JP3543641B2 - 体積変調型発色材料、体積変調型発色組成物、それを用いた光学素子、及び光変調方法 - Google Patents

体積変調型発色材料、体積変調型発色組成物、それを用いた光学素子、及び光変調方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は発色材料技術に関するもので、特に外部刺激によって可逆的な発色・消色が可能な発色材料、発色組成物、これらを用いた光学素子及びその光変調方法に関するものである。本発明の発色材料は画像の表示や各種の記録用途、光の透過量を任意に制御することが可能な調光素子、調光ガラス等の光学素子、あるいはセンサー等の機能素子として広く利用可能なものに関する。
【0002】
【従来の技術】
表示、記録、調光やセンサーへの応用を目的とした可逆的に色や色濃度を呈示する発色材料やその技術として種々のものが知られている。例示すれば、電気的に可逆的に発色・消色するエレクトロクロミック材料、光により可逆的に発色・消色するフォトクロミック材料、熱によって可逆的に発色・消色するサーモクロミック材料、ロイコ染料とそれを可逆的に発色させる顕減色剤を組み合わせた材料(特開平2-188294号公報、特公平7-65037号公報に開示)、さらには2色性色素と液晶とのいわゆるゲスト−ホスト型液晶やその表示素子、コレステリック液晶の選択反射を利用する方法、液晶の複屈折変調(波長分散)を利用する方法などがある。
【0003】
また、pH、イオン強度、物質の吸着、溶液組成の変化、熱、光、電流、電界、によって可逆的に体積変化(膨潤、収縮)を起こす高分子ゲル材料(刺激応答性高分子ゲルと呼ぶ)を利用して光の透過量や光散乱を制御することで色表示を行なう技術も知られている。例えば、特開昭61-149926号公報では電場の作用で液体を吸脱する高分子ゲルと顔料を液体中に分散した着色液体とを組み合わせた組成物からなる光学素子が提案され、高分子ゲルの形状の変化によって着色液体を移動させて表示を行なう技術が開示されている。また、特開昭61-151625号公報では、着色した高分子ゲルを用いてその膨潤時に光学濃度が低下し、高分子ゲルの収縮時には着色することを用いた素子が提案されている。特開昭62-925号公報では温度変化によって液体を吸脱する高分子ゲルの光散乱性の変化によって表示を行なう素子が提案されている。特開平4-274480号公報では染料を結合した高分子ゲルを用いて、その体積変化によって光学濃度を変化させて表示を行なう素子が提案されている。さらには、特開平9−160081号では高分子ゲルの形状変化を利用して表示を行う素子が提案されている。
【0004】
従来の発色材料やその技術において、エレクトロクロミック材料はフルカラー化が困難であること、耐久性や発色速度が遅い問題がある。フォトクロミック材料やサーモクロミック材料はフルカラー化が困難である、発色状態を長時間保持できない、耐久性が低いなどの課題がある。ロイコ染料とそれを可逆的に発色させる顕減色剤を組み合わせた材料は再使用可能な感熱記録紙として検討されているが、発色時の安定性、耐久性や発色濃度が低いという課題がある。
【0005】
2色性色素と液晶とのいわゆるゲスト−ホスト型液晶やその表示素子、コレステリック液晶の選択反射を利用する方法、液晶の複屈折変調(波長分散)を利用する方法などは反射型表示素子として応用検討されているが、コントラストが低い、視野角が狭い、高価であるなどの課題がある。
【0006】
一方、刺激応答性高分子ゲルを利用して光の透過量や光散乱を制御することで表示等を行なう技術において、特開昭61-149926号公報の電場の作用で液体を吸脱する高分子ゲルと着色液体とを組み合わせた組成物からなる光学素子では、高分子ゲルに色素が混入しないことが求められるが、実際には繰り返しによって着色液体が高分子ゲルに混入して高分子ゲルを汚染しコントラストを低下させる恐れがあり、さらには比較的大きな高分子ゲルを利用するために応答速度が遅いという問題がある。
【0007】
また、特開昭61-151625号公報では、着色した高分子ゲルを用いてその膨潤時に光学濃度が低下し、収縮時には着色することを利用した素子構成が提案されているが、本明細書に記載の色素濃度では十分なコントラストが得られない問題がある。また、特開昭62-925号公報では温度変化によって液体を吸脱する高分子ゲルの光散乱性の変化によって表示を行なう素子が提案されているが、これは光散乱を利用するためにカラー表示が困難であり、かつコントラストが低い問題がある。
【0008】
特開平4-274480号公報では染料を結合した高分子ゲルを用いて、その体積変化によって光学濃度を変化させて表示を行なう素子が提案されているが、この材料においても本明細書に記載の色素濃度ではコントラストが低く、コントラストを高くするために染料濃度を高くすると、高分子ゲルが変性してしまい応答特性が低下してしまう恐れがあり、また、染料を用いるので耐光性などの耐久性に乏しいという問題もある。特開平9-160081号公報では高分子ゲルの形状変化を利用して表示を行なう素子が提案されているが、この材料構成は非常に複雑でありその製造に多大のコストを要する問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第1の目的は、従来の発色材料、特に可逆的発色材料の課題を解決せんとするもので、従来とは全く異なる新規な原理に基づき、コントラストが高く、耐久性に優れ、かつ応答性に優れた光学素子を構成するのに好適な体積変調型発色材料を提供することにある。
本発明の第2の目的は、上記の特性を有する体積変調型発色材料を用いた体積変調型発色組成物を提供することにある。
本発明の第3の目的は、上記の体積変調型発色組成物を用いた光学素子を提供することにある。
本発明の第4の目的は、上記の光学素子による光変調方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記した第1の目的は、刺激の付与による液体の吸脱により膨潤、収縮する高分子ゲル中に飽和吸収濃度以上の顔料を含有してなることを特徴とする体積変調型発色材料、あるいは刺激の付与による液体の吸脱により膨潤、収縮する高分子ゲル中に顔料を含有してなる発色材料であって、高分子ゲルが収縮した状態において高分子ゲル中に前記顔料が飽和吸収濃度以上となるように含有されていることを特徴とする体積変調型発色材料によって達成される。
【0011】
