JP2008057835A - 冷凍装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 圧縮機への冷媒マイグレーションに対し、ハード面での変更を最小にでき、しかも起動時における潤滑不良や液圧縮を確実に解消することができる冷凍装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 圧縮機1と、コンデンサ3と、膨張弁6と、エバポレータ7とが順次冷媒配管により接続されて構成される冷媒回路10を備え、該冷媒回路10中に所定量の冷媒が充填されるとともに、圧縮機2に冷媒に対して相溶性を有する潤滑油が充填された冷凍装置1において、起動時、圧縮機2をオンオフ運転するとともに、そのオン時間を潤滑油の粘度に基づいて可変させる制御部25を備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、停止中の冷媒マイグレーションによる圧縮機の液圧縮や潤滑不良を防止できる冷凍装置に関するものである。
冷凍装置を停止したまま長時間放置しておくと、圧縮機に液冷媒が凝縮してくる。これを冷媒マイグレーション現象と称しており、冷媒圧縮式冷凍装置に共通して生じる現象である。この冷媒マイグレーション現象は、冷凍装置に充填されている冷媒が、冷凍装置内の温度差による冷媒の飽和圧力差で移動することにより生じるものであり、冷凍装置を構成する機器において、圧縮機は外部に置かれ、温度が低くなりやすいことから、圧縮機に冷媒がマイグレーションされる場合が多い。
冷媒がマイグレーションされた状態で圧縮機を起動すると、圧縮機内の急激な圧力低下により、潤滑油に溶け込んでいた液冷媒が激しく発泡し、それに伴って潤滑油の油面が必要油面以下となり、これが潤滑不良の要因となる。また、液冷媒の激しい発泡により、一部液冷媒がそのまま圧縮室に吸い込まれて液圧縮を起こし、異音発生や圧縮機の故障、破損等の要因となる。
上記の潤滑不良および液圧縮の防止策として、以下が一般的に知られている。
(1)冷媒量を十分に少なくする。また、圧縮機に溜まる冷媒量を少なくするため、リザーバタンクを併用する。
(2)冷凍装置を停止する前に、ポンプダウン運転を実施する。
(3)クランクケースヒータを設け、停止中も常時圧縮機を加熱して冷媒が圧縮機に凝縮しないようにする。
(4)圧縮機を低速で起動し、低圧圧力の急激な低下による冷媒発泡を抑制する。
(5)起動時、電力供給線の3相中2相のみに通電し、圧縮機を回転させずにモータのみを発熱させる。
(6)起動時に圧縮機を断続運転(オンオフ運転)させ、冷媒を徐々に追い出すようにする(例えば、特許文献1参照)。
特開平5−254336号公報
しかしながら、上記した(1)〜(6)の対策では、以下の問題を内包している。すなわち、(1)の場合、ハード的にリザーバタンクの設置が不可欠であり、スペース上の制約を受ける。(2)の場合、停止時にいきなり電源をオフされることがあり、この場合、ポンプダウン運転ができない。(3)の場合、ヒータの設置が必要であり、しかも常に電源をオンしておく必要があるため、コストアップおよび消費電力アップが避けられない。(4)の場合、高価なインバータの追設が不可欠である。(5)の場合、切り替え接点とそのための回路の追設が不可欠である。(6)の場合、ハード面での変更はほとんど必要ないが、条件変化に対応した断続運転時間(オンオフ時間)の設定が難しく、これが効果に影響を与える。このように上記対策(1)〜(6)には、それぞれ一長一短がある。
