JP3903693B2 - 冷蔵庫 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷蔵庫における冷凍サイクル内で発生する冷媒音の低減に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図15は、例えば特開平11−132577号公報に示された従来例で、冷蔵庫における冷凍サイクルの冷媒流路を示す図である。図15において、冷凍サイクルは圧縮機1、コンデンサ2、ドライヤ3、毛細管4、蒸発器5、アキュムレータ6、吸入管7を順番に接続している。
【0003】
この冷凍サイクル運転中(コンプオン)はマル1では高圧となり、冷媒が毛細管4を通り低圧となりマル2では低圧となる。一方、庫内温度が所定温度まで冷えて圧縮機1が停止(コンプオフ)すると、コンデンサ2の高圧側にあった冷媒は毛細管4を通って蒸発器5に流れ込み、高圧側マル1と低圧側マル2の圧力は均衡する。このとき圧縮機1を通過して高圧側から低圧側へ冷媒は流れない。
【0004】
しかしながら、圧縮機1の停止(コンプオフ)時および霜取運転中に、高圧側から低圧側の吸入管7に液冷媒22が流入し、その液冷媒22が吸入管7内で偶発的な蒸発を生じることにより冷媒が激しく吸入管7内を流動し、アキュムレータ6内に冷媒が逆流したことに起因する冷媒音が発生する問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、この発明は上述のような課題を解決するためになされたもので、圧縮機停止時および霜取運転中において、アキュムレータ6内に冷媒が逆流したことに起因する冷媒音を低減するために冷媒の挙動制御を行う制御部もしくは構造を有する静音な冷蔵庫を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
圧縮機から吐出された冷媒がコンデンサ、毛細管、蒸発器、アキュムレータ、吸入管を通り、再び圧縮機に戻る冷凍サイクルを備え、圧縮機は低圧シェル圧縮機を用い、吸入管を冷蔵庫天井部まで立ち上がるように配置して圧縮機の運転停止中および蒸発器に付着した霜の霜取運転中に、吸入管内での液冷媒の偶発的な蒸発に伴う急激な冷媒の移動を抑えるようにしたものである。
【0012】
吸入管はアキュムレータの出口から真上に立上がるようにしたものである。
【0013】
吸入管内での液冷媒の偶発的な蒸発に伴う急激な冷媒の移動を抑える手段が、吸入管に熱を供給して吸入管内の液冷媒を蒸発させる手段である。
【0014】
吸入管を冷蔵庫の冷蔵室背面、野菜室背面、制御基板周辺、コンデンサ周辺に配置するようにして吸入管に熱を供給し、吸入管内の液冷媒を蒸発させるようにしたものである。
【0015】
吸入管内の液冷媒を蒸発させる手段としてヒータを使用し、ヒータを前記吸入管に巻き付けて圧縮機の運転停止中および霜取り運転中に通電するようにしたものである。
【0016】
吸入管内での液冷媒の偶発的な蒸発に伴う急激な冷媒の移動を抑える手段が、吸入管からアキュムレータに逆流する冷媒の流れを緩和させる手段であるものである。
【0017】
冷媒の流れを緩和させる手段とは、アキュムレータと吸入管の接続部において、吸入管入口部及び吸入管入口部の開口端部に嵌合状態に装着された多孔質焼結体によって構成されたものである。
【0018】
冷媒の流れを緩和させる手段とは、アキュムレータ内において、吸入管開口端部に対向して、アキュムレータ内に充塞状態に配置された多孔質焼結体によって構成されたものである。
【0019】
冷媒の流れを緩和させる手段とは、アキュムレータ内において、吸入管開口端部に対向して、アキュムレータ内にメッシュを配設したものである。
【0020】
冷媒の流れを緩和させる手段とは、アキュムレータと吸入管の接合部において、吸入管入口部の開口部にメッシュを配設したものである。
【0021】
アキュムレータの内容積を、圧縮機の運転停止中および霜取運転中に吸入管へ液冷媒が流入できない程度で、かつ圧縮機の必要貯油量よりも大きい容積としたものである。
【0022】
蒸発器と吸入管との間に、アキュムレータを複数個設けたものである。
【0023】
吸入管をアキュムレータよりも低い位置に配置したものである。
【0024】
圧縮機停止後、ある一定時間後に再び圧縮機を起動し、ある一定時間運転後、圧縮機を停止させるものである。
【0025】
吸入管からアキュムレータまでの接続管をアキュムレータの上端部へ接続したものである。
【0026】
蒸発器とアキュムレータとを結ぶ接続管を、蒸発器出口部において霜取ヒ−タ近傍に配置したものである。
【0027】
冷媒回路を流れる冷媒として可燃性冷媒を使用するものである。
【0028】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1を示す冷蔵庫における冷凍サイクルの配置を示した模式図である。図1において冷凍サイクルは低圧シェルレシプロ圧縮機1、コンデンサ2、キャビネットパイプ2’、ドライヤ3、毛細管4、蒸発器5、アキュムレータ6、および吸入管7を順番に接続している。圧縮機1は機械室に配置され、コンデンサ2は冷蔵庫本体底部に配置され、キャビネットパイプ2’は冷蔵庫前面のキャビネット部の露付き防止用に折り曲げて配置され、毛細管4は機械室内に配置されたドライヤ3を経て冷蔵庫背面ウレタン内部に折り曲げられて配置され、蒸発器5、アキュムレータ6は冷蔵庫内背面に配置され、吸入管7は冷蔵庫本体背面側のウレタン内に配置した構造となるよう折り曲げられ機械室の圧縮機1につながっている。また、毛細管4と吸入管7は冷蔵庫背面ウレタン内部において冷媒の流れが対交流となるように半田により配管同士を結合し熱交換を行っている。また、冷凍サイクル内を冷媒が矢印方向に流れている。9は霜取ヒ−タで、蒸発器5の直下に設置されている。