上記した第2の目的は、刺激の付与による液体の吸脱により膨潤、収縮する高分子ゲル中に飽和吸収濃度以上の顔料を含有してなる体積変調型発色材料と、前記液体とを含有することを特徴とする体積変調型発色組成物、あるいは刺激の付与による液体の吸脱により膨潤、収縮する高分子ゲル中に顔料を含有してなる発色材料であって、高分子ゲルが収縮した状態において高分子ゲル中に前記顔料が飽和吸収濃度以上となるように含有されている体積変調型発色材料と、前記液体とを有することを特徴とする体積変調型発色組成物によって達成される。
【0012】
上記した第3の目的は、一対の基板間に刺激の付与による液体の吸脱により膨潤、収縮する高分子ゲル中に高分子ゲル中に飽和吸収濃度以上の顔料を含有してなる体積変調型発色材料と、前記液体を保持してなるセルと、を含有することを特徴とする光学素子、あるいは一対の基板間に刺激の付与による液体の吸脱により膨潤、収縮する高分子ゲル中に顔料を含有してなる発色材料であって、高分子ゲルが収縮した状態において高分子ゲル中に前記顔料が飽和吸収濃度以上となるように含有されている体積変調型発色材料と、前記液体とを保持してなるセルと、を有することを特徴とする光学素子によって達成される。
【0013】
上記した第4の目的は、液体の吸脱により膨潤、収縮する高分子ゲル中に飽和吸収濃度以上の顔料を含有してなる体積変調型発色材料と、前記液体とを有する体積変調型発色組成物への刺激の付与により、前記発色材料を膨潤または収縮させることで前記体積変調型発色組成物の光学濃度を変化させることを特徴とする光変調方法、あるいは液体の吸脱により膨潤、収縮する高分子ゲル中に顔料を含有してなる発色材料であって、高分子ゲルが収縮した状態において高分子ゲル中に前記顔料が飽和吸収濃度以上となるように含有されている体積変調型発色材料と、前記液体とを有する体積変調型発色組成物への刺激の付与により、前記発色材料を膨潤または収縮させることで前記体積変調型発色組成物の光学濃度を変化させることを特徴とする光変調方法によって達成される。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の体積変調型発色材料の基本構成は、外部刺激によって体積変化(膨潤・収縮)する高分子ゲルに顔料を含有させた発色材料およびこの発色材料と液体との組成物からなる。
本発色材料は、液体の存在下で、pH変化、イオン濃度変化、化学物質の吸脱着、溶液組成の変化、光の付与、熱の付与、電界の付与、磁界の付与などの外部刺激によって液体を吸収、放出し体積変化(膨潤・収縮)する性質をもち、それによって組成物が光を吸収する面積が変化する、および色材の光吸収能が変化することによって光吸収効率が変わり、光学濃度が変化し発色する特性をもつものである。該発色材料中に含まれる顔料は、該材料の膨潤時には拡散状態をとり、収縮時は凝集状態をとることが望ましい。このような顔料の拡散、凝集によって各状態における該材料に含まれる色材としての顔料の光吸収能が変化し色濃度を変化させることができる。特に、発色材料の膨潤状態の光吸収効率が、収縮時に比べて高いことが望ましい。これは、発色材料の膨潤時における含有される色材としての顔料の光を吸収する能率が収縮時に比べてより大きくなることを示している。
【0015】
このような、特性を得るためには、特定の刺激応答体積変化量をもつ高分子ゲルを用いたり、発色材料中の顔料濃度を特定濃度とする、あるいは特定の種類の顔料を選択することで達成される。
本発色材料は上記のような原理で、ほぼ無色の状態から幅広い濃度で発色させることができ、しかも、発色を可逆的に、かつ段階的に行なうこともできる。
カメレオンや魚類などの変色生物は、その皮膚内に色素細胞を有し、神経刺激によって細胞の大きさが変化し、その内部に存在する顆粒色素(メラニンなどの顔料)が拡散、凝集することによって色を変化させることが知られている。本発明はこのような色素細胞の発色原理を人工的に模倣した新規発色方法とそれを実現するための材料技術である。
【0016】
以下、本発明の材料技術について詳細に説明する。
本発明の発色材料に使用可能な高分子ゲルとしては、pH変化、イオン濃度変化、化学物質の吸脱着、溶液組成の変化、光の付与、熱の付与、電界の付与、磁界の付与などの刺激によって液体を吸脱し体積変化(膨潤・収縮)する刺激応答性高分子ゲルが好ましい。また、刺激応答性高分子ゲルは、可逆的に体積変化するものが好ましい。
【0017】
次に刺激応答性高分子ゲルをより具体的に説明する。
電極反応などによるpH変化によって刺激応答するものとしては、電解質系高分子ゲルが好ましく、ポリ(メタ)アクリル酸の架橋体やその金属塩、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどとの共重合体の架橋体やその金属塩、マレイン酸と(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどとの共重合体の架橋体やその金属塩、ポリビニルスルホン酸の架橋体やビニルスルホン酸と(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどとの共重合体の架橋体、ポリビニルベンゼンスルホン酸の架橋体やその金属塩、ビニルベンゼンスルホン酸と(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどとの共重合体の架橋体やその金属塩、ポリアクリルアミドアルキルスルホン酸の架橋体やその金属塩、アクリルアミドアルキルスルホン酸と(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどとの共重合体の架橋体やその金属塩、ポリジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドの架橋体やその塩酸塩、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドと(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどとの共重合体の架橋体やその金属塩や塩酸塩、ポリジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドとポリビニルアルコールとの複合体の架橋体やその塩酸塩、ポリビニルアルコールとポリ(メタ)アクリル酸との複合体の架橋体やその金属塩、カルボキシアルキルセルロース金属塩の架橋体、ポリ(メタ)アクリロニトリルの架橋体の部分加水分解物やその金属塩などが挙げられる。より好ましくは、ポリ(メタ)アクリル酸の金属塩の架橋体、(メタ)アクリル酸の金属塩と(メタ)アクリルアミドの共重合体の架橋体、マレイン酸と(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどとの共重合体の架橋体やその金属塩、ポリビニルアルコールとポリ(メタ)アクリル酸との複合体の架橋体やその金属塩が挙げられる。
