JP2008193803A - スイッチング電源装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電源としての動作の安定性を高めるとともに、スイッチング素子の利用効率のよいスイッチング電源装置を提供する。
【解決手段】トランス104の一次巻線に直列接続したスイッチング素子106をオン、オフして、前記トランスの二次巻線に発生する電圧をダイオード108で整流し出力するフライバック型のスイッチング電源装置であって、前記トランスに印加する電圧・時間積に対応する電圧を生成する電圧生成手段230と、前記電圧生成手段で生成した電圧に応じて、前記スイッチング素子のオン、オフを制御するスイッチング制御手段250と、を備えたスイッチング電源装置により前記課題を解決する。
【選択図】図1
【解決手段】トランス104の一次巻線に直列接続したスイッチング素子106をオン、オフして、前記トランスの二次巻線に発生する電圧をダイオード108で整流し出力するフライバック型のスイッチング電源装置であって、前記トランスに印加する電圧・時間積に対応する電圧を生成する電圧生成手段230と、前記電圧生成手段で生成した電圧に応じて、前記スイッチング素子のオン、オフを制御するスイッチング制御手段250と、を備えたスイッチング電源装置により前記課題を解決する。
【選択図】図1
Description
本発明は、フライバック型のスイッチング電源装置に関し、特にその動作の安定化に関するものである。
従来の自励式フライバック型の電源の基本回路図を図7に示す(特許文献1)。以下図7により動作を説明する。商用交流電源700よりフィルタ回路701、整流回路702、平滑コンデンサ703により直流入力電圧が生成される。この直流入力電圧は、トランス704の一次巻線Npと、トランジスタ706のコレクタ・エミッタの直列回路に印加される。直流入力の正端子とトランジスタ706のベース端子間には起動抵抗705が接続されている。直流入力より起動抵抗705を通してトランジスタ706のベース電流が流れると、コレクタ電流が流れ、一次巻線Npに電流が流れる。この結果トランス704は励磁されて他方の補助巻線Nbに電圧が誘起される。この結果、トランジスタ706のベース電流が増加し、さらにトランジスタ706のコレクタ電流が増加し、一次巻線の電流が増加するというように正帰還が行われる。この正帰還は、一次巻線Npとトランジスタ706のベース間に接続した、抵抗707およびコンデンサ717により制限されながらも、トランジスタ706のコレクタ電流がトランジスタ706のベース電流と直流増幅率の積に相当する値になるまで続く。コレクタ電流がこの値に到達するとトランジスタ706のベース電流不足のため、トランジスタ706のコレクタ電圧は飽和領域から不飽和領域へ移行する。この結果トランジスタ706のVCEが上昇し、トランス704の一次巻線NPに印加される電圧が下がる。このためトランス704の補助巻線Nbの電圧も低下し、トランジスタ706のベース電流が低下する。ベース電流の低下に伴ってトランジスタ706のコレクタ電圧を押し上げるベース電流不足の状態がさらに進むこととなる。以上のような正帰還がかかることによりトランジスタ706は急激にOFFとなる。
トランジスタ706がOFFすると、トランス704の各巻線には逆起電力が発生し、二次側のNs巻線から二次整流ダイオード708を通して負荷電流が流れ出す。この半波成分の電流はコンデンサ709により平滑されて直流出力となる。トランス704に蓄えられたエネルギーが0となると、出力電流も0となる。しかしながらトランスの残留エネルギーによるリンギングによってトランス704のベース巻線Nbには電圧が発生するため、再度トランジスタ706が導通する。するとトランス704の一次巻線に電流が流れ、トランス704の補助巻線Nbの電圧が上昇、トランジスタ706のベースに電流が流れる。以降は前述したような一連の動作を繰り返すことで、トランジスタ706のON,OFFのスイッチング動作を繰り返すことになる。
以上のような動作を繰り返すなかで、出力電圧が基準電圧まで上昇してくると、抵抗713、714の分圧電圧によりシャントレギュレータ711が動作し、抵抗712を介してフォトカプラ710に電流が流れる。これにより、フォトカプラ710のLEDが点灯し、フォトカプラ710内のフォトトランジスタ720のインピーダンスが低下し、トランジスタ715がONする。すると、トランジスタ706がRCC(Ringing Choke Converter)動作よりも短い時間でOFFする。この帰還動作によって一定電圧を出力するよう制御される。
