JP2007024418A - スターリング冷却庫 - Google Patents
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Abstract
【課題】 振動、騒音およびキャビテーションの発生を抑制することができるスターリング冷却庫を提供する。
【解決手段】 スターリング冷凍機14によって庫内を冷却するスターリング冷却庫100において、スターリング冷凍機14の高温部18に設けられ、冷媒Aが蒸発することにより高温部18を冷却する蒸発器16と、蒸発器16で蒸発した冷媒Aを凝縮器15に導き凝縮器15で凝縮した冷媒Aを蒸発器16に導く第1の冷媒循環回路101と、蒸発器16の液相冷媒を加熱対象部に循環させる第2の冷媒循環回路102と、第2の冷媒循環回路10に設置され、液相媒体を強制循環させるポンプ20と、ポンプ20を駆動制御する制御手段21とを備え、ポンプ20の起動時に定格出力より低い出力で所定時間駆動させる。
【選択図】 図1
【解決手段】 スターリング冷凍機14によって庫内を冷却するスターリング冷却庫100において、スターリング冷凍機14の高温部18に設けられ、冷媒Aが蒸発することにより高温部18を冷却する蒸発器16と、蒸発器16で蒸発した冷媒Aを凝縮器15に導き凝縮器15で凝縮した冷媒Aを蒸発器16に導く第1の冷媒循環回路101と、蒸発器16の液相冷媒を加熱対象部に循環させる第2の冷媒循環回路102と、第2の冷媒循環回路10に設置され、液相媒体を強制循環させるポンプ20と、ポンプ20を駆動制御する制御手段21とを備え、ポンプ20の起動時に定格出力より低い出力で所定時間駆動させる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、圧電ポンプを備えたスターリング冷却庫に関する。
従来から圧電ポンプを備えたスターリング冷却庫が知られており、たとえば、特開2000−205682号公報に記載されている。この特開2000−205682号公報に記載されたスターリング冷却庫は、放熱部を有するスターリング冷凍機と、放熱部に設けられた熱媒体用ジャケットと、この熱媒体用ジャケットに接続され熱媒体が循環する配管と、配管内に熱媒体を循環させるポンプとを備えている。
特開2000−205682号公報
このように構成された従来のスターリング冷却庫においては、ポンプの駆動には、通常の家庭用電源が用いられている。この家庭用電源は、電圧が100Vとされており、周波数が50Hzまたは60Hzの交流電流とされている。そして、ポンプの駆動時には、ポンプにこの家庭用電源から電気を供給する。この際、ポンプの駆動時に家庭用電源からの電流をそのまま供給しており、ポンプが急激に高出力で駆動する。このため、ポンプから吐出される熱媒体は、高圧力なものとなる。このように、配管内を局部的に高圧の熱媒体が循環すると、高圧力の熱媒体が配管の壁面と当たり、振動や騒音が発生する。さらに、駆動時にポンプを急に高出力で駆動すると、ポンプ内で気泡が発生し、キャビテーションが生じるという問題がある。
この発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ポンプに供給する交流電流の電圧や周波数を漸次高めることにより、振動、騒音およびキャビテーションの発生が抑制されたスターリング冷却庫を提供することである。
本発明に係るスターリング冷却庫は、1つの局面では、スターリング冷凍機によって庫内を冷却するスターリング冷却庫において、スターリング冷凍機の高温部に設けられ、冷媒が蒸発することにより高温部を冷却する蒸発器と、蒸発器で蒸発した冷媒を凝縮器に導き凝縮器で凝縮した冷媒を蒸発器に導く第1の冷媒循環回路と、蒸発器の液相冷媒を加熱対象部に循環させる第2の冷媒循環回路と、第2の冷媒循環回路に設置され、液相を強制循環させるポンプと、ポンプを駆動制御する制御手段とを備え、ポンプの起動時に定格出力より低い出力で所定時間駆動させる。好ましくは、上記ポンプが、圧電ポンプである。好ましくは、上記出力がポンプを駆動する電圧である。