【0018】
電界による界面活性剤などの化学物質の吸脱着によって刺激応答するものとしては、強イオン性高分子ゲルが好ましく、ポリビニルスルホン酸の架橋体やビニルスルホン酸と(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどとの共重合体の架橋体、ポリビニルベンゼンスルホン酸の架橋体やビニルベンゼンスルホン酸と(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどとの共重合体の架橋体、ポリ(メタ)アクリルアミドアルキルスルホン酸の架橋体や(メタ)アクリルアミドアルキルスルホン酸と(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどとの共重合体の架橋体などが挙げられ、より好ましくは、ポリビニルスルホン酸の架橋体、ポリビニルベンゼンスルホン酸の架橋体、ポリ(メタ)アクリルアミドアルキルスルホン酸の架橋体などが挙げられる。これらの高分子ゲルと、n−ドデシルピリジニウムクロライドなどのアルキルピリジン塩、アルキルアンモニウム塩、フェニルアンモニウム塩、テトラフェニルホスホニウムクロライドなどのホスホニウム塩などカチオン性界面活性剤とを組み合わせることで使用される。
【0019】
電気による酸化・還元によって刺激応答するものとしては、カチオン性高分子ゲルと電子受容性化合物とのCT錯体(電荷移動錯体)が好ましく、ポリジメチルアミノプロピルアクリルアミドなどのポリ〔N−アルキル置換アミノアルキル(メタ)アクリルアミド〕の架橋体、ポリジメチルアミノエチルアクリレート、ポリジエチルアミノエチルアクリレートなどのポリ(メタ)アクリル酸N−アルキル置換アルキルエステルの架橋体、ポリスチレンの架橋体、ポリビニルピリジンの架橋体、ポリビニルカルバゾールの架橋体、ポリジメチルアミノスチレンの架橋体などが挙げられる。より好ましくは、N−アルキル置換アルキル(メタ)アクリルアミドの架橋体が挙げられる。これらの高分子ゲルと、ベンゾキノン、7,7,8,8-テトラシアノキノジメタン(TCNQ)、テトラシアノエチレン、クロラニル、トリニトロベンゼン、無水マレイン酸やヨウ素などの電子受容性化合物とを組み合わせることで使用される。
【0020】
熱の付与によって刺激応答するものとしては、LCST(下限臨界共融温度)をもつ高分子の架橋体や互いに水素結合する2成分の高分子ゲルのIPN(相互侵入網目構造体)などが好ましい。前者は、高温において収縮し、後者は逆に高温で膨潤する特性をもっている。前者の具体的に化合物としては、ポリN−イソプロピルアクリルアミドなどの〔N−アルキル置換(メタ)アクリルアミド〕の架橋体やN−アルキル置換(メタ)アクリルアミドと(メタ)アクリル酸およびその金属塩、または(メタ)アクリルアミド、または(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどの2成分以上の共重合体の架橋体、ポリビニルメチルエーテルの架橋物、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのアルキル置換セルロース誘導体の架橋体などが挙げられる。一方、後者の化合物としては、ポリ(メタ)アクリルアミドの架橋体とポリ(メタ)アクリル酸の架橋体からなるIPN体およびその部分中和体(アクリル酸単位を部分的に金属塩化したもの)、ポリ(メタ)アクリルアミドを主成分とする共重合体の架橋体とポリ(メタ)アクリル酸の架橋体からなるIPN体およびその部分中和体などが挙げられる。より好ましくは、ポリ〔N−アルキル置換アルキルアミドの架橋体、ポリ(メタ)アクリルアミドの架橋体とポリ(メタ)アクリル酸の架橋体とのIPN体およびその部分中和体などが挙げられる。
【0021】
光の付与によって刺激応答するものとしては、トリアリールメタン誘導体やスピロベンゾピラン誘導体などの光によってイオン解離する基を有する親水性高分子化合物の架橋物が好ましく、ビニル置換トリアリールメタンロイコ誘導体とアクリルアミドとの共重合体の架橋物などが挙げられる。より好ましくは、ビニル置換トリアリールメタンロイコ誘導体とアクリルアミドとの共重合体の架橋体などが挙げられる。
【0022】
溶液の組成変化やイオン強度の変化によって応答するものとしては、特に大きな体積変化が得られるものとして好ましいものには、前記した電解質系高分子ゲルが挙げられる。
上記に挙げた、刺激応答性高分子ゲルの中で特に好ましいものとしては、pHの変化によって応答(膨潤・収縮)する、ポリ(メタ)アクリル酸の金属塩の架橋体、(メタ)アクリル酸の金属塩と(メタ)アクリルアミドの共重合体の架橋体、界面活性剤などの化学物質の吸脱着により応答するポリ(メタ)アクリルアミドアルキルスルホン酸の架橋体、酸化・還元によって応答するN−アルキル置換アルキル(メタ)アクリルアミドの架橋体、熱の付与により応答するポリ〔N−アルキル置換(メタ)アクリルアミド〕の架橋体、ポリ(メタ)アクリルアミドの架橋体とポリ(メタ)アクリル酸の架橋体とのIPN体およびその部分中和体などが挙げられる。これらの材料を用いることで、実用的な表示素子や調光素子などの光学素子を得ることができる。
【0023】
刺激応答性高分子ゲルの体積変化量は大きいことが好ましく、膨潤時および収縮時の体積比が5 以上、好ましくは10以上、より好ましくは15以上のものである。この体積比が5 未満であると、高分子ゲルの膨潤・収縮の差が小さくなり、高分子ゲルの膨潤・収縮に伴う顔料の分散状態および凝縮状態が得られにくくなり、光学素子等としてのコントラストが不十分となる。
【0024】
高分子ゲル粒子内に含有される顔料としては、無機系顔料、有機系顔料などが好ましい。具体例としては、酸化チタンなどの金属酸化物、ブロンズ粉、カーボンブラックやアントラキノン系、アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ペリレン系、インジゴ系などの各顔料などが挙げられ、特に光吸収係数が高いものが望ましい。また、顔料の、その好ましい粒径は、1次粒子の平均粒径で0.001μm〜1μmのものが好ましい。特に好ましい粒径は0.01μm〜0.5μmのも
のである。これは粒径が0.01μm以下では高分子ゲルからの溶出が起こりやすく、また、0.5μm以上では発色濃度が低下する恐れが生じるためである。
【0025】