特開昭63−316668号公報(第3図)
しかしながら、前述の従来のRCC方式では、スイッチング素子を駆動するベース電流の電源として、トランスの巻線出力そのものを利用している。このため、起動時およびターンオン時のゲート波形は矩形波状とはならず、速やかにターンオンするための充分な電圧が得られない期間がある。このためスイッチング素子の損失が大きくなり、スイッチング素子の温度が上昇するとともに電力変換効率が悪くなるという問題があった。また、急峻な負荷変動や入力電圧変動が印加された場合には、スイッチング素子をOFFした状態を維持することが難しく、動作が不安定になり、間欠動作となることがあった。また、大電力出力に対応するにはトランスおよび半導体素子に流れる電流の波形率が悪いために、大電力出力には向かないという問題があり、現在までのところ、小出力、低コストの電源に利用されるに留まっている。
本発明は、このような状況のもとでなされたもので、電源としての動作の安定性を高めるとともに、スイッチング素子の利用効率のよいスイッチング電源装置を提供することを課題とするものである。
前記課題を解決するため、本発明では、スイッチング電源装置を次の(1)、(2)のとおりに構成する。
(1)トランスの一次巻線に直列接続したスイッチング素子をオン、オフして、前記トランスの二次巻線に発生する電圧をダイオードで整流し出力するフライバック型のスイッチング電源装置であって、前記トランスに印加する電圧・時間積に対応する電圧を生成する電圧生成手段と、前記電圧生成手段で生成した電圧に応じて、前記スイッチング素子のオン、オフを制御するスイッチング制御手段と、を備えたスイッチング電源装置。
(2)トランスの一次巻線に直列接続したスイッチング素子をオン、オフして、前記トランスの二次巻線に発生する電圧をダイオードで整流し出力するフライバック型のスイッチング電源装置であって、前記トランスに印加する電圧・時間積に対応する電圧を生成する電圧生成手段と、前記電圧生成手段で生成した電圧に応じて、前記スイッチング素子をオンするオン制御手段と、前記スイッチング素子の電流が所定値を超えたときに前記スイッチング素子をオフするオフ制御手段と、を備えたスイッチング電源装置。
本発明によれば、スイッチング電源装置のトランスの状態を監視することによって電源としての動作の安定性を高めるとともに、スイッチング素子やトランスの利用効率を高め、低コストで部品点数が少なく、小型の電源装置を提供することが可能となる。
以下本発明を実施するための最良の形態を、スイッチング電源装置の実施例により詳しく説明する。
図1は、実施例1である“スイッチング電源装置”の構成を示す回路図である。
図1において、100は商用交流電源、101はフィルタ回路、102はダイオードブリッジ、103はコンデンサ、104はトランスである。また、105は起動抵抗、106はスイッチング素子、107は抵抗、108は整流ダイオード、109はコンデンサ、110はフォトカプラ、111はシャントレギュレータ、112、113、114は抵抗である。
200はスイッチング制御部であり、210はスイッチング制御回路に電源を供給する電源部、250はスイッチング制御回路、230はトランスに印加される電圧と時間の積を監視する電圧・時間積監視部である。
図1において、100は商用交流電源、101はフィルタ回路、102はダイオードブリッジ、103はコンデンサ、104はトランスである。また、105は起動抵抗、106はスイッチング素子、107は抵抗、108は整流ダイオード、109はコンデンサ、110はフォトカプラ、111はシャントレギュレータ、112、113、114は抵抗である。
200はスイッチング制御部であり、210はスイッチング制御回路に電源を供給する電源部、250はスイッチング制御回路、230はトランスに印加される電圧と時間の積を監視する電圧・時間積監視部である。
商用交流電源100よりフィルタ回路101を介してダイオードブリッジ102にAC電源が印加されると、ダイオードブリッジ102により両波整流され、コンデンサ103により、ピーク充電が行われる。これによって、コンデンサ103の両端にDC電圧を生成する。
起動抵抗105によりスイッチング制御部200の電源部210に起動電流が供給されると、スイッチング素子106がONし、トランス104の一次巻線Npに電流が流れ始める。この電流により、補助巻線Nbにフォア−ド方向に電圧が発生し、電源部210が電力供給を受ける。一方で、トランス104の二次側の巻線Nsは一次巻線Np、補助巻線Nbとは逆方向に巻かれているため、電圧は発生しても整流ダイオード108により電流は阻止され、トランス104にはエネルギーが蓄えられることになる。