以上のように、冷凍装置の冷媒マイグレーション対策としては、多様な方策が提案されているが、ハード面の改良変更や潤滑不良および液圧縮の防止効果の両面から見て、まだまだ改善の余地が残されている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、圧縮機への冷媒マイグレーションに対し、ハード面での変更を最小にでき、しかも起動時における潤滑不良や液圧縮を確実に解消することができる冷凍装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の冷凍装置は、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる冷凍装置は、圧縮機と、コンデンサと、膨張弁と、エバポレータとが順次冷媒配管により接続されて構成される冷媒回路を備え、該冷媒回路中に所定量の冷媒が充填されるとともに、前記圧縮機に前記冷媒に対して相溶性を有する潤滑油が充填された冷凍装置において、起動時、前記圧縮機をオンオフ運転するとともに、そのオン時間を前記潤滑油の粘度に基づいて可変させる制御部を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、起動時、圧縮機をオンオフ運転(断続運転)することによって、マイグレーション現象により潤滑油に溶け込んでいる液冷媒を徐々に蒸発させて追い出し、通常の冷却運転へと移行させることができる。従って、起動時に潤滑不良や液圧縮が生じることがなく、冷凍装置を正常に起動させることができる。特に、潤滑油の粘度に基づいて圧縮機のオンオフ運転時のオン時間が可変とされ、潤滑油の粘度が小さい場合はオン時間が短く、粘度が大きい場合はオン時間が長くされるので、潤滑油に溶け込んでいる液冷媒が発泡に至る迄の時間に合わせ、オン時間を調整することができる。これによって、潤滑油に溶け込んでいる液冷媒を、発泡を抑制しつつ着実に蒸発させて追い出すことができ、最小限の圧縮機運転により冷媒発泡に起因する起動時の潤滑不良や液圧縮を確実に解消することができる。
なお、潤滑油の粘度は、油温センサやオイルパン温度センサ等を用い、その検出値から推定することができる。また、冷凍装置に設けられている既存の外気温度センサ、低圧圧力センサ、吐出管温度センサ等によっても代用可能である。
さらに、本発明の冷凍装置は、上記の冷凍装置において、前記制御部は、前記圧縮機のオンオフ運転時のオフ時間を前記潤滑油の粘度に基づいて可変させることを特徴とする。
本発明によれば、潤滑油の粘度に基づいて圧縮機のオンオフ運転時のオフ時間が可変とされ、潤滑油の粘度が小さい場合はオフ時間が短く、潤滑油の粘度が大きい場合はオフ時間が長くされるので、圧縮機のオン時間中に一部の発泡冷媒とともに上昇した潤滑油が油溜めに戻る時間を確実に確保することができる。従って、潤滑油に溶け込んでいる冷媒の追い出し運転を適性に行うことができる。
さらに、本発明の冷凍装置は、上述のいずれかの冷凍装置において、前記制御部は、前記圧縮機のオンオフ運転時のオンオフ回数を前記潤滑油の粘度に基づいて可変させることを特徴とする。
本発明によれば、潤滑油の粘度に基づいて圧縮機のオンオフ運転時のオンオフ回数が可変とされ、潤滑油の粘度が小さい場合はオンオフ回数が少なく、潤滑油の粘度が大きい場合はオンオフ回数が増加されるので、潤滑油の粘度に対応する最小限回数のオンオフ運転により潤滑油に溶け込んでいる冷媒を確実に追い出すことができる。従って、起動時の冷媒発泡に起因する潤滑不良や液圧縮を確実に防止することができるとともに、速やかに通常の冷却運転に移行することができる。
さらに、本発明の冷凍装置は、上述のいずれかの冷凍装置において、前記圧縮機には、前記潤滑油の液面高さを検出する液面計が設けられ、該液面計により検出された液面高さが所定液面以上の場合には、前記制御部は前記圧縮機をオンオフ運転し、所定液面以下の場合には、前記制御部は前記圧縮機のオンオフ運転を中止することを特徴とする。