また、これらの色材において、分子内に酸基、水酸基、アミノ基、チオール基、ハロゲン、ニトロ基、カルボニル基など極性基をもち、高分子ゲル内において色材濃度が高い場合に凝集体を形成しやすい特性のものも好ましく使用される。
【0026】
本発明では、顔料は高分子ゲル中に含有され、高分子ゲルから溶出しないことが好ましい。顔料の溶出を防止するためには、使用する高分子ゲルの網目よりも大きな粒径の顔料を用いること、高分子ゲルとの電気的、イオン的、その他物理的な相互作用が高い顔料を用いること、表面を化学修飾した顔料を用いることが好ましい。表面を化学修飾した顔料としては例えば、表面にビニル基などの不飽和基や不対電子(ラジカル)などの高分子ゲルとの化学結合する基を導入したものや、高分子材料をグラフトした顔料などが挙げられる。
【0027】
高分子ゲル中に含有される顔料の量は、飽和吸収濃度以上の濃度が必要である。ここで、飽和吸収濃度以上とは、一般的な高い吸収係数を有する顔料を用いる場合において高分子ゲルが収縮した、すなわち外的刺激によりほとんど液体を吸収していない状態の高分子ゲル(あるい乾燥状態の高分子ゲル)中における、一つの指標として各々の顔料粒子同士の平均間隔が
(1/2)・λ・・・・・(1) 〔λ:光の波長〕
以下となるように含有されている状態であることをいう。
【0028】
高分子ゲルにおいてこのような間隔で顔料粒子が含有されている状態を形成すると、波長λの光が顔料粒子間に侵入できなくなるため顔料粒子の光吸収の働きが1粒子的なものから、集合体的なものに変化し、光吸収の効率が変化するものとなる。このように顔料粒子が集合体的な光吸特性を示す状態になる状態を飽和吸収濃度以上の顔料を含む状態と呼ぶ。
また、飽和吸収濃度以上という定義を別の特性で表現すれば、特定の光路長のもとにおける顔料濃度と光学濃度(あるいは光吸収量)の関係が1次直線の関係から大きく乖離するような顔料濃度である。
したがって、可視光の波長に対して、飽和吸収濃度以上になるためには、可視光波長λは400nm〜800nmの範囲であるので、乾燥状態の高分子ゲル中で、顔料粒子の間隔は、0.2μm以下となることが好ましい。
また、顔料粒子と高分子ゲルとの比重が同一であり、かつ、顔料粒子の平均粒径が0.1μm以下である場合には、飽和吸収濃度以上となるためには、顔料の好ましい濃度としては、顔料が乾燥状態の高分子ゲル中に約3重量%以上含有されることが1つの目安となる。
しかしながら、これは1つの目安であって、顔料の粒径や吸光係数によって種々変化するものである。
【0029】
このような飽和吸収濃度以上の状態を実現するためには、顔料の吸光係数にも依存するが発色材料に含有させる顔料濃度は一般に5重量%〜95重量%の範囲が好ましく、より好ましくは10重量%〜95重量%の範囲である。顔料の濃度が5重量%以下であると、飽和吸収濃度以上とはならず発色材料の体積変化による色濃度変化が現れなくなり、さらに十分なコントラストを得るためには発色層の厚みが厚くなるなどの問題が生じ、一方、顔料の濃度が95重量%以上の場合、高分子ゲルの膨潤・収縮が応答よく進行しにくくなり、発色材料の刺激応答特性や体積変化量が低下してしまう恐れがある。
【0030】
本発色材料は、架橋前の高分子に顔料を均一に分散、混合した後に架橋する方法や重合時に高分子前駆体モノマ組成物に顔料を添加して重合する方法によって製造することができる。重合時において顔料を添加する場合には前記したように重合性基や不対電子(ラジカル)をもつ顔料を使用し、化学結合することも好ましい。
また、顔料は本発色材料中に極力均一に分散されていることが好ましい。特に、高分子への分散に際して、機械的混練法、攪拌法やあるいは分散剤などを利用して均一に分散させることが望ましい。
【0031】
本発明の発色材料の利用形態には特に制限はなく粒子状、ブロック状、フイルム状、不定形状、繊維状など種々ものが使用可能である。なかでも特に、粒子状の形態は、発色性、応答性が高いことや応用範囲が広いなどの特徴から特に好ましい。粒子状における形態にも特に限定はないが、球体、楕円体、多面体、多孔質体、繊維状、星状、針状、中空状などのものが適用できる。また、粒子の場合の好ましい大きさは平均粒径で0.01μm〜5mmの範囲、より好ましくは0.01μm〜1mmの範囲である。粒径が0.01μm以下であると、粒子のハンドリングが困難になる、優れた光学特性が得られないなどの問題を生じる。一方、粒径が5mm よりも大きくなると、体積変化に要する応答速度が大幅に遅くなってしまうなどの問題を生じる。
【0032】
また、これらの粒子は高分子ゲルを物理的粉砕法によって粉砕する方法や架橋前の高分子を化学的粉砕法によって粒子化した後に架橋してゲルとする方法、あるいは乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法などの粒子化重合法などの一般的な方法によって製造することができる。
また、発色材料の刺激応答による体積変化特性をより高速にするために、高分子ゲルの従来技術と同様に材料を多孔質化して液体の出入りを向上させることも好ましい。一般に膨潤した顔料を含有する高分子ゲルを凍結乾燥する方法で多孔質化することができる。
【0033】
本発明の発色材料はこれに吸収可能な液体の存在下において、前記したような刺激を与えることで体積を種々変化させることができる。
例えば、熱応答性高分子ゲルを用いる場合は、光、熱などの放射熱の付与によって、電気応答型高分子ゲルの場合は電極反応によるpH変化や電界によるイオン吸着や静電作用によって、光応答性高分子ゲルの場合は光の付与による内部構造変化によって液体を吸収、放出させることで体積を大きく変化させることができる。この時使用可能な液体としては、特に制約はないが、好ましくは、水、電解質水溶液、アルコール、ケトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホオキシド、アセトニトリル、プロピレンカーボネートなどやキシレン、トルエンなどの芳香族系溶媒およびそれらの混合物が使用できる。また、液体には高分子ゲルに吸脱する界面活性剤、溶液のpH変化を促進するためのビオロゲン誘導体などの酸化還元剤、酸、アルカリ、塩、および分散安定剤、酸化防止や紫外線吸収などの安定剤などを添加しても構わない。
【0034】
以上の特性から、本発明の発色材料は液体との組成物として使用することが好ましい。この時、利用可能な液体としては、前記した高分子ゲルが吸収可能な液体が好ましい。顔料を含有する高分子ゲルと液体との好ましい組み合わせにおいて、本発明で使用される液体としては、ゲルを構成するポリマー(架橋していない)を溶解可能な液体(ゲルに対して親和性がよい液体)が好ましい。例えば、イオン性の高分子ゲルの場合には、液体としては、水、アルコールまたは水とアルコールと混合物や水系電解質等が好ましく、また、高分子ゲルが、カチオン性の高分子ゲルと電子受容性化合物とのCT錯体(電荷移動錯体)ではゲルが水不溶性であり、この場合には、液体としては、非水系の有機溶媒系が好ましい。