図2はアキュムレータ6を拡大した断面模式図を示している。アキュムレータ6は縦方向に配置され、アキュムレータ6内にはガス冷媒21と液冷媒22が存在している。アキュムレータ6の内容積を、圧縮機1の必要貯油量(例えば50cc)よりも大きくかつ、吸入管7へ液冷媒22が流入できないくらいの内容積(例えば150cc)を有している。このようなアキュムレータ6を設けることにより、圧縮機の信頼性を確保した冷凍サイクルを形成することができる。
【0029】
このように構成し配置された冷凍サイクルにおいて、圧縮機1より吐出された冷媒は、コンデンサ2、キャビネットパイプ2’において凝縮され、膨張機構である毛細管4にて減圧膨張し、蒸発器5で蒸発し、蒸発器5で蒸発しきれない冷媒はアキュムレータ6に溜まり、冷媒ガス21のみが、吸入管7を通って圧縮機1シェル内に吸入される。
一方、圧縮機1の運転停止時および霜取運転時には冷凍サイクルの圧縮機1から毛細管4までの高圧側から低圧側である蒸発器5へ冷媒が流入しアキュムレータ6まで液冷媒22が流入する。
また、霜取運転中は霜取ヒ−タ9に通電し蒸発器5を加熱することにより蒸発器5に付着した霜を除霜している。
【0030】
このため、圧縮機1の運転停止時および霜取運転時には、液冷媒22をアキュムレータ6に貯め、吸入管7への液冷媒22の流入を防止することにより、吸入管7内での液冷媒22の偶発的な蒸発に伴う急激な冷媒の移動を押え、アキュムレータ6内に冷媒が逆流したことに起因する冷媒音を低減し静音な冷蔵庫を提供することができる。
【0031】
実施の形態2.
図3はこの発明の実施の形態2を示す冷蔵庫のアキュムレータを拡大した断面模式図で、6′は1次アキュムレータ、6″は2次アキュムレータである。アキュムレータ6′の内容積と2次アキュムレータ6″の内容積を、吸入管7へ液冷媒22が流入できないくらいの内容積とし、かつ、2次アキュムレータ6′への突込みパイプ19までの内容積を圧縮機1の必要貯油量としている。また、図3において冷凍サイクルは図1と同様な冷凍サイクルであるので、説明の重複する部分は省略する。
【0032】
このように構成された冷凍サイクルにおけるアキュムレータ周辺の動作について説明する。圧縮機1の運転停止時および霜取運転時には毛細管4から蒸発器5を経て冷媒が1次アキュムレータ6′へ流入し液冷媒22で満たされる。次に2次アキュムレータ6″へ液冷媒22が流入する。
一方、圧縮機1の運転中は蒸発器5で蒸発しきれない冷媒はアキュムレータ6′、6″に溜まり、冷媒ガスのみが、吸入管7を通って圧縮機1シェル内に吸入される。
【0033】
このため、圧縮機1の運転停止時および霜取運転時には、液冷媒22をアキュムレータ6′およびアキュムレータ6″に貯めることによって吸入管7に液冷媒22の流入を防止することにより、吸入管7内での液冷媒22の偶発的な蒸発に伴う急激な冷媒の移動を押え、アキュムレータ6内に冷媒が逆流したことに起因する冷媒音を低減し静音な冷蔵庫を提供することができる。
【0034】
なお、使用するアキュムレータの径が大きくなる場合には、アキュムレータの数を3個以上とし、各アキュムレータの径を小さくすることにより、アキュムレータにかかるコストを低減することできる。
【0035】
また、複数のアキュムレータを用いる替わりに、蒸発器5とアキュムレータ6″の接続管の径を大きくすることによって、アキュムレータを複数個用いた場合と同様の効果を得ることができる。
【0036】
実施の形態3.
図4はこの発明の実施の形態3を示す冷蔵庫における冷凍サイクルの冷媒流路を示す図である。図4において、8は電磁弁で、アキュムレータ6と圧縮機1をつなぐ吸入管7に設けられている。また、冷凍サイクル内を冷媒が矢印方向に流れている。また、図4において冷凍サイクルは図1と同様な冷凍サイクルであるので、説明の重複する部分は省略する。
【0037】
このように構成された冷凍サイクルにおいて、圧縮機1の運転停止時および霜取運転時には吸入管7に設けられた電磁弁8が閉し吸入管7を閉塞する。一方、圧縮機1の運転中は吸入管7に設けられた電磁弁8が開し吸入管が連通されることにより冷凍サイクルが形成される。
【0038】
このため、圧縮機1の運転停止時および霜取運転時は電磁弁8が閉となり吸入管7を閉塞するので冷媒が吸入管7を通って圧縮機1シェル内へ流入することができないため、コンデンサ2等にあった高圧側の冷媒が低圧側である蒸発器5を経て吸入管7への流入するのを防止することができる。
また、圧縮機1運転中は電磁弁8が開であるため冷媒が冷凍サイクル中を流動し通常の冷却運転を行うことができる。
【0039】
以上のことにより、本実施の形態の冷蔵庫は、圧縮機1の運転停止時および霜取運転時に吸入管7に液冷媒22の流入を防止することにより、吸入管7内での液冷媒22の偶発的な蒸発に伴う急激な冷媒の移動を押え、アキュムレータ6内に冷媒が逆流したことに起因する冷媒音を低減し静音な冷蔵庫を提供することができる。
【0040】
なお、電磁弁8の開閉は圧縮機1のON/OFF制御と同期させることにより制御回路を簡素化できる。また、省エネを考慮する場合には、電磁弁8は低駆動電圧タイプ、弁駆動にDCモータを用いたタイプを採用し、電磁弁8への通電は弁の駆動時だけとし、弁の位置移動後は通電しない制御がよい。
【0041】
また、電磁弁8はアキュムレータ6出口の近傍に設置すると、吸入管7への液冷媒22の流入を最小限に押えることができる。
【0042】
また、実施の形態1乃至実施の形態2のいずれかと本実施の形態3とを組合せることにより、万一、アキュムレータ6から吸入管7へ液冷媒22が押し流された場合でもアキュムレータ6内へ冷媒が逆流することを防ぐため冷媒音を低減し静音な冷蔵庫を提供することができる。
【0043】
実施の形態4.
