JP3576374B2 - 静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナーの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真、静電記録、静電印刷などにおける静電荷像を現像するためのトナーの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
静電荷像の現像する方法として、近年、乾式現像方式の技術開発が急速に進められてきた。かかる定着の方法としては種々のものが知られているが、特に加熱ロ−ラ定着機に代表される接触加熱定着方式は、熱板定着器などの無接触加熱定着方式に比して熱効率が高く、特に高速度定着及び低温度定着が可能である点で優れている。
【0003】
加熱ロ−ラ−定着法では、静電記録体(感光ドラム)上に現像によって得られたトナ−像を一旦紙などの転写シ−トに転写した後、該転写シ−トを加熱圧着を行う定着ロ−ラ−に通してトナ−像をシ−トに融着させて定着が行なわれる。しかしながら、従来のトナーを使用して加熱ロ−ラ−定着法により定着を行うと、熱ロール表面とトナーが溶融状態で接触するため、トナーが熱ロール表面に付着転移し、次の被定着シートにこれが再転移して汚す(オフセット現象)という問題点があった。
【0004】
一般に、静電荷像現像用トナ−は樹脂成分、顔料や磁性粉もしくは染料からなる着色剤成分および離型剤、電荷制御剤等の添加成分によって構成されているが、上記問題点を解決するために、定着温度において確実に定着が達成される目的で、トナー用結着樹脂中に低分子量重合体を含有させ、トナ−粘度を下げると共に、接触加熱ロ−ラにトナ−の一部が付着することによるオフセット現象を防止する目的で、当該トナー用結着樹脂中に高分子量重合体を含有させトナ−弾性率を上げる方法が検討されてきた。
【0005】
これら低分子量重合体と高分子量重合体との複合体であるトナー用結着樹脂としては、主にスチレン系樹脂が多く使われており、種々の重合法が検討されてきた。例えば、特開平2−48657号公報には、多官能性開始剤を用い、懸濁重合法により高分子量の重合体を製造し、この高分子量の重合体の存在下に、さらに低分子量の重合体を製造し、得られた重合体を乾燥して無溶媒の高分子量及び低分子量の重合体混合物を得、トナー用結着樹脂として使用することを検討している。
【0006】
しかしながら、一般に懸濁重合法により重合する場合、ジビニルベンゼン、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレートなどの架橋剤を用いることにより、比較的容易に高分子量の重合体を得ることが可能であるが、低分子量体を製造する段階で問題が多い。すなわち、懸濁重合で低分子量の重合体を得るためには、多量の連鎖移動剤、例えばメルカプタン類やハロゲン化化合物を用いる必要があり、連鎖移動剤を用いた場合、所望されない臭気や、残存ハロゲン化化合物を除去するために、重合後処理を必要とし、コスト高になるという問題があった。更に、未反応の重合性単量体を除去することが難しいという問題も有している。
【0007】
特開平2−48675号公報には、溶液重合法により得た低分子量の重合体を高分子量重合体を製造するための重合性単量体に溶解させ、多官能性(三官能性以上)開始剤を用いて高分子量重合体を重合し、トナー用樹脂を製造するという技術が開示されている。しかし、溶液重合法による高分子量樹脂の製造は、ワイゼンベルグ効果(攪拌棒に樹脂が巻きつく)が発生し製造が困難であるという問題があった。また、USP5,084,368号公報には、低分子溶液重合物と高分子塊状重合物を溶剤中で溶解混合し、溶剤を真空除去して分子量の異なる樹脂の混合物を得ている。しかしながら、高分子量の塊状重合物を溶媒中に溶解するのは極めて手間がかかってコスト高になる。
【0008】
更に、特開平2−118583号公報には低分子量重合体、高分子量重合体及び着色剤を配合、混合した後、混練することによって静電荷像現像用トナーを製造する技術も開示されている。しかしながら、一般に分子量が大きく異なり、更に樹脂組成の異なった重合体は相溶性が乏しいため、低分子量の欠点であるオフセット性の発生、高分子量体の欠点である低温度での定着不足が、重ねて発生するという欠点を有している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、結着樹脂成分である低分子量重合体、高分子量重合体及び着色剤が均一に相溶分散した、耐オフセット性、定着性、製造時の粉砕性、保存時の耐ブロッキング性(非凝集性)、像形成時の現像性等において良好な特性を有する、臭気の少ない静電荷像現像トナーを効率的に、且つ容易に製造する方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、2軸連続混練機を用いて、スチレン系樹脂溶液と着色剤とからなる着色樹脂溶液と、乳化重合で得られたスチレン系樹脂乳化分散液との存在下で、上記樹脂溶液中の樹脂のガラス転移点以上の温度で混合処理を施し、それと並行して該混練機のジャケット温度を120〜300℃に設定し、投入口から排出口までの滞留時間を1〜60分に設定して、上記混合処理によって生成した組成物から水分及び溶媒を蒸発により除去する水分及び溶媒の除去処理を施し、無溶媒着色樹脂混合組成物を製造する工程を含むことを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法(以下、第1の発明という)を提供するものである。
【0011】
本発明は、2軸連続混練機を用いて、乳化重合で得られたスチレン系樹脂乳化分散液と着色剤とからなる着色樹脂乳化分散液と、スチレン系樹脂溶液との存在下で、上記樹脂溶液中の樹脂のガラス転移点以上の温度で混合処理を施し、それと並行して該混練機のジャケット温度を120〜300℃に設定し、投入口から排出口までの滞留時間を1〜60分に設定して、上記混合処理によって生成した組成物から水分及び溶媒を蒸発により除去する水分及び溶媒の除去処理を施し、無溶媒着色樹脂混合組成物を製造する工程を含むことを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法(以下、第2の発明という)を提供するものである。
【0012】
また、本発明は、2軸連続混練機を用いて、スチレン系樹脂溶液、着色剤及び乳化重合で得られたスチレン系樹脂乳化分散液の存在下で、上記樹脂溶液中の樹脂のガラス転移点以上の温度で混合処理を施し、それと並行して該混練機のジャケット温度を120〜300℃に設定し、投入口から排出口までの滞留時間を1〜60分に設定して、上記混合処理によって生成した組成物から水分及び溶媒を蒸発により除去する水分及び溶媒の除去処理を施し、無溶媒着色樹脂混合組成物を製造する工程を含むことを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法(以下、第3の発明という)を提供するものである。更に、本発明は、第1発明、第2発明、及び第3発明において、好ましくは、樹脂溶液中の溶媒が、6 〜12のSP値を有する溶媒であり、好ましくは、樹脂溶液が溶液重合で得られた樹脂溶液であり、好ましくは、樹脂乳化分散液が乳化重合で得られた重合体の乳化分散液であり、好ましくは、樹脂溶液中の樹脂の重量平均分子量が200,000 以下のスチレン系樹脂であり、上記樹脂乳化分散液中の樹脂の重量平均分子量が50,000以上であるスチレン系樹脂であり、好ましくは、樹脂溶液中の樹脂のGPC分子量ピークMpが1,500 〜30,000で且つその重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が4.0 未満であり、上記樹脂乳化分散液中の樹脂のGPC分子量ピーク(Mp)が300,000 〜3,000,000 である静電荷像現像用トナーの製造方法を提供する。
【0013】
しかして、本発明によれば、製造した無溶媒着色樹脂混合組成物を粉砕することにより、静電荷像現像用トナーを効率的に、且つ容易に製造することができる。また、本発明の製造方法により静電荷像現像用トナーを製造すると、低分子量重合体と高分子量重合体とが、均一に相溶分散した、非オフセット性、定着性、製造時の粉砕性、保存時の耐ブロッキング性(非凝集性)、像形成時の現像性等において良好であり、臭気の少ない静電荷像現像トナーを製造することができるという顕著な特性を有する。以下、本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法について詳述する。先ず、第1の発明について説明する。
【0014】
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、樹脂溶液と着色剤とからなる着色樹脂溶液と、樹脂乳化分散液との存在下で、混合処理を施し、それと並行又はその後に水分及び溶媒の除去処理を施し、無溶媒着色樹脂混合組成物を製造する工程を含むものであって、該無溶媒着色樹脂混合組成物を粉砕して静電荷像現像用トナーを得ることができる。