なお、組成物としての発色材料と液体との好ましい混合比の範囲は重量比で1:2000〜1:1(発色材料:液体)である。
【0035】
本発明の顔料と刺激応答性高分子ゲルから構成される発色材料は、その体積変化によって光を吸収する面積が変化すること、および内部に含まれる顔料が拡散・凝集することでその光吸収能が変化し、それによって材料の光吸収効率が変化することで色濃度を種々変化させることができる。つまり、材料に刺激を与えることによってその体積を変化させること、体積変調によって色濃度を種々に変化させることが可能であり、新規な発色手段となる。また、このような色濃度の変化は可逆的にも、非可逆的に行なうことも可能であり、従来知られていない新規なものである。発色のために付与する刺激としては、光、電界、磁界、熱、pH変化、イオン濃度変化、塩の添加、溶液組成の変化、化学物質の吸脱着などが利用できる。
【0036】
この発色原理について図1を用いて説明する。
図1(a)は膨潤状態の本発明の発色材料を粒子状形態としてあらわしたものである。図中、顔料10は構成材料である高分子ゲルの液体膨潤体12中に均一に拡散、分散されていることが好ましい。均一に分散されていることで、顔料12は光14を効率良く吸収し発色材料の光吸収効率は高くなる。一方、図1(b)は収縮状態をあらわす。図中、高分子ゲルが収縮することで光を吸収する面積が小さくなり、光吸収量が低下する。さらに顔料10は高分子ゲルの体積収縮によって顔料密度が高まり、顔料の凝集が引き起こされる。これによって、飽和吸収濃度以上の顔料濃度となり、顔料の単位量当たりの光吸収量が低下し、結果として発色材料の光吸収効率が低下する。つまり、顔料が凝集することによって一定以上大きさの凝集体を形成すると、凝集体の表面に存在する顔料10Aは光を吸収するが凝集体内部の顔料10Bは光吸収に関与しなくなり、顔料の単位量当たりの光吸収量が低下してしまうと考えられる。また、高分子ゲルが収縮すると不均一な構造を形成し膨潤時に比べて光散乱性が高まることも知られ、特に高分子ゲルの表面における光散乱によって顔料の光吸収能力や色純度を低下させる作用も考えられる。これらの作用が複合化されて高分子ゲルの膨潤時と収縮時で大きな光吸収量の差が生じ、これによって色濃度が変化するものと考えられる。つまり、顔料を含有する高分子ゲルからなる材料の体積変化によって発色濃度を種々制御することができる。また、本発色材料では、その体積を段階的に変化させることが可能であり、これによって種々光学濃度の中間色を表現することも可能である。
【0037】
本発明の体積変調型発色組成物は、光学素子として利用することが可能である。光学素子としては2枚の基板間に本発明の組成物を挟持、封入した構成が好ましい。この構成の素子においては、光、熱、電場や磁場などの刺激を付与することで発色材料を応答させて光学的な変調を行なうことができる。
【0038】
また、これらの刺激は、自然界の刺激でも人為的な刺激でも構わない。光、熱などの自然界の刺激を用いる場合は、前記した素子構成のままで調光ガラスやセンサーに使用可能である。一方、人為的な刺激を用いる場合は、素子内部に熱、光、電気的刺激や磁気的刺激を付与するための刺激付与手段を設ける、あるいは素子外部に熱(放射熱)、光(LED、レザー光など)、電気的刺激や磁気的刺激を付与する手段を設けることが好ましい。
【0039】
また、光学素子としてのより好ましい構成を図2に示す。図2の光学素子は、発色材料と液体とからなる体積変調型発色組成物20を一対の刺激付与手段22を設けた基板24間をスペーサー26を介して挟持した構成からなり、この図では、発色状態(高分子ゲルが膨張している状態)を示している。
基板24としてはポリエステル、ポリイミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリスルフォン、ポリカーボネート、ポリエーテルなどのフイルムや板状基板、ガラス基板、金属、セラミックなどが使用可能である。
【0040】
一方、刺激付与手段22としては、電気的手段や発熱手段が好ましい。電気的手段の場合は、金属膜からなる電極、導電性高分子からなる電極、高分子と金属粒子からなる電極などが好ましい。発熱手段としては、前記電極とNi−Cr化合物などに代表される金属、金属酸化物やカーボンなどの発熱抵抗体を組み合わせたものが好ましい。なお、調光ガラスなどの調光素子の場合には、刺激が外部刺激、例えば、外気温度、光などであるため、刺激付与手段22を基板表面に設けなくてもよい。
【0041】
電気的手段を設けた場合には前記のpH変化により応答する高分子ゲル、界面活性剤などの化学物質の吸脱着により応答する高分子ゲル、酸化・還元によって応答する高分子ゲルが組成物として好ましく使用される。また、発熱手段を設けた場合には、前記の熱応答性高分子ゲルが好ましく使用される。さらに、外部から光を照射する構成の場合は、前記の光応答性高分子ゲルが好ましく使用される。
【0042】
光学素子を構成する場合の本発明の体積変調型発色組成物20の層厚みの好ましい範囲は1μm〜500μm、より好ましくは2μm〜200μmの範囲である。
1μmよりも小さいと、発色濃度が低くなり所望のコントラストを得ることができず、500μm以上では応答特性が低下する恐れがある。
本光学素子では、単一色の発色材料を用いても複数色の発色材料を用いて構成しても構わない。複数色を用いる場合は、光学素子の平面上に着色高分子ゲルと顔料との組合わせが異なる複数異なる色を発色するセグメントを設けることでフルカラーの発色や表示を行なうことも可能である。
【0043】
本光学素子は光の透過量を調節する調光素子やフィルター、さらには画像を表示する表示素子などに利用することが可能である。また、溶液の組成変化により応答する高分子ゲルを用いた場合には、例えば、この高分子ゲルを所定の溶媒を検知するための部位に配置すると、目的の溶液(化学物質)がこの高分子ゲルに接触した時に色濃度が変化するためにこれを光学的に検知することでセンサーとして利用することも可能である。
【0044】
【実施例】
実施例1
色材を含有した高分子ゲルの粒子を以下に示すような方法によって製造した。高分子ゲルの前駆体としてカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩(第一工業製薬製:BS-H)5.0gを用い、これに水酸化ナトリウム0.6gおよび蒸留水50mlを加えて攪拌した。この粘稠溶液に一次粒子の平均粒子径が約0.1μmのフタ