本発明によれば、液面計により検出された潤滑油の液面高さが所定液面以上の場合、マイグレーション現象により潤滑油に液冷媒が溶け込んでいると判断できるので、この場合には、圧縮機をオンオフ運転して液冷媒の追い出し運転を行うことができる。また、液面高さが所定液面以下の場合には、液冷媒の溜まり込みがないと判断できるので、圧縮機のオンオフ運転を中止し、直ちに通常の冷却運転を開始することができる。従って、冷媒マイグレーションにより液圧縮等のおそれがある場合は、それを回避して圧縮機の故障や破損等を防止し、製品の信頼性を向上させることができる。また、冷媒マイグレーションの可能性がない場合は、直ちに冷却運転を開始することができるため、起動時における冷却性能を改善することができる。
本発明によれば、起動時、圧縮機をオンオフ運転(断続運転)することにより、潤滑油に溶け込んでいる液冷媒を徐々に蒸発させて追い出すことができるため、起動時に潤滑不良や液圧縮が生じることがなく、冷凍装置を正常に起動させることができる。特に、潤滑油の粘度に基づいて圧縮機のオンオフ運転時のオン時間を可変とし、潤滑油の粘度が小さい場合にはオン時間を短く、粘度が大きい場合にはオン時間を長くするようにしているため、潤滑油に溶け込んでいる液冷媒が発泡に至る迄の時間に合わせて圧縮機のオン時間を調整することができる。従って、潤滑油に溶け込んでいる液冷媒を、発泡を抑制しつつ着実に蒸発させて追い出すことができ、冷媒発泡に起因する起動時の潤滑不良や液圧縮を確実に解消することができる。
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1ないし図3を用いて説明する。
図1には、本実施形態にかかる冷凍装置1の冷媒回路が示されている。本実施形態にかかる冷凍装置1は、コンテナ用冷凍装置に適用されるものである。
冷凍装置1は、冷媒ガスを圧縮する圧縮機2と、圧縮機2から送られる高温高圧の冷媒ガスを放熱させて凝縮させるコンデンサ(凝縮器)3と、コンデンサ3で凝縮された液冷媒を貯留するレシーバ4と、液冷媒を高圧液管9Bから分岐された冷媒により冷却して過冷却を付与するエコノマイザ熱交換器5と、過冷却が付与された液冷媒を断熱膨張させる電子膨張弁6と、断熱膨張された冷媒と冷却庫内の空気とを熱交換させて蒸発させるエバポレータ(蒸発器)7と、蒸発されたガス冷媒中の液分を分離してガス冷媒のみを圧縮機2に吸入させるアキュームレータ8と、をこの順に吐出ガス管9A、高圧液管9B、低圧液管9C、低圧ガス管9Dおよび吸入ガス管9Eで接続することにより、冷媒回路10が構成される。
コンデンサ3およびエバポレータ7には、それぞれコンデンサ用ファン11およびエバポレータ用ファン12が付設されている。
上記のエコノマイザ熱交換器5は、一般に二重管熱交換器により構成され、その外管側をレシーバ4から高圧液管9Bを経て導かれる高圧液冷媒が流れる。また、その内管側を高圧液管9Bから分岐管9F、電磁弁13、膨張弁14を介して導入される低圧冷媒が流れ、両冷媒が互いに熱交換される。これにより、高圧液冷媒を冷却して過冷却を付与するものである。内管側を流れる低圧冷媒は、エコノマイザ熱交換器5で蒸発された後、インジェクション菅9Gを介して圧縮機2の中間圧室に注入(インジェクション)され、公知の如く、圧縮機2入力を低減し、冷凍装置1の効率(成績係数)を向上させる。
また、分岐管9Fには、エコノマイザ熱交換器5をバイパスして液冷媒をインジェクション管9Gに導く、電磁弁15およびキャピラリチューブ16を有する液インジェクション管9Hが設けられ、液冷媒の一部を圧縮機2の中間圧室に注入して圧縮ガスを冷却できる構成とされている。