【0015】
上記樹脂溶液と着色剤とからなる着色樹脂溶液を製造する方法としては、着色樹脂溶液が得られる方法であれば特に制限はなく、いずれの方法でもよいが、例えば、樹脂溶液と着色剤とを撹拌、混練り等の方法により混合する方法、着色剤を溶解もしくは分散させた溶液で溶液重合を行う方法等が挙げられるが、容易に得られるという観点から樹脂溶液と着色剤とを混合する方法が好ましい。上記混合を行う方法としては、樹脂溶液と着色剤とを分散混合する方法であれば特に制限はなく、いずれの方法でもよいが、例えば、樹脂溶液と着色剤とをホモジナイザー、サンドミル、ディスパー、スラッシャー等の分散装置にて分散処理を行う方法が挙げられる。ここで混合される着色剤は、粉体の状態でも、予め媒体中に分散されたものでも良い。
【0016】
上記着色樹脂溶液と上記樹脂乳化分散液とを共存せしめて施す上記混合処理とは、上記着色樹脂溶液と上記樹脂乳化分散液とを、機械的その他の方法で混合する操作を行うことである。上記混合処理は、好ましくは上記樹脂溶液中の樹脂のガラス転移点以上の温度、更に好ましくは該ガラス転移点よりも20℃以上の温度で行うことにより、得られる着色樹脂溶液中の樹脂と樹脂乳化分散液中の樹脂との混合物の組成が均一になり、得られるトナーの諸物性が向上する。上記混合処理による上記利点は、該混合処理中に、樹脂乳化分散液中の樹脂の乳化粒子が着色樹脂溶液に接触し、樹脂乳化分散液中の樹脂粒子が分散された状態で着色樹脂溶液中の樹脂と合一する作用が、上記温度で促進されるためと考えられる。混合処理は常圧で行われても、或いは水分及び溶媒の蒸発揮散を抑制するために圧力を加えた状態で行ってもよい。
【0017】
上記水分及び溶媒の除去処理は、上記混合処理によって生成した組成物から水分及び溶媒を蒸発により除去する処理であり、この処理の結果、大部分の水分が除去された無溶媒着色樹脂混合組成物が得られる。このとき、上記混合物中に例えば残留モノマー、有機溶媒等の揮発性不純物が存在していれば、該揮発性不純物を同時に除去することができる。水分及び溶媒の除去処理は、上記混合物を混合物中の水及び溶媒の蒸発平衡温度以上に加熱することにより行うことができ、さらに加熱下に減圧にすることにより、更に効率的に行うことができる。水分及び溶媒の除去を常圧で行う場合には、混合物の温度は、着色樹脂溶液と樹脂乳化分散液とを混合した当初は100℃近辺に設定されればよいが、水分及び溶媒の除去の進行と共に高温となる。
【0018】
上記水分及び溶媒の除去処理は、上記混合処理終了後に行うことができるが、両者を並行してに行うことができる。そして両者を並行して行うことが効率的であり、好ましい。水分及び溶媒の除去処理の開始とともに混合物の水分及び溶媒量の低下が始まり、最終的に大部分の水分及び溶媒が除去されるが、混合処理と並行して行う場合には混合処理の開始とともに混合物中の水分及び溶媒の蒸発が始まり、水分及び溶媒量の低下が始まる。
【0019】
さらに、着色樹脂溶液中の樹脂と樹脂乳化分散液中の樹脂との混合物の組成を高度に均一とする場合には、混合処理、水分及び溶媒の除去処理の後に、更に混練処理を施すことが好ましい。本発明において混練りとは、大部分の水分及び溶媒が除去された無溶媒着色樹脂混合組成物を更に機械的に練り合わせることを言う。この場合少量の水分及び溶媒を更に除去する条件下で混練りが行われても良い。混練処理は、着色樹脂溶液中の樹脂と樹脂乳化分散液中の樹脂の少なくとも一方の樹脂の溶融状態で行われると、より均一な組成の混合物が得られるために好ましい。
【0020】
上記着色樹脂溶液と、上記樹脂乳化分散液とを共存せしめ、混合処理、水分及び溶媒の除去処理、更に必要に応じて混練処理をする方法としては、着色樹脂溶液と、樹脂乳化分散液とを共存せしめ、混合処理、水分及び溶媒の除去処理及び必要に応じて混練処理をする方法であれば特に制限はないが、例えば、上記着色樹脂溶液と、樹脂乳化分散液とを加熱機能、混合機能及び蒸発による水分及び溶媒の除去機能を備えた装置に添加して行う方法が挙げられる。
【0021】
上記機能を有する好ましい装置としては、加圧ニーダー、バンバリーミキサー、ロールミル、エクストルーダー、1軸若しくは2軸の連続混練機、若しくは連続混合脱溶媒機又は乾燥機等を挙げることができる。連続的に処理ができ、混合処理、水分及び溶媒の除去処理及び樹脂溶液中の樹脂と樹脂乳化分散液中の樹脂をより均一に分散させることが可能な混練処理を一つの装置で効率的に行える点で1軸若しくは2軸の連続混練機若しくは連続混合脱溶媒機又は乾燥機が好ましい。
【0022】
2軸連続混練機は各種あるが、なかでも複数のパドルを固定したセルフクリーニング性を有する2本の回転軸又はセルフクリーニング性を有する2本のスクリューを有し、特に、パドルが混練機の胴体に内接して回転するとともに、2軸の相対するパドルが相互に接触し合って回転する2軸連続混練機が混練効果が高く、又作業性が良好であるという観点からより好ましい。また、好ましい2軸連続混練機は、粘度10cps〜1×10cpsの流体をパドル又はスクリューの回転により投入口から排出口まで搬送し得るものである。なお、前記したセルフクリーニング性とは、パドルあるいはスクリューに混合物が残留付着することがほとんどなく、使用後特別に洗浄処理を必要としないことを意味する。このような2軸連続混練機は、それ自体公知であり、例えば(株)栗本鉄工所からKRCニーダー(商品名)、不二パウダル(株)製のコンティニアス・ニーダー、(株)プラスチック工学研究所製のコンパーチブル2軸押出機として製造、販売されている。好適な1軸又は2軸の連続混合脱溶媒機又は乾燥機としては、例えば(株)奈良機械製作所のパドルドライヤーなどが製造、販売されている。
【0023】
上記装置により、混合処理及び混練処理は上記装置の攪拌軸に固定されたスクリューあるいはバドルの回転により混合物を混合して施すことができる。また、水分及び溶媒の除去処理は通常装備されている加熱ジャケットあるいは電熱ヒーターで混合物を前記混合物中の水の蒸発平衡温度以上に加熱する、あるいは加熱に加えて装置内を減圧にすることによってより効率的に行うことができる。また水分及び溶媒の除去処理を行う別法として、例えば上記混合物を必要に応じて加熱後、減圧域に導入し水分及び溶媒を蒸発させる、所謂それ自体公知のフラッシュ法によって実質的に無溶媒の状態とする方法を挙げることができる。
【0024】
上記混合処理及び水分及び溶媒の除去処理は単一の装置で行うこともできるし、別々の装置で行うこともできるが、単一の装置で行うことが好ましい。更に混練処理を行う場合には、混合処理、水分及び溶媒の除去処理及び混練処理をそれぞれ別々の装置で行うこともできるし、混合処理及び水分及び溶媒の除去処理を単一の第1の装置で行い、混練処理を別の第2の装置で行う、若しくは混合処理を第1の装置で行い、水分及び溶媒の除去処理及び混練処理を別の第2の装置で行うこともできるし、混合処理、水分及び溶媒の除去処理及び混練処理を単一の装置で行うことができるが、特に均一な無溶媒着色樹脂混合組成物を得る場合には混合処理及び水分及び溶媒の除去処理を単一の第1の装置で行い、混練処理を別の第2の装置で行うのが好ましく、特に作業性を良好に行う場合には混合処理、水分及び溶媒の除去処理及び混練処理を単一の装置で行うことが好ましい。
【0025】
混合処理及び水分及び溶媒の除去処理を単一の第1の装置で行い、混練処理を別の第2の装置で行う場合、混合処理及び水分及び溶媒の除去処理を終えての第1の装置の排出口から得られる無溶媒着色樹脂混合組成物の水分含有率は20重量%以下が好ましく、5重量%以下がより好ましい。
【0026】
図1及び図2には、好ましい2軸連続混練機の構造が模式的に示されている。図1は概略平面図であり、図2は概略側面図である。図1及び図2に従って、2軸連続混練機を用いて、混合処理、水分及び溶媒の除去処理を並行して施し、更に混練処理を行う態様を説明する。上記2軸連続混練機は多数のパドル1を固定した2本の回転軸2が設けられており、モーター3によって回転する。この回転運動により、連続的に投入口4から供給される着色樹脂溶液と樹脂乳化分散液とを、着色樹脂溶液中の樹脂のガラス転移点以上の温度で、攪拌、混合しつつ、排出口5方向にこれらの樹脂を移動させる。
【0027】
一方、蒸気、オイルなどの熱媒体の循環により加熱されたジャケット6あるいは電熱ヒーター(図示せず)により加熱し、上記乳化分散液中の水分及び着色剤分散樹脂溶液中の溶媒を蒸発口7から排出する。通常、移動する樹脂と加熱ジャケットの間に空間が生じる様に着色樹脂溶液及び樹脂乳化分散液の供給速度が調整され(図示せず)、蒸発した水分及び溶媒はこの空間を経由して蒸発口7から排出される。投入口4近辺では水分及び溶媒が多量に存在するため、混合物の温度は100〜110℃であるが、水分及び溶媒量の減少と共に混合物の温度は上昇し、最終的に混合物中の大部分の水分及び溶媒が除去され、その後、好ましくは着色樹脂溶液中の樹脂が溶融する温度で、混練処理が行われる。この混練処理により、着色樹脂溶液中の樹脂と樹脂乳化分散液中の樹脂はより一層均一に分散される。混練処理が行われる樹脂溶融領域においても残留水分及び溶媒は蒸発して蒸発口7から排出される。排出口(5)から得られた無溶媒着色樹脂混合組成物は目的とする用途によって、更に連続的に他の装置に導入しグラニュー状、ペレット状、フレーク状等に加工することもできる。