ロシアニン系青色顔料5.0gを添加し、よく攪拌して混合した。さらに架橋剤としてエピクロロヒドリン0.7gを混合し、溶液を60℃で5時間加熱し、ゲル化させた。生成した着色高分子ゲル塊をホモジナイザーで粉砕後、大量の蒸留水中に投入し、これをろ過する操作を繰り返すことで精製を行なった。その後、大量のメタノールを用いて脱水し、乾燥させた。
得られた高分子ゲルの粗粒子を、さらに粉砕機を用いて微粒子化し、粗大粒子を除去することで、乾燥時の平均粒径が10μmの着色粒子を得た。
この着色粒子の純水吸水量は約200g/gであった。また、本粒子はpH変化、塩や有機溶剤の添加によって可逆的に膨潤・収縮させることができ、収縮時に比べて粒子径が約4倍程度、すなわち、体積が64倍程度の変化が得られた。
【0045】
この粒子を一定濃度(0.12g/l)で含む水分散溶液を調製し、これを光路長1cmの分光光度測定装置用セルに入れ、純水(中性)による膨潤時、および微量の酸を添加しpH3.0の酸性に調整した収縮時の各光学濃度(λ=600nm)を測
定した結果、膨潤時は約1.6、収縮時は約0.16であり大きく光学濃度が変化することが分かった。顔料の濃度はどちらも一定であることから、着色高分子ゲル粒子の体積変化によって顔料が拡散・凝集し、光吸収効率が変わることで、光学濃度が変化すると考えられる。また、溶液を再度中性にしたところ初期の光学濃度に戻ることも確認できた。さらに、pHを3.0〜7.5の範囲で段階的に変化させ
ることで光学濃度を0.16 〜1.6の範囲で段階的に変えることもできた。
したがって、本発明の材料は着色高分子ゲルの体積変化によって大きな光学濃度変化で発色し、また色濃度を可逆的に変化可能なことが明らかとなった。
【0046】
実施例2
色材を含有した高分子ゲルの粒子を以下に示すような逆相懸濁重合によって製造した。主モノマーとしてアクリル酸10g、水酸化ナトリウム4g、架橋剤としてメチレンビスアクリルアミド0.02gを用い、これに蒸留水20g、過硫酸アンモニウム0.1g、色材として実施例1と同様のフタロシアニン系青色顔料10.0gを添加し、攪拌混合した水溶液を調製した。
ソルビトール系界面活性剤(第一工業製薬製:ソルゲン50)1.0gをシクロヘキサン200mlに溶解した溶液を窒素置換された反応容器に加え、これに先に調製した水溶液を添加し、回転式攪拌羽根を用いて10000回転で10分間高速攪拌して乳化させた。
乳化後、反応系の温度を25℃に調節し、さらに溶液を攪拌しながらこれにテトラメチルエチレンジアミンの50%水溶液を添加し、重合を行なった。
重合後、生成した着色高分子ゲル粒子を回収し、水酸化ナトリウム水溶液で中和反応を行なった後に、純水で繰り返し洗浄を行ない、乾燥させた。得られた粒子の乾燥時の平均粒径は約10μmであった。
この着色高分子ゲル粒子の純水吸水量は約250g/gであった。また、本粒子はpH変化、塩や有機溶剤の添加によって可逆的に膨潤・収縮させることができ、収縮時に比べて粒子径が約5倍程度、すなわち、体積が約125倍程度の変化が得られた。
【0047】
この粒子を一定濃度(0.12g/l)で含む水分散溶液を調製し、これを光路長1cmの分光光度測定装置用セルに入れ、純水(中性)による膨潤時、および微量の酸を添加しpH3.0の酸性に調整した収縮時の各光学濃度(λ=600nm)を測
定した結果、膨潤時は約1.6、収縮時は約0.1であり大きく光学濃度が変化する
ことが分かった。顔料の濃度はどちらも一定であることから、着色高分子ゲル粒子の体積変化によって顔料が拡散・凝集し、光吸収効率が変わることで、光学濃度が変化すると考えられる。また、溶液を再度中性にしたところ初期の光学濃度に戻ることも確認できた。さらに、pHを3.0〜7.5の範囲で段階的に変化させ
ることで光学濃度を0.1〜1.6の範囲で段階的に変えることもできた。
したがって、本発明の材料は着色高分子ゲルの体積変化によって大きな光学濃度変化で発色し、また色濃度変化を可逆的におこなえることが可能なことが明らかとなった。
【0048】
実施例3
色材を含有した感熱型(高温収縮型)高分子ゲルの粒子を以下に示すように逆相懸濁重合によって製造した。主モノマーとしてN−イソプロピルアクリルアミド10g、架橋剤としてメチレンビスアクリルアミド0.1gを用い、これに蒸留水20g、過硫酸アンモニウム0.1g、色材として1次粒径約0.1μmのカーボンブ
ラック顔料(固形分)8.0g(昭和キャボット社製、親水化カーボンブラック:Caboiet300)を添加し、攪拌混合した水溶液を調製した。また、上記の操作は窒素下にて行った。
ソルビトール系界面活性剤(第一工業製薬製:ソルゲン50)1.0gをシクロヘキサン200mlに溶解した溶液を窒素置換された反応容器に加え、これに先に調製した水溶液を添加し、回転式攪拌羽根を用いて高速攪拌して乳化させた。
乳化後、反応系の温度を20℃に調節し、さらに溶液を攪拌しながらこれにテトラメチルエチレンジアミンの50%水溶液を添加し、重合を行なった。
重合後、生成した着色高分子ゲル粒子を回収し、純水で洗浄を行なった。得られた粒子の乾燥時の平均粒径は約15μmであった。
この着色粒子の20℃における純水吸水量は約38g/gであった。本ゲル粒子は加熱によって収縮する性質をもち、約35℃に相転移点をもっていた。つまり、相転移点よりも高温では収縮し、低温では膨潤する。この変化は可逆的であり、膨潤・収縮によって粒子の大きさは約2.5 倍変化し、すなわち、体積で約16倍程度の変化が得られた。
【0049】
この着色粒子を一定濃度(0.15g/l)で含む溶液を調製し、これを光路長1cmの分光光度装置用セルに入れ、20℃(膨潤時)および50℃(収縮時)の各光学濃度(λ=600nm)を測定した結果、膨潤時は約1.5、収縮時は約0.1であり光
学濃度が大きく変化することが分かった。色材の濃度はどちらも一定であることから、着色高分子ゲル粒子の体積変化によって顔料が拡散・凝集し、光吸収効率が変わることで、光学濃度が変化すると考えられる。また、温度の変化による光学濃度の変化は可逆的であり100回繰り返しても劣化することはなかった。また、光学濃度変化は段階的に行えることも確認できた。
したがって、本発明の発色材料はその体積変化によって大きな光学濃度変化で発色し、また色濃度変化を可逆的にかつ安定におこなえることが可能なことが明らかとなった。
【0050】
実施例4
色材を含有した感熱型(高温収縮型)高分子ゲルの粒子を以下のようなプロセスにより製造した。