図5はこの発明の実施の形態4を示す冷蔵庫における冷凍サイクルの冷媒流路を示す図である。図5において、8’は逆止弁で、アキュムレータ6と圧縮機1をつなぐ吸入管7に設けられている。また、図5において冷凍サイクルは図1と同様な冷凍サイクルであるので、説明の重複する部分は省略する。
【0044】
このように配置された冷凍サイクルにおいて、圧縮機1の運転停止時および霜取運転時には、逆止弁8’が圧縮機1からアキュムレータ6の方向へ冷媒が逆流すると弁を閉し吸入管7を閉塞する。一方、圧縮機1の運転中は逆止弁8’が開し吸入管7が連通されることにより冷凍サイクルが形成される。
【0045】
このため、圧縮機1の運転停止時および霜取運転時には圧縮機1からアキュムレータ6方向へ冷媒が逆流すると弁が閉となり吸入管7を閉塞するので冷媒が吸入管7を通ってアキュムレータ6へ逆流することを防止することができる。
また、冷媒の流れが吸入管7から圧縮機1シェル方向のときには、逆止弁9は開であるため冷媒が冷凍サイクル中を流動し通常の冷却運転を行うことができる。
【0046】
以上のことにより、本実施の形態の冷蔵庫は、圧縮機1の運転停止時および霜取運転時に吸入管7に液冷媒22の流入を防止することにより、吸入管7内での液冷媒22の偶発的な蒸発に伴う急激な冷媒の移動を押え、アキュムレータ6内に冷媒が逆流したことに起因する冷媒音を低減し静音な冷蔵庫を提供することができる。
【0047】
なお、図5では逆止弁8’は、吸入管7上に設けたものを示したが、アキュムレータ6と吸入管7の接続部でかつ、アキュムレータ6内の冷媒の流れの影響を受けない箇所に組み込むことにより、吸入管7における液冷媒22が偶発的な蒸発を生じることによる吸入管7からアキュムレータ6内へ冷媒が逆流することを防止する効果が高くなる。
【0048】
また、実施の形態3を本実施の形態4と組合せることにより、確実にアキュムレータ6内に冷媒が逆流したことに起因する冷媒音を低減し、万一電磁弁8本体もしくは制御系に故障が生じても、逆止弁9によりアキュムレータ6内へ冷媒が逆流することを防ぐため冷媒音を低減し静音な冷蔵庫を提供することができる。
【0049】
実施の形態5.
図6はこの発明の実施の形態5を示す冷蔵庫における冷凍サイクルの配置を示した模式図である。図6において吸入管7は冷蔵庫内部から冷蔵庫背面ウレタン内部に冷蔵庫天井部の位置まで配置するよう折り曲げられ機械室の圧縮機1につながっている。また、図6において冷凍サイクルは図1と同様な冷凍サイクルであるので、説明の重複する部分は省略する。
【0050】
このように構成された冷凍サイクルにおいて、圧縮機1の運転停止時および霜取運転時には冷凍サイクルの圧縮機1から毛細管4までの高圧側から低圧側である蒸発器5へ冷媒が流入し吸入管7まで液冷媒22が流入する。吸入管7へ液冷媒22が流入し、吸入管7の冷蔵庫天井部への立上がり部に溜まる。
【0051】
このため、圧縮機1の運転停止時および霜取運転時には、液冷媒22が吸入管7の立上がり部に溜まることにより冷凍サイクル配管内でアキュムレータ6に対して位置ヘッドを稼ぐことができ、吸入管7内での液冷媒22の偶発的な蒸発が生じたことによる圧力変動よりも、吸入管内の液冷媒22による位置エネルギーを高くすることによりに、吸入管7内での液冷媒22の偶発的な蒸発に伴う急激な冷媒の移動を押え、アキュムレータ6内に冷媒が逆流したことに起因する冷媒音を低減し静音な冷蔵庫を提供することができる。
【0052】
また、吸入管7の立上がり部をアキュムレータ6出口から真上に立上げることにより、蒸発器5、吸入管7内で蒸発した少量の冷媒ガスが、スムーズに吸入管7内の液冷媒22中を経て圧縮機1シェル内への吐出することができる。
【0053】
また、実施の形態4を本実施の形態5と組合せることにより、吸入管7の立上がり部に吸入管7内での液冷媒22の偶発的な蒸発に伴う急激な冷媒の移動を押えるのに十分な液冷媒22が流入していないときに、逆止弁8’によりアキュムレータ6内へ冷媒が逆流することを防ぐため冷媒音を低減し静音な冷蔵庫を提供することができる。
【0054】
実施の形態6.