また、冷媒回路10には、圧縮機2から吐出された高温高圧の冷媒ガスを吐出ガス管9Aからドレンパンヒータ17を経て直接エバポレータ7に導入し、エバポレータ7に霜が付いた場合にこれを除霜するデフロスト用のホットガスバイパス管9Iが設けられる。このホットガスバイパス管9Iには、デフロスト用電磁弁18が設けられている。
また、圧縮機2には、圧縮途中の冷媒ガスを吸入ガス管9Eにバイパスさせ、圧縮機2の能力を制御する容量制御用のバイパス管9Jおよび電磁弁19が設けられている。
上記吐出ガス管9Aには、吐出温度センサ20が設けられ、低圧ガス管9Dには、エバポレータ出口温度センサ21が設けられ、これらセンサ20,21の検出値は、コントローラ(制御部)23に入力される。コントローラ23は、これらの検出値に基づいて電磁弁13,15,18を適宜開閉し、公知の如くガスインジェクションまたは液インジェクション、あるいはデフロスト運転を行う。また、コントローラ23は、公知の如くエバポレータ7からの吹き出し空気温度と設定温度との偏差に基づいて、電磁弁19を開閉制御し、圧縮機2を負荷に応じ能力制御を行うよう構成されている。
また、コントローラ(制御部)23には、外気温度センサ22からの検出値が入力される。コントローラ23は、冷凍装置1の起動時、この外気温度センサ22の検出値より圧縮機2の内部に充填されている潤滑油の粘度を推定し、これに基づいて、圧縮機2を後述の通りインチング起動(オンオフ運転)するよう構成されている。潤滑油の粘度は、温度に依存し、予め設定されている外気温度と潤滑油粘度との関係から、温度に対応した潤滑油の粘度を算出することができる。なお、この潤滑油の粘度は、外気温度センサ22に限らず、油温センサやオイルパン温度センサ、あるいは一般に冷凍装置に設けられている既存の外気温度センサ22、低圧圧力センサ、吐出温度センサ20等の検出値から推定することが可能である。
図2に、冷凍装置1のインチング起動が示されている。圧縮機2は、起動スイッチがオンされて3秒後に、X時間運転され、Y時間停止されるオンオフ運転(断続運転)を数回(Z回)繰り返し、その後所定時間を置いて逆転チェック運転を行った後、通常の冷却運転に移行されるようになっている。この間、エバポレータファン12およびコンデンサファン11は、起動スイッチがオンされて1秒後および2秒後に、それぞれ遅延起動されるようになっている。
また、電子膨張弁6は、インチング起動の間は閉とされ、インチング起動後に開とされるようになっている。
ここで、圧縮機2が運転されるオン時間Xは、外気温度センサ22の検出値、すなわち潤滑油の粘度に基づいて可変とされる。
図3に、圧縮機2が運転されるオン時間Xと外気温度との関係が示されている。本実施形態では、一例として、外気温度が−20℃以下の場合は、オン時間Xを4秒、外気温度が−20℃〜10℃の場合は、オン時間Xを2秒、外気温度が10℃以上の場合は、オン時間Xを0.5秒と段階的に変化させる例が示されている。
なお、圧縮機2のオン時間Xは、3段階以上に変化させてもよく、あるいは上記の如く段階的に変化させる以外に、温度変化に対応させて連続的に変化させてもよい。
また、圧縮機2が停止されるオフ時間Yは、圧縮機2が運転されるオン時間Xの間に蒸発・発泡される冷媒と共に油溜めから上昇された潤滑油が、再び油溜めに落下して戻る迄の時間を考慮して決定すればよく、例えば10秒程度に設定される。また、圧縮機2のオンオフ回数Zは、数回程度、例えば3回に設定される。
しかしながら、圧縮機2が停止されるオフ時間Yおよび圧縮機2がオンオフ運転される回数Zは、上記に限定されるものではなく、これらについても、以下の通り潤滑油の粘度に基づいて可変とすることができる。