アクリルアミド10g、架橋剤としてメチレンビスアクリルアミド0.2 gに蒸留水50g、色材として一次粒径約0.1 μmのカーボンブラック顔料( 昭和キャボット社製、ショウブラック)10 gおよびカーボンブラックの分散剤としてエマルゲン909(花王社製) 、0.01gを添加し、攪拌混合した水溶液を調整した。
上記の水溶液をフラスコ中に入れ、窒素置換により酸素を除いた後、重合開始剤である過硫酸アンモニウム1.0 gを添加後、60℃に加熱して10時間、重合を行った。
重合終了後、試料を粗粉砕し、これを大量の蒸留水で洗浄することで精製を行い、さらに乾燥させて色材を含有したアクリルアミドゲルを得た。
次にこのアクリルアミドゲルの粗大粒子10gをフラスコに入れ、これにアクリル酸50g、架橋剤としてメチレンビスアクリルアミド0.1 gおよび蒸留水50g、およびアクリル酸を部分中和させるために水酸化ナトリウム0.14g( アクリル酸のうちの5 モル%) を加え、これに窒素置換後、過硫酸アンモニウム0.2 gを添加した。混合液を1 時間放置し、アクリルアミドゲルにアクリル酸系水溶液を十分に含浸・膨潤させた後、60℃に加熱し、10時間重合を行いIPN高分子ゲルを調整した。
重合終了後、生成したIPN高分子ゲル塊をホモジナイザーで粉砕し、大量の蒸留水中に投入し、これをろ過する操作を繰り返すことで精製を行った。その後、大量のメタノールを用いて脱水し、乾燥させた。得られた粒子の乾燥時の壁粒径は約20μmであった。
このIPNゲル粒子を大量の純水に加えて膨潤させた。温度、10℃における平衡膨潤時の吸水量は約3 g/ gであった。ところが、これを30℃に加熱するとさらに膨潤し、約150 g/ gの吸水量を示すことがわかった。また、相転移点は15〜20℃の温度範囲にあった。つまり、相転移点よりも高温では膨潤し、低温では、収縮する。この変化は可逆的であり、膨潤・収縮によって粒子の大きさは約3.7 倍、すなわち体積で約50倍の変化が得られた。
この粒子を一定濃度(0.20 g/l) で含む水分散液を調整し、これを光路長1cm の分光硬度装置用セルに入れ、20℃( 膨潤時) および50℃( 収縮時) の各光学濃度( λ=600mm) を測定した結果、膨潤時は約1.3 倍、収縮時は約0.1 であり、光学濃度が大きく変化することがわかった。色材の濃度はどちらも一定であることから、着色高分子ゲルの体積変化によって色材が拡散・凝集し、光吸収効率が変わることで光濃度が変化するものと考えられる。また、温度の変化による光学濃度の変化は可逆的であり、100 回繰り返しても劣化することはなかった。また、光学濃度変化は段階的に行えることも確認できた。
【0051】
実施例5
電気的な手段によるpH変化により調光機能を示す光学素子を以下のプロセスで作製した。
実施例2で調製した着色高分子ゲル粒子を0.1g を水酸化ナトリウム水溶液(1.0×10-3mol/l )30gに分散させた組成物を調製した。これを2枚のITO(イン
ジウム-スズ酸化物)電極付きガラス板を厚さ200μmのスぺーサーで間隔を設
けて重ねたセル間に注入して試料を作製した。この時、着色高分子ゲル粒子は1g当たり約200gの水酸化ナトリウム水溶液を吸収してほぼ最大膨潤した状態であり、試料は濃い黒色であった。
【0052】
この試料を一方のITOガラスが下面になるように透過光量測定装置に水平に配置した。試料に配線を行い、下側のITO電極をアノードとし、3 Vの直流電圧を印加すると、通電後、瞬時にほぼ透明に変化した。この変化の様子を光学顕微鏡に透過光量を測定できるフォトダイオードを装着した光学測定装置で測定すると、白色光の透過光量は約15%から約90%に変化していることが確認できた。また、通電を止める、あるいは逆極性の電圧を印加すると、再び黒色に変化し透過光量の変化は可逆的であることが分かった。また、この可逆的な変化は100回以上繰り返した後も何ら劣化することがなく安定であった。さらに、電圧の印加時間を制御することで透過光量を約15%から約90%の間で多段階に変化させて濃度階調を行なうことも確認できた。
【0053】
この電圧印加による透過光量の変化を観察した結果、着色高分子ゲル粒子が電極の電気化学反応によって収縮・膨潤することで内部の顔料が凝集・拡散して光吸収効率が変化することで透過光量が変化することが分かった。
以上から本試料は大きな透過光量の変化を示し、かつその応答が高速であり、安定な繰り返し特性や濃度階調性をもつことから、光の透過量を制御可能な光学素子として利用できることが分かった。
【0054】
実施例6
外部の温度の変化によって調光機能を示す光学素子を以下のプロセスで作製した。
実施例3 で調整した着色高分子ゲル粒子0.5 gを蒸留水30gに分散させて高分子ゲルを膨潤させた発色組成物を調整した。
20cm 角、厚み3mm のソーダライムガラス2 枚を基板として用意し、その1 枚の表面に粒径40μm接着性樹脂スペーサを少量散布し、加熱によって固定化した。もう1 枚の基板上にアプリケータを用いて、先に調整した発色組成物を約50μm厚みで塗布した後、直ちにスペーサを形成した基板を減圧下で貼り合わせ、外周部を封止剤で封止した。
この試料は、外部の温度変化によって透過率( 色濃度) が変化し、20℃以下で黒色であり、殆ど光を透過しないが、25℃以上でほぼ透明による特性をもっており、室外において、一日の温度変化により調光機能を示すものであった。
この変化の様子を光学顕微鏡に透過光量を測定できるフォトダイオードを装着した光学測定装置で測定すると、白色光の透過光量は約5 %〜約80%に変化することが確認できた。また、この可逆的な変化は、100 回以上繰り返した後も何ら劣化することがなく安定であった。
以上から、本試料は調光ガラスやプライバシーガラスなどの光学素子に応用可能なものであることがわかった。
【0055】
比較例
色材を含有した高分子ゲルの粒子を顔料の添加量を0.1 g(カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩に対して2.0%濃度)とする以外は実施例1に示す方法と同様によって製造し、乾燥時の平均粒径が10μmの粒子を得た。この着色粒子の純水吸水量は約300g/gであった。本粒子はpH変化、塩や有機溶剤の添加によって可逆的に膨潤・収縮させることができ、収縮時に比べて粒子径は約5倍程度、すなわち、体積が約125 倍程度の変化が得られた。
【0056】
この着色高分子ゲル粒子を一定濃度(2.0g/l)で含む水分散溶液を調製し