スイッチング制御回路250がスイッチング素子106をOFFすると、トランス104に蓄えられていたエネルギーにより一次巻線Npにはスイッチ素子106がONしていたときと逆方向への電圧が発生する。同様の電圧は補助巻線Nb、二次巻線Nsにも発生し、二次巻線Ns側に発生した電圧は整流ダイオード108の順方向に発生するため、整流ダイオード108からコンデンサ109へ充電が開始され、コンデンサ109の両端電圧が上昇する。スイッチング素子106のON,OFFを繰り返すことにより、コンデンサ109の電圧は上昇し、出力端電圧が所望の電圧以上となるとシャントレギュレータ111が動作し、抵抗112を介してフォトカプラ110に電流が流れる。これにより、フォトカプラ110のLEDが点灯し、スイッチング制御回路250にフィードバックを行うことにより、出力電圧を一定値に制御される。
次にスイッチング制御部200の内部について説明する。
図2−1にスイッチング制御部200の電源部210の回路を示す。201はコンデンサ、202、203は抵抗、204はツェナダイオード、205はPNPトランジスタ、206〜208は抵抗、209はNPNトランジスタである。コンデンサ201側の端子がトランス104の補助巻線Nbに接続されている。
図2−1にスイッチング制御部200の電源部210の回路を示す。201はコンデンサ、202、203は抵抗、204はツェナダイオード、205はPNPトランジスタ、206〜208は抵抗、209はNPNトランジスタである。コンデンサ201側の端子がトランス104の補助巻線Nbに接続されている。
電源をONすると、起動抵抗105によりコンデンサ201への充電が開始されて、コンデンサ201の両端電圧が上昇する。抵抗202と203により分圧された電源電圧が、ツェナダイオード204とトランジスタ209のVbeよりも高くなると、トランジスタ209がONし、トランジスタ209のコレクタ電流によりトランジスタ205がONする。起動抵抗105、もしくは補助巻線Nbよりダイオード211を介してコンデンサ201に充電された電圧が、予め定められた値になったときにトランジスタ205がONする。このように、補助電源である電源部210の電圧が低いときに不用意にスイッチング制御回路250を動作させないように構成している。一度トランジスタ205がONすると、抵抗208により、抵抗203の電圧が上昇するため、トランジスタ209と205がONする際のコンデンサ201の両端電圧と、OFFする際のコンデンサ201の両端電圧を変化させる。このようにしてトランジスタ205が頻繁にON、OFFするような誤動作を防ぐヒステリシスをもたせた回路としている。
補助巻線Nbの電圧として図2−2(a)のような、30VPk、50Hz正弦波が1波分入力したときに、電源部210の回路がどのような応答をするかを以下に説明する。
図2−2(b)に、トランジスタ205のコレクタ端子にどのような電圧が出力されるかを示す。図2−2(a)の電圧入力が18V以上となったときにトランジスタ205がONし、トランジスタ205のコレクタ電圧に入力電圧と同じ電圧が出力されており、15V以下となったときにOFFしている。
図2−2(b)に、トランジスタ205のコレクタ端子にどのような電圧が出力されるかを示す。図2−2(a)の電圧入力が18V以上となったときにトランジスタ205がONし、トランジスタ205のコレクタ電圧に入力電圧と同じ電圧が出力されており、15V以下となったときにOFFしている。
図3に電圧・時間積監視部230の回路構成を示す。
231、238、240はダイオード、232、233、235、236は抵抗、234、237はトランジスタ、239はコンデンサである。ダイオード231のアノード側およびダイオード240のカソード側は、補助巻線Nbの一方に接続されている。また、抵抗242、244、233、235、コンデンサ239の共通接続点側は、トランス104の補助巻線Nbの他方に接続されている。
231、238、240はダイオード、232、233、235、236は抵抗、234、237はトランジスタ、239はコンデンサである。ダイオード231のアノード側およびダイオード240のカソード側は、補助巻線Nbの一方に接続されている。また、抵抗242、244、233、235、コンデンサ239の共通接続点側は、トランス104の補助巻線Nbの他方に接続されている。