【0028】
上記のような2軸連続混練装置を用いて混合処理、水分及び溶媒の除去処理及び混練処理を行う場合、ジャケットの加熱温度、混合処理、水分及び溶媒の除去処理及び混練処理を行うための滞留時間、その他の条件等は、着色樹脂溶液の樹脂及び溶媒の種類、樹脂乳化分散液の水分量、排出口(5)から得られる無溶媒着色樹脂混合組成物の、意図する着色樹脂溶液と樹脂乳化分散液の状態及び水分量、装置の処理能力、その他の要因によって一概に述べることはできない。しかしながら当業者にとって、上記の要因が特定されれば、理論的にかつ実験的に、上記の諸条件を設定することは容易である。
【0029】
一般的には、加熱温度を上げる等の方法により水分及び溶媒の除去速度を高めると、混合処理及び水分及び溶媒の除去処理を行う時間及び装置内の領域が短縮され、混練処理を行う時間及び装置内の領域が拡大される。
【0030】
樹脂溶液中の樹脂及び樹脂乳化分散液中の樹脂が、例えばポリスチレン樹脂の場合、ジャケットの温度を120〜300℃、好ましくは160〜250℃に設定し、投入口4から排出口5までの滞留時間を、装置の混練能力、その他の要因にもよるが、通常1〜60分、好ましくは5〜30分となるように設定することができる。
【0031】
上記装置の如き水分及び溶媒の蒸発口(7)を有する装置においては、水分及び溶媒の蒸発口(7)の開口面積を大きくすると、多量の水分及び溶媒を含んだ樹脂混合物からの水分及び溶媒の除去処理が効率的となる。即ち、2軸連続混練機において、胴体上部に設けられている投入口(4)と蒸発口(7)の開口面積の和が、胴体の長さと幅(各々図1のLとDに相当)の積の15〜100%の範囲にあることが、水分及び溶媒の除去処理を効率的に行う観点から、好ましい。上記の値が100%の場合は、2軸連続混練機の胴体上部が全長開口している場合であり、好ましい態様の一つである。この場合ジャケットは胴体上部に存在せず、胴体下部に設けられるか、ジャケットを設けずに回転軸内あるいはパドル内に熱媒体を循環させる。
【0032】
本発明において、本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法で混合される樹脂溶液とは、溶媒中に樹脂が溶解した樹脂溶液をいう。樹脂溶液中の溶媒の量は10重量%を超える量、好ましくは20〜80重量%以上、特に好ましくは30〜70重量%以上である。
【0033】
本発明の静電荷像現像用トナーの製造において、上記樹脂溶液中の樹脂は、トナー結着樹脂中の低分子量の重合体成分として使用することが好ましい。
【0034】
上記トナー結着樹脂中の低分子量の重合体成分として使用される樹脂溶液中の樹脂の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の測定チャートにおける最大値を示す分子量(分子量ピーク)Mpで表すと1,500〜30,000が好ましく、更に好ましくは、2,000〜20,000である。Mpが上記下限値未満であると定着性は良好であるが、現像機中でトナ−が凝集し易く現像剤の寿命が短い。又、トナ−の保存安定性が悪く、高温保存時に固まる。又、Mpが上記上限値を越えると、スペント化及び微細化は起きにくいが低温領域での定着性は不良となり、定着下限温度が上昇し、かつコ−ルド・オフセット温度も不良となり好ましくない。
【0035】
上記低分子量の重合体成分として使用される樹脂の重量平均分子量MWは、1,000〜200,000が好ましく、更に好ましくは1,000〜100,000;特に好ましくは1,000〜40,000である。MWが上記下限値未満であると定着性は良好であるが、現像機中でトナ−が凝集し易く現像剤の寿命が短い。又、トナ−の保存安定性が悪く、高温保存時に固まる。又、MWが上記上限値を越えると、スペント化及び微細化は起きにくいが低温領域での定着性は不良となり、定着下限温度が上昇し、かつコ−ルド・オフセット温度も不良となり好ましくない。又、重量平均分子量MWと数平均分子量MNとの比MW/MNが4未満であることが好ましい。MW/MNが上記上限値以上であると定着性が不良となり好ましくない。
【0036】
上記樹脂溶液中の樹脂は、トナーの結着樹脂として使用される樹脂であれば特に制限はなく、どのような樹脂であっても良く、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、スチレンーブタジエン樹脂等が挙げられるが、トナーとしての性能が得られやすい観点からスチレン系樹脂が好ましい。
【0037】
上記スチレン系樹脂とはスチレン系単量体を主成分とする(共)重合体であり、スチレン系単量体の例としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレンなどを挙げることができるが、このうちスチレンが最も好ましい。
【0038】
上記スチレン系単量体と共重合することのできる他の単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸エチルヘキシル、メタアクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸nブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリルがあり、特にアクリル酸n−ブチル、アクリル酸エチルヘキシル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸ラウリルが挙げられる。このアクリル系成分は、前記スチレン系成分のモノマ−と通常の条件下で重合せしめて得られる共重合体のガラス転移温度が40〜80℃の範囲内にあることが好ましく、更に好ましくは、ガラス転移温度が50〜70℃の範囲内にあることが好ましい。
【0039】
上記溶媒としては特に制限はなく、いずれの溶媒であってもよく、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、これらの異性体等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の環状脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン等の芳香族炭化水素;1−クロルブタン、塩化アミル、ジ臭化エチレン、塩化メチレン、ジ塩化エチレン、ジ塩化プロピレン、ジクロルペンタン、クロロホルム、1,1,2−トリクロルエタン、1,2,3−トリクロルプロパン、四塩化炭素、1,1,2,2−テトラクロルエタン、トリクロルエチレン、パークロルエチレン、エピクロルヒドリン、モノクロルベンゼン、ジクロルベンゼン、トルクロルベンゼン、弗化素炭化水素等のハロゲン化炭化水素類;メチルアルコール、エチルアルコール、アリルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、アミルアルコール、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール、これらの異性体等のアルコール類;ジエチルアミン、トリエチルアミン、ブレルアミン、ジアミルアミン、プロピレンジアミン、アニリン、ジメチルアニリン、シクロヘキシルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ピリジン、キノリン等のアミン類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、メチルヘキシルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルヘキサノン等のケトン類;エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ノルマルブチルエーテル、ノルマルヘキシルエーテル、ジオキサン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール等のエーテル類;ジエチルカーボネート、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、プロピオン酸エチル、プロピオンサンブチル、プロピオン酸アミル、酪酸エチル、酪酸ブチル、酪酸アミル、蓚酸ジエチル、蓚酸ジブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、これらの異性体等のエステル類;ガソリン、石油エーテル、石油ベンジン、リグロイン、ミネラルスピリット、灯油、軽油、重油等の石油系炭化水素;ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロプロパン、ニトロベンゼン等のニトロ炭化水素;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;アセタール、テトラヒドロフラン、酢酸フルフリル、2硫化炭素等が挙げることができ、これらの溶媒の単独あるいは複数のものを使用することができる。