本発明に係るスターリング冷却庫によれば、振動、騒音およびキャビテーションの発生を抑制することができる。
図1から図6を用いて、本発明に係る実施の形態について、説明する。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態1に係るスターリング冷却庫100の概略構成を示す斜視図である。この図1に示されるように、スターリング冷却庫100は、冷蔵収納物を収納する冷蔵室11と、冷凍対象物を収納する冷凍室12と、冷蔵室11と冷凍室12とを区画し断熱材から構成されたキャビネット10と、機械室13とを備えている。機械室13内には、冷却部17と放熱部18とを有するスターリング冷凍機14と、放熱部18に設けられた蒸発器16と、蒸発器16と連結された凝縮器15とが配置されている。そして、このスターリング冷却庫100は、第1冷媒循環回路101と、第2冷媒循環回路102とを備えている。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態1に係るスターリング冷却庫100の概略構成を示す斜視図である。この図1に示されるように、スターリング冷却庫100は、冷蔵収納物を収納する冷蔵室11と、冷凍対象物を収納する冷凍室12と、冷蔵室11と冷凍室12とを区画し断熱材から構成されたキャビネット10と、機械室13とを備えている。機械室13内には、冷却部17と放熱部18とを有するスターリング冷凍機14と、放熱部18に設けられた蒸発器16と、蒸発器16と連結された凝縮器15とが配置されている。そして、このスターリング冷却庫100は、第1冷媒循環回路101と、第2冷媒循環回路102とを備えている。
第1冷媒循環回路101は、蒸発器16と、蒸発器16と凝縮器15との間に接続され、気体状の熱媒体Aが流通する配管19と、凝縮器15と、凝縮器15内で冷却された熱媒体Aが流通し、蒸発器16と凝縮器15との間に接続された配管19とを備えている。
そして、第2冷媒循環回路102は、蒸発器16と、底部発露防止パイプ26と、発露防止パイプ22と、熱媒体Aを強制循環させる圧電ポンプ(ポンプ)20とを備えている。そして、発露防止パイプ22は、主に冷蔵室11のドアパッキン当接部およびその近傍に配置された冷蔵室用発露防止パイプ23と、主に冷凍室12のドアパッキン当接部およびその近傍に配置された冷凍室用発露防止パイプ24とを備えている。蒸発器16と、スターリング冷却庫100の底面側に配置された圧電ポンプ20との間には、上下方向に延在する配管25が設けられている。そして、この圧電ポンプ20の下流側には、底部発露防止パイプ26が配置されている。そして、この底部発露防止パイプ26は、スターリング冷却庫100の背面側の分岐部34で、冷蔵室用発露防止パイプ23と、冷凍室用発露防止パイプ24に分岐する。さらに、冷蔵室用発露防止パイプ23と、冷凍室用発露防止パイプ24とは、下流側で合流し、蒸発器16に接続される。
圧電ポンプ20には、圧電ポンプ20の駆動電圧を制御する駆動電圧制御手段と、圧電ポンプ20に供給される駆動電流の周波数を制御する周波数制御手段とを備えた、制御部21が接続されている。この制御部21としては、たとえば、VVVF(Varible Voltage Variable Frequency)が用いられる。この制御部21は、家庭用電源に接続されており、この家庭用電源から供給される交流電流の周波数または電圧を変換することができる。
