に記載の流体制御装置。
  15. 前記駆動制御回路は、
    前記駆動電源電圧を低下させる制御を駆動中に1回だけ行う、
    請求項12に記載の流体制御装置。
  16. 前記駆動制御回路は、前記差圧の最大値の前記駆動電源電圧または前記駆動電流が前記差圧の最大値よりも小さな所定の第1差圧における前記駆動電源電圧または前記駆動電流よりも低くなるように制御を行う、
    請求項14または請求項15に記載の流体制御装置。
  17. 前記所定の第1差圧は、前記差圧の最小値と前記差圧の最大値の平均値である、
    請求項16に記載の流体制御装置。
  18. 前記駆動制御回路は、
    前記差圧の増加に応じて前記駆動電源電圧または前記駆動電流を上昇させる制御を行った後に、前記差圧の増加に応じて前記駆動電源電圧または前記駆動電流を低下させる制御を行う、
    請求項乃至請求項17のいずれかに記載の流体制御装置。
  19. 圧電素子および振動板を有するポンプ室、および、該ポンプ室に連通し弁膜を有するバルブ室を備え、該ポンプ室をポンプ室外空間に連通するポンプ室開口と、該バルブ室をバルブ室外空間に連通するバルブ室開口とを有する圧電ポンプと、
    駆動電源電圧が印加され、前記圧電素子を駆動する駆動回路と、
    電源電圧の入力部と前記駆動回路との間に設けられ、前記駆動電源電圧を前記駆動回路に出力する駆動制御回路と、を備え、
    前記圧電ポンプは、
    平面視において前記振動板に重なる位置に設けられた天板と、
    前記天板を基準にして前記振動板と反対側に配置され、平面視において前記天板と重なる位置に設けられた外板と、を有し、
    前記バルブ室は、前記天板と前記外板とによって挟まれており、
    前記バルブ室開口は、前記外板に設けられ、
    前記天板は、前記ポンプ室と前記バルブ室とを連通する第1貫通孔を有し、
    前記弁膜は、平面視において前記第1貫通孔と重ならない位置に第2貫通孔を有し、
    前記バルブ室開口は、平面視において前記第2貫通孔と重なる位置に設けられ、
    前記駆動制御回路は、
    前記駆動電源電圧の供給開始時からの経過時間に応じて、前記駆動電源電圧または該駆動電源電圧に対応する駆動電流を調整する、
    流体制御装置。
  20. 前記駆動制御回路は、
    前記供給開始時からの経過時間に応じて、前記駆動電源電圧または前記駆動電流を上昇させる、
    請求項19に記載の流体制御装置。
  21. 前記駆動制御回路は、
    前記駆動電源電圧または前記駆動電流を連続的に上昇させる、
    請求項20に記載の流体制御装置。
  22. 前記駆動制御回路は、
    前記駆動電源電圧または前記駆動電流を段階的に上昇させる、
    請求項20に記載の流体制御装置。
  23. 前記駆動制御回路は、
    前記駆動電源電圧を上昇させる制御を1回だけ行う、
    請求項20に記載の流体制御装置。
  24. 前記駆動制御回路は、前記供給開始時と前記駆動電源電圧の供給停止時との間の途中時間における前記駆動電源電圧または前記駆動電流が、供給開始直後における前記駆動電源電圧または前記駆動電流よりも高くなるように制御を行う、
    請求項19または請求項20に記載の流体制御装置。
  25. 前記途中時間は、前記供給開始時と前記供給停止時との時間差を1として、前記時間差を0.5倍した時間を前記供給開始時に加算した時間である、
    請求項24に記載の流体制御装置。
  26. 前記駆動制御回路は、
    前記駆動電源電圧の供給停止時の前記駆動電源電圧または前記駆動電流を、それ以前の前記駆動電源電圧または前記駆動電流よりも低下させる、
    請求項19に記載の流体制御装置。
  27. 前記駆動制御回路は、
    前記駆動電源電圧または前記駆動電流を連続的に低下させる、
    請求項26に記載の流体制御装置。
  28. 前記駆動制御回路は、
    前記駆動電源電圧または前記駆動電流を段階的に低下させる、
    請求項26に記載の流体制御装置。
  29. 前記駆動制御回路は、
    前記駆動電源電圧を低下させる制御を1回だけ行う、
    請求項26に記載の流体制御装置。
  30. 前記駆動制御回路は、供給停止直前の前記駆動電源電圧または前記駆動電流が、前記供給停止時より前の途中時間の前記駆動電源電圧または前記駆動電流よりも低くなるように制御を行う、
    請求項26または請求項27に記載の流体制御装置。
  31. 前記途中時間は、前記供給開始時と前記供給停止時との時間差を1として、前記時間差を0.5倍した時間を前記供給停止時から減算した時間である、
    請求項30に記載の流体制御装置。
  32. 前記駆動制御回路は、
    前記圧電素子の駆動開始からの前記経過時間に応じて前記駆動電源電圧または前記駆動電流を上昇させる制御を行った後に、前記経過時間に応じて前記駆動電源電圧または前記駆動電流を低下させる制御を行う、
    請求項19乃至請求項31のいずれかに記載の流体制御装置。
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