【0040】
上記溶媒中、脂肪族炭化水素類、環状脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ケトン類、エーテル類、エステル類が樹脂との相溶性が良く好ましく、これらの溶剤のうち沸点が50〜170℃の溶剤が、蒸発除去が効果的に行える点で更に好ましい。上記溶媒中、溶剤の溶解度パラメーター(SP値)は好ましくは6〜12、更に好ましくは7〜11、特に好ましくは8〜10であり、SP値がこの範囲であると樹脂と溶媒との相溶性が良く、混合を行うと、樹脂溶液中の樹脂と、樹脂乳化分散液中の樹脂の相溶性が良好になる傾向がある。
【0041】
トナー結着樹脂中の低分子量の重合体成分として使用される上記の樹脂溶液中の樹脂は、縮合重合、付加重合、ビニル単量体の溶液重合等で直接溶液樹脂を得る方法;樹脂を溶液に溶解して得る方法等が挙げられるが、容易に得られる観点からビニル単量体の溶液重合による方法が好ましい。
【0042】
上記溶液重合は、上記単量体、溶剤及び該単量体に溶解する触媒とを共存せしめ、原料混合物を重合温度に加熱することにより行うことができる。バッチ単位で重合しても、又原料添加、重合及び重合体の取り出しを連続的に1段又は多段で行っても良いが、連続的に溶液重合を行い、直接前記着色剤との混合装置に添加すると、効率的で好ましい。
【0043】
上記溶液重合の重合温度は40〜250℃が好ましく、更に好ましくは60〜230℃、特に好ましくは70〜220℃である。反応温度が上記下限の温度未満であると反応速度が遅く、又、反応温度が上記上限の温度を超えるとと重合反応と共に、重合体の分解反応が起り、分子量500以下のオリゴマーが増大し、得られる樹脂を配合してトナーを作成すると、トナーの保存性及びスペント化・微細化を起し易い。
【0044】
溶液重合に使用される触媒は、任意の従来の油溶性開始剤が使用できる。一群の適当な開始剤は、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ジ−アゾビスイソブチロニトリルが挙げられる。特に反応温度が170℃以上と高いため、好適な開始剤としては、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルハイドロパーオキサイドが挙げられる。フリーラジカル開始剤の使用量は、前記単量体の重量に基づいて、0.5%の量が好ましく、0.03%〜3%の量が更に好ましく、0.05%〜1%の量が特に好ましい。
【0045】
上記の如くして得られるスチレン系低分子量重合体は、転換率が80%以上、好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上の転換率となる様に反応温度と反応滞留時間を設置するのが好ましい。
【0046】
樹脂溶液と混合される上記着色剤としては、無機顔料、有機顔料及び合成染料を挙げることができ、無機顔料または有機顔料が好ましく用いられ、また、一種若しくは二種以上の顔料及び/または一種若しくは二種以上の染料を組み合わせて用いることもできる。
【0047】
上記無機顔料としては、金属粉系顔料、金属酸化物系顔料、カ−ボン系顔料、硫化物系顔料、クロム酸塩系顔料、フェロシアン化塩系顔料を挙げることができる。
【0048】
上記金属粉系顔料の例としては、例えば、亜鉛粉、鉄粉、銅粉等を挙げることができる。上記金属酸化物系顔料としては、例えば、マグネタイト、フェライト、ベンガラ、酸化チタン、亜鉛華、シリカ、酸化クロム、ウルトラマリ−ン、コバルトブル−、セルリアンブル−、ミラネルバイオレット、四酸化三鉛等を挙げることができる。
【0049】
上記カ−ボン系顔料としては、例えば、カ−ボンブラック、サ−マトミックカ−ボン、ファ−ネスブラック等を挙げることができる。上記硫化物系顔料としては、例えば、硫化亜鉛、カドミウムレッド、セレンレッド、硫化水銀、カドミウムイエロ−等を挙げることができる。
【0050】
上記クロム酸塩系顔料としては、例えば、モリブデンレッド、バリウムイエロ−、ストロンチウムイエロ−、クロムイエロ−等を挙げることができる。フェロシアン化化合物系顔料としては、例えば、ミロリブル−等を挙げることができる。
【0051】
また、上記有機顔料としては、アゾ系顔料、酸性染料系顔料及び塩基性染料系顔料、媒染染料系顔料、フタロシアニン系顔料、並びにキナクドリン系顔料及びジオキサン系顔料等を挙げることができる。上記アゾ系顔料としては、例えば、ベンジジンイエロ−、ベンジジンオレンジ、パ−マネントレッド4R、ピラゾロンレッド、リソ−ルレッド、ブリリアントスカ−レットG、ボンマル−ンライト等を挙げることができる。
【0052】
上記酸性染料系顔料及び塩基性染料系顔料としては、例えば、オレンジII、アシットオレンジR、エオキシン、キノリンイエロ−、タ−トラジンイエロ−、アシッドグリ−ン、ピ−コックブル−、アルカリブル−等の染料を沈澱剤で沈澱させたもの、あるいはロ−ダミン、マゼンタ、マカライトグリ−ン、メチルバイオレット、ビクトリアブル−等の染料をタンニン酸、吐酒石、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン酸などで沈澱させたもの等を挙げることができる。
【0053】
上記媒染染料系顔料としては、例えば、ヒドロキシアントラキノン類の金属塩類、アリザリンマ−ダ−レ−キ等を挙げることができる。上記フタロシアニン系顔料としては、例えば、フタロシアニンブル−、スルホン化銅フタロシアニン等を挙げることができる。上記キナクリドン系顔料及びジオキサン系顔料としては、例えば、キナクリドンレッド、キナクリドンバイオレット、カルバゾ−ルジオキサンバイオレット等を挙げることができる。
【0054】
上記合成染料としては、アクリジン染料、アニリン黒、アントラキノン染料、アジン染料、アゾ染料、アゾメチン染料、ベンゾ及びナフトキノン染料、インジゴ染料、インドフェノール、インドアニリン、インダミン、ロイコ建染メ染料エステル、ナフタールイミド染料、ニグロシン、インジュリン、ニトロ及びニトロソ染料、オキサジン及びジオキサジン染料、酸化染料、フタロシアニン染料、ポリメチン染料、キノフタロン染料、硫化染料、トリ及びジアリルメタン染料、チアジン染料、キサンテン染料等を挙げることができるが、好ましくは、アニリン黒、ニグロシン染料、アゾ染料が用いられ、さらに好適なものとしては、アゾ染料のうち分子中にサリチル酸、ナフトエ酸または8−オキシキノリン残基を有し、クロム、銅、コバルト、鉄、アルミニウム等の金属と錯塩を形成するものが用いられる。上記着色剤の使用量は無溶媒樹脂混合組成物100重量部に対して1〜200重量部が好ましく、3〜150重量部が更に好ましい。
【0055】
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法において、着色樹脂溶液と混合される樹脂乳化分散液は、樹脂が乳化状態に分散されたものであって、樹脂が乳化状態に分散されたものであれば特に制限はなく、いずれのものでも良いが、例えば、樹脂を水中に強制乳化分散させた樹脂乳化分散液、乳化重合で得られる樹脂乳化分散液等が挙げられるが、保存時及び着色樹脂溶液との混合時に安定であるという観点から、乳化重合で得られた樹脂乳化分散液が好ましい。
【0056】
上記樹脂乳化分散液中の樹脂は、前記トナーの結着樹脂中の高分子量の重合体成分として使用し、トナーの結着樹脂中の低分子量の重合体成分として使用される前記樹脂溶液中の樹脂と組み合わせて使用するのが好ましい。
【0057】
前記低分子量の重合体成分として使用される樹脂溶液中の樹脂と、上記高分子量の重合体成分として使用される樹脂乳化分散液とを組み合わせてトナー用結着樹脂として使用する場合の混合割合は、樹脂溶液中の樹脂が50〜80重量部、樹脂乳化分散液の樹脂が50〜20重量部の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは、樹脂溶液中の樹脂が55〜75重量部、樹脂乳化分散液の樹脂が45〜25重量部である。樹脂溶液中の樹脂の混合割合が上記下限値未満(樹脂分散液の樹脂の混合割合が上記上限値を超える)であると、耐オフセット性は良好であるが、低温領域での定着性は不良となり、定着下限温度が上昇し好ましくない。また樹脂溶液中の樹脂の混合割合が上記上限値を超える(樹脂分散液の樹脂の混合割合が上記下限値未満)と、定着性は良好であるがホット・オフセットが発生しやすくなり、定着可能温度幅が狭くなり好ましくない。
【0058】