図2は、圧電ポンプ20の断面図である。この図2に示されるように、圧電ポンプ20は、ケーシング43と、このケーシング43内に配置された圧電素子44とを備えている。ケーシング43内は、圧電素子44により作動空間45と、背圧空間46とに区画されている。ケーシング43には、熱媒体Aを吸入して、作動空間45内に熱媒体Aを供給する吸入部48と、作動空間45内の熱媒体Aを吐出する吐出部47とを備えている。吸入部48には、図1に示す配管25に連結された配管40が接続されている。また、吐出部47と作動空間45との間には、作動空間45内の熱媒体Aが吸入部48内に逆流することを防止する逆止弁49が設けられている。また、吐出部47には、底部発露防止パイプ26に接続された配管41が接続されている。また、吐出部47と作動空間45との間には、吐出部47内の熱媒体Aが作動空間45内に逆流することを防止する逆止弁50が配置されている。配管40と背圧空間46との間には、連結管42が配置されている。このため、背圧空間46の内圧は、配管40の内圧とされている。
このように構成されたスターリング冷却庫100において、図1において、熱媒体Aを第2冷媒循環回路102内で循環させるには、まず、圧電ポンプ20を起動する。圧電ポンプ20を起動する際には、家庭用電源に接続された制御部21が、圧電ポンプ20に駆動電流を供給する。図3は、圧電ポンプ20に供給される駆動電流の電圧の制御態様を示したグラフであり、図4は、圧電ポンプ20に供給される駆動電流の周波数の制御態様を示したグラフである。
図3、図4に示されるように、まず、制御部21は、家庭用電源から供給された電圧が100(V)、周波数が60(Hz)または、50(Hz)の交流電流を、電圧が50(V)、周波数が20(Hz)の交流電流に変換する。そして、圧電ポンプ20に供給する。
そして、図1において、圧電ポンプ20が起動することにより圧電ポンプ20から吐出した熱媒体Aが第2冷媒循環回路102を介して、蒸発器16に達する。この際、圧電ポンプ20から吐出した熱媒体Aが蒸発器16に達する経路としては、冷蔵室用発露防止パイプ23を経由して蒸発器16に達する経路と、冷凍室用発露防止パイプ24を経由して蒸発器16に達する経路とがある。そして、本実施の形態1に係るスターリング冷却庫100においては、圧電ポンプ20から吐出した熱媒体Aが、冷蔵室用発露防止パイプ23を経由して蒸発器16に達するまでに要する時間は、冷凍室用発露防止パイプ24を経由して蒸発器16に達するまでに要する時間より長いものとされている。ここで、圧電ポンプ20から吐出された熱媒体Aが、冷蔵室用発露防止パイプ23を経由して、蒸発器16に達するまでの時間を、圧電ポンプ20から吐出された熱媒体Aが蒸発器16に達するまでの循環時間とする。すなわち、循環時間とは、圧電ポンプ20から吐出された熱媒体Aが、第2冷媒循環回路102を介して、蒸発器16に達するまでの時間である。また、本実施の形態1のように、第2冷媒循環回路102は、圧電ポンプ20から蒸発器16までの間に分岐している場合には、圧電ポンプ20から吐出した熱媒体Aが蒸発器16に達するまでに要する時間のうち、最も長い時間とする。
この循環時間は、圧電ポンプ20から吐出された熱媒体Aの初速と、圧電ポンプ20から冷蔵室用発露防止パイプ23を介して、蒸発器16に到るまでの距離とから算出される。
図3において、時間t11は、圧電ポンプ20の起動時に初期電圧50(V)を印加した際に、圧電ポンプ20から吐出した熱媒体Aが蒸発器16に達するまでの循環時間である。また、図4において、時間t21は、圧電ポンプ20の起動時に初期周波数20(Hz)の電流を供給した際に、圧電ポンプ20から吐出した熱媒体Aが蒸発器16に達するまでの循環時間である。なお、本実施の形態1においては、制御部21は、起動時に圧電ポンプ20に、電圧が50(V)、周波数が20(Hz)の電流を供給しており、t11と、t21とは、同じ値になる。