図4に、圧縮機2が停止されるオフ時間Yと外気温度との関係が示されている。この例では、外気温度が0℃以上の場合は、オフ時間Yを10秒とし、外気温度が0℃未満の場合は、オフ時間Yを15秒としている。なお、このオフ時間Yは、この例に限らず、3段階以上に変化させてもよい。
また、図5に、圧縮機2のオンオフ回数Zと外気温度との関係が示されている。この例では、外気温度が0℃以上の場合は、オンオフ回数Zを2回とし、外気温度が0℃未満の場合は、オンオフ回数Zを3回としている。なお、このオンオフ回数Zは、この例に限らず、3段階以上に変化させてもよい。
つぎに、本実施形態にかかる冷凍装置の作用について説明する。
通常の冷却運転時、圧縮機2により圧縮された高温高圧の冷媒ガスは、吐出ガス管9Aによりコンデンサ3に導かれ、コンデンサファン12により送風される外気に放熱して凝縮液化される。この液冷媒は、いったんレシーバ4に貯留された後、高圧液管9Bを経てエコノマイザ熱交換器5に送られ、エコノマイザ熱交換器5の外管側を流通する間に、その内管側を流れる冷媒により冷却されて過冷却が付与される。エコノマイザ熱交換器5の内管側を流れる冷媒は、高圧液管9Bから分岐管9Fに分流され、電磁弁14、膨張弁14を経て導かれた冷媒であり、内管内で蒸発することにより、外管側を流通する冷媒を冷却する。この冷媒の過冷却により、冷却能力が向上されることは当業者において周知の事項である。
エコノマイザ熱交換器5の内管で蒸発された冷媒は、インジェクション管9Gを経て圧縮機2の中間圧室に注入(インジェクション)され、これによって、圧縮機2の入力を低減し、冷凍装置1の効率(成績係数)を向上させることができる。このことも当業者において周知の事項である。
エコノマイザ熱交換器5において過冷却が付与された液冷媒は、電子膨張弁6で断熱膨張された後、低圧液管9Cを経てエバポレータ7に導入され、エバポレータファン11により循環される図示省略の冷却庫(コンテナ)内空気と熱交換される。この熱交換により冷却された空気は、冷却庫内の冷却に供される。一方、冷媒は、庫内空気から吸熱して蒸発され、低圧ガス管9Dを経てアキュームレータ8に至り、ここで液分が分離され、ガス冷媒のみが吸入ガス管9Eを経て圧縮機2に吸い込まれる。このように、冷媒が冷媒回路10内を繰り返し循環されることにより、冷却運転が行われる。
上記の冷却運転により、冷却庫(コンテナ)内の温度が設定温度に近づくと、電磁弁19が開とされ、圧縮機2は能力が低減された容量制御運転に入り、以降、サーモ運転されることによって、冷却庫(コンテナ)内を設定された温度に保持する。
冷却運転により、エバポレータ7に霜が付くと、図示省略の除霜検知手段がそれを検知し、コントローラ(制御部)23はデフロスト用電磁弁18を開とし、デフロスト運転を開始する。デフロスト運転時、圧縮機2から吐出された高温高圧の冷媒ガスは、ホットガスバイパス管9Iからドレンパンヒータ17を経てエバポレータ7に直接導入され、エバポレータ7の内部からその表面に付着されている霜を加熱して溶解させる。霜を溶かした冷媒は、低圧ガス管9Dを経てアキュームレータ8に至り、気液分離された後、吸入ガス管9Eを経て圧縮機2に戻る回路を循環する。
除霜の完了は、エバポレータ出口温度センサ22により検知される。これによって、コントローラ235は、デフロスト用電磁弁18を閉とし、冷却運転に復帰させる。
以上の冷却運転および除霜運転の間に、圧縮機2からの吐出冷媒温度が所定値以上になると、吐出温度センサ20がこれを検知し、電磁弁13を閉、電磁弁15を開とする。これによって、キャピラリチューブ16により制限された量の液冷媒がインジェクション管9Gを介して圧縮機2の中間圧室に導入され、吐出冷媒温度を低下させ、圧縮機2の過熱保護が行われる。