スイッチング素子106がONになり、一次巻線Npに電源電圧が印加されると同時に、補助巻線Nbにも電圧が発生し、ダイオード231が導通する。補助巻線Nbの両端電圧に比例した電圧が抵抗232,233に印加され、この抵抗232に印加された電圧と同じ電圧が抵抗236に印加される。抵抗236の両端電圧、すなわち補助巻線Nbの電圧に比例した定電流がトランジスタ237、ダイオード238を介してコンデンサ239に充電され、コンデンサ239の電圧が上昇する(ON時間生成回路)。スイッチング素子106がOFFしたときには、補助巻線Nbには逆方向の電圧(フライバック電圧)が発生するため、ダイオード231の導通は停止し、ダイオード240が導通する(OFF時間生成部分)。
OFF時間生成部分は前述したON時間生成回路と同じ構成とはなっておらず、フライバック電圧に比例した電流がトランジスタ243のベースに供給され、そのHFE(電流増幅率)倍の電流が抵抗244に流れる。すなわち、フライバック電圧に応じて抵抗244の両端電圧が変化することになる。
OFF時間生成部分は前述したON時間生成回路と同じ構成とはなっておらず、フライバック電圧に比例した電流がトランジスタ243のベースに供給され、そのHFE(電流増幅率)倍の電流が抵抗244に流れる。すなわち、フライバック電圧に応じて抵抗244の両端電圧が変化することになる。
補助巻線Nbの電圧から抵抗244の両端電圧とトランジスタ246のVbeを引いた電圧が抵抗245に印加されることから、抵抗245には補助巻線電圧が高いときには低い電流が、補助巻線電圧が低いときには大きい電流が流れることになる。コンデンサ239からの放電電流は、抵抗245の抵抗値と抵抗245の両端電圧により定まる定電流源による放電となる。
以上述べたように、コンデンサ239への充電は、補助巻線Nbの電圧に比例した電流で行われ、放電は、フライバック電圧に逆比例した電流で行われることとなる。
図4−1に、コンデンサ239の両端電圧を監視してスイッチング素子106を制御する、スイッチング制御回路250を示す。
図4−1において、左側の上下に示す端子は、電圧・時間積監視部230のコンデンサ239の両端に接続されている。右側の上下に示す端子は基準電圧源に接続されている。トランジスタ254、255、およびトランジスタ256、257により、夫々ダーリントントランジスタを入力にもつコンパレータ回路を形成している。トランジスタ264、265、およびトランジスタ266、267も同様である(コンパレータ部)。
トランジスタ265には抵抗261、262により、トランジスタ255には抵抗251、252により、抵抗分圧による基準値を与えており、電圧・時間積監視部230のコンデンサ239から抵抗269を介してトランジスタ267のベースへ電圧を供給する。また、コンデンサ239から抵抗259を介してトランジスタ257のベースへ電圧を供給する。これにより、コンデンサ239の電圧が抵抗262の両端電圧よりも高いときにトランジスタ270がONする。また、コンデンサ239の電圧が抵抗252の両端電圧よりも低いときにトランジスタ260がONするよう構成している。
トランジスタ260、270は、夫々フリップフロップF/Fを構成するFET273、274に接続している。
図4−1において、左側の上下に示す端子は、電圧・時間積監視部230のコンデンサ239の両端に接続されている。右側の上下に示す端子は基準電圧源に接続されている。トランジスタ254、255、およびトランジスタ256、257により、夫々ダーリントントランジスタを入力にもつコンパレータ回路を形成している。トランジスタ264、265、およびトランジスタ266、267も同様である(コンパレータ部)。
トランジスタ265には抵抗261、262により、トランジスタ255には抵抗251、252により、抵抗分圧による基準値を与えており、電圧・時間積監視部230のコンデンサ239から抵抗269を介してトランジスタ267のベースへ電圧を供給する。また、コンデンサ239から抵抗259を介してトランジスタ257のベースへ電圧を供給する。これにより、コンデンサ239の電圧が抵抗262の両端電圧よりも高いときにトランジスタ270がONする。また、コンデンサ239の電圧が抵抗252の両端電圧よりも低いときにトランジスタ260がONするよう構成している。
トランジスタ260、270は、夫々フリップフロップF/Fを構成するFET273、274に接続している。
このように構成されているため。コンデンサ239の電圧が抵抗252の両端電圧以下、抵抗262の両端電圧以下のときにはF/F部出力はHiとなる。また、コンデンサ239の電圧が抵抗252の両端電圧以上、抵抗262の両端電圧以上のときにはF/F部出力はLoとなる。すなわち、電圧・時間積に依存するコンデンサ239の電圧が、第一の所定値より小さいときスイッチング素子106がONし、第一の所定値より大きい値の第二の所定値より大きいときスイッチング素子106はOFFする。