トナー結着樹脂中の高分子量の重合体成分として使用される樹脂乳化分散液の樹脂の分子量は、GPCの測定チャートにおける最大値を示す分子量(分子量ピーク)Mpで表すと300,000〜3,000,000が好ましく、更に好ましくは500,000〜2,000,000、特に好ましくは600,000〜1,000,000のものが使用される。上記Mpが上記下限値未満であると定着性は良好であるがホット・オフセットが発生しやすくなり定着可能温度幅が狭くなり好ましくない。更に上記高分子量の重合体成分として使用される樹脂の分子量は、重量平均分子量MWで表すと300,000以上が好ましく、更に好ましくは100,000以上、特に好ましくは50,000以上である。上記MWが上記下限値未満であると定着性は良好であるがホット・オフセットが発生しやすくなり定着可能温度幅が狭くなり好ましくない。また、必要に応じて中分子量の重合体成分を併用してよい。
【0059】
上記樹脂乳化分散液の樹脂の種類は前記トナー結着樹脂中の低分子量の重合体成分として使用される樹脂と同一のものを挙げることができる。
【0060】
上記樹脂乳化分散液の分散樹脂粒子の粒子径は0.03μm〜1μmの範囲であることが好ましい。上記分散樹脂粒子の粒子径が1μmを越えると、低分子量重合体である樹脂溶液中の樹脂との相溶分散性に劣り、得られるトナーの定着性が悪くかつ、ホット・オフセットが発生しやすくなり定着可能温度幅が狭くなり好ましくない。また、上記樹脂乳化分散液の粒子径が0.03μm未満であると、乳化重合に用いる乳化剤量の増大をまねき、得られるトナーの抵抗が低くなり好ましくない。特に樹脂溶液中の樹脂と樹脂乳化分散液の樹脂との相溶分散性は、トナーの定着性、耐久性に関わり、相溶分散性の悪いものは、定着時いわゆるホット・オフセットとコールド・オフセットが同時に発生し好ましくない。又相溶分散性の悪いものは、トナーのスペント化及び微細化が起き易く、現像剤の寿命が短かい。
【0061】
トナー結着樹脂中の高分子量の重合体成分として使用される上記の樹脂乳化分散液を、乳化重合で得る場合には、単量体、水溶性触媒、乳化剤及び重合媒体としての水を共存せしめ、重合温度に加熱することにより行われる。
【0062】
上記原材料は、全量重合槽中に添加し、重合温度に昇温して重合を進めてもよいし、その一部或いは全部を重合温度に設定した重合層に断続的或いは連続的に添加して重合を進めることができる。また、単量体は単独で重合層に添加してもよいし、予め乳化剤水溶液中に単量体を乳化し、その単量体乳化物を添加しても良い。重合温度としては触媒の分解する温度であれば特に制限はなく、いずれの温度でもよいが、一般には30〜150℃、好ましくは40〜100℃である。
【0063】
上記単量体としては、前記低分子量の重合体成分として使用される樹脂溶液中の樹脂の重合に使用される単量体のほかに、重合性の二重結合を二個以上持つ、多官能の架橋性の単量体を挙げることができ、例えばジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等の芳香族ジビニル化合物、エチレングリコ−ル・ジメタアクリレ−ト、テトラエチレングリコ−ル・ジメタクリレ−ト、1,3ブタンジオ−ル・ジメタクリレ−ト、1,6ヘキサンジオ−ル・ジアクリレ−ト、アリ−ル・メタクリレ−ト、等のジエチレン性カルボン酸エステル、N,Nジビニルアニリン、ジビニルエ−テル、ジビニルスルフイド等がある。ジビニルベンゼン、エチレングリコ−ルジメタアクリレ−ト、1,6ヘキサンジオ−ル・ジアクリレ−トが好適に使用される。また、架橋性の単量体の共重合割合は、樹脂を構成するモノマ−の内、0〜2重量%のものが好適に使用され、更に好ましくは0.01〜1重量%、特に好ましくは、0.02〜0.8重量%のものが好適に使用される。
【0064】
上記乳化重合で使用できる開始剤は、任意の従来の水溶性開始剤を使用することができる。一群の適当な開始剤は、過酸化水素、ある特定のアルキルハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、過硫酸塩、ベルエステル、ベルカーボネート、ケトンパーオキサイドおよびアゾ開始剤のようなフリーラジカル開始剤である。適当なフリーラジカル開始剤の具体的な例としては、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、tert−アミルハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)、および2,2’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)が挙げられる。フリーラジカル開始剤の使用量は、前単量体重量に基づいて0.03%〜1%の量が好ましく、0.05%〜0.8%の量が好ましく0.1〜0.5%が特に好ましい。
【0065】
水溶性過酸化物と水溶性還元剤とを組み合わせた水溶性レドックス開始剤もまた使用できる。水溶性レドックス開始剤に使用される過酸化物としては上記の過酸化物が使用でき、また還元剤としては、重亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、次亜リン酸塩、アスコルビン酸、ホルムアルデヒド−スルホキシル酸ナトリウムなどが使用できる。レドックス触媒の過酸化物の使用量は、全単量体重量に基づいて、0.03〜1%の範囲で用いられる。更に上記レドックス触媒に加えて、微量の還移金属、例えば硫酸第一鉄、モール塩硫酸銅等の併用も使用できる。
【0066】
本発明の乳化重合で使用する乳化剤としてはアニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、カチオン性乳化剤、両性乳化剤、反応性乳化剤のいずれをも使用することができ、これらの乳化剤は公知の種類の乳化剤を公知の使用方法で使用することができる。単独使用あるいは併用して使用することができる。
【0067】
上記の如く乳化重合を行い、樹脂の乳化分散液を得るが、必要に応じてアンモニア水、アミン水溶液、水酸化アルカリの水溶液等を乳化分散液に加え、pH調節してもよい。このような乳化分散液は、通常、固形分濃度が、一般に10〜70重量%の範囲内、好ましくは20〜60%、更に好ましくは30〜50%のものが好適に用いられる。粘度が通常10000cps以下、(BH型回転粘度計、25℃、20rpm;粘度測定条件以下同様)、pHは通常2〜10の範囲内であることが望ましい。
【0068】
乳化重合を行うと、一般に大部分の単量体は重合体に変化して、残存する単量体量は極わめて微量である。しかしながら、残留単量体濃度が用途によっては充分低くない場合には、例えば、1種類またはそれ以上の開始剤または還元剤の重合後の添加、蒸気あるいは空気の吹き込み等の方法により残存単量体を減少させても良い。本発明の高分子量重合体が製造される方法は、水系の乳化重合であるが、アルコール等の水溶性溶媒を併用しても良い。
【0069】
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法においては、着色樹脂溶液中、樹脂乳化分散液中、あるいは混合処理及び水除去処理を行う際に、帯電制御剤、離型剤、磁性体などのトナー添加剤を配合することができる。
【0070】
上記帯電制御剤としては、プラス用としてニグロシン系の電子供与性染料、その他、ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、4級アンモニウム塩、アルキルアミド、キレ−ト、顔料、フッ素処理活性剤等を挙げることができ、また、マイナス用として電子受容性の有機金属錯体、キレート化合物、その他、塩素化パラフィン、塩素化ポリエステル、酸基過剰のポリエステル、銅フタロシアニンのスルホニルアミン等を挙げることができる。
【0071】
上記離型剤としてはパラフィンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス及びその誘導体等が挙げられる。誘導体は、酸化物、ビニル系モノマーとのブロック共重合体、ビニル系モノマーとのグラフト変成物も含む。
【0072】
その他、アルコール、脂肪酸、酸アミド、エステル、ケトン、硬化ひまし油及びその誘導体、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、ペトロラクタムも利用できる。
【0073】
上記トナーに更に流動性向上剤を添加して用いてもよい。流動性向上剤としては、トナー粒子に添加することにより、流動性が添加前後を比較すると増加しうるものであれば、使用可能である。例えば、疎水性コロイダルシリカ微粉体、コロイダルシリカ微粉体、疎水性酸化チタン微粉体、酸化チタン微粉体、疎水性アルミナ微粉体、アルミナ微粉体、それらの混合粉体等が挙げられる。
【0074】