そして、圧電ポンプ20が起動してから、時間t11(=t21)経過するまでの間は、電圧を50(V)、周波数を20(Hz)に維持する。ここで、圧電ポンプ20に供給される駆動電流の電圧が大きくなると、圧電素子44の振幅の幅が大きくなる。そして、圧電素子44の振幅の幅が大きくなると、圧電ポンプ20から吐出される熱媒体Aの圧力が大きくなる。ここで、本実施の形態1に係るスターリング冷却庫100おいては、起動時に圧電ポンプ20に供給される駆動電流の電圧は、50(V)とされており、家庭用電源の100(V)より低く設定されている。このため、圧電ポンプ20に家庭用電源を直接接続した場合と比較して、起動時に、圧電ポンプ20から吐出される熱媒体Aと、圧電ポンプ20より下流側の第2冷媒循環回路102内の熱媒体Aとの間で生じる圧力は、小さく抑えられている。
また、圧電ポンプ20に供給される駆動電流の周波数が大きくなると、圧電素子44の振動数が上昇する。圧電素子44の振動数が上昇すると、圧電ポンプ20は弁により熱媒体Aを断続的に流動する構造であるから、圧電ポンプ20から吐出される熱媒体Aの単位時間当たりの圧力変動が増加する。ここで、本実施の形態に係るスターリング冷却庫100においては、起動時に供給される駆動電流の周波数が20(Hz)とされており、家庭用電源より低く設定されている。このため、起動時に圧電ポンプ20から吐出される熱媒体Aの圧力変動は、圧電ポンプ20を家庭用電源に接続した場合よりも小さく抑えられている。これにより、起動時に圧電ポンプ20から吐出する熱媒体Aと、圧電ポンプ20より下流側の第2冷媒循環回路102内の熱媒体Aとの急激な変動による圧力の差が小さく、抑えられている。このため、起動時においては、圧電素子44の駆動により熱媒体A内に気泡が発生し難く、キャビテーションの発生が良好に抑制されている。
そして、圧電ポンプ20を起動してから、時間t11(=t21)経過するまでの間は、圧電素子44に供給する駆動電流の電圧を50(V)、周波数を20(Hz)に維持する。その間に、起動時に圧電ポンプ20から吐出した熱媒体Aが、蒸発器16内に達する。このため、圧電ポンプ20から蒸発器16までの間の第2冷媒循環回路102内の内圧等が均一化する。これにより、時間t11(=t21)経過する際には、図2において、熱媒体Aは、管路40内を安定的に流通している。
圧電ポンプ20を起動してから、時間t11(=t21)経過すると、圧電ポンプ20に圧電ポンプ20に供給する駆動電流の電圧を70(V)とし、周波数を35(Hz)とする。このように、初期状態に供給される駆動電流と、時間t11(=t21)経過後に供給される駆動電流との電圧の差が20(V)、周波数の差が15(Hz)に抑えられている。このため、時間t11(=t21)経過時に圧電ポンプ20から吐出する熱媒体Aと、圧電ポンプ20より下流側の第2冷媒循環回路102内の熱媒体Aとの圧力差が、小さく抑えられている。
さらに、図2において、熱媒体Aは、管路40内を安定的に流通しているため、圧電素子44の駆動が時間t11(=t21)経過前より高出力となっても、熱媒体Aの加速度も小さく、圧電素子44の周囲に気泡が発生し難くなっている。すなわち、時間t11(=t21)経過前後において、管路40内を流通する熱媒体Aの流速や、圧電素子44の駆動出力に大きな差がなく、気泡の発生が抑制されている。
そして、図3、図4において、時間t12(=t22)となる際には、圧電ポンプ20に供給される駆動電流の電圧を90(V)とし、周波数を50(Hz)とする。
このように時間t12(=t22)経過時に圧電ポンプ20に供給された駆動電流と、時間t11(=t21)経過時に圧電ポンプ20に供給された駆動電流とは、電圧の差が、20(V)であり、周波数の差が15(Hz)となっている。
このため、時間t12(=t22)経過時に圧電ポンプ20から吐出される熱媒体Aと、圧電ポンプ20より下流側に配置された第2冷媒循環回路102内の熱媒体Aとの、圧力差が小さく抑えられている。
また、図3において、時間t12(=t22)経過前後に、管路40内を流通する熱媒体Aの流速や、圧電素子44の駆動力に大きな差がなく、気泡の発生が抑制されている。