本スイッチング電源装置の出力電圧制御のため、フォトカプラ110(図1参照)のフォトトランジスタ275と抵抗276の直列回路を、基準電圧生成用抵抗262に並列に接続している。出力電圧が制御目標電圧より上昇すると前述したようにフォトカプラ110に電流が流れ、フォトカプラのLEDが発光する。このためにフォトカプラのフォトトランジスタ275がONし、抵抗276を介して抵抗262を短絡するので、抵抗262の両端電圧が下がる。この結果、F/F部出力のHi時間=スイッチング素子106のON時間が短くなり、トランス104に蓄えられるエネルギーが減少するため、出力電圧が下がることになる。コンデンサ279は発振防止用のコンデンサである。
図4−1ではトランジスタで構成していたコンパレータ部を、ICとしてのコンパレータで置き換えたものを図4−2に示す。トランジスタ254〜257、260およびトランジスタ264〜267、270が夫々1個のIC281、280で置き換えられている。
ここで、本実施例の起動時、重負荷時の動作を説明する。商用交流電源100は、ダイオードブリッジ102とコンデンサ103により整流・平滑化される。起動時は、コンデンサ103から起動抵抗105を介して電源部210へ電流が供給され、電源部210の起動電圧に到達するとトランジスタ209、205がONし、スイッチング制御回路250に電源が供給され、そしてスイッチング素子106がONとなる。トランス104の一次巻線Npにスイッチング素子106が接続されているため、スイッチング素子106がONになるとトランス104の一次巻線Npに電流が流れる。すると、トランス104の補助巻線Nbにはダイオード211のフォワード方向の電圧が発生し、電源部210のコンデンサ201に充電が開始される。それとともにトランス104の電圧・時間積監視部230により、トランス104の補助巻線Nbの出力電圧に応じた電流がコンデンサ239に充電され、コンデンサ239の両端電圧が上昇する。規定の電圧となるとスイッチング制御回路250のコンパレータ部の動作によりスイッチング素子106をOFFする。
一回のスイッチングでは電源部210のコンデンサ201が充電されないため、コンデンサ201の電圧が落ち、電源部210の出力がOFFとなる。しかし、起動抵抗105による充電は続くため、コンデンサ201への充電、放電を繰り返しながらコンデンサ201の電圧が上昇する。このようにしてスイッチング素子106のON,OFFによるコンデンサ201の充電を繰り返しながらコンデンサ201の電圧が安定していく。コンデンサ201の電圧が安定してスイッチング素子106がON、OFF出力できるようになってくるとともにトランス104の二次側電圧が上昇し、OFF時間が二次側電圧上昇に応じて拡大されるようになる。
負荷急変に伴ってトランス104の二次側電圧が下がり始めると、OFF時間が短くなるとともに、ON時間は変動しないため、二次側電圧を押し上げるように動作する。軽負荷時には、二次側電圧が上昇するため、OFF時間が長くなり、二次側電圧を下げるように動作する。
従来のRCC回路によるゲート波形について、軽負荷時のゲート波形、定格負荷時のゲート波形を図4−3に示す。また、本実施例の軽負荷時のゲート波形、定格負荷時のゲート波形も併せて図4−3に示す。
RCC回路では軽負荷時は、スイッチング素子がONとなる閾値ぎりぎりで回路動作してしまい、フォアード方向の電流により強くONされるよりも前にOFFとなってしまう。しかし本実施例では、スイッチング制御回路による波形整形効果のため、軽負荷でON幅が狭くなっても問題なくゲート波形を維持できている。定格負荷時にもF/F部により強力にゲートを駆動できるため、矩形波に近い波形でゲートのON,OFFパルスを与えることができている。
RCC回路では軽負荷時は、スイッチング素子がONとなる閾値ぎりぎりで回路動作してしまい、フォアード方向の電流により強くONされるよりも前にOFFとなってしまう。しかし本実施例では、スイッチング制御回路による波形整形効果のため、軽負荷でON幅が狭くなっても問題なくゲート波形を維持できている。定格負荷時にもF/F部により強力にゲートを駆動できるため、矩形波に近い波形でゲートのON,OFFパルスを与えることができている。