一方、上記した冷凍装置1を停止したまま長時間放置しておくと、圧縮機2に液冷媒がマイグレーションされる。そのまま、冷凍装置1を起動すると、圧縮機2による液圧縮が惹起されることとなる。これを防止するため、本実施形態では、冷凍装置1がコントローラ(制御部)23により、外気温度センサ22により検出された外気温に基づいて、図2に示すようにインチング起動される。
このインチング起動は、運転スイッチがオンされると、先ず1秒後にエバポレータファン12が起動され、続いて2秒後にコンデンサファン11が起動され、さらに3秒後に圧縮機2がそれぞれ遅延起動される。
インチング起動の間、圧縮機2は、次のようにオンオフ運転(断続運転)される。
外気温度が−20℃以下のときは、潤滑油の粘度が非常に高く(大きく)なっているため、潤滑油に溶け込んでいる冷媒も蒸発・発泡し難い状態にある。この場合、図3に示すように、圧縮機2を運転するオン時間Xは4秒に設定され、圧縮機2は4秒間運転された後、停止される。そして、圧縮機2は10秒間停止された後、再び4秒間運転される。このようなオンオフ運転が3回繰り返された後、所定時間を置いて逆転チェック運転が行われ、その後、冷凍装置1は、通常の冷却運転に移行される。
外気温度が−20℃〜10℃の場合は、潤滑油の粘度が幾分低い(小さい)ため、圧縮機2を運転するオン時間Xを2秒に設定し、上記と同様のオンオフ運転を行い、また、外気温度が10℃以上の場合は、潤滑油の粘度が大分低い(小さい)ため、圧縮機2を運転するオン時間Xを0.5秒に設定し、同様のオンオフ運転を行う。
上記のように、冷凍装置1をインチング起動することにより、その時々の潤滑油の粘度状態に応じ、適正な時間Xだけ圧縮機2を運転するオンオフ運転(断続運転)を行い、潤滑油に溶け込んでいる冷媒を蒸発させて追い出した後、冷凍装置1を通常の冷却運転へと移行させる。これによって、液圧縮を防止することができる。
インチング起動時に、圧縮機2を運転するオン時間Xを潤滑油の粘度に応じて可変とすることは、以下の通り有効である。
つまり、潤滑油の粘度が低い(小さい)場合、冷媒が発泡に至る迄の時間が短く、圧縮機2の運転時間Xを長くすると、冷媒が過度に発泡し、油溜めに潤滑油がなくなって潤滑不良を生じるとともに、液圧縮に至る可能性が大きくなる。このため、潤滑油の粘度が低い分、圧縮機2の運転時間Xを短くする必要がある。逆に潤滑油の粘度が高い(大きい)場合、冷媒が発泡に至る迄の時間が長くなるので、圧縮機2の運転時間Xが短いと、冷媒が十分蒸発せず、インチング起動の効果が低減する。このように、圧縮機2を運転するオン時間Xを潤滑油の粘度に基づいて設定することは、冷凍装置1のインチング起動において、重要な意味を持っている。
しかして、本実施形態によると、以下の効果を奏する。
冷凍装置1の起動時、圧縮機2を上記の如くオンオフ運転(断続運転)することによって、マイグレーション現象により潤滑油に溶け込んでいる液冷媒を徐々に蒸発させて追い出し、通常の冷却運転へと移行させることができる。従って、起動時、冷媒発泡による潤滑不良や液圧縮が生じることがなく、冷凍装置1を正常に起動させることができる。
特に、潤滑油の粘度に基づいて、圧縮機2のオンオフ運転(断続運転)時のオン時間Xを可変とし、潤滑油の粘度が小さい場合はオン時間Xを短く、粘度が大きい場合はオン時間Xを長くするようにしているため、潤滑油に溶け込んでいる液冷媒が発泡に至る迄の時間に合わせ、オン時間Xを適正に調整することができる。これによって、潤滑油に溶け込んでいる液冷媒を、発泡を抑制しつつ着実に蒸発させて追い出すことができ、冷媒発泡に起因する起動時の潤滑不良や液圧縮を解消することができる。