上記の如くして製造されたトナーは、鉄粉或いはガラスビ−ズなどより成るキャリアが前記トナ−に混合されたいわゆる二成分系現像剤を用いる現像法において、樹脂被覆層を有するキャリアを使用する現像剤に好適に用いられる。更に、二成分系現像剤のみに限定するものではなく、キャリアを用いない一成分系現像剤、例えばトナ−中に磁性粉を含有した磁性一成分トナ−、トナ−中に磁性粉を含有しない非磁性一成分トナ−についても適用できる。
【0075】
樹脂被覆層を有するキャリアとしては、一般に鉄、ニッケル、フエライト、ガラスビ−ズより成る核体粒子の表面を絶縁性樹脂の被覆層により被覆したキャリアが代表的なものであり、絶縁性樹脂材料としては、一般にフッ素樹脂、シリコン樹脂、アクリル樹脂、スチレンアクリル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリブタジエン樹脂が代表的なものとして挙げられる。本発明により得られる静電荷像現像用トナ−と樹脂被覆層を有するキャリアとを成分とする現像剤を用いた場合、キャリア粒子の表面にトナ−粒子が付着して汚染されるスペントが著しく少ない、キャリアとトナ−の摩擦帯電特性を制御することが可能であり、耐久性に優れ使用寿命が長い点で特に高速の電子写真機に好適である。また、本発明の製造方法により得られる結着樹脂以外に他のスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂等の結着樹脂を補助的にブレンドして使用してもよいが、全結着樹脂中に補助的に用いられる上記結着樹脂が占める割合は30重量%以下が好ましい。
【0076】
更に、本発明の製造方法により静電荷像現像用トナーを製造する際に、樹脂溶液又は樹脂乳化分散液又は着色剤と共に、上記の各種添加剤を配合して、直接トナーを製造することもできる。次に、第2発明について説明する。
【0077】
第2発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、樹脂乳化分散液と着色剤とからなる着色樹脂乳化分散液と、樹脂溶液とを共存せしめて混合処理を施し、それと並行して又はその後に水分除去処理を施し、無溶媒着色樹脂混合組成物を製造する工程を含むことを特徴とする製造方法である。
【0078】
第2発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、樹脂乳化分散液と着色剤とから着色樹脂乳化分散液を製造する点、及び着色樹脂乳化分散液と樹脂溶液とを混合する点で第1発明と相違している以外は、使用する樹脂乳化分散液、着色剤及び樹脂溶液は第1発明と同一のものを使用でき、且つ混合処理の方法及び装置、また水分除去処理の方法及び装置も第1発明と同一のものを採用し得る。
【0079】
上記樹脂乳化分散液と着色剤とからなる着色樹脂乳化分散液を製造する方法としては、着色樹脂乳化分散液が得られる方法であれば特に制限はなく、いずれの方法でも良いが、例えば、樹脂乳化分散液と着色剤とを撹拌、混練り等の方法により混合する方法、着色剤を分散させた水溶液で乳化重合を行う方法等が挙げられるが、容易に得られるという観点から樹脂乳化分散液と着色剤とを混合する方法が好ましい。上記混合を行う方法としては、樹脂乳化分散液と着色剤とを分散混合する方法であれば特に制限はなく、いずれの方法でもよいが、例えば、樹脂乳化分散液と着色剤とをホモジナイザー、サンドミル、ディスパー、スラッシャー等の分散装置にて分散処理を行う方法が挙げられる。ここで混合される着色剤は、粉体の状態でも、予め水媒体中に分散されたものでも良い。次に第3発明について説明する。
【0080】
第3発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、樹脂溶液、着色剤及び樹脂乳化分散液とを共存せしめて混合処理を施し、それと並行して又はその後に水分除去処理を施し、無溶媒着色樹脂混合組成物を製造する工程を含むことを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法である。
【0081】
第3発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、第1発明及び第2発明の様に予め着色樹脂溶液若しくは着色樹脂乳化分散液を調整することなしに樹脂溶液、着色剤及び乳化分散液を混合する点で、第1発明及び第2発明と相違しており、それ以外は、使用する樹脂乳化分散液、着色剤及び樹脂溶液は第1発明と同一のものを使用でき、且つ混合処理の方法及び装置、また水分除去処理の方法及び装置も第1発明と同一の方法を採用し得る。
【0082】
以下、本発明を実施例、比較例により具体的に説明する。
【実施例】
以下の実施例で使用する各試験方法を以下に説明する。
〔残存単量体測定法〕
無溶媒樹脂混合組成物中の各単量体の残存単量体量は、ガスクロマトグラフィー(GC)に、カラム(25%Thermon1000)を装着した装置を用いて、試料をクロロホルムに2.5wt%の濃度で溶解し、濾過した抽出液を3μl注入して測定を行った。なお、試料の濃度測定に際しては、各単量体の検量線より算出した。
【0083】
〔分子量測定法〕
各種樹脂の分子量分布測定は、ゲルバーミエーションクロマトグラフィー(GPC)に、カラム(東ソー(株)製:GMH×3本)を装着した装置を用いて、試料をテトラヒドロフラン(THF)の0.2wt%の濃度で溶解し、温度20℃において1ml/minの流速で測定を行った。なお、試料の分子量測定に際しては、該試料の有する分子量が、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の分子量の対数とカウント数が直線となる範囲内に包含される測定条件を選択した。
【0084】
〔粒子径測定法〕
エマルジョンの粒子径測定は、光散乱(日機装(株)製マイクロトラック)により測定した。
【0085】
製造例1
(樹脂溶液の調整)
攪拌機、加熱装置、冷却装置、温度計及び滴下ポンプを備えたオートクレーブを、窒素ガスで置換した後、内温を180℃に保持しながら、スチレン100重量部、キシレン50重量部及びジ・ターシャリー・ブチル・パーオキサイド1.5重量部を均一に混合した単量体混合溶液液を30分かけて連続的に添加し、添加終了後内部温度を180に保持しながら、更に2時間保持し、冷却して樹脂溶液を得た。得られた樹脂溶液の固形分は65%、分子量ピークMpが4,400で重量平均分子量Mwが5,000であった。
【0086】
製造例2
(樹脂乳化分散液の調整)
攪拌機と滴下ポンプを備えた容器に、脱イオン水27重量部及びアニオン性乳化剤(花王(株)製:商品名ネオゲンR)1重量部を仕込み、攪拌溶解した後、スチレン75重量部、アクリル酸n−ブチル25重量部、ジビニルベンゼン0.05重量部からなる単量体混合液を攪拌滴下し、単量体乳化分散液を得た。
【0087】
次に、攪拌機、圧力計、温度計及び滴下ポンプを備えた耐圧反応容器に、脱イオン水120重量部を仕込み、窒素置換した後、80℃に昇温し、上記単量体乳化分散液の15重量%を耐圧反応容器へ添加し、さらに、2重量%過硫酸カリウム水溶液1重量部を添加し、80℃で初期重合を行った。初期重合終了後、85℃に昇温して残りの単量体乳化分散液及び2重量%過硫酸カリウム4重量部を3時間で添加し、その後、同温度にて2時間保持し、粒子径0.13μm固形分濃度40%のスチレン系樹脂乳化分散液を得た。得られた樹脂乳化分散液は重合転換率も高く、安定に重合可能であった。樹脂乳化分散液を超遠心分離器で、樹脂を分離後、分子量を分析した結果、重量平均分子量Mwは970,000、分子量ピークMpは720,000であった。
【0088】
製造例4
(懸濁重合樹脂の調整)
撹拌機と滴下ポンプを備えた容器に、脱イオン水200重量部及びポリビニルアルコール〔(株)クラレ製:商品名PVA117〕1重量部を仕込み、撹拌溶解した後、スチレン75重量部、アクリル酸n−ブチル25重量部、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート(日本化薬(株)製:商品名カヤエステルHTP)0.15重量部からなる単量体混合液を添加した。撹拌下に単量体混合物を分散しつつ、90℃で8時間重合し、懸濁重合樹脂分散液を得た。次に、上記懸濁重合樹脂分散液からスチレン・アクリル酸ブチル共重合樹脂を分離した後、乾燥して懸濁重合樹脂を得た。得られた上記懸濁重合樹脂の平均粒子径は250μmであり、重量平均分子量Mwは 690,000、ピーク位置分子量Mpは 550,000であった。
【0089】
製造例5
(樹脂溶液の調整)
攪拌機、加熱装置、冷却装置、温度計及び滴下ポンプを備えたオートクレーブを、窒素ガスで置換した後、内温を180℃に保持しながら、スチレン100重量部、キシレン50重量部及びジ・ターシャリー・ブチル・パーオキサイド0.7重量部を均一に混合した単量体混合溶液液を30分かけて連続的に添加し、添加終了後内部温度を180℃に保持しながら、更に2時間保持し、冷却して樹脂溶液を得た。得られた樹脂溶液の固形分は65%、分子量ピークMpが4,150で重量平均分子量Mwが4,800であった。