RCC回路では、OFF時間はトランスのフライバック電圧出力時間と、トランスの残留エネルギーによるリンギングにより決定されるため、トランスのエネルギーがほぼ0と成ったところ、即ち臨界モードでの動作のみで動作していた。これに対し、本実施例では、コンパレータ部の抵抗分圧器の分圧比(基準値)を変更することにより不連続モード、臨界モード、連続モードのいずれでも駆動することが可能となる。
従来のRCC方式と、本実施例方式の連続モード動作時の波形の一例を図4−4に示す。このように、連続モードを用いることにより、トランスおよび半導体素子に流れるピーク電流を小さくすることができ、半導体素子の小型化と、トランスの小型化を行うことが可能となる。また、トランスのエアギャップを小さくすることが可能となり、リーケージインダクタンスの小さい、損失の少ないスイッチング電源装置を形成することが可能となる。
また、連続モードとなったときに、OFF時間がフライバック電圧と比例する系では、二次側電圧(出力電圧)上昇時には飽和に近づいてしまったり、逆に二次側電圧(出力電圧)低下時にはOFF時間が短くなり、出力電圧がより下がってしまう場合があった。OFF時間とフライバック電圧を逆比例とすることで、このような現象を発生させない電源を構成している。
実施例2である“スイッチング電源装置”について説明する。図5−1は、本実施例の構成を示す回路図である。
ここでは実施例1と重複する説明は省き、本実施例特有の部分のみを説明する。
本実施例は、図5−1に示すように、電圧・時間積を補助巻線から検出するのではなく、トランス504の一次巻線Npに印加された電圧から検出するものである。
ここでは実施例1と重複する説明は省き、本実施例特有の部分のみを説明する。
本実施例は、図5−1に示すように、電圧・時間積を補助巻線から検出するのではなく、トランス504の一次巻線Npに印加された電圧から検出するものである。
スイッチング素子506がONのときには、トランス504の一次巻線Npに印加された電圧に比例した電圧により、定電流を発生させてコンデンサ539に印加する。また、スイッチング素子506をOFFしたときにはトランス504のフライバック電圧に応じたベース電流がトランジスタ543に流れる。これにより、抵抗545の両端電圧はフライバック電圧からトランジスタ546のVbeと、抵抗544の両端電圧を減じた電圧となり、抵抗545に流れる電流でコンデンサ539を放電する。
実施例1と同様、コンデンサ539の電圧を、コンパレータ部の抵抗分圧器の分圧比により予め決められた充電、放電の閾値と比較し、スイッチング素子506を制御する。コンパレータ部および電源部は図5−1のブロック590で示している。
ブロック590の詳細を図5−2に示す。
図5−2において、起動抵抗505より流入する電流を受けて電源電圧を生成するのがツェナダイオード577と、コンデンサ578である。この両端電圧を電源として、コンパレータ部およびF/F部が動作する。図5−2において、トランジスタ554、555およびトランジスタ556、557により、夫々ダーリントントランジスタを入力にもつコンパレータ回路(コンパレータ部)を形成している。トランジスタ564、565、およびトランジスタ566、567も同様である。トランジスタ565には抵抗561、562により、トランジスタ555には抵抗551、552により、抵抗分圧による基準値を与えている。コンデンサ539から抵抗569を介してトランジスタ567のベースへ、また、抵抗559を介してトランジスタ557のベースへ、電圧を供給する。これにより、コンデンサ539の電圧が抵抗562の両端電圧よりも高いときにトランジスタ570がONする。また、コンデンサ539の電圧が抵抗552の両端電圧よりも低いときにトランジスタ560がONするよう構成している。
トランジスタ560、570は夫々F/F部を構成するFET574、573に接続している。
図5−2において、起動抵抗505より流入する電流を受けて電源電圧を生成するのがツェナダイオード577と、コンデンサ578である。この両端電圧を電源として、コンパレータ部およびF/F部が動作する。図5−2において、トランジスタ554、555およびトランジスタ556、557により、夫々ダーリントントランジスタを入力にもつコンパレータ回路(コンパレータ部)を形成している。トランジスタ564、565、およびトランジスタ566、567も同様である。トランジスタ565には抵抗561、562により、トランジスタ555には抵抗551、552により、抵抗分圧による基準値を与えている。コンデンサ539から抵抗569を介してトランジスタ567のベースへ、また、抵抗559を介してトランジスタ557のベースへ、電圧を供給する。これにより、コンデンサ539の電圧が抵抗562の両端電圧よりも高いときにトランジスタ570がONする。また、コンデンサ539の電圧が抵抗552の両端電圧よりも低いときにトランジスタ560がONするよう構成している。