図7はこの発明の実施の形態6を示す冷蔵庫における冷凍サイクルの配置を示す模式図である。11は冷蔵庫の制御基板、12は冷蔵室、13は野菜室である。そして、吸入管7は制御基板11周辺、冷蔵室12背面、野菜室13背面に配管を配置した構造となるよう折り曲げられ機械室の圧縮機1につながっている。また、図7において冷凍サイクルは図1と同様な冷凍サイクルであるので、説明の重複する部分は省略する。
【0055】
このように構成された冷凍サイクルにおいて、圧縮機1の運転停止時および霜取運転時には冷凍サイクルの圧縮機1から毛細管4までの高圧側から低圧側である蒸発器5へ冷媒が流入し、吸入管7まで液冷媒22が流入した場合、制御基板11周辺、冷蔵室12背面、野菜室13背面に配置された吸入管7の立上がり部に溜まる。
【0056】
このため、圧縮機1の運転停止時および霜取運転時には、吸入管7を冷蔵室(3℃)背面、野菜室(5℃)背面、制御基板周辺(20〜40℃)へ配置したことにより、吸入管7へ熱を供給し、吸入管7内の液冷媒22を連続的に気化させることにより、吸入管7への新たな熱供給手段を設けること無く、温度の高い貯蔵室の背面や制御基盤周辺の熱を用いることにより、吸入管7内での液冷媒22の偶発的な蒸発に伴う急激な冷媒の移動を押え、アキュムレータ6内に冷媒が逆流したことに起因する冷媒音を低減し静音な冷蔵庫を提供することができる。
【0057】
また、吸入管7の立上がり部をアキュムレータ6出口から真上に立上げることにより、蒸発器5、吸入管7内で蒸発した少量の冷媒ガスが、スムーズに吸入管7内の液冷媒22中を経て圧縮機1シェル内への吐出することができる。
【0058】
実施の形態7.
図8はこの発明の実施の形態7を示す冷蔵庫における冷凍サイクルの冷媒流路を示す図である。10はヒ−タで、蒸発器5と圧縮機1との間の吸入管7に巻付けられている。また、図8において冷凍サイクルは図1と同様な冷凍サイクルであるので、説明の重複する部分は省略する。
【0059】
このように構成された冷凍サイクルにおいて、圧縮機1の運転中はヒ−タ10には通電されないため通常の冷却運転を行うことができるが、圧縮機1の運転停止時および霜取運転時はヒ−タ10に通電され、吸入管7を加熱する。
【0060】
このため、圧縮機1の運転停止時および霜取運転時には、液冷媒22が吸入管7に流入した場合にでも、吸入管7をヒータ10で加熱することにより吸入管7内の液冷媒22を連続的に気化させることにより、吸入管7内での液冷媒22の偶発的な蒸発に伴う急激な冷媒の移動を押え、アキュムレータ6内に冷媒が逆流したことに起因する冷媒音を低減し静音な冷蔵庫を提供することができる。
【0061】
また、ヒ−タ10を液冷媒22の溜まる吸入管7の立上がり部にのみに設置することにより、ヒータ線の長さを短縮できコストを低く押えることができ、かつ省エネを図ることができる。
【0062】
また、実施の形態6を本実施の形態7と組合せることにより、ヒ−タ10へ入力する電力を押えることができ、省エネを図ることができ、万一のヒータ10による吸入管7への加熱ができない場合においても、吸入管7内の液冷媒22を連続的に気化させることができるため、吸入管7内での液冷媒22の偶発的な蒸発に伴う急激な冷媒の移動を押え、アキュムレータ6内に冷媒が逆流したことに起因する冷媒音を低減し静音な冷蔵庫を提供することができる。
【0063】
実施の形態8.
図9はこの発明の実施の形態8を示す冷蔵庫における冷凍サイクルの配置を示した模式図である。図9において、吸入管7はアキュムレータ6よりも低い位置に配置した構造となるよう折り曲げられ機械室の圧縮機1につながっている。また、図7において冷凍サイクルは図1と同様な冷凍サイクルであるので、説明の重複する部分は省略する。
【0064】
このように配置された冷凍サイクルにおいて、圧縮機1の運転停止時および霜取運転時には、吸入管7へ液冷媒22が流入するが、アキュムレータ6よりも吸入管7が低い位置に配置されているために圧縮機1シェル内へ吐出される。
【0065】
このため、圧縮機1の運転停止時および霜取運転時には、液冷媒22が吸入管7に流入した場合においても、吸入管7内に溜まることなく圧縮機1へ流れるため、吸入管7内での液冷媒22の偶発的な蒸発に伴う急激な冷媒の移動を押え、アキュムレータ6内に冷媒が逆流したことに起因する冷媒音を低減し静音な冷蔵庫を提供することができる。
【0066】
また、実施の形態6または実施の形態7を本実施の形態8と組合せることにより、吸入管7において液冷媒22の流れが滞ってしまった場合においても、吸入管7内の液冷媒22を連続的に気化させることができるため、吸入管7内での液冷媒22の偶発的な蒸発に伴う急激な冷媒の移動を押え、アキュムレータ6内に冷媒が逆流したことに起因する冷媒音を低減し静音な冷蔵庫を提供することができる。
【0067】
実施の形態9.
図10はこの発明の実施の形態9を示す圧縮機の入力チャートおよび吸入管内での冷媒の状態を模式的に示した図である。7は吸入管、21は冷媒ガス、22は液冷媒を示している。図10において冷凍サイクルは図示していないが、図1のように低圧シェルレシプロ圧縮機1、コンデンサ2、ドライヤ3、毛細管4、蒸発器5、アキュムレータ6、および吸入管7を順番に接続し、吸入管中を冷媒が矢印方向に流れている。
【0068】
このように構成される冷凍サイクルにおいて、圧縮機(COMP)をON/OFFする運転動作について説明する。冷蔵庫庫内の冷却中には圧縮機を運転し、庫内が所定の温度まで冷却されると圧縮機の運転を停止する。そして、圧縮機停止中および霜取運転中に、圧縮機停止後時間T1(例えば2分)後に再び圧縮機を起動し時間T2(例えば1分間)運転を行い圧縮機運転停止させる。その後、庫内温度が所定の温度に上昇する、もしくは霜取運転が終了すると圧縮機が起動し運転を再開する。
【0069】
このため、圧縮機停止後に吸入管へ液冷媒22が流入するため液冷媒22、冷媒ガス21が混在した状態となるため、圧縮機停止中および霜取運転中に、圧縮機停止後時間T1(例えば2分)後に再び圧縮機を起動し液冷媒22を吸入管から圧縮機へ強制的に戻すことにより、吸入管7内で液冷媒22が溜まっている状態を解消し、吸入管7内での液冷媒22の偶発的な蒸発に伴う急激な冷媒の移動を押え、アキュムレータ6内に冷媒が逆流したことに起因する冷媒音を低減し静音な冷蔵庫を提供することができる。
【0070】
なお、本実施の形態の冷蔵庫において、圧縮機1を再び起動する場合において冷蔵庫庫内を冷却する能力をおさえるために、圧縮機1の電動機の回転数を圧縮機が十分起動可能な回転数でかつ、圧縮機1に接続された配管が圧縮機1の振動に伴い破損しない回転数で運転することにより、圧縮機1を再起動したことによる消費電力を削減することで省エネとなり、かつ、圧縮機1に接続された配管を破損することのない信頼性の高い冷蔵庫を提供することができる。
【0071】
実施の形態10.