また、液圧縮防止のための特別なハードを必要としないため、ハード面での変更負担がなく、簡便に実施することが可能である。
なお、本実施形態において、圧縮機2のオン時間Xを潤滑油の粘度変化に対応させて連続的に変化させるようにした場合でも、上記と同様の効果を得ることができる。
また、上記の実施形態において、冷凍装置1のインチング起動の間、潤滑油の粘度に基づいて、圧縮機2を停止するオフ時間Yを、図4に示すように可変としてもよい。
この場合、外気温度が0℃未満では、潤滑油の粘度が比較的高く(大きく)、圧縮機2の運転時間X中に蒸発・発泡された冷媒と共に油溜めから上昇され潤滑油が、落下して油溜めに戻る迄に多少時間がかかるので、オフ時間Yを15秒と長めに設定する。また、外気温度が0℃以上では、潤滑油の粘度が比較的低く(小さく)、上記の如く上昇された潤滑油が落下して油溜めに戻る迄の時間も短くなることから、オフ時間Yを上記よりも短く、10秒に設定する。これによって、圧縮機2のオン時間X中に、いったん上昇した潤滑油が油溜めに戻る迄の時間を確実に確保しつつ、潤滑油に溶け込んでいる冷媒の追い出し運転を適性に実行することができる。
また、上記の実施形態において、冷凍装置1のインチング起動時に、潤滑油の粘度に基づいて、圧縮機2のオンオフ回数Zを、図5に示すように可変としてもよい。
この場合、外気温度が0℃未満では、潤滑油の粘度が比較的高く(大きく)、潤滑油に溶け込んでいる冷媒が蒸発し難いことから、圧縮機2のオンオフ回数Zを3回とし、外気温度が0℃以上では、潤滑油の粘度が比較的低く(小さく)、冷媒が蒸発し易いことから、圧縮機2のオンオフ回数Zを2回としている。これによって、潤滑油の粘度に対して最小限のオンオフ回数で潤滑油に溶け込んでいる冷媒を確実に追い出すことができ、圧縮機2の起動時における冷媒発泡に起因する潤滑不良や液圧縮を確実に防止することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図6を用いて説明する。
本実施形態は、上記した第1実施形態に対して、圧縮機2の構成が異なっている。その他の点については、第1実施形態と同様であるので、説明は省略する。
図6は、圧縮機2の概略構成を示す縦断面図である。圧縮機2は、密閉構造のハウジング2Aを備え、その内部に圧縮機構2Bと、モータ2Cと、が設置され、両者は駆動軸2Dにより連結されている。ハウジング2Aの底部には、潤滑油2Eが充填されており、この潤滑油2Eが駆動軸2Dに設けられている油供給孔を介して図示省略のポンプにより圧縮機構2Bに供給され、圧縮機構2Bが潤滑されるようになっている。圧縮機2は、ハウジング2Aに接続された吸入ガス管9Eから冷媒をハウジング2A内に吸い込み、圧縮機構2Bで圧縮した後、ハウジング2Aに接続されている吐出ガス管9Aから吐出するよう構成される。
なお、圧縮機構2Bは、スクロール式圧縮機構等、いずれの形式であってもよい。
上記した圧縮機2のハウジング2A内部には、フロート式の液面計2Fが設けられる。この液面計2Fは、潤滑油2E(マイグレーションにより潤滑油2Eに溶け込んでいる液冷媒を含む)の油面高さを検知するものであり、検知信号がコントローラ(制御部)23に入力されるようになっている。コントローラ23は、冷凍装置1の起動時、液面計2Fによって検知された液面高さが所定液面以上の場合に、圧縮機2をオンオフ運転(断続運転)するインチング起動を実行し、所定液面以下の場合には、インチング起動を中止するよう構成されている。