トランジスタ560、570は夫々F/F部を構成するFET574、573に接続している。
以上よりコンデンサ539の電圧が抵抗552の両端電圧以下、抵抗562の両端電圧以下のときにはF/F部出力はHiとなる。また、コンデンサ539の電圧が抵抗562の両端電圧以上、抵抗552の両端電圧以上のときにはF/F部出力はLoとなるよう構成している。
以上説明したように、本実施例によれば、トランスの一次巻線の電圧を直接監視することにより、補助巻線を用いることなくスイッチング素子を制御するため、より部品点数を少なくすることが可能となる。
実施例3である“スイッチング電源装置”について説明する。図6−1は、本実施例の構成を示す回路図である。
ここでは実施例1および実施例2と重複する説明は省き、本実施例に特有の部分を説明する。本実施例は、スイッチング素子のON時間をトランスの一次側の電流値により決定する例である。
図6−1において、648は電流検出抵抗、649は検出抵抗、680はトランジスタである。スイッチング素子606をONした際のON時間の決定のみ、トランス604の1次巻線Npに流した電流を検知することにより行うことで、さらに回路を簡略化することが可能となる。
ここでは実施例1および実施例2と重複する説明は省き、本実施例に特有の部分を説明する。本実施例は、スイッチング素子のON時間をトランスの一次側の電流値により決定する例である。
図6−1において、648は電流検出抵抗、649は検出抵抗、680はトランジスタである。スイッチング素子606をONした際のON時間の決定のみ、トランス604の1次巻線Npに流した電流を検知することにより行うことで、さらに回路を簡略化することが可能となる。
コンデンサ639は、スイッチング素子606がONしたとき、補助巻線Nbの誘起電圧により充電される。スイッチング素子606がOFFした際には、逆方向電圧(フライバック電圧)によりダイオード640を介してコンデンサ639が放電される。コンデンサ639の電圧が予め定められた値となったときに、ブロック691のコンパレータ部がF/F部の出力を反転し、スイッチング素子606をONする。
スイッチング素子606がONした際には、トランス604の一次巻線Npに電源電圧が印加され、電流が流れ始める。この電流が予め定められた値となった際に、トランジスタ680が導通し、スイッチング素子606がOFFするとともにF/F部の出力が反転する。コンパレータ部およびF/F部を図6−1のブロック691に示す。
このブロック691の詳細を図6−2に示す。
図6−2において、661、662はコンパレータ部の基準電圧を与える抵抗、664、665および666、667、670はトランジスタである。668、669、671、672は抵抗である。また、671、673はF/F部を構成するFETである。図6−1のコンデンサ639の電圧が、抵抗662の両端電圧よりも低くなると、コンパレータを構成しているトランジスタ664、665がOFFし、666、667がONする。その結果トランジスタ670がONとなりF/F部の出力をHiに固定する。トランス604の一次側電流が予め定められた電流となると、トランジスタ680がONする。その結果トランジスタ680のコレクタ電圧が低下し、トランジスタ680のコレクタに接続されているF/F部の出力およびFET671のゲートがLoとなるとともにスイッチング素子606をOFF状態とする。
図6−2において、661、662はコンパレータ部の基準電圧を与える抵抗、664、665および666、667、670はトランジスタである。668、669、671、672は抵抗である。また、671、673はF/F部を構成するFETである。図6−1のコンデンサ639の電圧が、抵抗662の両端電圧よりも低くなると、コンパレータを構成しているトランジスタ664、665がOFFし、666、667がONする。その結果トランジスタ670がONとなりF/F部の出力をHiに固定する。トランス604の一次側電流が予め定められた電流となると、トランジスタ680がONする。その結果トランジスタ680のコレクタ電圧が低下し、トランジスタ680のコレクタに接続されているF/F部の出力およびFET671のゲートがLoとなるとともにスイッチング素子606をOFF状態とする。
図6−1の690は制御電源を示すブロックであり、前述した図1の電源部210と同じ構成であるため説明は省略する。