図11(a),(b)はこの発明の実施の形態10を示す蒸発器周辺の模式図である。図11(a)は正面図、図11(b)は図11(a)の縦断面図である。図において、4は毛細管、5は蒸発器、6はアキュムレータ、7は吸入管、9は霜取ヒ−タ、9′はヒータルーフである。
図11において冷凍サイクルは図示していないが、図1のように低圧シェルレシプロ圧縮機1、コンデンサ2、ドライヤ3、毛細管4、蒸発器5、アキュムレータ6、および吸入管7を順番に接続し、冷凍サイクル内を冷媒が矢印方向に流れている。
【0072】
このように配置された冷凍サイクルにおいて、圧縮機の運転停止時および霜取運転時には冷凍サイクルの圧縮機1から毛細管4までの高圧側から低圧側である蒸発器5へ冷媒が流入し図11に示す矢印の如く蒸発器5内を上から下へと冷媒が流れる。
【0073】
このため、霜取運転時においては、蒸発器5出口は霜取ヒ−タ9の真上にあるため流入した液冷媒22が蒸発しガス冷媒21となり、アキュムレータ6へガス冷媒21が供給され、吸入管7に液冷媒22の流入を防止することにより、吸入管7内での液冷媒22の偶発的な蒸発に伴う急激な冷媒の移動を押え、アキュムレータ内に冷媒が逆流したことに起因する冷媒音を低減し静音な冷蔵庫を提供することができる。
【0074】
実施の形態11.
図12はこの発明の実施の形態11を示す冷蔵庫のアキュムレータ周辺の要部拡大図を示したものである。図12において、6は縦方向に設けられたアキュムレータ、7は吸入管、15は蒸発器5出口からアキュムレータ6上部入口への接続管、16はアキュムレータ6上部から挿入した突込みパイプである。アキュムレータ6内にはガス冷媒21と液冷媒22が存在している。
また、冷凍サイクル運転中は冷媒が矢印の方向に流れている。冷媒にはR134aを用い、冷凍機油にはR134aと相互溶解性をもつエステル油を用いている。
【0075】
圧縮機1の運転停止時および霜取運転時には冷凍サイクルの高圧側である毛細管4から低圧側である蒸発器5へ冷媒が流入しアキュムレータ6まで液冷媒22が流入する。しかしながら、吸入管7からアキュムレータ6までの接続管17をアキュムレータ6の上端部へ接続することにより、吸入管7よりアキュムレータ6へ冷媒が逆流した場合、アキュムレータ6内の液冷媒22中に逆流した冷媒が吐出するため、冷媒ガス中に吐出されるのに比べアキュムレータ6内に冷媒が逆流したことに起因する冷媒音を低減し静音な冷蔵庫を提供することができる。
【0076】
また、蒸発器5からアキュムレータ6への接続管15をアキュムレータ6の上端部へ接続する構造とすると、蒸発器5で発生した蒸気泡20がアキュムレータ6内に溜まった液冷媒22中を通過して吸入管7へ流入することがないため、アキュムレータ6内で蒸気泡20の吐出および消滅に起因する冷媒音も低減しより静音な冷蔵庫を提供することができる。
【0077】
実施の形態12.