上記の実施形態において、液面計2Fにより検出された潤滑油2Eの液面高さが所定液面以上のときは、マイグレーション現象により圧縮機2に冷媒が移動して凝縮し、この液冷媒が潤滑油2Eに溶け込んでいると判断することができる。この場合、冷凍装置1を起動する際に、圧縮機2をオンオフ運転するインチング起動を実行して、液冷媒の追い出し運転を行うことができる。また、液面高さが所定液面以下のときは、液冷媒の溜まり込みがないと判断できるので、インチング起動を中止し、直ちに通常の冷却運転を行うことができる。
従って、本実施形態によると、冷媒マイグレーションにより液圧縮等のおそれがある場合は、それを回避して潤滑不良や液圧縮による異音発生、圧縮機2の故障、破損等を防止し、冷凍装置1に対する信頼性を向上させることができる。また、冷媒マイグレーションの可能性がない場合は、インチング起動を省略し、直ちに冷却運転を開始できるため、起動直後の冷却性能を改善することができる。等の効果を期待できる。
なお、上記実施形態では、コンテナ用冷凍装置に適用した例について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、圧縮式冷凍装置全般に広く適用可能である。従って、冷媒回路も上記した冷媒回路10に限定されるものではない。
本発明の第1実施形態にかかる冷凍装置の冷媒回路図である。 図1に示された冷凍装置のインチング起動時のタイムチャート図である。 図1に示された冷凍装置のインチング起動時の圧縮機オン時間と外気温度との関係図である。 図1に示された冷凍装置のインチング起動時の圧縮機オフ時間と外気温度との関係図である。 図1に示された冷凍装置のインチング起動時の圧縮機オンオフ回数と外気温度との関係図である。 本発明の第2実施形態にかかる圧縮機の縦断面図である。
符号の説明
1 冷凍装置
2 圧縮機
2E 潤滑油
2F 液面計
3 コンデンサ
6 電子膨張弁
7 エバポレータ
9A 吐出ガス管
9B 高圧液管
9C 低圧液管
9D 低圧ガス管
9E 吸入ガス管
10 冷媒回路
23 コントローラ(制御部)

Claims (4)

  1. 圧縮機と、コンデンサと、膨張弁と、エバポレータとが順次冷媒配管により接続されて構成される冷媒回路を備え、
    該冷媒回路中に所定量の冷媒が充填されるとともに、前記圧縮機に前記冷媒に対して相溶性を有する潤滑油が充填された冷凍装置において、
    起動時、前記圧縮機をオンオフ運転するとともに、そのオン時間を前記潤滑油の粘度に基づいて可変させる制御部を備えていることを特徴とする冷凍装置。
  2. 前記制御部は、前記圧縮機のオンオフ運転時のオフ時間を前記潤滑油の粘度に基づいて可変させることを特徴とする請求項1に記載の冷凍装置。
  3. 前記制御部は、前記圧縮機のオンオフ運転時のオンオフ回数を前記潤滑油の粘度に基づいて可変させることを特徴とする請求項1または2に記載の冷凍装置。
  4. 前記圧縮機には、前記潤滑油の液面高さを検出する液面計が設けられ、
    該液面計により検出された液面高さが所定液面以上の場合には、前記制御部は前記圧縮機をオンオフ運転し、所定液面以下の場合には、前記制御部は前記圧縮機のオンオフ運転を中止することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の冷凍装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011226709A (ja) * 2010-04-20 2011-11-10 Mitsubishi Heavy Ind Ltd エコノマイザ回路付き冷凍装置
JP2012167897A (ja) * 2011-02-16 2012-09-06 Daikin Industries Ltd 室外機

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