そして、時間t12(=t22)経過後には、圧電ポンプ20に供給される駆動電流の電圧は、90(V)に維持され、周波数は、50(Hz)に維持される。すなわち、制御部21は、圧電ポンプ20に供給する駆動電流の電圧および周波数を変化させた際に、圧電ポンプ20から吐出された熱媒体Aが、蒸発器16に達するまでは、圧電ポンプ20に供給されている駆動電流の電圧および周波数を維持する。そして、熱媒体Aが蒸発器16に達すると、圧電ポンプ16に供給される駆動電流の電圧および周波数を増加する。このように圧電ポンプ20に供給される駆動電流を、初期電圧50(V)から目標電圧90(V)に段階的に変化させると共に、初期周波数を20(Hz)から目標周波数50(Hz)に段階的に変化させる。
なお、本実施の形態においては、圧電ポンプ20の起動時における駆動電流の制御態様について説明したが、これに限られない。
たとえば、スターリング冷凍機14の駆動が抑えられ、放熱部18から放熱される熱量が少なくなった際、冷蔵室11および冷凍室12のドアパッキン当接部に発露が発生しないように、第2冷媒循環回路102内を流通する熱媒体Aの流通速度を加速させる必要がある。このような場合には、制御部21は、圧電ポンプ20に供給する駆動電流の電圧および周波数を段階的に増加させる。また、第2冷媒循環回路102内を循環する熱媒体Aの量を低減する際においても、同様に、駆動電流の電圧および周波数を段階的に低減する。
さらに、本実施の形態においては、駆動電流の電圧と、周波数とのいずれも段階的に変動させることとしているが、電圧または、周波数のいずれか一方のみを段階的に変動させることとにしてもよい。また、本実施の形態においては、駆動電流の電圧および周波数を2段階に分けて変動させているが、これに限られない。すなわち、2段階以上に分けて変動させてもよい。
上記のように構成されたスターリング冷却庫100によれば、駆動電流の電圧および周波数を段階的に変化させることにより、第2冷媒循環回路102のうち、圧電ポンプ20と蒸発器16との間に位置する熱媒体Aに圧力差が生じ難く、騒音または振動の発生を抑制することができる。
すなわち、駆動電流の電圧および周波数を段階的に変更する際には、一旦、電圧および周波数を変更すると循環時間経過するまで、電圧および周波数を一定に維持するため、圧電ポンプ20から蒸発器16までの第2冷媒循環回路102内の熱媒体Aの圧力分布が略均一なものとされており、振動および騒音の発生を抑制することができる。
さらに、駆動電流の電圧や周波数を変化させる前後において、管路40内を流通する熱媒体Aの速度に大きな差がなく、圧電素子44の駆動出力も大きな差がないため、気泡が発生し難く、キャビテーションの発生を抑制することができる。
さらに、駆動電流の電圧の目標電圧を90(V)としており、家庭用電源を用いた場合と比較して、圧電素子44の駆動力が低減されており、さらに気泡が発生し難くキャビテーションの発生が抑制されている。また、駆動電流の周波数の目標周波数を50(Hz)としており、家庭用電源を用いた場合と比較して、圧電素子44の駆動力が低減されており、キャビテーションの発生が抑制されている。
(実施の形態2)
図5と図6とを用いて、本実施の形態2について説明する。なお、必要な場合には、適宜、図1、図2を用いて説明する。図5は、圧電ポンプ20に供給される駆動電流の電圧の制御態様を示したグラフであり、図6は、圧電ポンプ20に供給される駆動電流の周波数の制御態様を示したグラフである。
図5と図6とを用いて、本実施の形態2について説明する。なお、必要な場合には、適宜、図1、図2を用いて説明する。図5は、圧電ポンプ20に供給される駆動電流の電圧の制御態様を示したグラフであり、図6は、圧電ポンプ20に供給される駆動電流の周波数の制御態様を示したグラフである。
なお、本実施の形態2に係るスターリング冷却庫は、上記実施の形態1に係るスターリング冷却庫100と同様に構成されている。