図13(a),(b)、図14(a),(b)はこの発明の実施の形態12を示すアキュムレータ周辺の模式図である。
図13(a),(b)において、30は多孔質焼結体であり、アキュムレータ6と吸入管7との接合部において、吸入管7入口部の開口部に嵌合状態に装着されている。図13において、冷凍サイクルは図示していないが、図1のように低圧シェルレシプロ圧縮機1、コンデンサ2、キャビネットパイプ2’、ドライヤ3、毛細管4、蒸発器5、アキュムレータ6、および吸入管7を順番に接続され、冷媒が流れている。
このように構成されたアキュムレータ6周辺部において、圧縮機1の運転停止時および霜取運転時に吸入管7へ液冷媒が流入し、吸入管7内での液冷媒の偶発的な蒸発に伴う急激な冷媒の移動により、アキュムレータ6内に冷媒が逆流しても、吸入管入口部の開口部に装着された多孔質焼結体30により、アキュムレータ6内に逆流する冷媒の流れを緩和し、アキュムレータ6内に冷媒が逆流したことに起因する冷媒音を低減し、静音な冷蔵庫を提供することができる。
【0078】
また、図13(b)に示すように、アキュムレータ6内に吸入管入口部の開口端部に対向して、アキュムレータ6内に充塞状態に多孔質焼結体30を配置しても同様の効果を奏する。
【0079】
図14(a)ではアキュムレータと吸入管の接合部において、吸入管入口部の開口部にメッシュ31を配設し、冷媒の流れを緩和している。また、図14(b)では、アキュムレータ6内において、吸入管開口端部に対向して、アキュムレータ6内にメッシュ31を配設し冷媒の流れを緩和している。
尚、本実施の形態において、多孔質焼結体30やメッシュ31を用いたが、それらは発泡金属を用いた場合でも同様の効果が得られる。
【0080】
また、実施の形態1乃至11のいずれかを本実施の形態と組み合わせることにより、万一、アキュムレータ6から吸入管7へ液冷媒22が押し流された場合でもアキュムレータ6内へ冷媒が逆流することを防ぐため冷媒音を低減し静音な冷蔵庫を提供することができる。
【0081】
また、以上実施の形態1乃至実施の形態12のいずれかに記載の実施の形態において、冷媒として可燃性冷媒(例えばイソブタンやプロパンやイソブタンとプロパンとの混合物)を用いることにより、冷凍サイクル中の高圧側の圧力を低く押えることができるため、圧縮機1停止時に高圧側の毛細管4と低圧側の蒸発器5との圧力差がフロン系冷媒(例えばR134a)にくらべて少ないため、高圧側の毛細管4から低圧側の蒸発器5への冷媒の流入がスムーズに進むため、アキュムレータ6および吸入管7への液冷媒22の移動が安定しておこなわれ、吸入管7内での液冷媒22の偶発的な蒸発に伴う急激な冷媒の移動を押えることができる。
【0082】
【発明の効果】
この発明の効果は、以上に説明したように構成されているので、以下に示すような効果を奏する。
【0083】
圧縮機から吐出された冷媒がコンデンサ、毛細管、蒸発器、アキュムレータ、吸入管を通り、再び圧縮機に戻る冷凍サイクルを備え、圧縮機は低圧シェル圧縮機を用い、圧縮機の運転停止中および蒸発器に付着した霜の霜取運転中に、前記吸入管内での液冷媒の偶発的な蒸発に伴う急激な冷媒の移動を抑える手段を備えたので、液冷媒が吸入管内で偶発的な蒸発を生じることにより冷媒が吸入管内を激しく流動してアキュムレータ内に冷媒が逆流したことに起因する冷媒音を低減し静音な冷蔵庫を提供することができる。
【0084】
吸入管内での液冷媒の偶発的な蒸発に伴う急激な冷媒の移動を抑える手段として電磁弁を吸入管に設け、圧縮機の運転停止中及び霜取運転時には電磁弁を閉じて吸入管から圧縮機内への冷媒の流入を防止するようにしたので、アキュムレータ内に冷媒が逆流したことに起因する冷媒音を低減し静音な冷蔵庫を提供することができる。
【0085】
電磁弁の開閉は圧縮機のON/OFF制御と同期させるので、制御回路を簡素化できる。
【0086】
吸入管内での液冷媒の偶発的な蒸発に伴う急激な冷媒の移動を抑える手段として逆止弁を吸入管に設け、圧縮機からアキュムレータへの冷媒の逆流を防止するようにしたので、万一電磁弁本体もしくは制御系に故障が生じても、逆止弁によりアキュムレータ内へ冷媒が逆流することを防ぐことができ、冷媒音を低減し静音な冷蔵庫を提供することができる。
【0087】
逆止弁をアキュムレータ出口近傍に設けたので、吸入管への液冷媒の流入を最小限に抑えることができ、吸入管における液冷媒が偶発的な蒸発を生じることによる吸入管からアキュムレータ内へ冷媒が逆流することを防止する効果が高くなる。
【0088】
圧縮機から吐出された冷媒がコンデンサ、毛細管、蒸発器、アキュムレータ、吸入管を通り、再び圧縮機に戻る冷凍サイクルを備え、圧縮機は低圧シェル圧縮機を用い、吸入管を冷蔵庫天井部まで立ち上がるように配置して圧縮機の運転停止中および蒸発器に付着した霜の霜取運転中に、吸入管内での液冷媒の偶発的な蒸発に伴う急激な冷媒の移動を抑えるようにしたので、圧縮機の運転停止時および霜取運転時に、液冷媒が吸入管の立上がり部に溜まることにより冷凍サイクル配管内でアキュムレータに対して位置ヘッドを稼ぐことができ、吸入管内での液冷媒の偶発的な蒸発が生じたことによる圧力変動よりも、吸入管内の液冷媒による位置エネルギーを高くすることによりに、吸入管内での液冷媒の偶発 的な蒸発に伴う急激な冷媒の移動を抑え、アキュムレータ内に冷媒が逆流したことに起因する冷媒音を低減し静音な冷蔵庫を提供することができる。
【0089】
吸入管はアキュムレータの出口から真上に立上がるようにしたので、吸入管内での液冷媒の偶発的な蒸発が生じたことによる圧力変動よりも、吸入管内の液冷媒による位置エネルギーを高くすることによりに、吸入管内での液冷媒の偶発的な蒸発に伴う急激な冷媒の移動を押え、アキュムレータ内に冷媒が逆流したことに起因する冷媒音を低減し静音な冷蔵庫を提供することができる。また、蒸発器、吸入管内で蒸発した少量の冷媒ガスがスムーズに圧縮機シェル内に吐出することができる。
【0090】