【0090】
製造例6
(樹脂溶液の調整)
単量体混合物として、スチレン87重量部、アクリル酸n−ブチル13重量部、キシレン50重量部及びジ・ターシャリー・ブチル・パーオキサイド0.1重量部とする以外は製造例5と同様にして重合を行った。得られた樹脂溶液の固形分は65%、分子量ピークMpが10,000で重量平均分子量Mwが13,000であった。
【0091】
製造例7
(樹脂乳化分散液の調整)
単量体混合物をスチレン75重量部、アクリル酸n−ブチル15重量部、メタアクリル酸n−ブチル10重量部及び1,6−ヘキサンジオール・ジアクリレート0.1重量部の単量体混合物を使用し、乳化剤をアニオン系乳化剤(旭電化工業(株)製:商品名アクアロンHS−20)1重量部とした以外は、製造例2と同様にして重合を行い、重量平均分子量Mw880,000、分子量ピークMp670,000、粒子径0.20μm、固形分40%のスチレン系重合体樹脂乳化分散液を得た。
【0092】
実施例1
(着色樹脂溶液の調整)
製造例1で調整した樹脂溶液100重量部、カーボンブラック(三菱化学(株)製:商品名カーボンブラックMA−100)6重量部、ポリプロピレンワックス(三洋化成(株)製:商品名ビスコール550P)2重量部、ニグロシン染料(オリエント化学(株)製:商品名ボントロンN−01)2重量部をサンドミルにより20分間撹拌混合し、均一に着色剤が分散された着色樹脂溶液を得た。
(無溶媒着色樹脂混合組成物の調製)
上記着色樹脂溶液153重量部と上記製造例2で調整した樹脂乳化分散液130重量部とを図1に示した連続混練機((株)栗本鐵工所製コニーダ:商品名KRCニーダー)を用いジャケット温度200℃にて、連続的に混合操作、加熱して水分及び溶媒を蒸発による除去処理及び混練操作を行い、水分が0.1重量%以下の、均一に混合された無溶媒着色樹脂混合組成物を得た。得られた無溶媒着色樹脂混合組成物の残存単量体は95ppmであった。
【0093】
(トナーの調製)
上記無溶媒着色樹脂混合組成物を冷却後、ハンマーミルで粗砕し、次いでジェットミルで微粉砕を行った。更に得られた微粉砕粉体を風力分級機にて分級を行い5〜20μmの粒子を得た後、疎水性シリカ(日本エアロジル(株)製:商品名R−972 )0.2重量部を加えて混合し、平均粒子径9.8μmのトナーを得た。上記トナーとシリコン樹脂被覆キャリアを用いて市販の複写機の定着器に温度センサーを取り付けた複写機で複写試験を行ったところ、画像の定着は140℃から可能となり225℃においても加熱定着ロールへのトナーのオフセットによる汚れはなく100,000枚の複写後もキャリアへのトナー・スペントがなく初期と同様、汚れカブリのない鮮明な画像が得られた。
【0094】
実施例3
(無溶媒着色樹脂混合組成物の調整)
実施例1で調整した着色樹脂溶液153重量部と製造例2で調整した樹脂乳化分散液130重量部とを、プラスチック工学研究所製のコンパーチブル2軸押出機でジャケット温度200℃にて、混合処理及び加熱して減圧下で水分及び溶媒の除去処理し、水分が0.1%以下の蒸発脱水混練物を得た。得られた蒸発脱水混練物の残存単量体含有量は60ppmであった。
【0095】
(トナーの調整)
上記無溶媒着色樹脂混合組成物を使用する以外は、実施例1と同様にしてトナーを得、同様の複写試験を行ったところ、画像の定着は140℃より可能となり、225℃においてもオフセットによる汚れはなく100,000枚の複写後も初期と同様、汚れカブリのない鮮明な画像が得られた。
【0096】
比較例1
(無溶媒着色樹脂混合組成物の調整)
使用する樹脂として、実施例1で調整した着色樹脂溶液153重量部及び製造例4懸濁重合樹脂52重量部を使用する以外は全く実施例1と同様にして無溶媒着色樹脂混合組成物を調整した。水分は0.1%以下、残存単量体含有量は860ppmであった。
【0097】
(トナーの調整)
使用する樹脂として実施例1で調整した無溶媒着色樹脂混合組成物100重量部を使用する代わりに上記無溶媒着色樹脂混合組成物を100重量部を使用する以外は、全く実施例1と同様にしてトナーを得た。実施例1と同様にしてトナーを得、実施例1と同様の複写試験を行ったところ、定着可能温度が165℃と高く、210℃で加熱定着ロールへのオフセットが激しく、又、得られた画質もカブリの多いものであった。
【0098】
実施例4
(着色樹脂乳化分散液の調整)
上記製造例2で調整した樹脂乳化分散液135重量部、カーボンブラック(三菱化学(株)製:商品名カーボンブラックMA−100)8重量部、ポリプロピレンワックス(三洋化成(株)製:商品名ビスコール550P)2重量部、ニグロシン染料(オリエント化学(株)製:商品名ボントロンN−01)1重量部をサンドミルにより15分間処理し、均一に着色剤が分散された着色樹脂乳化分散液を得た。
(無溶媒着色樹脂混合組成物の調整)
上記製造例1で調整した樹脂溶液153重量部と上記着色樹脂乳化分散液130重量部とを図1に示した連続混練機((株)栗本鐵工所製コニーダ:商品名KRCニーダー)を用いジャケット温度200℃にて、連続的に混合操作、加熱して水分及び溶媒を蒸発による除去処理及び混練操作を行い、水分が0.1重量%以下の、均一に混合された無溶媒着色樹脂混合組成物を得た。得られた無溶媒着色樹脂混合組成物の残存単量体は95ppmであった。
【0099】
(トナーの調製)
上記無溶媒着色樹脂混合組成物冷却後、ハンマーミルで粗砕し、次いでジェットミルで微粉砕を行った。更に得られた微粉砕粉体を風力分級機にて分級を行い5〜20μmの粒子を得た後、疎水性シリカ(日本エアロジル(株)製:商品名R−972 )0.2重量部を加えて混合し、平均粒子径9.8μmのトナーを得た。上記トナーとシリコン樹脂被覆キャリアを用いて市販の複写機の定着器に温度センサーを取り付けた複写機で複写試験を行ったところ、画像の定着は140℃から可能となり225℃においても加熱定着ロールへのトナーのオフセットによる汚れはなく100,000枚の複写後もキャリアへのトナー・スペントがなく初期と同様、汚れカブリのない鮮明な画像が得られた。
【0100】
実施例6
(無溶媒着色樹脂混合組成物の調整)
製造例1で調整した樹脂溶液153重量部と上記実施例4で調整した着色樹脂乳化分散液130重量部とを、プラスチック工学研究所製のコンパーチブル2軸押出機でジャケット温度200℃にて、混合処理及び加熱して減圧下で水分及び溶媒の除去処理し、水分が0.1%以下の蒸発脱水混練物を得た。得られた蒸発脱水混練物の残存単量体含有量は60ppmであった。
【0101】
(トナーの調整)
上記無溶媒着色樹脂混合組成物を使用する以外は、実施例1と同様にしてトナーを得、同様の複写試験を行ったところ、画像の定着は140℃より可能となり、225℃においてもオフセットによる汚れはなく100,000枚の複写後も初期と同様、汚れカブリのない鮮明な画像が得られた。
【0102】
比較例2
(トナーの調整)
実施例4で調整した着色樹脂乳化分散液を105℃の乾燥機で乾燥した後、ハンマーミルで約1mmに粗砕して得られた着色剤が分散した高分子量重合体65重量部と、製造例1で調整した樹脂溶液100重量部とを使用した以外は実施例1と同様にしてトナーを得、同様の複写試験を行ったところ、定着可能温度が165と高く、205℃で加熱定着ロールへのオフセットが激しく、又、得られた画質もかぶりの多いものであった。
【0103】
比較例3
(着色樹脂懸濁分散液の調整)
上記製造例4で調整した懸濁重合樹脂100重量部、カーボンブラック(三菱化学(株)製:商品名カーボンブラックMA−100)6重量部、ポリプロピレンワックス(三洋化成(株)製:商品名ビスコール550P)2重量部、ニグロシン染料(オリエント化学(株)製:商品名ボントロンN−01)2重量部をヘンシェルミキサー(三井鉱山(株)製:商品名MITSUI HENSCHEL)により均一に混合し、着色剤混合懸濁重合樹脂を得た。
(無溶媒着色樹脂混合組成物の調整)
使用する樹脂として、製造例1で調整した樹脂溶液153重量部及び上記着色剤混合懸濁重合樹脂52重量部を使用する以外は全く実施例1と同様にして無溶媒着色樹脂混合組成物を調整した。水分は0.1%以下、残存単量体含有量は860ppmであった。
【0104】
(トナーの調整)
使用する樹脂として実施例1で調整した無溶媒着色樹脂混合組成物100重量部を使用する代わりに上記無溶媒着色樹脂混合組成物を100重量部を使用する以外は、全く実施例1と同様にしてトナーを得た。実施例1と同様にしてトナーを得、実施例1と同様の複写試験を行ったところ、定着可能温度が165℃と高く、210℃で加熱定着ロールへのオフセットが激しく、又、得られた画質もカブリの多いものであった。
【0105】
実施例7
(着色剤分散液の調整)
カーボンブラック(三菱化学(株)製:商品名カーボンブラックMA−100)8重量部、ポリプロピレンワックス(三洋化成(株)製:商品名ビスコール660P)2重量部、ニグロシン染料(オリエント化学(株):商品名ボントロンN−01)1重量部、乳化剤(花王(株)製:商品名ネオゲンR)0.5重量部、脱イオン水72重量部を横型グレンミル(浅田鉄鋼(株)製:商品名GMH−L)により処理することにより着色剤水分散液を得た。