図5に示されるように、圧電ポンプ20に供給される駆動電流の電圧は、初期電圧を50(V)とし、その後は、時間t13までは、時間の経過と共に、比例的に増加する。そして、時間t13の際には、電圧は、90(V)となり、その後、90(V)に維持される。その一方で、図6に示すように、駆動電流の周波数も、初期周波数を20(Hz)とし、t23まで、時間の経過と共に、比例的に増加する。そして、時間t23の際には、周波数は、50(Hz)となり、その後50(Hz)に維持される。
ここで、起動時から時間t13(時間t23)までの間においては、駆動電流の電圧と、周波数との増加率は、低く設定されている。このため、圧電ポンプ20から吐出される熱媒体Aの圧力の増加率も低くなっている。このため、圧電素子20から吐出された熱媒体Aの圧力と、圧電ポンプ20下流側に位置する第2冷媒循環回路102内に位置する熱媒体Aの圧力との差は、小さくなる。
これにより、第2冷媒循環回路102の圧電ポンプ20付近の熱媒体Aの圧力と、蒸発器16付近の熱媒体Aの圧力との差が小さく抑えられている。
さらに、図2において、管路40内を流通する熱媒体Aの速度の加速度も小さく、圧電素子44の駆動力の単位時間当たりの増加も小さく抑えられているため、起動時から時間t13までの間に、気泡が発生し難く、キャビテーションが発生し難くなっている。
このように構成されたスターリング冷却庫100においては、上記実施の形態1と同様に、第2冷媒循環回路102のうち、圧電ポンプ20の起動時に、圧電ポンプ20から蒸発器16までの間において、熱媒体Aの圧力差が小さく抑えられている。このため、上記実施の形態1に係るスターリング冷却庫100と同様の効果を得ることができる。
すなわち、本実施の形態2におよび上記実施の形態1係るスターリング冷却庫100は、熱媒体Aが循環する第2冷媒循環回路102と、この第2冷媒循環回路102内に設けられた圧電ポンプ20と、この圧電ポンプ20に供給される駆動電圧を制御する駆動電圧制御手段と、圧電ポンプ20に供給される駆動電流の周波数を制御する駆動電流周波数制御手段とを備えている。
そして、起動時等においては、圧電ポンプ20から吐出された熱媒体Aが蒸発器16に達するまでの循環時間経過後に、圧電ポンプ20の駆動電圧および駆動電流の周波数を段階的または線形的に変化させる。これにより、起動時に熱媒体Aの圧力変動を抑制することができる。
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、各実施の形態の特徴を適宜組合せることも当初から予定されている。また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、スターリング冷却庫に好適である。
10 キャビネット、11 冷蔵室、12 冷凍室、13 機械室、14 スターリング冷凍機、15 凝縮器、16 蒸発器、17 冷却部、18 放熱部、20 圧電ポンプ、21 制御部、22 熱媒体循環回路、23 冷蔵室用発露防止パイプ、24 冷凍室用発露防止パイプ。
Claims (3)
- スターリング冷凍機によって庫内を冷却するスターリング冷却庫において、
前記スターリング冷凍機の高温部に設けられ、冷媒が蒸発することにより前記高温部を冷却する蒸発器と、
前記蒸発器で蒸発した冷媒を凝縮器に導き前記凝縮器で凝縮した前記冷媒を前記蒸発器に導く第1の冷媒循環回路と、
前記蒸発器の液相冷媒を加熱対象部に循環させる第2の冷媒循環回路と、
前記第2の冷媒循環回路に設置され、前記液相媒体を強制循環させるポンプと、
前記ポンプを駆動制御する制御手段とを備え、
前記ポンプの起動時に定格出力より低い出力で所定時間駆動させることを特徴とするスターリング冷却庫。 - 前記ポンプが圧電ポンプであることを特徴とする、請求項1に記載のスターリング冷却庫。
- 前記出力が前記ポンプを駆動する電圧であることを特徴とする、請求項1に記載のスターリング冷却庫。
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