吸入管内での液冷媒の偶発的な蒸発に伴う急激な冷媒の移動を抑える手段が、吸入管に熱を供給して吸入管内の液冷媒を蒸発させる手段であるので、吸入管内の液冷媒を連続的に気化させることにより、吸入管内での液冷媒の偶発的な蒸発に伴う急激な冷媒の移動を抑え、アキュムレータ内に冷媒が逆流したことに起因する冷媒音を低減し静音な冷蔵庫を提供することができる。
【0091】
吸入管を冷蔵庫の冷蔵室背面、野菜室背面、制御基板周辺、コンデンサ周辺に配置するようにして吸入管に熱を供給し、吸入管内の液冷媒を蒸発させるようにしたので、吸入管への熱供給手段を新たに設ける必要がない。
【0092】
吸入管内の液冷媒を蒸発させる手段としてヒータを使用し、ヒータを前記吸入管に巻き付けて圧縮機の運転停止中および霜取り運転中に通電するようにしたので、吸入管内の液冷媒を連続的に気化させることにより、吸入管内での液冷媒の偶発的な蒸発に伴う急激な冷媒の移動を押え、アキュムレータ内に冷媒が逆流したことに起因する冷媒音を低減し静音な冷蔵庫を提供できる。
【0093】
吸入管内での液冷媒の偶発的な蒸発に伴う急激な冷媒の移動を抑える手段が、吸入管からアキュムレータに逆流する冷媒の流れを緩和させる手段であるので、圧縮機の運転停止時および霜取運転時に吸入管へ液冷媒が流入し、吸入管内での液冷媒の偶発的な蒸発に伴う急激な冷媒の移動により、アキュムレータ内に冷媒が逆流しても、アキュムレータ内に逆流する冷媒の流れを緩和でき、アキュムレータ内に冷媒が逆流したことに起因する冷媒音を低減し静音な冷蔵庫を提供することができる。
【0094】
冷媒の流れを緩和させる手段とは、アキュムレータと吸入管の接続部において、吸入管入口部及び吸入管入口部の開口端部に嵌合状態に装着された多孔質焼結体によって構成されたものであるので、アキュムレータ内に逆流する冷媒の流れを緩和し、アキュムレータ内に冷媒が逆流したことに起因する冷媒音を低減し、静音な冷蔵庫を提供することができる。
【0095】
冷媒の流れを緩和させる手段とは、アキュムレータ内において、吸入管開口端部に対向して、アキュムレータ内に充塞状態に配置された多孔質焼結体によって構成されたものであるので、アキュムレータ内に逆流する冷媒の流れを緩和し、アキュムレータ内に冷媒が逆流したことに起因する冷媒音を低減し、静音な冷蔵庫を提供することができる。
【0096】
冷媒の流れを緩和させる手段とは、アキュムレータ内において、吸入管開口端部に対向して、アキュムレータ内にメッシュを配設したので、アキュムレータ内に逆流する冷媒の流れを緩和し、アキュムレータ内に冷媒が逆流したことに起因する冷媒音を低減し、静音な冷蔵庫を提供することができる。
【0097】
冷媒の流れを緩和させる手段とは、アキュムレータと吸入管の接合部において、吸入管入口部の開口部にメッシュを配設したので、アキュムレータ内に逆流する冷媒の流れを緩和し、アキュムレータ内に冷媒が逆流したことに起因する冷媒音を低減し、静音な冷蔵庫を提供することができる。
【0098】
アキュムレータの内容積を、圧縮機の運転停止中および霜取運転中に吸入管へ液冷媒が流入できない程度で、かつ圧縮機の必要貯油量よりも大きい容積としたものであるので、冷凍サイクルは圧縮機の信頼性を確保したものとなり、また、液冷媒をアキュムレータに貯め、吸入管への液冷媒の流入を防止することにより、吸入管内での液冷媒の偶発的な蒸発に伴う急激な冷媒の移動を押え、アキュムレータ内に冷媒が逆流したことに起因する冷媒音を低減し静音な冷蔵庫を提供することができる。
【0099】
蒸発器と吸入管との間に、アキュムレータを複数個設けたので、各アキュムレータの径を小さくすることができ、アキュムレータにかかるコストを低減できる。
【0100】
吸入管をアキュムレータよりも低い位置に配置したので、液冷媒が吸入管に流入した場合でも、吸入管内に液冷媒が溜まることなく圧縮機へ流れるため、吸入管内での液冷媒の偶発的な蒸発に伴う急激な冷媒の移動を押え、アキュムレータ内に冷媒が逆流したことに起因する冷媒音を低減し静音な冷蔵庫を提供できる。
【0101】
圧縮機停止後、ある一定時間後に再び圧縮機を起動し、ある一定時間運転後、圧縮機を停止させので、吸入管内で液冷媒が溜まっている状態を解消し、吸入管内での液冷媒の偶発的な蒸発に伴う急激な冷媒の移動を押え、アキュムレータ内に冷媒が逆流したことに起因する冷媒音を低減し静音な冷蔵庫を提供できる。
【0102】
吸入管からアキュムレータまでの接続管をアキュムレータの上端部へ接続したので、吸入管よりアキュムレータへ冷媒が逆流した場合、アキュムレータ内の液冷媒中に逆流した冷媒が吐出するため、冷媒ガス中に吐出されるのに比べアキュムレータ内に冷媒が逆流したことに起因する冷媒音を低減し静音な冷蔵庫を提供することができる。
【0103】
蒸発器とアキュムレータとを結ぶ接続管を、蒸発器出口部において霜取ヒ−タ近傍に配置したので、流入した液冷媒が蒸発しガス冷媒となり、アキュムレータへガス冷媒が供給され、吸入管に液冷媒の流入を防止することにより、吸入管内での液冷媒の偶発的な蒸発に伴う急激な冷媒の移動を押え、アキュムレータ内に冷媒が逆流したことに起因する冷媒音を低減し静音な冷蔵庫を提供することができる。
【0104】
冷媒回路を流れる冷媒として可燃性冷媒を使用するので、冷凍サイクル中の高圧側の圧力を低く押えることができるため、圧縮機停止時に高圧側の毛細管と低圧側の蒸発器との圧力差がフロン系冷媒にくらべて少ないため、高圧側の毛細管から低圧側の蒸発器への冷媒の流入がスムーズに進むため、アキュムレータおよび吸入管への液冷媒の移動が安定しておこなわれ、吸入管内での液冷媒の偶発的な蒸発に伴う急激な冷媒の移動を押えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1を示す冷蔵庫における冷凍サイクルの配置を示す摸式図である。
【図2】 この発明の実施の形態1を示すアキュムレータを拡大した断面模式図である。
【図3】 この発明の実施の形態2を示すアキュムレータを拡大した断面模式図である。