、これを光路長1cmの分光光度測定装置用セルに入れ、純水(中性)による膨潤時、および微量の酸を添加しpH3.0の酸性に調整した収縮時の各光学濃度(λ=600nm)を測定した結果、膨潤時も収縮時もいずれにおいても約1.6であり光
学濃度が全く変化しないことが分かった。これは、高分子ゲルに含まれる顔料濃度が低いため高分子ゲルの収縮時においても飽和吸収濃度を越えていないためであることがその理由であると考えられる。
したがって、本発明の飽和吸収濃度以上の顔料濃度を添加しないと本発明の効果は現れないことが分かった。
【0057】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、従来とは全く異なる新規な原理に基づき、コントラストが高く、耐久性に優れ、かつ応答性に優れた光学素子および光変調方法と、これらの光学素子および光変調方法を構成可能な体積変調型発色材料、この材料を用いた体積変調型発色組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発色材料の発色原理を図示したものである
【図2】本発明の光学素子の好ましい一実施の形態を示す概略的構成図である。
【符号の説明】
10 顔料
12 高分子ゲルの液体膨潤体
14 光
20 体積変調型発色組成物
22 刺激付与手段
24 基板
26 スペーサー

Claims (20)

  1. 刺激の付与による液体の吸脱により膨潤、収縮する高分子ゲル中に飽和吸収濃度以上の顔料を含有してなることを特徴とする体積変調型発色材料。
  2. 刺激の付与による液体の吸脱により膨潤、収縮する高分子ゲル中に顔料を含有してなる発色材料であって、高分子ゲルが収縮した状態において高分子ゲル中に前記顔料が飽和吸収濃度以上となるように含有されていることを特徴とする体積変調型発色材料。
  3. 前記発色材料が、1)架橋前の高分子に顔料を分散・混合した後に架橋して形成された着色高分子ゲル、または2)高分子前駆体モノマーに顔料を添加して重合形成された着色高分子ゲルからなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の体積変調型発色材料。
  4. 前記発色材料中に含まれる顔料濃度が5重量%以上95重量%以下の範囲であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の体積変調型発色材料。
  5. 前記発色材料が粒子状であり、その平均粒径が0.01μm〜5mmであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の体積変調型発色材料。
  6. 刺激の付与による液体の吸脱により膨潤、収縮する高分子ゲル中に飽和吸収濃度以上の顔料を含有してなることを特徴とする体積変調型発色材料と、前記液体とを有することを特徴とする体積変調型発色組成物。
  7. 刺激の付与による液体の吸脱により膨潤、収縮する高分子ゲル中に顔料を含有してなる発色材料であって、高分子ゲルが収縮した状態において高分子ゲル中に前記顔料が飽和吸収濃度以上となるように含有されている体積変調型発色材料と、前記液体とを有することを特徴とする体積変調型発色組成物。
  8. 前記発色材料中の顔料濃度が5重量%以上95重量%以下の
    範囲であることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の体積変調型発色組成物。
  9. 前記発色材料中の顔料が高分子ゲルの膨潤、収縮にともなって、拡散または凝集することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の体積変調型発色組成物。
  10. 前記発色材料が粒子状であり、その平均粒径が0.01μm〜5mmであることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の体積変調型発色組成物。
  11. 前記刺激が、pH変化、イオン濃度変化、化学物質の吸脱着、溶液組成の変化、光、熱、電界、磁界から選ばれることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の体積変調型発色組成物。
  12. 前記発色材料の膨潤、収縮が可逆的であることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の体積変調型発色組成物。
  13. 前記発色材料の膨潤時の体積の収縮時の体積に対する比が5以上であることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の体積変調型発色組成物。
  14. 一対の基板間に刺激の付与による液体の吸脱により膨潤、収縮する高分子ゲル中に飽和吸収濃度以上の顔料を含有してなる体積変調型発色材料と、前記液体とを保持してなるセルと、を有することを特徴とする光学素子。
  15. 一対の基板間に刺激の付与による液体の吸脱により膨潤、収縮する高分子ゲル中に顔料を含有してなる発色材料であって、高分子ゲルが収縮した状態において高分子ゲル中に前記顔料が飽和吸収濃度以上となるように含有されている体積変調型発色材料と、前記液体とを保持してなるセルと、を有することを特徴とする光学素子。
  16. 前記セルに前記刺激を付与する刺激付与手段を設けた請求項14または請求項15に記載の光学素子。
  17. 前記発色材料が膨潤状態におけるセルの光学濃度が、収縮状態におけるセルの光学濃度に比べて高いことを特徴とする請求項14ないし請求項16のいずれかに記載の光学素子。
  18. 液体の吸脱により膨潤、収縮する高分子ゲル中に飽和吸収濃度以上の顔料を含有してなる体積変調型発色材料と、前記液体とを有する体積変調型発色組成物への刺激の付与により、前記発色材料を膨潤状態または収縮させることで前記体積変調型発色組成物の光学濃度を変化させることを特徴とする光変調方法。
  19. 液体の吸脱により膨潤、収縮する高分子ゲル中に顔料を含有してなる発色材料であって、高分子ゲルが収縮した状態において高分子ゲル中に前記顔料が飽和吸収濃度以上となるように含有されている体積変調型発色材料と、前記液体とを有する体積変調型発色組成物への刺激の付与により、前記発色材料を膨潤状態または収縮させることで前記体積変調型発色組成物の光学濃度を変化させることを特徴とする光変調方法。
  20. 前記刺激の付与により前記膨潤状態での光学濃度を収縮状態での光学濃度より高くすることを特徴とする請求項18または請求項19に記載の光変調方法。
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