電圧・時間積監視部は、補助巻線Nbのフォア−ド側出力によりコンデンサ639をダイオード631と抵抗632を介して補助巻線Nbの出力電圧まで充電し、放電は補助巻線Nbに現れるフライバック電圧に比例した定電流源により行う。このようにして生成したコンデンサ639の電圧により、OFF時間検出を行っている。出力電圧制御は、抵抗649と抵抗648の直列回路と並列に、抵抗683とフォトカプラのフォトトランジスタ682の直列回路を接続することにより行っている。
以上説明したように、本実施例では、スイッチング素子のONを電圧・時間積監視部で形成した電圧により行い、OFFをスイッチング素子の電流により行っているので、動作の安定性を高めることができる。
104 トランス
106 スイッチング素子
108 整流ダイオード
230 電圧・時間積監視部
250 スイッチング制御回路
106 スイッチング素子
108 整流ダイオード
230 電圧・時間積監視部
250 スイッチング制御回路
Claims (4)
- トランスの一次巻線に直列接続したスイッチング素子をオン、オフして、前記トランスの二次巻線に発生する電圧をダイオードで整流し出力するフライバック型のスイッチング電源装置であって、
前記トランスに印加する電圧・時間積に対応する電圧を生成する電圧生成手段と、
前記電圧生成手段で生成した電圧に応じて、前記スイッチング素子のオン、オフを制御するスイッチング制御手段と、
を備えたことを特徴とするスイッチング電源装置。 - 請求項1に記載のスイッチング電源装置において、
前記スイッチング制御手段は、前記電圧生成手段で生成した電圧が、第一の所定値より小さいとき前記スイッチング素子をオンし、前記第一の所定値より大きい値の第二の所定値より大きいとき前記スイッチング素子をオフすることを特徴とするスイッチング電源装置。 - 請求項1または2に記載のスイッチング電源装置において、
前記電圧生成手段は、前記一次巻線の電圧にもとづいて電圧・時間積に対応する電圧を生成することを特徴とするスイッチング電源装置。 - トランスの一次巻線に直列接続したスイッチング素子をオン、オフして、前記トランスの二次巻線に発生する電圧をダイオードで整流し出力するフライバック型のスイッチング電源装置であって、
前記トランスに印加する電圧・時間積に対応する電圧を生成する電圧生成手段と、
前記電圧生成手段で生成した電圧に応じて、前記スイッチング素子をオンするオン制御手段と、
前記スイッチング素子の電流が所定値を超えたときに前記スイッチング素子をオフするオフ制御手段と、
を備えたことを特徴とするスイッチング電源装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007025331A JP2008193803A (ja) | 2007-02-05 | 2007-02-05 | スイッチング電源装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007025331A JP2008193803A (ja) | 2007-02-05 | 2007-02-05 | スイッチング電源装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2008193803A true JP2008193803A (ja) | 2008-08-21 |
Family
ID=39753363
Family Applications (1)
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JP2007025331A Withdrawn JP2008193803A (ja) | 2007-02-05 | 2007-02-05 | スイッチング電源装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2008193803A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012147637A (ja) * | 2011-01-14 | 2012-08-02 | Nichicon Corp | 自励式フライバックコンバータ |
CN109406897A (zh) * | 2018-11-01 | 2019-03-01 | 珠海许继电气有限公司 | 检测装置和检测方法 |
-
2007
- 2007-02-05 JP JP2007025331A patent/JP2008193803A/ja not_active Withdrawn
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