【図4】 この発明の実施の形態3を示す冷蔵庫における冷凍サイクルの冷媒流路を示す摸式図である。
【図5】 この発明の実施の形態4を示す冷蔵庫における冷凍サイクルの冷媒流路を示す摸式図である。
【図6】 この発明の実施の形態5を示す冷蔵庫における冷凍サイクルの配置を示す摸式図である。
【図7】 この発明の実施の形態6を示す冷蔵庫における冷凍サイクルの配置を示す断面図である。
【図8】 この発明の実施の形態7を示す冷蔵庫における冷凍サイクルの冷媒流路を示す概念図である。
【図9】 この発明の実施の形態8を示す冷蔵庫における冷凍サイクルの配置を示す摸式図である。
【図10】 この発明の実施の形態9を示す圧縮機への入力を示すチャートである。
【図11】 この発明の実施の形態10を示す蒸発器周辺の摸式図である。
【図12】 この発明の実施の形態11を示すアキュムレータ周辺の摸式図である。
【図13】 この発明の実施の形態12を示すアキュムレータ周辺の模式図である。
【図14】 この発明の実施の形態12を示すアキュムレータ周辺の模式図である。
【図15】 従来の冷蔵庫における冷凍サイクルの冷媒流路を示す模式図である。
【符合の説明】
1 圧縮機、2 コンデンサ、2’ キャビネットパイプ、3 ドライヤ、4 毛細管、5 蒸発器、6 アキュムレータ、7 吸入管、8 電磁弁、8’ 逆止弁、9 霜取ヒ−タ、10 ヒータ、15 接続管、16 突込みパイプ、17 接続管、21 ガス冷媒、22 液冷媒。
Claims (17)
- 圧縮機から吐出された冷媒がコンデンサ、毛細管、蒸発器、アキュムレータ、吸入管を通り、再び圧縮機に戻る冷凍サイクルを備え、前記圧縮機は低圧シェル圧縮機を用い、前記吸入管を冷蔵庫天井部まで立ち上がるように配置して前記圧縮機の運転停止中および前記蒸発器に付着した霜の霜取運転中に、前記吸入管内での液冷媒の偶発的な蒸発に伴う急激な冷媒の移動を抑えるようにしたことを特徴とする冷蔵庫。
- 前記吸入管は前記アキュムレータの出口から真上に立ち上がるようにしたことを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。
- 前記吸入管内での液冷媒の偶発的な蒸発に伴う急激な冷媒の移動を抑える手段が、前記吸入管に熱を供給して前記吸入管内の液冷媒を蒸発させる手段であることを特徴とする請求項1または2に記載の冷蔵庫。
- 前記吸入管を冷蔵庫の冷蔵室背面、野菜室背面、制御基板周辺、コンデンサ周辺に配置するようにして前記吸入管に熱を供給し、前記吸入管内の液冷媒を蒸発させるようにしたことを特徴とする請求項3記載の冷蔵庫。
- 前記吸入管内の液冷媒を蒸発させる手段としてヒータを使用し、前記ヒータを前記吸入管に巻き付けて前記圧縮機の運転停止中および霜取り運転中に通電するようにしたことを特徴とする請求項3または4に記載の冷蔵庫。
- 前記吸入管内での液冷媒の偶発的な蒸発に伴う急激な冷媒の移動を抑える手段が、前記吸入管から前記アキュムレータに逆流する冷媒の流れを緩和させる手段であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の冷蔵庫。
- 前記冷媒の流れを緩和させる手段とは、前記アキュムレータと前記吸入管の接続部において、前記吸入管入口部及び前記吸入管入口部の開口端部に嵌合状態に装着された多孔質焼結体によって構成されたものであることを特徴とする請求項6記載の冷蔵庫。
- 前記冷媒の流れを緩和させる手段とは、前記アキュムレータ内において、前記吸入管開口端部に対向して、前記アキュムレータ内に充塞状態に配置された多孔質焼結体によって構成されたものであることを特徴とする請求項6記載の冷蔵庫。
- 前記冷媒の流れを緩和させる手段とは、前記アキュムレータ内において、前記吸入管開口端部に対向して、前記アキュムレータ内にメッシュを配設したものであることを特徴とする請求項6記載の冷蔵庫。
- 前記冷媒の流れを緩和させる手段とは、前記アキュムレータと前記吸入管の接合部において、前記吸入管入口部の開口部にメッシュを配設したものであることを特徴とする請求項6記載の冷蔵庫。
- 前記アキュムレータの内容積を、前記圧縮機の運転停止中および霜取運転中に前記吸入管へ液冷媒が流入できない程度で、かつ前記圧縮機の必要貯油量よりも大きい容積としたものであることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の冷蔵庫。
- 前記蒸発器と前記吸入管との間に、前記アキュムレータを複数個設けたことを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の冷蔵庫。
- 前記吸入管を前記アキュムレータよりも低い位置に配置したことを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の冷蔵庫。
- 前記圧縮機停止後、ある一定時間後に再び前記圧縮機を起動し、ある一定時間運転後、前記圧縮機を停止させることを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれかに記載の冷蔵庫。
- 前記吸入管から前記アキュムレータまでの接続管を前記アキュムレータの上端部へ接続したことを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の冷蔵庫。
- 蒸発器とアキュムレータとを結ぶ接続管を、蒸発器出口部において霜取ヒ−タ近傍に配置したことを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載の冷蔵庫。
- 冷媒回路を流れる冷媒として可燃性冷媒を使用することを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載の冷蔵庫。
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