【0106】
(トナーの調製)
上記製造例5で調整した樹脂溶液153重量部、上記製造例2で調整した樹脂乳化分散液130重量部及び上記着色剤分散液83.5重量部とを図1に示した連続混練機((株)栗本鐵工所製コニーダ:商品名KRCニーダー)を用いジャケット温度200℃にて、連続的に混合操作、加熱して水分及び溶媒を蒸発による除去処理及び混練操作を行い、水分が0.1重量%以下の、均一に混合された無溶媒着色樹脂混合組成物を得た。得られた無溶媒着色樹脂混合組成物の残存単量体は95ppmであった。
【0107】
(トナーの調製)
上記無溶媒着色樹脂混合組成物を冷却後、ハンマーミルで粗砕し、次いでジェットミルで微粉砕を行った。更に得られた微粉砕粉体を風力分級機にて分級を行い5〜20μmの粒子を得た後、疎水性シリカ(日本エアロジル(株)製:商品名R−972 )0.2重量部を加えて混合し、平均粒子径9.8μmのトナーを得た。上記トナーとシリコン樹脂被覆キャリアを用いて市販の複写機の定着器に温度センサーを取り付けた複写機で複写試験を行ったところ、画像の定着は140℃から可能となり225℃においても加熱定着ロールへのトナーのオフセットによる汚れはなく100,000枚の複写後もキャリアへのトナー・スペントがなく初期と同様、汚れカブリのない鮮明な画像が得られた。
【0108】
実施例8
(着色剤混合物の調整)
カーボンブラック(三菱化学(株)製:商品名カーボンブラックMA−100)8重量部、ポリプロピレンワックス(三洋化成(株)製:商品名ビスコール660P)2重量部、ニグロシン染料(オリエント化学(株):商品名ボントロンN−01)1重量部をヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株)製:商品名三井ヘンシェルミキサFM10B)により処理することにより着色剤混合物を得た。
【0109】
(無溶媒着色樹脂混合組成物の調整)
使用する樹脂原料として、製造例6で調整した樹脂溶液153重量部、製造例7で調整した樹脂乳化分散液130重量部及び上記着色剤混合物11重量部を使用する以外は全く実施例7と同様にして無溶媒着色樹脂混合組成物を調整した。水分は0.1%以下、残存単量体含有量は100ppmであった。
(トナーの調整)
使用する樹脂として実施例1で調整した無溶媒着色樹脂混合組成物100重量部を使用する代わりに上記無溶媒着色樹脂混合組成物を100重量部を使用する以外は、全く実施例1と同様にしてトナーを得た。実施例1と同様にしてトナーを得、実施例1と同様の複写試験を行ったところ、画像の定着は155℃より可能となり、230℃においてもオフセットによる汚れはなく100,000枚の複写後も初期と同様、汚れカブリのない鮮明な画像が得られた。
【0110】
実施例9
(無溶媒着色樹脂混合組成物の調整)
製造例5で調整した樹脂溶液153重量部と製造例2で調整した樹脂乳化分散液130重量部と実施例7で調整した粉体混合液83.5重量部を2本の回転軸を有する撹拌装置、加熱ジャケット及び減圧水分除去装置を備えた2軸押し出し機((株)日本製作所:商品名TEX)でジャケット温度200℃にて、混合処理及び加熱して水分除去処理し、水分が0.1%以下の無溶媒着色樹脂混合物を得た。得られたの残存単量体含有量は150ppmであった。
【0111】
(トナーの調整)
上記無溶媒着色樹脂混合組成物を使用する以外は、実施例1と同様にしてトナーを得、同様の複写試験を行ったところ、画像の定着は140℃より可能となり、225℃においてもオフセットによる汚れはなく100,000枚の複写後も初期と同様、汚れカブリのない鮮明な画像が得られた。
【0112】
比較例4
(無溶媒着色樹脂混合組成物の調整)
製造例2で調整した樹脂乳化分散液を105℃の乾燥機で乾燥した後、ハンマーミルで約3mmに粗砕して得られた高分子量重合体54重量部、製造例5で調整した樹脂溶液100重量部、実施例7で調整した着色剤分散液83.5重量部を実施例7で使用した連続混練機を使用し、実施例7と同一の方法で混合して無溶媒着色樹脂混合組成物を調整した。水分は0.1%以下、残存単量体含有量は860ppmであった。
【0113】
(トナーの調整)
使用する樹脂として実施例1で調整した無溶媒着色樹脂混合組成物100重量部を使用する代わりに上記無溶媒着色樹脂混合組成物を100重量部を使用する以外は、全く実施例1と同様にしてトナーを得た。実施例1と同様にしてトナーを得、実施例1と同様の複写試験を行ったところ、定着可能温度が165℃と高く、210℃で加熱定着ロールへのオフセットが激しく、又、得られた画質もカブリの多いものであった。
【0114】
【発明の効果】
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、樹脂溶液と着色剤とからなる着色樹脂溶液と樹脂乳化分散液との存在下若しくは、樹脂乳化分散液と着色剤とからなる着色樹脂乳化分散液と、樹脂溶液との存在下若しくは、樹脂溶液、着色剤及び樹脂乳化分散液との存在下で、混合処理を施し、それと並行又はその後に水分及び溶媒の除去処理を施し、無溶媒着色樹脂混合組成物を製造する工程を含むことを特徴とする静電荷像現像用トナーを得ることを特徴とするものである。
【0115】
本発明によれば、樹脂溶液と樹脂乳化分散液と着色剤とから均一に混合された無溶媒着色樹脂混合組成物を製造後、粉砕することにより静電荷像現像用トナーを効率的に、且つ容易に製造することができる。また、本発明の製造方法によれば、低分子量重合体、高分子量重合体及び着色剤が、均一に相溶分散した、非オフセット性、定着性、製造時の粉砕性、保存時の耐ブロッキング性(非凝集性)、像形成時の現像性等において良好であり、臭気の少ない静電荷像現像トナーを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】樹脂溶液と樹脂乳化分散液とを共存せしめ、混合処理及び水分及び溶媒の除去処理を施すのに好ましい2軸連続混練り機であり、(イ)はその平面図であり、(ロ)はその側面図である。
【符号の説明】
1.パドル
2.回転軸
3.モーター
4.材料の投入口
5.混合生成物の排出口
6.加熱ジャケット
7.蒸発口

Claims (6)

  1. 2軸連続混練機を用いて、スチレン系樹脂溶液と着色剤とからなる着色樹脂溶液と、乳化重合で得られたスチレン系樹脂乳化分散液との存在下で、上記樹脂溶液中の樹脂のガラス転移点以上の温度で混合処理を施し、それと並行して該混練機のジャケット温度を120〜300℃に設定し、投入口から排出口までの滞留時間を1〜60分に設定して、上記混合処理によって生成した組成物から水分及び溶媒を蒸発により除去する水分及び溶媒の除去処理を施し、無溶媒着色樹脂混合組成物を製造する工程を含むことを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
  2. 2軸連続混練機を用いて、乳化重合で得られたスチレン系樹脂乳化分散液と着色剤とからなる着色樹脂乳化分散液と、スチレン系樹脂溶液との存在下で、上記樹脂溶液中の樹脂のガラス転移点以上の温度で混合処理を施し、それと並行して該混練機のジャケット温度を120〜300℃に設定し、投入口から排出口までの滞留時間を1〜60分に設定して、上記混合処理によって生成した組成物から水分及び溶媒を蒸発により除去する水分及び溶媒の除去処理を施し、無溶媒着色樹脂混合組成物を製造する工程を含むことを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
  3. 2軸連続混練機を用いて、スチレン系樹脂溶液、着色剤及び乳化重合で得られたスチレン系樹脂乳化分散液の存在下で、上記樹脂溶液中の樹脂のガラス転移点以上の温度で混合処理を施し、それと並行して該混練機のジャケット温度を120〜300℃に設定し、投入口から排出口までの滞留時間を1〜60分に設定して、上記混合処理によって生成した組成物から水分及び溶媒を蒸発により除去する水分及び溶媒の除去処理を施し、無溶媒着色樹脂混合組成物を製造する工程を含むことを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
  4. 上記樹脂溶液が溶液重合で得られた樹脂溶液である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 上記樹脂溶液中の樹脂の重量平均分子量が1,000 200,000 のスチレン系樹脂であり、上記樹脂乳化分散液中の樹脂の重量平均分子量が50,000以上であるスチレン系樹脂である請求項1〜のいずれかに記載の製造方法。
  6. 上記混合処理及び水分及び溶媒の除去処理の後に、混練処理を更に含む請求項1〜のいずれかに記載の製造方法。
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